JP3686783B2 - 半導体レーザ素子搭載用サブキャリアおよび半導体レーザモジュール - Google Patents

半導体レーザ素子搭載用サブキャリアおよび半導体レーザモジュール Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザ素子を搭載するための半導体レーザ素子搭載用サブキャリアおよびこれを使用した光通信用の半導体レーザモジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光通信用の半導体レーザモジュールに使用される半導体レーザ素子は、その発振波長や光出力等が半導体レーザ素子の温度により変化する。
【0003】
したがって、半導体レーザ素子を安定して作動させるためには、半導体レーザ素子の温度を所定の温度に制御することが必要となる。
【0004】
このような半導体レーザ素子の温度制御は、従来より半導体レーザ素子の温度を測定するための測温素子と、この測温素子が測定した半導体レーザ素子の温度情報を基に半導体レーザ素子の冷却または加熱を行なうためのペルチェ素子とにより行なわれている。
【0005】
そして、このような測温素子およびペルチェ素子は、半導体レーザ素子とともに気密封止が可能なパッケージ内に収められて半導体レーザモジュールを構成する。
【0006】
ここで、従来の半導体レーザモジュールの例を図3に断面図で示す。
【0007】
従来の半導体レーザモジュールは、基体21と蓋体22とから成るパッケージの内部にペルチェ素子23および半導体レーザ素子24ならびに測温素子25を気密に収容して成る。なお、半導体レーザ素子24および測温素子25は、これらを搭載するためのサブキャリア26の上に配置されている。
【0008】
パッケージを構成する基体21は、例えば酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックスや銅−タングステン合金・鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属から成り、主として平板状の底板部21aと枠状の側壁部21bとから構成されている。
【0009】
基体21の底板部21aの上面にはペルチェ素子23が搭載固定されており、このペルチェ素子23の上面には、半導体レーザ素子24および測温素子25が半導体レーザ素子搭載用サブキャリア26の上に配置された状態で搭載されている。
【0010】
また、基体21の側壁部21bには、鉄−ニッケル合金や鉄−コバルト−ニッケル合金等の金属から成るパイプ27が取着されており、このパイプ27の内部には光ファイバ28が挿通されている。
【0011】
光ファイバ28は、その先端が半導体レーザ素子24と対向するように配置されており、これにより半導体レーザ素子24から発生する光を光ファイバ28を介して外部に伝送することができるようになっている。
【0012】
さらに、基体21の底板部21aまたは側壁部21bには、リード端子29が固定されており、このリード端子29には、ペルチェ素子23や半導体レーザ素子24・測温素子25が電気的に接続されている。
【0013】
また、蓋体22は、鉄−ニッケル−コバルト合金や鉄−ニッケル合金等の金属から成る平板であり、基体21の側壁部21bの上面に例えばシーム溶接法により接合されることにより、基体21と蓋体22とから成るパッケージ内部にペルチェ素子23および半導体レーザ素子24ならびに測温素子25を気密に封止している。
【0014】
この従来の半導体レーザモジュールにおいて使用される半導体レーザ素子搭載用サブキャリア26について、図4を基に、より詳細に説明する。
【0015】
図4は、図3におけるサブキャリア26とその上に配置された半導体レーザ素子24および測温素子25とを示す斜視図である。
【0016】
サブキャリア26は、例えば酸化アルミニウム質焼結体等の電気絶縁材料から成る基板30の上面の一端側に半導体レーザ素子24を搭載するための金属薄膜から成る搭載部31を有している。搭載部31を構成する金属薄膜は、例えばチタン膜−白金膜−金膜からなる3層構造の金属薄膜である。この金属薄膜から成る搭載部31の上に半導体レーザ素子24が例えば金−錫合金から成るろう材を介して固定されている。サブキャリア26はまた、その裏面にも例えばチタン膜−白金膜−金膜からなる3層構造の金属薄膜(図示せず)が略全面に被着されており、この裏面の金属薄膜とペルチェ素子23とをろう付けすることによりサブキャリア26がペルチェ素子23上に固着されている。
【0017】
他方、測温素子25は、例えば珪窒化モリブデン等の抵抗体材料の薄膜から成り、基板30の上面の他端側にジグザグ状のパターンに屈曲して設けられている。この測温素子25は、温度によってその電気抵抗値が変化する。そして、この測温素子25の電気抵抗値の変化をリード端子29を介して外部の制御回路に伝え、この制御回路からの指示でペルチェ素子23を作動させることにより半導体レーザ素子24を所定の温度に制御している。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来の半導体レーザモジュールにおいては、測温素子25がサブキャリア26の上面の一端側にジグザグ状に屈曲したパターンに配設されているので、測温素子25と半導体レーザ素子24との距離が長いものとなってしまい、半導体レーザ素子24の温度変化に対する測温素子25の抵抗変化の追従性が劣るとともに、このジグザグ状に屈曲したパターンの測温素子25が半導体レーザ素子24からの熱を一つの方向からのみ受けることになるため、測温素子25への熱の伝達が不均一なものとなり易く、そのため、迅速でかつ高精度な温度制御を行なうことが困難であるという問題点を有していた。同時に、ジグザグ状に屈曲した測温素子25のパターンは、サブキャリア26上に大きな領域を占有するので、サブキャリア26が大型化し、その結果、これを搭載するペルチェ素子やパッケージも大型化してしまうという問題点も有していた。
【0019】
本発明はかかる従来の問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、半導体レーザ素子から測温素子までの距離を短いものとするとともに半導体レーザ素子から測温素子への熱の伝達を略均一なものとし、迅速でかつ高精度な温度制御を行なうことが可能な半導体レーザ素子搭載用サブキャリアおよび半導体レーザモジュールを提供することにある。
【0020】
また、本発明の他の目的は、測温素子がサブキャリア上で大きな領域を占有することがない、小型の半導体レーザ素子搭載用サブキャリアおよびこれを用いた小型の半導体レーザモジュールを提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体レーザ素子搭載用サブキャリアは、基板上に、半導体レーザ素子が搭載される金属膜と、該金属膜の外周から離間して該金属膜を取り囲むようにして形成された測温素子とを具備して成ることを特徴とするものである。
【0022】
また、本発明の半導体レーザモジュールは、基体と蓋体とから成るパッケージのパッケージの内部に、基体の上に搭載されたペルチェ素子と、このペルチェ素子の上に搭載された上記構成の半導体レーザ素子搭載用サブキャリアと、このサブキャリア上に搭載された半導体レーザ素子とを気密に収容して成ることを特徴とするものである。
【0023】
本発明の半導体レーザ搭載用サブキャリアによれば、測温素子は、半導体レーザ素子が搭載される搭載部を取り囲むようにして配設されていることから、半導体レーザ素子までの距離を短いものとすることができるとともに、半導体レーザ素子の熱をその周囲で略均一に受けることができる。同時に、測温素子がサブキャリア上で大きな領域を占有することもない。
【0024】
また、上述のサブキャリアを使用した本発明の半導体レーザモジュールによれば、サブキャリア上に設けた測温素子により半導体レーザ素子の温度を追従性高く正確に測定し、その情報を基にペルチェ素子を迅速かつ高精度に作動させることができる。さらに、小型のサブキャリアを収容するので、その分、これを搭載するペルチェ素子やパッケージも小さくてすみ、モジュールを小型化することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を添付の図面を基に詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明の半導体レーザ搭載用サブキャリアおよびこれを使用した半導体レーザモジュールの実施の形態の一例を示す断面図であり、本発明の半導体レーザモジュールは、基体1と蓋体2とから成るパッケージの内部にペルチェ素子3・半導体レーザ素子4・測温素子5を気密に収容して成る。なお、半導体レーザ素子4および測温素子5は、本発明の半導体レーザ素子搭載用サブキャリア6の上に配置されている。
【0027】
パッケージを構成する基体1は、酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・炭化珪素質焼結体・窒化珪素質焼結体・ガラスセラミックス等のセラミックス材料、あるいは銅を含浸させたタングステン多孔質体や鉄−ニッケル合金・鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属から成り、主として略平板状の底板部1aと枠状の側壁部1bとから構成されている。なお、底板部1aと側壁部1bとは同じ材料から形成されていてもよいし、互いに異なる材料から形成されていてもよい。ただし、底板部1aと側壁部1bとを互いに異なる材料で形成する場合には、両者の熱膨張係数の差ができるだけ小さいものとなる組み合わせを選択することが好ましい。
【0028】
基体1の底板部1aの上面には、ペルチェ素子3が搭載固定されている。ペルチェ素子3は、半導体レーザ素子4を所定の温度に冷却または加熱するための熱ポンプとして機能し、測温素子5により測定した半導体レーザ素子4の温度情報を基に半導体レーザ素子4が所定の温度となるように冷却または加熱する。
【0029】
そして、このペルチェ素子3の上面には、搭載用サブキャリア6が搭載固定されており、このサブキャリア6上には半導体レーザ素子4および測温素子5が配置されている。
【0030】
サブキャリア6は、図2に斜視図で示すように、酸化アルミニウム質焼結体・石英・窒化アルミニウム質焼結体・炭化珪素質焼結体・窒化珪素質焼結体・ガラスセラミックス・シリコン等の電気絶縁性の材料から成る四角平板状の基板7の上面に、半導体レーザ素子4を搭載するための搭載部8と半導体レーザ素子4の温度を測定するための測温素子5とを配設して成る。また、基板7の下面には、サブキャリア6をペルチェ素子3に接合するための接合用金属層(図示せず)が被着されている。
【0031】
基板7は、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化マグネシウム・酸化カルシウム等のセラミック粉末に適当な有機バインダ・溶剤を添加混合して原料粉末を調整し、次にこの原料粉末を所定金型内に充填して生セラミック成形体を得て、この生セラミック成形体を約1600℃の温度で焼成することによって製作される。あるいは、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化マグネシウム・酸化カルシウム等のセラミック粉末に適当な有機バインダ・溶剤を添加混合して得た泥漿を従来周知のドクタブレード法を採用してシート状となし、このシートを適当な大きさに切断した後、約1600℃の温度で焼成することによって製作される。
【0032】
なお、基板7は、窒化アルミニウム質焼結体や炭化珪素質焼結体・窒化珪素質焼結体あるいはシリコンで形成しておくと、これらの材料はその熱伝導率が40W/m・K以上と高いため、サブキャリア6上に搭載される半導体レーザ素子4とペルチェ素子3との間の熱の伝達を良好に行なうことができ、半導体レーザ素子4の温度制御を迅速に行なうことが可能となる。
【0033】
基板7の上面に配設された搭載部8は、基板7に半導体レーザ素子4を固着するための下地金属として機能し、その上面には半導体レーザ素子4が金−錫合金等の低融点ろう材を介して取着される。
【0034】
搭載部8は、例えば基板7の側からチタン膜−白金膜−金膜からなる3層構造の金属薄膜から形成されている。チタン膜は、基板7に対する密着金属であり、厚みが100 〜2000オングストローム程度である。また、白金膜はチタン膜中のチタンが金膜に拡散するのを防止するバリア層であり、厚みが500 〜10000 オングストローム程度である。さらに、金膜は、搭載部5に半導体レーザ素子2を取着する際のろう材との濡れ性を向上させるためのものであり、厚みが1000〜50000 オングストローム程度である。
【0035】
なお、このような搭載部8となるチタン膜・白金膜・金膜は、スパッタリング法やイオンプレーティング法・蒸着法等の従来周知の薄膜成形技術を採用することによって、これらの金属膜を基板7の上面に被着させるとともに従来周知のフォトリソグラフィー技術を採用して所定のパターンにエッチングすることによって形成される。
【0036】
また、同じく基板7の上面に配設された測温素子5は、半導体レーザ素子4の温度を測定するための測温抵抗体であり、例えば珪窒素モリブデンや珪窒化タングステン・白金等の抵抗温度係数(TCR)が1000ppm/℃以上の抵抗体材料から成る。
【0037】
測温素子5は、例えば珪窒化モリブデンから成る場合であれば、珪化モリブデンを窒素雰囲気中で基板7の表面にスパッタリングすることによって珪窒化モリブデン層を被着させるとともに、これを従来周知のフォトリソグラフィー技術を採用して所定のパターンにエッチングすることによって形成される。
【0038】
そして、本発明のサブキャリア6においては、測温素子5が搭載部8を取り囲むようにして配設されている。
【0039】
測温素子5は、搭載部8との間に0.01〜5mmの略一定の間隔をあけて搭載部8の周りを略一周めぐるようにして形成されており、これにより半導体レーザ素子4の全周にわたる方向からの熱を短い距離で略均一に受けることができ、迅速かつ精度の高い測温が可能となるものである。
【0040】
また、測温素子5は、搭載部8との間に0.01〜5mmの略一定の間隔をあけて搭載部8の周りを略一周めぐらせただけなので、従来のようにジグザグ状に屈曲するパターンで形成した場合と比較して基板7の上に占有する領域が小さなものとなり、その結果、サブキャリア6を小型化することができる。同時に、サブキャリア6を搭載するペルチェ素子3およびパッケージもその分小さいものとすることができるので半導体レーザモジュールを小型化することができる。
【0041】
なお、測温素子5は、搭載部8との間隔が0.01mm以下となると、搭載部8との間に電気的な短絡を引き起こす危険性がある。他方、5mmを超えると、搭載部8に搭載される半導体レーザ素子4から測温素子5までの距離が長いものとなり、半導体レーザ素子4の温度の変化に対する追従性が鈍いものとなるとともに、測温素子5を設けるために大きな領域が必要となり基板7が大型化してしまう傾向にある。したがって、測温素子5と搭載部8との間隔は、0.01〜5mmの範囲であることが好ましい。
【0042】
また、測温素子5は、その厚みが50〜10000 オングストロームである。測温素子5の厚みが50オングストローム未満であると、測温素子5に断線が発生する恐れが高くなる。他方、10000 オングストロームを超えると、測温素子5の電気抵抗値が小さなものとなり過ぎて、測温抵抗体としての感度が低いものとなる。
【0043】
さらに、測温素子5の両端部には、外部の制御回路に電気的に接続される端子9が接続されている。
【0044】
端子9は、基板7の上面に測温素子5の両端部を覆うようにして、例えば、搭載部8を構成する金属薄膜と同じ構成の金属薄膜を被着させて成る。このような端子9は、例えば予め基板7の上面に測温素子5となる抵抗体材料を被着させてこれをエッチングにより所定のパターンの測温素子5に形成した後に、その上を覆うようにして搭載部8および端子9となる金属膜を被着させ、この金属膜を搭載部8および端子部9の部分が残るようにエッチングすることにより搭載部8と同時に形成すればよい。
【0045】
また、基板7の下面に被着させた接合用金属層は、搭載部8を構成する金属薄膜と同じ構成の金属薄膜から形成される。
【0046】
一方、基体1の側壁1bには、これを貫通するようにして鉄−ニッケル合金や鉄−ニッケルコバルト合金等の金属から成るパイプ10が取着固定されている。
【0047】
パイプ10は、パッケージに光ファイバ11を固定するためのものであり、その内部に光ファイバ11が挿通固定される。
【0048】
光ファイバ11は、その先端が半導体レーザ素子4と対向するようにして配置されており、これにより半導体レーザ素子4から発生する光を光ファイバ11を介して外部に伝送することができるようになっている。
【0049】
さらに、基体1の底板部1aまたは側壁部1bには、鉄−ニッケル合金や鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属から成るリード端子12がパッケージの外部に突出するようにして設けられている。
【0050】
このリード端子12は、基体1の底板部1aまたは側壁部1bを貫通するようにして設けられることにより、あるいは基体1の内部から外部に導出する配線導体に接合されることによりパッケージの内部と外部とを電気的に接続することを可能としている。そして、このリード端子12には、パッケージ内部のペルチェ素子3や半導体レーザ素子4・測温素子5が電気的に接続されている。
【0051】
他方、蓋体2は、鉄−ニッケル合金や鉄−ニッケル−コバルト合金等の金属から成る略平板であり、基体1の側壁部1bの上面に例えばシーム溶接することにより接合されている。そして、これにより基体1と蓋体2とから成るパッケージの内部にペルチェ素子3および半導体レーザ素子4ならびに測温素子5等が気密に封止されている。なお、蓋体2をシーム溶接により側壁部1bに接合する場合であって、側壁部1bがセラミックス材料や銅を含浸させたタングステン多孔質体から成る場合であれば、側壁部1bの上面に鉄−ニッケル合金や鉄−ニッケル−コバルト合金から成る金属枠体をシーム溶接のための下地金属部材として予め取着させておく必要がある。
【0052】
かくして、本発明の半導体レーザ素子搭載用サブキャリアおよび半導体レーザモジュールによれば、迅速かつ高精度の測温が可能となるとともに、小型のサブキャリアおよび小型の半導体レーザモジュールを提供することができる。
【0053】
なお、本発明の半導体レーザ素子搭載用サブキャリアおよび半導体レーザモジュールは上述の実施の形態の一例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、上述の実施の形態の一例では、サブキャリア6の搭載部8および端子部9を形成する金属薄膜は、密着金属としてチタンを、バリア層として白金を使用したが、密着金属としてはクロムやニクロム・タンタル等を使用してもよく、またバリア層としてはパラジウムやニクロム・チタン−タングステン合金等を用いてもよい。
【0054】
さらに、サブキャリア6の搭載部8のバリア層として白金を使用し、かつ測温素子5としても白金を使用する場合であれば、基板7の上面に密着金属膜と白金膜と金膜とを順次被着させた後、搭載部8および端子9となる部位は密着金属膜・白金膜・金膜の全ての金属膜を残してエッチングし、測温素子5となる部位は密着金属膜および白金膜のみが残るようにエッチングすることによって搭載部8および端子9ならびに測温素子5を形成するようにすればよい。
【0055】
さらにまた、サブキャリア6の搭載部8の上面に半導体レーザ素子4を取着するための、例えば金−錫合金から成るろう材を、スパッタリング法等を採用して所定の厚みに被着させてもよい。この場合には、搭載部8に半導体レーザ素子4を搭載する際にろう材を配置する手間を省くことができる。
【0056】
【発明の効果】
本発明の半導体レーザ搭載用サブキャリアによれば、測温素子は、半導体レーザ素子が搭載される搭載部を取り囲むようにして配設されていることから、半導体レーザ素子までの距離を短いものとすることができるとともに、半導体レーザ素子の熱を略均一に受けることができ、迅速かつ高精度の測温が可能となる。同時に、測温素子がサブキャリア上で大きな領域を占有することもなく、サブキャリアを小型化することができる。
【0057】
また、上述のサブキャリアを使用した本発明の半導体レーザモジュールによれば、サブキャリア上に設けた測温素子により半導体レーザ素子の温度を追従性高く正確に測定し、その情報を基にペルチェ素子を迅速かつ高精度に作動させることができるので、パッケージ内部の半導体レーザ素子の温度を常に定温として半導体レーザ素子に所定の波長の光を安定して発振させることができる。さらに、小型のサブキャリアを収容するので、その分、これを搭載するペルチェ素子やパッケージも小さくてすみ、小型のモジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体レーザモジュールの実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】図1に示す半導体レーザモジュールに使用される本発明の半導体レーザ素子搭載用サブキャリアを示す斜視図である。
【図3】従来の半導体レーザモジュールの例を示す断面図である。
【図4】図3に示す半導体レーザモジュールに使用される半導体レーザ素子搭載用サブキャリアを示す斜視図である。
【符号の説明】
1・・・・・・基体
2・・・・・・蓋体
3・・・・・・ペルチェ素子
4・・・・・・半導体レーザ素子
5・・・・・・測温素子
6・・・・・・サブキャリア
7・・・・・・基板
8・・・・・・搭載部

Claims (2)

  1. 基板上に、半導体レーザ素子搭載され金属膜と、該金属膜の外周から離間して該金属膜を取り囲むようにして形成された測温素子とを具備して成ることを特徴とする半導体レーザ素子搭載用サブキャリア。
  2. 基体と蓋体とから成るパッケージの内部に、前記基体の上に搭載されたペルチェ素子と、該ペルチェ素子の上に搭載された請求項1記載の半導体レーザ素子搭載用サブキャリアと、該サブキャリア上に搭載された半導体レーザ素子とを気密に収容して成ることを特徴とする半導体レーザモジュール。
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