JP2001093405A - 電界放射型電子源およびその製造方法 - Google Patents

電界放射型電子源およびその製造方法

Info

Publication number
JP2001093405A
JP2001093405A JP27152399A JP27152399A JP2001093405A JP 2001093405 A JP2001093405 A JP 2001093405A JP 27152399 A JP27152399 A JP 27152399A JP 27152399 A JP27152399 A JP 27152399A JP 2001093405 A JP2001093405 A JP 2001093405A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
conductive layer
semiconductor layer
electric field
electron source
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP27152399A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3767275B2 (ja
Inventor
Yoshiaki Honda
由明 本多
Koichi Aizawa
浩一 相澤
Takuya Komoda
卓哉 菰田
Yoshifumi Watabe
祥文 渡部
Takashi Hatai
崇 幡井
Tsutomu Kunugibara
勉 櫟原
Yukihiro Kondo
行廣 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP27152399A priority Critical patent/JP3767275B2/ja
Publication of JP2001093405A publication Critical patent/JP2001093405A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3767275B2 publication Critical patent/JP3767275B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】表面電極の平坦性が良好な電界放射型電子源お
よびその製造方法を提供する。 【解決手段】ガラス基板よりなる絶縁性基板11の一表
面上に半導体層たるノンドープの多結晶シリコン層23
が形成され、多結晶シリコン層23の一部にn形多結晶
シリコンよりなる導電性層8が形成され、該導電性層8
上に酸化した多孔質多結晶シリコンよりなる強電界ドリ
フト層6が形成され、強電界ドリフト層6上に表面電極
7が形成されている。導電性層8は、絶縁性基板11上
に形成された半導体層たるノンドープの多結晶シリコン
層23にn形不純物をドーピングすることにより該ノン
ドープの多結晶シリコン層23の一部に形成されてい
る。導電性層8上には、強電界ドリフト層6と離間した
部位にパッド電極18が配設されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界放射により電
子線を放射するようにした電界放射型電子源に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電界放射型電子源として、例
えば米国特許3665241号などに開示されているい
わゆるスピント(Spindt)型電極と呼ばれるものがあ
る。このスピント型電極は、微小な三角錐状のエミッタ
チップを多数配置した基板と、エミッタチップの先端部
を露出させる放射孔を有するとともにエミッタチップに
対して絶縁された形で配置されたゲート層とを備え、真
空中にてエミッタチップをゲート層に対して負極として
高電圧を印加することにより、エミッタチップの先端か
ら放射孔を通して電子線を放射するものである。
【0003】しかしながら、スピント型電極は、製造プ
ロセスが複雑であるとともに、多数の三角錐状のエミッ
タチップを精度良く構成することが難しく、例えば平面
発光装置やディスプレイなどへ応用する場合に大面積化
が難しいという問題があった。また、スピント型電極
は、電界がエミッタチップの先端に集中するので、エミ
ッタチップの先端の周りの真空度が低くて残留ガスが存
在するような場合、放射された電子によって残留ガスが
プラスイオンにイオン化され、プラスイオンがエミッタ
チップの先端に衝突するから、エミッタチップの先端が
ダメージ(例えば、イオン衝撃による損傷)を受け、放
射される電子の電流密度や効率などが不安定になった
り、エミッタチップの寿命が短くなってしまうという問
題が生じる。したがって、スピント型電極では、この種
の問題の発生を防ぐために、高真空(約10-5Pa〜約
10-6Pa)で使用する必要があり、コストが高くなる
とともに、取扱いが面倒になるという不具合があった。
【0004】この種の不具合を改善するために、MIM
(Metal Insulator Metal)方式やMOS(Metal Oxid
e Semiconductor)型の電界放射型電子源が提案されて
いる。前者は金属−絶縁膜−金属、後者は金属−酸化膜
−半導体の積層構造を有する平面型の電界放射型電子源
である。しかしながら、このタイプの電界放射型電子源
において電子の放射効率を高めるためには(多くの電子
を放射させるためには)、上記絶縁膜や上記酸化膜の膜
厚を薄くする必要があるが、上記絶縁膜や上記酸化膜の
膜厚を薄くしすぎると、上記積層構造の上下の電極間に
電圧を印加した時に絶縁破壊を起こす恐れがあり、この
ような絶縁破壊を防止するためには上記絶縁膜や上記酸
化膜の膜厚の薄膜化に制約があるので、電子の放出効率
(引き出し効率)をあまり高くできないという不具合が
あった。
【0005】また、近年では、特開平8−250766
号公報に開示されているように、シリコン基板などの単
結晶の半導体基板を用い、その半導体基板の一表面を陽
極酸化することにより多孔質半導体層(ポーラスシリコ
ン層)を形成して、その多孔質半導体層上に金属薄膜を
形成し、半導体基板と金属薄膜との間に電圧を印加して
電子を放射させるように構成した電界放射型電子源(半
導体冷電子放出素子)が提案されている。
【0006】しかしながら、上述の特開平8−2507
66号公報に記載の電界放射型電子源では、基板が半導
体基板に限られるので、大面積化やコストダウン化が難
しいという不具合がある。また、特開平8−25076
6号公報に記載の電界放射型電子源では電子放出時にい
わゆるポッピング現象が生じやすく、放出電子量にむら
が起こりやすいので、平面発光装置やディスプレイなど
に応用すると、発光むらができてしまうという不具合が
ある。
【0007】そこで、本願発明者らは、特願平10−2
72340号、特願平10−272342号において、
多孔質多結晶半導体層(例えば、多孔質化された多結晶
シリコン層)を急速熱酸化(RTO)技術によって急速
熱酸化することによって、導電性基板と金属薄膜(表面
電極)との間に介在し導電性基板から注入された電子が
ドリフトする強電界ドリフト層を形成した電界放射型電
子源を提案した。この電界放射型電子源では、電子放出
特性の真空度依存性が小さく且つ電子放出時にポッピン
グ現象が発生せず安定して電子を放出することができ、
また、導電性基板として単結晶シリコン基板などの半導
体基板の他にガラス基板(絶縁性基板)などに導電性膜
(例えば、ITO膜)を形成した基板などを使用するこ
ともできるから、従来のように半導体基板を多孔質化し
た多孔質半導体層を利用する場合やスピント型電極に比
べて、電子源の大面積化および低コスト化が可能にな
る。
【0008】図8に、ガラス基板よりなる絶縁性基板1
1と該絶縁性基板11上に形成したITO膜よりなる導
電性層8’とで構成した導電性基板を用いた電界放射型
電子源10’を示す。すなわち、この電界放射型電子源
10’は、図8に示すように、絶縁性基板11上に導電
性層8’が形成され、導電性層8’上に強電界ドリフト
層6が形成され、強電界ドリフト層6上に導電性薄膜
(例えば、金属薄膜)よりなる表面電極7が形成されて
いる。
【0009】この電界放射型電子源10’では、例えば
図9に示すように、表面電極7を真空中に配置するとと
もに表面電極7に対向してコレクタ電極21を配置し、
表面電極7を導電性層8’に対して正極として直流電圧
Vpsを印加するとともに、コレクタ電極21を表面電極
7に対して正極として直流電圧Vcを印加することによ
り、導電性層8’から注入された電子が強電界ドリフト
層6をドリフトし表面電極7を通して放出される(な
お、図9中の一点鎖線は表面電極7を通して放出された
電子e-の流れを示す)。ここにおいて、表面電極7と
導電性層8’との間に流れる電流をダイオード電流Ips
と称し、コレクタ電極21と表面電極7との間に流れる
電流を放出電子電流Ieと称し、ダイオード電流Ipsに
対する放出電子電流Ieが大きい(Ie/Ipsが大きい)
ほど電子の放出効率が高くなる。なお、この電界放射型
電子源10’では、表面電極7と導電性層8’との間に
印加する直流電圧Vpsを10〜20V程度の低電圧とし
ても電子を放出させることができる。
【0010】ところで、この種の電界放射型電子源1
0’をディスプレイ装置の電子源として利用する場合に
は、例えば、絶縁性基板11上に形成する導電性層8’
をストライプ状にパターニングするとともに、表面電極
7を導電性層8’に交差する方向にストライプ状にパタ
ーニングして、導電性層8’と表面電極7とでマトリク
スを構成すればよい。
【0011】なお、図10に示すように、絶縁性基板1
1上に所定形状にパターニングした導電性層8’を有す
る電界放射型電子源10”も提案されている(例えば、
特開平9−259795号公報)。図10に示す電界放
射型電子源10”は、絶縁性基板11の一表面上に所定
形状にパターニングして形成されたオーミック電極より
なる導電性層8’を有し、絶縁性基板11の上記一表面
側の全面を覆うように形成された半導体層3’と、該半
導体層3’の表面側で導電性層8’の上方に形成された
多孔質半導体層よりなる強電界ドリフト層6’と、強電
界ドリフト層6’上に形成された表面電極7とを備えて
いる。
【0012】ところで、表面電極7の膜厚は10nmな
いし15nm程度に設定されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述の電界放射型電子
源10’,10”では、ディスプレイ装置などの電子源
として利用するために導電性層8’を所定形状にパター
ニングした場合、導電性層8’の厚みによって(つま
り、導電性層8’の表面と絶縁性基板11の上記一表面
との段差に起因して)、強電界ドリフト層6,6’の表
面の平坦性が損なわれ、結果的に強電界ドリフト層6,
6’上の表面電極7の表面の平坦性が損なわれてしまう
という不具合があり、導電性層8’の厚みが大きくなっ
て強電界ドリフト層6,6’の表面の平坦性が悪くなる
と、表面電極7が断線してしまう恐れもあった。
【0014】本発明は上記事由に鑑みて為されたもので
あり、その目的は、表面電極の平坦性が良好な電界放射
型電子源およびその製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
目的を達成するために、絶縁性基板と、絶縁性基板の一
表面上に形成された導電性層と、導電性層上に形成され
た酸化若しくは窒化した多孔質半導体層よりなる強電界
ドリフト層と、強電界ドリフト層上に形成された表面電
極とを備え、表面電極を導電性層に対して正極として電
圧を印加することにより導電性層から注入された電子が
強電界ドリフト層をドリフトし表面電極を通して放出さ
れる電界放射型電子源であって、上記導電性層は、絶縁
性基板上に形成された半導体層に不純物をドーピングす
ることにより該半導体層の一部に形成されてなることを
特徴とするものであり、上記導電性層が絶縁性基板上に
形成された半導体層に不純物をドーピングすることによ
り該半導体層の一部に形成されているので、強電界ドリ
フト層の表面の平坦性が向上し、結果的に表面電極の平
坦性も向上する。
【0016】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、上記強電界ドリフト層の周囲において導電性層上に
絶縁層が形成されているので、導電性層から強電界ドリ
フト層の周囲を通して表面電極へ電流が流れるのを防止
することができる。
【0017】請求項3の発明は、絶縁性基板と、絶縁性
基板の一表面側に形成された導電性層と、導電性層上に
形成された酸化若しくは窒化した多孔質半導体層よりな
る強電界ドリフト層と、強電界ドリフト層上に形成され
た表面電極とを備え、表面電極を導電性層に対して正極
として電圧を印加することにより導電性性層から注入さ
れた電子が強電界ドリフト層をドリフトし表面電極を通
して放出される電界放射型電子源であって、上記導電性
層は、絶縁性基板の上記一表面に設けられた凹部へ埋め
込まれる形で形成されてなることを特徴とするものであ
り、上記導電性層が絶縁性基板の上記一表面に設けられ
た凹部へ埋め込まれる形で形成されているので、強電界
ドリフト層の表面の平坦性が向上し、結果的に表面電極
の平坦性も向上する。
【0018】請求項4の発明は、請求項1ないし請求項
3の発明において、上記多孔質半導体層が、多孔質化し
た多結晶半導体よりなるので、大面積化が容易になる。
【0019】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、上記多結晶半導体が、600℃以下の低温プロセス
によって形成されているので、絶縁性基板として安価な
ガラス基板を用いることができ、低コスト化が図れると
ともに、より一層の大面積化を図ることができる。
【0020】請求項6の発明は、請求項1ないし請求項
3の発明において、上記多孔質半導体層が、多孔質化し
たアモルファス半導体よりなるので、大面積化が図れる
とともに、絶縁性基板として安価なガラス基板を用いる
ことができて低コスト化が図れる。
【0021】請求項7の発明は、請求項1ないし請求項
6の発明において、上記半導体が、シリコンよりなるの
で、シリコンプロセスを使用でき、導電性層のパターン
の微細化および高精度化を図ることができる。
【0022】請求項8の発明は、請求項1記載の電界放
射型電子源の製造方法であって、絶縁性基板の一表面上
に半導体層を形成した後、該半導体層の一部に不純物を
ドーピングすることにより導電性層を形成し、その後、
絶縁性基板の上記一表面側の全面に別の半導体層を形成
し、さらに、導電性層の表面の一部が露出するように上
記別の半導体層の一部をエッチング除去し、その後、陽
極酸化処理を行うことにより上記別の半導体層を部分的
に多孔質化して多孔質半導体層を形成し、該多孔質半導
体層を酸化若しくは窒化することにより強電界ドリフト
層を形成し、次いで、強電界ドリフト層上に表面電極を
形成することを特徴とし、絶縁性基板上の半導体層の一
部に不純物をドーピングすることにより導電性層を形成
するので、表面電極の平坦性が良好な電界放射型電子源
を提供することができる。
【0023】請求項9の発明は、請求項2記載の電界放
射型電子源の製造方法であって、絶縁性基板の一表面上
に半導体層を形成した後、該半導体層の一部に不純物を
ドーピングすることにより導電性層を形成し、その後、
絶縁性基板の上記一表面側の全面に絶縁層を形成し、次
に、上記絶縁層のうち強電界ドリフト層の形成予定領域
に重複する部分を除去し、その後、絶縁性基板の上記一
表面側の全面に別の半導体層を形成し、次に、導電性層
の表面の一部が露出するように上記別の半導体層の一部
をエッチング除去し、その後、導電性層を陽極酸化処理
時の電極として用いて陽極酸化処理を行うことにより上
記別の半導体層を部分的に多孔質化して多孔質半導体層
を形成し、該多孔質半導体層を酸化若しくは窒化するこ
とにより強電界ドリフト層を形成し、次いで、強電界ド
リフト層上に表面電極を形成することを特徴とし、絶縁
性基板上の半導体層の一部に不純物をドーピングするこ
とにより導電性層を形成するので、表面電極の平坦性が
良好な電界放射型電子源を提供することができる。ま
た、上記別の半導体層の一部をエッチングする際に絶縁
層をエッチングストッパとして利用してエッチングを一
旦中断し、その後に絶縁層をエッチングして導電性層の
表面の一部を露出させることができるので、導電性層の
表面を露出させるためのエッチングの工程管理が容易に
なり、導電性層にエッチングダメージが発生するのを抑
制することが可能となる。さらに、導電性層を陽極酸化
処理時の電極として利用して陽極酸化処理を行うことに
より、上記別の半導体層のうち絶縁層上に形成された部
分には電流が流れず導電性層上の部分にのみ電流が流れ
るから、導電性層上の部分のみが多孔質化され、強電界
ドリフト層のパターンを高精度化することができる。
【0024】請求項10の発明は、請求項3記載の電界
放射型電子源の製造方法であって、絶縁性基板の一表面
に凹部を形成した後、該凹部が埋め込まれるように絶縁
性基板の上記一表面側の全面に導電性層を形成し、その
後、絶縁性基板の上記一表面側を絶縁性基板の表面と導
電性層の表面とが面一になるように平坦化し、次に、絶
縁性基板の上記一表面側の全面に半導体層を形成した
後、該半導体層をエッチング除去し、その後、陽極酸化
処理を行うことにより半導体層を部分的に多孔質化して
多孔質半導体層を形成し、該多孔質半導体層を酸化若し
くは窒化することにより強電界ドリフト層を形成し、次
いで、強電界ドリフト層上に表面電極を形成することを
特徴とし、絶縁性基板の上記一表面側を絶縁性基板の表
面と導電性層の表面とが面一になるように平坦化した後
に半導体層を形成し、該半導体層の一部に強電界ドリフ
ト層を形成しているので、表面電極の平坦性が良好な電
界放射型電子源を提供することができる。
【0025】請求項11の発明は、請求項8ないし請求
項10の発明において、上記導電性層上に形成される半
導体層を触媒CVD法により形成するので、絶縁性基板
として安価なガラス基板を用いることができる。
【0026】請求項12の発明は、請求項8ないし請求
項10の発明において、上記導電性層上に形成される半
導体層をプラズマCVD法により形成するので、絶縁性
基板として安価なガラス基板を用いることができる。
【0027】請求項13の発明は、請求項8ないし請求
項10の発明において、上記導電性層上に形成される半
導体層をアモルファス半導体の堆積後に加熱処理によっ
て多結晶化することにより形成するので、絶縁性基板と
して安価なガラス基板を用いることができる。
【0028】請求項14の発明は、請求項13の発明に
おいて、上記加熱処理はレーザアニールであるので、半
導体層の膜質を良好にできる。
【0029】
【発明の実施の形態】(実施形態1)本実施形態の電界
放射型電子源10は、図1および図2に示すように、ガ
ラス基板よりなる絶縁性基板11の一表面上に半導体層
たるノンドープの多結晶シリコン層23が形成され、多
結晶シリコン層23の一部にn形多結晶シリコンよりな
る導電性層8が形成され、該導電性層8上に酸化した多
孔質多結晶シリコンよりなる強電界ドリフト層6が形成
され、強電界ドリフト層6上に表面電極7が形成されて
いる。また、導電性層8上には、強電界ドリフト層6と
離間してパッド電極18が配設され、表面電極7上に
は、強電界ドリフト層6から離間してパッド電極17が
配設されている。ここにおいて、強電界ドリフト層6は
ストライプ状に形成され隣り合う強電界ドリフト層6間
を埋め込む形でノンドープの多結晶シリコン層3が形成
されている。また、導電性層8は、絶縁性基板11上に
形成された半導体層たるノンドープの多結晶シリコン層
23にn形不純物をドーピングすることにより該ノンド
ープの多結晶シリコン層23の一部に形成されている。
ところで、図1に示すように、導電性層8はストライプ
状に形成され、表面電極7は導電性層8に直交(交差)
する方向にストライプ状に形成されている。要するに、
表面電極7は、強電界ドリフト層6上および多結晶シリ
コン層3上に跨って形成されている。
【0030】なお、本実施形態の電解放射型電子源10
の動作原理は従来構成と同じであり、表面電極7を導電
性層8に対して正極として電圧を印加することにより導
電性層8から注入された電子が強電界ドリフト層6をド
リフトし表面電極7を通して放出されるから、電圧を印
加する表面電極7と導電性層8とを適宜選択することに
より、表面電極7と導電性層8との交差する領域から表
面電極7を通して電子を放出させることができる。
【0031】しかして、本実施形態の電界放射型電子源
では、上記導電性層8が、絶縁性基板11上に形成され
たノンドープの多結晶シリコン層23の一部にn形不純
物をドーピングすることにより該多結晶シリコン層23
の一部に形成されているので、強電界ドリフト層6の表
面の平坦性が向上し、結果的に表面電極7の平坦性も向
上する。
【0032】なお、本実施形態では、強電界ドリフト層
6を酸化した多孔質多結晶シリコンにより構成している
が、強電界ドリフト層6を窒化した多孔質多結晶シリコ
ン、あるいは、その他の酸化若しくは窒化した多孔質多
結晶半導体層、あるいは、酸化若しくは窒化したアモル
ファス半導体(例えば、アモルファスシリコン)により
構成してもよい。
【0033】以下、製造方法について図3を参照しなが
ら説明する。
【0034】まず、絶縁性基板11の一表面(図3
(a)における上面)上に所定膜厚のノンドープの多結
晶シリコン層23を例えばプラズマCVD法によって形
成することにより、図3(a)に示すような構造が得ら
れる。ここにおいて、ノンドープの多結晶シリコン層2
3は、プラズマCVD法により堆積しているので、60
0℃以下の低温プロセスで成膜することができる。な
お、ノンドープの多結晶シリコン層23の形成方法は、
プラズマCVD法に限らず、触媒CVD法により形成し
てもよく、触媒CVD法でも600℃以下の低温プロセ
スで成膜することができる。
【0035】ノンドープの多結晶シリコン層23を形成
した後、ノンドープの多結晶シリコン層23の一部にイ
オン注入技術または拡散技術によってn形不純物をドー
ピングすることで導電性層8を形成することにより、図
3(b)に示すような構造が得られる。
【0036】その後、絶縁性基板11の上記一表面側の
全面に所定膜厚(例えば、1.5μm)のノンドープの
多結晶シリコン層3を例えばプラズマCVD法によって
形成することにより、図3(c)に示すような構造が得
られる。ここにおいて、ノンドープの多結晶シリコン層
3は、プラズマCVD法により堆積しているので、60
0℃以下の低温プロセスで成膜することができる。な
お、ノンドープの多結晶シリコン層3の形成方法は、プ
ラズマCVD法に限らず、触媒CVD法により形成して
もよく、触媒CVD法でも600℃以下の低温プロセス
で成膜することができる。また、プラズマCVD法によ
ってアモルファスシリコンを成膜した後に加熱処理とし
て例えばレーザアニールを行うことにより多結晶化して
もよい。
【0037】次に、導電性層8の表面の一部が露出する
ようにノンドープの多結晶シリコン層3の一部をRIE
(反応性イオンエッチング)などのドライエッチングや
フッ化水素水溶液、硝酸系のエッチング液を用いたウェ
ットエッチングによってエッチング除去することによ
り、図3(d)に示すような構造が得られる。
【0038】その後、多結晶シリコン層3の表面上にス
トライプ状の開口パターンを有するフォトレジスト層よ
りなるマスク層(図示せず)を形成した後、55wt%
のフッ化水素水溶液とエタノールとを略1:1で混合し
た混合液よりなる電解液の入った陽極酸化処理槽を利用
し、白金電極(図示せず)を負極、導電性層8を正極と
して、多結晶シリコン層3に光照射を行いながら所定の
条件で陽極酸化処理を行うことによって多結晶シリコン
層3の一部を多孔質化して多孔質半導体層たる多孔質多
結晶シリコン層を形成し、該多孔質多結晶シリコン層を
例えば酸(例えば、HNO3、H2SO4、王水など)に
よって酸化することにより強電界ドリフト層6を形成
し、続いて上記マスク層を除去することにより、図3
(e)に示すような構造が得られる。
【0039】次いで、強電界ドリフト層6上にメタルマ
スクを用いてストライプ状の表面電極7を蒸着法によっ
て形成した後、各表面電極7の長手方向の両端部上にパ
ッド電極17を形成するとともに導電性層8の露出した
表面上にパッド電極18を形成することにより、図3
(f)に示すような構造の電界放射型電子源10が得ら
れる。
【0040】しかして、上述の製造方法によれば、絶縁
性基板11上の半導体層たるノンドープの多結晶シリコ
ン層23の一部にn形不純物をドーピングすることによ
り導電性層8が形成されるから、強電界ドリフト層6が
平坦な平面上に形成されるので、表面電極7の平坦性が
良好な電界放射型電子源10を提供することができる。
また、導電性層8が半導体材料により形成されているの
で、導電性層8が金属により形成されている場合に発生
する恐れのある強電界ドリフト層6のメタル汚染を防止
することができる。
【0041】(実施形態2)本実施形態の電界放射型電
子源の基本構成は実施形態1と略同じであって、図4に
示すように、上記強電界ドリフト層6の周囲において導
電性層8とノンドープの多結晶シリコン層3との間にシ
リコン酸化膜よりなる絶縁層9を介在させた点に特徴が
ある。ここにおいて、絶縁層9をシリコン酸化膜により
構成してあるが、シリコン窒化膜により構成してもよ
い。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号
を付して説明を省略する。
【0042】しかして、本実施形態の電界放射型電子源
10では、導電性層8から多結晶シリコン層3を通して
表面電極7へ電流が流れるのを防止することができる。
【0043】以下、製造方法について図5を参照しなが
ら説明する。
【0044】まず、絶縁性基板11の一表面(図5
(a)における上面)上に所定膜厚のノンドープの多結
晶シリコン層23を例えばプラズマCVD法によって形
成することにより、図5(a)に示すような構造が得ら
れる。ここにおいて、ノンドープの多結晶シリコン層2
3は、プラズマCVD法により堆積しているので、60
0℃以下の低温プロセスで成膜することができる。な
お、ノンドープの多結晶シリコン層23の形成方法は、
プラズマCVD法に限らず、触媒CVD法により形成し
てもよく、触媒CVD法でも600℃以下の低温プロセ
スで成膜することができる。
【0045】ノンドープの多結晶シリコン層23を形成
した後、ノンドープの多結晶シリコン層23の一部にイ
オン注入技術または拡散技術によってn形不純物をドー
ピングすることで導電性層8を形成し、その後、絶縁性
基板11の上記一表面側の全面にシリコン酸化膜よりな
る絶縁層9を例えばプラズマCVD法によって堆積し
し、次に、絶縁層11のうち強電界ドリフト層6の形成
予定領域に重複する部分をエッチング除去することによ
り、図5(b)に示すような構造が得られる。
【0046】その後、絶縁性基板11の上記一表面側の
全面に所定膜厚(例えば、1.5μm)のノンドープの
多結晶シリコン層3を例えばプラズマCVD法によって
形成することにより、図5(c)に示すような構造が得
られる。ここにおいて、ノンドープの多結晶シリン層3
は、プラズマCVD法により堆積しているので、600
℃以下の低温プロセスで成膜することができる。なお、
ノンドープの多結晶シリコン層3の形成方法は、プラズ
マCVD法に限らず、触媒CVD法により形成してもよ
く、触媒CVD法でも600℃以下の低温プロセスで成
膜することができる。また、プラズマCVD法によって
アモルファスシリコンを成膜した後に加熱処理として例
えばレーザアニールを行うことにより多結晶化してもよ
い。
【0047】次に、絶縁層9の表面の一部が露出するよ
うにノンドープの多結晶シリコン層3の一部をRIEな
どのドライエッチングによってエッチング除去すること
により、図5(d)に示すような構造が得られる。ここ
における多結晶シリコン層3のエッチング条件として
は、多結晶シリコン層3のエッチングレートよりも絶縁
層9のエッチングレートが十分遅い条件を設定してい
る。したがって、絶縁層9をエッチングストッパとして
利用することができる。
【0048】次に、導電性層8の表面の一部が露出する
ように絶縁層9の一部をエッチング除去し、その後、5
5wt%のフッ化水素水溶液とエタノールとを略1:1
で混合した混合液よりなる電解液の入った陽極酸化処理
槽を利用し、白金電極(図示せず)を負極、導電性層8
を正極として、多結晶シリコン層3に光照射を行いなが
ら所定の条件で陽極酸化処理を行うことによって多結晶
シリコン層3の一部を多孔質化して多孔質半導体層たる
多孔質多結晶シリコン層を形成し、該多孔質多結晶シリ
コン層を酸で酸化することにより強電界ドリフト層6を
形成することにより、図5(e)に示すような構造が得
られる。ここにおける絶縁層9のエッチング条件として
は、絶縁層9のエッチングレートよりも多結晶シリコン
層3および導電性層8のエッチングレートが十分遅い条
件を設定することで、多結晶シリコン層3のサイドエッ
チングを抑制することができるとともに、導電性層8へ
のエッチングダメージを抑制することもできる。
【0049】次いで、強電界ドリフト層6上にストライ
プ状の表面電極7を形成した後、各表面電極7の長手方
向の両端部上にパッド電極17を形成するとともに導電
性層8の露出した表面上にパッド電極18を形成するこ
とにより、図5(f)に示すような構造の電界放射型電
子源10が得られる。
【0050】しかして、上述の製造方法によれば、絶縁
性基板11上の半導体層たるノンドープの多結晶シリコ
ン層23の一部にn形不純物をドーピングすることによ
り導電性層8が形成されるから、表面電極7の平坦性が
良好な電界放射型電子源10を提供することができる。
また、導電性層8を陽極酸化処理時の電極として利用し
て陽極酸化処理を行うことにより、多結晶シリコン層3
のうち絶縁層11上に形成された部分には電流が流れず
導電性層8上の部分にのみ電流が流れるから、導電性層
8上の部分のみが多孔質化され、強電界ドリフト層6の
パターンを高精度化することができる。
【0051】ところで、実施形態1のように絶縁層9が
ない場合には、多結晶シリコン層3のエッチングを時間
制御しなければならないが、多結晶シリコン層3の膜厚
の面内ばらつきやエッチングレートの面内ばらつきを考
慮するとエッチング時間を長めにとる必要があり、導電
性層8の表面にエッチングダメージが発生してしまう恐
れがあった。これに対して、本実施形態では、絶縁層9
をエッチングストッパとして利用してエッチングを一旦
中断し、その後、多結晶シリコン層3に比べて十分に薄
い絶縁層9をエッチングするので、導電性層8へのエッ
チングダメージを抑制することができる。
【0052】(実施形態3)本実施形態の電界放射型電
子源の基本構成は実施形態1と略同じであって、図6に
示すように、導電性層8が、絶縁性基板11の一表面に
設けられた凹部11aに埋め込まれた形で形成され、絶
縁性基板11の表面と導電性層8の表面とが面一に形成
されている点に特徴がある。ここにおいて、本実施形態
では、導電性層8を金属膜(例えば、W,Mo,Pt,
Al−Si,Ni,Cu,Ti,Crなどの単一膜ある
いは複合膜)により形成してある。なお、実施形態1と
同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略す
る。
【0053】しかして、本実施形態の電界放射型電子源
10では、導電性層8が絶縁性基板11の一表面に設け
られた凹部11aへ埋め込まれる形で形成されているの
で、強電界ドリフト層6の表面の平坦性が向上し、結果
的に表面電極7の平坦性も向上する。
【0054】以下、製造方法について図7を参照しなが
ら説明する。
【0055】まず、絶縁性基板11の一表面に凹部11
aを形成することにより、図7(a)に示すような構造
が得られる。ここにおいて、凹部11aはストライプ状
に形成する。
【0056】次に、凹部11aが埋め込まれるように絶
縁性基板の上記一表面側の全面に金属(例えば、W,M
o,Pt,Al−Si,Ni,Cu,Ti,Crなどの
単一膜あるいは複合膜)よりなる導電性層8を例えば蒸
着法によって堆積させることにより、図7(b)に示す
ような構造が得られる。
【0057】その後、絶縁性基板11の上記一表面側に
化学的機械研磨を施すことにより絶縁性基板11の表面
と導電性層8の表面とが面一になるように平坦化するこ
とにより、図7(c)に示すような構造が得られる。
【0058】その後、絶縁性基板11の上記一表面側の
全面にノンドープの多結晶シリコン層3を例えばプラズ
マCVD法によって形成し、次に、導電性層8の表面の
一部が露出するようにノンドープの多結晶シリコン層3
の一部をRIEなどのドライエッチングやフッ化水素水
溶液、硝酸系のエッチング液を用いたウェットエッチン
グによってエッチング除去することにより、図7(d)
に示すような構造が得られる。ここにおいて、ノンドー
プの多結晶シリコン層3は、プラズマCVD法により堆
積しているので、600℃以下の低温プロセスで成膜す
ることができる。なお、ノンドープの多結晶シリコン層
3の形成方法は、プラズマCVD法に限らず、触媒CV
D法により形成してもよく、触媒CVD法でも600℃
以下の低温プロセスで成膜することができる。また、プ
ラズマCVD法によってアモルファスシリコンを成膜し
た後に加熱処理として例えばレーザアニールを行うこと
により多結晶化してもよい。
【0059】その後、多結晶シリコン層3の表面上にス
トライプ状の開口パターンを有するフォトレジスト層よ
りなるマスク層(図示せず)を形成した後、55wt%
のフッ化水素水溶液とエタノールとを略1:1で混合し
た混合液よりなる電解液の入った陽極酸化処理槽を利用
し、白金電極(図示せず)を負極、導電性層8を正極と
して、多結晶シリコン層3に光照射を行いながら所定の
条件で陽極酸化処理を行うことによって多結晶シリコン
層3の一部を多孔質化して多孔質半導体層たる多孔質多
結晶シリコン層を形成し、該多孔質多結晶シリコン層を
酸化若しくは窒化することにより強電界ドリフト層6を
形成し、続いて上記マスク層を除去することにより、図
7(e)に示すような構造が得られる。
【0060】次いで、強電界ドリフト層6上にストライ
プ状の表面電極7を形成した後、各表面電極7の長手方
向の両端部上にパッド電極17を形成するとともに導電
性層8の露出した表面上にパッド電極18を形成するこ
とにより、図7(f)に示すような構造の電界放射型電
子源10が得られる。
【0061】しかして、上述の製造方法によれば、絶縁
性基板11の一表面側に化学的機械研磨を施すことによ
り絶縁性基板11の表面と導電性層8の表面とが面一に
なるように平坦化した後に半導体層たる多結晶シリコン
層3が形成され、該多結晶シリコン層3の一部が強電界
ドリフト層6になるから、表面電極7の平坦性が良好な
電界放射型電子源10を提供することができる。
【0062】
【発明の効果】請求項1の発明は、絶縁性基板と、絶縁
性基板の一表面上に形成された導電性層と、導電性層上
に形成された酸化若しくは窒化した多孔質半導体層より
なる強電界ドリフト層と、強電界ドリフト層上に形成さ
れた表面電極とを備え、表面電極を導電性層に対して正
極として電圧を印加することにより導電性層から注入さ
れた電子が強電界ドリフト層をドリフトし表面電極を通
して放出される電界放射型電子源であって、上記導電性
層は、絶縁性基板上に形成された半導体層に不純物をド
ーピングすることにより該半導体層の一部に形成されて
なるものであり、上記導電性層が絶縁性基板上に形成さ
れた半導体層に不純物をドーピングすることにより該半
導体層の一部に形成されているので、強電界ドリフト層
の表面の平坦性が向上し、結果的に表面電極の平坦性も
向上するという効果がある。
【0063】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、上記強電界ドリフト層の周囲において導電性層上に
絶縁層が形成されているので、導電性層から強電界ドリ
フト層の周囲を通して表面電極へ電流が流れるのを防止
することができるという効果がある。
【0064】請求項3の発明は、絶縁性基板と、絶縁性
基板の一表面側に形成された導電性層と、導電性層上に
形成された酸化若しくは窒化した多孔質半導体層よりな
る強電界ドリフト層と、強電界ドリフト層上に形成され
た表面電極とを備え、表面電極を導電性層に対して正極
として電圧を印加することにより導電性性層から注入さ
れた電子が強電界ドリフト層をドリフトし表面電極を通
して放出される電界放射型電子源であって、上記導電性
層は、絶縁性基板の上記一表面に設けられた凹部へ埋め
込まれる形で形成されてなるものであり、上記導電性層
が絶縁性基板の上記一表面に設けられた凹部へ埋め込ま
れる形で形成されているので、強電界ドリフト層の表面
の平坦性が向上し、結果的に表面電極の平坦性も向上す
るという効果がある。
【0065】請求項4の発明は、請求項1ないし請求項
3の発明において、上記多孔質半導体層が、多孔質化し
た多結晶半導体よりなるので、大面積化が容易になると
いう効果がある。
【0066】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、上記多結晶半導体が、600℃以下の低温プロセス
によって形成されているので、絶縁性基板として安価な
ガラス基板を用いることができ、低コスト化が図れると
ともに、より一層の大面積化を図ることができるという
効果がある。
【0067】請求項6の発明は、請求項1ないし請求項
3の発明において、上記多孔質半導体層が、多孔質化し
たアモルファス半導体よりなるので、大面積化が図れる
とともに、絶縁性基板として安価なガラス基板を用いる
ことができて低コスト化が図れるという効果がある。
【0068】請求項7の発明は、請求項1ないし請求項
6の発明において、上記半導体が、シリコンよりなるの
で、シリコンプロセスを使用でき、導電性層のパターン
の微細化および高精度化を図ることができるという効果
がある。
【0069】請求項8の発明は、請求項1記載の電界放
射型電子源の製造方法であって、絶縁性基板の一表面上
に半導体層を形成した後、該半導体層の一部に不純物を
ドーピングすることにより導電性層を形成し、その後、
絶縁性基板の上記一表面側の全面に別の半導体層を形成
し、さらに、導電性層の表面の一部が露出するように上
記別の半導体層の一部をエッチング除去し、その後、陽
極酸化処理を行うことにより上記別の半導体層を部分的
に多孔質化して多孔質半導体層を形成し、該多孔質半導
体層を酸化若しくは窒化することにより強電界ドリフト
層を形成し、次いで、強電界ドリフト層上に表面電極を
形成するので、絶縁性基板上の半導体層の一部に不純物
をドーピングすることにより導電性層が形成されるか
ら、表面電極の平坦性が良好な電界放射型電子源を提供
することができるという効果がある。
【0070】請求項9の発明は、請求項2記載の電界放
射型電子源の製造方法であって、絶縁性基板の一表面上
に半導体層を形成した後、該半導体層の一部に不純物を
ドーピングすることにより導電性層を形成し、その後、
絶縁性基板の上記一表面側の全面に絶縁層を形成し、次
に、上記絶縁層のうち強電界ドリフト層の形成予定領域
に重複する部分を除去し、その後、絶縁性基板の上記一
表面側の全面に別の半導体層を形成し、次に、導電性層
の表面の一部が露出するように上記別の半導体層の一部
をエッチング除去し、その後、導電性層を陽極酸化処理
時の電極として用いて陽極酸化処理を行うことにより上
記別の半導体層を部分的に多孔質化して多孔質半導体層
を形成し、該多孔質半導体層を酸化若しくは窒化するこ
とにより強電界ドリフト層を形成し、次いで、強電界ド
リフト層上に表面電極を形成するので、絶縁性基板上の
半導体層の一部に不純物をドーピングすることにより導
電性層が形成されるから、表面電極の平坦性が良好な電
界放射型電子源を提供することができるという効果があ
る。また、上記別の半導体層の一部をエッチングする際
に絶縁層をエッチングストッパとして利用してエッチン
グを一旦中断し、その後に絶縁層をエッチングして導電
性層の表面の一部を露出させることができるので、導電
性層の表面を露出させるためのエッチングの工程管理が
容易になり、導電性層にエッチングダメージが発生する
のを抑制することが可能となるという効果がある。さら
に、導電性層を陽極酸化処理時の電極として利用して陽
極酸化処理を行うことにより、上記別の半導体層のうち
絶縁層上に形成された部分には電流が流れず導電性層上
の部分にのみ電流が流れるから、導電性層上の部分のみ
が多孔質化され、強電界ドリフト層のパターンを高精度
化することができるという効果がある。
【0071】請求項10の発明は、請求項3記載の電界
放射型電子源の製造方法であって、絶縁性基板の一表面
に凹部を形成した後、該凹部が埋め込まれるように絶縁
性基板の上記一表面側の全面に導電性層を形成し、その
後、絶縁性基板の上記一表面側を絶縁性基板の表面と導
電性層の表面とが面一になるように平坦化し、次に、絶
縁性基板の上記一表面側の全面に半導体層を形成した
後、該半導体層をエッチング除去し、その後、陽極酸化
処理を行うことにより半導体層を部分的に多孔質化して
多孔質半導体層を形成し、該多孔質半導体層を酸化若し
くは窒化することにより強電界ドリフト層を形成し、次
いで、強電界ドリフト層上に表面電極を形成するので、
絶縁性基板の上記一表面側を絶縁性基板の表面と導電性
層の表面とが面一になるように平坦化した後に半導体層
が形成され、該半導体層の一部に強電界ドリフト層が形
成されるから、表面電極の平坦性が良好な電界放射型電
子源を提供することができるという効果がある。
【0072】請求項11の発明は、請求項8ないし請求
項10の発明において、上記導電性層上に形成される半
導体層を触媒CVD法により形成するので、絶縁性基板
として安価なガラス基板を用いることができるという効
果がある。
【0073】請求項12の発明は、請求項8ないし請求
項10の発明において、上記導電性層上に形成される半
導体層をプラズマCVD法により形成するので、絶縁性
基板として安価なガラス基板を用いることができるとい
う効果がある。
【0074】請求項13の発明は、請求項8ないし請求
項10の発明において、上記導電性層上に形成される半
導体層をアモルファス半導体の堆積後に加熱処理によっ
て多結晶化することにより形成するので、絶縁性基板と
して安価なガラス基板を用いることができるという効果
がある。
【0075】請求項14の発明は、請求項13の発明に
おいて、上記加熱処理はレーザアニールであるので、半
導体層の膜質を良好にできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を示す概略斜視図である。
【図2】同上の要部断面図である。
【図3】同上の製造方法を説明するための主要工程断面
図である。
【図4】実施形態2を示す要部断面図である。
【図5】同上の製造方法を説明するための主要工程断面
図である。
【図6】実施形態3を示す要部断面図である。
【図7】同上の製造方法を説明するための主要工程断面
図である。
【図8】従来例を示す断面図である。
【図9】同上の特性測定原理の説明図である。
【図10】他の従来例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
3 多結晶シリコン層 6 強電界ドリフト層 7 表面電極 8 導電性層 10 電界放射型電子源 11 絶縁性基板 17 パッド電極 18 パッド電極 23 多結晶シリコン層
フロントページの続き (72)発明者 菰田 卓哉 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 渡部 祥文 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 幡井 崇 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 櫟原 勉 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 近藤 行廣 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板と、絶縁性基板の一表面上に
    形成された導電性層と、導電性層上に形成された酸化若
    しくは窒化した多孔質半導体層よりなる強電界ドリフト
    層と、強電界ドリフト層上に形成された表面電極とを備
    え、表面電極を導電性層に対して正極として電圧を印加
    することにより導電性層から注入された電子が強電界ド
    リフト層をドリフトし表面電極を通して放出される電界
    放射型電子源であって、上記導電性層は、絶縁性基板上
    に形成された半導体層に不純物をドーピングすることに
    より該半導体層の一部に形成されてなることを特徴とす
    る電界放射型電子源。
  2. 【請求項2】 上記強電界ドリフト層の周囲において導
    電性層上に絶縁層が形成されてなることを特徴とする請
    求項1記載の電界放射型電子源。
  3. 【請求項3】 絶縁性基板と、絶縁性基板の一表面側に
    形成された導電性層と、導電性層上に形成された酸化若
    しくは窒化した多孔質半導体層よりなる強電界ドリフト
    層と、強電界ドリフト層上に形成された表面電極とを備
    え、表面電極を導電性層に対して正極として電圧を印加
    することにより導電性性層から注入された電子が強電界
    ドリフト層をドリフトし表面電極を通して放出される電
    界放射型電子源であって、上記導電性層は、絶縁性基板
    の上記一表面に設けられた凹部へ埋め込まれる形で形成
    されてなることを特徴とする電界放射型電子源。
  4. 【請求項4】 上記多孔質半導体層は、多孔質化した多
    結晶半導体よりなることを特徴とする請求項1ないし請
    求項3のいずれかに記載の電界放射型電子源。
  5. 【請求項5】 上記多結晶半導体は、600℃以下の低
    温プロセスによって形成されてなることを特徴とする請
    求項4記載の電界放射型電子源。
  6. 【請求項6】 上記多孔質半導体層は、多孔質化したア
    モルファス半導体よりなることを特徴とする請求項1な
    いし請求項3のいずれかに記載の電界放射型電子源。
  7. 【請求項7】 上記半導体は、シリコンよりなることを
    特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の
    電界放射型電子源。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の電界放射型電子源の製造
    方法であって、絶縁性基板の一表面上に半導体層を形成
    した後、該半導体層の一部に不純物をドーピングするこ
    とにより導電性層を形成し、その後、絶縁性基板の上記
    一表面側の全面に別の半導体層を形成し、さらに、導電
    性層の表面の一部が露出するように上記別の半導体層の
    一部をエッチング除去し、その後、陽極酸化処理を行う
    ことにより上記別の半導体層を部分的に多孔質化して多
    孔質半導体層を形成し、該多孔質半導体層を酸化若しく
    は窒化することにより強電界ドリフト層を形成し、次い
    で、強電界ドリフト層上に表面電極を形成することを特
    徴とする電界放射型電子源の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項2記載の電界放射型電子源の製造
    方法であって、絶縁性基板の一表面上に半導体層を形成
    した後、該半導体層の一部に不純物をドーピングするこ
    とにより導電性層を形成し、その後、絶縁性基板の上記
    一表面側の全面に絶縁層を形成し、次に、上記絶縁層の
    うち強電界ドリフト層の形成予定領域に重複する部分を
    除去し、その後、絶縁性基板の上記一表面側の全面に別
    の半導体層を形成し、次に、導電性層の表面の一部が露
    出するように上記別の半導体層の一部をエッチング除去
    し、その後、導電性層を陽極酸化処理時の電極として用
    いて陽極酸化処理を行うことにより上記別の半導体層を
    部分的に多孔質化して多孔質半導体層を形成し、該多孔
    質半導体層を酸化若しくは窒化することにより強電界ド
    リフト層を形成し、次いで、強電界ドリフト層上に表面
    電極を形成することを特徴とする電界放射型電子源の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 請求項3記載の電界放射型電子源の製
    造方法であって、絶縁性基板の一表面に凹部を形成した
    後、該凹部が埋め込まれるように絶縁性基板の上記一表
    面側の全面に導電性層を形成し、その後、絶縁性基板の
    上記一表面側を絶縁性基板の表面と導電性層の表面とが
    面一になるように平坦化し、次に、絶縁性基板の上記一
    表面側の全面に半導体層を形成した後、該半導体層をエ
    ッチング除去し、その後、陽極酸化処理を行うことによ
    り半導体層を部分的に多孔質化して多孔質半導体層を形
    成し、該多孔質半導体層を酸化若しくは窒化することに
    より強電界ドリフト層を形成し、次いで、強電界ドリフ
    ト層上に表面電極を形成することを特徴とする電界放射
    型電子源の製造方法。
  11. 【請求項11】 上記導電性層上に形成される半導体層
    を触媒CVD法により形成することを特徴とする請求項
    8ないし請求項10のいずれかに記載の電界放射型電子
    源の製造方法。
  12. 【請求項12】 上記導電性層上に形成される半導体層
    をプラズマCVD法により形成することを特徴とする請
    求項8ないし請求項10のいずれかに記載の電界放射型
    電子源の製造方法。
  13. 【請求項13】 上記導電性層上に形成される半導体層
    をアモルファス半導体の堆積後に加熱処理によって多結
    晶化することにより形成することを特徴とする請求項8
    ないし請求項10のいずれかに記載の電界放射型電子源
    の製造方法。
  14. 【請求項14】 上記加熱処理はレーザアニールである
    ことを特徴とする請求項13記載の電界放射型電子源の
    製造方法。
JP27152399A 1999-09-27 1999-09-27 電界放射型電子源およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3767275B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27152399A JP3767275B2 (ja) 1999-09-27 1999-09-27 電界放射型電子源およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27152399A JP3767275B2 (ja) 1999-09-27 1999-09-27 電界放射型電子源およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001093405A true JP2001093405A (ja) 2001-04-06
JP3767275B2 JP3767275B2 (ja) 2006-04-19

Family

ID=17501261

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27152399A Expired - Fee Related JP3767275B2 (ja) 1999-09-27 1999-09-27 電界放射型電子源およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3767275B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008243739A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Toshiba Corp 電子放出素子、表示装置、放電発光装置およびx線放出装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008243739A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Toshiba Corp 電子放出素子、表示装置、放電発光装置およびx線放出装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3767275B2 (ja) 2006-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6285118B1 (en) Field emission-type electron source and manufacturing method thereof and display using the electron source
KR100486951B1 (ko) 전계방사형 전자원
JP2001035354A (ja) 電界放射型電子源およびその製造方法
JP2001093405A (ja) 電界放射型電子源およびその製造方法
JP3539305B2 (ja) 電界放射型電子源およびその製造方法
JP3772703B2 (ja) 電界放射型電子源の製造方法
JP3508652B2 (ja) 電界放射型電子源およびその製造方法
JP3084280B2 (ja) 電界放射型電子源の製造方法および平面発光装置の製造方法およびディスプレイ装置の製造方法
JP3788228B2 (ja) 電界放射型電子源
JP3669291B2 (ja) 電界放射型電子源の製造方法
JP3603682B2 (ja) 電界放射型電子源
JP3480464B2 (ja) 電界放射型電子源の製造方法
JP3079086B2 (ja) 電界放射型電子源の製造方法
JP3508651B2 (ja) 電界放射型電子源およびその製造方法
JP3487230B2 (ja) 電界放射型電子源およびその製造方法およびディスプレイ装置
JP3589172B2 (ja) 電界放射型電子源
JP3985445B2 (ja) 電界放射型電子源の製造方法
JP3687520B2 (ja) 電界放射型電子源およびその製造方法
JP3478279B2 (ja) 電界放射型電子源の製造方法
JP3687527B2 (ja) 電界放射型電子源の製造方法、電界放射型電子源
JP4886173B2 (ja) 電子源の製造方法
JP4433857B2 (ja) 電界放射型電子源
JP2003016930A (ja) 電界放射型電子源の製造方法
JP2002150926A (ja) 電界放射型電子源およびその製造方法
JP4155215B2 (ja) 電子源の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040629

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040830

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051018

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060123

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090210

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090210

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100210

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100210

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110210

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120210

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130210

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130210

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140210

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees