JP2001089674A - 熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法

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surface tension
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次郎 渡邊
Masuo Kuroda
益夫 黒田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導電領域で、ばらつきの小さな所望の導電
性(体積固有抵抗値)を有する熱可塑性樹脂組成物およ
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂(A)を含むマトリックス
相、および、熱可塑性樹脂(B)と導電性付与剤(C)
とを含むドメイン相からなり、前記樹脂(A)の表面張
力γAと前記樹脂(B)の表面張力γBとの差γB−γA
1以上であり、体積固有抵抗値が104〜1012〔Ω・
cm〕である熱可塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂組成
物およびその製造方法に関し、更に詳しくは、半導電領
域(104〔Ω・cm〕〜1012〔Ω・cm〕)で、ば
らつきの小さな所望の導電性(体積固有抵抗値)を有す
る熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、OA機器等の導電性を有する組成
物を応用した製品、例えば転写ロールや転写ベルト等の
製品では、104〜1012〔Ω・cm〕程度の領域(半
導電領域)の抵抗値を有する半導電性の熱可塑性樹脂組
成物の需要が高まっている。特開平6−130830号
公報に記載されているように、従来、半導電性の熱可塑
性樹脂組成物では、導電性を有する、例えばカーボンブ
ラック等の導電性付与剤を適当量添加して導電性を付与
することで、組成物中の抵抗値の制御を行っていた。し
かし、抵抗値を104〜1012〔Ω・cm〕程度の領域
とするには、添加する導電性付与剤を組成物中に低濃度
で均質に分散させることは極めて困難で、得られる組成
物の抵抗値のバラツキが大きくなるという問題があっ
た。これは、高分子加工,43巻,4号(1994)住
田等に記載されているように、高分子中にカーボンブラ
ックを添加していくと、カーボンブラック量が少量であ
るうちは導電率が小さいが、ある量にカーボンブラック
を増量した時点でカーボンブラックが導電性回路を形成
し、樹脂組成物の導電性が急激に増加してしまうため、
半導電領域を得ることができないからである。
【0003】また、半導電性を有する組成物としてウレ
タン発泡体のような発泡体を利用する場合も、発泡体中
の導電性付与剤の分布は、発泡の具合に依存するため、
その分布を均質に制御することが困難で、発泡体を用い
た抵抗値のバラツキのない半導電性の組成物を得ること
も困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、半導電領域(104〜1012〔Ω・cm〕)で、ば
らつきの小さな所望の導電性(体積固有抵抗値)を有す
る熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、熱可塑
性樹脂(A)を含むマトリックス相、および、熱可塑性
樹脂(B)と導電性付与剤(C)とを含むドメイン相か
らなり、前記樹脂(A)の表面張力γAと前記樹脂
(B)の表面張力γBとの差γB−γAが1以上であり、
体積固有抵抗値が104〜1012〔Ω・cm〕である熱
可塑性樹脂組成物が提供される。
【0006】また、本発明によれば、ドメイン相中に前
記導電性付与剤(C)を体積分率で5〜25%含有し、
マトリックス相とドメイン相との体積比がマトリックス
相/ドメイン相=90/10〜25/75である前記熱
可塑性樹脂組成物が提供される。
【0007】更に、本発明によれば、熱可塑性樹脂
(B)と導電性付与剤(C)とを予め混合し、さらに熱
可塑性樹脂(A)を混合する熱可塑性樹脂組成物の製造
方法であって、前記樹脂(A)の表面張力γAと前記樹
脂(B)の表面張力γBとの差γB−γAが1以上であ
り、体積固有抵抗値が104〜1012〔Ω・cm〕であ
る熱可塑性樹脂組成物の製造方法が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の熱可塑性樹脂組成物(以
下、本発明の組成物と記す)は、熱可塑性樹脂(A)を
含むマトリックス相(連続相)と、熱可塑性樹脂(B)
と導電性付与剤(C)とを含むドメイン相(分散相)か
らなる。前記樹脂(A)の表面張力γ Aと前記樹脂
(B)の表面張力γBとの差γB−γAは1以上、好まし
くは3以上である。
【0009】ここで言う表面張力とは、常温(20℃)
における表面張力を示す。現実には、熱可塑性樹脂
(A)と熱可塑性樹脂(B)とを混ぜ合わせる際の温度
における表面張力を測定すべきであるが、高温時の表面
張力の測定は極めて困難であることと、通常の熱可塑性
樹脂の場合は常温から高温にかけての表面張力値の低下
傾向が近似していることから、ここでは常温の表面張力
によって代用する。
【0010】熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)
およびカーボンブラック等の導電性付与剤(C)を混合
すると、導電性付与剤(C)は表面張力が大きいため、
界面張力が小さくなる樹脂側、すなわち表面張力の大き
な樹脂(B)の方へ移行していく。このため樹脂(B)
を含むドメイン相にのみ導電性が付与されることで、そ
の体積固有抵抗値(電気抵抗値)が、熱可塑性樹脂組成
物のマトリックス相の体積固有抵抗値(電気抵抗値)よ
りも小さくなるようにした組成物である。
【0011】本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いると体
積固有抵抗値が、そのばらつきが小さく、安定する理由
は以下のとおりである。前述の住田等の文献にあるよう
に、例えばポリマー1に直接カーボンブラック2を混合
する図2に示す方法では、ポリマー1中にカーボンブラ
ック2を添加していくと、ある添加量で、カーボンブラ
ック2が導電性回路を形成し、急に導電性が向上するた
め、半導電性領域の体積固有抵抗値のコントロールは非
常に困難であった。
【0012】しかしながら、本発明に用いる熱可塑性樹
脂組成物では、図1に示すように、カーボンブラック等
の導電性付与剤(C)を含むドメイン相3とマトリック
ス相4とを海島構造を形成するようにすれば、図2のよ
うな導電性回路が形成されず、導電性はトンネル効果と
呼ばれる導電性付与剤(C)を含むドメイン相3間を電
子がジャンプすることによって発現される。
【0013】この時、体積固有抵抗値は、ドメイン相3
間の距離によって決まる。従って、熱可塑性樹脂組成物
中のドメイン相3の量と粒径とによって、体積固有抵抗
値が自由にコントロールでき、かつ、系中の粒径はほぼ
均一になるため、極めて導電性のばらつきの小さい材料
となるのである。
【0014】本発明の組成物では、熱可塑性樹脂のマト
リックス相中に、導電性を有したドメイン相の樹脂粒子
と必要により導電性のない樹脂粒子とが細かく安定に分
散している。従って、本発明の組成物の導電性は、半導
電領域(104〜1012〔Ω・cm〕)で制御すること
が可能である。特に、105〜1011〔Ω・cm〕とい
う従来はバラツキなく得ることが困難であった領域の導
電性を制御することができる。
【0015】ドメイン相の導電性(体積固有抵抗値)の
制御は、ドメイン相の構成成分である熱可塑性樹脂
(B)の導電性、および、含有する導電性付与剤(C)
の種類、量によって変えることができる。例えば、ドメ
イン相中に前記導電性付与剤(C)を体積分率で5〜2
5%、好ましくは10〜20%含有し、マトリックス相
とドメイン相との体積比がマトリックス相/ドメイン相
=90/10〜25/75、好ましくは80/20〜3
0/70となるようにすることで体積固有抵抗値が10
4〜1012〔Ω・cm〕、好ましくは105〜1011〔Ω
・cm〕となるように調整することができる。ドメイン
相中に含まれる導電性付与剤(C)の体積分率は、ドメ
イン相に含まれる熱可塑性樹脂(B)の種類にもよる
が、5〜25%とするのが好ましい。5%以上とするこ
とで、十分な導電性を発現させることができ、25%以
下とすることで樹脂組成物中への混練性を向上させるこ
とができる。
【0016】次に、熱可塑性樹脂組成物の導電性制御の
方法は、分散するドメイン相に含まれる導電性付与剤
(C)の種類と量を変えることによっても可能である
が、むしろ、導電性付与剤(C)を含むドメイン相とマ
トリックス相を形成する樹脂組成物を予め用意してお
き、それらの熱可塑性樹脂組成物中での比率を変えるこ
とによって制御する方法が簡単であり、かつ、導電性付
与剤(C)の樹脂組成物中への分散均一性の点からも好
ましい。さらに、ドメイン相の粒子径は、後述する本発
明の組成物の製造時において、樹脂(A)と樹脂(B)
との相溶性、混練温度、剪断速度を選択することで制御
することができる。マトリックス相の導電性は、本発明
の組成物に含有される熱可塑性樹脂(A)の種類を選択
することにより制御することができる。
【0017】このように、ドメイン相の導電性と分散状
態、および、マトリックス相の導電性の少なくとも1つ
を制御することにより、組成物全体の導電性を制御する
ことができる本発明の組成物では、従来、安定して一定
の導電性を有する組成物を得ることが困難であった10
4〜1012〔Ω・cm〕の半導電領域の導電性を、複雑
な制御を必要とせず容易に安定して有することができ
る。
【0018】本発明に用いられるマトリックス相に含ま
れる熱可塑性樹脂(A)、および、ドメイン相に含まれ
る熱可塑性樹脂(B)としては、各種の熱可塑性樹脂ま
たはその組成物が利用可能である。すなわち、単独の熱
可塑性樹脂あるいは組成物であっても、あるいは、それ
らの混合物からなる組成物であってもよい。具体的に
は、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリニトリル系樹
脂、ポリメタクリレート系樹脂、ポリビニル系樹脂、セ
ルロース系樹脂、フッ素系樹脂、イミド系樹脂、さらに
は、スチレン系、オレフィン系、ポリエステル系、ウレ
タン系等の熱可塑性エラストマー等を挙げることができ
る。
【0019】本発明に用いられる導電性付与剤(C)
は、従来公知の導電性付与剤が利用可能であるが、好ま
しい例として、金属系フィラーとカーボン系フィラーが
挙げられる。金属系フィラーとしては、Ag粉、Ni
粉、Cu粉、AgメッキCu粉などの金属粉、黄銅繊
維、Al繊維、Cu繊維、ステンレス繊維等の金属繊
維、金属フレーク等があり、いずれも10-6〔Ω・c
m〕程度の体積固有抵抗値を有する。一方、カーボン系
のフィラーは、ケッチェンブラック、ファーネスブラッ
ク、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカーボ
ンブラックや、黒鉛、カーボン繊維等が挙げられる。本
発明の組成物には、金属系フィラーとカーボン系フィラ
ーを、それぞれ単独で、あるいは両方添加してもよい。
【0020】導電性付与剤(C)の配合量は、用いる導
電性付与剤(C)の種類と、樹脂粒子ひいては本発明の
組成物に必要な導電性の大きさにより適宜決めることが
できる。例えば、金属粉または金属繊維の添加量は、本
発明の組成物に付与する導電性と、用いる金属の種類に
よる導電性に応じて適宜決めればよく、特に限定はな
い。
【0021】本発明に用いる導電性カーボンブラックと
は、組成物に導電性を付与するために添加されるもの
で、充填剤/補強剤として用いられるカーボンブラック
とは区別され、DBP(ジブチルフタレート)吸油量が
90〔ml/100g〕以上、好ましくは100〔ml
/100g〕以上、さらに好ましくは150〜400
〔ml/100g〕のカーボンブラックをいう。導電性
カーボンブラックの種類は、最終の熱可塑性樹脂組成物
として104〜1012〔Ω・cm〕の領域で体積固有抵
抗値を示すものであればよく導電性に応じて適宜決めれ
ばよく、特に限定されない。このような導電性カーボン
としては、例えば、三菱化学(株)製の#3050B、
#3150B、#3750B、#3950B、アクゾ
(株)社製のケッチェンブラックEC、DJ−600、
東海カーボン社製の#4500、#5500、並びに電
気化学工業(株)製のアセチレンブラック等を例示する
ことができる。導電性カーボンブラックの添加量は、本
発明の組成物に含有される樹脂粒子の導電性、ひいて
は、本発明の組成物に付与する導電性に応じて適宜決め
ればよく、特に限定はない。また、導電性カーボンブラ
ックは、マトリックス相には含有せず、樹脂粒子中に含
有するのが好ましい。より確実に組成物の体積固有抵抗
値を制御できるからである。
【0022】本発明の組成物のマトリックス相およびド
メイン相には、上記必須の成分に加え、本発明の目的を
損なわない範囲において、可塑剤、相溶化剤、加硫促進
剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料や染
料等の着色剤、加工助剤等の添加剤を配合することがで
きる。
【0023】本発明の組成物の製造は、熱可塑性樹脂
(A)、熱可塑性樹脂(B)および導電性付与剤(C)
を同時に混練することにより作製可能であるが、熱可塑
性樹脂(B)と導電性付与剤(C)とを予め混合し、さ
らに熱可塑性樹脂(A)を混合することが、導電性付与
剤(C)が熱可塑性樹脂(B)中に効果的に取り込まれ
るので好ましい。混合に使用する機種には特に限定はな
いが、スクリュー押出機、ニーダ、バンバリミキサー、
2軸混練押出機等が例示される。上記の2段階の混合を
1種類の混合機で連続的に行っても、2種類以上の混練
機を使用し、順次混練してもよい。
【0024】また、ドメイン相(D)とマトリックス相
(M)の体積分率の比(φD/φM)と混練時の溶融粘度
の比(ηM/ηD)との積が下式を満たすようにすること
で、マトリックス/ドメインの海島構造を形成しやすく
なり好ましい。 (φD/φM)×(ηM/ηD)<1 なお、ここで、溶融粘度とは、混練加工時の任意の温度
における成分の溶融粘度をいい、各樹脂組成物材料の溶
融粘度は、温度、剪断速度(sec-1)および剪断応力の
依存性があるため、一般に細管中を流れる溶融状態にあ
る任意の温度、特に混練時の温度領域での各樹脂組成物
材料の応力と剪断速度を測定し、剪断応力を剪断速度で
除することにより溶融粘度を算出する。溶融粘度の測定
には、東洋精機社製キャピラリーレオメーターキャピロ
グラフ1Cを使用すればよい。
【0025】以上のように、ドメイン相中に導電性付与
剤を添加させることにより組成物中に分散するドメイン
相の導電性を制御し、このようなドメイン相の分散状
態、さらにはマトリックス相の抵抗値を制御するので、
半導電領域で導電性を制御することができる。かかる制
御は、導電性を有するドメイン相中の導電性付与剤
(C)の量や分散状態等といった容易に制御できる方法
からなるので、従来の導電性の樹脂組成物等の抵抗値の
制御よりも、容易に達成でき、さらに安定して確実な抵
抗値の制御が行えるので、組成物の製造における歩留り
が高いという効果をもたらす。本発明の組成物の構造は
感圧導電性の構造でもあるので、感圧導電性組成物とし
て利用することができる。特に、本発明の組成物の導電
性を104〜1012〔Ω・cm〕、好ましくは105〜1
11〔Ω・cm〕の半導電領域の導電性を有するように
制御することができる。
【0026】本発明の組成物は、各種のOA機器の帯電
ローラー、帯電防止シート、導電ベルト、半導電ベル
ト、半導電ロール、掃除機、機器パネルカバー、クリー
ンルーム内装、IC関連部品およびIC製品用ハウジン
グ、燃料タンク、センサー用電極、アース棒、面状発熱
体、帯電防止用ホース内管や外管、建築用床材等の熱可
塑性、導電性を有する組成物を用いる製品等に好適に用
いることができる。
【0027】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に説明する
が、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでな
いことは言うまでもない。
【0028】実施例1〜8及び比較例1〜4 まず、下記表1に示される重量比でドメイン相の組成物
としてマスターバッチ(MB1〜MB6)の材料を2軸
混練機に投入し、200〜250℃、せん断速度100
0sec-1で混練し、混練できたMB1〜MB5について
放出した組成物を樹脂用ペレタイザーでペレット化し
た。得られたペレット(MB1〜MB5)と熱可塑性樹
脂(A)とを表2に示される樹脂成分の合計量が100
となるような重量比で2軸混練機に投入し、200〜2
50℃、せん断速度1000sec-1で混練し、2軸混練
機の吐出口よりストランド状に押し出された熱可塑性樹
脂組成物を水冷し、樹脂用ペレタイザーでペレット化し
た。なお、比較例1については、マスターバッチを用い
ずに、HPDEとカーボンブラックおよび熱可塑性樹脂
(A)とをドライブレンドして2軸混練押出機に投入し
た。次に、このペレットを単軸の押出機からTダイを通
して厚さ100μmにシート化し、得られたシートの任
意の10箇所について常温における体積固有抵抗値を測
定し、その平均値を下記表2に示した。また、その10
個の体積固有抵抗値について、log(体積固有抵抗
値)を算出し、その最高値と最低値との差をばらつき
(乗)として下記表2に示した。さらに、このシートを
超薄切片に切り出して、透過型電子顕微鏡(TEM)に
て、カーボンブラックがマトリックス相とドメイン相の
どの部分に偏在しているかを観察した。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】上記表1および表2における樹脂、配合剤
は、以下のものを使用した。 HDPE:高密度ポリエチレン、ハイゼックス2100
J、三井化学社、表面張力γ=35.3 PET:ポリエチレンテレフタレート、バイロペットE
MC560、東洋紡績社、表面張力γ=44.6 N66:ナイロン66、アミランCM3006、東レ
社、表面張力γ=46.5 PP:ポリプロピレン、RB121D、トクヤマ社、表
面張力γ=29.4 PC:ポリカーボネート、レキサン131、日本GE
社、表面張力γ=42.9 L−LDPE:直鎖状低密度ポリエチレン、ウルトゼッ
クス20100J、三井化学社、表面張力γ=35.7 カーボンブラック:ケッチェンブラックEC(ライオン
アクゾ社製)
【0032】上記表1に示すように、導電性カーボンブ
ラックを予めドメイン相に配合せずに配合した比較例1
は、2軸混練過程中に導電性カーボンブラックをドメイ
ン相中に偏在させることができず、マトリックス相中に
も残留してしまい、その分散が均一ではなかったため、
体積固有抵抗値のばらつきが大きくなってしまった。比
較例2は、導電性カーボンブラックを含むドメイン相の
量が少ないため体積固有抵抗値が大きすぎるものとなっ
た。比較例3は、熱可塑性樹脂(B)が多すぎて、熱可
塑性樹脂(B)がマトリックス相を形成し、熱可塑性樹
脂(A)がドメイン相を形成してしまい、体積固有抵抗
値の小さすぎてしまった。表面張力の差が小さすぎる比
較例4については、混練中に導電性カーボンブラックが
マトリックス相側に移行してしまい、熱可塑性樹脂組成
物中に均一分散したために体積固有抵抗値が大きすぎる
という結果になった。それに対して、実施例1〜8で
は、体積固有抵抗値が104〜1012〔Ω・cm〕であ
って、そのばらつきも小さい良好な熱可塑性樹脂組成物
が得られた。
【0033】
【発明の効果】本発明に従って、熱可塑性樹脂(A)を
含むマトリックス相(連続相)と、熱可塑性樹脂(B)
と導電性付与剤(C)とを含むドメイン相(分散相)か
らなる熱可塑性樹脂組成物の前記樹脂(A)の表面張力
γAと前記樹脂(B)の表面張力γBとの差γB−γAを1
以上とすることによって、半導電領域(104〜1012
〔Ω・cm〕)で、ばらつきの小さな所望の導電性(体
積固有抵抗値)を有する熱可塑性樹脂組成物およびその
製造方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ドメイン相とマトリックス相の海島構造を示す
説明図である。
【図2】ポリマー中のカーボンブラックの配列を示す説
明図である。
【符号の説明】
1 ポリマー 2 カーボンブラック 3 ドメイン相 4 マトリックス相
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AA01W AA01X BB00W BB00X BC00W BC00X BD00W BD00X BF00W BF00X BG05W BG05X BG09W BG09X CF00W CF00X CK00W CK00X CL00W CL00X CM04W CM04X DA016 DA026 DA036 DA076 DA086 DA096 DC006 FA016 FA046 FD116 GQ05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂(A)を含むマトリックス
    相、および、熱可塑性樹脂(B)と導電性付与剤(C)
    とを含むドメイン相からなり、前記樹脂(A)の表面張
    力γAと前記樹脂(B)の表面張力γBとの差γB−γA
    1以上であり、体積固有抵抗値が104〜1012〔Ω・
    cm〕である熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ドメイン相中に前記導電性付与剤(C)
    を体積分率で5〜25%含有し、マトリックス相とドメ
    イン相との体積比がマトリックス相/ドメイン相=90
    /10〜25/75である請求項1に記載の熱可塑性樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂(B)と導電性付与剤
    (C)とを予め混合し、さらに熱可塑性樹脂(A)を混
    合する熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、前記樹
    脂(A)の表面張力γAと前記樹脂(B)の表面張力γB
    との差γB−γAが1以上であり、体積固有抵抗値が10
    4〜1012〔Ω・cm〕である熱可塑性樹脂組成物の製
    造方法。
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