JPH10204305A - 電磁波遮蔽性樹脂組成物、及び同組成物を用いた成形加工品 - Google Patents

電磁波遮蔽性樹脂組成物、及び同組成物を用いた成形加工品

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JPH10204305A
JPH10204305A JP29491997A JP29491997A JPH10204305A JP H10204305 A JPH10204305 A JP H10204305A JP 29491997 A JP29491997 A JP 29491997A JP 29491997 A JP29491997 A JP 29491997A JP H10204305 A JPH10204305 A JP H10204305A
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JP
Japan
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resin composition
conductive filler
electromagnetic wave
wave shielding
copolymer
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JP29491997A
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English (en)
Inventor
Takeshi Inoue
剛 井上
Takashi Mizoguchi
隆 溝口
Takao Kimura
孝夫 木村
Kiyotoshi Iwafune
聖敏 岩船
Hiroaki Kaneko
洋明 金児
Hiroteru Kamiyama
宏輝 上山
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COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
Original Assignee
COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形加工が容易で、精密、且つ外観の優れた
成型品を得ることができると共に、十分な電磁波遮蔽性
能を有する電磁波遮蔽性樹脂組成物、及び同組成物を用
いた成形加工品を提供する。 【解決手段】 少なくとも2種の熱可塑性樹脂で海ー島
構造を形成すると共に、不連続相である島側に、カーボ
ンブラック等の導電性無機フィラーを偏在させる。該樹
脂組成物の体積抵抗率は1011Ω以上である。相溶化剤
等の添加剤を更に配合してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、EMC(Elec
tro−magnetic Compatibilit
y)対応材料である電磁波遮蔽性樹脂組成物に関する。
更に詳述すれば、本発明は電気通信機器システム、デバ
イス等が外部に放出する不要電磁波を遮蔽し、または外
来する不要電磁波を遮蔽して電気通信機器システム、デ
バイス等を保護することにより、電気通信機器システ
ム、デバイス等の誤動作等を防止する機能を有する電磁
波遮蔽性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】高度情報化社会を支える電気通信機器の
発展は目覚ましく、多機能化やデジタル化が急速に進
み、LSIの急増と情報量の増大、信号の高速化をもた
らしている。 その結果、電磁妨害波による機器の誤動
作や破壊、さらに人体への悪影響等が問題となってお
り、これら問題を解決するために種々の対応策が検討さ
れている。
【0003】対応策の一例として、従来電磁波を遮蔽す
る技術が検討されており、これに用いる電磁波遮蔽材料
として、高分子材料に導電性を付与した導電性樹脂組成
物が提案されている。上記導電性樹脂組成物は、高分子
材料に、金属繊維、金属粉、炭素繊維、炭素粉等の導電
性フィラーを混練して複合化したり、または導電性繊維
を収束させ、その表面に熱加塑性樹脂を被覆した導電性
樹脂組成物等を導電性フィラーとして複合化することに
より製造されている。
【0004】特に繊維状、鱗片状等のアスペクト比の高
い導電性フィラーや、粒子径の大きな導電性フィラーを
多量に配合して複合化し、樹脂組成物の導通を図ること
によって高い導電性を得ようとしている。ここで、アス
ペクト比とは、フィラーの形状において、短軸方向の長
さに対する長軸方向の長さの比を表している。
【0005】更に、高導電性の導電性樹脂組成物を得る
目的で、上述のような導電性フィラーを、樹脂マトリッ
クス中に高濃度または高密度、若しくは均一に複合化す
る方法も多数提案されている。
【0006】しかし、これらの方法によれば、樹脂組成
物の導電性は確かに向上するが、同時にその成形加工性
は低下し、その結果得られる成形品の形状や、用途が限
定され、更に成形加工性が低下するため得られる成型品
の外観が悪くなる。このため、これら成型品が製品の外
面に組み込まれる場合には、表面塗装等の2次加工を要
し、これは煩雑なものである。
【0007】導電性樹脂組成物の成形加工性を改善する
目的で、樹脂マトリックス中の導電性フィラーの配合量
を低減する方法も多数提案されている。特に特開昭62
ー4749号、特開平1ー263156号、特開平2ー
113068号等は、互いに不完全相溶性の多成分系熱
可塑性樹脂をマトリックスとして用い、また特開昭61
ー29470号等は互いに流動性、溶融流動性、または
溶融温度の異なる多成分系熱可塑性樹脂をマトリックス
として用い、かつその樹脂マトリックスが海ー島構造を
形成するというモルフォロジーを利用し、導電性フィラ
ーを配合する複合化において、該海ー島構造における海
側の連続相に導電性フィラーを偏在させることにより、
連続相の導電性を高め、かつ樹脂組成物全体としての導
電性を高め、導電性フィラーの配合量を低減させること
を開示している。
【0008】また、特開昭50ー32240号、特開昭
63ー207855号等は、多成分系熱可塑性樹脂と導
電性フィラーから構成され、かつ該多成分系熱可塑性樹
脂が3次元網目構造を形成し、かつ該導電性フィラーが
3次元網目構造を形成している該多成分系熱可塑性樹脂
中で、特定の樹脂成分中に偏在させることにより、効率
的な導通経路を形成させ、従来と同等の導電性フィラー
量で、より導電性の高い樹脂組成物を得ること、または
従来よりも少ない導電性フィラー量で、従来と同等もし
くはそれ以上の高い導電性を有する樹脂組成物を得る技
術を開示している。
【0009】しかし、このような従来の電磁波遮蔽性樹
脂組成物に関する技術は、導電性フィラーを樹脂に配合
して樹脂組成物の導電性を向上させ、これにより電磁波
遮蔽性能を付与するものであることから、樹脂マトリッ
クス中へ配合する導電性フィラー量を低減させる程度に
は、自ずと限界がある。
【0010】従って、導電性フィラーの配合量は依然と
して多量であることを要し、このため上記従来技術によ
る導電性樹脂組成物は、成形加工性または外観不良性に
関し、本質的な改善には至ってはおらず、上述のような
導電性樹脂組成物による電磁波遮蔽性樹脂組成物は、依
然としてその電磁波遮蔽性能が不十分であるか、または
成形加工性等が不十分であり、実用上問題が多い。
【0011】一方、特開平8ー64986号、特開平8
ー67544号、特開平8ー83992号、特開平8ー
105188号、特開平8ー111594号等は、樹
脂、セメント、軽量骨材等のマトリックス中に、カーボ
ン繊維、フェライト粉末等を配合して複合化することに
より、またはその複合化材料を、上述のマトリックス中
で層状に組み込み、これに電磁波があたると誘電損失ま
たは磁性損失が生じることを利用する電波吸収体なるも
のを提案している。
【0012】しかし、これらの電波吸収体は、金属板や
フェライトタイル等と組み合わせ、また、ピラミッド型
に成形するなどして、建材として用いられるものであ
り、表面平滑性または成形加工性を要求される電気通信
機器等の筐体、デバイス等には到底用いることはできな
い。
【0013】従って、以上説明したように、十分な電磁
波遮蔽性能と、高度な表面平滑性を要求される精密成形
品を製造することのできる優れた成形加工性とを同時に
有する電磁波遮蔽性樹脂組成物はこれまで提案されてい
ない。
【0014】このため、電気通信機器等の電磁波遮蔽が
必要な製品部位の電磁波遮蔽は、その製品部位を覆う樹
脂組成物表面にメタライジング(金属のメッキ、蒸着、
溶射、導電性塗料の塗布等)処理を施すことに頼ってい
るのが現状であり、この処理によれば電磁波遮蔽性は十
分であるものの、作業性に問題があり、更に得られた製
品の処理部分の物理的、化学的安定性等にも問題があ
る。また更に、樹脂組成物表面に対するメタライジング
処理自体が2次的な加工であることから、そのランニン
グコスト、原料コスト等を含めると、製品価格における
電磁波遮蔽に要するコストの占める割合が非常に高いも
のになる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は上記諸問
題を解決しようとするものであって、その目的とすると
ころは、電磁波遮蔽性樹脂組成物を構成する導電性フィ
ラーの配合量を低減でき、該樹脂組成物製造の際、また
は該樹脂組成物を用いた成形品加工の際においては、該
樹脂組成物の流動不良、ひび割れ、表面の凹凸、そり等
の発生もなく、通常の成形加工条件で精密、且つ外観の
優れた成型品を得ることができ、しかも十分な電磁波遮
蔽性能を有する絶縁性の電磁波遮蔽性樹脂組成物、及び
これを用いた成形品を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、熱可塑性
樹脂と導電性フィラーとを複合化する技術について、成
形加工性に於ける欠点を解決すべく鋭意検討を行った結
果、多成分系熱可塑性樹脂マトリックスに、導電性フィ
ラーを不均一に分散させることにより、更に詳述すれば
該多成分系熱可塑性樹脂マトリックスが連続相および不
連続相からなる海ー島構造を形成し、かつ該導電性フィ
ラーを、該海ー島構造における島側の不連続相へ偏在さ
せることにより、該導電性フィラーの配合量を低減で
き、かつ従来問題であった困難な成形加工性、外観不
良、高コスト等の欠点を改善した電磁波遮蔽性樹脂組成
物が得られることを見出し本発明を完成するに至った。
【0017】即ち、本発明は、少なくとも2種の熱可塑
性樹脂と導電性フィラーとを主成分として含有してなる
電磁波遮蔽性樹脂組成物において、前記樹脂組成物が1
11Ωcm以上の体積抵抗率の値を有し、且つ前記樹脂
組成物が前記少なくとも2種の熱可塑性樹脂で構成した
海ー島構造を有すると共に、前記島相に前記導電性フィ
ラーを偏在させてなることを特徴とする電磁波遮蔽性樹
脂組成物を提案するものである。
【0018】また、本発明は、少なくとも2種の熱可塑
性樹脂と導電性フィラーと及び相溶化剤とを主成分とし
て含有してなる電磁波遮蔽性樹脂組成物において、前記
樹脂組成物が1011Ωcm以上の体積抵抗率の値を有
し、且つ前記樹脂組成物が前記少なくとも2種の熱可塑
性樹脂で構成した海ー島構造を有すると共に、前記島相
に前記導電性フィラーを偏在させてなることを特徴とす
る電磁波遮蔽性樹脂組成物を提案するものである。
【0019】更に、本発明は、上記の電磁波遮蔽性樹脂
組成物を成形加工してなる成型品を提案するものであ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂組成物は多成分系熱
可塑性樹脂マトリックス中における導電性フィラーの分
散性を制御するこにより、電磁波遮蔽性能を著しく高め
ると共に、良好な成形加工性を発揮させるものである。
この点につき更に詳述すると、本発明の樹脂組成物の電
磁波遮蔽性能は、該樹脂組成物中に不連続相として偏在
化した導電性部位を形成し、これによる電磁波の反射と
吸収、及び該樹脂組成物の誘電損失または磁性損失によ
る電磁波の吸収を行わせて電磁波を遮蔽するものであ
り、このような概念に基づく電磁波遮蔽性樹脂組成物
は、本発明者らの知る限りに於いて、従来提案されてい
ない。
【0021】本発明の樹脂組成物の体積抵抗率の値は、
1011Ωcm以上であり、上限値は、樹脂組成成分単独
の体積抵抗率の値にほぼ等しいものであれば良いが、一
般に1013〜1018Ωcmである。これは絶縁性の領域
であり、従ってその用途は絶縁性であることが要求され
る製品部位にも広がる。即ち、本発明樹脂組成物は従来
から電磁波遮蔽用筐体等として用いられている導電性樹
脂組成物、または前述のような表面にメタライジングを
伴う、または場合によっては精密成形も伴うような部位
に用いられている樹脂組成物等の代替が可能である。
【0022】更に、本発明樹脂組成物は絶縁性で電気を
通さないので、導電性部位と絶縁性部位とを区分けする
必要がなく、従って電磁波遮蔽性が要求される部位と絶
縁性が要求される部位の両者が存在する部位に対しても
個別に組み込むことなく、本発明の材料による一体成形
品を組み込むことができ、製造、保守等が簡単になる利
点がある。
【0023】従来の導電性樹脂組成物のシールド効果は
20〜60dBの値を示す場合が一般であるが、本発明
の電磁波遮蔽性樹脂組成物も従来の樹脂組成物とほぼ同
様のシールド効果の値を示すものである。
【0024】以下、本発明を詳細に説明する。
【0025】本発明で用いる熱可塑性樹脂は、ポリエチ
レン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン
(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ア
クリロニトリルーブタジエンースチレン(ABS)共重
合体、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート
(PC)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性ポ
リフェニレンエーテル(mーPPE)、ポリアミド(P
A:ナイロン)、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフ
ェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルスルホン
(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)の中から選
ばれる2種以上のものが好ましく、これらの樹脂を組み
合わせ、またはこれらの樹脂と導電性フィラーとを組み
合わせた場合、海ー島構造を形成するものである。
【0026】さらに、本発明で用いる熱可塑性樹脂に
は、樹脂の基本的な性能、例えば機械的特性、電気的特
性、耐熱性、成形加工性、流動性または溶融流動性、難
燃性、耐紫外線性、耐薬品性、あるいは着色、光沢付与
等の目的で適宜各種添加剤が配合されてもよい。
【0027】具体的な添加剤の例としては、可塑剤、熱
安定剤、フェノール系または硫黄系などの酸化防止剤、
安定剤、架橋剤、難燃化剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑
剤、着色剤、光沢付与剤等が挙げられる。
【0028】本発明において、後述する導電性フィラー
を偏在させる多成分系樹脂は、前記熱可塑性樹脂の2種
以上からなる多成分系熱可塑性樹脂である。
【0029】2成分系熱可塑性樹脂としての好ましい熱
可塑性樹脂成分の組み合わせの例としては、mーPPE
/PE、mーPPE/PP、mーPPE/PMMA、m
ーPPE/POM、PC/PS、PC/PE、PC/P
P、PC/ABS,PC/PMMA、PC/POM、m
ーPPE/PEI、mーPPE/PBT、mーPPE/
PC、mーPPE/PES、mーPPE/LCP、PE
I/PBT、PEI/PC、PEI/PES、PEI/
LCP、PBT/PES、PC/PES、PC/LC
P、PES/LCP、mーPPE/PA、mーPPE/
PET、mーPPE/PPS、PEI/PET等が挙げ
られる。
【0030】その配合比としては2成分系熱可塑性樹脂
の全量を100容量%としたとき、該2成分系熱可塑性
樹脂の海ー島構造における島側の不連続相を形成させよ
うとする樹脂成分が10容量%以上が好ましく、より好
ましくは20容量%以上である。
【0031】10容量%より少ないと、後述する所望量
の導電性フィラーを分散させることが困難となり、電磁
波遮蔽性と優れた成形加工性とを同時に有する樹脂組成
物が得られない場合がある。
【0032】また、3成分系熱可塑性樹脂としての好ま
しい熱可塑性樹脂成分の組み合わせの例としては、mー
PPE/PE/PC、mーPPE/PP/PC、mーP
PE/PMMA/PC、mーPPE/POM/PC、P
C/PS/PMMA、PC/PE/PMMA、PC/P
P/PMMA、PC/ABS/PMMA、PC/POM
/PMMA、mーPPE/PEI/LCP、mーPPE
/PBT/LCP、mーPPE/PC/LCP、mーP
PE/PES/LCP、PEI/PBT/LCP、PE
I/PC/LCP、PEI/PES/LCP、PBT/
PES/LCP、PC/PES/LCP、mーPPE/
PEI/PBT、mーPPE/PBT/PC、mーPP
E/PC/PES、PEI/PBT/PC、PBT/P
C/PES等が挙げられる。
【0033】その配合比としては、3成分系熱可塑性樹
脂の全量を100容量%としたとき、該3成分系熱可塑
性樹脂の海ー島構造における島側の不連続相を形成させ
ようとする樹脂成分が5容量%以上が好ましく、より好
ましくは10容量%以上である。
【0034】5容量%より少ないと、上述の2成分系熱
可塑性樹脂の場合と同様の理由で、電磁波遮蔽性と、優
れた成形加工性とを同時に有する樹脂組成物が得られな
い可能性がある。
【0035】さらに、本発明の樹脂組成物の海ー島構造
における島側の不連続相を形成させようとする樹脂成分
の配合量は、樹脂成分全量に対し、80容量%以下、好
ましくは75容量%以下、より好ましくは50容量%以
下である。
【0036】80容量%よりも多い場合、海ー島構造に
おける島相を形成しないか、または島相を形成したとし
ても、島相が互いに接近または接触することにより、実
質的に連続相になる可能性があり、また樹脂全体として
海ー島構造における島相が連続相を形成する可能性があ
り、また樹脂組成物全体として、体積抵抗率の値が10
11Ωcmよりも小さくなる場合がある。
【0037】4成分系以上の多成分系樹脂組成物におい
ても、上記と同様の考え方が適用でき、これらも本発明
に包含されるものである。
【0038】また本発明の樹脂組成物には、電磁波遮蔽
性等の電気特性を低下させない範囲で、種々の一般的な
相溶化剤を添加してもよい。
【0039】相溶化剤の例としては、エポキシ変性スチ
レンースチレン共重合体、エポキシ変性スチレンーメチ
ルメタクリレート共重合体、エポキシ変性メチルメタク
リレートースチレンーエチレン共重合体、エポキシ変性
メチルメタクリレートーメチルメタクリレートーエチレ
ン共重合体、スチレンーメチルメタクリレート共重合
体、エポキシ変性メチルメタクリレートーメチルメタク
リレート共重合体、エポキシ変性メチルメタクリレート
ースチレン共重合体、及び無水マレイン酸ービニル系共
重合体等が挙げられる。
【0040】但し、ここで言う共重合体とは、ランダム
共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体及びグラフ
ト共重合体等を指す。また、ビニルモノマーとしては、
スチレン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビ
ニル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メチル
ビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニ
ルエーテル等が挙げられる。
【0041】一般に、ポリマーアロイによる樹脂組成物
は、相溶化剤を添加することによって、導電性フィラー
を含めた多成分系熱可塑性樹脂の構成成分の分散性が向
上し、成形加工性、機械的強度、耐熱性等が改善され
る。
【0042】本発明の樹脂組成物に対し相溶化剤を添加
する場合、その配合量は、電磁波遮蔽性等の電気特性の
低下しない範囲で任意に選択できるが、少な過ぎると、
上述のような効果が得られず、また、必要以上の配合量
は経済性において不利である。
【0043】したがって、樹脂組成物全量を100重量
部としたとき、0.01〜20重量部が好ましく、特に
0.1〜10重量部であることがより好ましい。
【0044】本発明において用いる導電性フィラーは、
公知の導電性を有する導電性フィラーが利用できる。
【0045】導電性フィラーの例としては、オイルファ
ーネス法、ガスファーネス法、チャンネル法、サーマル
法等の各製法によって製造されるカーボンブラック、ア
セチレンを原料としたアセチレンブラック、天然黒鉛、
無定型炭素を約2000℃以上の高温で処理して製造さ
れる人工黒鉛、アクリル系合成繊維(PAN繊維)やセ
ルロース系繊維(レーヨン)または石油ピッチや石炭ピ
ッチを溶融紡糸したピッチ繊維などを原料としてこれを
約800℃以上の温度で処理して得られる炭素繊維、更
にこれを約2000℃以上の高温で処理して得られる黒
鉛繊維等の炭素系フィラー、金、銀、銅、鉄、白金、ス
チール、アルミニウム、パラジウム等の金属系導電性フ
ィラー、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化チタ
ン等の金属酸化物系導電性フィラー、また各種無機フィ
ラーの表面を、上述のような導電性の素材でコートした
導電被覆型フィラー等が挙げられる。
【0046】本発明に用いる導電性フィラーの形状は、
粉状、球状、またはアスペクト比が10以下、好ましく
は5以下の短繊維であり、かつ平均粒径、または平均繊
維径が0.001〜100μmのものが好ましく、より
好ましくは0.001〜10μmであり、特に好ましく
は0.01〜1μmである。
【0047】アスペクト比が10よりも大きい場合、ま
たは平均粒子径が100μmよりも大きい場合、前記多
成分系熱可塑性樹脂マトリックスへの導電性フィラーの
偏在化分散が困難となるばかりでなく、組成物の成形加
工性や成形品の外観等を損ねる場合がある。
【0048】また、平均粒子径が0.001μmより小
さい場合、このような導電性フィラーを工業的に得るこ
とは現状では困難で、経済性に問題がある他、嵩比重が
低くなるため、熱可塑性樹脂への所望量の複合化やハン
ドリングが困難となる可能性がある。
【0049】なお、導電性フィラー形状が粉状であると
は、導電性フィラーが定まった形状を持たない粒子の集
合であって上記条件に適合するものをいう。
【0050】導電性フィラーの配合量は、熱可塑性樹脂
と該導電性フィラーとの合計容量に対して1〜50容量
%とすることが好ましく、より好ましくは2〜35容量
%であり、特に2〜20容量%とすることが好ましい。
【0051】該導電性フィラーの配合が1容量%未満の
場合、十分な電磁波遮蔽性を得られない場合がある。
【0052】また50容量%を越える場合、樹脂組成物
の製造が困難になったり、得られる樹脂組成物における
該導電性フィラーを含む多成分系熱可塑性樹脂の海ー島
構造において、該導電性フィラーを島側の不連続相へ偏
在させることが困難となり、該樹脂組成物の成形加工性
が悪くなるばかりか、該樹脂組成物の体積抵抗率の値が
1011Ωcmより低くなる場合がある。
【0053】また、成形加工性等の物性を低下させるこ
とのない範囲内で、他の無機フィラーまたは有機フィラ
ーを併用してもよい。使用可能な無機フィラーの例とし
ては、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、ガラス、水酸
化マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、
二硫化モリブデン、アルミナ、シリカ、ボロン、ジルコ
ニア、及びFeーAl合金、FeーSi合金、FeーS
iーAl合金のセンダスト、NiーFe合金またはこれ
にMo、Cu、Cr等を添加した多元系合金のパーマロ
イ、一般式MO・Fe23なる組成をもつ一群の鉄酸化
物であるフェライト(MはBa、Sr、Pb、Mn、F
e、Co、Ni、Zn等の2価の金属イオン)等、また
有機フィラーとしては木粉等が挙げられる。
【0054】これらの無機フィラーまたは有機フィラー
を添加することにより、成形加工性、機械的強度、耐熱
性等が改善される。
【0055】本発明においては、上記少なくとも2種類
の熱可塑性樹脂と、導電性フィラーとを以下に示す方法
により複合化することにより、少なくとも2種の熱可塑
性樹脂による海ー島構造が形成されると共に、配合され
た導電性フィラーが島相に偏在される。
【0056】導電性フィラーが島相に偏在する程度は、
島相の樹脂組成物中における導電性フィラーの容量%の
値が、海相の樹脂組成物中における導電性フィラーの容
量%の値よりも大きくあればよく、好ましくは配合され
た導電性フィラーの少なくとも50%以上が島相に含有
されていることが望ましく、特に70〜100%が島相
に含有されていることがより好ましい。
【0057】前述した導電性フィラーが偏在する程度の
評価方法としては、樹脂組成物中の樹脂成分や導電性フ
ィラーの成分の分布状態を、さらに詳しくは含有してい
る元素の分子レベルでの分布状態を評価する方法が挙げ
られる。
【0058】具体的には、走査型電子顕微鏡(SEM)
や走査型プローブ電子顕微鏡(SPM)により構成成分
の種類や分布状態( 海ー島構造)に関する情報を得る
ことができる。更に詳しくは、X線マイクロアナライザ
ー(XMA)や電子線マイクロアナライザー(EPM
A)により、樹脂組成物を構成する各元素の分布状態に
関する情報を得ることができる。
【0059】このような分析方法で得られた情報をもと
に、肉眼で観察するか、または粒子解析用の画像処理シ
ステムを用いて、導電性フィラー粒子の大きさを考慮し
ながら粒子の数を数えることにより、評価することがで
きる。
【0060】本発明の電磁波遮蔽性樹脂組成物は各種の
製造方法で製造できるが、次に例示する方法によること
が好ましい。 (1)第1段階として、熱可塑性樹脂に導電性フィラー
を複合化した樹脂組成物を得、その後第2段階として、
該樹脂組成物と、該樹脂組成物に供していない異なる種
類の熱可塑性樹脂とを複合化する方法。 (2)上記の第1段階及び第2段階の複合化を、同一の
系において1段階で行う方法。
【0061】ここで同一の系とは、後述の一般的な製造
装置、例えば1台の2軸混練押出機において、上述の第
1段階及び第2段階の複合化が、異なる原料投入口より
行われる場合、または同一の原料投入口より行われる場
合である。
【0062】本発明の樹脂組成物は、一般的な複合材料
製造技術を利用して製造することができる。工業的には
溶融混練法で製造することが、生産性及び経済性の面で
好ましい。
【0063】具体的には、2軸押出機や単軸押出機を用
いた連続混練による製造、ラボプラストミルに代表され
るバッチ式の加熱溶融混練機による製造が挙げられる。
【0064】また本発明の樹脂組成物は、熱可塑性であ
るので、射出成形、押出成形、プレス成形等の成形加工
が可能である。
【0065】本発明の樹脂組成物は、以上例示したよう
な構成、及び製造法によって得られ、従来の電磁波遮蔽
性樹脂組成物において問題であった、成形加工の困難
性、成形加工品の外観不良、高コスト等の欠点を解決し
た、特定のモルフォロジーを有する電磁波遮蔽性樹脂組
成物である。
【0066】以下、実施例、比較例により、本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれらによって限定される
ものではない。
【0067】尚、原料の熱可塑性樹脂、及び前述の第2
段階の複合化に供する第1段階の複合化で得られる熱可
塑性樹脂組成物は、2軸押出機等の混練装置への供給に
先立って、水分除去のために予備乾燥を行うことが好ま
しい。
【0068】
【実施例】以下の実施例、及び比較例において用いた熱
可塑性樹脂、導電性フィラーは、次に示す通りである。
【0069】<使用熱可塑性樹脂> ・PPE:変性ポリフェニレンエーテル 旭化成工業
(株)製 商品名「ザイロン100V」 比重(ASTM D 792)1.07g/cm3 ・PEI:ポリエーテルイミド 日本GEプラスチック
ス(株)製 商品名「ウルテム1000」 比重(ASTM D 792)1.27g/cm3 ・PBT:ポリブチレンテレフタレート ポリプラスチ
ックス(株)製 商品名「ジュラネックス2072」 比重(ASTM D 792)1.41g/cm3 ・PC :ポリカーボネート 帝人化成(株)製 商品
名「パンライトL1250」、数平均分子量25000 比重(ASTM D 792)1.20g/cm3 ・PES:ポリエーテルスルホン 住友化学工業(株)
製 商品名「スミカエクセル3600G」、数平均分子
量56000〜57000 比重(ASTM D 792)1.37g/cm3 ・LCP:液晶ポリエステル ユニチカ(株)製 商品
名「ロッドランLC−5000」。
【0070】比重(ASTM D 792)1.41g
/cm3
【0071】<使用導電性フィラー> ・カーボンブラック 平均粒径0.03μm、 球状 以下、CBと略記
する ・金属系(銀)導電性フィラー 平均粒径0.4μm、 球状 以下、AGと略記
する ・金属系(鉄)導電性フィラー 平均粒径45μm、 粉状 以下、FHと略記
する ・導電被覆型導電性フィラー (硫酸バリウムを核とし、その表面に酸化錫系導電層を
被覆したもの) 平均粒径0.4μm、 球状 以下、BSと略記
する ・導電性炭素繊維 平均繊維径 0.8μm、繊維状、アスペクト比 8
以下、CSと略記する。
【0072】<使用相溶化剤> ・エポキシ変性スチレン(St)ーSt共重合体 東亜合成化学工業(株) 商品名「RESEDA GP
−500」 以下ESSと略記する ・エポキシ変性Stーメチルメタクリレート(MMA)
共重合体 東亜合成化学工業(株) 商品名「RESEDA GP
−300 以下ESMと略記する ・エポキシ変性MMAーStーエチレン(Et)共重合
体 日本油脂(株)商品名「Modiper A−410
0」 以下EMSEと略記する ・Stー無水マレイン酸共重合体 エム・ティ・シー・アーコ(株) 商品名「DYLAR
K 232」 以下SMaと略記する ・エポキシ変性MMAーMMAーEt共重合体 日本油脂(株)商品名「Modiper A−420
0」 以下EMMEと略記する ・StーMMA共重合体 東亜合成化学工業(株) 商品名「RESEDA GP
−200 以下SMと略記する。
【0073】表1に、実施例1〜67、及び比較例1〜
5における各樹脂組成物の組成を示す。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
【表3】
【0077】
【表4】 実施例1〜42 表1に示す熱可塑性樹脂Aと、導電性フィラーaとを、
所定の組成比で、2軸混練押出機(ベルストルフ社製
「ZE40A;スクリュー径43mm、スクリュー長径
比33.5」)を用いて、加熱溶融混練し、水冷、また
は空冷後、ペレタイザーによりストランドを切断してペ
レット化した。(複合化第1段階) その後、複合化第1段階で得られた混練樹脂と、熱可塑
性樹脂Bとを、所定の組成比でプリブレンドし、該プリ
ブレンド調製品を、複合化第1段階と同様に、加熱溶融
混練し、水冷、または空冷後、ペレタイザーによりスト
ランドを切断してペレット化し、本発明の樹脂組成物を
得た。(複合化第2段階) なお、押出機等の操作条件の選定は常法に従って適宜行
った。
【0078】実施例43〜54 表1に示す熱可塑性樹脂Aと、導電性フィラーaとを、
所定の組成比で、実施例1〜42の複合化第1段階と同
様の方法でペレット化した。(複合化第1段階)その
後、複合化第1段階で得られた混練樹脂に、熱可塑性樹
脂Bを添加し、構成する全熱可塑性樹脂を基準にして、
所定の組成比で相溶化剤を添加し、本発明の樹脂組成物
を得た。
【0079】実施例55〜67 表1に示す熱可塑性樹脂Aと、導電性フィラーaとを、
所定の組成比で、実施例1〜42の複合化第1段階と同
様の方法でペレット化した。(複合化第1段階) その後、複合化第1段階で得られた混練樹脂と、熱可塑
性樹脂B、熱可塑性樹脂Cとを、所定の組成比でプリブ
レンドし、複合化第1段階と同様に、加熱溶融混練し、
水冷、または空冷後、ペレタイザーによりストランドを
切断してペレット化し、本発明の樹脂組成物を得た(複
合化第2段階)。
【0080】比較例1〜5 表1に示す熱可塑性樹脂Aと、導電性フィラーaとを、
所定の組成比で、実施例1〜42の複合化第1段階と同
様の方法でペレット化し、混練樹脂を得た。
【0081】その後、複合化第1段階で得られた混練樹
脂と、熱可塑性樹脂Bとを、所定の組成比でプリブレン
ドし、該プリブレンド調製品を、複合化第1段階と同様
に、加熱溶融混練し、水冷、または空冷後、ペレタイザ
ーによりストランドを切断してペレット化した。ストラ
ンド化が困難であったものについては、ストランド断片
を粉砕して、混練樹脂を得た。(複合化第2段階) 表2に、実施例1〜67及び比較例1〜5で得られた本
発明品及び比較品の評価結果を示す。なお、表2中、E
は指数を示し、例えば10E15は1015を示す。
【0082】<シールド効果評価方法について>得られ
た本発明品及び比較品に対し、水分除去のために予備乾
燥を行い、射出成形機またはプレス成形機を用いて、1
50mm×150mm×5mmの平板状試験片を作成し
た。
【0083】この試験片について、アドバンテスト社製
電磁波シールド材評価システムを用いて、近接界におけ
る電界強度の減衰率(シールド効果)を測定した。
【0084】材料の電磁波遮蔽性能を評価する方法は種
々提案されているが、人工的な放射電磁波の減衰程度を
評価する、いわゆるシールド効果(SE)の値が指標と
して広く用いられている。
【0085】<体積抵抗率評価方法について>得られた
本発明品及び比較品に対し、水分除去のために予備乾燥
を行い、射出成形機またはプレス成形機を用いて、φ1
00mm×1.6mmの円板状試験片、または150m
m×130mm×5mmの平板状試験片を作成した。
【0086】この試験片について、JIS K6911
に準拠し、アドバンテスト社製デジタル超高抵抗/微少
電流計またはデジタル・マルチメーターを用いて体積抵
抗率を測定した。
【0087】<成形性の評価について>樹脂組成物の、
2軸混練押出機による最終段階の製造において、定量フ
ィーダーからの投入量が、50Kg/h以上で良好なペ
レットを得ることか可能なものを◎、30Kg/h以上
で良好なペレットを得ることが可能なものを○、20K
g/h以上で良好なペレットを得ることが可能なものを
△、ペレット化、或いはストランド化が困難なものを×
とした。
【0088】<成形品外観評価について>体積抵抗率評
価用試験片について、表面に凹凸、そり、色むら等が見
られないものを○、わずかながら色むらが見られるもの
△、凹凸、そり等が見られるものを×とした。
【0089】
【表5】
【0090】
【表6】
【0091】
【表7】
【0092】
【表8】 実施例12及び比較例3に於いて製造した本発明品及び
比較品のSEM写真を、図1及び図2に示す。倍率は5
000倍である。
【0093】
【発明の効果】本発明の電磁波遮蔽性樹脂組成物は、少
なくとも2種の熱可塑性樹脂および少なくとも1種の導
電性フィラーにより海ー島構造を形成すると共に、不連
続な島相に導電性フィラーを偏在させる構成とすること
により、優れた成形加工性を付与でき、高度な表面平滑
性を要求される精密成形品を得ることができる。更に、
導電性フィラーが高密度に偏在することから電磁波遮蔽
性能に優れ、EMC(Electro−magneti
c Compatibility)対応材料として、電
気通信機器システム、デバイス等からの不要電磁波の発
生を抑え、または外来する不要電磁波から電気通信機器
システム、デバイス等を保護する機能を発揮でき、電気
通信機器等の筐体をはじめとし、コネクター、ICパッ
ケージ等における電磁波遮蔽性を要求される部位に好適
に用いることが出来る。
【0094】また更に、本発明の電磁波遮蔽性樹脂組成
物の体積抵抗率の値は、絶縁性の領域であるので、電磁
波遮蔽性を要求される製品部位と、絶縁性を要求される
製品部位に対して、本発明の樹脂組成物を用いた一体成
形品を組み込むことも可能で、これにより製品製造の簡
略化、製造コストの低減などを図れる等の利点を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明電磁波遮蔽性樹脂組成物の断面構造の一
例を示す実施例12の図面代用顕微鏡写真である。
【図2】比較品樹脂組成物の断面構造の一例を示す比較
例3の図面代用顕微鏡写真である。
フロントページの続き (72)発明者 木村 孝夫 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内 (72)発明者 岩船 聖敏 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内 (72)発明者 金児 洋明 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内 (72)発明者 上山 宏輝 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2種の熱可塑性樹脂と導電性
    フィラーとを主成分として含有してなる電磁波遮蔽性樹
    脂組成物において、前記樹脂組成物が1011Ωcm以上
    の体積抵抗率の値を有し、且つ前記樹脂組成物が前記少
    なくとも2種の熱可塑性樹脂で構成した海ー島構造を有
    すると共に、前記島相に前記導電性フィラーを偏在させ
    てなることを特徴とする電磁波遮蔽性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 少なくとも2種の熱可塑性樹脂と導電性
    フィラーと及び相溶化剤とを主成分として含有してなる
    電磁波遮蔽性樹脂組成物において、前記樹脂組成物が1
    11Ωcm以上の体積抵抗率の値を有し、且つ前記樹脂
    組成物が前記少なくとも2種の熱可塑性樹脂で構成した
    海ー島構造を有すると共に、前記島相に前記導電性フィ
    ラーを偏在させてなることを特徴とする電磁波遮蔽性樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 相溶化剤が、エポキシ変性スチレンース
    チレン共重合体、エポキシ変性スチレンーメチルメタク
    リレート共重合体、エポキシ変性メチルメタクリレート
    ースチレンーエチレン共重合体、エポキシ変性メチルメ
    タクリレートーメチルメタクリレートーエチレン共重合
    体、スチレンーメチルメタクリレート共重合体、エポキ
    シ変性メチルメタクリレートーメチルメタクリレート共
    重合体、エポキシ変性メチルメタクリレートースチレン
    共重合体、及び無水マレイン酸ービニル系共重合体から
    なる群から選ばれる少なくとも1種である請求項2に記
    載の電磁波遮蔽性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂が、ポリエチレン、ポリプ
    ロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、
    アクリロニトリルーブタジエンースチレン共重合体、ポ
    リアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエー
    テル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリ
    エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
    ト、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホ
    ン、及びポリエーテルイミドからなる群から選ばれる樹
    脂である請求項1又は2に記載の電磁波遮蔽性樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 2成分系熱可塑性樹脂合計量に対する島
    相の熱可塑性樹脂量が10〜80容量%である請求項1
    又は2に記載の電磁波遮蔽性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 3成分系熱可塑性樹脂合計量に対する島
    相の熱可塑性樹脂量が5〜80容量%である請求項1又
    は2に記載の電磁波遮蔽性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 導電性フィラーが、カーボンブラック、
    黒鉛、炭素繊維、金属粉、金属繊維、金属酸化物粉、及
    び金属酸化物繊維からなる群から選ばれる少なくとも1
    種の導電性フィラーである請求項1又は2に記載の電磁
    波遮蔽性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 導電性フィラーの形状が、粉状、球状、
    又はアスペクト比が10以下の繊維状であり、その平均
    粒径又は平均繊維径が0.001〜100μmである請
    求項1又は2に記載の電磁波遮蔽性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 熱可塑性樹脂と導電性フィラーとの合計
    量に対する導電性フィラーの含有量が1〜50容量%で
    ある請求項1又は2に記載の電磁波遮蔽性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれかに記載の電
    磁波遮蔽性樹脂組成物を成形加工してなる成型品。
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