JP2002256153A - 導電性成形体およびその製造方法 - Google Patents
導電性成形体およびその製造方法Info
- Publication number
- JP2002256153A JP2002256153A JP2001056297A JP2001056297A JP2002256153A JP 2002256153 A JP2002256153 A JP 2002256153A JP 2001056297 A JP2001056297 A JP 2001056297A JP 2001056297 A JP2001056297 A JP 2001056297A JP 2002256153 A JP2002256153 A JP 2002256153A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- component
- conductive molded
- conductive
- resin
- molded article
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、優れた導電性を低比重で(軽量
に)得ることができる導電性成形体およびその製造方法
を提供せんとするものである。 【解決手段】 少なくとも次の構成要素[A]、[B]
および[C]からなる導電性成形体であって、該構成要
素[B]および[C]のいずれの中にも該構成要素
[A]が実質上複数存在し、かつ、該複数の構成要素
[A]同士が接触して導電性成形体の導電を可能にせし
める導電ネットワークが、該構成要素[B]を中継点に
して形成されており、かつ、該中継点における該構成要
素[A]が実質的に端部以外の部位で接触していること
を特徴とする導電性成形体。 構成要素[A]:平均単繊維直径が1〜50μmの範囲
内の不連続導電性繊維 構成要素[B]:導電性成形体100重量%に対して、
0.05〜15重量%の範囲内で配合されている第1の
樹脂 構成要素[C]:第1の樹脂よりも配合量が多い第2の
樹脂
に)得ることができる導電性成形体およびその製造方法
を提供せんとするものである。 【解決手段】 少なくとも次の構成要素[A]、[B]
および[C]からなる導電性成形体であって、該構成要
素[B]および[C]のいずれの中にも該構成要素
[A]が実質上複数存在し、かつ、該複数の構成要素
[A]同士が接触して導電性成形体の導電を可能にせし
める導電ネットワークが、該構成要素[B]を中継点に
して形成されており、かつ、該中継点における該構成要
素[A]が実質的に端部以外の部位で接触していること
を特徴とする導電性成形体。 構成要素[A]:平均単繊維直径が1〜50μmの範囲
内の不連続導電性繊維 構成要素[B]:導電性成形体100重量%に対して、
0.05〜15重量%の範囲内で配合されている第1の
樹脂 構成要素[C]:第1の樹脂よりも配合量が多い第2の
樹脂
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた導電性を低
比重で得ることができる導電性成形体およびその製造方
法に関するものである。
比重で得ることができる導電性成形体およびその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電気・電子機器やその副資材にお
いて、成形体に高い導電性が求められている。また、携
帯情報端末に代表される携帯機器においては、持ち運ぶ
際の利便性から、低比重化(軽量化)も併せて要求され
ている。
いて、成形体に高い導電性が求められている。また、携
帯情報端末に代表される携帯機器においては、持ち運ぶ
際の利便性から、低比重化(軽量化)も併せて要求され
ている。
【0003】従来から、樹脂に無機系導電性材料(カー
ボン、金属など)を配合することによって、所望の導電
性を有する樹脂組成物の提案が行われている。具体的に
は、導電性材料の配合量の増量などの試みが行われてき
たが、本質的に比重が高くなるといった問題点を生じ、
低比重化(軽量化)の要求は満足できなかった。
ボン、金属など)を配合することによって、所望の導電
性を有する樹脂組成物の提案が行われている。具体的に
は、導電性材料の配合量の増量などの試みが行われてき
たが、本質的に比重が高くなるといった問題点を生じ、
低比重化(軽量化)の要求は満足できなかった。
【0004】一方、無機系導電性材料の配合量を最小限
で抑えながらに、高い導電性を得るために、成形体のマ
トリックス樹脂の形態制御などの試みが行われてきた。
で抑えながらに、高い導電性を得るために、成形体のマ
トリックス樹脂の形態制御などの試みが行われてきた。
【0005】前述の組成物のマトリックス樹脂の形態制
御による高導電化としては、マトリックス樹脂として複
数の樹脂を併用する技術が例として挙げられ、例えば特
開昭50−32240号公報、特開昭62−4749号
公報、特開昭63−207855号公報、特開平1−2
63156号公報、特開平2−113068号公報、特
開平5−287143号公報、特開平8−12768号
公報などでは、海/島構造、海/海構造、三次元網目構
造などを形成したマトリックス樹脂のうち、その一方の
マトリックス樹脂に導電性材料を偏在化させることによ
り、見かけ上の導電性材料の配合量を増量させ、高導電
化を達成できる旨の記載がある。しかし、これらの提案
のいずれも、マトリックス樹脂の一方に導電性材料を偏
在化させることが必要であり、特に成形材料の製造など
に制限があるといった問題点が存在する。更に、一方の
マトリックス樹脂に導電性材料を偏在化させることによ
る導電性の不均一性、力学的特性の低下などの問題も生
じていた。
御による高導電化としては、マトリックス樹脂として複
数の樹脂を併用する技術が例として挙げられ、例えば特
開昭50−32240号公報、特開昭62−4749号
公報、特開昭63−207855号公報、特開平1−2
63156号公報、特開平2−113068号公報、特
開平5−287143号公報、特開平8−12768号
公報などでは、海/島構造、海/海構造、三次元網目構
造などを形成したマトリックス樹脂のうち、その一方の
マトリックス樹脂に導電性材料を偏在化させることによ
り、見かけ上の導電性材料の配合量を増量させ、高導電
化を達成できる旨の記載がある。しかし、これらの提案
のいずれも、マトリックス樹脂の一方に導電性材料を偏
在化させることが必要であり、特に成形材料の製造など
に制限があるといった問題点が存在する。更に、一方の
マトリックス樹脂に導電性材料を偏在化させることによ
る導電性の不均一性、力学的特性の低下などの問題も生
じていた。
【0006】この他の技術としては、例えば、「Macrom
olecules」Vol.32、No.10(1999年)p.3534−3536に
は、マトリックス樹脂に少量の異なる樹脂を配合するこ
とにより、その成形体中の気相成長炭素繊維同士のネッ
トワークの接触点に少量の異なる樹脂が存在する形態を
有する旨の記載がある。この提案によると、単繊維直径
が1μm未満の気相成長炭素繊維を用い、且つ成形中に
せん断力が殆ど負荷されない圧縮成形に関しては、その
効果が発現している。しかしながら、本発明者らが、そ
れより単繊維直径が大きい導電性繊維(例えば、平均単
繊維直径が7μmであるPAN系炭素繊維など)につい
て、成形中に大きなせん断力が負荷される射出成形にて
検討を行ったところ、前述のような形態は形成されず、
導電性向上の効果が発現しないことが判明した。つま
り、この提案では、単繊維直径が1μm以上の導電性繊
維に関して、または大きなせん断力がかかる射出成形を
行った場合に関して、本発明の課題を解決できない。
olecules」Vol.32、No.10(1999年)p.3534−3536に
は、マトリックス樹脂に少量の異なる樹脂を配合するこ
とにより、その成形体中の気相成長炭素繊維同士のネッ
トワークの接触点に少量の異なる樹脂が存在する形態を
有する旨の記載がある。この提案によると、単繊維直径
が1μm未満の気相成長炭素繊維を用い、且つ成形中に
せん断力が殆ど負荷されない圧縮成形に関しては、その
効果が発現している。しかしながら、本発明者らが、そ
れより単繊維直径が大きい導電性繊維(例えば、平均単
繊維直径が7μmであるPAN系炭素繊維など)につい
て、成形中に大きなせん断力が負荷される射出成形にて
検討を行ったところ、前述のような形態は形成されず、
導電性向上の効果が発現しないことが判明した。つま
り、この提案では、単繊維直径が1μm以上の導電性繊
維に関して、または大きなせん断力がかかる射出成形を
行った場合に関して、本発明の課題を解決できない。
【0007】これに類似の技術としては、特開昭61−
221244号公報には、その成形体中の無機フィラー
のネットワークにおいて、無機フィラーの端面に、分散
相を形成する第2の樹脂が存在する網目構造に関する記
載がある。しかし、この提案によると、無機フィラー同
士が端面を介して網目構造を形成するために、積極的に
無機フィラー同士が接触せず、導電材料同士の直接の接
触が重要である高導電化の技術とは性質を異にしている
もとのいえる。また、該提案は力学的特性の向上を意図
した技術であり、導電性に関する記載は一切ない。
221244号公報には、その成形体中の無機フィラー
のネットワークにおいて、無機フィラーの端面に、分散
相を形成する第2の樹脂が存在する網目構造に関する記
載がある。しかし、この提案によると、無機フィラー同
士が端面を介して網目構造を形成するために、積極的に
無機フィラー同士が接触せず、導電材料同士の直接の接
触が重要である高導電化の技術とは性質を異にしている
もとのいえる。また、該提案は力学的特性の向上を意図
した技術であり、導電性に関する記載は一切ない。
【0008】つまり、以上の提案によると、成形体の低
比重化(軽量化)の要求を満たし、且つ優れた導電性を
発現できる成形体を得ることができないでいた。
比重化(軽量化)の要求を満たし、且つ優れた導電性を
発現できる成形体を得ることができないでいた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の背景に鑑み、優れた導電性を低比重で得ることが
できる導電性成形体およびその製造方法を提供せんとす
るものである。
技術の背景に鑑み、優れた導電性を低比重で得ることが
できる導電性成形体およびその製造方法を提供せんとす
るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、基本的には、次のような手段を採用す
るものである。即ち、本発明の導電性成形体は、少なく
とも次の構成要素[A]、[B]および[C]からなる
導電性成形体であって、該構成要素[B]および[C]
のいずれの中にも該構成要素[A]が実質上複数存在
し、かつ、該複数の構成要素[A]同士が接触して導電
性成形体の導電を可能にせしめる導電ネットワークが、
該構成要素[B]を中継点にして形成されており、か
つ、前記中継点における該構成要素[A]が実質的に端
部以外の部位で接触していることを特徴とする。 構成要素[A]:平均単繊維直径が1〜50μmの範囲
内の不連続導電性繊維 構成要素[B]:導電性成形体100重量%に対して、
0.05〜15重量%の範囲内で配合されている第1の
樹脂 構成要素[C]:第1の樹脂よりも配合量が多い第2の
樹脂。
解決するために、基本的には、次のような手段を採用す
るものである。即ち、本発明の導電性成形体は、少なく
とも次の構成要素[A]、[B]および[C]からなる
導電性成形体であって、該構成要素[B]および[C]
のいずれの中にも該構成要素[A]が実質上複数存在
し、かつ、該複数の構成要素[A]同士が接触して導電
性成形体の導電を可能にせしめる導電ネットワークが、
該構成要素[B]を中継点にして形成されており、か
つ、前記中継点における該構成要素[A]が実質的に端
部以外の部位で接触していることを特徴とする。 構成要素[A]:平均単繊維直径が1〜50μmの範囲
内の不連続導電性繊維 構成要素[B]:導電性成形体100重量%に対して、
0.05〜15重量%の範囲内で配合されている第1の
樹脂 構成要素[C]:第1の樹脂よりも配合量が多い第2の
樹脂。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図1は、本発明の導電性成形
体における、導電ネットワークの形態の一例の斜視図で
ある。本発明の導電性成形体1は、少なくとも次の構成
要素[A]2、[B]3および[C]4からなる導電性
成形体であって、構成要素[B]3および[C]4のい
ずれの中にも構成要素[A]2が実質上複数存在し、か
つ、該複数の構成要素[A]2同士が接触して導電性成
形体1の導電を可能にせしめる導電ネットワークが、構
成要素[B]3を中継点にして形成されているものであ
り、かつ、前記中継点における構成要素[A]2が実質
的に端部以外の部位で接触している導電性成形体である
ことを特徴とする。 構成要素[A]:平均単繊維直径が1〜50μmの範囲
内の不連続導電性繊維 構成要素[B]:導電性成形体100重量%に対して、
0.05〜15重量%の範囲内で配合されている第1の
樹脂 構成要素[C]:第1の樹脂よりも配合量が多い第2の
樹脂。
を参照しながら説明する。図1は、本発明の導電性成形
体における、導電ネットワークの形態の一例の斜視図で
ある。本発明の導電性成形体1は、少なくとも次の構成
要素[A]2、[B]3および[C]4からなる導電性
成形体であって、構成要素[B]3および[C]4のい
ずれの中にも構成要素[A]2が実質上複数存在し、か
つ、該複数の構成要素[A]2同士が接触して導電性成
形体1の導電を可能にせしめる導電ネットワークが、構
成要素[B]3を中継点にして形成されているものであ
り、かつ、前記中継点における構成要素[A]2が実質
的に端部以外の部位で接触している導電性成形体である
ことを特徴とする。 構成要素[A]:平均単繊維直径が1〜50μmの範囲
内の不連続導電性繊維 構成要素[B]:導電性成形体100重量%に対して、
0.05〜15重量%の範囲内で配合されている第1の
樹脂 構成要素[C]:第1の樹脂よりも配合量が多い第2の
樹脂。
【0012】本発明における導電ネットワークとは、複
数の構成要素[A]2同士が接触したり、極近接したり
することにより形成される複数の構成要素[A]2の集
合した形態を指し、導電性成形体1が導電性を発現し得
るためには、導電性成形体1の中で前記ネットワークが
形成されているものである。以下、構成要素[A]2が
接触したり極近接したりすることを、構成要素[A]2
が接触する、と総称する場合がある。なお、極近接して
いるとは、特に限定されるものではないが、構成要素
[A]2同士の間隔が好ましくは100nm以内(より
好ましくは50nm以内、更に好ましくは10nm以
内)の場合である。
数の構成要素[A]2同士が接触したり、極近接したり
することにより形成される複数の構成要素[A]2の集
合した形態を指し、導電性成形体1が導電性を発現し得
るためには、導電性成形体1の中で前記ネットワークが
形成されているものである。以下、構成要素[A]2が
接触したり極近接したりすることを、構成要素[A]2
が接触する、と総称する場合がある。なお、極近接して
いるとは、特に限定されるものではないが、構成要素
[A]2同士の間隔が好ましくは100nm以内(より
好ましくは50nm以内、更に好ましくは10nm以
内)の場合である。
【0013】本発明では、構成要素[A]2が構成要素
[B]3および[C]4のいずれの中にも実質上複数存
在する。ここで、構成要素[A]が構成要素[B](あ
るいは[C])の中に実質上存在するということは、単
に構成要素[A]が構成要素[B](あるいは[C])
の内部に配置されているというだけではなく、構成要素
[A]と構成要素[B](あるいは[C])とが直接接
している状態であることを必須とする。つまり、構成要
素[A]が構成要素[B](あるいは[C])の内部に
配置されていても、その間に別のものである構成要素
[C](あるいは[B])が配置されていて、構成要素
[A]と構成要素[B](あるいは[C])が直接接す
ることがない場合は、中に実質上存在することにはなら
ない。但し、前記間の別のものである構成要素[C]
(あるいは[B])の厚みが100nm以下の場合はそ
れを無視することとする。又、1つの構成要素[A]が
構成要素[B]と[C]との2つにまたがって存在する
場合、前記3つの構成要素が同時に接する閉曲線に沿っ
て、前記構成要素[A]を切断し分割して考える。つま
り、かように分割された構成要素[A]のうち、構成要
素[B]側のものは、構成要素[B]の中に存在し、構
成要素[C]側のものは、構成要素[C]の中に存在し
ているものと見なすわけである。
[B]3および[C]4のいずれの中にも実質上複数存
在する。ここで、構成要素[A]が構成要素[B](あ
るいは[C])の中に実質上存在するということは、単
に構成要素[A]が構成要素[B](あるいは[C])
の内部に配置されているというだけではなく、構成要素
[A]と構成要素[B](あるいは[C])とが直接接
している状態であることを必須とする。つまり、構成要
素[A]が構成要素[B](あるいは[C])の内部に
配置されていても、その間に別のものである構成要素
[C](あるいは[B])が配置されていて、構成要素
[A]と構成要素[B](あるいは[C])が直接接す
ることがない場合は、中に実質上存在することにはなら
ない。但し、前記間の別のものである構成要素[C]
(あるいは[B])の厚みが100nm以下の場合はそ
れを無視することとする。又、1つの構成要素[A]が
構成要素[B]と[C]との2つにまたがって存在する
場合、前記3つの構成要素が同時に接する閉曲線に沿っ
て、前記構成要素[A]を切断し分割して考える。つま
り、かように分割された構成要素[A]のうち、構成要
素[B]側のものは、構成要素[B]の中に存在し、構
成要素[C]側のものは、構成要素[C]の中に存在し
ているものと見なすわけである。
【0014】ここで存在している量を定量的に評価する
パラメータには体積を用いるとよい。又、実質上複数存
在するとは、本発明の効果を妨げない範囲ならば特に限
定されるものではないが、大凡の目安を挙げるならば、
構成要素[A]全量に対する、構成要素[B]の中に存
在する構成要素[A]の量は、好ましくは5%以上(よ
り好ましくは15%以上、更に好ましくは30%以上)
であり、構成要素[A]全量に対する、構成要素[C]
の中に存在する構成要素[A]の量は、好ましくは50
%以上(より好ましくは70%以上、更に好ましくは8
5%以上)である。
パラメータには体積を用いるとよい。又、実質上複数存
在するとは、本発明の効果を妨げない範囲ならば特に限
定されるものではないが、大凡の目安を挙げるならば、
構成要素[A]全量に対する、構成要素[B]の中に存
在する構成要素[A]の量は、好ましくは5%以上(よ
り好ましくは15%以上、更に好ましくは30%以上)
であり、構成要素[A]全量に対する、構成要素[C]
の中に存在する構成要素[A]の量は、好ましくは50
%以上(より好ましくは70%以上、更に好ましくは8
5%以上)である。
【0015】本発明では、構成要素[A]2の接触を積
極的に制御し、導電効率に優れた構成要素[A]2の導
電ネットワークの形成を促進できることを究明したもの
である。即ち、構成要素[B]である導電性成形体10
0重量%に対して、0.05〜15重量%の範囲内であ
る第1の樹脂3と、構成要素[C]である第2の樹脂4
とを併用して、構成要素[B]3および[C]4のいず
れの中にも実質上複数存在する複数の構成要素[A]2
は、構成要素[B]3を中継点にして複数の構成要素
[A]2同士が接触する中継点を形成している。本発明
における中継点とは、構成要素[A]2同士の接触点に
構成要素[B]3が優先的に存在することであり、これ
により本発明の課題を解決できることを見出したもので
ある。
極的に制御し、導電効率に優れた構成要素[A]2の導
電ネットワークの形成を促進できることを究明したもの
である。即ち、構成要素[B]である導電性成形体10
0重量%に対して、0.05〜15重量%の範囲内であ
る第1の樹脂3と、構成要素[C]である第2の樹脂4
とを併用して、構成要素[B]3および[C]4のいず
れの中にも実質上複数存在する複数の構成要素[A]2
は、構成要素[B]3を中継点にして複数の構成要素
[A]2同士が接触する中継点を形成している。本発明
における中継点とは、構成要素[A]2同士の接触点に
構成要素[B]3が優先的に存在することであり、これ
により本発明の課題を解決できることを見出したもので
ある。
【0016】ここで、構成要素[A]2同士の接触点に
構成要素[B]3が優先的に存在することとは、少なく
とも、次にいずれかの状態(状態(1)の方が好ましい
が、もっとも好ましくは両方の状態を満たす場合であ
る)である。 状態(1):構成要素[A]の接触点の全体の主な割合
のものが、構成要素[B]の中に存在するものである。 状態(2):構成要素[B]全体の主な割合のものが、
構成要素[A]の接触点に存在している。
構成要素[B]3が優先的に存在することとは、少なく
とも、次にいずれかの状態(状態(1)の方が好ましい
が、もっとも好ましくは両方の状態を満たす場合であ
る)である。 状態(1):構成要素[A]の接触点の全体の主な割合
のものが、構成要素[B]の中に存在するものである。 状態(2):構成要素[B]全体の主な割合のものが、
構成要素[A]の接触点に存在している。
【0017】前記状態(1)とは、 Aj:構成要素[B]中に存在する構成要素[A]の接
触点の個数 At:構成要素[A]の接触点の全ての個数 とした時、Aj/Atが十分大きいことである。前記A
j/Atは好ましくは10%以上(より好ましくは20
%以上、更に好ましくは30%以上)である。
触点の個数 At:構成要素[A]の接触点の全ての個数 とした時、Aj/Atが十分大きいことである。前記A
j/Atは好ましくは10%以上(より好ましくは20
%以上、更に好ましくは30%以上)である。
【0018】前記状態(2)とは、 Bj:前記中継点を形成している構成要素[B]の量 Bt:全ての構成要素[B]の量 とした時、Bj/Btが十分大きいことである。前記構
成要素[B]の量を定量するパラメータとしては、直接
的な影響の面から鑑みるに体積が好適である。その場
合、Bj/Btは好ましくは25体積%以上(より好ま
しくは50体積%以上、更に好ましくは75体積%以
上)である。
成要素[B]の量を定量するパラメータとしては、直接
的な影響の面から鑑みるに体積が好適である。その場
合、Bj/Btは好ましくは25体積%以上(より好ま
しくは50体積%以上、更に好ましくは75体積%以
上)である。
【0019】かかる体積以外のパラメーターとしては、
構成要素[B]のドメイン数もパラメータとして好適で
あり、この場合、Bj/Btは好ましくは25%以上
(より好ましくは50%以上、更に好ましくは75%以
上)である。だが、やはり、構成要素[B]の量を定量
するパラメーターとしては、直接的に本発明の効果に影
響を与える体積の方がドメイン数よりも好適といえる。
構成要素[B]のドメイン数もパラメータとして好適で
あり、この場合、Bj/Btは好ましくは25%以上
(より好ましくは50%以上、更に好ましくは75%以
上)である。だが、やはり、構成要素[B]の量を定量
するパラメーターとしては、直接的に本発明の効果に影
響を与える体積の方がドメイン数よりも好適といえる。
【0020】更に、本発明における中継点では、前記構
成要素[A]同士が実質的に端部以外の部位で接触して
いる中継点が存在している。前記のような中継点が存在
しているとは、本発明の効果を妨げない範囲ならば特に
限定されるものではないが、大凡の目安を挙げるなら
ば、以下の式1を満たす範囲が好適である。 式1:J1×100/J2<100 J1=Σi(j1i) J2=Σi(j2i) j1i:i番目の構成要素[A]の端部に形成された前
記中継点の数 j2i:i番目の構成要素[A]の端部以外に形成され
た前記中継点の数 (なお、Σは総加記号を表す、即ち、Σi(Xi)=X1
+X2+・・である。) ここで、総加は各構成要素[A]について行われ、中継
点は重複してカウントされる。例えば、3本の構成要素
[A]が接触している中継点は3重にカウントされる。
又、構成要素[A]の端部とは、構成要素[A]の繊維
方向乃至は長軸方向の軸線と構成要素[A]の表面とが
交差する面であり、つまり、長軸方向における両端部を
指すと考えて良い。
成要素[A]同士が実質的に端部以外の部位で接触して
いる中継点が存在している。前記のような中継点が存在
しているとは、本発明の効果を妨げない範囲ならば特に
限定されるものではないが、大凡の目安を挙げるなら
ば、以下の式1を満たす範囲が好適である。 式1:J1×100/J2<100 J1=Σi(j1i) J2=Σi(j2i) j1i:i番目の構成要素[A]の端部に形成された前
記中継点の数 j2i:i番目の構成要素[A]の端部以外に形成され
た前記中継点の数 (なお、Σは総加記号を表す、即ち、Σi(Xi)=X1
+X2+・・である。) ここで、総加は各構成要素[A]について行われ、中継
点は重複してカウントされる。例えば、3本の構成要素
[A]が接触している中継点は3重にカウントされる。
又、構成要素[A]の端部とは、構成要素[A]の繊維
方向乃至は長軸方向の軸線と構成要素[A]の表面とが
交差する面であり、つまり、長軸方向における両端部を
指すと考えて良い。
【0021】かかるJ1×100/J2は、より好まし
くは50以下、更に好ましくは10以下、とりわけ5以
下であるのが好ましい。前記上限値を上回ると、優先的
に端部に中継点が形成され、構成要素[A]同士が効率
的に接触しにくいため好ましくない。一方、下限値は特
にないが、導電性成形体中の構成要素[A]の平均繊維
長さから算出される端部以外の面積と端部面積との関係
から、0.1以上であるのが一般的であり、より実用的
には1以上である。
くは50以下、更に好ましくは10以下、とりわけ5以
下であるのが好ましい。前記上限値を上回ると、優先的
に端部に中継点が形成され、構成要素[A]同士が効率
的に接触しにくいため好ましくない。一方、下限値は特
にないが、導電性成形体中の構成要素[A]の平均繊維
長さから算出される端部以外の面積と端部面積との関係
から、0.1以上であるのが一般的であり、より実用的
には1以上である。
【0022】上述の本発明の導電ネットワークが、構成
要素[B]3を介した中継点が形成される理由の詳細は
未だ定かではないが、現在のところは下述の様に推察さ
れる。つまり、導電性成形体を成形中には、構成要素
[B]3および[C]4中を構成要素[A]2が流動す
るが、その過程の中で、(I)構成要素[A]、
[B]、[C]の流動早さの差(後述の構成要素[B]
と[C]との粘度差Δη)、(II)構成要素[A]−
[B]間と構成要素[A]−[C]間との親和性の差
異、(III)構成要素[B]と[C]との相溶性、など
の複数の要因の相互作用によって、(イ)各構成要素の
流動時の流動早さの相対的な差により、構成要素[A]
が濾紙の如く働き、構成要素[B]が相対的に濾過され
ながら流動すること、(ロ)構成要素[B]3が鳥餅の
ように構成要素[A]2を吸着ないし固着しながら流動
すること、などの現象により、構成要素[A]2が構成
要素[B]3および[C]4のいずれの中にも実質上存
在しながらに、構成要素[A]2同士の接触点に構成要
素[B]3が優先的に存在する、即ち、前記導電ネット
ワークが構成要素[B]3を中継点に形成されることに
より、構成要素[A]2同士の接触確率を飛躍的に向上
させるためだと推察される。
要素[B]3を介した中継点が形成される理由の詳細は
未だ定かではないが、現在のところは下述の様に推察さ
れる。つまり、導電性成形体を成形中には、構成要素
[B]3および[C]4中を構成要素[A]2が流動す
るが、その過程の中で、(I)構成要素[A]、
[B]、[C]の流動早さの差(後述の構成要素[B]
と[C]との粘度差Δη)、(II)構成要素[A]−
[B]間と構成要素[A]−[C]間との親和性の差
異、(III)構成要素[B]と[C]との相溶性、など
の複数の要因の相互作用によって、(イ)各構成要素の
流動時の流動早さの相対的な差により、構成要素[A]
が濾紙の如く働き、構成要素[B]が相対的に濾過され
ながら流動すること、(ロ)構成要素[B]3が鳥餅の
ように構成要素[A]2を吸着ないし固着しながら流動
すること、などの現象により、構成要素[A]2が構成
要素[B]3および[C]4のいずれの中にも実質上存
在しながらに、構成要素[A]2同士の接触点に構成要
素[B]3が優先的に存在する、即ち、前記導電ネット
ワークが構成要素[B]3を中継点に形成されることに
より、構成要素[A]2同士の接触確率を飛躍的に向上
させるためだと推察される。
【0023】従来の技術を参照するに、単相または複数
相の樹脂で成形されるがままに構成要素[A]が無秩序
に配列しており、導電ネットワーク形成の制御がなされ
ていない技術や、2種類の樹脂を配合した樹脂の内、そ
の一方の樹脂にのみ導電体を偏在化させることにより、
見かけ上の導電体の配合量を増量させる技術とは、本発
明は根本的に発想が異なり、全く新しい指針に基づくも
のであるといえる。
相の樹脂で成形されるがままに構成要素[A]が無秩序
に配列しており、導電ネットワーク形成の制御がなされ
ていない技術や、2種類の樹脂を配合した樹脂の内、そ
の一方の樹脂にのみ導電体を偏在化させることにより、
見かけ上の導電体の配合量を増量させる技術とは、本発
明は根本的に発想が異なり、全く新しい指針に基づくも
のであるといえる。
【0024】また、本発明は「Macromolecules」Vol.3
2、No.10(1999年)p.3534−3536に記載されているよう
に平均単繊維直径が1μm未満である気相成長炭素繊維
でのみ発現し、しかも比較的導電性が低い制電領域に限
定される発明とは異なり、工業的に汎用性が高い本発明
の構成要素[A]を用い、かつ工業的に広く用いられて
いる射出成形した場合でも本発明の効果を発現し、かつ
比較的導電性が低い制電領域だけではなく、とりわけ高
い導電性が求められる電磁波シールド性を発現するレベ
ルでもその効果が発現する本発明は、工業的見地から非
常に有意義であるといえる。
2、No.10(1999年)p.3534−3536に記載されているよう
に平均単繊維直径が1μm未満である気相成長炭素繊維
でのみ発現し、しかも比較的導電性が低い制電領域に限
定される発明とは異なり、工業的に汎用性が高い本発明
の構成要素[A]を用い、かつ工業的に広く用いられて
いる射出成形した場合でも本発明の効果を発現し、かつ
比較的導電性が低い制電領域だけではなく、とりわけ高
い導電性が求められる電磁波シールド性を発現するレベ
ルでもその効果が発現する本発明は、工業的見地から非
常に有意義であるといえる。
【0025】本発明の構成要素[B]3が、導電ネット
ワークの中継点となること(構成要素[A]2同士の接
触点に優先的に存在すること)の判別、または、かかる
中継点が構成要素[A]の端部または端部以外に形成さ
れているかの判別は、構成要素[A]、[B](または
その他の成分)を溶解せずに構成要素[C]のみを溶解
する溶媒に、導電性成形体を漬浸して構成要素[C]の
みを抽出し、構成要素[A]同士の接触点を光学顕微鏡
または走査型電子顕微鏡にて観察することにより確認で
きる。
ワークの中継点となること(構成要素[A]2同士の接
触点に優先的に存在すること)の判別、または、かかる
中継点が構成要素[A]の端部または端部以外に形成さ
れているかの判別は、構成要素[A]、[B](または
その他の成分)を溶解せずに構成要素[C]のみを溶解
する溶媒に、導電性成形体を漬浸して構成要素[C]の
みを抽出し、構成要素[A]同士の接触点を光学顕微鏡
または走査型電子顕微鏡にて観察することにより確認で
きる。
【0026】また、構成要素[A]、[B](またはそ
の他の成分)を溶解せずに構成要素[C]のみを溶解す
る溶媒がない場合には、導電性成形体から、その流れ方
向に対して直行する断面を10面切り出し、断面を平滑
に研磨したものについて、構成要素[A]同士の接触点
を光学顕微鏡で観察することにより確認できる。ここ
で、光学顕微鏡では構成要素[B]の観察・確認が不明
瞭である場合には、位相差顕微鏡、偏光顕微鏡、走査型
または透過型電子顕微鏡を用いて観察・確認することが
好適である。なお、各種電子顕微鏡を用いる場合には、
重金属染色などにより処理剤または樹脂の何れか一方の
みを選択的に染色またはエッチング後、観察するのがよ
い。選択的に染色する染色剤としては、樹脂が二重結合
を有するものにはオスミウム酸(OsO4)が、ベンゼ
ン環を有するものにはルテニウム酸(RuO4)が、ア
ミド基を有するものにはリンタングステン酸(PTA)
などが有効である場合が多い。本発明では、クロロスル
フォン酸など、その他の染色剤や染料を適宜、単独また
は組み合わせて染色してもよい。また、酸、アルカリ、
溶媒、イオンなど各種エッチングする方法も有効で、染
色剤または染料と組み合わせて用いるとより効果的であ
る場合が多い。場合によっては、破壊させた混合物の破
壊面を走査型電子顕微鏡にて観察することによっても構
成要素[B]を観察・確認することができるケースもあ
る。
の他の成分)を溶解せずに構成要素[C]のみを溶解す
る溶媒がない場合には、導電性成形体から、その流れ方
向に対して直行する断面を10面切り出し、断面を平滑
に研磨したものについて、構成要素[A]同士の接触点
を光学顕微鏡で観察することにより確認できる。ここ
で、光学顕微鏡では構成要素[B]の観察・確認が不明
瞭である場合には、位相差顕微鏡、偏光顕微鏡、走査型
または透過型電子顕微鏡を用いて観察・確認することが
好適である。なお、各種電子顕微鏡を用いる場合には、
重金属染色などにより処理剤または樹脂の何れか一方の
みを選択的に染色またはエッチング後、観察するのがよ
い。選択的に染色する染色剤としては、樹脂が二重結合
を有するものにはオスミウム酸(OsO4)が、ベンゼ
ン環を有するものにはルテニウム酸(RuO4)が、ア
ミド基を有するものにはリンタングステン酸(PTA)
などが有効である場合が多い。本発明では、クロロスル
フォン酸など、その他の染色剤や染料を適宜、単独また
は組み合わせて染色してもよい。また、酸、アルカリ、
溶媒、イオンなど各種エッチングする方法も有効で、染
色剤または染料と組み合わせて用いるとより効果的であ
る場合が多い。場合によっては、破壊させた混合物の破
壊面を走査型電子顕微鏡にて観察することによっても構
成要素[B]を観察・確認することができるケースもあ
る。
【0027】本発明の構成要素[B]3は、導電性成形
体1の中で、少なくとも2μm以上の平均ドメイン径を
有しているのが好ましい。より好ましくは10μm以
上、さらに好ましくは25μm以上である。構成要素
[B]3の平均ドメイン径が、2μm未満であると、平
均単繊維直径が少なくとも1μmの導電性繊維2である
構成要素[A]2同士の接触点に存在することが困難と
なるため、好ましくない。特に平均ドメイン径の上限は
ないが、導電性成形体1中に均一に分散するために、1
0mm以下であるのが好ましい。
体1の中で、少なくとも2μm以上の平均ドメイン径を
有しているのが好ましい。より好ましくは10μm以
上、さらに好ましくは25μm以上である。構成要素
[B]3の平均ドメイン径が、2μm未満であると、平
均単繊維直径が少なくとも1μmの導電性繊維2である
構成要素[A]2同士の接触点に存在することが困難と
なるため、好ましくない。特に平均ドメイン径の上限は
ないが、導電性成形体1中に均一に分散するために、1
0mm以下であるのが好ましい。
【0028】かかる構成要素[B]3の平均ドメイン径
とは、上述の方法にて観察した構成要素[B]3につい
て、任意に50個のドメインを選択して(ドメインが5
0個未満しか観察されない場合はそれら全てを選択す
る)測定した値の数平均値とする。なお、かかるドメイ
ン径とは、ドメイン内(一部でもドメイン外を通る直線
は対象外とする)での最大の直線距離のことを指す。
とは、上述の方法にて観察した構成要素[B]3につい
て、任意に50個のドメインを選択して(ドメインが5
0個未満しか観察されない場合はそれら全てを選択す
る)測定した値の数平均値とする。なお、かかるドメイ
ン径とは、ドメイン内(一部でもドメイン外を通る直線
は対象外とする)での最大の直線距離のことを指す。
【0029】本発明においては、かかる構成要素
[B]、[C]について、230〜330℃の範囲内に
おける同一温度で、下記測定条件により測定されるそれ
ぞれの粘度ηb、ηcが、ηb<ηcの関係を満たすこ
とが好ましい。即ち、測定条件としては、絶乾状態の樹
脂(2g)を、レオメトリックスファーイースト社製粘
弾性測定装置(RDA−II)を用いて、φ40mmのパ
ラレルプレート(ギャップ間1mm)にて、捻り速度
3.14rad/秒、大気雰囲気下において、10℃/
分の昇温速度で200〜350℃の範囲内で溶融粘度を
測定するものであり、単位はpoiseを用いる。
[B]、[C]について、230〜330℃の範囲内に
おける同一温度で、下記測定条件により測定されるそれ
ぞれの粘度ηb、ηcが、ηb<ηcの関係を満たすこ
とが好ましい。即ち、測定条件としては、絶乾状態の樹
脂(2g)を、レオメトリックスファーイースト社製粘
弾性測定装置(RDA−II)を用いて、φ40mmのパ
ラレルプレート(ギャップ間1mm)にて、捻り速度
3.14rad/秒、大気雰囲気下において、10℃/
分の昇温速度で200〜350℃の範囲内で溶融粘度を
測定するものであり、単位はpoiseを用いる。
【0030】構成要素[B]の粘度ηbが構成要素
[C]の粘度ηcよりも高いと、上述のように、(イ)
各構成要素の流動時の流動早さの相対的な差により、構
成要素[A]が濾紙の如く働き、構成要素[B]が相対
的に濾過されながら流動すること、(ロ)構成要素
[B]が鳥餅のように構成要素[A]を吸着ないし固着
しながら流動すること、などの現象が発生しにくく、構
成要素[A]同士の接触点に構成要素[B]が優先的に
存在しにくくなる場合があるため好ましくない。
[C]の粘度ηcよりも高いと、上述のように、(イ)
各構成要素の流動時の流動早さの相対的な差により、構
成要素[A]が濾紙の如く働き、構成要素[B]が相対
的に濾過されながら流動すること、(ロ)構成要素
[B]が鳥餅のように構成要素[A]を吸着ないし固着
しながら流動すること、などの現象が発生しにくく、構
成要素[A]同士の接触点に構成要素[B]が優先的に
存在しにくくなる場合があるため好ましくない。
【0031】より好ましくは、構成要素[B]、[C]
間の粘度差Δη(=ηc−ηb)が、2000〜100
000、さらに好ましくは3000〜50000poi
seの範囲内であり、とりわけ5000〜10000p
oiseの範囲内であることが好ましい。
間の粘度差Δη(=ηc−ηb)が、2000〜100
000、さらに好ましくは3000〜50000poi
seの範囲内であり、とりわけ5000〜10000p
oiseの範囲内であることが好ましい。
【0032】かかる構成要素[A]は、導電性成形体1
00重量%中に、1〜50重量%の範囲内で含有される
ことが好ましい。より好ましくは4〜40重量%、更に
望ましくは10〜30重量%の範囲内である。かかる構
成要素[A]が1重量%未満であると所望の導電性が得
にくく、50重量%を越えると、比重が高くなり、軽量
化に不利であるため好ましくない。
00重量%中に、1〜50重量%の範囲内で含有される
ことが好ましい。より好ましくは4〜40重量%、更に
望ましくは10〜30重量%の範囲内である。かかる構
成要素[A]が1重量%未満であると所望の導電性が得
にくく、50重量%を越えると、比重が高くなり、軽量
化に不利であるため好ましくない。
【0033】かかる構成要素[B]は、導電性成形体1
00重量%中に、0.05〜15重量%の範囲内で含有
されることが好ましい。より好ましくは0.1〜10重
量%、更に好ましくは0.5〜8重量%、とりわけ1〜
5重量%の範囲内であるのが好ましい。かかる構成要素
[B]が0.05重量%未満であっても、15重量%を
越えても、導電ネットワークの効率的な中継点となりに
くいため好ましくない。
00重量%中に、0.05〜15重量%の範囲内で含有
されることが好ましい。より好ましくは0.1〜10重
量%、更に好ましくは0.5〜8重量%、とりわけ1〜
5重量%の範囲内であるのが好ましい。かかる構成要素
[B]が0.05重量%未満であっても、15重量%を
越えても、導電ネットワークの効率的な中継点となりに
くいため好ましくない。
【0034】かかる構成要素[C]は、構成要素[B]
よりも配合量が多ければ特に限定されるものではなく、
本発明の導電性成形体の構成要素[A]および[B]以
外の構成要素は実質上全て構成要素[C]であることが
好ましい。導電ネットワークを形成する上で、(構成要
素[C]/構成要素[B])の体積比率は好ましくは5
倍以上(より好ましくは、10倍以上、更に好ましくは
15倍以上)である。また、後述の構成要素[D]や
[E]やその他の成分等も含まれていてもよいが、その
場合、導電性成形体中に、構成要素[A]、[B]およ
び[C]の合計の占める割合は、好ましくは70体積%
以上(より好ましくは80体積%以上、更に好ましくは
90体積%以上)である。前記下限値を下回ると、成形
の際に本発明の導電ネットワーク形成が十分実現されな
い恐れがあるからである。よって、導電ネットワーク形
成後ならば、前記下限値を下回る程度に他の構成要素や
成分が複合されても問題ない場合はある。
よりも配合量が多ければ特に限定されるものではなく、
本発明の導電性成形体の構成要素[A]および[B]以
外の構成要素は実質上全て構成要素[C]であることが
好ましい。導電ネットワークを形成する上で、(構成要
素[C]/構成要素[B])の体積比率は好ましくは5
倍以上(より好ましくは、10倍以上、更に好ましくは
15倍以上)である。また、後述の構成要素[D]や
[E]やその他の成分等も含まれていてもよいが、その
場合、導電性成形体中に、構成要素[A]、[B]およ
び[C]の合計の占める割合は、好ましくは70体積%
以上(より好ましくは80体積%以上、更に好ましくは
90体積%以上)である。前記下限値を下回ると、成形
の際に本発明の導電ネットワーク形成が十分実現されな
い恐れがあるからである。よって、導電ネットワーク形
成後ならば、前記下限値を下回る程度に他の構成要素や
成分が複合されても問題ない場合はある。
【0035】かかる構成要素[A]とは、絶縁性繊維で
ない不連続の繊維全般を指し、例えば炭素繊維、金属繊
維(ステンレス鋼繊維、銅繊維など)などの単独で導電
性を示す繊維の他に、絶縁性繊維(有機繊維(アラミド
繊維、PBO繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、
ポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリ
エチレン繊維など)や無機繊維(ガラス繊維、シリコン
カーバイド繊維、シリコンナイトライド繊維など)や導
電性繊維(金属繊維、炭素繊維)に導電体(金属、金属
酸化物など)を被覆した繊維も導電性繊維に含まれる。
また、前記導電性繊維を2種類以上併用することも、導
電性繊維とガラス繊維やアラミド繊維などの絶縁性繊維
とを併用することもできる。その中でも価格、力学的特
性、導電性、比重のバランスに優れる炭素繊維が好まし
い。
ない不連続の繊維全般を指し、例えば炭素繊維、金属繊
維(ステンレス鋼繊維、銅繊維など)などの単独で導電
性を示す繊維の他に、絶縁性繊維(有機繊維(アラミド
繊維、PBO繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、
ポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリ
エチレン繊維など)や無機繊維(ガラス繊維、シリコン
カーバイド繊維、シリコンナイトライド繊維など)や導
電性繊維(金属繊維、炭素繊維)に導電体(金属、金属
酸化物など)を被覆した繊維も導電性繊維に含まれる。
また、前記導電性繊維を2種類以上併用することも、導
電性繊維とガラス繊維やアラミド繊維などの絶縁性繊維
とを併用することもできる。その中でも価格、力学的特
性、導電性、比重のバランスに優れる炭素繊維が好まし
い。
【0036】かかる炭素繊維とは、例えば、PAN系、
ピッチ系、セルロース系、気相成長系からつくられた炭
素繊維や黒鉛繊維、それらをニッケル、イッテルビウ
ム、金、銀、銅などの金属を、メッキ法(電解、無電
解)、CVD法、PVD法、イオンプレーティング法、
蒸着法などにより少なくとも1層以上被覆して構成され
た金属被覆炭素繊維や、これらを2種類以上ブレンドし
て構成されたものを指す。かかる炭素繊維としては、強
度と弾性率などの力学的特性と価格とのバランスに優れ
るPAN系炭素繊維が好ましい。
ピッチ系、セルロース系、気相成長系からつくられた炭
素繊維や黒鉛繊維、それらをニッケル、イッテルビウ
ム、金、銀、銅などの金属を、メッキ法(電解、無電
解)、CVD法、PVD法、イオンプレーティング法、
蒸着法などにより少なくとも1層以上被覆して構成され
た金属被覆炭素繊維や、これらを2種類以上ブレンドし
て構成されたものを指す。かかる炭素繊維としては、強
度と弾性率などの力学的特性と価格とのバランスに優れ
るPAN系炭素繊維が好ましい。
【0037】本発明で用いる炭素繊維としては、広角X
線回折法により測定された結晶サイズ(以下、Lcと記
す)が、1〜6nmの範囲内であることが好ましい。1
nm未満である場合、炭素繊維の炭化または黒鉛化が十
分ではなく、炭素繊維自体の導電性が低くなる。これに
起因して、得られた導電性成形体の導電性が劣る場合が
ある。一方、6nmを越える場合、炭素繊維の炭化もし
くは黒鉛化は十分であり、炭素繊維自体の導電性には優
れるものの、脆く折損しやすくなる。これに起因して、
導電性成形体中の繊維長さが短くなり、優れた導電性が
期待できないため好ましくない。より好ましくは1.3
〜4.5nm、さらに好ましくは1.6〜3.5nmの
範囲内である。とりわけ好ましくは1.8〜2.8nm
の範囲内であるものがよい。なお、広角X線回折法によ
るLcの測定は、日本学術振興会第117委員会、炭
素、36、p25(1963)に記載された方法にて行
うことができる。
線回折法により測定された結晶サイズ(以下、Lcと記
す)が、1〜6nmの範囲内であることが好ましい。1
nm未満である場合、炭素繊維の炭化または黒鉛化が十
分ではなく、炭素繊維自体の導電性が低くなる。これに
起因して、得られた導電性成形体の導電性が劣る場合が
ある。一方、6nmを越える場合、炭素繊維の炭化もし
くは黒鉛化は十分であり、炭素繊維自体の導電性には優
れるものの、脆く折損しやすくなる。これに起因して、
導電性成形体中の繊維長さが短くなり、優れた導電性が
期待できないため好ましくない。より好ましくは1.3
〜4.5nm、さらに好ましくは1.6〜3.5nmの
範囲内である。とりわけ好ましくは1.8〜2.8nm
の範囲内であるものがよい。なお、広角X線回折法によ
るLcの測定は、日本学術振興会第117委員会、炭
素、36、p25(1963)に記載された方法にて行
うことができる。
【0038】これら不連続導電性繊維は、平均単繊維直
径が1〜50μmの範囲内である。平均単繊維直径が1
μm未満では、導電性繊維として製造することが困難に
なるだけでなく、優れた力学的特性を得られない場合が
ある。一方、平均単繊維直径が50μmを超えると、優
れた導電性を得ることができない場合がある。より好ま
しくは2〜20μm、更に好ましくは3〜13μm、と
りわけ4〜9μmの範囲内であるのが好ましい。
径が1〜50μmの範囲内である。平均単繊維直径が1
μm未満では、導電性繊維として製造することが困難に
なるだけでなく、優れた力学的特性を得られない場合が
ある。一方、平均単繊維直径が50μmを超えると、優
れた導電性を得ることができない場合がある。より好ま
しくは2〜20μm、更に好ましくは3〜13μm、と
りわけ4〜9μmの範囲内であるのが好ましい。
【0039】また、本発明の構成要素[A]は、優れた
力学的特性や高い集束性などを付与するために、カップ
リング剤、接着性向上剤、集束剤などを予め付与するこ
とができる。ここで、構成要素[A]は、前述の通り構
成要素[B]が中継点となって導電ネットワークを構成
する。そのために、これら表面処理剤などと、構成要素
[B]および/または[C]との相互作用は、構成要素
[B]が導電ネットワークにおける中継点になり得るか
どうかに、大きな影響を与える場合がある。そのため、
かかる表面処理剤の選定は、構成要素[B]、[C]の
種類によって適宜行われるべきである。
力学的特性や高い集束性などを付与するために、カップ
リング剤、接着性向上剤、集束剤などを予め付与するこ
とができる。ここで、構成要素[A]は、前述の通り構
成要素[B]が中継点となって導電ネットワークを構成
する。そのために、これら表面処理剤などと、構成要素
[B]および/または[C]との相互作用は、構成要素
[B]が導電ネットワークにおける中継点になり得るか
どうかに、大きな影響を与える場合がある。そのため、
かかる表面処理剤の選定は、構成要素[B]、[C]の
種類によって適宜行われるべきである。
【0040】かかるカップリング剤としては、例えばシ
ランカップリング剤、アルミネートカップリング剤、チ
タネートカップリング剤などが挙げられ、かかる接着性
向上剤または集束剤としては、エポキシ系、ウレタン
系、エーテル系、エステル系、アミド系、アクリル系、
オレフィン系、ビニル系、スチレン系、シリコン系、フ
ッ素系、フェノール系樹脂、液晶性樹脂などが挙げら
れ、使用する構成要素[B]の分子構造に類似のものを
適宜選定して使用するのが好ましい。
ランカップリング剤、アルミネートカップリング剤、チ
タネートカップリング剤などが挙げられ、かかる接着性
向上剤または集束剤としては、エポキシ系、ウレタン
系、エーテル系、エステル系、アミド系、アクリル系、
オレフィン系、ビニル系、スチレン系、シリコン系、フ
ッ素系、フェノール系樹脂、液晶性樹脂などが挙げら
れ、使用する構成要素[B]の分子構造に類似のものを
適宜選定して使用するのが好ましい。
【0041】かかる構成要素[B]または[C]とは、
熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂のどちらも使用するこ
とができるが、熱可塑性樹脂である場合、得られた導電
性成形体の衝撃強度に優れ、かつ成形効率の高いプレス
成形や射出成形が可能であるため好ましい。なお前述の
ように、同温度におけるそれぞれの構成要素の粘度は、
構成要素[B]よりも構成要素[C]の方が高粘度であ
ることが好ましい。
熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂のどちらも使用するこ
とができるが、熱可塑性樹脂である場合、得られた導電
性成形体の衝撃強度に優れ、かつ成形効率の高いプレス
成形や射出成形が可能であるため好ましい。なお前述の
ように、同温度におけるそれぞれの構成要素の粘度は、
構成要素[B]よりも構成要素[C]の方が高粘度であ
ることが好ましい。
【0042】かかる熱硬化性樹脂としては、例えば、不
飽和ポリエステル、ビニルエステル、エポキシ、フェノ
ール(レゾール型等)、ユリア・メラミン、ポリイミド
等や、これらの共重合体、変性体、および、2種類以上
ブレンドした樹脂などを使用することができる。また、
更に耐衝撃性向上のために、上記熱硬化性樹脂にエラス
トマーもしくはゴム成分を添加した樹脂であってもよ
い。
飽和ポリエステル、ビニルエステル、エポキシ、フェノ
ール(レゾール型等)、ユリア・メラミン、ポリイミド
等や、これらの共重合体、変性体、および、2種類以上
ブレンドした樹脂などを使用することができる。また、
更に耐衝撃性向上のために、上記熱硬化性樹脂にエラス
トマーもしくはゴム成分を添加した樹脂であってもよ
い。
【0043】かかる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポ
リエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテ
レフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレ
ート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PE
N)、液晶ポリエステル等のポリエステルや、ポリエチ
レン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン
等のポリオレフィンや、スチレン系樹脂の他、ポリオキ
シメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカー
ボネート(PC)、ポリメチレンメタクリレート(PM
MA)、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエチレンビ
ニルアルコール(EVOH)、ポリ塩化ビニル(PV
C)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェ
ニレンエーテル(PPE)、ポリイミド(PI)、ポリ
アミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PE
I)、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホ
ン、ポリケトン(PK)、ポリエーテルケトン(PE
K)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ
エーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリレート
(PAR)、ポリエーテルニトリル(PEN)、フェノ
ール(ノボラック型等)フェノキシ樹脂、ポリテトラフ
ルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、更にポリスチレン
系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル
系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリイソプレン
系、フッ素系等の熱可塑エラストマー等や、これらの共
重合体、変性体、および2種類以上ブレンドした樹脂な
どであってもよい。また、更に耐衝撃性向上のために、
上記熱可塑性樹脂にその他のエラストマーもしくはゴム
成分を添加した樹脂であってもよい。
リエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテ
レフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレ
ート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PE
N)、液晶ポリエステル等のポリエステルや、ポリエチ
レン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン
等のポリオレフィンや、スチレン系樹脂の他、ポリオキ
シメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカー
ボネート(PC)、ポリメチレンメタクリレート(PM
MA)、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエチレンビ
ニルアルコール(EVOH)、ポリ塩化ビニル(PV
C)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェ
ニレンエーテル(PPE)、ポリイミド(PI)、ポリ
アミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PE
I)、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホ
ン、ポリケトン(PK)、ポリエーテルケトン(PE
K)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ
エーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリレート
(PAR)、ポリエーテルニトリル(PEN)、フェノ
ール(ノボラック型等)フェノキシ樹脂、ポリテトラフ
ルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、更にポリスチレン
系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル
系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリイソプレン
系、フッ素系等の熱可塑エラストマー等や、これらの共
重合体、変性体、および2種類以上ブレンドした樹脂な
どであってもよい。また、更に耐衝撃性向上のために、
上記熱可塑性樹脂にその他のエラストマーもしくはゴム
成分を添加した樹脂であってもよい。
【0044】本発明における構成要素[B]および
[C]の好ましい組み合わせとしては、例えば、それぞ
れ下記B1群の中から選ばれる少なくとも1種類の熱可
塑性樹脂と下記C1群の中から選ばれる少なくとも1種
の熱可塑性樹脂の組み合わせが挙げられる。 (B1群)ポリブチレンテレフタレート樹脂、液晶性樹
脂 (C1群)スチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リフェニレンエーテル樹脂。
[C]の好ましい組み合わせとしては、例えば、それぞ
れ下記B1群の中から選ばれる少なくとも1種類の熱可
塑性樹脂と下記C1群の中から選ばれる少なくとも1種
の熱可塑性樹脂の組み合わせが挙げられる。 (B1群)ポリブチレンテレフタレート樹脂、液晶性樹
脂 (C1群)スチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リフェニレンエーテル樹脂。
【0045】また、上記以外の構成要素[B]および
[C]の好ましい組み合わせとしては、例えば、それぞ
れ下記B2群と下記C2群の組み合わせが挙げられる。 (B2群)ポリビニルアルコール系樹脂 (C2群)ポリアミド樹脂。
[C]の好ましい組み合わせとしては、例えば、それぞ
れ下記B2群と下記C2群の組み合わせが挙げられる。 (B2群)ポリビニルアルコール系樹脂 (C2群)ポリアミド樹脂。
【0046】これらの組み合わせによると、上述の構成
要素[B]を中継点とした構成要素[A]同士の導電ネ
ットワークを形成しやすく、本発明の課題である優れた
導電性が発現しやすいため好ましい。
要素[B]を中継点とした構成要素[A]同士の導電ネ
ットワークを形成しやすく、本発明の課題である優れた
導電性が発現しやすいため好ましい。
【0047】かかるポリブチレンテレフタレート樹脂と
しては、テレフタル酸を酸成分に、1,4−ブタンジオ
ールをグリコール成分に用いた、主鎖にエステル結合を
有する高分子量の熱可塑性ポリエステル樹脂が挙げられ
るが、その他の共重合可能な成分を共重合することも可
能である。例えば、酸成分として、イソフタル酸、オル
トフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シュウ酸、アジ
ピン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を、グ
リコール成分として、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェ
ノールAのエチレンオキシド付加物等を用いることもで
きる。
しては、テレフタル酸を酸成分に、1,4−ブタンジオ
ールをグリコール成分に用いた、主鎖にエステル結合を
有する高分子量の熱可塑性ポリエステル樹脂が挙げられ
るが、その他の共重合可能な成分を共重合することも可
能である。例えば、酸成分として、イソフタル酸、オル
トフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シュウ酸、アジ
ピン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を、グ
リコール成分として、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェ
ノールAのエチレンオキシド付加物等を用いることもで
きる。
【0048】上述のように他成分を共重合する場合の共
重合量は、その特性を大きく損なわない範囲内であれば
特に制限はなく、ジカルボン酸単位とグリコール単位の
総モル数に対し、0〜30モル%の範囲内であることが
好ましい。より好ましくは0〜25モル%の範囲内、さ
らに好ましくは0〜20モル%の範囲内である。
重合量は、その特性を大きく損なわない範囲内であれば
特に制限はなく、ジカルボン酸単位とグリコール単位の
総モル数に対し、0〜30モル%の範囲内であることが
好ましい。より好ましくは0〜25モル%の範囲内、さ
らに好ましくは0〜20モル%の範囲内である。
【0049】本発明に用いるポリブチレンテレフタレー
ト樹脂は、導電性の付与効果および導電性成形体の成形
性の面から数平均分子量が、10000〜40000の
範囲内であるのが好ましく、より好ましくは15000
〜30000、とりわけ17000〜25000の範囲
内であるものがよい。
ト樹脂は、導電性の付与効果および導電性成形体の成形
性の面から数平均分子量が、10000〜40000の
範囲内であるのが好ましく、より好ましくは15000
〜30000、とりわけ17000〜25000の範囲
内であるものがよい。
【0050】かかる液晶性樹脂としては、液晶ポリエス
テル、液晶ポリエステルアミド、液晶ポリカーボネー
ト、液晶ポリエステルエラストマーなどの例が挙げら
れ、なかでも分子鎖中にエステル結合を有するものが好
ましく、特に液晶ポリエステル、液晶ポリエステルアミ
ドなどが好ましい。
テル、液晶ポリエステルアミド、液晶ポリカーボネー
ト、液晶ポリエステルエラストマーなどの例が挙げら
れ、なかでも分子鎖中にエステル結合を有するものが好
ましく、特に液晶ポリエステル、液晶ポリエステルアミ
ドなどが好ましい。
【0051】かかるスチレン系樹脂とは、スチレンおよ
び/またはその誘導体(総称して芳香族ビニル系単量体
と称する場合がある)から生成した単位を含有する。
び/またはその誘導体(総称して芳香族ビニル系単量体
と称する場合がある)から生成した単位を含有する。
【0052】かかるスチレン系樹脂としては、スチレン
系(共)重合体、ゴム強化スチレン(共)重合体が挙げ
られる。スチレン系(共)重合体としては芳香族ビニル
系単量体の1種または2種以上を重合した重合体、芳香
族ビニル系単量体の1種または2種以上とそれと共重合
可能な単量体の1種または2種以上を共重合した共重合
体が挙げられる。また、ゴム強化スチレン(共)重合体
としては、スチレン単量体を含有する(共)重合体がゴ
ム質重合体にグラフトした構造をとるものと、スチレン
単量体を含有する(共)重合体がゴム質重合体に非グラ
フトした構造をとるものとが挙げられる。
系(共)重合体、ゴム強化スチレン(共)重合体が挙げ
られる。スチレン系(共)重合体としては芳香族ビニル
系単量体の1種または2種以上を重合した重合体、芳香
族ビニル系単量体の1種または2種以上とそれと共重合
可能な単量体の1種または2種以上を共重合した共重合
体が挙げられる。また、ゴム強化スチレン(共)重合体
としては、スチレン単量体を含有する(共)重合体がゴ
ム質重合体にグラフトした構造をとるものと、スチレン
単量体を含有する(共)重合体がゴム質重合体に非グラ
フトした構造をとるものとが挙げられる。
【0053】本発明において好ましいスチレン系樹脂と
しては、PS(ポリスチレン)等のスチレン系重合体、
HIPS(高衝撃ポリスチレン)等のゴム強化スチレン
系重合体、AS(アクリロニトリル/スチレン共重合
体)等のスチレン系共重合体、AES(アクリロニトリ
ル/エチレン・プロピレン・非共役ジエンゴム/スチレ
ン共重合体)、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン
/スチレン共重合体)、MBS(メタクリル酸メチル/
ブタジエン/スチレン共重合体)、ASA(アクリロニ
トリル/スチレン/アクリルゴム共重合体)などのゴム
強化(共)重合体等が挙げられ、なかでも特にPS(ポ
リスチレン)等のスチレン系重合体、AS(アクリロニ
トリル/スチレン共重合体)等のスチレン系共重合体、
ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重
合体)、ASA(アクリロニトリル/スチレン/アクリ
ルゴム共重合体)が好ましい。
しては、PS(ポリスチレン)等のスチレン系重合体、
HIPS(高衝撃ポリスチレン)等のゴム強化スチレン
系重合体、AS(アクリロニトリル/スチレン共重合
体)等のスチレン系共重合体、AES(アクリロニトリ
ル/エチレン・プロピレン・非共役ジエンゴム/スチレ
ン共重合体)、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン
/スチレン共重合体)、MBS(メタクリル酸メチル/
ブタジエン/スチレン共重合体)、ASA(アクリロニ
トリル/スチレン/アクリルゴム共重合体)などのゴム
強化(共)重合体等が挙げられ、なかでも特にPS(ポ
リスチレン)等のスチレン系重合体、AS(アクリロニ
トリル/スチレン共重合体)等のスチレン系共重合体、
ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重
合体)、ASA(アクリロニトリル/スチレン/アクリ
ルゴム共重合体)が好ましい。
【0054】かかるポリカーボネート樹脂としては、芳
香族二価フェノール系化合物とホスゲンまたは炭酸ジエ
ステルとを反応させることにより得られる粘度平均分子
量が10000〜1000000の範囲内の芳香族ホモ
またはコポリカーボネート樹脂が挙げられる。ここでい
う二価フェノール系化合物の具体例としては、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロ
パン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジフェニル)ブタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5
−ジエチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサンおよび1−フェニル
−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなど
が挙げられ、これらは単独あるいは混合物として使用す
ることができる。
香族二価フェノール系化合物とホスゲンまたは炭酸ジエ
ステルとを反応させることにより得られる粘度平均分子
量が10000〜1000000の範囲内の芳香族ホモ
またはコポリカーボネート樹脂が挙げられる。ここでい
う二価フェノール系化合物の具体例としては、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロ
パン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジフェニル)ブタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5
−ジエチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサンおよび1−フェニル
−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなど
が挙げられ、これらは単独あるいは混合物として使用す
ることができる。
【0055】かかるポリフェニレンエーテル樹脂として
は、クロロホルム中、30℃で測定した固有粘度が0.
01〜0.8dl/gの重合体が好ましく用いられる。
具体的には、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニ
レン)エーテル、2,6−ジメチルフェノール/2,
4,6−トリメチルフェノール共重合体、2,6−ジメ
チルフェノール/2,3,6−トリエチルフェノール共
重合体などを例として挙げることができる。
は、クロロホルム中、30℃で測定した固有粘度が0.
01〜0.8dl/gの重合体が好ましく用いられる。
具体的には、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニ
レン)エーテル、2,6−ジメチルフェノール/2,
4,6−トリメチルフェノール共重合体、2,6−ジメ
チルフェノール/2,3,6−トリエチルフェノール共
重合体などを例として挙げることができる。
【0056】かかるポリビニルアルコール系樹脂として
は、ビニルエステル系重合体のビニルエステル単位を鹸
化することにより得られるホモまたはコビニルアルコー
ル樹脂が挙がられる。ここでいうビニルエステル単位を
形成するビニル化合物単量体としては、蟻酸ビニル、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニルおよびピバリン酸ビニル
等が挙げられるが、製造方法の面から酢酸ビニルが好ま
しい。
は、ビニルエステル系重合体のビニルエステル単位を鹸
化することにより得られるホモまたはコビニルアルコー
ル樹脂が挙がられる。ここでいうビニルエステル単位を
形成するビニル化合物単量体としては、蟻酸ビニル、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニルおよびピバリン酸ビニル
等が挙げられるが、製造方法の面から酢酸ビニルが好ま
しい。
【0057】かかるビニルアルコール系樹脂は、熱安定
性の面から、コポリマーとして用いてもよく、共重合単
位としては、α−オレフィン類(エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、イソブテン等)、ヒドロキシ基含有α
−オレフィン類、アルキルビニルエーテル類(メチルビ
ニルエーテル、エチルビニルエーテル等)、ヒドロキシ
アルキルビニルエーテル類(エーテルグリコールビニル
エーテル、1,3−プロパンジオールビニルエーテル
等)、アリルエーテル類(アリルアセテート等)などが
挙げられるが、その中でも、熱安定性・価格の面から、
共重合単位としては、α−オレフィン類、とりわけエチ
レンが好ましい。
性の面から、コポリマーとして用いてもよく、共重合単
位としては、α−オレフィン類(エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、イソブテン等)、ヒドロキシ基含有α
−オレフィン類、アルキルビニルエーテル類(メチルビ
ニルエーテル、エチルビニルエーテル等)、ヒドロキシ
アルキルビニルエーテル類(エーテルグリコールビニル
エーテル、1,3−プロパンジオールビニルエーテル
等)、アリルエーテル類(アリルアセテート等)などが
挙げられるが、その中でも、熱安定性・価格の面から、
共重合単位としては、α−オレフィン類、とりわけエチ
レンが好ましい。
【0058】かかるポリアミド樹脂としては、150℃
以上の融点を有する耐熱性や強度に優れたナイロン樹脂
が挙げられ、具体的な例としてはナイロン6、ナイロン
66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン61
2、ナイロン9T、ナイロン66/6、ナイロン66/
6T、ナイロン66/6I、ナイロン6/6T、ナイロ
ン6/6T、ナイロン12/6T、ナイロン6T/6
I、ナイロン66/6T/6I、ナイロン66/6/6
T、ナイロン66/6/6I、ナイロン6T/M5T、
ナイロンXD6、ポリメタキシリレンアジパミド、およ
びこれらの共重合体ないし混合物などを好ましく使用す
ることができる。また、特性(特に耐衝撃性)改良の必
要性に応じて、例えば、無水マレイン酸変性オレフィン
系重合体、ABS、ASAなどのオレフィン系共重合
体、ポリエステルポリエーテルやポリエステルポリエス
テル等のエラストマーから選ばれる1種または2種以上
の混合物を添加して、所望の特性をさらに付与したもの
も使用することもできる。
以上の融点を有する耐熱性や強度に優れたナイロン樹脂
が挙げられ、具体的な例としてはナイロン6、ナイロン
66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン61
2、ナイロン9T、ナイロン66/6、ナイロン66/
6T、ナイロン66/6I、ナイロン6/6T、ナイロ
ン6/6T、ナイロン12/6T、ナイロン6T/6
I、ナイロン66/6T/6I、ナイロン66/6/6
T、ナイロン66/6/6I、ナイロン6T/M5T、
ナイロンXD6、ポリメタキシリレンアジパミド、およ
びこれらの共重合体ないし混合物などを好ましく使用す
ることができる。また、特性(特に耐衝撃性)改良の必
要性に応じて、例えば、無水マレイン酸変性オレフィン
系重合体、ABS、ASAなどのオレフィン系共重合
体、ポリエステルポリエーテルやポリエステルポリエス
テル等のエラストマーから選ばれる1種または2種以上
の混合物を添加して、所望の特性をさらに付与したもの
も使用することもできる。
【0059】かかるポリアミド樹脂の重合度に関しては
特に制限はないが、ある程度の流動性を有することによ
り構成要素[A]の均一な分散が達成できるものがよ
く、硫酸相対粘度ηrが1.5〜3.5の範囲内である
ポリアミド樹脂が好ましい。より好ましくは1.8〜
3、更に好ましくは2〜2.5の範囲内であるのが好ま
しい。なお、硫酸相対粘度ηrは、98%硫酸で溶液濃
度が1g/100mlになるように溶かした後、25℃
の恒温槽内でオストワルド粘度計で流下速度を測定し、
98%硫酸に対する試料溶液の流下秒数比を指す。
特に制限はないが、ある程度の流動性を有することによ
り構成要素[A]の均一な分散が達成できるものがよ
く、硫酸相対粘度ηrが1.5〜3.5の範囲内である
ポリアミド樹脂が好ましい。より好ましくは1.8〜
3、更に好ましくは2〜2.5の範囲内であるのが好ま
しい。なお、硫酸相対粘度ηrは、98%硫酸で溶液濃
度が1g/100mlになるように溶かした後、25℃
の恒温槽内でオストワルド粘度計で流下速度を測定し、
98%硫酸に対する試料溶液の流下秒数比を指す。
【0060】本発明における導電性成形体は、更に高い
導電性を効率よく且つ安価に得るために、さらに構成要
素[D]としてカーボン粉末を含有していてもよい。こ
こでカーボン粉末とは、例えばカーボンブラック、アモ
ルファスカーボン粉末、天然黒鉛粉末、人造黒鉛粉末、
膨張黒鉛粉末、ピッチマイクロビーズ、気相成長炭素繊
維、カーボンナノチューブなどが例として挙げられる
が、その中でも導電性付与効果が高いカーボンブラック
またはカーボンナノチューブが好ましい。
導電性を効率よく且つ安価に得るために、さらに構成要
素[D]としてカーボン粉末を含有していてもよい。こ
こでカーボン粉末とは、例えばカーボンブラック、アモ
ルファスカーボン粉末、天然黒鉛粉末、人造黒鉛粉末、
膨張黒鉛粉末、ピッチマイクロビーズ、気相成長炭素繊
維、カーボンナノチューブなどが例として挙げられる
が、その中でも導電性付与効果が高いカーボンブラック
またはカーボンナノチューブが好ましい。
【0061】かかるカーボンブラックとしては、例え
ば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマ
ルブラック、チャンネルブラック等を使用することがで
き、これらを2種類以上ブレンドしたものでもよい。中
でも、低価格で且つ導電性付与効果の高いであるファー
ネスブラックが好ましい。
ば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマ
ルブラック、チャンネルブラック等を使用することがで
き、これらを2種類以上ブレンドしたものでもよい。中
でも、低価格で且つ導電性付与効果の高いであるファー
ネスブラックが好ましい。
【0062】また、カーボンナノチューブとしては、例
えば、単層ナノチューブ、多層ナノチューブ等を使用す
ることができ、これらを2種類以上ブレンドしたもので
もよい。価格、導電性付与効果など総合的な面から、多
層ナノチューブが好ましい。
えば、単層ナノチューブ、多層ナノチューブ等を使用す
ることができ、これらを2種類以上ブレンドしたもので
もよい。価格、導電性付与効果など総合的な面から、多
層ナノチューブが好ましい。
【0063】本発明における導電性成形体は、高い難燃
性を得るために、さらに構成要素[E]として難燃剤を
含有していてもよい。ここで難燃剤とは、ハロゲン化合
物(臭素化樹脂など)もしくはアンチモン化合物(三酸
化アンチモン、五酸化アンチモンなど)の少なくとも1
種、または非ハロゲン系であるリン化合物、窒素化合物
(シアヌル酸、イソシアヌル酸、メラミン、メラミンシ
アヌレート、メラミンホスフェート、窒素化グアニジン
など)、シリコーン化合物(ポリオルガノシロキサンな
ど)、フッ素化合物(PTFEなど)もしくは金属水酸
化物(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムな
ど)、有機酸金属塩系(有ホウ酸金属塩、カルボン酸金
属塩、芳香族スルホンイミド金属塩など)、無機系(硼
酸亜鉛、亜鉛、酸化亜鉛、ジルコニウム化合物など)等
の少なくとも1種である。
性を得るために、さらに構成要素[E]として難燃剤を
含有していてもよい。ここで難燃剤とは、ハロゲン化合
物(臭素化樹脂など)もしくはアンチモン化合物(三酸
化アンチモン、五酸化アンチモンなど)の少なくとも1
種、または非ハロゲン系であるリン化合物、窒素化合物
(シアヌル酸、イソシアヌル酸、メラミン、メラミンシ
アヌレート、メラミンホスフェート、窒素化グアニジン
など)、シリコーン化合物(ポリオルガノシロキサンな
ど)、フッ素化合物(PTFEなど)もしくは金属水酸
化物(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムな
ど)、有機酸金属塩系(有ホウ酸金属塩、カルボン酸金
属塩、芳香族スルホンイミド金属塩など)、無機系(硼
酸亜鉛、亜鉛、酸化亜鉛、ジルコニウム化合物など)等
の少なくとも1種である。
【0064】かかるリン化合物とは、リンを含有する有
機または無機化合物であれば特に制限はなく、例えばポ
リリン酸アンモニウム、ポリホスファゼン、ホスフェー
ト、ホスホネート、ホスフィネート、ホスフィンオキシ
ド、赤リンなどが挙げられ、これらを単独で用いても併
用してもよい。中でもポリリン酸アンモニウム、芳香族
ホスフェート、赤リンが好ましく、とりわけ、リン原子
の含有量が高いことにより少量の添加量で高い難燃性を
得られる赤リンが好ましい。
機または無機化合物であれば特に制限はなく、例えばポ
リリン酸アンモニウム、ポリホスファゼン、ホスフェー
ト、ホスホネート、ホスフィネート、ホスフィンオキシ
ド、赤リンなどが挙げられ、これらを単独で用いても併
用してもよい。中でもポリリン酸アンモニウム、芳香族
ホスフェート、赤リンが好ましく、とりわけ、リン原子
の含有量が高いことにより少量の添加量で高い難燃性を
得られる赤リンが好ましい。
【0065】本発明の導電性成形体は、その目的に応じ
て更に充填材(マイカ、タルク、カオリン、セリサイ
ト、ベントナイト、ゾノトライト、セピオライト、スメ
クタイト、モンモリロナイト、ワラステナイト、シリ
カ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、
ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデン、
酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アンチモン、ポリリン酸カ
ルシウム、グラファイト、硫酸バリウム、硫酸マグネシ
ウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸亜カルシウム、ホウ酸アルミ
ニウムウィスカ、チタン酸カリウムウィスカ、高分子な
ど)、導電性付与材(金属系、金属酸化物系など)、難
燃助剤(酸化カドミウム、酸化亜鉛、酸化第一銅、酸化
第二銅、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化コバルト、酸化
マンガン、酸化モリブデン、酸化スズおよび酸化チタン
など)、顔料、染料、滑剤、離型剤、相溶化剤、分散
剤、結晶核剤(マイカ、タルク、カオリンなど)、可塑
剤(リン酸エステルなど)、熱安定剤、酸化防止剤、着
色防止剤、紫外線吸収剤、流動性改質剤、発泡剤、抗菌
剤、制振剤、防臭剤、摺動性改質剤、帯電防止剤(ポリ
エーテルエステルアミドなど)等の任意の添加剤を、単
独でも、2種類以上ブレンドしたものでも使用すること
ができる。
て更に充填材(マイカ、タルク、カオリン、セリサイ
ト、ベントナイト、ゾノトライト、セピオライト、スメ
クタイト、モンモリロナイト、ワラステナイト、シリ
カ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、
ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデン、
酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アンチモン、ポリリン酸カ
ルシウム、グラファイト、硫酸バリウム、硫酸マグネシ
ウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸亜カルシウム、ホウ酸アルミ
ニウムウィスカ、チタン酸カリウムウィスカ、高分子な
ど)、導電性付与材(金属系、金属酸化物系など)、難
燃助剤(酸化カドミウム、酸化亜鉛、酸化第一銅、酸化
第二銅、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化コバルト、酸化
マンガン、酸化モリブデン、酸化スズおよび酸化チタン
など)、顔料、染料、滑剤、離型剤、相溶化剤、分散
剤、結晶核剤(マイカ、タルク、カオリンなど)、可塑
剤(リン酸エステルなど)、熱安定剤、酸化防止剤、着
色防止剤、紫外線吸収剤、流動性改質剤、発泡剤、抗菌
剤、制振剤、防臭剤、摺動性改質剤、帯電防止剤(ポリ
エーテルエステルアミドなど)等の任意の添加剤を、単
独でも、2種類以上ブレンドしたものでも使用すること
ができる。
【0066】また、かかる充填材などは、膨潤化剤によ
り膨潤されていてもよいし、有機化剤により有機化され
ていてもよい。膨潤化剤、有機化剤としては、イオン交
換などにより充填材などを膨潤化または有機化し得るも
のなら特に制限はなく、具体的にはε−カプロラクタ
ム、12−アミノドデカン酸、12−アミノラウリン
酸、アルキルアンモニウム塩(ジメチルジアルキルアン
モニウムなど)などが挙げられる。特にポリアミド樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂、スチレ
ン系樹脂、アクリル系樹脂などに膨潤化または有機化さ
れた充填材(好ましくはモンモリロナイト、マイカ、サ
ポナイト、ヘクトライト、セピオライト、クレー)が配
合されていると、充填材のナノオーダーでの分散が可能
となり、より少ない配合量で所望の特性が得られるため
好ましい。
り膨潤されていてもよいし、有機化剤により有機化され
ていてもよい。膨潤化剤、有機化剤としては、イオン交
換などにより充填材などを膨潤化または有機化し得るも
のなら特に制限はなく、具体的にはε−カプロラクタ
ム、12−アミノドデカン酸、12−アミノラウリン
酸、アルキルアンモニウム塩(ジメチルジアルキルアン
モニウムなど)などが挙げられる。特にポリアミド樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂、スチレ
ン系樹脂、アクリル系樹脂などに膨潤化または有機化さ
れた充填材(好ましくはモンモリロナイト、マイカ、サ
ポナイト、ヘクトライト、セピオライト、クレー)が配
合されていると、充填材のナノオーダーでの分散が可能
となり、より少ない配合量で所望の特性が得られるため
好ましい。
【0067】本発明の導電性成形体が、優れた導電性、
力学的特性を兼ね備えるためには、成形体中の構成要素
[A]のアスペクト比を長くすることが有効であるが、
そのためには、長繊維ペレットを用いて成形されるのが
望ましい。
力学的特性を兼ね備えるためには、成形体中の構成要素
[A]のアスペクト比を長くすることが有効であるが、
そのためには、長繊維ペレットを用いて成形されるのが
望ましい。
【0068】本発明における導電性成形体は、優れた導
電性を付与できるため、体積固有抵抗値が50Ω・cm
以下である導電性成形体として用いられるのが好まし
い。より好ましくは30Ω・cm以下、更に好ましくは
10Ω・cm以下、とりわけ2Ω・cm以下が好まし
い。導電性成形体としては、その体積固有抵抗値が50
Ω・cmを越える場合、電磁波シールド材等の高い導電
性が必要とされる用途には適応しにくく、用途が限定さ
れる場合がある。
電性を付与できるため、体積固有抵抗値が50Ω・cm
以下である導電性成形体として用いられるのが好まし
い。より好ましくは30Ω・cm以下、更に好ましくは
10Ω・cm以下、とりわけ2Ω・cm以下が好まし
い。導電性成形体としては、その体積固有抵抗値が50
Ω・cmを越える場合、電磁波シールド材等の高い導電
性が必要とされる用途には適応しにくく、用途が限定さ
れる場合がある。
【0069】また、本発明における導電性成形体は、優
れた導電性を付与できるため、表面抵抗値が6logΩ
/□以下である導電性成形体として用いられるのが好ま
しい。導電性成形体としては、その表面抵抗値が6lo
gΩ/□を越える場合、帯電防止材等の用途には適応し
にくく、用途が限定される場合がある。本発明の導電性
成形体は、その表面抵抗値が、望ましくは5logΩ/
□以下であるものがよい。好ましくは4logΩ/□以
下、更に好ましくは3logΩ/□以下、とりわけ2l
ogΩ/□以下が好ましい。
れた導電性を付与できるため、表面抵抗値が6logΩ
/□以下である導電性成形体として用いられるのが好ま
しい。導電性成形体としては、その表面抵抗値が6lo
gΩ/□を越える場合、帯電防止材等の用途には適応し
にくく、用途が限定される場合がある。本発明の導電性
成形体は、その表面抵抗値が、望ましくは5logΩ/
□以下であるものがよい。好ましくは4logΩ/□以
下、更に好ましくは3logΩ/□以下、とりわけ2l
ogΩ/□以下が好ましい。
【0070】前述の体積固有抵抗値や表面抵抗値など導
電性が必要な導電性成形体において、導電性成形体の導
電性と低比重化とを同時に満足させるためには、構成要
素[A]の配合量を低く抑えるのが好ましいが、その場
合は導電性が低下する。その場合でも、構成要素[A]
と構成要素[D]とを併用することにより、効率のよい
導電化が達成される。特に優れた導電性が必要な場合に
は、構成要素[A]と構成要素[D]とを併用すること
が好ましい。
電性が必要な導電性成形体において、導電性成形体の導
電性と低比重化とを同時に満足させるためには、構成要
素[A]の配合量を低く抑えるのが好ましいが、その場
合は導電性が低下する。その場合でも、構成要素[A]
と構成要素[D]とを併用することにより、効率のよい
導電化が達成される。特に優れた導電性が必要な場合に
は、構成要素[A]と構成要素[D]とを併用すること
が好ましい。
【0071】本発明における成形体は、優れた導電性だ
けではなく、構成要素[E]を配合した場合には高い難
燃性(特にドリップ防止性)を付与できるため、UL−
94規格において、1.6mm(1/16インチ)厚で
の難燃性がV−0またはそれより良好なものが得られる
成形体として用いられるのが好ましい。
けではなく、構成要素[E]を配合した場合には高い難
燃性(特にドリップ防止性)を付与できるため、UL−
94規格において、1.6mm(1/16インチ)厚で
の難燃性がV−0またはそれより良好なものが得られる
成形体として用いられるのが好ましい。
【0072】ここで、V−0の難燃性とは、UL−94
規格(Underwriters LaboratoriesInc.で考案された米
国燃焼試験法)において、燃焼時間やその状態、延焼の
有無、滴下(ドリップ)の有無やその滴下物の燃焼性な
どにより規定されているV−0の条件を満たした難燃性
を指す。また、V−0よりも良好な難燃性とは、前記V
−0クラスにおける規定値よりも更に少ない燃焼時間を
示す難燃性や、試験片の厚みがより薄い場合においてV
−0の規定条件を満たす難燃性を指す。
規格(Underwriters LaboratoriesInc.で考案された米
国燃焼試験法)において、燃焼時間やその状態、延焼の
有無、滴下(ドリップ)の有無やその滴下物の燃焼性な
どにより規定されているV−0の条件を満たした難燃性
を指す。また、V−0よりも良好な難燃性とは、前記V
−0クラスにおける規定値よりも更に少ない燃焼時間を
示す難燃性や、試験片の厚みがより薄い場合においてV
−0の規定条件を満たす難燃性を指す。
【0073】本発明の導電性成形体1の製造方法は、少
なくとも先の構成要素[A]2、[B]3および[C]
4からなる導電性成形体1において、構成要素[A]2
を構成要素[B]3および[C]4のいずれの中にも存
在せしめ、かつ複数の構成要素[A]2同士が実質上接
触して導電性成形体1の導電を可能にせしめる導電ネッ
トワークにおいて、その構成要素[A]2の接触点に優
先的に存在する性質を有する構成要素[B]3を選択し
て使用することを特徴とする。かかる構成要素[B]3
を選択して使用する理由は、上述のメカニズム推定の通
り、構成要素[A]2同士の接触確率を飛躍的に向上さ
せるためである。
なくとも先の構成要素[A]2、[B]3および[C]
4からなる導電性成形体1において、構成要素[A]2
を構成要素[B]3および[C]4のいずれの中にも存
在せしめ、かつ複数の構成要素[A]2同士が実質上接
触して導電性成形体1の導電を可能にせしめる導電ネッ
トワークにおいて、その構成要素[A]2の接触点に優
先的に存在する性質を有する構成要素[B]3を選択し
て使用することを特徴とする。かかる構成要素[B]3
を選択して使用する理由は、上述のメカニズム推定の通
り、構成要素[A]2同士の接触確率を飛躍的に向上さ
せるためである。
【0074】前記製造方法における構成要素[A]、
[B]、[C]の混合・成形方法としては、構成要素
[B]が構成要素[A]の接触点に優先的に存在する方
法であるならば特に制限はないが、例えば、構成要素
[B]、[C](必要に応じてその他の成分等)を押出
機等で溶融混練してから構成要素[A]を更に混合して
成形材料を得て成形する方法、構成要素[B]、[C]
を押出機等で溶融混練した成形材料と、構成要素[A]
が配合されている別の成形材料とを混合して成形する方
法、構成要素[A]、[B]、[C]を同時に押出機等
で溶融混練により混合して成形材料を得て成形する方法
等が挙げられる。
[B]、[C]の混合・成形方法としては、構成要素
[B]が構成要素[A]の接触点に優先的に存在する方
法であるならば特に制限はないが、例えば、構成要素
[B]、[C](必要に応じてその他の成分等)を押出
機等で溶融混練してから構成要素[A]を更に混合して
成形材料を得て成形する方法、構成要素[B]、[C]
を押出機等で溶融混練した成形材料と、構成要素[A]
が配合されている別の成形材料とを混合して成形する方
法、構成要素[A]、[B]、[C]を同時に押出機等
で溶融混練により混合して成形材料を得て成形する方法
等が挙げられる。
【0075】本発明の導電性成形体は、例えば射出成形
(射出圧縮成形、ガスアシスト射出成形、インサート成
形など)、ブロー成形、回転成形、押出成形、プレス成
形、トランスファー成形(RTM成形、RIM成形、S
CRIMP成形など)、フィラメントワインディング成
形、オートクレーブ成形、ハンドレイアップ成形などの
成形方法によって成形されることができるが、望ましい
成形法は、生産性の高い射出成形により成形されるのが
よい。成形温度としては、使用する構成要素の種類およ
び配合比率により適宜決定されるが、好ましくは構成要
素[C]に適する成形温度(例えば商品カタログに記載
されている成形推奨温度)の範囲内であるのが好まし
い。
(射出圧縮成形、ガスアシスト射出成形、インサート成
形など)、ブロー成形、回転成形、押出成形、プレス成
形、トランスファー成形(RTM成形、RIM成形、S
CRIMP成形など)、フィラメントワインディング成
形、オートクレーブ成形、ハンドレイアップ成形などの
成形方法によって成形されることができるが、望ましい
成形法は、生産性の高い射出成形により成形されるのが
よい。成形温度としては、使用する構成要素の種類およ
び配合比率により適宜決定されるが、好ましくは構成要
素[C]に適する成形温度(例えば商品カタログに記載
されている成形推奨温度)の範囲内であるのが好まし
い。
【0076】かかる成形に用いられる成形材料の形態と
しては、ペレット、スタンパブルシート、プリプレグ、
SMC、BMC等を使用することができるが、好ましい
成形材料は、射出成形に用いられるペレット、より好ま
しくは特公昭63−37694号公報に示されるよう
な、繊維がペレットの長手方向に、ほぼ平行に配列し、
ペレット中の繊維長さが、ペレット長さと同一もしくは
それ以上である長繊維ペレットである。
しては、ペレット、スタンパブルシート、プリプレグ、
SMC、BMC等を使用することができるが、好ましい
成形材料は、射出成形に用いられるペレット、より好ま
しくは特公昭63−37694号公報に示されるよう
な、繊維がペレットの長手方向に、ほぼ平行に配列し、
ペレット中の繊維長さが、ペレット長さと同一もしくは
それ以上である長繊維ペレットである。
【0077】本発明における導電性成形体の用途として
は、優れた導電性、力学的特性(特に剛性)が求められ
る電子・電気機器用、OA機器用、精密機器用または自
動車用の部材、例えばハウジング、ケーシング、カバー
またはトレー等が好ましい例として挙げられ、特に軽量
化と電磁波シールド性の要求が高い携帯用の電子・電気
機器のハウジング等がとりわけ好ましい例として挙げら
れる。より具体的には、大型ディスプレイ、ノート型パ
ソコン、携帯用電話機、PHS、携帯情報端末(PDA
等)、ビデオカメラ、ビデオカメラ、デジタルスチルカ
メラ、携帯用ラジオカセット再生機、インバーター等の
ハウジング、ケーシング等である。
は、優れた導電性、力学的特性(特に剛性)が求められ
る電子・電気機器用、OA機器用、精密機器用または自
動車用の部材、例えばハウジング、ケーシング、カバー
またはトレー等が好ましい例として挙げられ、特に軽量
化と電磁波シールド性の要求が高い携帯用の電子・電気
機器のハウジング等がとりわけ好ましい例として挙げら
れる。より具体的には、大型ディスプレイ、ノート型パ
ソコン、携帯用電話機、PHS、携帯情報端末(PDA
等)、ビデオカメラ、ビデオカメラ、デジタルスチルカ
メラ、携帯用ラジオカセット再生機、インバーター等の
ハウジング、ケーシング等である。
【0078】また、本発明の導電性成形体は、優れた導
電性を有しているため、導電体の少量添加で帯電/放電
防止性を付与することができ、それらの特性が必要とさ
れる部材、例えばICトレー、シリコンウェーハー運搬
用バスケット等への適応にも有用である。
電性を有しているため、導電体の少量添加で帯電/放電
防止性を付与することができ、それらの特性が必要とさ
れる部材、例えばICトレー、シリコンウェーハー運搬
用バスケット等への適応にも有用である。
【0079】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳細に説
明する。
明する。
【0080】本発明の導電性成形体における構成要素
[B]の形態に関する評価項目およびその評価方法を下
記する。
[B]の形態に関する評価項目およびその評価方法を下
記する。
【0081】(1)構成要素[A]の接触点での構成要
素[B]の存在確認 構成要素[A]、[B](またはその他の成分)を溶解
せずに構成要素[C]を溶解する有機溶媒に導電性成形
体を漬浸し、構成要素[C]のみを抽出して、導電ネッ
トワークにおける構成要素[A]同士の接触点に構成要
素[B]が存在するかどうかを光学顕微鏡または走査型
電子顕微鏡にて観察した。
素[B]の存在確認 構成要素[A]、[B](またはその他の成分)を溶解
せずに構成要素[C]を溶解する有機溶媒に導電性成形
体を漬浸し、構成要素[C]のみを抽出して、導電ネッ
トワークにおける構成要素[A]同士の接触点に構成要
素[B]が存在するかどうかを光学顕微鏡または走査型
電子顕微鏡にて観察した。
【0082】構成要素[A]、[B](またはその他の
成分)を溶解せずに構成要素[C]のみを溶解する適切
な有機溶媒がない場合には、下記手順にて観察を行っ
た。
成分)を溶解せずに構成要素[C]のみを溶解する適切
な有機溶媒がない場合には、下記手順にて観察を行っ
た。
【0083】(a)導電性成形体から、その流れ方向に
対して直行する断面を10面切り出す。ここで流れ方向
とは、前記導電性成形体を成形した際の構成要素[C]
が最も長く流動した方向を指す。
対して直行する断面を10面切り出す。ここで流れ方向
とは、前記導電性成形体を成形した際の構成要素[C]
が最も長く流動した方向を指す。
【0084】(b)前述の各断面を平滑に研磨する。
【0085】(c)光学顕微鏡で観察する。光学顕微鏡
で構成要素[B]が判断できない場合は、各断面を重金
属染色などにより構成要素[B]または構成要素[C]
の何れか一方のみを選択的に染色またはエッチング後、
走査型または透過型電子顕微鏡を用いて観察する。
で構成要素[B]が判断できない場合は、各断面を重金
属染色などにより構成要素[B]または構成要素[C]
の何れか一方のみを選択的に染色またはエッチング後、
走査型または透過型電子顕微鏡を用いて観察する。
【0086】(2)構成要素[B]のドメイン径 上項にて観察した導電ネットワークにおける構成要素
[A]同士の接触点に存在する構成要素[B]につい
て、そのドメインが50個未満しか観察されない場合は
それらすべてのドメインを選択し、50個以上ドメイン
が観察される場合は任意に50個のドメインを選択し、
それらの径を測定し、その数平均値を算出した。かかる
ドメイン径とは、ドメイン内(一部でもドメイン外を通
る直線は対象外とする)での最大の直線距離のことを指
す。
[A]同士の接触点に存在する構成要素[B]につい
て、そのドメインが50個未満しか観察されない場合は
それらすべてのドメインを選択し、50個以上ドメイン
が観察される場合は任意に50個のドメインを選択し、
それらの径を測定し、その数平均値を算出した。かかる
ドメイン径とは、ドメイン内(一部でもドメイン外を通
る直線は対象外とする)での最大の直線距離のことを指
す。
【0087】本発明の導電性成形体の特性に関する評価
項目およびその評価方法を下記する。
項目およびその評価方法を下記する。
【0088】(3)比重 下項の体積固有抵抗値を測定する試験片について、AS
TM D 792に基づいて比重を測定した。
TM D 792に基づいて比重を測定した。
【0089】(4)体積固有抵抗値 まず、幅12.7mm×長さ65mm×厚さ2mmの試
験片を、長さ方向の辺の内で幅方向の辺の極近傍に位置
するファンゲートにて射出成形した。次いで、成形した
試験片の幅×厚さ面に導電性ペースト(藤倉化成(株)
製ドータイト)を塗布し、十分に導電性ペーストを乾燥
させてから、絶乾状態(水分率0.05%以下)で測定
に供した。測定に際しては、幅×厚さ面を電極に圧着
し、電極間の電気抵抗値をデジタルマルチメーター(ア
ドバンテスト社製R6581)にて測定した。前記電気
抵抗値から測定機器、治具等の接触抵抗を減じた値に、
導電性ペースト塗布面の面積を乗じ、次いで、その値を
試験片長さで除したものを固有抵抗値とした(単位はl
ogΩ・cmまたはΩ・cm)。なお、本測定では10
サンプル測定し、それらの平均値を用いた。
験片を、長さ方向の辺の内で幅方向の辺の極近傍に位置
するファンゲートにて射出成形した。次いで、成形した
試験片の幅×厚さ面に導電性ペースト(藤倉化成(株)
製ドータイト)を塗布し、十分に導電性ペーストを乾燥
させてから、絶乾状態(水分率0.05%以下)で測定
に供した。測定に際しては、幅×厚さ面を電極に圧着
し、電極間の電気抵抗値をデジタルマルチメーター(ア
ドバンテスト社製R6581)にて測定した。前記電気
抵抗値から測定機器、治具等の接触抵抗を減じた値に、
導電性ペースト塗布面の面積を乗じ、次いで、その値を
試験片長さで除したものを固有抵抗値とした(単位はl
ogΩ・cmまたはΩ・cm)。なお、本測定では10
サンプル測定し、それらの平均値を用いた。
【0090】(5)剛性 ASTM D 790(スパン間距離L/厚さD=1
6)に基づいた曲げ弾性率にて評価した(単位はGP
a)。用いた試験片の板厚は6.4mm(1/4イン
チ)厚で、水分率0.05%以下で試験に供した。な
お、本測定では5サンプル測定し、それらの平均値を用
いた。
6)に基づいた曲げ弾性率にて評価した(単位はGP
a)。用いた試験片の板厚は6.4mm(1/4イン
チ)厚で、水分率0.05%以下で試験に供した。な
お、本測定では5サンプル測定し、それらの平均値を用
いた。
【0091】(6)Izod衝撃強度 ASTM D 256に基づいたモールドノッチ有りI
zod衝撃強度にて評価した(単位はJ/m)。用いた
試験片の板厚は3.2mm(1/8インチ)厚で、水分
率0.05%以下で試験に供した。なお、本測定では1
0サンプル測定し、それらの平均値を用いた。
zod衝撃強度にて評価した(単位はJ/m)。用いた
試験片の板厚は3.2mm(1/8インチ)厚で、水分
率0.05%以下で試験に供した。なお、本測定では1
0サンプル測定し、それらの平均値を用いた。
【0092】最後に、(3)〜(5)項の評価項目およ
び導電性成形体の射出成形における成形性のバランス
を、○○:特に優れる、○:優れる、△:優れない、
×:著しく劣る、の4段階にて総合的に評価した。
び導電性成形体の射出成形における成形性のバランス
を、○○:特に優れる、○:優れる、△:優れない、
×:著しく劣る、の4段階にて総合的に評価した。
【0093】実施例1、2、比較例1〜12 水分率0.05%以下に十分乾燥した所望量の構成要素
[B]、[C]を2軸押出機のメインホッパーから投入
し、十分溶融・混練された状態で押し出しながら、水分
率0.05%以下に十分乾燥した所望量の6mm長にチ
ョップ化された構成要素[A]束をサイドホッパーから
投入し、構成要素[B]、[C]を構成要素[A]束中
に含浸させた。このようにして得られた構成要素[A]
を含有するガットを冷却後、カッターで5mmに切断し
て、ペレットを得た。
[B]、[C]を2軸押出機のメインホッパーから投入
し、十分溶融・混練された状態で押し出しながら、水分
率0.05%以下に十分乾燥した所望量の6mm長にチ
ョップ化された構成要素[A]束をサイドホッパーから
投入し、構成要素[B]、[C]を構成要素[A]束中
に含浸させた。このようにして得られた構成要素[A]
を含有するガットを冷却後、カッターで5mmに切断し
て、ペレットを得た。
【0094】各構成要素およびその他の成分の種類およ
びその配合率は表1に示した通りである。得られたペレ
ットを100℃にて5時間以上真空中で乾燥させた後、
実施例1および比較例1〜5は、バレル温度320℃、
金型温度80℃にて、実施例2および比較例8〜12
は、バレル温度260℃、金型温度70℃にて、比較例
6、7は、バレル温度230℃、金型温度80℃にて、
射出成形して(1)〜(5)項記載の各試験に供した。
評価結果を表1、2に示す。
びその配合率は表1に示した通りである。得られたペレ
ットを100℃にて5時間以上真空中で乾燥させた後、
実施例1および比較例1〜5は、バレル温度320℃、
金型温度80℃にて、実施例2および比較例8〜12
は、バレル温度260℃、金型温度70℃にて、比較例
6、7は、バレル温度230℃、金型温度80℃にて、
射出成形して(1)〜(5)項記載の各試験に供した。
評価結果を表1、2に示す。
【0095】
【表1】
【表2】
【0096】実施例3〜6、比較例13〜16 水分率0.05%以下に十分乾燥した所望量の構成要素
[B]、[C]、必要に応じてその他の成分とを2軸押
出機にて十分溶融・混練しながら押し出し、構成要素
[B]、[C]、その他の成分などが、均一に分散した
マスターペレットを用意した。
[B]、[C]、必要に応じてその他の成分とを2軸押
出機にて十分溶融・混練しながら押し出し、構成要素
[B]、[C]、その他の成分などが、均一に分散した
マスターペレットを用意した。
【0097】前記マスターペレットを1軸押出機にて、
その先端に取り付けたクロスヘッドダイ中に十分溶融・
混練された状態で押し出しながら、水分率0.05%以
下に十分乾燥した連続繊維状の構成要素[A]束も連続
して前記クロスヘッドダイ中に供給し、構成要素
[B]、[C]をはじめとする各構成要素を、構成要素
[A]束中に十分含浸させた。ここでクロスヘッドダイ
とは、そのダイ中で連続した構成要素[A]束を開繊さ
せながら溶融樹脂等をその中に含浸させる装置のことを
いう。このようにして得られた連続繊維状の構成要素
[A]束を含有するストランドを冷却後、カッターで7
mmに切断して、長繊維ペレットを得た。
その先端に取り付けたクロスヘッドダイ中に十分溶融・
混練された状態で押し出しながら、水分率0.05%以
下に十分乾燥した連続繊維状の構成要素[A]束も連続
して前記クロスヘッドダイ中に供給し、構成要素
[B]、[C]をはじめとする各構成要素を、構成要素
[A]束中に十分含浸させた。ここでクロスヘッドダイ
とは、そのダイ中で連続した構成要素[A]束を開繊さ
せながら溶融樹脂等をその中に含浸させる装置のことを
いう。このようにして得られた連続繊維状の構成要素
[A]束を含有するストランドを冷却後、カッターで7
mmに切断して、長繊維ペレットを得た。
【0098】各構成要素、その他の成分の種類およびそ
の配合率は表3に示した通りである。得られたペレット
を80℃にて5時間以上真空中で乾燥させた後、実施例
3、4および比較例13は、バレル温度320℃、金型
温度80℃にて、比較例14、15は、バレル温度30
0℃、金型温度80℃にて、実施例5、6および比較例
16は、バレル温度260℃、金型温度70℃にて射出
成形して(1)〜(6)項記載の各試験の射出成形に供
した。評価結果を表3に示す。
の配合率は表3に示した通りである。得られたペレット
を80℃にて5時間以上真空中で乾燥させた後、実施例
3、4および比較例13は、バレル温度320℃、金型
温度80℃にて、比較例14、15は、バレル温度30
0℃、金型温度80℃にて、実施例5、6および比較例
16は、バレル温度260℃、金型温度70℃にて射出
成形して(1)〜(6)項記載の各試験の射出成形に供
した。評価結果を表3に示す。
【0099】
【表3】
【0100】なお、表1〜3における各成分の表記は下
記に基づいた。 構成要素[A] CF1 :PAN系炭素繊維[平均単繊維直径=7μ
m、Lc=1.7nm] CF2 :PAN系炭素繊維[平均単繊維直径=7μ
m、Lc=1.9nm] 構成要素[B] PBT1:ポリブチレンテレフタレート樹脂[数平均分
子量=19000] PBT2:ポリブチレンテレフタレート樹脂[数平均分
子量=29000] PVA1:ポリビニルアルコール樹脂[(株)クラレ製
ポバール] PVA2:ポリビニルアルコール系樹脂[(株)クラレ
製RSポリマー] 構成要素[C] PC :ポリカーボネート樹脂[日本GEプラスチッ
クス製レキサン] PA1 :ナイロン66/6/6I共重合樹脂[硫酸相
対粘度ηr=2.0]その他の成分 PET :ポリエチレンテレフタレート樹脂[数平均分
子量=14000] PA2 :ナイロン6樹脂[硫酸相対粘度ηr=2.
4] PE :高密度ポリエチレン樹脂[グランドポリマー
製ハイゼックス] PMMA:ポリメチルメタクリレート樹脂[住友化学工
業製スミペックス]。
記に基づいた。 構成要素[A] CF1 :PAN系炭素繊維[平均単繊維直径=7μ
m、Lc=1.7nm] CF2 :PAN系炭素繊維[平均単繊維直径=7μ
m、Lc=1.9nm] 構成要素[B] PBT1:ポリブチレンテレフタレート樹脂[数平均分
子量=19000] PBT2:ポリブチレンテレフタレート樹脂[数平均分
子量=29000] PVA1:ポリビニルアルコール樹脂[(株)クラレ製
ポバール] PVA2:ポリビニルアルコール系樹脂[(株)クラレ
製RSポリマー] 構成要素[C] PC :ポリカーボネート樹脂[日本GEプラスチッ
クス製レキサン] PA1 :ナイロン66/6/6I共重合樹脂[硫酸相
対粘度ηr=2.0]その他の成分 PET :ポリエチレンテレフタレート樹脂[数平均分
子量=14000] PA2 :ナイロン6樹脂[硫酸相対粘度ηr=2.
4] PE :高密度ポリエチレン樹脂[グランドポリマー
製ハイゼックス] PMMA:ポリメチルメタクリレート樹脂[住友化学工
業製スミペックス]。
【0101】表1〜3の結果から以下のことが明らかで
ある。
ある。
【0102】1.構成要素[B]の効果 構成要素[A]の接触点における構成要素[B]の形態
を、図面を参照しながら説明する。図2は、本発明の導
電性成形体の構成要素[C]のみを抽出したものを走査
型電子顕微鏡により観察した写真からの斜視図である。
図2から、構成要素[A]2の接触点に構成要素[B]
3が優先的に存在しており、導電ネットワークが、構成
要素[B]3を中継点に形成されているのがわかる。
を、図面を参照しながら説明する。図2は、本発明の導
電性成形体の構成要素[C]のみを抽出したものを走査
型電子顕微鏡により観察した写真からの斜視図である。
図2から、構成要素[A]2の接触点に構成要素[B]
3が優先的に存在しており、導電ネットワークが、構成
要素[B]3を中継点に形成されているのがわかる。
【0103】かかる導電ネットワークの中継点となる構
成要素[B]を用いない(その他の成分を用いた)比較
例1〜4(比較例8〜12)に比べて、本発明の構成要
素[B]を用いた実施例1(実施例2)は、体積固有抵
抗値を著しく低くすることができ、大幅に導電性に優れ
た成形体を得ることができる。
成要素[B]を用いない(その他の成分を用いた)比較
例1〜4(比較例8〜12)に比べて、本発明の構成要
素[B]を用いた実施例1(実施例2)は、体積固有抵
抗値を著しく低くすることができ、大幅に導電性に優れ
た成形体を得ることができる。
【0104】また、大量に構成要素[A]を配合した比
較例5に比べて、構成要素[A]の配合量が少ない実施
例1は、導電性は同等以下ながら、比重は大幅に低くで
き、その優位性は明らかである。
較例5に比べて、構成要素[A]の配合量が少ない実施
例1は、導電性は同等以下ながら、比重は大幅に低くで
き、その優位性は明らかである。
【0105】ここで、「Macromolecules」Vol.32、No.1
0(1999年)p.3534−3536に記載されている樹脂組成
を、平均単繊維直径が1μm以上である本発明の構成要
素[A]に適用してみたところ、比較例6と7との体積
固有抵抗値に殆ど差が発現しなかった通り、かかる先行
例に記載されている効果は発現しなかった。このことか
らも、本発明は上記先行例では達成されなかった技術で
あることは明らかである。
0(1999年)p.3534−3536に記載されている樹脂組成
を、平均単繊維直径が1μm以上である本発明の構成要
素[A]に適用してみたところ、比較例6と7との体積
固有抵抗値に殆ど差が発現しなかった通り、かかる先行
例に記載されている効果は発現しなかった。このことか
らも、本発明は上記先行例では達成されなかった技術で
あることは明らかである。
【0106】2.長繊維ペレットの効果 通常のペレットを用いた実施例1(実施例2)に比べ
て、長繊維ペレットを用いた実施例3、4(実施例5、
6)は、体積固有抵抗をより低くすることができ、更に
導電性に優れた成形体を得ることができる。これは、実
施例1(実施例2)よりも実施例3、4(実施例5、
6)の方が、成形体中の構成要素[A]の長さを長くで
きることによる。つまり、実施例3の成形体中の重量的
平均繊維長さは0.36mmであったのに対して、実施
例1の場合には、得られた成形体中の重量平均繊維長は
0.21mmであったことによる。
て、長繊維ペレットを用いた実施例3、4(実施例5、
6)は、体積固有抵抗をより低くすることができ、更に
導電性に優れた成形体を得ることができる。これは、実
施例1(実施例2)よりも実施例3、4(実施例5、
6)の方が、成形体中の構成要素[A]の長さを長くで
きることによる。つまり、実施例3の成形体中の重量的
平均繊維長さは0.36mmであったのに対して、実施
例1の場合には、得られた成形体中の重量平均繊維長は
0.21mmであったことによる。
【0107】これらの比較から、導電性に及ぼす構成要
素[A]の長さの重要性は明らかであり、本発明の導電
性成形体を得るための成形材料としては、繊維長さをで
きるだけ長くした成形材料(射出成形の場合はペレッ
ト)、とりわけ長繊維ペレットの形態をとることがより
好ましい。
素[A]の長さの重要性は明らかであり、本発明の導電
性成形体を得るための成形材料としては、繊維長さをで
きるだけ長くした成形材料(射出成形の場合はペレッ
ト)、とりわけ長繊維ペレットの形態をとることがより
好ましい。
【0108】
【発明の効果】少なくとも平均単繊維直径が1〜50μ
mの範囲内の不連続導電性繊維(構成要素[A])、導
電性成形体100重量%に対して、0.05〜15重量
%の範囲内である第1の樹脂(構成要素[B])、第1
の樹脂よりも配合量の多い第2の樹脂(構成要素
[C])からなる導電性成形体において、構成要素
[B]および[C]のいずれの中にも構成要素[A]が
実質上複数存在し、かつ複数の構成要素[A]同士が接
触して導電性成形体の導電を可能にせしめる導電ネット
ワークが、構成要素[B]を中継点に形成されている形
態をとり、かつ、前記中継点における構成要素[A]が
実質的に端部以外の部位で接触していることにより、優
れた導電性と低い比重とを兼ね備える成形体を提供する
ことができる。
mの範囲内の不連続導電性繊維(構成要素[A])、導
電性成形体100重量%に対して、0.05〜15重量
%の範囲内である第1の樹脂(構成要素[B])、第1
の樹脂よりも配合量の多い第2の樹脂(構成要素
[C])からなる導電性成形体において、構成要素
[B]および[C]のいずれの中にも構成要素[A]が
実質上複数存在し、かつ複数の構成要素[A]同士が接
触して導電性成形体の導電を可能にせしめる導電ネット
ワークが、構成要素[B]を中継点に形成されている形
態をとり、かつ、前記中継点における構成要素[A]が
実質的に端部以外の部位で接触していることにより、優
れた導電性と低い比重とを兼ね備える成形体を提供する
ことができる。
【0109】かかる成形体にれば、低比重で、且つ優れ
た導電性とを兼ね備えるので、特に電気・電子機器用、
OA機器用、精密機器用、自動車用のハウジング、ケー
シング、トレーなどの幅広い産業分野に好適な成形体を
提供することができる。
た導電性とを兼ね備えるので、特に電気・電子機器用、
OA機器用、精密機器用、自動車用のハウジング、ケー
シング、トレーなどの幅広い産業分野に好適な成形体を
提供することができる。
【図1】本発明の導電性成形体における、導電ネットワ
ークの形態の一例の斜視図である。
ークの形態の一例の斜視図である。
【図2】本発明の実施例において、本発明の導電性成形
体の構成要素[C]のみを抽出したものを走査型電子顕
微鏡により観察した写真からの斜視図である。
体の構成要素[C]のみを抽出したものを走査型電子顕
微鏡により観察した写真からの斜視図である。
1:導電性成形体 2:構成要素[A] 3:構成要素[B] 4:構成要素[C]
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 7/04 C08K 7/04 H01B 1/22 H01B 1/22 Z 1/24 1/24 Z Fターム(参考) 4F071 AA22 AA29 AA44 AA50 AA51 AA54 AB03 AD01 AE07 AF37 AH12 BB05 BC10 4J002 BC031 BC061 BD153 BE022 BN141 BN151 BN161 CF072 CG011 CH071 CL011 CL031 CL051 CP033 DA016 DA037 DA076 DC006 DE078 DE098 DE108 DE128 DE148 DK008 EU188 EU198 FA046 FD010 FD017 FD117 FD133 FD138 GN00 GQ00 5G301 DA02 DA18 DA20 DA43 DA44 DA46 DA47 DA51 DA53 DA55 DA59 DA60 DD10 DE01
Claims (17)
- 【請求項1】 少なくとも次の構成要素[A]、[B]
および[C]からなる導電性成形体であって、該構成要
素[B]および[C]のいずれの中にも該構成要素
[A]が実質上複数存在し、かつ、該複数の構成要素
[A]同士が接触して導電性成形体の導電を可能にせし
める導電ネットワークが、該構成要素[B]を中継点に
して形成されており、かつ、該中継点における該構成要
素[A]が実質的に端部以外の部位で接触していること
を特徴とする導電性成形体。 構成要素[A]:平均単繊維直径が1〜50μmの範囲
内の不連続導電性繊維 構成要素[B]:導電性成形体100重量%に対して、
0.05〜15重量%の範囲内で配合されている第1の
樹脂 構成要素[C]:第1の樹脂よりも配合量が多い第2の
樹脂 - 【請求項2】該中継点について、以下の式1を満たすも
のである請求項1に記載の導電性成形体。 式1:J1×100/J2<100 J1=Σi(j1i) J2=Σi(j2i) j1i:i番目の該構成要素[A]の端部に形成された
該中継点の数 j2i:i番目の該構成要素[A]の端部以外に形成さ
れた該中継点の数 (なお、Σは総加記号を表す、即ち、Σi(Xi)=X1
+X2+・・である。) - 【請求項3】 該導電性成形体中の該構成要素[B]の
平均ドメイン径が、2μm以上である請求項1または2
に記載の導電性成形体。 - 【請求項4】 該構成要素[B]、[C]について、2
30〜330℃の範囲内における同一温度で測定される
それぞれの粘度ηb、ηcが、ηb<ηcの関係を満た
す請求項1〜3のいずれかに記載の導電性成形体。 - 【請求項5】 該構成要素[A]が、該導電性成形体1
00重量%に対して、1〜50重量%の範囲内で配合さ
れてなる請求項1〜4のいずれかに記載の導電性成形
体。 - 【請求項6】 該構成要素[B]が、該導電性成形体1
00重量%に対して、0.1〜8重量%の範囲内で配合
されてなる請求項1〜5のいずれかに記載の導電性成形
体。 - 【請求項7】 該構成要素[A]が、PAN系炭素繊維
および/またはピッチ系炭素繊維である請求項1〜6の
いずれかに記載の導電性成形体。 - 【請求項8】 該構成要素[A]が、金属被覆繊維であ
る請求項1〜7のいずれかに記載の導電性成形体。 - 【請求項9】 該構成要素[B]がポリブチレンテレフ
タレート樹脂および/または液晶性樹脂であり、該構成
要素[C]がスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ポリフェニレンエーテル樹脂の中から選ばれる少なくと
も1種である請求項1〜8のいずれかに記載の導電性成
形体。 - 【請求項10】 該構成要素[B]がポリビニルアルコ
ール系樹脂であり、該構成要素[C]がポリアミド樹脂
である請求項1〜8のいずれかに記載の導電性成形体。 - 【請求項11】 さらに構成要素[D]として、カーボ
ン粉末を含有する請求項1〜10のいずれかに記載の導
電性成形体。 - 【請求項12】 さらに構成要素[E]として、難燃剤
を含有する請求項1〜11に記載のいずれかに導電性成
形体。 - 【請求項13】 体積固有抵抗値が、50Ω・cm以下
である請求項1〜12のいずれかに記載の導電性成形
体。 - 【請求項14】 電気・電子機器、OA機器、家電機器
または自動車分野におけるハウジング、ケーシングまた
はそれらの部品に用いられている請求項1〜13のいず
れかに記載の導電性成形体。 - 【請求項15】 射出成形にて成形されてなる請求項1
〜14に記載の導電性成形体。 - 【請求項16】 少なくとも次の構成要素[A]、
[B]および[C]からなる導電性成形体の製造方法で
あって、構成要素[A]を構成要素[B]および[C]
のいずれの中にも実質上複数存在せしめ、かつ該複数の
構成要素[A]同士が接触して導電性成形体の導電を可
能にせしめる導電ネットワークにおいて、その構成要素
[A]の接触点に優先的に存在する性質を有する構成要
素[B]を選択して使用する導電性成形体の製造方法。 構成要素[A]:平均単繊維直径が1〜50μmの範囲
内の不連続導電性繊維 構成要素[B]:導電性成形体100重量%に対して、
0.05〜15重量%の範囲内で配合される第1の樹脂 構成要素[C]:第1の樹脂よりも配合量が多い第2の
樹脂 - 【請求項17】 該導電性成形体を射出成形を用いて製
造する請求項16に記載の導電性成形体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001056297A JP2002256153A (ja) | 2001-03-01 | 2001-03-01 | 導電性成形体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001056297A JP2002256153A (ja) | 2001-03-01 | 2001-03-01 | 導電性成形体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002256153A true JP2002256153A (ja) | 2002-09-11 |
Family
ID=18916341
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001056297A Pending JP2002256153A (ja) | 2001-03-01 | 2001-03-01 | 導電性成形体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002256153A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007015333A (ja) * | 2005-07-11 | 2007-01-25 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 導電性成形品の製造方法及び導電性成形品 |
WO2007049590A1 (ja) * | 2005-10-25 | 2007-05-03 | Bussan Nanotech Research Institute Inc. | 導電性シート |
JP2008163270A (ja) * | 2007-01-04 | 2008-07-17 | Mitsubishi Engineering Plastics Corp | ポリエステル系樹脂組成物 |
JP5309989B2 (ja) * | 2006-04-07 | 2013-10-09 | 日本電気株式会社 | 熱伝導性樹脂材料およびその成形体 |
JP2016117840A (ja) * | 2014-12-22 | 2016-06-30 | ダイキョーニシカワ株式会社 | 溶融成形用ペレット混合物およびこれを用いて製造された成形品 |
KR20160134240A (ko) | 2015-05-15 | 2016-11-23 | 현대자동차주식회사 | 전도성이 우수한 탄소섬유 복합재 및 이의 제조방법 |
-
2001
- 2001-03-01 JP JP2001056297A patent/JP2002256153A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007015333A (ja) * | 2005-07-11 | 2007-01-25 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 導電性成形品の製造方法及び導電性成形品 |
JP4589834B2 (ja) * | 2005-07-11 | 2010-12-01 | 出光興産株式会社 | 導電性成形品の製造方法及び導電性成形品 |
WO2007049590A1 (ja) * | 2005-10-25 | 2007-05-03 | Bussan Nanotech Research Institute Inc. | 導電性シート |
JP5309989B2 (ja) * | 2006-04-07 | 2013-10-09 | 日本電気株式会社 | 熱伝導性樹脂材料およびその成形体 |
JP2008163270A (ja) * | 2007-01-04 | 2008-07-17 | Mitsubishi Engineering Plastics Corp | ポリエステル系樹脂組成物 |
JP2016117840A (ja) * | 2014-12-22 | 2016-06-30 | ダイキョーニシカワ株式会社 | 溶融成形用ペレット混合物およびこれを用いて製造された成形品 |
KR20160134240A (ko) | 2015-05-15 | 2016-11-23 | 현대자동차주식회사 | 전도성이 우수한 탄소섬유 복합재 및 이의 제조방법 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6384128B1 (en) | Thermoplastic resin composition, molding material, and molded article thereof | |
US6998434B2 (en) | Carbon fiber reinforced resin composition, molding compounds and molded products therefrom | |
US6051655A (en) | Styrene-based resin composition with thermoplastic resin | |
JP2002088259A (ja) | 成形材料その製造方法およびその成形品 | |
JP4588155B2 (ja) | 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物 | |
JP2005320515A (ja) | 熱伝導性ポリカーボネート系樹脂組成物および成形体 | |
JP2002231051A (ja) | 導電性樹脂組成物およびその成形品 | |
JP4724900B2 (ja) | 難燃性ポリアミド樹脂組成物およびその成形品 | |
JP2005298552A (ja) | 熱伝導性ポリカーボネート系樹脂組成物および成形体 | |
JP2008038003A (ja) | ポリカーボネート系樹脂組成物及び薄肉成形品の耐屈曲性の改善方法 | |
JP2001040229A (ja) | 難燃性樹脂組成物、およびその成形品 | |
JP2002317384A (ja) | 長繊維ペレット用導電性繊維束およびそれからなる長繊維ペレット、ならびにそれを用いた成形品 | |
JP2002256153A (ja) | 導電性成形体およびその製造方法 | |
US6008293A (en) | Syndiotactic polystyrene and polycarbonate resin compositions | |
US6046275A (en) | Styrene resin with rubber polymer particles | |
US6093768A (en) | Syndiotactic styrene resin, thermoplastic resin and rubber | |
JP2002338794A (ja) | 導電性樹脂組成物およびそれからなる成形材料または成形体 | |
JP5312437B2 (ja) | 熱伝導性ポリカーボネート系樹脂組成物および成形体 | |
JP2001067933A (ja) | 導電性樹脂組成物およびその成形品 | |
JP2002146679A (ja) | 炭素繊維束、樹脂組成物、成形材料およびそれを用いた成形品 | |
JP4810734B2 (ja) | 炭素繊維強化樹脂組成物、成形材料およびその成形品 | |
JP2001129826A (ja) | 導電性繊維強化成形材料およびその製造方法 | |
CN107075262B (zh) | 具有增强的导电性的复合材料及其制备方法 | |
JP4655315B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物および成形品 | |
JP2002179924A (ja) | 成形用材料の製造方法および成形品の製造方法 |