JP2001087827A - 金型収納方法およびその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 標準的な金型配置の金型交換装置に対して短
納期で使用者側のニーズに合った金型配置に変更する。 【解決手段】 パンチプレスにおける金型交換位置側に
金型交換装置を介して金型収納装置が設けられており、
この金型収納装置に備えた複数のパンチ・ダイ収納部６
５，６９のうちの大口径金型の収納部６５，６９に対し
て一つ又は複数の小口径金型を収納可能なアダプタ１５
３，１６１を装着することにより、金型サイズ毎の収納
部数をニーズに応じて容易に短期間で変更される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、金型収納方法およ
びその装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、タレットパンチプレスにおける本
体フレームには円盤状の回転可能な上部タレットと円盤
状の回転可能な下部タレットが上下に対向して設けられ
ており、上部タレットには多数のパンチが周方向へ適宜
に設けられており、下部タレットには多数のダイが周方
向へ適宜に設けられている。

【０００３】タレットパンチプレスにおける金型交換位
置に隣接した位置には、金型交換装置を介して金型収納
装置が設けられている。タレットパンチプレスと金型収
納装置には多数の金型が収納され、この金型収納装置内
の金型が金型交換装置によりタレットパンチプレスの金
型と自動交換される。

【０００４】金型収納装置にはパンチ及びダイを水平方
向から着脱可能に収納する多数のパンチ収納部及びダイ
収納部が備えられている。また、ベースフレームに立設
された支柱に回転部材が上下方向に延びており、この回
転部材は回転駆動手段により回転可能に設けられてい
る。

【０００５】また、回転部材には複数段の円盤状のパン
チストレージが設けられており、このパンチストレージ
にはパンチを着脱可能に収納する多数のパンチ収納部が
周方向へ適宜に設けられている。さらに、回転部材には
複数段の円盤状のダイストレージがパンチストレージに
上下に対向した位置に一体的に設けられており、ダイス
トレージにはダイを着脱可能に収納する多数のダイ収納
部が周方向へ適宜に設けられている。

【０００６】また、金型収納装置は多数のパンチ収納部
のうちの所望のパンチ収納部がパンチ取出し領域の所定
位置に位置決めされると共に、多数のダイ収納部のうち
の所望のダイ収納部のダイがダイ取出し領域の所定位置
に位置決めされるように構成されている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来、標準
的な金型収納装置に備えられているパンチ収納部とダイ
収納部の各ステーションには金型サイズ毎の配置が決ま
っているので、金型サイズ毎の収納部数が金型収納装置
を使用する使用者側のニーズと異なっていた場合には、
次の２通りの方法が採られていたので問題があった。

【０００８】すなわち、(1) 標準的な金型収納装置の各
部材を製造する前に、使用者側のニーズに応じて希望す
る配置に合った各部材を設計製作した上で、オーダメー
ドの金型収納装置を納入する。この場合は、オーダメー
ドの金型収納装置の納期が非常に長くなるという弊害が
ある。

【０００９】(2) 製造者側で製造した標準的な金型配置
の金型収納装置が使用者側に納入されると、使用者側で
は不要な金型サイズの収納部は使用せずに放置すること
とする。この場合は、結果として金型収納部数が少なく
なるので使用者側の満足度が低下するという問題があっ
た。

【００１０】本発明は上述の課題を解決するためになさ
れたもので、その目的は、標準的な金型配置の金型収納
装置に対して短納期で使用者側のニーズに合った金型配
置に変更し得る金型収納方法及びその装置を提供するこ
とにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項１によるこの発明の金型収納方法は、パンチプ
レスにおける金型交換位置側に金型交換装置を介して金
型収納装置を設け、この金型収納装置に備えた複数のパ
ンチ・ダイ収納部のうちの大口径金型の収納部に対して
一つ又は複数の小口径金型を収納可能なアダプタを装着
することにより、金型サイズ毎の収納部数をニーズに応
じて変更することを特徴とするものである。

【００１２】したがって、製造者側で製造した標準的な
金型配置の金型収納装置は、アダプタが装着されること
により、使用者側の要望に近い収納部数や金型配置の状
態に容易に短期間に変更されるので、納期の短縮に大い
に寄与する。また、標準的な金型配置の金型収納装置で
使用せずに放置することにされていた金型収納部は、ア
ダプタが装着されることにより有効に使用される。

【００１３】請求項２によるこの発明の金型収納装置
は、パンチプレスにおける金型交換位置側に金型交換装
置を介して設けた金型収納装置において、前記複数のパ
ンチ・ダイ収納部の金型サイズ毎の収納部数をニーズに
応じて変更すべく前記複数のパンチ・ダイ収納部のうち
の大口径金型の収納部に対して一つ又は複数の小口径金
型を収納可能なアダプタを着脱可能に設けてなることを
特徴とするものである。

【００１４】したがって、請求項１記載の作用と同様で
あり、製造者側で製造した標準的な金型配置の金型収納
装置は、アダプタが装着されることにより、使用者側の
要望に近い収納部数や金型配置の状態に容易に短期間に
変更されるので、納期の短縮に大いに寄与する。また、
標準的な金型配置の金型収納装置で使用せずに放置する
ことにされていた金型収納部は、アダプタが装着される
ことにより有効に使用される。

【００１５】請求項３によるこの発明の金型収納装置
は、請求項２記載の金型収納装置において、前記アダプ
タが、小口径のパンチを嵌挿して保持する複数のガイド
シャフト部材を備えたパンチアダプタと、小口径のダイ
を挿入可能なダイ収納部を備えたダイアダプタと、から
なることを特徴とする。

【００１６】したがって、大口径の金型収納部を小口径
の金型収納部に変更する際に、小口径のパンチとダイを
安定した状態で収納可能なアダプタが有効に活用され
る。

【００１７】請求項４によるこの発明の金型収納装置
は、請求項２記載の金型収納装置において、前記アダプ
タが、複数の小口径のパンチを挿入可能なパンチアダプ
タと、複数の小口径のダイを挿入可能なダイ収納部を備
えたダイアダプタと、からなることを特徴とするもので
ある。

【００１８】したがって、大口径の金型収納部と変更す
べき小口径の金型収納部との差が大きいときは、複数の
小口径のパンチとダイを安定した状態で収納可能なアダ
プタが有効に活用される。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の金型収納方法およ
びその装置の実施の形態について、図面を参照して説明
する。

【００２０】図７及び図８を参照するに、本実施の形態
に係わるタレットパンチプレス１は、ベース３の両側に
立設したサイドフレーム５，７に上部フレーム９の両側
が支持された態様のフレーム構造に構成されている。上
部フレーム９の下部には円盤状の上部タレット１１が回
転自在に装着されており、この上部タレット１１には図
７及び図８に示されているように多種類のパンチＰを着
脱可能に装着する多数のパンチ装着部１３が周方向へ適
宜に設けられている。

【００２１】ベース３の上面には、上部タレット１１に
対向した上部タレット１１の径より大きな径からなる円
盤状の下部タレット１５が回転自在に装着されており、
この下部タレット１５には図７及び図８に示されている
ように多種類のパンチＰと対向した多数のダイＤを着脱
可能に装着する多数のダイ装着部１７が周方向へ適宜に
設けられている。

【００２２】図７及び図８を参照するに、上部タレット
１１と下部タレット１５はタレット用サーボモータ１９
等の駆動手段により同方向へ同期して回転されるもので
ある。

【００２３】なお、上部タレット１１には所望のパンチ
装着部１３のパンチＰの交換が行われる空間としてのパ
ンチ交換領域２１が設けられており、下部タレット１５
には所望のダイ装着部１７のダイＤの交換が行われる空
間としてのダイ交換領域２３が設けられている。

【００２４】上部タレット１１と下部タレット１５との
同期回転により、多数のパンチ装着部１３のうちの所望
のパンチ装着部１３がパンチ交換領域２１の所定位置に
位置決めされると共に、多数のダイ装着部１７のうちの
所望のダイ装着部１７がダイ交換領域２３の所定位置に
位置決めされるように構成されている。

【００２５】また、ダイ交換領域２３の所望のダイ装着
部１７のダイＤを容易に交換可能とするために、ダイ交
換領域２３の上方に上部タレット１１が位置しないよう
にする。つまり、上部タレット１１は下部タレット１５
より小型に構成されると共に上部タレット１１の回転軸
２５と下部タレット１５の回転軸２７の軸心がずれて構
成されている。

【００２６】また、上部フレーム９の下面におけるほぼ
中央部には、図７に示されているようにラム２９（打圧
部材）が上下動自在に装着されている。このラム２９
は、上部タレット１１及び下部タレット１５の回転軸２
５、２７によってラム２９の下方のパンチング加工位置
３１へ割出し位置決めされたパンチＰが打圧されるもの
である。

【００２７】なお、タレットパンチプレス１のフレーム
構造の中央部にはギャップ部３３が備えられており、こ
のギャップ部３３に固定テーブル３５が設けられてい
る。この固定テーブル３５の左右両側（図８において上
下両側）には、可動テーブル３７が設けられている。な
お、固定テーブル３５および可動テーブル３７の上面に
はワークＷを移動可能に支持するためのフリーベアリン
グ３９が多数設けられている。

【００２８】可動テーブル３７の上面における図８の左
側端部には、左右の可動テーブル３７を連結するキャレ
ッジベース４１が固定テーブル３５を跨いで設けられて
いる。

【００２９】また、フレームの左側端にＹ軸駆動モータ
４３が設けられている。このＹ軸駆動モータ４３の駆動
によりキャレッジベース４１が複数の可動テーブル３７
と一体となってＹ軸方向へ移動するものである。

【００３０】キャレッジベース４１には、ワークＷを把
持する複数のワーククランパ４５を備えたキャレッジ４
７がＸ軸方向（図８において上下方向）へ移動自在に設
けられており、Ｘ軸駆動モータ４９によりＸ軸方向へ移
動されるものである。

【００３１】以上のように、タレットパンチプレス１に
はＹ軸駆動モータ４３及びＸ軸駆動モータ４９によりワ
ークＷを前後左右方向へ移動位置決めするためのワーク
Ｗの移動位置決め装置５１が設けられており、この移動
位置決め装置５１は数値制御等の制御装置（図示省略）
によって制御されワークＷの所望位置をパンチＰとダイ
Ｄとの間の加工位置へ位置決めするものである。

【００３２】したがって、上部タレット１１に装着した
パンチＰと下部タレット１５に装着したダイＤとの間
に、板状のワークＷが位置決めされた後に、ラム２９に
よってパンチＰが打圧されることにより、パンチＰとダ
イＤとの協働によってワークＷにパンチング加工が行わ
れるのである。

【００３３】また、図７及び図８、図９を参照するに、
タレットパンチプレス１に隣接した位置には多数のパン
チＰ及び多数のダイＤを着脱可能に収納する金型収納装
置５３が設けられている。

【００３４】より詳しくは、金型収納装置５３はベース
フレーム５５の中央部に支柱５７が立設され、この支柱
５７には上下方向に延びた回転部材５９が収納用サーボ
モータ６１の駆動により回転可能に設けられている。

【００３５】回転部材５９には円盤状のパンチストレー
ジ６３が設けられており、このパンチストレージ６３に
はパンチＰを着脱可能に収納する多数のパンチ収納部６
５が周方向へ適宜に設けられている。

【００３６】また、回転部材５９には円盤状のダイスト
レージ６７がパンチストレージ６３に上下に対向した位
置に一体的に設けられており、ダイストレージ６７には
ダイＤを着脱可能に収納する多数のダイ収納部６９が周
方向へ適宜に設けられている。

【００３７】上下に対向した一対のパンチストレージ６
３及びダイストレージ６７は回転部材５９に対して着脱
可能であると共に高さ位置も調節可能に構成されてお
り、回転部材５９に複数組のストレージ６３，６７を着
脱することも可能である。

【００３８】また、金型収納装置５３には所望のパンチ
収納部６５のパンチＰの取出しが行われる空間としての
パンチ取出し領域７１と、所望のダイ収納部６９のダイ
Ｄの取出しが行われる空間としてのダイ取出し領域７３
が設けられており、多数のパンチ収納部６５のうちの所
望のパンチ収納部６５がパンチ取出し領域７１の所定位
置に位置決めされると共に、多数のダイ収納部６９のう
ちの所望のダイ収納部６９のダイＤがダイ取出し領域７
３の所定位置に位置決めされるように構成されている。

【００３９】収納用サーボモータ６１は制御装置（図示
省略）に電気的に接続されており、この制御装置には記
憶装置及び選択装置が接続されている。

【００４０】前記記憶装置は多数のパンチ装着部１３に
対して着脱を行うための多数のパンチＰの情報や、多数
のダイ装着部１７に対して着脱を行うための多数のダイ
Ｄの情報や、多数のパンチ収納部６５に収納された多数
のパンチＰの情報や、多数のダイ収納部６９に収納され
た多数のダイＤの情報が記憶される。

【００４１】また、前記選択装置は多数の収納パンチＰ
及び収納ダイＤの情報の中から、所望のパンチＰとダイ
Ｄが選択される。

【００４２】さらに、前記制御装置は、選択したパンチ
Ｐをパンチ取出し領域７１に位置決めすると共に、選択
したダイＤをダイ取出し領域７３に位置決めするよう収
納用サーボモータ６１を制御する作用を有する。

【００４３】図７及び図８、図９を参照するに、タレッ
トパンチプレス１と金型収納装置５３との間にはパンチ
Ｐ及びダイＤの交換を行う金型交換装置７５が設けられ
ている。

【００４４】より詳しくは、金型交換装置７５はベース
フレーム５５にガイドフレーム７７が立設されており、
このガイドフレーム７７に上部昇降体７９及び下部昇降
体８１が昇降可能に設けられている。上部昇降体７９は
上部昇降体用サーボモータ８３及びボールねじ８５の作
動により昇降するものであって、下部昇降体８１は下部
昇降体用サーボモータ８７及びボールねじ８９の作動に
より昇降するものである。

【００４５】上部昇降体７９にはパンチＰを着脱自在に
保持するパンチ保持部９１を先端に備えたパンチ交換ア
ーム９３が旋回軸９５を介して水平方向へ旋回可能に支
持されており、下部昇降体８１にはダイＤを着脱可能に
保持するダイ保持部９７を先端に備えたダイ交換アーム
９９が旋回軸１０１を介して水平方向へ旋回可能に支持
されている。

【００４６】パンチ交換アーム９３及びダイ交換アーム
９９を同期して水平方向へ旋回させるため、ガイドフレ
ーム７７には旋回用サーボモータ１０３に連動連結する
スプライン軸１０５が上下方向に延びて設けられてお
り、このスプライン軸１０５は旋回軸９５，１０１にギ
ア機構１０７，１０９を介して連動連結されている。

【００４７】なお、スプライン軸１０５は上部昇降体７
９の穴及び下部昇降体８１の穴にそれぞれ貫通してお
り、パンチ保持部９１はパンチ交換アーム９３の長手方
向へ移動可能に構成され、ダイ保持部９７はダイ交換ア
ーム９９の長手方向へ移動可能に構成されている。

【００４８】したがって、旋回サーボモータ１０３の駆
動によりスプライン軸１０５が回転してパンチ交換アー
ム９３及びダイ交換アーム９９が旋回される。

【００４９】上記構成により、上部タレット１１及び下
部タレット１５のパンチＰとダイＤの金型が交換される
場合は、上部タレット１１及び下部タレット１５が回転
されて所望のパンチ装着部１３及びダイ装着部１７が所
定のパンチ交換領域２１及びダイ交換領域２３に位置決
めされる。

【００５０】パンチ交換アーム９３及びダイ交換アーム
９９が旋回されてパンチ保持部９１及びダイ保持部９７
がパンチ交換領域２１及びダイ交換領域２３にそれぞれ
位置決めされる。

【００５１】パンチ交換アーム９３及びダイ交換アーム
９９が昇降されて、所定のパンチ装着部１３のパンチＰ
と所定のダイ装着部１７のダイＤがパンチ保持部９１と
ダイ保持部９７に保持されてから離脱される。パンチ交
換アーム９３及びダイ交換アーム９９が金型収納装置５
３のパンチ取出し領域７１及びダイ取出し領域７３へ旋
回される。

【００５２】一方、金型収納装置５３は回転部材５９が
回転されて、空のパンチ収納部６５及びダイ収納部６９
がパンチ取出し領域７１及びダイ取出し領域７３に位置
決めされ、パンチ交換アーム９３及びダイ交換アーム９
９が下降してパンチＰとダイＤが空のパンチ収納部６５
とダイ収納部６９に収納される。パンチ交換アーム９３
及びダイ交換アーム９９が一旦上昇し、旋回し、待機す
る。

【００５３】回転部材５９が回転されて所望のパンチ収
納部６５及びダイ収納部６９がパンチ取出し領域７１及
びダイ取出し領域７３に位置する。

【００５４】パンチ交換アーム９３及びダイ交換アーム
９９が再び旋回、下降し、所望のパンチＰとダイＤがパ
ンチ交換アーム９３とダイ交換アーム９９により取り出
されてから、再び旋回してパンチＰが上部タレット１１
の所定のパンチ装着部１３に装着され、ダイＤが下部タ
レット１５の所定のダイ装着部１７に装着される。

【００５５】上記のように交換されたパンチＰとダイＤ
は、再び上部タレット１１及び下部タレット１５が回転
されて所定のパンチング加工位置３１に位置決めされ、
ワークＷがパンチング加工される。

【００５６】本実施の形態の主要部をなす金型収納方法
及び金型収納装置５３について詳しく説明する。

【００５７】図１（Ａ）では金型口径が３・１／２イン
チ用のパンチＰであり、図４（Ａ）では金型口径が４・
１／２インチ用のパンチＰである。

【００５８】また、図１（Ｂ）では金型口径が３・１／
２インチ用のダイＤであり、図４（Ｂ）では金型口径が
４・１／２インチ用のダイＤである。

【００５９】図１（Ａ）及び図４（Ａ）を参照するに、
パンチストレージ６３は平板状のパンチ保持部９１とス
トレージ底部１１１とから構成されており、多数の各パ
ンチ収納部６５にはパンチＰを挿入可能なパンチ保持穴
１１３，１１５がパンチ保持部９１に設けられており、
このパンチ保持穴１１３，１１５にはパンチＰのキー溝
１１７，１１９に係合してパンチＰの水平方向を位置決
めするための係合突起部１２１，１２３が設けられてい
る。

【００６０】また、パンチ保持穴１１３，１１５の周囲
には本実施の形態ではパンチＰを真直に収納するための
４本のガイドピン１２５，１２７がストレージ底部１１
１からパンチ保持穴１１３，１１５の上方へ延伸して立
設されている。なお、ストレージ底部１１１には抜き穴
１２９，１３１が設けられているが、装着されるパンチ
Ｐの口径より小さいものである。

【００６１】また、図１（Ｂ）及び図４（Ｂ）を参照す
るに、ダイストレージ６７は平板状のダイ保持部９７と
ストレージ底部１３３とから構成されており、多数の各
ダイ収納部６９にはダイＤを挿入可能なダイ保持穴１３
５，１３７がダイ保持部９７に設けられており、このダ
イ保持穴１３５，１３７にはダイＤのキー溝１３９，１
４１に係合してダイＤの水平方向を位置決めするための
係合突起部１４３，１４５が設けられている。なお、ス
トレージ底部１３３には抜き穴１４７，１４９が設けら
れているが、装着されるダイＤの口径より小さいもので
ある。

【００６２】以上の図１（Ａ）、（Ｂ）及び図４
（Ａ）、（Ｂ）のパンチ収納部６５とダイ収納部６９と
からなる金型収納部は、標準的な金型収納装置５３の金
型配置の状態を示すものである。

【００６３】使用者側のニーズに合わせて金型サイズの
収納部数を変更するには、例えば上記の図１（Ａ）、
（Ｂ）で示される３・１／２インチ用のパンチＰとダイ
Ｄの金型収納部は、図１（Ｃ）、（Ｄ）で示されるよう
に２インチ用又は１・１／４インチ用のパンチＰとダイ
Ｄの金型収納部に変更される。

【００６４】あるいは、例えば上記の図４（Ａ）、
（Ｂ）で示される４・１／２インチ用のパンチＰとダイ
Ｄの金型収納部は、図４（Ｃ）、（Ｄ）で示されるよう
に１・１／４インチ用又は１／２インチ用のパンチＰと
ダイＤの金型収納部×２セットに変更される。

【００６５】前者について詳しくは、図１（Ａ）、
（Ｂ）の３・１／２インチ用のパンチＰとダイＤの金型
収納部が、図１（Ｃ）、（Ｄ）で示されるように２イン
チ用のパンチＰとダイＤの金型収納部に変更される場合
について説明する。

【００６６】図１（Ａ）の３・１／２インチ用のパンチ
Ｐのパンチ収納部６５は４本のガイドピン１２５がスト
レージ底部１１１から図示省略のボルトを締めることに
より取り除かれる。

【００６７】そして、図１（Ｃ）及び図２に示されてい
るように２インチ用のパンチＰを真直に保持するための
４本のガイドピン１５１が立設されている２インチ用の
パンチアダプタ１５３がストレージ底部１１１の下面に
ボルトＢＴ等の取付具により取り付けられる。このと
き、４本のガイドピン１５１はストレージ底部１１１の
抜き穴１２９から上方へ延伸する状態で取り付けられ
る。

【００６８】さらに、より好ましくは中間のパンチ保持
部９１のパンチ保持穴１１３には４本のガイドピン１２
５との間に２インチ用のパンチＰを挿通可能なパンチ保
持穴１５５を有する補強板１５７が嵌挿されてボルトＢ
Ｔなどにより固定される。

【００６９】図１（Ｂ）の３・１／２インチ用のダイＤ
のダイ収納部６９は、図１（Ｄ）及び図３に示されてい
るようにダイ保持部９７のダイ保持穴１３５には２イン
チ用のダイＤを挿通可能なダイ保持穴１５９を有する段
付きの２インチ用のダイアダプタ１６１が嵌挿されてボ
ルトＢＴ等の取付具により固定される。

【００７０】後者について詳しくは、図４（Ａ）、
（Ｂ）の４・１／２インチ用のパンチＰとダイＤの金型
収納部が、図４（Ｃ）、（Ｄ）で示されるように１・１
／４インチ用のパンチＰとダイＤの金型収納部×２セッ
トに変更される場合について説明する。

【００７１】図４（Ａ）の４・１／２インチ用のパンチ
Ｐのパンチ収納部６５は４本のガイドピン１２７がスト
レージ底部１１１から、図示省略のボルトを締めること
により、取り除かれる。

【００７２】そして、図４（Ｃ）及び図５に示されてい
るように１・１／４インチ用のパンチＰ×２本を挿通可
能な２個のパンチ保持穴１６３が備えられている１・１
／４インチ用のパンチアダプタ１６５が上側のパンチ保
持部９１の上面にボルトＢＴ等の取付具により取り付け
られる。

【００７３】さらに、ストレージ底部１１１の抜き穴１
３１には１・１／４インチ用のパンチＰを受ける段付き
のめくら蓋１６７が嵌挿されてボルトＢＴ等の取付具に
より固定される。

【００７４】図４（Ｂ）の４・１／２インチ用のダイＤ
のダイ収納部６９は、図４（Ｄ）及び図６に示されてい
るようにダイ保持部９７のダイ保持穴１３７には１・１
／４インチ用のダイＤ×２セットを挿通可能な２本のダ
イ保持穴１６９を有する１・１／４インチ用のダイアダ
プタ１７１がダイ保持部９７の上面にボルトＢＴ等の取
付具により固定される。

【００７５】さらに、ストレージ底部１３３の抜き穴１
４９には図５に示されているように１・１／４インチ用
のダイＤを受ける段付きのめくら蓋１７３が嵌挿されて
ボルトＢＴ等の取付具により固定される。

【００７６】以上のように、製造者側で製造した標準的
な金型配置の金型収納装置５３は、パンチアダプタ１５
３，１６５及びダイアダプタ１６１，１７１が装着され
ることにより簡単に改造されるので、使用者側のニーズ
に近い収納部数や金型配置の状態に短期間で変更され、
納期の短縮となる。あるいは、従来のように標準的な金
型配置の金型交換装置で使用せずに放置することにされ
ていた金型収納部が有効に使用可能となる。

【００７７】なお、この発明は前述した実施の形態に限
定されることなく、適宜な変更を行うことによりその他
の態様で実施し得るものである。

【００７８】

【発明の効果】以上のごとき発明の実施の形態の説明か
ら理解されるように、請求項１の発明によれば、製造者
側で製造した標準的な金型配置の金型収納装置を、使用
者側の要望に近い収納部数や金型配置の状態に容易に短
期間に変更できるので、納期の短縮となる。さらに、使
用せずに放置することにされていた金型収納部を有効に
使用できる。

【００７９】請求項２の発明によれば、請求項１記載の
効果と同様であり、製造者側で製造した標準的な金型配
置の金型収納装置を、使用者側の要望に近い収納部数や
金型配置の状態に容易に短期間に変更できるので、納期
の短縮となる。さらに、使用せずに放置することにされ
ていた金型収納部を有効に使用できる。

【００８０】請求項３の発明によれば、アダプタを用い
て大口径の金型収納部を小口径の金型収納部に変更して
も、小口径のパンチとダイを安定した状態で収納でき
る。

【００８１】請求項４の発明によれば、大口径の金型収
納部と変更すべき小口径の金型収納部との差が大きいと
きは、アダプタを用いて複数の小口径のパンチとダイを
安定した状態で収納できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態を示すもので、図１
（Ａ），（Ｂ）の３・１／２インチ金型用の収納部から
図１（Ｃ），（Ｄ）の２インチ金型用の収納部へ変更す
ることを示す斜視図である。

【図２】３・１／２インチ用のパンチ収納部から２イン
チ用のパンチ収納部へ変更した要部断面図である。

【図３】３・１／２インチ用のダイ収納部から２インチ
用のダイ収納部へ変更した要部断面図である。

【図４】本発明の実施の形態を示すもので、図４
（Ａ），（Ｂ）の４・１／２インチ金型用の収納部から
図４（Ｃ），（Ｄ）の１・１／４インチ金型用の収納部
×２セットへ変更することを示す斜視図である。

【図５】４・１／２インチ用のパンチ収納部から１・１
／４インチ用のパンチ収納部×２セットへ変更した要部
断面図である。

【図６】４・１／２インチ用のダイ収納部から１・１／
４インチ用のダイ収納部×２セットへ変更した要部断面
図である。

【図７】本発明の実施の形態を示すもので、金型交換装
置を備えたタレットパンチプレスの側面図である。

【図８】本発明の実施の形態を示すもので、金型交換装
置を備えたタレットパンチプレスの平面図である。

【図９】本発明の実施の形態を示すもので、金型交換装
置の部分的な斜視図である。

【符号の説明】

１ タレットパンチプレス １１ 上部タレット １３ パンチ装着部 １５ 下部タレット １７ ダイ装着部 ２１ パンチ交換領域 ２３ ダイ交換領域 ５３ 金型収納装置 ６５ パンチ収納部 ６９ ダイ収納部 ７１ パンチ取出し領域 ７３ ダイ取出し領域 ７５ 金型交換装置 ９１ パンチ保持部 ９３ パンチ交換アーム（金型交換手段） ９７ ダイ保持部 ９９ ダイ交換アーム（金型交換手段） １１１，１３３ ストレージ底部 １１３，１１５，１５５，１６３ パンチ保持穴 １２５，１２７，１５１ ガイドピン １２９，１３１ 抜き穴 １３５，１３７，１５９，１６９ ダイ保持穴 １４７，１４９ 抜き穴 １５３，１６５ パンチアダプタ １６１，１７１ ダイアダプタ １６７，１７３ めくら蓋

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パンチプレスにおける金型交換位置側に
   金型交換装置を介して金型収納装置を設け、この金型収
   納装置に備えた複数のパンチ・ダイ収納部のうちの大口
   径金型の収納部に対して一つ又は複数の小口径金型を収
   納可能なアダプタを装着することにより、金型サイズ毎
   の収納部数をニーズに応じて変更することを特徴とする
   金型収納方法。
2. 【請求項２】 パンチプレスにおける金型交換位置側に
   金型交換装置を介して設けた金型収納装置において、 前記複数のパンチ・ダイ収納部の金型サイズ毎の収納部
   数をニーズに応じて変更すべく前記複数のパンチ・ダイ
   収納部のうちの大口径金型の収納部に対して一つ又は複
   数の小口径金型を収納可能なアダプタを着脱可能に設け
   てなることを特徴とする金型収納装置。
3. 【請求項３】 前記アダプタが、小口径のパンチを嵌挿
   して保持する複数のガイドシャフト部材を備えたパンチ
   アダプタと、小口径のダイを挿入可能なダイ収納部を備
   えたダイアダプタと、からなることを特徴とする請求項
   ２記載の金型収納装置。
4. 【請求項４】 前記アダプタが、複数の小口径のパンチ
   を挿入可能なパンチアダプタと、複数の小口径のダイを
   挿入可能なダイ収納部を備えたダイアダプタと、からな
   ることを特徴とする請求項２記載の金型収納装置。