JPH05192835A - 加工装置付板材加工機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工工具を制限なく搭載し多重加工を可能と
して、保守管理も容易で稼働率を向上させる加工装置付
板材加工機を提供する。 【構成】 板材加工機１の本体フレーム５に設けられた
移動自在な加工ヘッド４７と、この加工ヘッド４７に複
数種の加工工具５７を装着したロータリーヘッド５１
と、このロータリーヘッド５１の加工工具５７を割出す
ための割出し装置６９と、前記ロータリヘッド５１に装
着した加工工具５７の切込みを行なわせる切込み装置５
３とを備えてなるものである。また、本体フレーム５の
一端で前記加工ヘッド４７の移動領域範囲内に、前記ロ
ータリヘッド５１に交換可能な加工工具を収納するツー
ルストッカ１０９を設けたことを特徴とするものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えばパンチプレスな
どの板材加工機において、ワークにタッピング加工やミ
ーリング加工などを行な得るようにした加工装置付板材
加工機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、板材加工機としての例えば油圧式
パンチプレスでは、上タレットに複数種のタップホルダ
を装着しておき、下タレットには複数種のタップホルダ
に対応するダイが設けてあり、ストライカが必要とする
タップホルダを押込むと、タップホルダの周囲に設けら
れた板押えが下降してワークを押え、次にタップホルダ
が回転しながら下降してタッピング加工を行なうように
形成されている。

【０００３】このため、タップホルダの上方部の外周に
スプラインを設けておき、このスプラインがタップホル
ダの外側に設けた従動ギアのスプライン溝に噛合うと、
別に設けた駆動ギアがタイミングベルトを介して油圧モ
ータのプーリ軸によって駆動され、タッピング加工に必
要な回数だけ回転されると、前記プーリ軸に設けたセン
サーにて回転数を読取って、前記油圧モータの駆動をカ
ットするように形成されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成による従来のタレットパンチプレスでは、タップユニ
ットが金型の一部としてタレット内に搭載されているた
め、タップ口径に制限があって大きなものには適せず、
且つ搭載できる本数に制限があった。また、上記の構造
が複雑であると共に部品が小さいため、剛性が低く、タ
ップの折損等に対してはホルダを分解してタップ交換を
行なわねばならず、稼働ロスが大となる欠点があり、加
えてパンチング加工用金型の数にも制限が加わる等の問
題点があった。

【０００５】本発明は、上記した事情に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、タップ口径に制限な
く且つ搭載本数にも制限を受けることはなく、簡単な構
造で金型の搭載数も少なくならず、保存管理も容易で稼
働率を低下させることのない加工装置付板材加工機を提
供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明の加工装置付板材加工機は、板材加工機の
本体フレームに設けられた移動自在な加工ヘッドと、こ
の加工ヘッドに複数種の加工工具を装着したロータリヘ
ッドと、このロータリヘッドの加工工具を割出すための
割出し装置と、前記ロータリヘッドに装着した加工工具
の切り込みを行なわせる切込み装置とを備えてなるので
あり、また、本体フレームの一端で前記加工ヘッドの移
動領域範囲内に、前記ロータリヘッドに交換可能な加工
工具を収納するツールストッカを設けたことを特徴とす
るものである。

【０００７】

【作用】上記構成よりなる加工装置付板材加工機は、移
動自在な加工ヘッドに備えられたロータリヘッドに、例
えばタップユニットやリーマユニットを装着させ、板材
加工機側で通常の例えばパンチング加工等の穴加工を行
なった後、タップやエンドミルなどの加工工具を所定の
位置に割り出してタップ加工やエンドミル加工が行なわ
れる。

【０００８】また、ツールストッカに予め各種加工工具
を収納しておくことにより、加工ヘッドをツールストッ
カ位置へ移動させ、ロータリヘッドに装着されている加
工工具と、ツールストッカに収納されている別の加工工
具とを交換させることにより、多種類の加工を簡単に行
なうことができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１ないし図３に
よって説明する。

【００１０】板材加工機の一例としてタレットパンチプ
レスに加工装置を装着したものを例にして説明する。図
１および図２を参照するに、タレットパンチプレス１は
ふところ部３を有する門型の本体フレーム５を備え、こ
の本体フレーム５の下部フレーム５Ｄの上面中央には固
定テーブル７が設けてある。この固定テーブル７の下面
には下部フレーム５Ｄの切欠部９に嵌合する補強部材１
１が固定してある。

【００１１】この固定テーブル７上には図１の左右方向
（Ｙ軸方向）に移動自在なキャレッジ台１３が設けられ
ている。このキャレッジ台１３は前記固定テーブル７上
に設けられたＹ軸方向に延伸されたＹ軸ボールネジ（図
示せず）によって、固定テーブル７上を移動し制御信号
によって所定位置に位置決め停止されるようになってい
る。

【００１２】このキャレッジ台１３上にはキャレッジベ
ース１５が突設されている。このキャレッジベース１５
内には図２に示すように、前記キャレッジ台１３の幅方
向（Ｘ軸方向）に亘って、ボールネジ１７が設けてあっ
て付設されたモータＭによって回転軸として形成されて
いる。このボールネジ１７にはキャレッジ１９が係合さ
れており、モータＭの駆動によってボールネジ１７が回
転されると、キャレッジ１９はキャレッジベース１５上
をＸ軸方向に移動される。

【００１３】このキャレッジ１９にはワークを把持する
ためのワーククランプ２１が設けてあって、ワーククラ
ンプ２１によって把持されたワークＷは、キャレッジ１
９によってＸ軸方向に移動され、キャレッジ台１３の移
動によってＹ軸方向に移送されて、それぞれのボールネ
ジの停止によってＸ−Ｙ方向に位置決めされるようにな
っている。

【００１４】前記キャレッジ台１３の中央位置には、キ
ャレッジ台１３とは遊離された状態でセンターテーブル
２３が設けてあって、前記ワーククランプ２１はセンタ
ーテーブルフ２３の上面より僅かに高い位置に配設さ
れ、前記ワークＷのＸ−Ｙ方向への位置決めは、このセ
ンターテーブル２３上で行なわれるようになっている。
このセンターテーブル２３は前記本体フレーム５の下部
フレーム５Ｄと略々等しい幅を有し、センターテーブル
２３の下側は固定テーブル７上に設けられた水平方向の
高さを調整するための、調整装置２５によって支承され
ており、センターテーブル２３は常に水平方向を保持す
るように形成してある。

【００１５】このセンターテーブル２３の両側にはセン
ターテーブル２３と同一平面をなすサイドテーブル２７
Ｆ，２７Ｒが設けてある。

【００１６】これらのサイドテーブル２７Ｆ，２７Ｒは
いずれも前記キャレッジ台１３にその一端が取付けてあ
り、その他端側は図示していないが本体フレーム５の両
サイドに設けたガイドレールに支承され、キャレッジ台
１３のＹ軸方向への移動に付随してＹ軸方向へ移動され
るようになっている。

【００１７】前記センターテーブル２３の左側には、セ
ンターテーブル２３の中心線上に回転自在な下部タレッ
ト２９が設けてある。この下部タレット２９は円盤で形
成されており、円盤の外周辺近傍には同一半径上の下金
型をなすダイ３１が複数個配設されていて、このダイ３
１の上縁は前記センターテーブル２３の上面と略々同一
水平面をなしている。この下部タレット２９は中心に回
転軸３３を有し、回転軸３３の下側は前記下部フレーム
５Ｄ内で駆動モータに係合支承されている。

【００１８】この下部フレーム５Ｄの上方には上部フレ
ーム５Ｕが設けてあって、この上部フレーム５Ｕのふと
ころ部３に対向する面で、前記下部タレット２９に対応
する位置には回転自在な上部タレット３５が垂設してあ
る。この上部タレット３５は下部タレット２９と同径の
円盤で、複数個のダイ３１を設けた同一径からなる円盤
周辺位置には、ダイ３１と対をなすパンチ３７が複数個
設けてあって、中心に設けた回転軸３９によって下部タ
レット２９と同期して同一方向に回転される。そして、
上部タレット３５と下部タレット２９との間に、前記ワ
ーククランプ２１によって移送されたワークＷに図示省
略の駆動装置によってパンチ３７が上下動されることに
より、パンチ３７とダイ３１との協働でパンチング加工
を行なうようになっている。

【００１９】上述したタレットパンチプレス１の本体フ
レーム５の上部フレーム５Ｕのフロント側（図１の正
面）には、Ｙ軸方向に平行に設けられた１組のガイドレ
ール４１があって、上部フレーム５Ｕの中央部分に迄延
伸されている。この１組のガイドレール４１の間には駆
動用ボールネジ４３が設けてあり、この駆動用ボールネ
ジ４３の一端に設けたプーリ４５を介して、上部フレー
ム５Ｕ内に設けた駆動用モータ４５Ｍに連動連結されて
いる。

【００２０】前記駆動用ボールネジ４３にはガイドレー
ル４１上を移動する加工ヘッド４７が螺合され、駆動用
ボールネジ４３の駆動によって加工ヘッド４７はＹ軸方
向に移動される。この加工ヘッド４７には上下方向にス
ライドするスライダー４９が設けてあり、このスライダ
ー４９には円柱状に突出した旋回自在なロータリヘッド
５１が設けてある。前記スライダー４９は加工ヘッド４
７の右上部に設けられた上下動用モータ５３によって上
下動され、前記ロータリヘッド５１は加工ヘッド４７の
左上部に設けられた割出し用モータ５５によって、旋回
割出しが行なわれるようになっている。そして、ロータ
リヘッド５１の外周辺には複数個の加工工具５７（例え
ばタップ５７Ａ，エンドミル５７Ｂ）が着脱自在に取付
けられる。なお、加工ヘッド４７の右側下辺には前記加
工工具５７を駆動させるための工具駆動用モータ５９が
設けてある。

【００２１】図３も併せて参照するに、加工ヘッド等の
詳細を説明する。駆動用ボールネジ４３に係合される加
工ヘッド４７は、上面より見て略凹字状の本体部６１を
備え、この本体部６１内にはボールナット６３が設けて
あって、このボールナット６３が駆動用ボールネジ４３
に螺合されている。この本体部６１の前面側凹部には上
下方向にガイド部材６５が通設してあって、このガイド
部材６５にはスライダー４９が係合されており、前記上
下動用モータ５３の駆動によってスライダー４９は上下
動される。このスライダー４９の中心には後述するロー
タリヘッド５１の外周と円径の円筒部６７が突出してお
り、この円筒部６７の中心には割出し軸６９が上下動自
在に収納されている。この割出し軸６９の一方の端部に
はピストン７１が設けてあり、このピストン７１は前記
円筒部６７に設けられたＢ室及びＣ室よりなるシリンダ
７３内に係合されており、このシリンダー７３の外方は
蓋部７５によって密閉されている。このシリンダー７３
のＢ室またはＣ室内へは図示していない切換弁によっ
て、油圧流体が管路７７を介して圧入され割出し軸６９
を上下動させるようになっている。

【００２２】この割出し軸６９の軸部外周にはスプライ
ン状の歯車７９が設けてあり、この歯車７９には円筒部
６７に設けた平歯車８１が噛合わされ、この平歯車８１
には前記割出し用モータ４７からの駆動歯車８３が噛合
されていて工具割出し駆動部８５を構成している。この
割出し軸６９の他端は円筒部６７より突出しており、そ
の端面には中心に取付ネジ８７が突出されており、この
取付ネジ８７にはロータリーヘッド５１が取付けられる
ようになっている。

【００２３】上述した工具割出し駆動部８５を設けた前
記円筒部６７の反対側にはギヤー室８９をなす空間部が
設けてあり、このギヤー室８９内には前記工具駆動用モ
ータ５９に接続されたウォームギヤ９１と、このウォー
ムギヤ９１に噛合されるウォームホイール９３とが収納
されている。このウォームホイール９３の支持軸９５は
円筒部６７を挿通され、円筒部６７の前記割出し軸６９
を突出させた端面側に突出されており、その先端にはベ
ベルギヤ９７が取付けてある。

【００２４】ロータリヘッド５１は前記円筒部６７に被
着される有底円筒部材で、内側中心には前記割出し軸６
９に螺着されるボス部９９を有し、外周部には複数個の
加工工具５７を各１個宛取付けるための取付部材１０１
を有し、この取付部材１０１の中心にはそれぞれ回転軸
１０３を備え、その端部には前記ベベルギヤ９７に噛合
されるベベルギヤ１０５を設けてある。このベベルギヤ
１０５を取付けた回転軸１０３の取付部材１０１内はテ
ーパーシャンク状に形成してあって、加工工具５７はこ
のテーパーシャンクによって確実に固定される。

【００２５】上記したロータリーヘッド５１の前記円筒
部６７との被着面には、両者の間にカービックカップリ
ング１０７が設けてあって、前記円筒部６７のシリンダ
７３のＣ室内に油圧流体が圧入されると、カービックカ
ップリング１０７は外れてロータリーヘッド５１は外方
に突出され、前記ベベルギヤ１０５側は浮上ってフリー
状態となる。次に、割出し用モータ５５が駆動されると
割出し軸６９は工具割出し駆動部８５によって回転さ
れ、前記ベベルギヤ９７に噛合っていた加工工具５７
を、ロータリーヘッド５１の他に設けた加工工具５７に
変えるように作動される。そして、所望の加工工具５７
をベベルギヤ９７の位置に合わせて、前記シリンダー７
３の油圧流体をＣ室より排除してＢ室内に圧入すると、
割出し軸６９は蓋部７５側に押圧されて加工工具５７の
ベベルギヤ１０５はベベルギヤ９７に噛合い、前記ロー
タリーヘッド５１と円筒部６７との間に設けたカービッ
クカップリング１０７は互いに噛合って、円筒部６７側
へロータリーヘッド５１を固定する。そして、工具駆動
用モータ５９の駆動によってウォームギヤ９１が回転さ
れ、ウォームホイール９３を介してベベルギヤ９７が回
転されて加工工具５７を加工状態に支持する。

【００２６】上述した加工装置の加工位置とタレットパ
ンチプレス１の加工位置とを、Ｘ軸方向の同一線上にな
るように合わせておくことにより、ワーククランプ２１
で把持されたワークＷはパンチング加工後、キャレッジ
１９のＸ軸方向への移動により、例えばタップ加工やリ
ーマ仕上加工等を続けて施すことができる。

【００２７】この他、図１及び図２に示すように、本体
フレーム５のフロント側で加工ヘッド４７の移動領域範
囲に、ツールストッカー１０９を設けておくことによ
り、加工工具５７の種類も増加し加工範囲の拡大も考え
らる。このツールストッカー１０９は本体フレーム５よ
り片持状態に突出された軸受部材１１１と、この軸受部
材１１１に支承されたターンテーブル１１３とによって
形成されている。

【００２８】軸受部材１１１はターンテーブル１１３の
中心軸を支持すると共に、ターンテーブル１１３の所定
位置を指令信号によって、一定位置に移動停止させるた
めのツール選択用モータが内蔵されており、予め設定さ
れた指令によってターンテーブル１１３を回転させ、所
定位置を一定位置（工具交換位置）に移動させるように
なっている。

【００２９】前記ターンテーブル１１３には周辺に等間
隔で設けられた収納切欠部１１５が複数箇所に設けてあ
り、この収納切欠部１１５には上方より装着される加工
工具５７を収納出来るように形成してある。この複数個
所の収納切欠部１１５には一個所を除いて加工工具５７
を収納し、加工ヘッド４７を工具交換位置へ移動させ
て、加工ヘッド４７のロータリーヘッド５１に装着して
ある加工工具を収納切欠部１１５内へ外しロータリヘッ
ド５１を上昇させておきターンテーブル１１３を回転さ
せ、所望の工具を工具交換位置へ停止せしめ、ロータリ
ーヘッド５１を下降させれば加工工具の交換は完了す
る。

【００３０】以上説明した本実施例では、タレットパン
チプレスの場合について説明したが、レーザ加工機やプ
ラズマ板材加工機についても同様に装着することが可能
であり、これによって仕上加工迄の一貫性をもたせるこ
とが可能となる。

【００３１】またロータリテーブル等の割出し装置は油
圧によるもので説明したが、これは油圧に限定されるも
のではなく、空気圧の場合でも同様の効果を得ることが
できる。さらに、電磁チャックによって割出し軸を駆動
させることも可能であることを付記しておく。

【００３２】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではなく、適宜の変更を行なうことによってその
他の態様でも実施し得るものである。

【００３３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
特許請求の範囲に記載されたとおりの構成であるから、
加工工具を多品種搭載して多種加工を行ない、保守管理
も容易で稼働率を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例で、板材加工機としてのタレ
ットパンチプレスの加工装置の正面図である。

【図２】図１の平面図である。

【図３】図１のIII −III 破断線による主要部の断面図
である。

【符号の説明】 １ タレットパンチプレス ５ 本体フレーム ４７ 加工ヘッド ５１ ロータリーテーブル ５５ 割出し用モータ ５９ 工具駆動用モータ １０９ ツールストッカー

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 板材加工機の本体フレームに設けられた
   移動自在な加工ヘッドと、この加工ヘッドに複数種の加
   工工具を装着したロータリヘッドと、このロータリヘッ
   ドの加工位置を割出すための割出し装置と、前記ロータ
   リヘッドに装着した加工工具の切り込みを行なわせる切
   込み装置、を備えてなることを特徴とする加工機装置付
   板材加工機。
2. 【請求項２】 前記本体フレームの一端で前記加工ヘッ
   ドの移動領域範囲内に、前記ロータリヘッドに交換可能
   な加工工具を収納するツールストッカを設けてなること
   を特徴とする請求項１記載の加工装置付板材加工機。