JP2001083425A - 走査型共焦点顕微鏡 - Google Patents

走査型共焦点顕微鏡

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JP2001083425A JP26025799A JP26025799A JP2001083425A JP 2001083425 A JP2001083425 A JP 2001083425A JP 26025799 A JP26025799 A JP 26025799A JP 26025799 A JP26025799 A JP 26025799A JP 2001083425 A JP2001083425 A JP 2001083425A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】蛍光観察により、広い領域を観察した場合でも
シェーディングの生じさせることなく良好な観察画像を
得ることのできる走査型共焦点顕微鏡を提供する。 【解決手段】光源と、光源からの光束を標本上に集光す
る対物レンズと、光源からの光束を標本上で走査させる
ための走査光学系と、標本からの光束を検出するための
光検出器109と、光検出器の出力を演算する演算部と
を有する。光検出器109は、少なくとも一方向に配列
された複数の受光部35を備える。演算部は、複数の受
光部35の出力から、光検出器109に入射した光束3
00の中心301から予め設定されたr0の範囲の光強
度の和を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は走査型光学顕微鏡、
特に共焦点走査型光学顕微鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の走査型共焦点顕微鏡を図2
(a)、(b)を用いて落射型の構成で簡単に説明す
る。レーザ光源201からの光は、ビームエキスパンダ
202で必要なビーム径の平行光束となり、ビームスプ
リッタ203を透過し、走査ユニット204に入る。走
査ユニット204は、図3のように、回転軸方向の直交
する1組のミラー204a,204bからなる。これら
のミラー204a,204bを回転させることにより、
光軸231に直交する2方向(x、y方向)について光
を走査する。走査ユニット204を出た平行光束は、走
査レンズ210により一次像面211に結像された後、
リレーレンズ212を通過することにより再び平行光束
となり、対物レンズ214によって標本215上に結像
される。リレーレンズ212と対物レンズ214との間
に配置されたミラー213は単純に光の方向を変化させ
ているだけであり必須のものではない。
【0003】標本215上に結像されたレーザービーム
の像は点像となっており、点像の径は、対物レンズ21
4のNAで決まる大きさである。標本215上の点像
(照射領域)からの反射光は、再び対物レンズ214で
集められ、照明光の光路を逆に進み、リレーレンズ21
2で一次像面に結像した後、走査レンズ210で平行光
束となる。その後、走査ユニット204を通り、ビーム
スプリッター203で反射され、検出器レンズ206に
より遮光板207の開口208上に集光される。この開
口208を通過した光のみが光検出器209に到達でき
る。
【0004】ここで、開口208上にできる集光点は、
標本215上での光スポットの像となっているため、こ
の像は、開口208を通過できる。よって、走査ユニッ
ト204の走査に同期させて、光検出器で光信号を検出
することにより、標本215の二次元的な像を得ること
ができる。このとき、標本215上の他の点から発生し
た光は、遮光板207の開口208からずれた位置に像
を結ぶため、遮光板207により遮られ、光検出器20
9には、ほとんど到達できない。これにより、走査型共
焦点顕微鏡では、高い横分解能だけでなく、高い縦分解
能(深さ方向分解能)で標本215を観察できる顕微鏡
となる。
【0005】また、このような反射光による観察だけで
はなく、標本215の照明光の照射領域で発生した蛍光
や散乱光についても、遮光板207の開口208を通過
させることにより、光検出器209で捉えることができ
る。例えば、蛍光観察の場合には、検出器レンズ206
とビームスプリッタ203との間に、標本215からの
反射光をカットするフィルタ231を挿入して、蛍光の
みを検出器レンズ206で集光させ、蛍光の集光位置に
開口208を配置する。
【0006】なお、透過型顕微鏡の構成の場合には、蛍
光,散乱光,及び透過光の吸収の程度を捉えることがで
きる。
【0007】さらに、走査型共焦点顕微鏡の高い縦分解
能の特徴を利用し、不図示の標本ステージを上下させな
がら、そのつど二次元像を取得していくと、標本215
の三次元的な観察も可能になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、走査型
共焦点顕微鏡では、標本215で発生する蛍光観察が可
能であるが、蛍光の波長は、照明レーザー光の波長とは
異なる。このため、標本215からの蛍光と照明レーザ
ー光の反射光とでは、対物レンズ214、リレーレンズ
212および走査レンズ210に倍率の色収差と焦点距
離の色収差(軸上色収差)が生じる。走査ユニット20
4でレーザー光を大きな範囲で走査すると、色収差によ
り、蛍光の点像が遮光板207上を移動する。これの理
由を更に説明する。
【0009】一次像面211には標本215の反射光の
像と蛍光の像とが結像されるが、対物レンズ214とリ
レーレンズ212の倍率の色収差があるため、蛍光の像
点と反射光の像点とは光軸からの距離が異なる。このた
め、一次像面211から光検出器209までの反射光の
光路と蛍光の光路が異なってしまい、蛍光の点像は、走
査ユニット204による走査に応じて遮光板207の面
上を移動する。
【0010】また、対物レンズ214の軸上色収差のた
めに、対物レンズ214の瞳位置220がレーザー光と
蛍光とで異なる。従来の走査ユニット204のミラー2
04a,204bは、対物レンズの瞳位置220とほぼ
共役な位置に配置されているため、レーザー光と蛍光と
で瞳位置220が異なると、ミラー204a,204b
の反射角がレーザー光と蛍光とで異なってしまう。この
ため標本215からの蛍光が、照明レーザー光と同じ光
路を逆にたどることができなくなり、この理由によって
も遮光板207に蛍光の点像が、走査に応じて遮光板2
07上で移動する。
【0011】このように蛍光の点像が遮光板207を移
動すると、蛍光の点像が開口208からはずれ、蛍光に
よる観察像の周囲が暗くなってしまう、いわゆるシェー
ディングが起こる。この現象は、レーザー光と蛍光の2
波長を同じ光学系を通過させなければならない蛍光観察
に特有の問題である。これを避けるためには、光学系内
部で色収差を補正してゼロにするか、遮光板207の開
口208を極めて大きくする必要があった。しかしなが
ら、同じ波長のレーザー光を照射した場合であっても、
発せられる蛍光は標本215によりさまざまであること
から、光学系の色収差を補正するのは非常に困難であ
る。また、遮光板207の開口208を大きくすること
は、開口208を通過した光のみを捉えることで高い縦
横分解能を達成している共焦点顕微鏡の特長を失うこと
になる。これらの理由により、従来の技術ではシェーデ
ィングを十分小さく抑えた汎用の共焦点顕微鏡光学系を
用意することが困難であった。
【0012】本発明は、これらの従来技術の問題点に鑑
みてなされたもので、蛍光観察により、広い領域を観察
した場合でもシェーディングを生じさせることなく良好
な観察画像を得ることのできる走査型共焦点顕微鏡を提
供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば以下のような走査型共焦点顕微鏡が
提供される。すなわち、光源と、前記光源からの光束を
標本上に集光する対物レンズと、前記光源からの光束を
前記標本上で走査させるための走査光学系と、前記標本
からの光束を検出するための光検出器と、前記光検出器
の出力を演算する演算部とを有し、前記光検出器は、少
なくとも一方向に配列された複数の受光部を有し、前記
演算部は、前記複数の受光部の出力から、前記光検出器
に入射した光束の中心から予め設定された範囲の光強度
の和を求めることを特徴とする走査型共焦点顕微鏡であ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態について図
面を用いて説明する。
【0015】まず、図1(a),(b)および図3
(a),(b)を用いて本実施の形態の走査型共焦点顕
微鏡の構成について説明する。図1(a),(b)のよ
うに、光軸231上には、レーザー光源201、ビーム
エキスパンダ202、ビームスプリッタ203、走査ユ
ニット204、走査レンズ210、リレーレンズ21
2、ミラー213、対物レンズ214が順に配置されて
いる。また、ビームスプリッタ203により、光軸23
1から分離された光軸232上には、ビームスプリッタ
203側から順に、抜き差し可能なフィルタ241、検
出器レンズ206、迷光除去板107、光検出器109
が配置されている。光検出器109および走査ユニット
204には、データ処理装置105が接続されている。
【0016】本実施の形態の光検出器109およびデー
タ処理装置105は、従来とは異なる構成である。光検
出器109は、図3(b)のように、光増幅パネル30
を前面に備えたフォトダイオードアレイ34である。こ
の光検出器109は、光増幅パネル30の上面が、検出
器レンズ206の焦点(焦点距離f)に位置するように
配置されている。光増幅パネル30は、検出器レンズ2
06側から順に光電変換層31、マイクロチャンネルプ
レート32、蛍光層33を備える。この構成により、検
出器レンズ206から入射した光を、光電変換層31で
いったん電子に変換し、マイクロチャンネルプレート3
2で増倍し、増倍した電子で蛍光層33を発光させ、フ
ォトダイオードアレイ34に入射させる。光増幅パネル
30では、入射した光と増幅された出射光との位置関係
は、光増幅パネル30の面内方向で維持される。また、
光増幅パネル30の増幅率は、面内方向で一様である。
【0017】フォトダイオードアレイ34は、図3
(a)のように多数の受光セル35をxy方向に2次元
にアレイ状に配列したものである。x方向の配列のピッ
チはPx、y方向の配列のピッチはPyである。また、受
光セル35のxy方向の受光面サイズはWx,Wyであ
る。よって、光検出器109の開口率は、(Wx/Px
・(Wy/Py)で表される。データ処理装置105は、
フォトダイオードアレイ34を構成する受光セル35の
出力を処理する。処理方法については、後で詳しく説明
する。
【0018】なお、迷光除去板107は、迷光を排除す
るために配置されたものであり、必須のものではない。
【0019】走査ユニット204は、本実施の形態で
は、回転軸方向の直交する反射ミラー204aと反射ミ
ラー204b、および、これらの反射ミラー204a,
204bをそれぞれ回転駆動する駆動源を備えている。
反射ミラー204a,204bは、対物レンズ214の
瞳位置220と共役な、走査レンズ210の光源201
側焦点位置付近に配置されている。
【0020】このような構成において、レーザ光源20
1から出射された光は、ビームエキスパンダ202で必
要なビーム径の平行光束にされ、ビームスプリッタ20
3を透過する。その後、走査ユニット204で、反射ミ
ラー204a,204bにより反射される。これによ
り、光軸231に直交する2方向(x、y方向)につい
て任意の走査角で走査される。
【0021】走査ユニット204を出た平行光束は、走
査レンズ210により一次像面211に結像された後、
リレーレンズ212を通過することにより再び平行光束
となる。そして、対物レンズ214によって標本215
上に結像され、標本215上の点を照明する。リレーレ
ンズ212と対物レンズ214との間に配置されたミラ
ー213は、単純に光の方向を変化させている。
【0022】標本215からの反射光および標本215
で発生した蛍光は、再び対物レンズ214で集められ、
照明光の光路を逆に進み、リレーレンズ212で一次像
面に結像した後、走査レンズ210で平行光束となる。
その後、走査ユニット601を照明光とは逆の光路で通
り、ビームスプリッター203で反射され、検出器レン
ズ206により、光検出器109の光増幅パネル30の
上面に集光される。その際、検出器レンズ206と光検
出器109との間に配置されている迷光除去板107の
径の大きな開口108を通過することにより迷光が除去
される。標本215の蛍光像を観察する場合には、フィ
ルタ241を光軸232上に配置し、標本215からの
反射光をカットする。
【0023】このときの、検出器レンズ206により、
光検出器109の光増幅パネル30上に形成される光ス
ポット300(図3(a))の強度分布をI(x,y)
とすると、x方向にm番目、y方向にn番目の受光セル
35に入射する光強度Imnは、下記数1のように表され
る。ただし、光増幅パネル30が配置されているので、
実際の受光セル35に入射する光強度は、光強度Imn
光増幅パネル30の増幅率をかけたものであるが、光増
幅パネル30の増幅率は、面内方向に一様であるので、
ここでは、増幅率を無視して説明する。
【0024】
【数1】
【0025】ここで、光スポット300の径が、セルの
ピッチPx,Pyに対して数倍〜数十倍であれば、下記数
2の光強度Imnの重心計算により、光スポット300の
重心301の座標(Sx,Sy)を、セルピッチの1/1
0程度の精度で求めることができる。
【0026】
【数2】
【0027】また、重心301を中心とした、予め定め
た半径r0の範囲の光強度Ixyは、光強度分布I(x、
y)から、下記数3から求めることができる。
【0028】
【数3】
【0029】そこで、データ処理装置105は、実際に
光検出器109の各受光セル35から、受光した光強度
mnを示す出力を受け取り、これを上記数2に代入す
る。これにより、データ処理装置105は、光検出器1
09に集光されている光スポット300の重心301の
座標(Sx,Sy)を得る。つぎに、データ処理装置10
5は、各受光セル35の受光した光強度Imnをフィッテ
ィングもしくは補間計算することにより、光スポット3
00の光強度分布I(x、y)を求める。求めた光強度
分布I(x、y)と、オペレータから入力部105aを
介して予め設定されている半径r0の値とを上記数3に
代入することにより、データ処理装置105は重心30
1を中心とした半径r0の範囲に照射された光強度Ixy
を求める。
【0030】データ処理装置105は、走査ユニット2
04の走査量をモニタするか、もしくは、走査ユニット
204の走査のタイミングに同期させたタイミング生成
回路を用いて、走査と同じタイミングで上記光強度Ixy
を検出し、画像表示装置に光強度Ixyを表示させる。こ
れにより、標本215の蛍光の2次元画像を得ることが
できる。
【0031】上記光強度Ixyは、光スポット300の重
心301を中心に半径r0のピンホールを配置して光ス
ポット300の光強度を計測したのと同等である。しか
も、重心301の座標(Sx,Sy)は、計測のつどデー
タ処理装置105が上記数2により計算するから、光ス
ポット300が光検出器109上で移動した場合でも、
その移動に追従して、重心301を中心とした半径r0
の範囲の光強度Ixyを求めることができる。したがっ
て、照明レーザー光を大きな走査角で標本215上を走
査させることにより、光学系の色収差により蛍光の光ス
ポット300が光検出器109上を移動しても、移動量
に関わらず常に重心301を中心とした半径r0の範囲
で光強度Ixyを求めることができる。よって、シェーデ
ィングを生じさせることなく、標本215の広い範囲を
観察することができる。
【0032】また、蛍光観察ではなく、標本215から
の反射光を観察する場合は、フィルタ241を光軸23
2から外すだけでよく、同様に標本215の広い範囲を
観察することができる。よって、本実施の形態の走査型
共焦点顕微鏡では、従来のように蛍光像観察時と反射光
像観察時とで開口208(図2(a))の位置を変更す
る必要はない。
【0033】また、上述の構成では、データ処理装置1
05が走査ユニット204の走査量に同期させて強度I
xyを画像表示装置に表示させることにより、蛍光の二次
元観察像を構築しているが、蛍光の光スポット300の
重心301の座標(Sx,Sy)が、光学系の色収差量と
走査ユニット204の走査角との積に比例することを利
用することにより、走査ユニット204の走査量を用い
ずに二次元画像を構築することもできる。すなわち、一
画面内で観察する蛍光の波長は、通常一波長であるか
ら、光学系の色収差量は一定値になり、重心301の座
標(Sx,Sy)は、走査ユニット204の走査量のみに
比例すると考えてよい。したがって、データ処理装置1
05が求めた重心301の座標(Sx,Sy)と、オペレ
ータが入力部105aに入力した色収差量(一定値)と
をもとに、走査角を求め、これに対応させて光強度Ixy
を表示させることにより、二次元観察画像を構築するこ
とができる。このように二次元観察画像を構成すると、
走査ユニット204の走査量をモニターする必要がなく
なるため、走査ユニット204の走査量の線形性が良好
でない場合でも正確な画像を構築できるという効果が得
られる。
【0034】なお、データ処理装置105としては、デ
ジタルシグナルプロセッサー等の積和演算に特化した演
算装置を用いることにより、上述した計算を、1点あた
り数m秒以下の高速で行うことが可能である。
【0035】また、数2を用いる代わりに、受光セル3
5のうち出力が最も大きいいくつかのセル35の出力を
用いることにより、重心301の座標を高速に推定する
こともできる。例えば、出力が最大のセル35(x方向
m番目y方向n番目)の出力をI0とし、x方向につい
てその隣のセル35(x方向(m+1)番目y方向n番
目)の出力をI1、逆隣のセル35(x方向(m−1)
番目y方向n番目)の出力をI-1とする。このとき、光
スポット300の重心301が、x方向m番目y方向n
番目のセル35の中心から距離Δxだけ、x方向(m+
1)番目y方向n番目のセル35側にずれているとす
る。また、光スポット300の径は、セルピッチPx
2.5倍であるとすると、隣り合うセル35の信号強度
比I1/I0、I-1/I0と、距離Δxとの関係は、以下
のようになる。
【0036】 Δx 0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 I1/I0 0.55 0.62 0.70 0.79 0.89 1.00 I-1/I0 0.55 0.48 0.42 0.37 0.32 0.27 このように、I1/I0は単調増加、I-1/I0は単調減
少となる。よって、予め上記関係を計算により求めてお
き、実際のセル35の出力うち出力最大のセルおよびそ
の両隣のセルの出力から求めたI1/I0、I-1/I0
最も近い組み合わせを選択することにより、△xを求め
ることができる。同様に、y方向についても、予め上記
関係を求めておき、実際のセル35の出力から最も近い
組み合わせを選択することによりΔyを求めることがで
きる。これにより、重心301の座標(Sx,Sy)の近
似値を求めることができる。
【0037】また、上述の実施の形態では、光強度Ixy
を数3により計算しているが、二次元観察像の表示装置
の画素と、光検出器109のフォトダイオードアレイ3
4のセル35とを1対1に対応させて、セル35の出力
をそのまま一画素として表示させることもできる。この
場合、光検出器109の面上での光学系の色収差により
蛍光スポット300が移動する範囲のセル35の数と、
表示装置の画素数とが等しくなるようにしておくことが
望ましい。すなわち、 Px=Wx/Dx, Py=Wy/Dy を満たすように設定することが望ましい。ただし、
x、Dyは、表示装置のx、y方向の画素数である。こ
のようにすることで、数3の計算を行うことなく、セル
35の出力をそのまま増幅等するだけで観察画像の構築
が可能である。
【0038】また、上述の実施の形態では、セル35の
出力から強度分布I(x,y)と重心301の座標とを
計算により求め、これらを用いて積分により光強度Ixy
を求めているが、出力最大のセル35の位置を中心に、
予め定めた半径r0の範囲にあるセル35の出力を単に
合計する演算処理によって、光強度Ixyを求めることも
できる。この処理方法の場合、簡単な計算で光強度Ixy
を求めることができ、セル35の大きさが、光スポット
300に対して十分に小さい場合には特に有効である。
【0039】また、上述の実施の形態では、光増幅パネ
ル30を配置し、光を増幅してからフォトダイオードア
レイ34で検出しているため、光検出器109に到達し
た蛍光光束が微弱であってもフォトン単位で増幅して検
出できる。微弱な蛍光も、高感度に検出して蛍光観察画
像を構築できる。
【0040】また、光検出器109としてCCD等の蓄
積作用のある光検出器を用いることも可能であり、この
場合には、光増幅パネル30を省略することができる。
【0041】また、光検出器109として、蛍光層33
およびフォトダイオードアレイ34を用いず、図4のよ
うにマイクロチャンネルプレート32の増幅した電子を
面内方向に流すレジスティブアノード401を設け、流
れる電流のパルスの大きさ(波高)およびパルス数を波
高検出器402で検出する構成にすることができる。こ
の構成では、電子一つで電流パルス一つが発生し、電流
パルスの波高が、レジスティブアノード401を流れた
距離(抵抗の大きさ)に相関するため、波高の大きさか
ら入射した光の位置を検出することができる。また、そ
の位置に入射した光の強度は、発生した電子の数に相関
するため、パルスの数により入射光の大きさを検出でき
る。これにより、光強度分布I(x,y)を直接求める
ことができる。また、求めた入射光の位置および強度
を、数2のΣ記号を積分記号に変えた数式に代入するこ
とにより、重心301の座標を求めることができる。
【0042】上述してきたように、本実施の形態の走査
型共焦点顕微鏡は、光検出器109として、複数のフォ
トダイオードアレイやCCDや位置検出機能のある検出
器を用いることにより、光スポット300が移動した場
合であっても、その重心から予め定めた半径r0の領域
の光強度を常に検出することができる。このため、色収
差により光スポット300が移動しても、従来のように
遮光板の開口208(図2(a))によって光束が蹴ら
れるおそれがなく、一定の半径r0の開口を光スポット
300の移動にともなって移動させながら検出したのと
同じ観察画像が得られる。
【0043】また、光強度を検出する半径r0の値は解
像度に影響し、半径r0の値が小さいほど高解像度に、
半径r0の値が大きいほど検出感度が高くなるため、標
本215の状態に応じて、十分な検出感度が得られる程
度の小さなr0に設定することが好ましい。本実施の形
態の走査型共焦点顕微鏡では、半径r0は数3の計算に
より用いる値であるため、入力部105aからオペレー
タが任意の値を設定するだけで容易に半径r0を設定す
ることができる。また、光検出器209の測定結果をデ
ータ処理装置205内のメモリに格納しておくことによ
り、異なる半径r0が設定された場合にはメモリ内のデ
ータを用いて再計算するだけで、解像度の異なる観察画
像を得ることができる。これにより、従来のように、開
口の径を変更するために、遮光板207を開口径の異な
るものに交換して測定をやり直す必要がないため、劣化
しやすい標本215であっても再測定することなく、高
解像度で観察することができる。また、従来のように検
出感度を向上させるために、必要以上に大きな開口20
8の遮光板207を配置する必要もない。
【0044】以上のように、本実施の形態の走査型共焦
点顕微鏡は、色収差を持つ対物レンズ214等の光学系
を使っても、シェーディングを生じさせることがなく、
しかも、縦分解能が悪化することもない。このため、励
起レーザー光の波長と蛍光波長が離れている場合でも、
高い分解能での標本の観察が可能になる。また、対物レ
ンズの色収差の許容範囲が拡がるので、共焦点走査型蛍
光顕微鏡用対物レンズの設計が容易になる。さらに、光
検出器109として、光増幅機能もしくは蓄積型の検出
器を使うことにより、信号光が弱い場合でも、標本21
5の観察画像の画質を良好にできる。
【0045】
【発明の効果】上述してきたように、本発明によれば、
蛍光観察により、広い領域を観察した場合でもシェーデ
ィングを生じさせることなく良好な観察画像を得ること
のできる走査型共焦点顕微鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)本発明の一実施の形態の走査型
共焦点顕微鏡の構成を示すブロック図。
【図2】(a),(b)従来の走査型共焦点顕微鏡の構
成を示すブロック図。
【図3】図1の走査型共焦点顕微鏡の光検出器109に
ついての(a)フォトダイオードアレイの受光セル35
の配列を示す説明図、(b)断面の構成を示す説明図。
【図4】図1の走査型共焦点顕微鏡の光検出器109と
して用いることができる別の光検出器の構成を示す説明
図。
【符号の説明】
30・・・光増幅プレート、31・・・光電変換層、3
2・・・マイクロチャンネルプレート、33・・・蛍光
層、34・・・フォトダイオードアレイ、35・・・受
光セル、105・・・データ処理装置、105a・・・
入力部、107・・・迷光除去板、108・・・開口、
109・・・光検出器、201・・・レーザー光源、2
02・・・ビームエキスパンダ、203・・・ビームス
プリッタ、204・・・走査ユニット、204a、20
4b・・・反射ミラー、205・・・データ処理装置、
206・・・検出器レンズ、207・・・遮光板、20
8・・・開口、209・・・光検出器、210・・・走
査レンズ、211・・・一次像面、212・・・リレー
レンズ、213・・・ミラー、214・・・対物レン
ズ、215・・・標本、220・・・対物レンズの瞳位
置、231、232・・・光軸、241・・・フィル
タ、300・・・光スポット、301・・・重心、40
1・・・レジスティブアノード、402・・・波高検出
器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA51 DD00 DD12 FF42 GG04 HH03 JJ03 JJ18 JJ26 LL04 LL09 LL12 LL21 LL30 LL46 LL62 MM16 PP24 QQ00 QQ02 QQ14 QQ23 QQ26 QQ27 QQ28 QQ32 QQ51 SS02 SS13 UU07 2H052 AA07 AA08 AC15 AC34 AF25

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源と、前記光源からの光束を標本上に集
    光する対物レンズと、前記光源からの光束を前記標本上
    で走査させるための走査光学系と、前記標本からの光束
    を検出するための光検出器と、前記光検出器の出力を演
    算する演算部とを有し、 前記光検出器は、少なくとも一方向に配列された複数の
    受光部を備え、 前記演算部は、前記複数の受光部の出力から、前記光検
    出器に入射した光束の中心から予め設定された範囲の光
    強度の和を求めることを特徴とする走査型共焦点顕微
    鏡。
  2. 【請求項2】光源と、前記光源からの光束を標本上に集
    光する対物レンズと、前記光源からの光束を前記標本上
    で走査させるための走査光学系と、前記標本からの光束
    を検出するための光検出器と、前記光検出器の出力を演
    算する演算部とを有し、 前記光検出器は、入射した光の位置および強度を対応さ
    せて検出し、 前記演算部は、前記光検出器の検出結果から、前記光検
    出器に入射した光束の中心から予め設定された範囲の光
    強度の和を求めることを特徴とする走査型共焦点顕微
    鏡。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の走査型共焦点顕
    微鏡において、前記光検出器は、前記標本からの光束を
    増幅して前記受光部に入射させる光増幅部を有すること
    を特徴とする走査型共焦点顕微鏡。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の走査型共焦点顕微鏡にお
    いて、前記受光部は、入射した光により電荷を発生さ
    せ、それを蓄積して検出するものであることを特徴とす
    る走査型共焦点顕微鏡。
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