JPH11231223A - 走査型光学顕微鏡 - Google Patents

走査型光学顕微鏡

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JPH11231223A
JPH11231223A JP3296598A JP3296598A JPH11231223A JP H11231223 A JPH11231223 A JP H11231223A JP 3296598 A JP3296598 A JP 3296598A JP 3296598 A JP3296598 A JP 3296598A JP H11231223 A JPH11231223 A JP H11231223A
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Shigeru Kobayashi
茂 小林
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、異なる画像の重ね合わせを精度よく
行うことができる走査型光学顕微鏡を提供する。 【解決手段】試料5に対し、レーザ光源2からのレーザ
光を2次元走査しながら照射し、試料5からの反射光ま
たは蛍光をピンホール板6を介し光検出器7で検出する
とともに、第1の記憶部811に画像データとして一時
記憶し、一方、試料5からの反射光または蛍光をTVカ
メラ12で撮像するとともに第2の記憶部815に画像
データとして一時記憶し、倍率変換部817により第2
の記憶部815の画像データによる画像を第1の記憶部
811の画像データによる画像と同じ倍率に変換すると
ともに、画像位置ずれ算出部818により、これら画像
の位置ずれ量を検出し、この位置ずれ量に基づいて第1
の記憶部811の画像情報と第2の記憶部815の画像
情報の位置ずれを補正した後、画像合成部814で重ね
合わせ画像を生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料に対し点光源
を移動走査しながら照射し、該試料からの光を検出する
ことにより画像情報を得るようにした走査型光学顕微鏡
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、試料観察に用いられるものとし
て、光学顕微鏡が多く用いられている。かかる光学顕微
鏡は、ステージ上の試料を対物レンズで拡大して観測す
るように構成していて、試料に対する照明は、ランプな
どの光源からの光をコンデンサレンズを用いて試料の観
察領域全体に均等になるようにして照射するような構造
を採用している。
【0003】ところが、照明系として、かような構造を
採用すると、フレアなどが生じ、また、低コントラスト
の標本を観察するにあたっては大変見づらくなるという
問題があった。
【0004】そこで、これらの問題点を改善するものと
して、点状光投射型(スポット光投射型)の光学顕微鏡
である走査型光学顕微鏡が実用化されている。このよう
な走査型光学顕微鏡は、点光源を対物レンズを介して観
察試料に点状に照射し、これにより観察試料を透過した
光(透過光)もしくは反射光もしくは点状の光を照射し
たことにより試料から発生した蛍光を再び対物レンズ、
光学系を介して点状に結像し、これを検出器で検出して
像の濃淡情報を得るようにしたもので、さらに検出光学
系の試料と共役な位置に、照明光あるいは被測定光の回
折限界以下の径を持つ絞りを設けることにより、焦点の
合っている面の濃度情報のみを検出できるようにした共
焦点光学系を有している。
【0005】この場合、このままでは、点状光源が照射
された点の濃度しか得られないので、さらに、試料に対
し二次元平面内で点状光源をX軸およびY軸方向に機械
的にスキャン走査させ、試料からの透過光または反射光
を光電子像倍管やフォトダイオードなどの検出器で検出
するとともに、ここでの光電変換により得られた電気信
号の濃度情報を、スキャン走査に同期してCRTディス
プレイの画面上に観察画像として表示するようにしてい
る。
【0006】図8は、このような走査型光学顕微鏡の基
本的構成を示すもので、1は顕微鏡本体で、レーザ光源
2からのレーザ光を2次元走査機構3より対物レンズ4
を介して顕微鏡本体1のステージ101上の試料5に対
しスポット光として照射するようにしている。この場
合、試料5上のスポット光は、後述する信号処理部8の
2次元駆動制御部809により制御される2次元走査機
構3にて対物レンズ4に対する光路をX−Y軸方向に振
られることで、試料4面上をX,Y走査される。また、
試料5からの反射光または蛍光の情報を対物レンズ4を
通し、2次元走査機構3を介してピンホール板6を通過
させ、光検出器7で受光し電気信号に光電変換する。
【0007】そして、この光検出器7で検出した電気信
号を信号処理部8に入力する。この信号処理部8は、ま
ず、利得可変部801で所望信号増幅を行い、次に、オ
フセット調整部802にて所望の信号の増減を行う。こ
れら利得可変部801およびオフセット調整部802で
の所望の設定量は、CPU803により指示されるD/
A変換器804、805の設定値により決定される。
【0008】また、オフセット調整部802からの信号
は、A/D変換器806でアナログ/デジタル変換した
後、記憶部807に画像データとして一時記憶され、こ
の記憶された画像データに対する加工、表示、保存が実
行される。ここでの画像データの加工は、CPU803
の指示に基づく画像処理として行われ、表示は、記憶部
807からの画像データをD/A変換器808でデジタ
ル/アナログ変換した後、表示部9に観察像として表示
する。この場合、試料5の深さ方向の情報つまり、3次
元情報が必要な場合は、Z走査駆動部810によりテー
ブル101をZ軸方向に駆動し、この時の画像データを
順次記憶部807に構築させることで、3次元画像の表
示、観察も可能になっている。
【0009】ところで、一般に、試料から得られる画像
は、蛍光(自然放出)発光による画像であり、蛍光色素
の染色された部分のみ励起されて発光したものが図9
(a)に示すように試料5(細胞)の蛍光標本の画像と
なる。しかし、染色されていない部分は、画像として情
報がなく、透明で形状が分からない。また、透明な試料
などの画像についても、全体位置や形状の確認もそのま
までは難しく、そのため、微分干渉の画像を観察するこ
とで、図9(b)に示すように試料5全体の形状画像を
得るようにしている。
【0010】つまり、これらの観察では、まず試料の位
置合わせにおいて、観察光路を接眼光路に切換え、透過
ランプ光源の下での目視観察で観察位置を選択する。こ
の場合、光軸方向、つまりZ軸方向は、顕微鏡準焦部を
上下させて観察平面を決定し、また、ステージを左右上
下に移動させながら観察位置を決める。この状態では、
蛍光画像しか見えない。そこで、さらに見たい部分の全
容を確認したい時は、微分干渉像の観察を行って、透明
な試料から凹凸が生じている輪郭を写し出すことによ
り、試料中のどの部分まで視野に入っているかを確認で
きるようになる。
【0011】これらの操作は、顕微鏡の基本の観察動作
である。しかし、観察者にとっては、頻繁に接眼を覗か
なければならず、手間が掛かり煩わしい作業となる。そ
こで、顕微鏡の観察光路にTVカメラや透過ディテクタ
を取付け、微分干渉像をモニタに表示することで、目視
に代えてTV画像にて観察箇所を選択する簡単な操作の
みになって、作業の簡素化を実現している。
【0012】一方、厚みのある試料の観察として、例え
ば、脳のスライス標本の観察なども行われるようになっ
ている。ところが、このような脳のスライス標本は、可
視光の領域の微分干渉像を一般のTVカメラで捉えても
光が標本を透過しないので、像が得られず、十分な観察
ができないのが現状である。
【0013】そこで、このような場合は、光の散乱が無
く、透過率の高い赤外光を用いて画像を捉え画像化する
IR用TVカメラを用いることで、脳のスライス標本の
全容を捉え、全体像を容易に確認できるとともに、位置
出しも容易にできるようになる。
【0014】ところが、これら一連の観察では、蛍光画
像は特定部位の画像のみを示し、微分干渉像は、全体形
状のみを示すので、これら画像の間で関連付けするのが
難しく、また、簡単に取得画像を重ね合わせると、スポ
ット光を走査して得られる蛍光画像とTV画像とでは、
観察光路も光学倍率も異なるため、光学的、メカ的な位
置ずれが生じ、簡単に重ね合わせることができない。
【0015】このようなことから、従来では、例えば、
画像が観察細胞のどの部分に位置して、全体の形状でど
の位置を占めているかが分かるように、これらの重ね合
わせ画像を生成するような技術が望まれており、そこ
で、従来、特開平8−162059号公報に開示される
ように、半導体ウェハ上の欠陥検査装置において、高分
解能である表面形状しか観察できない電子顕微鏡と、光
学的に透明な膜(シリコン膜)の下部に存在する欠陥や
異物観察できる光学顕微鏡のそれぞれの画像を画像倍率
を合せて位置調整を行い、画像重ね合わせの表示を行
い、位置調整には、それぞれの画像中で、すでに寸法が
分かっている部分を測定し、これらの距離が同一になる
ように一方の画像の拡大倍率を調整し、次いで、それぞ
れの画像の中心座標を求め、これら座標が一致するよう
に調整するようにしたものが考えられている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
特開平8−162059号公報に開示されたものは、倍
率の変換において、基準となる部分、つまり、予め同一
寸法と分かっている部分が存在しないと、倍率を合せる
ことができない。また、仮に、観察により倍率調整が必
要のない場合においても、位置調整で各々の画像の中心
座標を求める際、互いに画像の形状が異なっていたりす
ると、中心位置が異なるものになってしまい、また、位
置座標を求めるために、どの形のものを対象にするかは
観察者が指定しなければならず、このための手間が面倒
であるとともに、観察者によって差が生じてしまう。本
発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、異なる画像
の重ね合わせを精度よく行うことができる走査型光学顕
微鏡を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
試料に対し点光源を移動走査しながら照射し、該試料か
らの光を検出することにより画像情報を得るようにした
走査型光学顕微鏡において、前記画像情報を記憶する第
1の記憶手段と、前記試料からの光を撮像する撮像手段
と、この撮像手段により撮像された画像情報を記憶する
第2の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶された画
像情報と前記第2の記憶手段に記憶された画像情報の位
置ずれ量を検出する位置ずれ検出手段と、この位置ずれ
検出手段により検出された位置ずれ量に基づいて前記第
1の記憶手段の画像情報または第2の記憶手段の画像情
報の位置ずれを補正するとともに重ね合わせ画像を生成
する画像合成手段とにより構成している。
【0018】請求項2記載の発明は、請求項1記載にお
いて、さらに、前記第1の記憶手段の画像情報および第
2の記憶手段の画像情報のうちの一方の画像情報による
画像を、他方の画像情報の生成要素をパラメータとする
倍率変換情報に基づいて該他方の画像情報による画像と
同じ倍率に変換する倍率変換手段を有している。
【0019】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載において、位置ずれ検出手段は、前記第1の記憶手
段の画像情報および第2の記憶手段の画像情報の任意の
ライン上の輝度特性を比較し、これら比較差が最小にな
る位置に基づいて位置ずれ量を検出するようにしてい
る。
【0020】この結果、請求項1記載の発明によれば、
試料に対し点光源を移動走査しながら検出された画像情
報による画像と、試料からの光を撮像して得られた画像
情報による画像を位置ずれを生じることなく重ね合わせ
て表示することができる。
【0021】請求項2記載の発明によれば、各画像情報
による画像を同じ倍率に揃えることができ、精度の高い
重ね合わせ画像を得られる。請求項3記載の発明によれ
ば、各画像の位置ずれを、それぞれの画像情報の任意の
ライン上の輝度特性の比較の結果から検出しているの
で、精度の高い位置ずれ量を求めることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面に従い説明する。図1は、本発明が適用される走査型
光学顕微鏡の概略構成を示すもので、図8と同一部分に
は同符号を付している。
【0023】この場合、レーザ光源2より2次元走査機
構3に対して光ファイバを介して、または直接レーザ光
を導き、対物レンズ4を通して顕微鏡ステージ101上
の試料5表面にスポット光を照射する。2次元走査機構
3は、信号処理部8の2次元駆動制御部809からの走
査制御信号により顕微鏡ステージ101上の試料5表面
のスポット光をXY走査するもので、例えば、図2に示
すように、Xガルバノミラー301とYガルバノミラー
302を有し、これらXガルバノミラー301およびY
ガルバノミラー302をX方向とY方向に走査し、レー
ザ光をラスタスキャンすることにより、試料5表面のス
ポット光をXY走査するようにしている。なお、これら
XY走査に必要な信号は、X、Yまたは水平(H)、垂
直(V)の同期信号という。
【0024】試料5からの反射光または蛍光の2次元画
像情報を対物レンズ4を通して光路分割部10に導き、
ここで2分割し、このうち一方の2次元画像情報を2次
元走査機構3を介してピンホール板6を通過させ、光検
出器7で受光し電気信号に光電変換し、また、他方の2
次元画像情報を微分干渉プリズム11を通して、TVカ
メラ12に与えるようにしている。
【0025】ここで、ピンホール板6は、所定径のピン
ホールを有するもので、光検出器7の前面の結像位置に
配置され、このピンホールを通過した光から試料5面上
での観察点の焦点のあった情報のみを検出する共焦点効
果を得るものである。また、微分干渉プリズム11は、
試料5表面の2次元画像情報から試料5上の透明な像情
報を画像輪郭にコントラストを付けて取り出すものであ
る。さらに、TVカメラ12は、微分干渉プリズム11
からの微分干渉像を撮像し、2次元の画像信号を出力す
るものである。
【0026】そして、光検出器7で検出した電気信号
は、信号処理部8に入力する。この信号処理部8では、
利得可変部801で所望信号増幅を行い、次に、オフセ
ット調整部802にて所望の信号の増減を行う。これら
利得可変部801およびオフセット調整部802での所
望の設定量は、CPU803により指示されるD/A変
換器804、805の設定値により決定している。
【0027】また、オフセット調整部802からの信号
は、A/D変換器806でアナログ/デジタル変換した
後、第1の記憶部811に画像データとして一時記憶さ
せる。この第1の記憶部811は、記憶制御部812に
よりデータの読み書きが制御されている。
【0028】そして、この第1の記憶部811に記憶さ
れた画像データを画像微分処理部813および画像合成
部814に入力している。一方、TVカメラ12からの
2次元の画像信号は、信号処理部8の第2の記憶部81
5に一時記憶させる。この第2の記憶部815は、記憶
制御部816によりデータの読み書きが制御されてい
る。
【0029】第2の記憶部815に記憶された画像デー
タを倍率変換部817に入力している。この倍率変換部
817は、第2の記憶部815に記憶された画像データ
による画像を第1の記憶部811に記憶された画像デー
タによる画像とを同じ倍率で比較するため、倍率変換情
報に基づいて、第2の記憶部815の画像データによる
画像を第1の記憶部811の画像データによる画像と同
じ倍率に変換するものである。この場合、倍率変換部8
17での倍率変換情報は、第1の記憶部811に記憶さ
れた画像データの生成要素である2次元走査機構3の2
次元走査による走査範囲、画像サンプリング間隔、観察
レンズ倍率などをパラメータとして、予めCPU803
が既知情報として保持している。
【0030】倍率変換部817で倍率変換された画像デ
ータを、画像位置ずれ算出部818および画像合成部8
14に入力している。この画像位置ずれ算出部818に
は、画像微分処理部813を通して第1の記憶部811
の画像データから微分成分を抽出したデータも入力され
ている。
【0031】この画像位置ずれ算出部818は、CPU
803の指示により倍率変換部817により倍率変換さ
れた画像データと、画像微分処理部813を通した第1
の記憶部811の画像データの微分成分の任意のライン
の輝度特性を比較して両画像の位置ずれ量を算出するも
のである。
【0032】第1の記憶部811の画像データと倍率変
換部817で倍率変換された第2の記憶部815の画像
データを画像合成部814に入力している。この画像合
成部814は、画像位置ずれ算出部818で算出された
位置ずれ量に基づいて第1の記憶部811の画像データ
または第2の記憶部815の画像データの位置ずれを補
正するとともに、重ね合わせ画像を生成するものであ
る。
【0033】そして、画像合成部814で生成された重
ね合わせ画像を、画像データをD/A変換器808でデ
ジタル/アナログ変換した後、表示部9に観察像として
表示するようにしている。
【0034】次に、以上のように構成した実施の形態の
動作を説明する。いま、レーザ光源2よりレーザ光が2
次元走査機構3に与えられると、この2次元走査機構3
でX、Y方向に2次元走査されつつ、対物レンズ4を通
して顕微鏡ステージ101上の試料5表面にスポット光
として照射される。
【0035】そして、試料5からの反射光または蛍光の
2次元画像情報が、対物レンズ4を通して光路分割部1
0に導かれ、ここで2分割され、一方の2次元画像情報
は、2次元走査機構3を介してピンホール板6を通過し
て、光検出器7で受光され電気信号に光電変換され、ま
た、他方の2次元画像情報は、微分干渉プリズム11を
通して、TVカメラ12にで撮像される。
【0036】光検出器7で検出された電気信号は、信号
処理部8の利得可変部801で所望の信号増幅され、オ
フセット調整部802にて所望の信号の増減が行わ、A
/D変換器806でアナログ/デジタル変換された後、
第1の記憶部811に画像データとして一時記憶され
る。
【0037】ここで、画像重ねを行わない場合は、第1
の記憶部811に画像データは、そのまま画像合成部8
14を重ね合わせ処理無しで通り抜け、D/A変換器8
08でデジタル/アナログ変換された後、表示部9に観
察像として表示される。
【0038】一方、画像の重ね合わせを行い、全体像の
観察を行う場合は、TVカメラ12からの2次元の画像
信号が信号処理部8の第2の記憶部815に一時記憶さ
れるとともに、倍率変換部817に入力される。
【0039】倍率変換部817では、第2の記憶部81
5に記憶された画像データによる画像を、第1の記憶部
811に記憶された画像データによる画像と同じ倍率に
変換する。ここで、第1の記憶部811に記憶された画
像データ、つまり2次元走査画像(以下、LSM画像)
と第2の記憶部815に記憶されたTVカメラ12の2
次元画像(以下、TV画像)の視野の観察範囲が同じと
すると、同一の対物レンズ4を用いているので、LSM
画像とTV画像の観察倍率は、対物レンズを交換しても
常に1:1で一致することになる。そして、このうちの
LSM画像は、図3(a)に示すように、試料5上での
スキャン範囲つまり画像取得範囲を変更することによ
り、同図(b)に示すような拡大画像を取得でき、現状
では、同一視野にて1〜10倍の拡大画像を得ることが
できる。これをTV画像と比較することにすると、TV
画像は、図4(a)に示すように、第2の記憶部815
に記憶された画像エリア(1024画素)に対して2次
元走査により取得したエリアと同じ画像エリア(2画
素)の画像情報を取り出すことにより、同図(b)に示
すようにTV画像の拡大を行い、同一倍率を得るように
する。この時の拡大処理は、不足画素を周辺画素で代用
する、一般的な画素補完を行うようにする(この時、L
SM画像の走査範囲、サンプリング間隔から得られる画
素数が必要である)。また、LSM画像のズームの位置
は、視野内の任意の位置を設定できるので、TV画像で
は、LSM画像で設定したXY軸の画像開始位置のオフ
セット量ΔX、ΔYの情報を受け取り、TV画像上の対
象画像の位置を決定するようになる。
【0040】このようにして、倍率変換部817で倍率
変換された第2の記憶部815の画像データは、画像位
置ずれ算出部818に入力される。この画像位置ずれ算
出部818には、第1の記憶部811の画像データも画
像微分処理部813を通して入力されている。この場
合、画像微分処理部813では、第1の記憶部811の
画像データを画像処理により微分成分を抽出する2次元
フィルタ処理が行われ、基本画像として、図5(a)に
示すように輝度の変化する部分、すじ、輪郭、形などが
抽出された画像を生成している。なお、ここでは、電気
的に画像の微分成分の抽出を行ったが、光学素子を使用
しても同様に行うことができる。
【0041】画像位置ずれ算出部818では、図5
(a)に示す基本画像に対して任意のライン、例えば、
十字のXY方向のラインを基準ラインとして定め、一
方、倍率変換部817で倍率変換された第2の記憶部8
15の画像データについても、図5(b)に示すように
十字のXY方向のラインを定め、これらライン上の輝度
特性を比較するようになる。この場合、それぞれの輝度
特性X0とX1、Y0とY1の比較差の絶対値の総和
は、 X=Σ|X0(n)−X1(n)| X=Σ|Y0(n)−Y1(n)| で表される。ここで、位置ずれがなければ、輝度特性X
0とX1、Y0とY1に差がないので、上式は、論理的
に0になるが、例えば、位置ずれにより図6(a)乃至
(c)に示すように、輝度特性X0とX1に差を生じる
とともに、同図(d)乃至(f)に示すように輝度特性
Y0とY1にも差を生じるようになる。そして、このよ
うに位置ずれがある場合は、この位置ずれが少なくなる
ように、つまり、図7に示すようにXY方向のラインを
1ラインずつずらしながら、比較差の絶対値の総和XY
が0または最小になる位置を検出する。ここで、図7に
示すようにX方向のラインの位置ずれが最小または0の
位置をm、Y方向のラインを1ラインの位置ずれが最小
または0の位置をkとすると、ずれ量ΔX、ΔYは、Δ
X=X0(n)−X1(m)、ΔY=Y0(n)−Y1
(k)となる。
【0042】この状態で、第1の記憶部811の画像デ
ータと倍率変換部817で倍率変換された第2の記憶部
815の画像データは、画像合成部814に入力され
る。この場合、画像合成部814では、画像位置ずれ算
出部818で算出されたずれ量ΔX、ΔYに基づいて、
第1の記憶部811または第2の記憶部815から読み
出されるデータをm画素またはk画素分ずらして取り込
むとともに、画像の重ね合わせを行う。これにより、第
1の記憶部811の画像データと第2の記憶部815の
画像データは、位置ずれを補正されるとともに、重ね合
わせられ、重ね合わせ画像が生成される。
【0043】そして、画像合成部814で生成された重
ね合わせ画像は、画像データをD/A変換器808でデ
ジタル/アナログ変換され、表示部9に観察像として表
示されるようになる。
【0044】なお、画像位置ずれ算出部818で算出さ
れたずれ量ΔX、ΔYを2次元走査制御部809にフィ
ードバックして、2次元走査機構部3の操作開始位置に
補正を加えることにより、重ね画像を生成するようにし
てもよい。この場合は、初めの2次元走査により得られ
た画像に続けて、再度の2次元走査により得られた画像
に対し重ね合わせが行われる。
【0045】従って、このようにすれば、試料5に対
し、レーザ光源2からのレーザ光を2次元走査しながら
照射し、試料5からの反射光または蛍光をピンホール板
6を介し光検出器7で検出するとともに、第1の記憶部
811に画像データとして一時記憶し、一方、試料5か
らの反射光または蛍光をTVカメラ12で撮像するとと
もに第2の記憶部815に画像データとして一時記憶
し、倍率変換部817により第2の記憶部815の画像
データによる画像を第1の記憶部811の画像データに
よる画像と同じ倍率に変換するとともに、画像位置ずれ
算出部818により、これら画像の位置ずれ量を検出
し、この位置ずれ量に基づいて第1の記憶部811の画
像情報と第2の記憶部815の画像情報の位置ずれを補
正した後、画像合成部814で重ね合わせ画像を生成す
るようにしたので、2次元走査により検出された画像情
報による画像とTVカメラの撮像により得られた画像情
報による画像を位置ずれを生じることなく精度よく重ね
合わせて表示することができる。これにより、特に、細
胞形状などに代表される視野内で不規則な形状を有する
画像については、精度の高い重ね合わせ画像を得られ
る。また、組立て時、取付時に生じた各画像のX、Y方
向の光軸ずれがもとで生じる画像の位置ずれを解消で
き、かつ光軸調整を行う必要もなくなるので、観察者は
煩わしい観察操作から開放され、観察画像の確認、検証
研究の時間短縮となり、作業効率が向上する。
【0046】なお、上述した一実施の形態では、第1の
記憶部811からの1つの画像データ(蛍光画像)にT
V画像を重ね合せる場合をのべたが、複数の蛍光画像に
対してもTV画像を重ね合せることができる。この場合
は、異なる波長の蛍光画像を同時または時間分割して記
憶部に記憶するとともに、これら複数の蛍光画像に対し
てそれぞれの位置合わせの計算を行い、全ての画像に対
して画像重ね合わせを行うようになるので、多重染色の
試料にも適用範囲が広がる。また、TVカメラ12によ
り撮像される画像サイズ、画像の信号方式には制限がな
く、解像度が高いカメラであれば、位置合わせ精度がさ
らに向上することは言うまでもない。また、TV画像に
も適用できる。さらに、これらの重ね合せ処理は、ハー
ドウェアまたはソフトウェアのどちらを用いても実現で
きる。さらにまた、これらの処理は、ラスタスキャンの
画像全てに対しても適用でき、特に、走査速度、走査サ
イズなどに制限はない。また、入力信号は、1系統だけ
でなく、複数入力して並列処理を行っても実現できる。
さらに、光検出器7は、フォトダイオード(PD)、C
CD、CMDなど光電変換が効率よくできれば、PMT
に限らなくてよく、2次元走査機構部3は、ガルバノミ
ラや共振ガルバノミラ、AODなどでもXYの走査が制
御できるものならばよい。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、試
料に対し点光源を移動走査しながら検出された画像情報
による画像と、試料からの光を撮像して得られた画像情
報による画像を位置ずれを生じることなく精度良く重ね
合わせて表示することができ、また、組立て時、取付時
に生じた各画像のX、Y方向の光軸ずれがもとで生じる
画像の位置ずれを解消でき、かつ光軸調整を行う必要も
なくなるので、観察者は煩わしい観察操作から開放さ
れ、観察画像の確認、検証研究の時間短縮となり、作業
効率が向上する。
【0048】また、各画像情報による画像を同じ倍率に
揃えることができるので、精度の高い重ね合わせ画像を
得られる。さらに、各画像の位置ずれを、それぞれの画
像情報の任意のライン上の輝度特性の比較の結果から検
出することにより、精度の高い位置ずれ量を求めること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の概略構成を示す図。
【図2】一実施の形態に用いられる2次元走査機構の概
略構成を示す図。
【図3】一実施の形態に用いられる倍率変換部を説明す
るための図。
【図4】一実施の形態に用いられる倍率変換部を説明す
るための図。
【図5】一実施の形態に用いられる画像位置ずれ算出部
を説明するための図。
【図6】一実施の形態に用いられる画像位置ずれ算出部
を説明するための図。
【図7】一実施の形態に用いられる画像位置ずれ算出部
を説明するための図。
【図8】従来の走査型光学顕微鏡の基本的構成を示す
図。
【図9】従来の走査型光学顕微鏡による画像の位置合わ
せを説明するための図。
【符号の説明】
1…顕微鏡本体、 101…ステージ、 2…レーザ光源、 3…2次元走査機構、 301…Xガルバノミラー、 302…Yガルバノミラー、 4…対物レンズ、 5…試料、 6…ピンホール板、 7…光検出器、 8…信号処理部、 801…利得可変部、 802…オフセット調整部、 803…CPU、 804、805…D/A変換器、 806…A/D変換器、 808…D/A変換器、 809…2次元駆動制御部、 810…Z走査駆動部、 811…第1の記憶部、 812…記憶制御部、 813…画像微分処理部、 814…画像合成部、 815…第2の記憶部、 816…記憶制御部、 817…画像データを倍率変換部、 818…画像位置ずれ算出部、 9…表示部、 10…光路分割部、 11…微分干渉プリズム、 12…TVカメラ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料に対し点光源を移動走査しながら照
    射し、該試料からの光を検出することにより画像情報を
    得るようにした走査型光学顕微鏡において、 前記画像情報を記憶する第1の記憶手段と、 前記試料からの光を撮像する撮像手段と、 この撮像手段により撮像された画像情報を記憶する第2
    の記憶手段と、 前記第1の記憶手段に記憶された画像情報と前記第2の
    記憶手段に記憶された画像情報の位置ずれ量を検出する
    位置ずれ検出手段と、 この位置ずれ検出手段により検出された位置ずれ量に基
    づいて前記第1の記憶手段の画像情報または第2の記憶
    手段の画像情報の位置ずれを補正するとともに重ね合わ
    せ画像を生成する画像合成手段とを具備したことを特徴
    とする走査型光学顕微鏡。
  2. 【請求項2】 さらに、前記第1の記憶手段の画像情報
    および第2の記憶手段の画像情報のうちの一方の画像情
    報による画像を、他方の画像情報の生成要素をパラメー
    タとする倍率変換情報に基づいて該他方の画像情報によ
    る画像と同じ倍率に変換する倍率変換手段を有すること
    を特徴とする請求項1記載の走査型光学顕微鏡。
  3. 【請求項3】 位置ずれ検出手段は、前記第1の記憶手
    段の画像情報および第2の記憶手段の画像情報の任意の
    ライン上の輝度特性を比較し、これら比較差が最小にな
    る位置に基づいて位置ずれ量を検出することを特徴とす
    る請求項1または2記載の走査型光学顕微鏡。
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