JP2001081671A - ガラス繊維織物のほつれ防止用固着剤及びほつれ防止がなされたガラス繊維織物 - Google Patents

ガラス繊維織物のほつれ防止用固着剤及びほつれ防止がなされたガラス繊維織物

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JP2001081671A
JP2001081671A JP26024499A JP26024499A JP2001081671A JP 2001081671 A JP2001081671 A JP 2001081671A JP 26024499 A JP26024499 A JP 26024499A JP 26024499 A JP26024499 A JP 26024499A JP 2001081671 A JP2001081671 A JP 2001081671A
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polyester resin
glass fiber
acid
resin
component
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English (en)
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Eiji Fujita
英二 藤田
Tetsuya Miyagawa
徹也 宮川
Shizuka Jo
静華 城
Daisuke Shirasawa
大輔 白澤
Kiyomi Hata
喜代美 畑
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐溶剤性に優れた樹脂被膜を形成してガラス
繊維織物のほつれを確実に防止する水性のほつれ防止用
固着剤を提供する。 【解決手段】 下記(A)〜(D)成分からなり、
(C)成分の重量比率が下記数式[I]に示される範囲に
あり、ポリエステル樹脂が水性媒体中に分散又は溶解し
ていることを特徴とするガラス繊維織物のほつれ防止用
固着剤。 (A)多塩基酸成分と多価アルコール成分とより構成さ
れ、多塩基酸成分の70モル%以上が芳香族多塩基酸成
分であり、多価アルコール成分の40モル%以上が炭素
数2〜4の脂肪族グリコール成分であり、特定の酸価を
有する高分子量のポリエステル樹脂。 (B)塩基性化合物 (C)ケトン、アルコール、又は、1個以上の水酸基を
有するグリコール類から選ばれ、炭素が直接3個以上結
合した構造を有する有機溶剤。 (D)水 【数1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント基板等の
強化プラスチック製品用として用いるガラス繊維織物の
切断部分のほつれを防止するのに有用な固着剤及びほつ
れ防止がなされたガラス繊維織物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、ガラス繊維織物の製織には一般に
経糸間に緯糸を挿入後切断する、いわゆる断片織機がそ
の高効率性から多く用いられている。この織機により製
縫した織物の両端部(耳部)には緯糸のみが房状に連続
して並んでいる。この房状部は不用であるばかりか、樹
脂ワニス含浸を行う際に樹脂を多量に吸収して他の部分
に比べて異常に厚くなる等の不都合を生じるので、切断
除去しておく必要がある。このとき、ほつれ防止を施さ
ないで切断したものを樹脂ワニス含浸等の処理に供する
と、織物の経糸が容易にほつれてロールに巻付く等のト
ラブルを起こす。
【0003】さらに、断片織機で製織されたガラス繊維
織物のみならず有杼織機で織られたガラス繊維織物にお
いても、任意の幅を得るため、経糸方向に切断分割して
使用に供する場合がある。この時、ほつれ防止をせずに
単なる機械的な切断法により分割した場合は、切断部か
ら容易に経糸がほつれ出し、使用上問題が多い。また、
織機によって中耳をつくって切断する場合は、断片織機
同様、耳部が房状になり断片織機と同じ問題を有する。
【0004】このほつれを防止する手段として、レーザ
ー光線を用いて切断部を溶融接着しながら切断する方法
が考案された。この方法は瞬時に切断された端部を接着
でき、しかも、エポキシ樹脂ワニス等の溶剤にも侵され
ないという利点があるものの、接着強度が低く、またガ
ラス糸の先端部に溶融玉が形成されて脆くなり、しごき
によって落下するなどの問題がある。これに対して、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、ダイマー酸共重合ポリア
ミド、共重合ポリエステル等を主成分とするほつれ防止
用固着剤をガラス繊維織物の切断部近傍に塗布してこれ
を切断するという方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような目的で使
用されるガラス繊維織物のほつれ防止用固着剤には、次
のような性能が要求される。 (1)ガラス繊維織物に塗布又は含浸できるよう液状で
あり、しかも、内部に浸透してゆけるよう、ガラス繊維
織物に対する十分な濡れ性を有すること。 (2)塗布又は含浸して乾燥した後に、ガラス繊維織物
をロール状に巻き取ったりあるいは積み重ねてもブロッ
キングしないこと。 (3)少ない使用量でも十分な固着性を有すること。す
なわち、ほつれ防止のために塗布又は含浸した部分の厚
みが大きく増すと、ガラス繊維織物をロール状に巻き取
ったり、積み重ねて保存することが困難になるため、そ
のような問題が発生しない程度の付着量でもガラス繊維
間を十分に接着できること。 (4)ガラス繊維織物を強化プラスチック製品とするた
めに樹脂ワニスに含浸させる際、ほつれ防止固着剤から
形成された被膜が、この樹脂ワニスによって膨潤したり
ワニス中に溶出したりしないような耐溶剤性を有するこ
と。
【0006】上記の要求性能に対して、上記のエチレン
−酢ビ共重合体、ダイマー酸共重合ポリアミドは、耐溶
剤性の点で十分でなく、樹脂ワニスによって膨潤した
り、溶出し易いという問題がある。
【0007】一方の共重合ポリエステルは、耐溶剤性に
優れており、しかも諸性能に比較的バランスが取り易い
ことから、開発や実用化が特に進んでいる。例えば、特
公平2−23626号公報、特公平7−84706号公
報等には特定の組成を有する共重合ポリエステルをガラ
ス繊維織物のほつれ防止用固着剤として使用することが
開示されている。これらの共重合ポリエステルはいずれ
の場合も、塩化メチレンのようなハロゲン系有機溶剤に
溶解して使用されているが、これは、ガラス繊維織物に
樹脂ワニスが含浸される際に一般的に使用される有機溶
剤(ケトン類、エステル類、ジメチルホルムアミドのよ
うな含窒素系化合物)とは別範疇の有機溶剤を使用する
ことによって、上記要求性能(1)と(4)とを同時に
満足させるためと考えられる。しかしながら、上記の共
重合ポリエステルにおいても、樹脂ワニスに含まれる溶
剤に対する耐性を向上させようとするとハロゲン系有機
溶剤への溶解性が低下するという二律背反の問題がある
ため、性能的に必ずしも十分とは言えないものであり、
さらに、近年ではオゾン層破壊や燃焼時のダイオキシン
副生といった環境問題や作業環境の安全衛生上の問題か
ら、塩化メチレンのようなハロゲン系の有機溶剤の使用
は制限されつつある。
【0008】これに対し、ハロゲン系有機溶剤を使用し
ない固着剤として、特公平7−51640号公報には、
融点と還元粘度の特定された共重合ポリエステル樹脂の
水分散体を無機繊維織物基材に塗布し、水を揮散させた
後に上記樹脂の軟化点以上に溶融させることにより、ほ
つれを防止する方法が開示されている。しかしながらこ
の方法においては、共重合ポリエステル樹脂を水分散体
とする必要上、強力な親水基であるスルホン酸金属塩基
を樹脂中に導入しており、このスルホン酸金属塩基のた
めに、樹脂被膜の耐水性や耐薬品性を十分に向上させら
れないという問題があった。また、水を揮散させた後さ
らに樹脂を溶融させる必要がある点で、処理に手間がか
かるという問題もあった。
【0009】上記のような現状を鑑みてなされた本発明
の課題は、ガラス繊維織物への浸透性に優れた水性の液
状物であって、少量を塗布又は含浸させて乾燥するだけ
で、耐溶剤性に優れた樹脂被膜を形成して確実にほつれ
を防止でき、巻き取りや積み重ねにおけるブロッキング
が生じることもない水性のガラス繊維織物のほつれ防止
用固着剤、並びにほつれ防止がなされたガラス繊維織物
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、先に見出
したポリエステル樹脂水分散体の製造方法(特開平9−
296100号公報)を応用、発展させて、高分子量の
ポリエステル樹脂のハロゲン系有機溶媒を含まない水性
溶液もしくは水分散体(以下、水性液状物と略記する)
について、ガラス繊維織物のほつれ防止用固着剤として
使用するために鋭意研究を重ねた結果、ポリエステル樹
脂を構成する多塩基酸成分と多価アルコール成分の種類
を検討して耐有機溶剤性を向上させることに成功し、ま
た、ポリエステル樹脂の水性液状物中に特定の有機溶剤
を一定範囲の量で含有させることによってガラス繊維織
物への濡れ性を向上させ、さらに、光線透過率を指標と
して水分散体中の樹脂粒子の大きさを一定以下に制御す
ることによって、ガラス繊維織物への浸透性を高めて使
用量を低減させることに成功し、本発明を完成するに至
った。
【0011】すなわち、本発明の要旨は、第1に、下記
(A)〜(D)成分からなり、(C)成分の重量比率が
下記数式[I]に示される範囲にあり、ポリエステル樹脂
が水性媒体中に分散又は溶解していることを特徴とする
ガラス繊維織物のほつれ防止用固着剤である。 (A)多塩基酸成分と多価アルコール成分とより構成さ
れ、多塩基酸成分の70モル%以上が芳香族多塩基酸成
分であり、多価アルコール成分の40モル%以上が炭素
数2〜4の脂肪族グリコール成分であり、かつ、酸価が
8〜40mgKOH/gであり、重量平均分子量が1
2,000以上であるか又は相対粘度が1.24以上で
あるポリエステル樹脂。 (B)塩基性化合物 (C)ケトン、アルコール、又は、1個以上の水酸基を
有するグリコール類から選ばれ、炭素が直接3個以上結
合した構造を有する有機溶剤。 (D)水
【数2】
【0012】第2に、上記のほつれ防止用固着剤から形
成されてなる被膜を両側部に有することを特徴とする、
ほつれ防止がなされたガラス繊維織物である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明のほつれ防止用固着剤においては、上記の
(A)成分であるポリエステル樹脂が(B)、(C)成
分と共に、(D)成分である水に配合されて水性液状物
となっている。まず、(A)〜(C)成分について説明
する。
【0014】[(A)成分:ポリエステル樹脂]本発明に
おけるポリエステル樹脂は、本来それ自身で水に分散又
は溶解しない、水不溶性のものである。本発明における
ポリエステル樹脂は、多塩基酸成分と多価アルコール成
分より構成されており、多塩基酸と多価アルコールを用
いて合成することができる。そのような多塩基酸として
は、芳香族多塩基酸、脂肪族多塩基酸、脂環族多塩基酸
を挙げることができる。具体的な化合物では、芳香族多
塩基酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソ
フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカル
ボン酸等の芳香族ジカルボン酸類が挙げられ、脂肪族多
塩基酸としては、シュウ酸、コハク酸、無水コハク酸、
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二
酸、アイコサン二酸、水添ダイマー酸等の飽和ジカルボ
ン酸類、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタ
コン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコ
ン酸、ダイマー酸等の不飽和の脂肪族ジカルボン酸類が
挙げられ、脂環族多塩基酸としては、1,4−シクロヘ
キサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボ
ン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−
ノルボルネンジカルボン酸及びその無水物、テトラヒド
ロフタル酸及びその無水物等の脂環族ジカルボン酸類が
挙げられる。また、必要に応じて、カルボキシル基以外
にも親水基を持つ5−ナトリウムスルホイソフタル酸や
5−ヒドロキシイソフタル酸を、樹脂の耐水性を損なわ
ない範囲の量、好ましくはポリエステル樹脂を構成する
全多塩基酸成分の4モル%以下の少量で用いることがで
きる。
【0015】上記した多塩基酸の中でも、芳香族多塩基
酸が主に用いられ、ポリエステル樹脂を構成する多塩基
酸成分に占める芳香族多塩基酸成分の割合としては、7
0モル%以上であることが必要である。この割合が70
モル%未満の場合には、本発明のほつれ防止用固着剤か
ら形成して得られるポリエステル樹脂の被膜(以下、ポ
リエステル樹脂被膜と略記する)の耐溶剤性が不足し、
また、脂肪族及び脂環族のエステル結合が芳香族エステ
ル結合に比して耐加水分解性が低いために、固着剤の貯
蔵中にポリエステル樹脂が加水分解を受け易くなり、貯
蔵安定性が低下する。樹脂ワニスにおける有機溶剤の選
択範囲を広げるためにポリエステル樹脂被膜の耐溶剤性
をさらに向上させる点においては、上記の芳香族多塩基
酸成分の割合としては、80モル%以上が好ましく、9
0モル%以上がより好ましい。また、ポリエステル樹脂
被膜の柔軟性やガラス繊維織物への接着性等の性能とバ
ランスをとりながら、耐溶剤性を向上させ、しかも、ポ
リエステル樹脂の耐加水分解性を向上させることができ
る点において、ポリエステル樹脂を構成する多塩基酸成
分のうちの65モル%以上さらには75モル%以上がテ
レフタル酸成分であることは、本発明の課題を達成する
うえで特に好ましい。
【0016】また、多価アルコールとしては、炭素数2
〜10の脂肪族グリコール、炭素数6〜12の脂環族グ
リコール、エーテル結合含有グリコール等を挙げること
ができる。具体的な化合物では、炭素数2〜10の脂肪
族グリコールとしては、エチレングリコール、1,2−
プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、
1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2
−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサ
ンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、
1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチルプロ
パンジオール等が挙げられ、炭素数6〜12の脂環族グ
リコールとしては、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル等が挙げられる。エーテル結合含有グリコールとして
は、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、さらにはビスフェノール類の
2つのフェノール性水酸基にエチレンオキサイド又はプ
ロピレンオキサイドをそれぞれ1〜数モル付加して得ら
れるグリコール類、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキ
シエトキシフェニル)プロパン等が挙げられるが、エー
テル構造はポリエステル樹脂の耐加水分解性及びポリエ
ステル樹脂被膜の耐溶剤性を低下させることから、ポリ
エステル樹脂を構成する多価アルコール成分としてのエ
ーテル結合含有グリコールの使用量は、全多価アルコー
ル成分の10重量%以下、さらには5重量%以下にとど
めることが好ましい。なお、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコ
ールも必要に応じて使用することができる。
【0017】本発明におけるポリエステル樹脂を構成す
る多価アルコール成分としては、多価アルコール成分の
うちの40モル%以上、好ましくは50モル%以上、よ
り好ましくは60モル%以上が炭素数2〜4の脂肪族グ
リコール成分である。炭素数2〜4の脂肪族グリコール
成分が40モル%未満では、ポリエステル樹脂被膜の耐
溶剤性が不足する。そのような脂肪族グリコールの具体
例としては、エチレングリコール、1,2−プロピレン
グリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−
1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
【0018】また、多塩基酸又は多価アルコールとして
は、3官能以上の多塩基酸又は多価アルコールを使用し
てもよい。そのような3官能以上の多塩基酸としては、
トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット
酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、トリメシ
ン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテ
ート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテー
ト)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸等が挙
げられ、3官能以上の多価アルコールとしては、グリセ
リン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。このとき、
3官能以上の多塩基酸又は多価アルコールの使用量とし
ては、ポリエステル樹脂を構成する多塩基酸成分又は多
価アルコール成分に対し10モル%以下、さらには5モ
ル%以下となる範囲にとどめることが、ポリエステル樹
脂被膜の柔軟性を発現させるうえで好ましい。
【0019】なお、本発明におけるポリエステル樹脂を
構成する酸成分としては、本発明の目的を損なわない範
囲で、多塩基酸以外に、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、
リノレン酸等の脂肪酸やそのエステル形成性誘導体、安
息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、シクロヘキサ
ン酸、4−ヒドロキシフェニルステアリン酸等の高沸点
のモノカルボン酸、ε−カプロラクトン、乳酸、β−ヒ
ドロキシ酪酸、p−ヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシ
カルボン酸やそのエステル形成性誘導体を使用してもよ
い。また、ポリエステル樹脂を構成するアルコール成分
としては、本発明の目的を損なわない範囲で、ステアリ
ルアルコール、2−フェノキシエタノール等の高沸点の
モノアルコールを使用してもよい。
【0020】本発明におけるポリエステル樹脂の酸価と
しては、8〜40mgKOH/gであることが必要であ
り、10〜38mgKOH/gが好ましく、12〜36
mgKOH/gがより好ましい。この酸価が8mgKO
H/g未満では、親水基であるカルボキシル基の量が不
足して、良好な水性液状物を得ることができない。一
方、酸価が40mgKOH/gを超えると、後述するよ
うな高分子量のポリエステル樹脂を得ることが困難にな
る。
【0021】また、本発明におけるポリエステル樹脂
は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー,ポリスチレン換算)で測定される重量平均分子量が
12,000以上であるか、又は相対粘度が1.24以
上であるかのいずれかの条件を満たす必要がある。この
いずれの条件をも満たさない場合には、ポリエステル樹
脂被膜の柔軟性、ガラス繊維織物への接着性が低下する
ばかりでなく、耐溶剤性も低下する。ポリエステル樹脂
の重量平均分子量としては、13,000以上が好まし
く、15,000以上がより好ましい。また、相対粘度
としては、1.25以上が好ましく、1.27以上がよ
り好ましい。このとき、ポリエステル樹脂に十分な酸価
を付与でき、かつ水性液状物の異常な増粘を防ぐという
点において、重量平均分子量の上限としては45,00
0が好ましく、相対粘度の上限としては、1.95が好
ましい。
【0022】また、ポリエステル樹脂のガラス転移温度
としては、樹脂被膜のブロッキングを防ぐ点から20℃
以上であることが好ましく、30℃以上がより好まし
く、40℃以上が特に好ましい。
【0023】本発明におけるポリエステル樹脂を合成す
る方法としては、公知の方法を応用すればよい。例え
ば、(a)全モノマー成分又はその低重合体を不活性雰
囲気下で180〜250℃、2.5〜10時間程度反応
させてエステル化反応を行い、引き続いてエステル交換
反応触媒の存在下、1Torr以下の減圧下に220〜
280℃の温度で所望の分子量に達するまで重縮合反応
を進めてポリエステル樹脂を得る方法、(b)前記重縮
合反応を、目標とする分子量に達する以前の段階で終了
し、反応生成物を次工程でエポキシ系化合物、イソシア
ネート系化合物、ビスオキサゾリン系化合物等から選ば
れる鎖長延長剤と混合し、短時間反応させることにより
高分子量化を図る方法、(c)前記重縮合反応を目標と
する分子量以上の段階まで進めておき、モノマー成分を
さらに添加し、不活性雰囲気、常圧〜加圧系で解重合を
行うことで目標とする分子量のポリエステル樹脂を得る
方法等を用いることができる。
【0024】なお、ポリエステル樹脂において、ポリエ
ステル樹脂の水性液状物を得る(以下、水性化と記す)
のに必要な親水基であるカルボキシル基は、樹脂骨格中
に存在するよりも樹脂分子鎖の末端に偏在していること
が、ポリエステル樹脂被膜の耐水性、耐薬品性等の面か
ら好ましい。副反応やゲル化等を伴わずに、そのような
ポリエステル樹脂を得る方法としては、上記した方法
(a)において、重縮合反応開始時以降に3官能以上の
多塩基酸またはそのエステル形成性誘導体を添加する
か、あるいは、重縮合反応の終了直前に多塩基酸の酸無
水物を添加する方法、上記した方法(b)において、大
部分の分子鎖末端がカルボキシル基である低分子量ポリ
エステル樹脂を鎖長延長剤により高分子量化させる方
法、上記した方法(c)において解重合剤として多塩基
酸またはそのエステル形成性誘導体を使用する方法等を
用いることができる。
【0025】本発明のほつれ防止用固着剤におけるポリ
エステル樹脂の含有率としては、使用方法やガラス繊維
織物への付着量によって適宜選択されるが、一般には1
〜50重量%とすることが好ましく、3〜40重量%が
より好ましい。後述するように、本発明のほつれ防止用
固着剤はポリエステル樹脂の含有率が20重量%以上と
いった高固形分濃度であっても貯蔵安定性に優れるとい
う長所を有するが、ポリエステル樹脂の含有率が50重
量%を超えると水性液状物の粘度が著しく高くなり、使
用に供せない場合があるので好ましくない。一方、ポリ
エステル樹脂の含有率が1重量%未満の場合には、樹脂
量が不足してガラス繊維を十分に固着できない場合があ
るので好ましくない。
【0026】[(B)成分:塩基性化合物]本発明のポリ
エステル樹脂水性溶液において、塩基性化合物は、ポリ
エステル樹脂を水性化させる際に、ポリエステル樹脂を
中和させるための成分として必要である。本発明におい
ては上記の中和反応、すなわち塩基性化合物とポリエス
テル樹脂中の親水基であるカルボキシル基との中和反応
が水性化の起動力であり、しかも中和反応で生成したカ
ルボキシルアニオン間の電気反発力によって、ポリエス
テル樹脂分子鎖間の凝集を防ぐことができる。塩基性化
合物としては、被膜形成時、あるいは硬化剤を配合して
の焼付硬化時に揮散する化合物が好ましい。
【0027】そのような塩基性化合物としては、沸点の
低いアンモニアや有機アミン化合物が挙げられ、有機ア
ミン化合物の沸点としては、250℃以下であることが
好ましい。また、水と共沸可能なものが特に好ましい。
本発明に好ましく用いられる塩基性化合物を具体的に例
示すれば、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミ
ン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジプロピル
アミン、ジイソプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチ
ルアミン、イソブチルアミン、ジイソブチルアミン、t
ert−ブチルアミン、ペンチルアミン、N,N−ジエ
チルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールア
ミン、N−メチル−N−エタノールアミン、アミノエタ
ノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミ
ン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、
エチルアミン、ジエチルアミン、3−エトキシプロピル
アミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、sec−
ブチルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロピル
アミン、ジメチルアミノプロピルアミン、メチルイミノ
ビスプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、モ
ノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミン、プロピレンジアミン、ピペリジン、モルホ
リン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等
が挙げられる。なお、塩基性化合物としては、単一で
も、また複数の種類のものを混合して用いてもよい。
【0028】本発明のほつれ防止用固着剤における塩基
性化合物の含有率としては、ポリエステル樹脂中に含ま
れるカルボキシル基の量に応じて、少なくともこれを部
分中和し得る量、すなわち、カルボキシル基に対して
0.4〜1.8倍当量であることが好ましく、0.6〜
1.5倍当量がより好ましい。0.4倍当量未満では塩
基性化合物添加の効果が認められず、一方1.8倍当量
を超えると、水性液状物が著しく増粘する場合があるの
で好ましくない。なお、ここで言う塩基性化合物の含有
率としては、上記の中和反応によってカルボン酸塩を生
成するのに消費された分も含めて計算された値とする。
すなわち、水性液状物を得る際に添加された塩基性化合
物の添加量から計算された値とする。
【0029】[(C)成分:有機溶剤]本発明のほつれ防
止用固着剤においては、ポリエステル樹脂の水性化を達
成させ、かつ得られた水性液状物に優れた貯蔵安定性を
付与し、さらにガラス繊維織物に対する十分な濡れ性を
発現させる成分として、有機溶剤が含有されており、そ
の有機溶剤としては、ケトン、アルコール、又は、1個
以上の水酸基を有するグリコール類から選ばれ、炭素が
直接3個以上結合した構造を有することが必要である。
有機溶剤が、ケトン基やアルコール及びグリコール類の
有するアルコール性水酸基のような強力な親水基を有し
ない場合には、水性化に多量の有機溶剤を必要とするば
かりでなく、ガラス繊維織物に対する濡れ性が不足す
る。また、炭素が直接3個以上結合した構造を有しない
場合には、水性化に多量の有機溶剤を必要とするばかり
でなく、得られた水性液状物の貯蔵安定性が低下する。
【0030】さらに、上記の有機溶剤としては、両親媒
性の有機溶剤が好ましい。ここで、両親媒性の有機溶剤
とは、20℃での水に対する溶解性が5g/L以上の有
機溶剤を言う。20℃での水に対する溶解性としては、
10g/L以上が好ましく、この溶解性が5g/L未満
では、水性化の速度が遅くなり、得られる水性液状物の
貯蔵安定性も低下して貯蔵中にポリエステル樹脂の析
出、相分離や沈殿が発生する場合があるので好ましくな
い。
【0031】また、有機溶剤としては、ほつれ防止用固
着剤から樹脂被膜を形成してこれを乾燥する際に速やか
に蒸発し、ポリエステル樹脂被膜における有機溶剤の残
存量が少なくなることが望ましい点から、有機溶剤の沸
点としては、250℃以下が好ましく、200℃以下が
より好ましく、160℃以下が特に好ましい。さらに言
えば、毒性、爆発性や引火性の低い有機溶剤が好まし
い。
【0032】本発明のほつれ防止用固着剤における
(C)成分である有機溶剤の重量比率としては、上記し
た(A)成分と(B)成分、及び(D)成分である水と
の関係において、下記数式[I]に示される範囲にあり、
好ましくは下記数式[II]に示される範囲にあり、より好
ましくは下記数式[III]に示される範囲にある。下記数
式[I]に示される範囲より(C)成分の比率が小さい
と、水性液状物のガラス繊維織物への濡れ性が不足し、
被膜形成能が劣る。一方、(C)成分の比率が大きすぎ
ると、水性という本来の目的に合致しないだけでなく、
液状物が異常に増粘したり、貯蔵安定性が劣ったり、樹
脂被膜から有機溶剤が十分に揮発され難くなる。
【0033】
【数3】
【0034】本発明に用いられる(C)成分である有機
溶剤の具体例を示せば、ケトンとしては、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケト
ン、シクロヘキサノン、イソホロン等が挙げられ、アル
コールとしては、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノ
ール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、
イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、t
ert−アミルアルコール、1−エチル−1−プロパノ
ール、2−メチル−1−ブタノール、n−ヘキサノー
ル、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキ
シブタノール、シクロヘキサノール等が挙げられ、グリ
コール類としては、エチレングリコールモノプロピルエ
ーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレン
グリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール
モノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチ
ルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレング
リコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール
モノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロ
ピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエー
テル等が挙げられる。これらの有機溶剤は単一で用いて
もよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0035】なお、有機溶剤としては、本発明の目的を
損なわない範囲で、上記した(C)成分以外の有機溶剤
が含有されていてもよい。そのような有機溶剤として
は、両親媒性の有機溶剤であることが好ましく、具体例
としては、メタノールやエタノール等のアルコール類、
テトラヒドロフランやジオキサン等のエーテル類、酢酸
エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸
−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチ
ル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピオン酸メチル、
プロピオン酸エチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等の
エステル類、エチレングリコール、エチレングリコール
モノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエ
ーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテー
ト、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテー
ト、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等
のグリコール類、さらには、アセトニトリル、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジアセトンアル
コール、アセト酢酸エチル等が挙げられる。これらの有
機溶剤のうち、特に低沸点のものを含有させることによ
って、被膜形成時の乾燥速度を向上させることができ
る。
【0036】次に、上記の(A)、(B)、(C)成分
と(D)成分である水とからポリエステル樹脂の水性液
状物を製造する方法について説明する。本発明における
ポリエステル樹脂の水性液状物を製造する方法として
は、当業者等に広く知られた方法を採用することができ
るが、以下の製造方法は特殊な設備や煩雑な操作を要せ
ずに容易に、しかも経済的に行えるうえ、水性液状物の
特性を制御し易いという特長を有しており、本発明にお
いて好ましく用いられる。また、この好ましい方法にお
いては、比較的粗大な粒状のポリエステル樹脂を用いて
行っても水性液状物を得ることができ、この方法に用い
るポリエステル樹脂粉末ないし粒状物(以下、樹脂粒子
と記す)の大きさを立方体形状に換算した一辺の長さと
しては、8mm以下が好ましく、1〜5mmがより好ま
しく、1.5〜3mmが特に好ましい。
【0037】上記の好ましい方法は、樹脂粒子を室温付
近で水性媒体に混合・粗分散させる分散工程と、これを
撹拌しながら決められた温度まで加熱する加熱工程と、
ポリエステル樹脂のガラス転移温度又は60℃のうちの
高い方の温度〜90℃で所定の条件で撹拌する水性化工
程と、これを40℃以下まで冷却する冷却工程という4
工程から構成されており、これらの工程が連続で実施さ
れる。ここで、水性媒体とは、水又は、水と上記の塩基
性化合物もしくは有機溶剤とからなる混合物をいう。な
お、上記の4工程において、(A)成分(ポリエステル
樹脂)は、分散工程が終了するまでにその全量が系に配
合されていることが望ましいが、(B)成分(塩基性化
合物)及び(C)成分(有機溶剤)は、分散工程、加熱
工程又は水性化工程のいずれかの工程で配合すればよ
い。また、有機溶剤は、沸点が100℃以下か又は水と
共沸可能であれば、水性化工程中あるいはそれに続く工
程で容易に系外に除去(ストリッピング)することがで
きるので、本発明において水性液状物を製造する際に
は、過剰量の有機溶剤を配合しておいて、後でストリッ
ピングして適正量に調整するという方法で行ってもよ
い。
【0038】上記の4工程を行うための装置としては、
液体を投入できる槽を備え、槽内に投入された水性媒体
と樹脂粒子との混合物を適度に撹拌でき、槽内を60〜
90℃に加熱できればよく、固/液撹拌装置や乳化機と
して広く当業者に知られている装置を使用することがで
きる。そのような具体的な装置としては、プロペラミキ
サー、タービンミキサーのような一軸の撹拌機、タービ
ン・ステータ型高速回転式撹拌機(特殊機化工業製、
「T.K.Homo−Mixer」「T.K.Homo
−Jettor」、IKA−MASCHINENBAU
社製、「Ultra−Turrax」等)、高速剪断型
ミキサと槽壁面を掻き取るスクレーパ付き低速摺動型の
混練パドルやアンカーミキサを併用した複合型撹拌機
(特殊機化工業製、「T.K.Agi−Homo−Mi
xer」、「T.K.Combimix」等)を例示す
ることができる。装置の方式としては、バッチ式であっ
てもよく、原料投入と処理物の取り出しを連続で行うよ
うな連続生産式のものであってもよい。また、装置の槽
としては、密閉できる形式のものが好ましいが、使用す
る有機溶剤の沸点が100℃以上であれば開放型のもの
であっても作業に支障を生じることはない。
【0039】以下に、上記の4工程を各工程別により詳
細に説明する。 [分散工程]分散工程は、ポリエステル樹脂の塊状化を防
ぐ目的で実施される。水性媒体中に投入された樹脂粒子
は、無撹拌、あるいは撹拌速度が十分でない状態でガラ
ス転移温度以上に加熱されると、樹脂粒子同士が互いに
接着して塊状となり、この塊状化が起こった場合には、
後で高速撹拌しても水性化は困難になる。
【0040】この分散工程は、通常、室温下での撹拌に
よって行われるが、次工程である加熱工程に長時間を要
する場合には、槽内を加熱しながら分散工程を実施して
もよい。ただし、下記の完全浮遊状態に達する以前に槽
内を加熱すると上記の塊状化が起こる場合があるので、
槽内温度が40℃に達するまでに樹脂粒子が水性媒体中
に下記の完全浮遊状態で分散していることが望まれ、し
たがって(A)成分であるポリエステル樹脂は、分散工
程が終了するまでにその全量が槽内に投入されているこ
とが望ましい。分散工程の終点、すなわち、樹脂粒子が
完全浮遊状態で分散している状態とは、T.N.Zwi
etering(Chemical Engineer
ingScience,8巻,244頁,1958年)
が定義した完全浮遊状態、すなわち、一個の粒子といえ
ども槽底に1〜2秒以上留まっていることがない状態の
ことであり、槽内はこの完全浮遊状態を達成する完全浮
遊撹拌速度(NJS)以上で撹拌されることが望ましい。
なお、NJSは、使用する撹拌羽根の種類、大きさや槽内
の位置、ポリエステル樹脂の投入量やその形状等の多数
の因子によって左右されるが、槽内の撹拌状態は通常目
視によって簡単に判断できるので、実際の処理装置を用
いた試験によって決定すればよい。また、槽内の撹拌速
度をNJSよりもさらに高くしていくと、ある速度NSA
上で自由表面からの気体の巻き込みが始まる。この気体
巻き込み現象は、市販の消泡剤を用いれば解消あるいは
低減されるが、槽内の撹拌速度としては、NJS〜N SA
範囲とするのが好ましい。槽内が分散工程の終点に達し
たならば、この状態を保って次の加熱工程に移る。
【0041】[加熱工程]加熱工程は、これに続く水性
化工程に要する温度に槽内を加熱する工程であり、槽内
に有機溶剤及び塩基性化合物が存在しておれば、この工
程で既に水性化は始まっている。ただし、その速度は十
分でないため、できるだけ短時間で槽内が所定の温度に
達するように加熱することが好ましい。槽内を加熱する
方法としては、槽壁にジャケットを備え付けるか、槽内
に螺旋コイル管を挿入するか、又は両者を併用する方法
がある。本発明においてはいずれの方法も採用できる
が、加熱工程に要する時間を短縮し、しかも、槽内温度
を均一かつ精度良く制御できる方法が望ましい。なお、
この加熱工程中に系の粘度が異常に増加する場合がある
が、そのような場合には、次の水性化工程において上記
の有機溶剤又は塩基性化合物のいずれかを槽内に投入す
ることでこの問題を解決できる。
【0042】[水性化工程]上記の加熱工程によって槽
内温度がポリエステル樹脂のガラス転移温度又は60℃
のうちの高い方の温度に到達した時点をもって、水性化
工程に移行したとみなす。水性化は低温でも進行する
が、上記の到達温度以上に槽内を加熱することにより驚
くほどの速さで進行するようになるという事実に加え、
低温で処理を行った場合には、系が異常に増粘して実質
的に槽内を撹拌できなくなることがあるので、水性化工
程は上記の温度条件で行われる。このとき、槽内温度が
90℃を超えると水の蒸発が著しくなり、溶解した樹脂
が析出したり、分散した樹脂が凝集する場合があるの
で、槽内温度は90℃以下に制御することが好ましい。
【0043】また、水性化工程では、系の粘度が幾分か
は上昇するため、上記NSAよりも高い撹拌速度N'SA
自由表面からの気体の巻き込みが始まる。したがって、
攪拌速度としては、NJS〜N'SAの範囲内とすることが
好ましい。撹拌速度がNJS未満では、水性化が進行して
いる樹脂粒子の表面が速やかに更新され難く、水性化に
長時間を要することになり、一方、N'SAを超えても、
発泡という作業性の問題だけでなく、気体の巻き込みに
より樹脂と水性媒体との接触面積が減少し、水性化工程
に長時間を要することになるので好ましくない。
【0044】水性化工程は、上記の好ましい条件によっ
て行えば、通常10〜150分間程度で終了でき、その
時点では、通常、目視や指触により樹脂粒子は確認され
ない状態であることが好ましい。このとき、比較的粗大
な樹脂粒子の残存量が多い状態、具体的には、系を代表
するサンプルにおいて635メッシュ、線径0.020
mm、平織りのステンレス製フィルターを用いた加圧濾
過(空気圧0.2MPa)でフィルター上に残存する樹
脂粒子の固形分重量が仕込んだポリエステル樹脂の重量
に対して3%を超える場合には、この比較的粗大な樹脂
粒子を除去した水性液状物においても、貯蔵安定性に劣
る傾向があるので好ましくない。なお、上記の残存量が
3%以下の場合には、上記の濾過等により比較的粗大な
樹脂粒子を除去すれば、良好な水性液状物を得ることが
できる。また、水性化工程を過度に長時間行うと、耐加
水分解性に優れたポリエステル樹脂でも加水分解を受け
る場合があるので、通常は150分間程度以下で終了さ
せることが望ましい。上記の水性化工程が終点に達した
後は、次の冷却工程に移行するが、その前に有機溶剤の
系外への除去(ストリッピング)を行ってもよい。
【0045】[冷却工程]この工程は、上記で得られた水
性液状物を室温付近まで冷却するための工程であり、自
然冷却してもよいし、上記したジャケットやコイル管に
冷媒を通して強制冷却してもよい。その際には、水性液
状物表面の水が蒸発して固形分濃度の高い被膜を形成す
るという皮張り現象を防ぐために、また、水性液状物は
高温ほど貯蔵安定性に劣る傾向にある点から、水性液状
物が40℃以下に冷却されるまでは撹拌することが好ま
しい。このときの撹拌速度としては、上記の目的を達す
るためのものであればよいが、NJS以下とするのが好ま
しい。以上のようにして、ポリエステル樹脂の水性液状
物を製造することができる。
【0046】次に、本発明のほつれ防止用固着剤の特性
について説明する。本発明のほつれ防止用固着剤として
は、上記のようにして得られたポリエステル樹脂の水性
液状物をそのまま使用してもよいし、さらにこれを水や
有機溶剤で希釈して使用してもよく、あるいは、必要に
応じて硬化剤、顔料、染料、他の水性樹脂や各種の薬剤
等を他成分として添加したものであってもよい。上記の
硬化剤の例としては、フェノール樹脂、アミノプラスト
樹脂、多官能エポキシ化合物、多官能イソシアネート化
合物及びその各種ブロックイソシアネート化合物、多官
能アジリジン化合物等を挙げることができる。反応触媒
や促進剤も必要に応じて併用することができる。また、
他の水性樹脂としては、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、
エポキシ樹脂、アクリル樹脂、変性オレフィン樹脂、セ
ルロース誘導体等があげられ、これらの水溶液又は水分
散体を使用することができる。また、薬剤の例としては
ハジキ防止剤、レベリング剤、消泡剤、ワキ防止剤、レ
オロジーコントロール剤、顔料分散剤、滑剤、防腐剤、
防錆剤等を挙げることができる。また、ガラス繊維織物
への接着性を向上させる目的で、シラン系やチタネート
系のカップリング剤も添加することができる。
【0047】上記の水性液状物においては、水性媒体中
にポリエステル樹脂の粒子が分散しているか、もしくは
溶解しており、外観上、水性液状物中に沈澱や層分離、
あるいは皮張りといった、樹脂濃度が局部的に他の部分
と相違する部分が見いだされない状態にあることが好ま
しい。また、ほつれ防止用固着剤のガラス繊維織物への
浸透性を高める点において、水性媒体中に分散している
ポリエステル樹脂粒子の大きさとしては、後述する方法
で測定される水性液状物の光線透過率を指標とすれば、
この光線透過率としては、3%以上が好ましい。なお、
水性液状物に(A)〜(D)成分以外の光線透過率を低
減させる顔料や染料等の他成分が添加されている場合の
光線透過率としては、3%未満であってもよい。
【0048】本発明のほつれ防止用固着剤は、被膜形成
能に優れており、ガラス繊維織物に少量を塗布又は含浸
させて乾燥させることにより、耐溶剤性に優れたポリエ
ステル樹脂被膜を形成してガラス繊維を固着することが
できる。
【0049】次に、本発明のほつれ防止用固着剤の使用
方法並びに、これによって得られるほつれ防止がなされ
たガラス繊維織物について説明する。本発明のほつれ防
止用固着剤は、各種のガラス繊維織物に使用することが
でき、ガラス繊維織物としては、ガラス繊維の成分組
成、経糸と緯糸の単位長さ当りの本数、厚さ、坪量、織
り組織等によって制限されるものではない。また、ガラ
ス繊維織物としては、製織されたままの生機、製織後脱
脂処理されたもの、さらにシランカップリング剤等によ
る表面処理がなされたもののいずれでもよい。このと
き、脱脂処理としてヒートクリーニングを行う場合に
は、ヒートクリーニング後にほつれ防止用固着剤を使用
する。
【0050】ほつれ防止用固着剤をガラス繊維織物に塗
布する際には、ガラス繊維織物において所望の幅を得る
ために切断したい場所や、両端部に存在する房耳等の不
要な部位を除去するために切断したい場所を中心とし
て、切断方向に沿って帯状に連続的に塗布するのが望ま
しい。ここで、ほつれ防止用固着剤をガラス繊維織物に
塗布する方法としては、ディップコート法、はけ塗り
法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコー
ト法、カーテンフローコート法、各種印刷法等が適用で
きる。また、塗布する幅としては、通常5〜15mm程
度が適当であり、特に8〜12mmが好ましい。
【0051】上記のような方法で塗布した後に乾燥させ
ることによって、ほつれ防止用固着剤に含まれていた塩
基性化合物、有機溶剤及び水を揮発させて、ガラス繊維
織物上及びその内部にポリエステル樹脂被膜を形成させ
る。ここで、乾燥させる手段としては、例えば熱風によ
る乾燥、赤外線による乾燥、マイクロ波による乾燥等、
従来から公知の各種の方法を用いればよい。また、乾燥
時の温度、時間、気圧等の乾燥条件としては、揮発分を
除去して樹脂被膜を形成できる条件であれば特に制限さ
れないが、樹脂被膜をより強固にする目的で硬化剤等を
添加した場合には、目的とした硬化が達成される条件で
行うことが望ましい。
【0052】なお、ほつれ防止用固着剤の使用量として
は、上記のようにして形成させた樹脂被膜のガラス繊維
織物への付着量が、樹脂被膜を付着させた部分の面積の
ガラス繊維織物の重量(付着前)に対して、1〜10重
量%、特に1.5〜7.5重量%となる量とすることが
好ましい。上記の付着量が10重量%を超えると、樹脂
被膜を付着させた部分の厚みが大きく増してしまい、一
方、付着量が1重量%未満ではガラス繊維を十分に固着
できない場合があるので好ましくない。
【0053】上記のようにして樹脂被膜を形成させた後
は、通常、樹脂被膜を形成させた部分の中心を切断す
る。この場合の切断方法も特に制限されるものではな
い。以上のようにして、本発明のほつれ防止用固着剤が
塗布され乾燥されてなる被膜を両側部に有する、ほつれ
防止がなされたガラス繊維織物を得ることができる。
【0054】
【実施例】以下に実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。なお、各種の特性については、以下の方法によって
分析、測定又は評価した。
【0055】(1)ポリエステル樹脂の構成1 H−NMR分析(バリアン社製,300MHz)によ
り、構成成分を分析した。また、1H−NMRスペクト
ル上に帰属・定量可能なピークが認められない構成モノ
マーを含む樹脂については、封管中230℃で3時間メ
タノール分解を行った後に、ガスクロマトグラム分析に
供し、定量分析を行った。
【0056】(2)ポリエステル樹脂の重量平均分子
量、相対粘度 重量平均分子量は、GPC分析(島津製作所製の送液ユ
ニットLC−10ADvp型及び紫外−可視分光光度計
SPD−6AV型を使用、検出波長:254nm、溶
媒:テトラヒドロフラン、ポリスチレン換算)により求
めた。なお、樹脂がテトラヒドロフランに溶解せずGP
C分析ができない場合には、相対粘度を測定した。相対
粘度は、フェノールと1,1,2,2−テトラクロロエ
タンとの等重量混合溶媒にポリエステル樹脂を1重量%
の濃度で溶解し、ウベローデ粘度管を用いて20℃で測
定した。
【0057】(3)ポリエステル樹脂の酸価 ポリエステル樹脂1gを50mlのジオキサン/水=9
/1(容積比)混合溶媒に完全に溶解し、フェノールフ
タレインを指示薬としてKOHで滴定を行い、中和に消
費されたKOHのmg数を酸価として求めた。
【0058】(4)ポリエステル樹脂のガラス転移温度 ポリエステル樹脂10mgをサンプルとし、DSC(示
差走査熱量測定)装置(パーキンエルマー社製 DSC
7)を用いて昇温速度10℃/分の条件で測定を行い、
得られた昇温曲線中のガラス転移に由来する2つの折曲
点の温度の中間値を求め、これをガラス転移温度とし
た。
【0059】(5)ほつれ防止用固着剤の固形分濃度 ほつれ防止用固着剤を適量秤量し、これを温度220℃
で残存物(固形分)の重量が恒量に達するまで加熱し、
固形分濃度を求めた。
【0060】(6)ほつれ防止用固着剤の光線透過率 セル長0.2cmの石英製セルに入れ、波長750nm
の光に対する温度25℃での光透過率を測定した。この
ときのブランクとしては蒸留水を用いた。
【0061】(7)ほつれ防止用固着剤の粘度 二重円筒型の回転粘度計(レオメトリック・サイエンテ
ィフィック・F・E社製、ストレスレオメータSR−2
00)を用い、せん断速度10sec-1、30℃での粘
度を測定した。このとき、回転を始めて定常状態になっ
た時点での粘度を測定値とした。
【0062】(8)樹脂被膜の耐ブロッキング性 下記の実施例及び比較例で得られた両側に樹脂被膜を有
する1m幅のガラスクロスを1m長さに切断したものを
同方向に揃えて(樹脂被膜部分どうしが接するように)
50枚積み重ね、その上から重量50kg、1辺1.1
mの正方形の鉄板を乗せて重しをかけた。そして、この
状態で40℃、相対湿度が80%の雰囲気下で48時間
貯蔵し、室温(約25℃)に戻して重しを外した後に1
枚ずつ手で剥がしてゆき、その剥がし易さを以下の基準
により評価して耐ブロッキング性の指標とした。 ○:抵抗なく全てを剥がすことができる。 △:抵抗あるが、全てを損傷無く剥がすことができる。 ×:剥がせないか、剥がそうとすると樹脂被膜が損傷を
受ける。
【0063】(9)ほつれ防止用固着剤のガラス繊維織
物への浸透性 下記の実施例及び比較例で得られた両側に樹脂被膜を有
するガラスクロスについて、樹脂被膜を設けた部分の断
面(塗布部の中央部をカッターで切断した断面)の蛍光
顕微鏡写真(倍率400倍)を撮影して観察し、固着剤
のガラスクロス内部への浸透性を以下の基準により評価
した。 ○:浸透部分が断面積の9割以上である。 △:浸透部分が断面積の5割以上9割未満である。 ×:浸透部分が断面積の5割未満である。
【0064】(10)ガラス繊維を固着する性能 下記の実施例及び比較例で得られた両側に樹脂被膜を有
するガラスクロスから、樹脂被膜を設けた部分を一方の
長辺とする50mm×30mmの長方形に切り出したも
のを測定用サンプルとして、図1に示すように、経糸の
方向が引張り方向と垂直となるようにして、樹脂被膜を
有する部分の最も端部にある経糸(繊維束)をフックに
引っかけて引張り、この経糸を引き剥がすのに要した力
を測定した。なお、測定は引っ張り試験機(島津製作所
製オートグラフ)を用いて引っ張り速度1.0mm/m
inて行い、各10点のサンプルについて測定して求め
た平均値を固着力として表示した。
【0065】(11)樹脂被膜の耐溶剤性 下記の実施例及び比較例で得られた両側に樹脂被膜を有
するガラスクロスについて、樹脂被膜を設けた部分を各
種の有機溶剤中に室温下(約25℃)で20分間浸漬し
た後の樹脂被膜の外観を観察し、以下の基準により評価
して耐溶剤性の指標とした。 ○:外観変化無し。 △:膨潤している。 ×:溶解している。
【0066】また、実施例及び比較例で用いたポリエス
テル樹脂は、下記のようにして得られた。 [ポリエステル樹脂A−1〜A−5及びA−7〜A−1
0の製造]テレフタル酸1,578g、イソフタル酸8
3g、エチレングリコール372g、ネオペンチルグリ
コール470g、1,4−ブタンジオール162gをそ
れぞれ用意し、これらを混合して、オートクレーブ中に
おいて260℃で2.5時間加熱してエステル化反応を
行った。次いで触媒としてのテトラ−n−ブチルチタネ
ートを0.88g添加し、系の圧力を徐々に減じて1時
間後に0.1Torrとした。この条件下でさらに重縮
合反応を続け、1.5時間後に系を窒素ガスで常圧に
し、系の温度を下げて250℃になったところでイソフ
タル酸33.2gと無水トリメリット酸38.4gとを
添加し、245℃で35分間撹拌した後、窒素ガスで加
圧状態にしておいて、シート状に樹脂を払い出した。そ
してこれを室温まで十分に冷却した後、クラッシャーで
粉砕し、篩を用いて目開き1〜6mmの分画を採取し、
粒状のポリエステル樹脂A−1として得た。同様の方法
で、酸成分とアルコール成分の構成が下記表1に示され
る条件となるようにして、ポリエステル樹脂A−2〜A
−5及びA−7〜A−10を得た。このとき、ポリエス
テル樹脂A−10の製造においては、上記の245℃で
攪拌する時間を20分間とした。
【0067】[ポリエステル樹脂A−6,A−11の製
造]テレフタル酸1,329g、イソフタル酸166
g、アジピン酸146g、エチレングリコール443
g、ネオペンチルグリコール417gをそれぞれ用意
し、これらを混合して、オートクレーブ中において26
0℃で2.5時間加熱してエステル化反応を行った。次
いで二酸化ゲルマニウム0.265gを添加し、系の温
度を30分で280℃に昇温してから、系の圧力を徐々
に減じて1時間後に0.1Torrとした。この条件下
でさらに重縮合反応を続け、1.7時間後に系を窒素ガ
スで常圧に戻し、系の温度を下げて255℃になったと
ころでトリメリット酸42gを添加し、250℃で10
分間攪拌を続けて第1段階の解重合を行った。そして、
さらに系を220℃まで降温し、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシエトキシフェニル)プロパン63.3gを添加
して、この温度で50分間攪拌して第2段階の解重合反
応を行った。その後、上記のポリエステル樹脂A−1を
得た場合と同様に、シート状に払い出した樹脂を粉砕、
分画・採取して、粒状のポリエステル樹脂A−6を得
た。また、上記の第1段階の解重合を行う際にトリメリ
ット酸42gを添加する代わりにイソフタル酸29.9
gを添加する以外は上記のポリエステル樹脂A−6を得
たのと同様にして、粒状のポリエステル樹脂A−11を
得た。
【0068】[ポリエステル樹脂A−12の製造]ポリブ
チレンテレフタレート(三菱エンジニアリングプラスチ
ック(株)製、ノヴァドール5009AS)1,320
g、テレフタル酸332g、アジピン酸300g、5−
ナトリウムスルホイソフタル酸のエチレングリコールジ
エステル71.3g、エチレングリコール342gを用
意し、これらを混合して、オートクレーブ中で250℃
で2.5時間加熱してエステル化反応を行った。次いで
触媒としてのテトラ−n−ブチルチタネートを0.68
1g添加し、系の圧力を徐々に減じて1時間後に0.1
Torrとした。この条件下でさらに重縮合反応を続
け、1.5時間後に系を窒素ガスで常圧にし、系の温度
を下げて250℃になったところでイソフタル酸33.
2gと無水トリメリット酸19.2gとを添加し、24
5℃で35分撹拌した。その後、上記のポリエステル樹
脂A−1を得た場合と同様に、シート状に払い出した樹
脂を粉砕、分画・採取して、粒状のポリエステル樹脂A
−12を得た。
【0069】上記のようにして得られたそれぞれのポリ
エステル樹脂の特性を調べた結果について、下記表1に
示す。なお、これらのポリエステル樹脂のうち、本発明
におけるポリエステル樹脂としての要件を満たすもの
は、A−1〜A−6、及びA−12であった。また、ポ
リエステル樹脂A−1、A−4、A−10及びA−12
については、テトラヒドロフランに溶解しなかったた
め、重量平均分子量を測定することができなかった。
【0070】
【表1】
【0071】実施例1 ジャケット付きの5Lガラス容器を備え、しかも装着時
にはこれが密閉状態となる複合型撹拌機(特殊機化工業
製「T.K.Combimix 3M−5」)を用い
て、ガラス容器内に蒸留水を1840g、エチレングリ
コール−n−ブチルエーテル(以下、EG−Buと略記
する)を150g、メチルエチルケトンを300g、ポ
リエステル樹脂A−1を600g、そしてN,N−ジメ
チルエタノールアミン(以下、DMEAと略記する)を
31.2g(ポリエステル樹脂A−1中の全カルボキシ
ル基に対して1.2倍当量に相当)投入し、高速剪断型
の撹拌翼(ホモディスパー)の回転数を6,000rp
m、アンカーミキサーの回転数を15rpmとして撹拌
したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱が認められ
ず、完全浮遊状態となっていることが確認された。そこ
でこの状態を保ちつつ、10分後にジャケットに熱水を
通して加熱した。そして系内温度が65℃に達したとこ
ろでホモディスパーの回転数を7,000rpmに上
げ、この10分後には系内温度が70℃を超えた。そこ
で系内温度を70〜73℃に保ってさらに20分間撹拌
した後、ジャケット内に冷水を通し、ホモディスパーの
回転数を3,000rpmに下げて攪拌しつつ室温付近
(約25℃)まで冷却した。このようにして調製した乳
白色のポリエステル樹脂水分散体を、635メッシュの
ステンレス製フィルター(線径0.020mm、平織)
を用いて加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、この濾過
液をほつれ防止用固着剤とした。なお、上記の加圧濾過
をした後のフィルター上には、固形分の残存は認められ
なかった。
【0072】エアージェット織機で製織した坪量210
g/m2のガラスクロス(ユニチカグラスファイバー社
製、E18S)をヒートクリーニングし、シランカップ
リング剤で表面処理した後、両方の房耳部の内側に、上
記で得られたほつれ防止用固着剤をロールコーターで幅
10mmに連続的に塗布した。このとき、塗布部の面積
100cm2あたりの固着剤の固形分重量が0.1gと
なるように、塗布量を調節した。そして、熱風乾燥機で
180℃、1分間加熱して乾燥した後、2個所の塗布部
のそれぞれ中央部をカッターで切断して房耳部を除去す
ることにより、両側部に樹脂被膜を有する、ほつれ防止
がなされた1m幅のガラスクロスを得た。このようにし
て得られたほつれ防止がなされたガラスクロスにおい
て、樹脂被膜を有する部分の厚みは、その他の部分の厚
みと同等であった。
【0073】実施例2〜11 ポリエステル樹脂、塩基性化合物及び有機溶剤の種類や
仕込み量を変化させて、下記表2に示す仕込み条件とし
て、上記の実施例1と同様の操作によって、実施例1〜
8及び11では乳白色のポリエステル樹脂水分散体を、
実施例9,10では淡黄色のポリエステル樹脂水性溶液
を調製した。次いで、上記の実施例1と同様の加圧濾過
を行い、濾過液をほつれ防止用固着剤とした。なお、実
施例2〜11の全てにおいて、上記の加圧濾過をした後
のフィルター上には、固形分の残存は認められなかった
さらに、上記で得られたほつれ防止用固着剤を用いて、
実施例1と同様にして、両側部に樹脂被膜を有する、ほ
つれ防止がなされた1m幅のガラスクロスを得た。この
ようにして実施例2〜11で得られたほつれ防止がなさ
れたガラスクロスにおいても、樹脂被膜を有する部分の
厚みは、その他の部分の厚みと同等であった。
【0074】比較例1〜6 ポリエステル樹脂、塩基性化合物及び有機溶剤の種類や
仕込み量を変化させて、下記表2に示す仕込み条件とし
て、上記の実施例1と同様の操作によって、乳白色のポ
リエステル樹脂水分散体を調製し、これを加圧濾過した
濾過液をほつれ防止用固着剤とした。なお、比較例1〜
4において、上記の加圧濾過をした後のフィルター上に
は、固形分の残存は認められなかったが、比較例5及び
比較例6においてはフィルター上に固形分の残存が認め
られ、その乾燥重量はそれぞれ80g及び35gであっ
た。さらに、上記で得られたほつれ防止用固着剤を用い
て、実施例1と同様にして、両側部に樹脂被膜を有する
1m幅のガラスクロスを得た。
【0075】なお、上記の実施例1〜11及び比較例1
〜6における水分散体又は水性溶液を調製する際の仕込
み条件を、下記表2に示す。また、ほつれ防止用固着剤
の特性を調べた結果を下記表3に示す。
【0076】
【表2】
【0077】
【表3】
【0078】実施例12〜15 卓上型のホモミキサー(特殊機化工業製「T.K.ロボ
ミックス」)を用いて、実施例1において調製したポリ
エステル樹脂水分散体700gに、蒸留水300gを撹
拌下に加えて混合し、さらに室温下、3000rpmで
30分間撹拌することにより調製した混合液を調整し、
これに上記の実施例1と同様の加圧濾過を施してほつれ
防止用固着剤とした。同様の操作により、実施例2、3
及び8において調製したポリエステル樹脂水分散体と蒸
留水、イソプロパノール又はポリウレタン樹脂水分散体
(旭電化工業製、アデカボンタイターHUX380、固
形分濃度38%)とを、下記表4に示す重量比で混合し
た混合液を調製し、加圧濾過を施してほつれ防止用固着
剤とした。なお、実施例12〜15の全てにおいて、上
記の加圧濾過をした後のフィルター上には、固形分の残
存は認められなかったさらに、上記で得られたほつれ防
止用固着剤を用いて、実施例1と同様にして、両側部に
樹脂被膜を有する、ほつれ防止がなされた1m幅のガラ
スクロスを得た。このようにして実施例12〜15で得
られたほつれ防止がなされたガラスクロスにおいて、樹
脂被膜を有する部分の厚みは、その他の部分の厚みと同
等であった。
【0079】比較例7 上記の実施例12と同様の操作により、実施例7におい
て調製したポリエステル樹脂水分散体300gと蒸留水
700gとを混合した混合液を調製し、これに上記と同
様の加圧濾過を施してほつれ防止用固着剤とした。な
お、上記の加圧濾過をした後のフィルター上には、固形
分の残存は認められなかった。さらに、上記で得られた
ほつれ防止用固着剤を用いて、実施例1と同様の方法で
ガラスクロスへの塗布及び乾燥を行った。しかしなが
ら、このほつれ防止用固着剤においては、(C)成分で
ある有機溶剤の重量比率が上記した数式[I]に示される
範囲より小さかったため、ガラスクロスに対する濡れ性
が悪く、均一な被膜を形成することができなかった。
【0080】なお、上記の実施例12〜15及び比較例
7における混合液の混合組成を下記表4に示す。また、
ほつれ防止用固着剤の特性を調べた結果を下記表5に示
す。
【0081】
【表4】
【0082】
【表5】
【0083】上記の実施例から、本発明のほつれ防止用
固着剤は、ガラス繊維織物(ガラスクロス)へ浸透し易
く、耐溶剤性に優れたポリエステル樹脂被膜を形成して
ガラス繊維を強力に固着でき、これを用いてほつれ防止
がなされたガラス繊維織物はブロッキングしないことが
わかった。これに対し、比較例1〜4では、ポリエステ
ル樹脂が本発明における(A)成分とは異なるものであ
ったため、樹脂被膜の耐溶剤性に劣り、特に比較例2で
はポリエステル樹脂のガラス転移温度が低いこともあっ
て積み重ねによるブロッキングが生じやすかった。ま
た、比較例5ではポリエステル樹脂の酸価が低いため
に、水分散体中のポリエステル樹脂粒子の粒径が大きな
ものしか得られず、ガラス繊維織物へ浸透し難く、それ
に付随して樹脂被膜の耐溶剤性も劣り、ガラス繊維の固
着力も特に弱かった。さらに、比較例6では、有機溶剤
が本発明における(C)成分とは異なるものしか含まれ
ていなかったため、ガラス繊維織物に対する濡れ性が悪
くて浸透し難く、そのうえ高沸点であったため樹脂被膜
に残存して耐溶剤性を低下させた。
【0084】
【発明の効果】以上のように構成されているので、本発
明のガラス繊維織物のほつれ防止用固着剤は、ガラス繊
維織物への浸透性に優れ、ガラス繊維織物に少量塗布し
て乾燥するだけで耐溶剤性、耐ブロッキング性に優れた
ポリエステル樹脂被膜を形成し、ガラス繊維を強力に固
着して織物切断時のほつれを確実に防止する。しかも、
水性であるため、環境衛生上からも好ましい固着剤であ
り、あらゆる種類及び各種用途のガラス繊維織物に好適
に使用できる。また、本発明のほつれ防止がなされたガ
ラス繊維織物は、ほつれ防止を担う樹脂被膜が上記の優
れた性質を有しているので、樹脂ワニスを含浸させる際
に樹脂被膜が膨潤したりしてほつれ防止機能を失うこと
もなく、ワニス中に溶出することもなく、さらに、巻き
取り時や積み重ね保存する際のブロッキングも生じな
い。したがって、電子回路用基板を始めとする電子、電
気用途や構造材料用途の強化プラスチック製品のプリプ
レグに好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例及び比較例における、ガラス繊
維を固着する性能の評価方法を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 測定用サンプル(ガラスクロス) 2 樹脂被膜 3 経糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白澤 大輔 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 畑 喜代美 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4L033 AA09 AB01 AB05 CA45

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)〜(D)成分からなり、
    (C)成分の重量比率が下記数式[I]に示される範囲に
    あり、ポリエステル樹脂が水性媒体中に分散又は溶解し
    ていることを特徴とするガラス繊維織物のほつれ防止用
    固着剤。 (A)多塩基酸成分と多価アルコール成分とより構成さ
    れ、多塩基酸成分の70モル%以上が芳香族多塩基酸成
    分であり、多価アルコール成分の40モル%以上が炭素
    数2〜4の脂肪族グリコール成分であり、かつ、酸価が
    8〜40mgKOH/gであり、重量平均分子量が1
    2,000以上であるか又は相対粘度が1.24以上で
    あるポリエステル樹脂。 (B)塩基性化合物 (C)ケトン、アルコール、又は、1個以上の水酸基を
    有するグリコール類から選ばれ、炭素が直接3個以上結
    合した構造を有する有機溶剤。 (D)水 【数1】
  2. 【請求項2】 請求項1記載のほつれ防止用固着剤から
    形成されてなる被膜を両側部に有することを特徴とす
    る、ほつれ防止がなされたガラス繊維織物。
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