JP4686059B2 - ガラス繊維織物のほつれ防止固着剤およびほつれが防止されたガラス繊維織物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板の絶縁材として使用されるガラス繊維織物や産業資材として各種用途に供されるガラス繊維織物のほつれ防止固着剤と、かかる防止剤によってほつれ防止加工が施されたガラス繊維織物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、プリント配線板の製造に用いられるガラス繊維織物や、産業資材として各種用途に使用されるガラス繊維織物の大半が、効率的に高品質の製品が得られるエア−ジェット織機などの断片織機を用いて製造されている。このような断片織機によって製造された織物は、シャットル織機などの有杼織機で製造された織物と違い、経糸の間を緯糸が往復することなく、一方向からのみ緯糸を挿入し、挿入するごとに切断されるので、織物端部に切断された緯糸が房状に並んだ、一般に房耳と呼ばれる部位を有するのが大きな特徴であるが、この房耳の部位には下記に示すようないくつかの問題がある。
【0003】
まず第1に、房耳からは一番端の経糸が容易にほつれ出すという問題がある。ガラス繊維織物をプリント配線板用途に供する場合、ガラス繊維織物をエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂ワニスに含浸して乾燥加熱し、熱硬化性樹脂が半硬化状態であるプリプレグとされる。この含浸工程で、房耳を有するガラス繊維織物を用いると、経糸がほつれ出して工程中のロ−ラ−に巻き付くといったトラブルが発生しやすい。
【0004】
第2に、房耳を有するガラス繊維織物をプリプレグとする際に、房耳が過剰のワニスを含浸し、耳高になるという問題がある。ここでいう耳高とは、房耳の部位の厚みが織物の部位の厚みに比べて厚くなっていることで、このような幅方向の厚みが均一でないプリプレグでは、ロ−ル状に巻き取るのが困難なほか、プレス工程で所定の長さに切断してこれを複数枚積み重ねたときに房耳の存在するところが突出して高くなるために均等な圧力で全面を加圧することができない。
【0005】
第3の問題点は、房耳を有するガラス繊維織物で得られたプリプレグの両耳部が、房耳の存在に起因して凸凹になることである。この凸凹があると、プリプレグを所定の長さに切断して複数枚積み重ねるときに端が揃えにくいため、プレス工程の自動化が困難となる。また、端を揃える際の振動や衝撃で、凸凹の房耳部の一部が切損して、複数枚に積み重ねられたプリプレグの間に入り込み、不良品が発生する原因にもなる。
【0006】
上記に示したように、ガラス繊維織物の房耳は数々のトラブルを発生させる原因となることから、通常はこれを切断除去するが、この際、切断したガラス繊維織物の耳部から、一番端の経糸がほつれ出さないようにする加工を同時にほどこしておく必要があり、従来は以下に示すような方法が検討されてきた。
【0007】
まず、レ−ザ−光線によって房耳部を切断除去すると同時にガラス繊維織物の耳部を溶融接着する方法が検討された。しかしながら接着強度が弱いことや、耳部に形成される微少な溶融ガラスの球形物が僅かなしごきによっても落下して熱硬化性樹脂ワニス中に混入してプリプレグの不良が発生する原因になるといった問題があったため、実用されるには至らなかった。
【0008】
また、ホットメルトタイプの接着剤をガラス繊維織物のほつれ防止固着剤として用いる方法も検討されているが、この接着剤を使用して耳部のほつれ防止がなされたガラス繊維織物をプリント配線板の製造に供する場合は、プリプレグ作成時の乾燥加熱によって接着剤が溶融し、耳ほつれが発生するという欠点を有していた。またホットメルトタイプの接着剤は、これを塗布した部位が若干厚くなるため、プリプレグ製造後に所定の長さに切断して複数枚積み重ねると、中央部よりも両端部が高くなる耳高の状態になるといった問題があった。
【0009】
さらに、有機溶剤に溶解したエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などを用いる試みもなされているが、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂ワニスに使用されるメチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、メチルセロソルブ、アセトンといった各種の有機溶剤に対しての耐溶剤性が充分ではなく、プリント配線板用途への使用は好ましくない。
【0010】
また、エポキシ系あるいはフェノ−ル系樹脂などの熱硬化性樹脂をほつれ防止固着剤として使用する方法も検討されている。このほつれ防止固着剤の場合、プリント配線板用途に供する場合でも熱硬化性樹脂ワニスに使用される各種有機溶剤に対しての耐溶剤性は有しているが、ガラス繊維織物に塗布した後に乾燥硬化させるための設備や生産性の点で実用化するにはやや問題があった。
【0011】
これらの問題を解決する方法として、従来は通常、特公平2−23626号公報、特公平7−84706号公報などに記載されているように、共重合ポリエステル樹脂などを塩化メチレン、クロロホルムなどの塩素系有機溶剤に溶解し、ほつれ防止固着剤として使用する方法が採用されていた。この方法によれば、ガラス繊維織物の耳部が強固に固着されるためにほつれを防止する効果が高く、熱硬化性樹脂ワニスに使用される各種有機溶剤に対しての耐溶剤性にも優れ、また塩素系有機溶剤の沸点が低いため容易に乾燥できることから生産性にも優れる。しかし、ここで用いられる塩素系有機溶剤が作業者や作業環境にとって好ましくない溶剤であることは周知である。さらに、万一これらの溶剤が工場や周辺地域の土壌や地下水を汚染した場合には、溶剤の完全回収に莫大な費用がかかるだけでなく、企業の社会的信用が失墜するなどその影響ははかりしれないものがあり、各企業ではこれらの溶剤の使用を抑制または中止することが急務となっている。
【0012】
上記の目的を達成する方法として、本発明者らは光硬化性樹脂からなるガラス繊維織物のほつれ防止固着剤に関する発明を出願した。(特開平8−260340号公報、特開平11−286874号公報) この方法によれば、塩素系溶剤を一切使用しないので作業者や作業環境への悪影響を心配する必要がない。また未硬化で液状の光硬化性樹脂をガラス繊維織物に塗布した後に紫外線を照射することで速やかに硬化させるので、生産性は極めて高い。しかも硬化した後の光硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂ワニスに使用される各種有機溶剤に対する耐溶剤性も優れたものとなる。
【0013】
このような優れた特徴が多くある光硬化性樹脂ではあるが、その一方で、光硬化性樹脂特有の問題もあった。一点目の問題点は、光硬化性樹脂を硬化させる際に紫外線を過度に照射すると、ガラス繊維織物の光硬化性樹脂が塗布されている部位とその近傍の耐熱接着性が損なわれることである。ガラス繊維織物をプリント配線板用途に供する場合、ガラス繊維織物からなる絶縁層とエポキシ樹脂などからなる樹脂層との接着界面には、様々な場面で熱衝撃が加わるため、通常はガラス繊維織物の表面にシランカップリング剤処理をほどこし、樹脂との接着性を高め、熱衝撃が加わった際にも界面剥離が起こらないようになされている。ガラス繊維織物のほつれ防止加工は、このシランカップリング剤処理を施した後に行うのが従来から一般的である。ほつれ防止固着剤に光硬化性樹脂を使用する場合、未硬化の樹脂を硬化させるには、波長が400nm以下の紫外線と呼ばれる光を照射する必要があるが、この波長領域の光が持つエネルギ−は、多くの分子結合エネルギ−を超える高いものである。したがって、シランカップリング剤処理されたガラス繊維織物の表面に未硬化の光硬化性樹脂を塗布し、続いて硬化させるための紫外線照射を過度に行うと、シランカップリング剤の分子結合やシランカップリング剤とガラス繊維織物の分子結合が、これらの結合エネルギ−を超える光のエネルギ−によって切断されてしまう場合がある。このようなガラス繊維織物をプリント配線板用途に供した場合、絶縁層と樹脂層との接着が不充分になり、この結果、耐熱接着性が損なわれてしまう恐れがあった。
【0014】
二点目の問題点は、硬化後の光硬化性樹脂の塗膜が硬いことである。光硬化性樹脂は、その特徴である優れた光沢性と堅牢な塗膜が得られる点を生かしてハ−ドコ−トなどの分野で多用されていることからもわかる通り、一般的に硬い塗膜を持つ樹脂が多い。このような樹脂をガラス繊維織物のほつれ防止固着剤として使用すると、耳部が強固に接着されすぎているために、ガラス繊維織物に屈曲などの力が加わった際、耳部に割れが発生しやすいという欠点を有していた。これが熱硬化性樹脂ワニスバス中に落下するとプリプレグの不良が発生する原因となる。ますます高度な品質保証が要求される近年のプリント配線板においては、前述の耐熱接着性も必要不可欠な要求特性であり、これを損なうことなく、強固で、しかも柔軟にほつれを防止でき、高い生産性、良好な耐溶剤性、塩素系有機溶剤が不要といったこれまでの要求性能を高いレベルで兼ね備えたガラス繊維織物のほつれ防止固着剤は、従来知られていなかった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、これまでに述べたような従来の技術が抱えていた課題を解決しようとするもので、ガラス繊維織物のほつれ防止固着剤として適用した際にガラス繊維織物の耐熱接着性を損なうことなく強固かつ柔軟な樹脂皮膜を形成することによってほつれ防止を達成し、また塩素系有機溶剤を使用することなく高い生産性を維持し、しかも熱硬化性樹脂ワニスに使用される各種有機溶剤に対する優れた耐溶剤性をも有したガラス繊維織物のほつれ防止固着剤を提供することを目的とする。
さらに、このほつれ防止固着剤を使用することで、樹脂皮膜が形成された部位とそうでない部位の厚みがほとんど変わらないためにプリント配線板用途でプリプレグとした際にも耳高になることなく、プレス工程の生産性や自動化になんら支障をきたさないような良質で使いやすいガラス繊維織物を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、水系ポリエステル樹脂液と水系ウレタン樹脂液ならびに水系メラミン樹脂液を調合した液状物をガラス繊維織物のほつれ防止固着剤として用いることが非常に効果的であることを見出し、さらに検討を重ね、発明を完成するに至った。
【0017】
すなわち、本発明は、
[1] 下記(イ)、(ロ)、(ハ)および(ニ)を含有し、かつ(イ)、(ロ)および(ハ)の各成分の固形分重量と(イ)、(ロ)、(ハ)および(ニ)の総重量とが、下記式(I)、(II)および(III)を満たすことを特徴とするガラス繊維織物のほつれ防止固着剤、
(イ)ポリエステル樹脂を固形分とする水系ポリエステル樹脂液状物
(ロ)ウレタン樹脂を固形分とする水系ウレタン樹脂液状物
(ハ)メラミン樹脂を固形分とする水系メラミン樹脂液状物
(ニ)水を主とする溶剤
【数2】
[2] ポリエステル樹脂の数平均分子量が4,000以上であることを特徴とする前記[1]に記載のガラス繊維織物のほつれ防止固着剤、
[3] ポリエステル樹脂のガラス転移温度が40℃以上であることを特徴とする前記[1]または[2]に記載のガラス繊維織物のほつれ防止固着剤、
[4] 水系ポリエステル樹脂液状物と水系ウレタン樹脂液状物が、水または水と有機溶剤を含有しており、上記の有機溶剤がアルコール系溶媒またはケトン系溶媒であることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載のガラス繊維織物のほつれ防止固着剤、
[5] 水系メラミン樹脂液状物が、(1)水、(2)水と有機溶剤または(3)有機溶剤を含有しており、上記の有機溶剤がアルコール系溶媒またはケトン系溶媒であることを特徴とする前記[1]に記載のガラス繊維織物のほつれ防止固着剤、
[6] 水を主とする溶剤が、水または水と有機溶剤を含有しており、上記の有機溶剤がアルコール系溶媒またはケトン系溶媒であることを特徴とする前記[1]記載のガラス繊維織物のほつれ防止固着剤、
[7] 前記[1]〜[3]のいずれかに記載のほつれ防止固着剤の固形分であるポリエステル樹脂とウレタン樹脂およびメラミン樹脂が架橋して形成した樹脂皮膜によって、両耳の一定幅の織組織を固着することにより、ほつれが防止されていることを特徴とするガラス繊維織物、
に関する。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明のほつれ防止固着剤の(イ)成分として使用される水系ポリエステル樹脂液とは、主鎖中にエステル結合を有する高分子化合物であるポリエステル樹脂を固形分とし、これが水溶液や水分散体の形態で水系として提供されているものであれば特に限定されるものではない。固形分であるポリエステル樹脂は、酸成分とアルコ−ル成分より構成された高分子化合物であり、これに使用される酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類、例えばアジピン酸、セバシン酸、シュウ酸、コハク酸、無水コハク酸、マイレン酸、無水マイレン酸、フマル酸、ダイマ−酸などの脂肪族ジカルボン酸類、例えば1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸類が代表例として例示できる。また使用されるアルコ−ル成分としては、例えばエチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ルなどの多価アルコ−ルが挙げられる。このような水系ポリエステル樹脂液状物は、単独で使用しても良いし、2種類以上を組み合わせて使用することも可能である。
【0019】
本発明の構成におけるポリエステル樹脂は、特に熱硬化性樹脂ワニスに使用される各種有機溶剤に対する優れた耐溶剤性を達成し、またガラス繊維織物を強固にほつれ防止するために必須の主成分であるという観点から、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−トにできるだけ近い組成、すなわち変性量が少ない組成のものが特に好適である。これらによって構成されたポリエステル樹脂が、水系ポリエステル樹脂液全体の約50重量%程度以下となるように揮発分によって溶解または分散されているものであることが樹脂液粘度の観点から好ましい。
【0020】
また本発明の構成におけるポリエステル樹脂は、ウレタン樹脂およびメラミン樹脂と架橋することで最終的に形成される樹脂皮膜に良好な柔軟性と優れた耐溶剤性をあわせもたせるための観点から、その数平均分子量としては約4,000程度以上であることが必要であり、約5,000程度以上であることがさらに望ましい。またポリエステル樹脂のガラス転移温度としては約40℃程度以上であることが好ましい。このとき数平均分子量が約4,000程度以下であると最終的に形成される樹脂皮膜の耐溶剤性が充分なものにならない恐れがあると同時に、架橋密度が高い樹脂皮膜となることで良好な柔軟性が得られなくなる恐れもある。またガラス転移温度が約40℃程度以下のときも同様に、最終的に形成される樹脂皮膜の耐溶剤性が充分なものにならない恐れがある。
【0021】
また、水系ポリエステル樹脂液の揮発分としては、水系の特徴である作業者や作業環境への安全性の観点から、本来そのすべてが水であることが最も好ましいが、ポリエステル樹脂を水系化するためや、乾燥負荷を低減するなどの目的において、水系の形態や特徴を逸脱しない範囲であれば、水以外に親水性の有機溶剤が含まれていても差し支えない。具体的には、このような有機溶剤として、例えばメチルエチルケトン、アセトン、ジエチルケトン等のケトン類、例えばプロパノ−ル、ブタノ−ル、メタノール、エタノール等のアルコール類などがある。またこれらの有機溶剤が水系ポリエステル樹脂液の全揮発分中に占める量は約30重量%程度以下が望ましく、これを超えると水系の特徴が充分に発揮できない。
【0022】
つぎに、本発明のほつれ防止固着剤において(ロ)成分として使用される水系ウレタン樹脂液とは、主鎖中にウレタン結合を有する重合体、例えばジイソシアナ−トとグリコ−ルとで構成された高分子化合物であるウレタン樹脂を固形分とし、これが水溶液や水分散体の形態で水系として提供されているものであれば特に限定されるものではない。これに使用されるジイソシアナートとしては、例えばエチレンジイソシアナート、トリメチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、オクタメチレンジイソシアナート、ノナメチレンジイソシアナート、2,2’−ジメチルペンタンジイソシアナート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアナート、デカメチレンジイソシアナート、ブテンジイソシアナート、1,3−ブタジエン−1,4−ジイソシアナート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、1,6,11−ウンデカントリイソシアナート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアナート、ビス(イソシアナトエチル)カーボネート、ビス(イソシアナトエチル)エーテル、1,4−ブチレングリコールジプロピルエーテル−α,α’−ジイソシアナート、リジンジイソシアナートメチルエステル、キシリレンジイソシアナート、ビス(イソシアナトエチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトプロピル)ベンゼン、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアナート、ビス(イソシアナトブチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトメチル)ナフタリン、ビス(イソシアナトメチル)ジフェニルエーテル、ビス(イソシアナトエチル)フタレート、2,6−ジ(イソシアナトメチル)フラン、イソホロンジイソシアナート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、シクロヘキサンジイソシアナート、メチルシクロヘキサンジイソシアナート、ジシクロヘキシルジメチルメタンジイソシアナート、2,2’−ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、ビス(4−イソシアナト−n−ブチリデン)ペンタエリスリトール、ダイマー酸ジイソシアナート等の脂肪族ジイソシアナート、フェニレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、エチルフェニレンジイソシアナート、イソプロピルフェニレンジイソシアナート、ジメチルフェニレンジイソシアナート、ジエチルフェニレンジイソシアナート、ジイソプロピルフェニレンジイソシアナート、トリメチルベンゼントリイソシアナート、ベンゼントリイソシアナート、ナフタリンジイソシアナート、メチルナフタレンジイソシアナート、ビフェニルジイソシアナート、トリジンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアナート、ビベンジル−4,4’−ジイソシアナート、ビス(イソシアナトフェニル)エチレン、3,3’−ジメトキシビフェニル−4,4’−ジイソシアナート、ポリメリックMDI(ジフェニルメタンジイソシアナート)、フェニルイソシアナトメチルイソシアナート、フェニルイソシアナトエチルイソシアナート、テトラヒドロナフタレンジイソシアナート、ヘキサヒドロベンゼンジイソシアナート、ヘキサヒドロジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアナート、ジフェニルエーテルジイソシアナート、エチレングリコールジフェニルエーテルジイソシアナート、1,3−プロピレングリコールジフェニルエーテルジイソシアナート、ベンゾフェノンジイソシアナート、ジエチレングリコールジフェニルエーテルジイソシアナート、ジベンゾフランジイソシアナート、カルバゾールジイソシアナート、エチルカルバゾールジイソシアナート、ジクロロカルバゾールジイソシアナート等の芳香族ジイソシアナートが挙げられる。また、グリコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、シクロブタンジオール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘプタンジオール、シクロオクタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ヒドロキシプロピルシクロヘキサノール、トリシクロ〔5,2,1,02,6〕デカン−ジメタノール、ビシクロ〔4,3,0〕−ノナンジオール、ジシクロヘキサンジオール、トリシクロ〔5,3,1,1〕ドデカンジオール、ビシクロ〔4,3,0〕ノナンジメタノール、トリシクロ〔5,3,1,1〕ドデカン−ジエタノール、ヒドロキシプロピルトリシクロ〔5,3,1,1〕ドデカノール、スピロ〔3,4〕オクタンジオール、ブチルシクロヘキサンジオール、1,1’−ビシクロヘキシリデンジオール、等の脂肪族ジオール、例えばジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゼン、ビスフェノールA、キシリレングリコール、ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、テトラブロムビスフェノールA等の芳香族ジオール、ジブロモネオペンチルグリコール、ジクロロネオペンチルグリコール等のハロゲン化ジオール等が挙げられる。このような水系ウレタン樹脂液状物は、単独で使用しても良いし、2種類以上を組み合わせて使用することも可能である。
【0023】
本発明の構成におけるウレタン樹脂は、それ特有の可撓性を生かして、特にガラス繊維織物を柔軟にほつれ防止するために必須の副成分である。このようなウレタン樹脂が、水系ウレタン樹脂液全体の約50重量%程度以下となるように揮発分によって溶解または分散されているものであることが樹脂液粘度の観点から好ましい。
【0024】
また、水系ウレタン樹脂液の揮発分としては、水系の特徴である作業者や作業環境への安全性の観点から、本来そのすべてが水であることが最も好ましいが、ウレタン樹脂の水系化や乾燥負荷低減などの目的において、水系の形態や特徴を逸脱しない範囲であれば、水以外に親水性の有機溶剤が含まれていても差し支えない。具体的には、例えばメチルエチルケトン、アセトン、ジエチルケトン等のケトン類、例えばプロパノ−ル、ブタノ−ル、メタノール、エタノール等のアルコール類などの有機溶剤が、水系ウレタン樹脂液の全揮発分中に約15重量%程度以下の少量含まれているものでも使用可能である。
【0025】
つぎに、本発明のほつれ防止固着剤において(ハ)成分として使用される水系メラミン樹脂液とは、完全水溶性あるいは部分水溶性のメラミン樹脂を固形分とし、これを▲1▼水、▲2▼水と親水性の有機溶剤または▲3▼親水性の有機溶剤によって希釈し、水系として提供されているものであれば特に限定されるものではない。本発明に用いられるメラミン樹脂とは、メラミンとホルムアルデヒド等のアルデヒド類を単量体として得られる熱硬化性樹脂である。上記単量体としては、「メラミン」と「ホルムアルデヒド」の他に、この単量体を100重量部とした場合に、約50重量部程度、特に、約20重量部程度までの各種の単量体を使用することができる。メラミンに対応する他の単量体としては、例えばアルキル置換メラミン、尿素、ウレタン、カルボン酸アミド、ジシアンジアミド、グアニジン、スルフリルアミド、スルホン酸アミド、脂肪族アミン、フェノールおよびその誘導体などを使用することができる。また、アルデヒド類としては、例えばアセトアルデヒド、トリメチロールアセトアルデヒド、アクロレイン、ベンズアルデヒド、フルフロール、グリオキサール、フタルアルデヒドおよびテレフタルアルデヒドなどを用いることができる。このような水系メラミン樹脂液状物は、単独で使用しても良いし、2種類以上を組み合わせて使用することも可能である。
【0026】
本発明の構成におけるメラミン樹脂は、主成分であるポリエステル樹脂と副成分であるウレタン樹脂とともに架橋することにより、熱硬化性樹脂ワニスに使用される各種有機溶剤に対する耐溶剤性の優れた樹脂皮膜を形成するために必須の架橋成分である。このようなメラミン樹脂が、メラミン樹脂液全体の約80重量%程度以下となるように揮発分によって希釈されているものであることが樹脂液粘度の観点から好ましい。
【0027】
また、水系メラミン樹脂液の揮発分としては、水系の特徴である作業者や作業環境への安全性の観点から、本来そのすべてが水であることが最も好ましいが、部分水溶性のメラミン樹脂を水系に供するなどの目的において、水以外の親水性の有機溶剤によって希釈されているものや、水と親水性の有機溶剤によって希釈されているものでも差し支えない。このような有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール等のアルコール類等が挙げられる。
【0028】
さらに、本発明のほつれ防止固着剤には、メラミン樹脂の架橋性を向上させる目的において一般に公知の各種触媒を用いることも可能で、例えば芳香族スルホン酸などの強酸性触媒、燐酸系などの弱酸性触媒といったものを必要に応じて使用することができる。
【0029】
本発明のガラス繊維織物のほつれ防止固着剤は以上の必須成分により構成されるが、これらは以下に説明する範囲の処方で調合されることによって当該用途に好適に使用できる形態として完成する。なお、ここで用いる調合機器は、プロペラ羽根による攪拌機やマグネチックスタ−ラといった最も一般的なものである。
【0030】
まず、主成分である水系ポリエステル樹脂液の固形分であるポリエステル樹脂100重量部に対して、副成分である水系ウレタン樹脂液の固形分であるウレタン樹脂が約30〜100重量部程度の範囲となるように調合するが、さらに望ましくは約50〜100重量部程度の範囲である。これは、最終的に形成される樹脂皮膜に良好な柔軟性を付与する上での制限であり、約30重量部程度未満だとウレタン樹脂特有の可撓性を充分に付与できずに樹脂皮膜が硬いものとなるのに対して、約100重量部程度を超えると、主成分としてのポリエステル樹脂がガラス繊維織物の強固なほつれ防止に効果的であるという特徴が発揮されなくなる。
【0031】
引き続いて水系メラミン樹脂液を調合するが、調合量の範囲は、上記のポリエステル樹脂とウレタン樹脂の合計重量を100重量部としたとき、水系メラミン樹脂液の固形分であるメラミン樹脂が約25〜40重量部程度であることが必要であり、さらに望ましくは約30〜40重量部程度の範囲である。このとき約25重量部程度未満では最終的に形成される樹脂皮膜に充分な耐溶剤性を付与することができなくなり、また約40重量部程度を超えると樹脂皮膜が硬いものとなる。
【0032】
さらに、メラミン樹脂の架橋性を向上させる目的において、上記した各種触媒を用いる際には、これを必要量添加して調合する。
【0033】
引き続き、水を加えることでガラス繊維織物のほつれ防止固着剤の固形分濃度を調整する。これは、必要最小限の量の樹脂付着率、すなわちポリエステル樹脂、ウレタン樹脂およびメラミン樹脂の3者が架橋した樹脂皮膜がガラス繊維織物の重量に対して約1〜10重量%程度の量の付着によって効果的にほつれ防止を達成し、かつ樹脂皮膜が形成された部位とそうでない部位の厚みがほとんど変わらないようにするためにも必要な作業である。このときの調整範囲は、前述のようにして調合された、ポリエステル樹脂液とウレタン樹脂液およびメラミン樹脂液の全固形分合計重量が、調合液状物の総重量の約5〜30重量%程度となるようにする必要があり、さらに望ましくは約5〜20重量%程度である。このとき固形分濃度が約5重量%程度未満だと、ガラス繊維織物に塗布して乾燥する際の乾燥負荷が高くなるため生産性の観点で望ましくない。また、約30重量%程度を超える固形分濃度になると、樹脂皮膜が形成された部位とそうでない部位の厚みをほとんど変わらないようにすることが困難となる。
【0034】
以上のようにして完成されたガラス繊維織物のほつれ防止固着剤は、次にガラス繊維織物に塗布し、乾燥加熱し、この部位を切断するという一連の加工を連続して施すことにより、ほつれが防止されたガラス繊維織物が得られる。以下、具体的に説明する。
【0035】
本発明のほつれ防止固着剤は、各種のガラス繊維織物に使用することができ、ガラス繊維の成分、織り組織、密度、厚さ、質量などによって制限されるものではないが、プリント配線板用途に供されるガラス繊維織物の場合は、ヒ−トクリ−ニングによって脱油処理され、さらにシランカップリング剤による表面処理がなされた上で、本発明のほつれ防止加工を施すのが望ましい。
【0036】
ほつれ防止固着剤をガラス繊維織物に塗布する際には、ガラス繊維織物において所望の幅を得るために切断したい場所や、両端部に存在する房耳等の不要な部位を除去するために切断したい場所を中心としてこれを塗布する。ここで用いられる塗布方法は、従来から用いられているディップコ−ト法、はけ塗り法、ロ−ルコ−ト法、スプレ−コ−ト法、グラビアコ−ト法、カ−テンフロ−コ−ト法、各種印刷法など何れの方法も適用可能である。また塗布する幅としては、切断したい場所を中心として通常約5〜15mm程度が適当であり、特に望ましくは約8〜12mm程度である。
【0037】
上記のような方法でほつれ防止固着剤を塗布した後、引き続いて乾燥加熱することによって揮発分を除去し、ポリエステル樹脂とウレタン樹脂およびメラミン樹脂が架橋した樹脂皮膜を形成させることにより、ガラス繊維織物の織組織を固着させる。ここで乾燥加熱を行う手段としては、従来から公知の各種方法、例えば熱風による乾燥加熱、赤外線による乾燥加熱などが適用できる。乾燥加熱の温度や時間の条件としては、ポリエステル樹脂とウレタン樹脂およびメラミン樹脂の架橋が達成される条件であることが不可欠で、一般的に約150℃程度以上の加熱が必要であるが、加熱時間を短くして生産性を上げるためには、さらに約180℃程度以上での加熱が望ましい。
【0038】
また、ほつれ防止固着剤の塗布量としては、上記のようにして形成させた樹脂皮膜の重量が、ガラス繊維織物の重量に対して約1〜10重量%程度、特に約1.5〜7.5重量%程度の範囲の付着率となるように調整するのが望ましい。約1重量%程度未満の付着率では、ガラス繊維織物の織組織を充分に固着できない恐れがあり、また約10重量%程度を超えると、樹脂皮膜が形成された部位とそうでない部位の厚みをほとんど変わらないようにすることが困難となる。
【0039】
上記のようにして、ガラス繊維織物において切断したい場所の織組織を樹脂皮膜によって固着させた後は、この部位の中心を切断するが、この場合の切断方法も特に限定されるものではなく、自体公知の手段に従って行われてよい。以上に説明した一連の加工をガラス繊維織物に連続して施すことにより、耳部がほつれ防止された所望の幅のガラス繊維織物が得られるほか、ガラス繊維織物において不要な房耳等の部位を切断除去された形態の、特にプリント配線板用途に好適なガラス繊維織物が得られる。
【0040】
本発明のガラス繊維織物のほつれ防止固着剤は、ポリエステル樹脂とウレタン樹脂およびメラミン樹脂によって構成されているので、強固かつ柔軟で、しかも熱硬化性樹脂ワニスに使用される各種有機溶剤に対する優れた耐溶剤性をも有した樹脂皮膜を形成することによってガラス繊維織物の織組織を固着してほつれを防止することが可能となる。また塩素系有機溶剤を使用しない水系液状物なので、作業者や作業環境にとっても安全で好ましいものである。さらに、本発明のほつれ防止固着剤を使用してほつれ防止加工が施されたガラス繊維織物は、耐熱接着性低下の懸念がないほか、樹脂皮膜が形成された部位とそうでない部位の厚みがほとんど変わらないためにプリプレグとした際にも耳高になることなくプレス工程の生産性や自動化に支障をきたさないので、プリント配線板用途に特に好適に使用できる。
【0041】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらによって本発明の範囲が制限されるものではない。なお、実施例と比較例における各種の測定評価は、すべて以下に示した方法に統一して行った。
【0042】
(1) 耐溶剤性
樹脂皮膜が形成されほつれ防止されているガラス繊維織物の端部を、熱硬化性樹脂ワニスに使用される代表的な有機溶剤であるメチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、メチルセロソルブに室温で72時間浸漬して、耐溶剤性を確認した。溶剤に膨潤せずほつれの発生しなかったものを○、溶剤に膨潤して指で触るとややべたつきがあったものを△、ほつれが発生したものを×とした。
(2) ほつれ強力
樹脂皮膜が形成されてほつれ防止されているガラス繊維織物の端部を長辺とする長方形で50mm×30mmの寸法で試料を切り出し、この試料の一番端の経糸を緯糸方向に引き剥がすような形態で引張試験機(INTESCO IM−20)にかけた。このときの引張最大荷重を読み取りほつれ強力とした。
(3) 固着の柔軟性
45°に傾けた状態で25mm×150mmに切り出した平織りのガラス繊維織物(ユニチカグラスファイバ−社製のE18S)の全面にほつれ防止固着剤を含浸させ、熱風乾燥機で110℃10分乾燥し、続けて180℃5分の加熱を行って樹脂皮膜を形成させたものを試料とした。この際、ガラス繊維織物に対する樹脂皮膜の付着率は3±1重量%になるように調整した。つぎに、試料の長手方向に引張荷重がかかるようにして引張試験機(ORIENTEC RTC−1310A)にかけ、織組織を歪ませる荷重を加えた。固着が硬いと試験中の試料に急激な歪みが起こるのに対して、固着が柔軟であれば試験中の試料に急激な歪みが起こらない。試験は試料を3点作成して3回行い、3回の試験すべてで急激な歪みが起こらなかったものを○、1回もしくは2回の試験で急激な歪みが起こったものを△、3回の試験すべてにおいて急激な歪みが起こったものを×とした。
(4) 実施例中のKA−5034、スーパーフレックス150と300およびサイメル325は、以下に示すような組成および性質をもつ。
(イ)ポリエステル樹脂:KA−5034
溶媒; 約26重量%イソプロパノール含有水溶液
(KA−5034全体としては、イソプロパノール含有水分散液)
数平均分子量; 約10,000
ガラス転移温度; 約70℃
(ロ)ウレタン樹脂:スーパーフレックス150と300
溶媒; 水
(ハ)メラミン樹脂:サイメル325
溶媒; イソブタノール
【0043】
〔実施例1〕
▲1▼ 水系ポリエステル樹脂液(ユニチカ社製のKA−5034、固形分濃度30重量%)と水系ウレタン樹脂液(第一工業製薬社製のス−パ−フレックス150、固形分濃度30重量%)および水系メラミン樹脂液(三井サイテック社製のサイメル325、固形分濃度80重量%)を、液重量部比で100:30:17に調合して、さらに水を204重量部加えて攪拌し、固形分濃度が15重量%のほつれ防止固着剤を得た。この調合処方は表1にも示した。なお、このほつれ防止固着剤の粘度は4.54mPa・s(25℃)であった。
【0044】
▲2▼ ▲1▼で得られたガラス繊維織物のほつれ防止固着剤を、ロ−ラ−コ−タ−の回転数を調節してガラス繊維織物〔ユニチカグラスファイバ−(株)製のE15R(糸;ECDE150 1/0、密度;経60本/25mm、緯50本/25mm、ヒ−トクリ−ニング後、シランカップリング剤処理済み)〕の両耳部に幅10mmで経糸に沿って塗布した。続いて180℃30秒で揮発分を除去して樹脂皮膜を形成させた。樹脂皮膜のガラス繊維織物に対する付着率は3.85重量%であった。
【0045】
▲3▼ つぎに、▲2▼で樹脂皮膜を形成させた部分の中心を経糸にそってスリッタ−によって切断した後、前述の各種評価を行った。これらの結果を表2に示した。
【0046】
〔実施例2〕
▲1▼ 水系ポリエステル樹脂液(ユニチカ社製のKA−5034、固形分濃度30重量%)と水系ウレタン樹脂液(第一工業製薬社製のス−パ−フレックス150、固形分濃度30重量%)および水系メラミン樹脂液(三井サイテック社製のサイメル325、固形分濃度80重量%)を、液重量部比で100:100:26に調合して、さらに水を540重量部加えて攪拌し、固形分濃度が10重量%のほつれ防止固着剤を得た。この調合処方は表1にも示した。なお、このほつれ防止固着剤の粘度は2.93mPa・s(25℃)であった。
【0047】
▲2▼ ▲1▼で得られたガラス繊維織物のほつれ防止固着剤を、ロ−ラ−コ−タ−の回転数を調節してガラス繊維織物〔ユニチカグラスファイバ−(株)製のE10T(糸;ECE225 1/0、密度;経60本/25mm、緯58本/25mm、ヒ−トクリ−ニング後、シランカップリング剤処理済み)〕の両耳部に幅10mmで経糸に沿って塗布した。続いて180℃30秒で揮発分を除去して樹脂皮膜を形成させた。樹脂皮膜のガラス繊維織物に対する付着率は3.64重量%であった。
【0048】
▲3▼ つぎに、▲2▼で樹脂皮膜を形成させた部分の中心を経糸にそってスリッタ−によって切断した後、前述の各種評価を行った。これらの結果を表2に示した。
【0049】
〔実施例3〕
▲1▼ 水系ポリエステル樹脂液(ユニチカ社製のKA−5034、固形分濃度30重量%)と水系ウレタン樹脂液(第一工業製薬社製のス−パ−フレックス150、固形分濃度30重量%)および水系メラミン樹脂液(三井サイテック社製のサイメル325、固形分濃度80重量%)を、液重量部比で100:100:20に調合して、さらに水を160重量部加えて攪拌し、固形分濃度が20重量%のほつれ防止固着剤を得た。この調合処方は表1にも示した。なお、このほつれ防止固着剤の粘度は8.23mPa・s(25℃)であった。
【0050】
▲2▼ ▲1▼で得られたガラス繊維織物のほつれ防止固着剤を、ロ−ラ−コ−タ−の回転数を調節してガラス繊維織物〔ユニチカグラスファイバ−(株)製のE10A(糸;ECE225 1/0、密度;経65本/25mm、緯55本/25mm、ヒ−トクリ−ニング後、シランカップリング剤処理済み)〕の両耳部に幅10mmで経糸に沿って塗布した。続いて180℃30秒で揮発分を除去して樹脂皮膜を形成させた。樹脂皮膜のガラス繊維織物に対する付着率は3.32重量%であった。
【0051】
▲3▼ つぎに、▲2▼で樹脂皮膜を形成させた部分の中心を経糸にそってスリッタ−によって切断した後、前述の各種評価を行った。これらの結果を表2に示した。
【0052】
〔実施例4〕
▲1▼ 水系ポリエステル樹脂液(ユニチカ社製のKA−5034、固形分濃度30重量%)と水系ウレタン樹脂液(第一工業製薬社製のス−パ−フレックス150、固形分濃度30重量%)および水系メラミン樹脂液(三井サイテック社製のサイメル325、固形分濃度80重量%)を、液重量部比で100:100:30に調合して、さらに水を970重量部加えて攪拌し、固形分濃度が7重量%のほつれ防止固着剤を得た。この調合処方は表1にも示した。なお、このほつれ防止固着剤の粘度は2.58mPa・s(25℃)であった。
【0053】
▲2▼ ▲1▼で得られたガラス繊維織物のほつれ防止固着剤を、ロ−ラ−コ−タ−の回転数を調節してガラス繊維織物〔ユニチカグラスファイバ−(株)製のE18S(糸;ECG75 1/0、密度;経44本/25mm、緯33本/25mm、ヒ−トクリ−ニング後、シランカップリング剤処理済み)〕の両耳部に幅10mmで経糸に沿って塗布した。続いて180℃30秒で揮発分を除去して樹脂皮膜を形成させた。樹脂皮膜のガラス繊維織物に対する付着率は2.86重量%であった。
【0054】
▲3▼ つぎに、▲2▼で樹脂皮膜を形成させた部分の中心を経糸にそってスリッタ−によって切断した後、前述の各種評価を行った。これらの結果を表2に示した。
【0055】
〔実施例5〕
▲1▼ 水系ポリエステル樹脂液(ユニチカ社製のKA−5034、固形分濃度30重量%)と水系ウレタン樹脂液(第一工業製薬社製のス−パ−フレックス300、固形分濃度30重量%)および水系メラミン樹脂液(三井サイテック社製のサイメル325、固形分濃度80重量%)を、液重量部比で100:30:17に調合して、さらに水を116重量部加えて攪拌し、固形分濃度が20重量%のほつれ防止固着剤を得た。この調合処方は表1にも示した。なお、このほつれ防止固着剤の粘度は8.65mPa・s(25℃)であった。
【0056】
▲2▼ ▲1▼で得られたガラス繊維織物のほつれ防止固着剤を、ロ−ラ−コ−タ−の回転数を調節してガラス繊維織物〔ユニチカグラスファイバ−(株)製のE10A(糸;ECE225 1/0、密度;経65本/25mm、緯55本/25mm、ヒ−トクリ−ニング後、シランカップリング剤処理済み)〕の両耳部に幅10mmで経糸に沿って塗布した。続いて180℃30秒で揮発分を除去して樹脂皮膜を形成させた。樹脂皮膜のガラス繊維織物に対する付着率は2.75重量%であった。
【0057】
▲3▼ つぎに、▲2▼で樹脂皮膜を形成させた部分の中心を経糸にそってスリッタ−によって切断した後、前述の各種評価を行った。これらの結果を表2に示した。
【0058】
〔実施例6〕
▲1▼ 水系ポリエステル樹脂液(ユニチカ社製のKA−5034、固形分濃度30重量%)と水系ウレタン樹脂液(第一工業製薬社製のス−パ−フレックス300、固形分濃度30重量%)および水系メラミン樹脂液(三井サイテック社製のサイメル325、固形分濃度80重量%)を、液重量部比で100:100:26に調合して、さらに水を313重量部加えて攪拌し、固形分濃度が15重量%のほつれ防止固着剤を得た。この調合処方は表1にも示した。なお、このほつれ防止固着剤の粘度は5.77mPa・s(25℃)であった。
【0059】
▲2▼ ▲1▼で得られたガラス繊維織物のほつれ防止固着剤を、ロ−ラ−コ−タ−の回転数を調節してガラス繊維織物〔ユニチカグラスファイバ−(株)製のE15R(糸;ECDE150 1/0、密度;経60本/25mm、緯50本/25mm、ヒ−トクリ−ニング後、シランカップリング剤処理済み)〕の両耳部に幅10mmで経糸に沿って塗布した。続いて180℃30秒で揮発分を除去して樹脂皮膜を形成させた。樹脂皮膜のガラス繊維織物に対する付着率は2.94重量%であった。
【0060】
▲3▼ つぎに、▲2▼で樹脂皮膜を形成させた部分の中心を経糸にそってスリッタ−によって切断した後、前述の各種評価を行った。これらの結果を表2に示した。
【0061】
〔実施例7〕
▲1▼ 水系ポリエステル樹脂液(ユニチカ社製のKA−5034、固形分濃度30重量%)と水系ウレタン樹脂液(第一工業製薬社製のス−パ−フレックス300、固形分濃度30重量%)および水系メラミン樹脂液(三井サイテック社製のサイメル325、固形分濃度80重量%)を、液重量部比で100:100:20に調合して、さらに水を866重量部加えて攪拌し、固形分濃度が7重量%のほつれ防止固着剤を得た。この調合処方は表1にも示した。なお、このほつれ防止固着剤の粘度は3.24mPa・s(25℃)であった。
【0062】
▲2▼ ▲1▼で得られたガラス繊維織物のほつれ防止固着剤を、ロ−ラ−コ−タ−の回転数を調節してガラス繊維織物〔ユニチカグラスファイバ−(株)製のE18S(糸;ECG75 1/0、密度;経44本/25mm、緯33本/25mm、ヒ−トクリ−ニング後、シランカップリング剤処理済み)〕の両耳部に幅10mmで経糸に沿って塗布した。続いて180℃30秒で揮発分を除去して樹脂皮膜を形成させた。樹脂皮膜のガラス繊維織物に対する付着率は2.91重量%であった。
【0063】
▲3▼ つぎに、▲2▼で樹脂皮膜を形成させた部分の中心を経糸にそってスリッタ−によって切断した後、前述の各種評価を行った。これらの結果を表2に示した。
【0064】
〔実施例8〕
▲1▼ 水系ポリエステル樹脂液(ユニチカ社製のKA−5034、固形分濃度30重量%)と水系ウレタン樹脂液(第一工業製薬社製のス−パ−フレックス300、固形分濃度30重量%)および水系メラミン樹脂液(三井サイテック社製のサイメル325、固形分濃度80重量%)を、液重量部比で100:100:30に調合して、さらに水を610重量部加えて攪拌し、固形分濃度が10重量%のほつれ防止固着剤を得た。この調合処方は表1にも示した。なお、このほつれ防止固着剤の粘度は3.81mPa・s(25℃)であった。
【0065】
▲2▼ ▲1▼で得られたガラス繊維織物のほつれ防止固着剤を、ロ−ラ−コ−タ−の回転数を調節してガラス繊維織物〔ユニチカグラスファイバ−(株)製のE10T(糸;ECE225 1/0、密度;経60本/25mm、緯58本/25mm、ヒ−トクリ−ニング後、シランカップリング剤処理済み)〕の両耳部に幅10mmで経糸に沿って塗布した。続いて180℃30秒で揮発分を除去して樹脂皮膜を形成させた。樹脂皮膜のガラス繊維織物に対する付着率は3.27重量%であった。
【0066】
▲3▼ つぎに、▲2▼で樹脂皮膜を形成させた部分の中心を経糸にそってスリッタ−によって切断した後、前述の各種評価を行った。これらの結果を表2に示した。
【0067】
〔比較例1〕
▲1▼ 水系ポリエステル樹脂液(ユニチカ社製のKA−5034、固形分濃度30重量%)と水系ウレタン樹脂液(第一工業製薬社製のス−パ−フレックス150、固形分濃度30重量%)および水系メラミン樹脂液(三井サイテック社製のサイメル325、固形分濃度80重量%)を、液重量部比で100:10:15に調合して、さらに水を325重量部加えて攪拌し、固形分濃度が10重量%のほつれ防止固着剤を得た。この調合処方は表3にも示した。なお、このほつれ防止固着剤の粘度は2.69mPa・s(25℃)であった。
【0068】
▲2▼ ▲1▼で得られたガラス繊維織物のほつれ防止固着剤を、ロ−ラ−コ−タ−の回転数を調節してガラス繊維織物〔ユニチカグラスファイバ−(株)製のE18S(糸;ECG75 1/0、密度;経44本/25mm、緯33本/25mm、ヒ−トクリ−ニング後、シランカップリング剤処理済み)〕の両耳部に幅10mmで経糸に沿って塗布した。続いて180℃30秒で揮発分を除去して樹脂皮膜を形成させた。樹脂皮膜のガラス繊維織物に対する付着率は3.05重量%であった。
【0069】
▲3▼ つぎに、▲2▼で樹脂皮膜を形成させた部分の中心を経糸にそってスリッタ−によって切断した後、前述の各種評価を行った。固着の柔軟性を評価するための引張試験を3回行ったところ、形成された樹脂皮膜に充分な柔軟性が付与されていなかったために、3回の試験のすべてにおいて試料の急激な歪みが起こった。これらの結果を表4に示した。
【0070】
〔比較例2〕
▲1▼ 水系ポリエステル樹脂液(ユニチカ社製のKA−5034、固形分濃度30重量%)と水系ウレタン樹脂液(第一工業製薬社製のス−パ−フレックス300、固形分濃度30重量%)および水系メラミン樹脂液(三井サイテック社製のサイメル325、固形分濃度80重量%)を、液重量部比で100:20:15に調合して、さらに水を105重量部加えて攪拌し、固形分濃度が20重量%のほつれ防止固着剤を得た。この調合処方は表3にも示した。なお、このほつれ防止固着剤の粘度は8.18mPa・s(25℃)であった。
【0071】
▲2▼ ▲1▼で得られたガラス繊維織物のほつれ防止固着剤を、ロ−ラ−コ−タ−の回転数を調節してガラス繊維織物〔ユニチカグラスファイバ−(株)製のE15R(糸;ECDE150 1/0、密度;経60本/25mm、緯50本/25mm、ヒ−トクリ−ニング後、シランカップリング剤処理済み)〕の両耳部に幅10mmで経糸に沿って塗布した。続いて180℃30秒で揮発分を除去して樹脂皮膜を形成させた。樹脂皮膜のガラス繊維織物に対する付着率は3.43重量%であった。
【0072】
▲3▼ つぎに、▲2▼で樹脂皮膜を形成させた部分の中心を経糸にそってスリッタ−によって切断した後、前述の各種評価を行った。固着の柔軟性を評価するための引張試験を行ったところ、比較例1のときと同様に、形成された樹脂皮膜に充分な柔軟性が付与されていなかったことにより試料の急激な歪みが起こった。これらの結果を表4に示した。
【0073】
〔比較例3〕
▲1▼ 水系ポリエステル樹脂液(ユニチカ社製のKA−5034、固形分濃度30重量%)と水系ウレタン樹脂液(第一工業製薬社製のス−パ−フレックス150、固形分濃度30重量%)および水系メラミン樹脂液(三井サイテック社製のサイメル325、固形分濃度80重量%)を、液重量部比で100:100:10に調合して、さらに水を130重量部加えて攪拌し、固形分濃度が20重量%のほつれ防止固着剤を得た。この調合処方は表3にも示した。なお、このほつれ防止固着剤の粘度は9.21mPa・s(25℃)であった。
【0074】
▲2▼ ▲1▼で得られたガラス繊維織物のほつれ防止固着剤を、ロ−ラ−コ−タ−の回転数を調節してガラス繊維織物〔ユニチカグラスファイバ−(株)製のE10T(糸;ECE225 1/0、密度;経60本/25mm、緯58本/25mm、ヒ−トクリ−ニング後、シランカップリング剤処理済み)〕の両耳部に幅10mmで経糸に沿って塗布した。続いて180℃30秒で揮発分を除去して樹脂皮膜を形成させた。樹脂皮膜のガラス繊維織物に対する付着率は3.10重量%であった。
【0075】
▲3▼ つぎに、▲2▼で樹脂皮膜を形成させた部分の中心を経糸にそってスリッタ−によって切断した後、前述の各種評価を行った。耐溶剤性を評価したところ、形成された樹脂皮膜に充分な耐溶剤性が備わっていなかったため、特にジメチルホルムアミドとメチルエチルケトンに膨潤していた。これらの結果を表4に示した。
【0076】
〔比較例4〕
▲1▼ 水系ポリエステル樹脂液(ユニチカ社製のKA−5034、固形分濃度30重量%)と水系ウレタン樹脂液(第一工業製薬社製のス−パ−フレックス300、固形分濃度30重量%)および水系メラミン樹脂液(三井サイテック社製のサイメル325、固形分濃度80重量%)を、液重量部比で100:100:38に調合して、さらに水を662重量部加えて攪拌し、固形分濃度が10重量%のほつれ防止固着剤を得た。この調合処方は表3にも示した。なお、このほつれ防止固着剤の粘度は4.06mPa・s(25℃)であった。
【0077】
▲2▼ ▲1▼で得られたガラス繊維織物のほつれ防止固着剤を、ロ−ラ−コ−タ−の回転数を調節してガラス繊維織物〔ユニチカグラスファイバ−(株)製のE10A(糸;ECE225 1/0、密度;経65本/25mm、緯55本/25mm、ヒ−トクリ−ニング後、シランカップリング剤処理済み)〕の両耳部に幅10mmで経糸に沿って塗布した。続いて180℃30秒で揮発分を除去して樹脂皮膜を形成させた。樹脂皮膜のガラス繊維織物に対する付着率は2.83重量%であった。
【0078】
▲3▼ つぎに、▲2▼で樹脂皮膜を形成させた部分の中心を経糸にそってスリッタ−によって切断した後、前述の各種評価を行った。固着の柔軟性を評価するための引張試験を行ったところ、形成された樹脂皮膜が硬かったために試料の急激な歪みが起こった。これらの結果を表4に示した。
【0079】
【表1】
(※1);カッコ内は固形分の重量部
(※2)Iの数式;(イ)の固形分:(ロ)の固形分=100:30〜100
(※3)IIの数式;{(イ)の固形分+(ロ)の固形分}:(ハ)の固形分
=100:25〜40
(※4)IIIの数式;[{(イ)の固形分+(ロ)の固形分+(ハ)の固形分}/{(イ)+(ロ)+(ハ)+(ニ)}]×100=5〜30(重量%)
【0080】
【表2】
【0081】
【表3】
(※1);カッコ内は固形分の重量部
(※2)Iの数式;(イ)の固形分:(ロ)の固形分=100:30〜100
(※3)IIの数式;{(イ)の固形分+(ロ)の固形分}:(ハ)の固形分
=100:25〜40
(※4)IIIの数式;[{(イ)の固形分+(ロ)の固形分+(ハ)の固形分}/{(イ)+(ロ)+(ハ)+(ニ)}]×100=5〜30(重量%)
【0082】
【表4】
【0083】
【発明の効果】
以上のように、本発明のガラス繊維織物のほつれ防止固着剤を使用すれば、ガラス繊維織物の織組織を固着する樹脂皮膜の成分が、ポリエステル樹脂とウレタン樹脂およびメラミン樹脂によって構成されているので、強固かつ柔軟で、しかも熱硬化性樹脂ワニスに使用される各種有機溶剤に対する優れた耐溶剤性をも有した形態で効果的にほつれを防止することが可能となる。また塩素系有機溶剤を使用しない水系液状物なので、作業者や作業環境への安全衛生の見地からも非常に好ましいものである。さらに、本発明のほつれ防止固着剤を使用してほつれ防止加工が施されたガラス繊維織物は、光硬化性樹脂を適用したときのような耐熱接着性低下の懸念がないほか、樹脂皮膜が形成された部位とそうでない部位の厚みがほとんど変わらないためにプリプレグとした際にも耳高になることがないので、プレス工程の生産性や自動化が進むプリント配線板用途としても特に好適に使用することができる。
Claims (7)
- ポリエステル樹脂の数平均分子量が4,000以上であることを特徴とする請求項1に記載のガラス繊維織物のほつれ防止固着剤。
- ポリエステル樹脂のガラス転移温度が40℃以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のガラス繊維織物のほつれ防止固着剤。
- 水系ポリエステル樹脂液状物と水系ウレタン樹脂液状物が、水または水と有機溶剤を含有しており、上記の有機溶剤がアルコール系溶媒またはケトン系溶媒であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガラス繊維織物のほつれ防止固着剤。
- 水系メラミン樹脂液状物が、(1)水、(2)水と有機溶剤または(3)有機溶剤を含有しており、上記の有機溶剤がアルコール系溶媒またはケトン系溶媒であることを特徴とする請求項1に記載のガラス繊維織物のほつれ防止固着剤。
- 水を主とする溶剤が、水または水と有機溶剤を含有しており、上記の有機溶剤がアルコール系溶媒またはケトン系溶媒であることを特徴とする請求項1記載のガラス繊維織物のほつれ防止固着剤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のほつれ防止固着剤の固形分であるポリエステル樹脂とウレタン樹脂およびメラミン樹脂が架橋して形成した樹脂皮膜によって、両耳の一定幅の織組織を固着することにより、ほつれが防止されていることを特徴とするガラス繊維織物。
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