JP2001080913A - 炭素質ナノチューブ、繊維集合体及び炭素質ナノチューブの製造方法 - Google Patents

炭素質ナノチューブ、繊維集合体及び炭素質ナノチューブの製造方法

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JP2001080913A JP2000213411A JP2000213411A JP2001080913A JP 2001080913 A JP2001080913 A JP 2001080913A JP 2000213411 A JP2000213411 A JP 2000213411A JP 2000213411 A JP2000213411 A JP 2000213411A JP 2001080913 A JP2001080913 A JP 2001080913A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた導電性、及び、樹脂に対する優れた濡
れ性を有する炭素質ナノチューブを提供すること。 【解決手段】 大きくともその内径が5nmである中空
部と大きくとも10nm、特に5nmである肉厚部とを
有し、水素原子、遷移金属原子及び炭素原子を含有する
炭素質で形成されてなることを特徴とする炭素質ナノチ
ューブ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素質ナノチュー
ブ、繊維集合体及び炭素質ナノチューブの製造方法に関
し、更に詳しくは、優れた導電性、及び、樹脂に対する
優れた濡れ性を有する炭素質ナノチューブ、繊維集合体
及び炭素質ナノチューブの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来か
ら、例えば、有機金属化合物及び無機金属化合物からな
る群より選択される少なくとも一種と、有機化合物と、
キャリアガスとを、1000℃近傍に加熱された反応領
域に送入して、気相成長炭素繊維を製造する方法等が流
動気相法として知られている。
【0003】この流動気相法は、例えば、極めて小粒径
の金属粒子を気相中に発生させて、この気相中に浮遊す
る金属粒子上で有機化合物を分解させることにより、前
記金属粒子上に炭素を析出させることができ、析出した
炭素が一方向に成長することによって気相成長炭素繊維
を得ることができる。
【0004】前記流動気相法によれば、例えば、その外
周直径が0.05μm〜10μmであり、その長さが
0.2μm〜2000μmである一定のアスペクト比を
有する気相成長炭素繊維を、工業的に容易に製造するこ
とができる(M.Hatano,T.Ohsaki,
K.Arakawa ;30th National
SAMPE Symposium preprint
1467(1985)、特公昭62−49363号公報
等)。
【0005】前記流動気相法によれば、その直径が0.
05〜2μmである高結晶化炭素繊維(特公平3−61
768号公報)、その直径が0.01〜0.5μmであ
る高結晶化炭素繊維(特公平5−36521号公報)、
その直径が3.5〜70nmの気相成長炭素繊維(特公
平3−64606号公報、特公平3−77288号公
報)等を製造することができる。
【0006】従来から、黒鉛電極間のアーク放電によっ
て黒鉛質ナノチューブを製造する方法がある。
【0007】この方法によると、その内周面から外周面
に向かって黒鉛層が複数層積層してなり、その外周直径
が10ナノメートル以下であり、その内周直径が数ナノ
メートルであり、しかも水素原子を含まない黒鉛質ナノ
チューブを得ることができる。
【0008】しかしながら、この方法においては、例え
ば、(イ)真空又は減圧下で反応を行わなければならな
いこと、及び電極間のアーク放電により消耗する黒鉛の
供給が困難であること等の製造方法が煩雑であるという
問題、(ロ)製造された黒鉛質ナノチューブが水素を含
まない黒鉛質で形成されてなること、製造された黒鉛質
ナノチューブにフラーレン構造活性点が少ないこと等に
より、黒鉛質ナノチューブの化学反応性が乏しいという
問題、(ハ)黒鉛質ナノチューブと樹脂とを複合して得
られる複合材料において、黒鉛質ナノチューブの樹脂に
対する濡れ性が乏しいことから、前記複合材料の機械的
強度を向上させることができないという問題等があっ
た。
【0009】前記高結晶化炭素繊維(特公平5−365
21号公報)等においても、例えば、高結晶化炭素繊維
が、結晶性の高い黒鉛質であるので化学反応性に乏しい
という問題、高結晶化炭素繊維と樹脂とを複合して得ら
れる複合材料において、高結晶化炭素繊維の樹脂に対す
る濡れ性が乏しいことから、前記複合材料の機械的強度
を向上させることができないという問題等があった。
【0010】前記高結晶化炭素繊維(特公平5−365
21号公報)、その直径が3.5〜70nmの気相成長
炭素繊維(特公平3−64606号公報、特公平3−7
7288号公報)等の炭素繊維は、例えば、炭素繊維に
熱処理を施して黒鉛化炭素繊維とすることにより、炭素
繊維を更に完全な黒鉛結晶に近づけ、その表面をより化
学的に安定化させていた。
【0011】前記黒鉛化炭素繊維においては、例えば、
黒鉛構造が高度に発達しているので、導電性は極めて高
いが、その反面、繊維表面が化学的に安定なので化学反
応性に乏しく、例えば、前記炭素繊維と接着剤とを混合
して導電性塗料を得、この導電性塗料を被塗装物に塗布
した場合に、炭素繊維と接着剤との親和性が低いこと、
炭素繊維と被塗装物との親和性が低いこと等によって、
塗布膜が剥がれる等の不都合を生じることがあった。
【0012】本発明は、従来からの諸問題を解消するこ
とを目的とする。本発明の目的は、優れた導電性、及
び、樹脂に対する優れた濡れ性を有する炭素質ナノチュ
ーブ、繊維集合体及び炭素質ナノチューブの製造方法を
提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、大きくともその内径が5nmである中
空部と大きくとも10nm、好ましくは、大きくとも5
nmである肉厚部(外周面から内周面までの厚みを有す
る部分)とを有し、水素原子及び炭素原子を含有する炭
素質で形成されてなることを特徴とする炭素質ナノチュ
ーブであり、前記課題を解決するための第2の手段は、
前記第1の手段において更に遷移金属原子を含有してな
る炭素質ナノチューブであり、前記課題を解決するため
の第3の手段は、前記請求項1に記載された炭素質ナノ
チューブが全体に対して少なくとも70重量%の割合で
含有され、全体に対する水素原子の含有割合が0.1〜
1重量%であり、全体に対する炭素原子の含有割合が少
なくとも98.5重量%であり、全体に対する遷移金属
原子の含有割合が0.005〜1重量%であることを特
徴とする繊維集合体であり、前記課題を解決するための
第4の手段は、遷移金属原子を含有する遷移金属化合物
と、硫黄原子を含有する硫黄化合物と、炭化水素を含有
する有機化合物と、キャリヤガスとを混合して得られる
原料混合物を、前記原料混合物中における前記遷移金属
原子の濃度が0.025〜0.5モル%の範囲内、及び
前記原料混合物中における前記炭化水素の濃度が{27
3/(T−1000)}4〜10{273/(T−10
00)}(ただし、Tは反応領域の絶対温度(K)を示
す。)モル%の範囲内になるように、反応管内における
900〜1,300℃の温度に維持された反応領域に供
給することを特徴とする炭素質ナノチューブの製造方法
である。
【0014】
【発明の実施の形態】<炭素質ナノチューブ>本発明の
炭素質ナノチューブは、大きくともその内径が5nmで
ある中空部と大きくとも10nmである肉厚部、好まし
くは大きくとも5nmである肉厚部とを有し、水素原子
及び炭素原子を含有する炭素質で形成されてなる。
【0015】前記中空部における内径の値、及び前記肉
厚部における厚さの値は、例えば、任意に100本のサ
ンプルを透過型顕微鏡で観察し、その内径及びその厚さ
を計測して平均値を算出することにより、求めることが
できる。
【0016】前記炭素質ナノチューブは、例えば、その
平均外周直径が3〜12nm、その平均内周直径が2〜
5nmであるのが好ましい。
【0017】肉厚部が最大の10nmの時は、平均内周
直径が2〜5nmであり、平気外周直径は22nm〜2
5nmになる。肉厚が厚くなると,機械的性質・電気的
性質等で悪化するので,この程度の肉厚が上限となる。
【0018】本発明の炭素質ナノチューブを透過型顕微
鏡で観察すると、この炭素質ナノチューブを形成する炭
素質が、不完全な黒鉛層であり、部分的な乱層構造を有
することを確認することができる。
【0019】また、この炭素質ナノチューブを元素分析
することにより、この炭素質ナノチューブを形成する炭
素質が水素原子及び炭素原子を含有することを確認する
ことができる。
【0020】本発明においては、この炭素質ナノチュー
ブを形成する炭素質が乱層構造を有し、かつ水素原子を
含有することにより、この乱層構造部分が活性点として
作用し、炭素質における化学反応性を増大させることが
でき、例えば、この炭素質ナノチューブと樹脂との複合
材料において、炭素質ナノチューブの樹脂に対する濡れ
性を大幅に向上させることができる。
【0021】本発明においては、従来の炭素繊維が黒鉛
質であることに由来する化学的安定性の問題、言い換え
ると、従来の炭素繊維における活性の無さの問題等を解
決することができる。換言すると、本発明における炭素
質ナノチューブは水素原子を有するから、黒鉛の六角網
面構造に乱れを生じ、この六角網面構造の乱れが乱層構
造部分を生じて化学的活性点を生じている。しかも、乱
層構造を有するにも関わらず、その機械的構造の低下が
少ない。
【0022】本発明に係る炭素質ナノチューブは更に遷
移金属原子を含有することができる。この遷移金属原子
は、チューブ先端に粒子状で含まれている場合が主であ
るが、チューブを形成する炭素層内に原子状又はクラス
ター状となって含まれることもある。この遷移金属原子
は炭素質内に含まれる水素原子と同様に化学的活性を有
する。また、炭素質チューブを形成した後に、チューブ
を切断処理すると、得られる炭素質チューブは、チュー
ブ先端に遷移金属粒子を持つものと持たないものとの混
合物である。
【0023】本発明の炭素質ナノチューブを形成する炭
素質においては、通常、その水素原子の含有割合が0.
1〜1重量%、炭素原子の含有割合が少なくとも98.
5重量%、遷移金属原子の含有割合が0.005〜1重
量%であり、好ましくは、その水素原子の含有割合が
0.15〜0.7重量%、炭素原子の含有割合が少なく
とも99重量%、遷移金属原子の含有割合が0.01〜
0.7重量%であり、更に好ましくは、その水素原子の
含有割合が0.2〜0.5重量%、炭素原子の含有割合
率が少なくとも99重量%、遷移金属原子の含有割合が
0.02〜0.5重量%である。
【0024】本発明の炭素質ナノチューブを形成する炭
素質においては、その水素原子の含有割合が0.1〜1
重量%であると、例えば、この炭素質ナノチューブと樹
脂との複合材料において、炭素質ナノチューブの樹脂に
対する濡れ性をより効果的に向上させることができる。
この濡れ性の向上は、水素原子の存在に由来する炭素質
ナノチューブの表面における化学的活性点の増大に基づ
くものと考えられる。
【0025】前記水素原子の含有割合、炭素原子の含有
割合、及び遷移金属原子の含有割合は、従来公知の元素
分析方法により測定することができる。
【0026】本発明に係る炭素質ナノチューブは、これ
に2000℃以上、好ましくは2500〜3000℃に
加熱する熱処理をすると、黒鉛質ナノチューブになる。
<炭素質ナノチューブの製造方法>本発明に係る炭素質
ナノチューブは、本発明に係る炭素質ナノチューブの特
性を有するように製造することができる限りその製造方
法に限定はない。
【0027】水素原子と遷移金属原子と炭素原子とを含
有し、大きくともその内径が5nmである中空部と大き
くとも2nmである肉厚部とを有する炭素質ナノチュー
ブを製造するには、本発明の製造方法が好適であり、さ
らにこの方法の中でも炭化水素として炭素数3以上の炭
化水素を使用する方法が特に好適である。
【0028】本発明に係る炭素質ナノチューブの製造方
法では、遷移金属原子を含有する遷移金属化合物と、硫
黄原子を含有する硫黄化合物と、炭素数3以上の炭化水
素を含有する有機化合物と、キャリヤガスとを混合して
得られる原料混合物を、反応管内における900〜1,
300℃の温度に維持された反応領域に供給する。−遷
移金属化合物−本発明における遷移金属化合物は、遷移
金属原子を含有し、反応管内で分解することにより、触
媒としての遷移金属粒子を発生することができる。
【0029】前記遷移金属化合物における分解温度は、
通常50〜900℃であり、好ましくは70〜800
℃、より好ましくは100〜700℃である。
【0030】前記遷移金属化合物は、反応管内における
900〜1,300℃の温度に維持された反応領域に、
気体の状態で供給されるのが好ましい。ただし、同一反
応容器で前記反応領域より少し上流側で前記温度より低
めの温度、例えば400〜900℃の帯域に前記遷移金
属化合物が供給された場合でも、実質的に同様の結果を
得ることができる。前記遷移金属化合物は、所定の反応
温度にまで昇温される前に完全に気化することができる
ものが好適である。
【0031】前記遷移金属原子としては、例えば、周期
律表第VIII族に属する金属を挙げることができ、好
適な遷移金属原子としては、鉄、ニッケル、コバルト等
を挙げることができる。これらの他に遷移金属原子の具
体例としては、例えば、スカンジウム、チタン、バナジ
ウム、クロム、マンガン等を挙げることができる。これ
らの中でも好ましいのは鉄、コバルト、ニッケル等の第
VIII族金属である。
【0032】前記遷移金属化合物としては、例えば、有
機遷移金属化合物、無機遷移金属化合物等を挙げること
ができる。
【0033】前記有機遷移金属化合物としては、例え
ば、フェロセン、ニッケロセン、コバルトセン、鉄カル
ボニル、アセチルアセトナート鉄、オレイン酸鉄等を挙
げることができ、前記無機遷移金属化合物としては、例
えば、塩化鉄等を挙げることができる。これらの中でも
好ましいのは、周期律表第VIII族に属する金属のメ
タロセンであり、特にフェロセン及びニッケロセンが好
ましい。−硫黄化合物−本発明における硫黄化合物は、
硫黄原子を含有し、触媒としての遷移金属と相互作用し
て、炭素質ナノチューブの生成を促進することができ
る。
【0034】前記硫黄化合物としては、例えば、有機硫
黄化合物、無機硫黄化合物等を挙げることができる。
【0035】前記有機硫黄化合物としては、例えば、チ
アナフテン、ベンゾチオフェン、チオフェン等の含硫黄
複素環式化合物等を挙げることができ、前記無機硫黄化
合物としては、例えば、硫化水素等を挙げることができ
る。−有機化合物−本発明における有機化合物は、炭素
質ナノチューブを形成する炭素質における炭素源として
採用されることができ、炭化水素を含有するのが好まし
く、炭化水素を含有するのがより好ましい。
【0036】前記有機化合物として具体的には、例え
ば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、アン
トラセン等の芳香族炭化水素、メタン、エタン、プロパ
ン、ブタン、ヘプタン、ヘキサン、エチレン、プロピレ
ン、アセチレン等の脂肪族炭化水素、ガソリン、軽油、
灯油、重油、アントラセン油、クレオソート油、天然ガ
ス等の混合物、アルコール、フラン等の含酸素有機物、
アミン、ピリジン等の含窒素有機物等を挙げることがで
きる。前記有機化合物中に遊離炭素が含まれている場合
には、予め遊離炭素を除去するのが好ましい。
【0037】前記有機化合物が室温例えば20℃で液状
である場合は、取り扱い性の観点から好適である。ま
た、前記有機化合物が室温で固体状や粘性液状である場
合は、この有機化合物を、例えばトルエン、ヘキサン等
の低粘性溶媒に溶かして使用することができる。前記有
機化合物として、前記含酸素有機物、前記含窒素有機物
等を採用する場合には、炭化水素と併用するのが好まし
い。
【0038】−キャリヤガス−本発明におけるキャリア
ガスとしては、例えば、水素等を好適に採用することが
できる。前記キャリヤガスには、水素以外に、例えば、
炭素質ナノチューブの生成反応に影響を与えない非反応
性ガス、炭素質ナノチューブの生成反応を促進すること
ができる反応促進ガス、炭素質ナノチューブの生成反応
を阻害することができる反応阻害ガス等を添加すること
ができる。
【0039】前記非反応性ガスとしては、例えば、ヘリ
ウム、ネオン、アルゴン等の希ガス、窒素等を挙げるこ
とができ、前記反応促進ガスとしては、例えば、一酸化
炭素、二酸化炭素、メタン等を挙げることができ、前記
反応阻害ガスとしては、例えば、酸素、空気等を挙げる
ことができる。
【0040】前記非反応性ガス及び前記反応促進ガスか
らなる群より選択される少なくとも一種のガスは、例え
ば、キャリアガス中に50体積%以下添加することがで
き、好ましくは5〜40体積%、更に好ましくは10〜
30体積%の範囲で添加することができる。
【0041】前記反応阻害ガスは、例えば、キャリアガ
ス中に30体積%以下添加することができ、好ましくは
20体積%以下、更に好ましくは1〜10体積%の範囲
で添加することができる。
【0042】−原料混合物−本発明における原料混合物
は、前記遷移金属化合物と、前記硫黄化合物と、前記有
機化合物と、前記キャリヤガスとを混合して得ることが
できる。
【0043】前記原料混合物においては、原料混合物中
における前記遷移金属原子の濃度が、0.025〜0.
5モル%の範囲内になるように、原料混合物中に前記遷
移金属化合物を配合し、原料混合物中における前記炭化
水素の濃度が{273/(T−1000)}4〜10
{273/(T−1000)}(ただし、Tは反応領域
の絶対温度(K)を示す。)モル%の範囲内になるよう
に、原料混合物中に前記有機化合物を配合することがで
きる。
【0044】本発明においては、前記原料混合物中にお
ける前記遷移金属原子の濃度を0.025〜0.5モル
%の範囲内に調整することにより、炭素質繊維の軸線方
向に沿って特定の内径を有する中空部が形成された炭素
質ナノチューブを効果的に製造することができる。
【0045】前記遷移金属原子の濃度が0.5モル%を
上回る場合には、得られる炭素質ナノチューブの収率が
下がることがあり、前記遷移金属原子の濃度が0.02
5モル%を下回ると炭素質ナノチューブが生成しないこ
とがある。
【0046】この炭素質ナノチューブに形成された中空
部の内径、言い換えると炭素質ナノチューブにおける内
周直径は、前記遷移金属化合物の分解により反応管内に
おいて発生する遷移金属粒子の粒子径と関連し、前記遷
移金属粒子の粒子径が大きい程、前記中空部の内径、即
ち炭素質ナノチューブにおける内周直径が大きくなる傾
向があると考えられる。
【0047】生成した炭素質ナノチューブの先端に含ま
れる遷移金属粒子を観察した結果から判断すると、反応
管内で発生する前記遷移金属粒子の粒子径が1.5〜6
nm、好ましくは2〜5nmであると、例えばその平均
外周直径が3〜12nm、その平均内周直径が2〜5n
mである炭素質ナノチューブを効果的に製造することが
できると言える。したがって、前記遷移金属原子の濃度
と下記炭化水素濃度と温度とを適切に選択すると、適度
な粒子径を有する遷移金属を生成させ、これにより、本
発明の炭素質チューブを得ることができる。
【0048】本発明においては、前記原料混合物中にお
ける前記炭化水素の濃度が{273/(T−100
0)}4〜10{273/(T−1000)}(ただ
し、Tは反応領域の絶対温度(K)を示す。)モル%の
範囲内になるように、前記原料混合物中に前記有機化合
物を配合することができる。
【0049】前記原料混合物中における前記炭化水素の
濃度は、例えば、前記遷移金属原子に対する炭素比率
と、前記原料混合物中の有機物濃度と、反応領域の温度
との関係で決定することができる。
【0050】例えば、水素雰囲気下における炭化水素の
熱分解温度が一般に知られている窒素等の不活性ガス雰
囲気下における炭化水素の熱分解温度より高くなるこ
と、トルエン等においては水素雰囲気下の高温で簡単に
メチル基が外れることがあるが、それ以上の分解には到
らないこと等を考慮して、前記原料混合物中における前
記炭化水素の濃度を決定することができる。
【0051】前記原料混合物中における前記炭化水素の
濃度は、反応温度が1,000〜1,200℃の範囲内
である場合には特に、{273/(T−1000)}3
〜10{273/(T−1000)}2(ただし、Tは
反応領域の絶対温度(K)を示す。)モル%の範囲内に
なるように、前記原料混合物中に前記有機化合物を配合
するのが好ましい。
【0052】前記原料混合物中における前記炭化水素の
濃度が、10{273/(T−1000)}モル%を上
回ると、炭素質ナノチューブにおける内周面から外周面
までの距離、言い換えると炭素質ナノチューブにおける
肉厚部の厚さが不必要に厚くなったり、炭素質ナノチュ
ーブを形成する炭素質中の水素原子含有割合が1%を越
えることがある。前記炭素質中の水素原子含有割合が1
%を越えると、炭素質ナノチューブの電気伝導性を低下
させるという不都合を生じることがある。
【0053】前記原料混合物中における前記炭化水素の
濃度が、{273/(T−1000)}4を下回ると、
炭素質ナノチューブが生成しなくなったり、生産性が低
下することがある。
【0054】本発明においては、前記原料混合物中の硫
黄原子の濃度が、前記遷移金属原子の濃度に対して1/
4〜5倍、特に1/2〜3倍の範囲内であるのが好まし
く、前記原料混合物中における前記硫黄原子の濃度が、
0.00625〜2.5モル%の範囲内、好ましくは
0.0125〜1.5モル%の範囲内になるように、前
記原料混合物中に前記硫黄化合物を配合することができ
る。
【0055】前記原料混合物中における前記硫黄原子の
濃度が、0.00625〜2.5モル%の範囲内である
と、前記遷移金属粒子が前記有機化合物を分解して、炭
素を一方向に析出させる核としての活性を良好に保つこ
とができ、曲がりくねりの少ないチューブ状の炭素質ナ
ノチューブを効率良く容易に製造することができる。曲
がりくねりは結晶成長が異常であったことの結果であ
り、曲がりくねりが少ないことは炭素質ナノチューブ本
来の特性(機械的性質、電気的性質、熱的性質等)が得
られると言う利点を有する。更に曲がりくねりの少ない
炭素質ナノチューブは樹脂・ゴムへの分散が容易で、方
向性をもたせた配列で分散させることができる。
【0056】前記硫黄原子の濃度が2.5モル%を上回
ると、炭素質ナノチューブが生成しにくくなることがあ
り、前記硫黄原子の濃度が0.00625モル%を下回
ると、曲がった炭素質ナノチューブが多量に生成した
り、炭素質ナノチューブが生成しにくくなることがあ
る。
【0057】前記反応管内における反応領域に前記原料
混合物を供給する場合には、例えば、前記原料混合物
を、炭化水素、他の有機溶媒、或いは、少量の無機溶媒
等に溶解して供給すると安定して供給することができ
る。
【0058】前記原料混合物の反応領域における滞在時
間(反応領域の長さ/反応温度での原料混合物の流速)
は、通常1分以内であり、好ましくは0.1〜30秒、
特に好ましくは1〜20秒の範囲である。
【0059】<繊維集合体>本発明の炭素質ナノチュー
ブの製造方法によると、上述した本発明の炭素質ナノチ
ューブが全体に対して少なくとも70重量%の割合で含
有され、全体に対する水素原子の含有割合が0.1〜1
重量%であり、全体に対する炭素原子の含有割合が少な
くとも98.5重量%であり、全体に対する遷移金属原
子の含有割合が0.005〜1重量%である繊維集合体
を得ることができる。
【0060】前記繊維集合体は、例えば、煤、タール状
物、及び中空部を有していない非中空炭素質繊維等の副
生成物等を含んでいても良い。
【0061】前記繊維集合体中の前記タール状物は、例
えば、トルエン、アセトン等の有機溶剤で洗浄すること
により除去しても良いし、前記タール状物を約1,00
0℃程度の不活性雰囲気で蒸発させてこの蒸発したター
ル状物を分解することにより除去しても良い。
【0062】前記繊維集合体においては、前記細径の炭
素質ナノチューブを、通常少なくとも70体積%、好適
には少なくとも80体積%含有するのが良い。
【0063】前記繊維集合体中に、前記細径の炭素質ナ
ノチューブを、少なくとも70体積%含有させることに
より、例えば、前記繊維集合体と樹脂との複合材料にお
いて、この複合材料における強度、弾性率等の機械的特
性や電気伝導性・熱伝導性を効果的に向上させることが
できるまた、前記繊維集合体においては、この繊維集合
体中に、その直径が数nm、例えば、1〜10nmの遷
移金属粒子が炭素質で覆われた炭素被覆金属粒子を含有
する場合がある。前記炭素被覆金属粒子は、例えば、酸
洗浄等で前記繊維集合体から除去しても良いが、1重量
%を越えない範囲内で前記繊維集合体中に含有させるこ
とにより、例えば、前記繊維集合体と樹脂との複合材料
において、繊維集合体の樹脂に対する濡れ性を効果的に
向上させることができ、この複合材料における強度、弾
性率等の機械的特性を効果的に向上させることができ
る。
【0064】
【実施例】(実施例1)図1に示すように、縦型の気相
成長炭素繊維製造装置1を使用して炭素質ナノチューブ
の製造を行なった。
【0065】前記気相成長炭素繊維製造装置1は、原料
タンク2、原料ポンプ3、原料気化器4、予熱器5、第
1キャリヤガス流量計6、第2キャリヤガス流量計7、
第3キャリヤガス流量計8、原料混合ガス供給ノズル
9、反応管10、整流器11、第2キャリヤガス供給ノ
ズル12、第3キャリヤガス供給ノズル13、電気炉1
4、繊維捕集器15、及びガス排出口16を有する。
【0066】前記反応管10の内径は8.5cmであ
る。
【0067】前記整流器11の下端部から繊維捕集器1
5に向かって約80cmの位置までを反応領域とし、こ
の反応領域が1100℃に維持され、更に前記反応領域
から下流に向かって徐々に低温となり、繊維捕集器15
の温度が100〜300℃になるように、反応管10内
の温度を制御した。
【0068】原料タンク2には、フェロセン:チオフェ
ン:トルエンの混合比が、モル比で0.5:0.2:9
9.3の原料溶液を貯留した。
【0069】原料ポンプ3により、原料供給管17を介
して原料溶液を原料気化器4に供給し、原料溶液を気化
させて原料ガスとした後、この原料ガスが4体積%とな
るように、原料ガスと第1キャリヤガスとを混合した。
【0070】前記第1キャリヤガスは、水素:窒素の混
合比が、体積比で80:20であり、第1キャリヤガス
供給管18を通じて原料ガス配管19内に供給され、原
料ガスと混合される。
【0071】前記原料ガスと前記第1キャリヤガスと
を、原料ガスが4体積%になるように混合して得られた
原料混合ガスを、予熱器5により予熱した後、原料混合
ガス供給管20を介して、原料混合ガス供給ノズル9に
供給した。この原料混合ガスが本発明における原料混合
物に相当する。
【0072】前記原料混合ガス供給ノズル9の内径は2
cmで、原料混合ガス供給ノズル9内が温度約400℃
に制御されている。
【0073】前記原料混合ガスは室温で2L/分で供給
されるので、原料混合ガス供給ノズル9からは、400
℃で、24cm/秒の速度で原料混合ガスが吹き込まて
いたことになる。
【0074】第2キャリヤガスは、純水素であり、第2
キャリヤガス供給管21を介して、第2キャリヤガス供
給ノズル12から整流器11に供給される。
【0075】前記第2キャリヤガスは室温で7L/分で
供給されるので、整流器11に設けられた整流筒11a
における内周壁面(内径7cm)と前記原料混合ガス供
給ノズル9における外周壁面(外径4cm)との間隙
を、約1100℃で21cm/秒で流下していたことに
なる。
【0076】第3キャリヤガスは、窒素:空気の混合比
が、体積比で80:20であり、第3キャリヤガス供給
管22を介して、第3キャリヤガス供給ノズル13から
整流器11に供給される。
【0077】前記第3キャリヤガスは室温で3L/分で
供給されるので、整流器11に設けられた整流筒11a
における外周壁面(外径7.5cm)と前記反応管10
における内周壁面(内径8.5cm)との間隙を、約1
100℃で19cm/秒で流下していたことになる。
【0078】この反応装置においては対流が起こらず、
ガスの流れ方向が鉛直上方から鉛直下方へのピストンフ
ローに近い気流であった。
【0079】前記原料混合ガス供給ノズル9から流下し
た原料混合ガスは、周囲の純水素ガスを巻き込むことに
より、原料混合ガス中の原料ガスは水素中に拡散しなが
ら流下した。
【0080】前記原料混合ガス及び純水素ガスは、更に
反応管10の内周壁面に沿って流下する第3キャリヤガ
スと接触していると考えられ、前記原料混合ガス及び純
水素ガスと前記反応管10の内周壁面との間に前記第3
キャリヤガスを介在させることにより、例えば、前記反
応管10の内周壁面に生成物が付着すること等を防止す
ることができる。
【0081】反応領域での原料濃度は、ノズルから吹き
出した直後は4%であるが、反応管中を流下するに従
い、第2キャリアガスと混合して徐々に希釈される。し
かし、ピストンフローに近い流れの為、完全混合には至
っていないと推察される。第3キャリアガスとも徐々に
混合されるが、反応管壁に近い処は窒素/空気成分が多
く、反応管内部は原料成分/水素が多い流れになってい
るいるものと推察される。
【0082】この状態を30分間維持した後、原料供給
ポンプ3を停止して5分放置後、反応管10内を窒素ガ
スで置換した。
【0083】前記ガス排出口16におけるフィルター部
から0.5g、前記繊維捕集器15から2.2gの繊維
が採集された。
【0084】前記フィルター部から採集された繊維、及
び前記繊維捕集器15から採集された繊維を、それぞれ
高分解能透過型顕微鏡で観察した。
【0085】前記フィルター部から採集された繊維を観
察したところ、外周直径5〜8nmの繊維が混在してお
り、平均外周直径が6nm、平均内周直径が4nmであ
る中空炭素繊維であった。この中空炭素繊維を試料1と
する。
【0086】前記繊維捕集器15から採集された繊維を
観察したところ、外周直径8〜30nmの繊維が混在し
ており、平均外周直径が23nm、平均内周直径が4n
mである中空炭素繊維であった。この中空炭素繊維を試
料2とする。
【0087】(実施例2)反応領域を1150℃に維持
し、原料溶液としてフェロセン:チオフェン:トルエン
の混合比がモル比で1.5:0.8:97.7の溶液を
採用し、第1キャリヤガス及び第2キャリヤガスとして
それぞれ純水素ガスを採用し、第3キャリヤガスとして
純窒素ガスを採用し、前記原料溶液を気化させて原料ガ
スとした後、この原料ガスが2体積%となるように原料
ガスと第1キャリヤガスとを混合して、原料混合ガスを
得、この原料混合ガスを30cm/秒の速度で流下さ
せ、前記第2キャリヤガスを12cm/秒で流下させ、
前記第3キャリヤガスを12cm/秒で流下させた以外
は、実施例1と同様に炭素繊維の製造を行なった。
【0088】前記繊維捕集器15から1.5g、前記ガ
ス排出口16におけるフィルター部から1.0gの繊維
が採集された。前記フィルター部から採集された繊維、
及び前記繊維捕集器15から採集された繊維を、それぞ
れ高分解能透過型顕微鏡で観察した。
【0089】前記フィルター部から採集された繊維を観
察したところ、外周直径5〜9nmの繊維が混在してお
り、平均外周直径が7nm、平均内周直径が3.5nm
である中空炭素繊維であった。この中空炭素繊維を試料
3とする。
【0090】前記繊維捕集器15から採集された繊維を
観察したところ、外周直径7〜25nmの繊維が混在し
おり、平均外周直径が20nm、平均内周直径が4nm
である中空炭素繊維であった。この中空炭素繊維を試料
4とする。
【0091】(比較例1)平均外周直径が200nm、
平均内周直径が3nmである黒鉛化処理後の気相成長炭
素繊維を用意した。この黒鉛化処理後の気相成長炭素繊
維を試料5とする。 −評価− 前記試料1〜5のそれぞれにおける、結晶面間隔
002、水素原子の含有割合、炭素原子の含有割合、遷
移金属原子の含有割合、比表面積、水分保持率、水素吸
着量、エポキシ樹脂と混合して複合材料とした時の曲げ
強度、曲げ弾性率、及び比抵抗を表1に示す。
【0092】前記複合材料には、各試料を10vol%
配合した。
【0093】前記実施例1及び実施例2で得られた試料
1及び試料3が、本発明の最も好適な炭素質ナノチュー
ブである。
【0094】
【表1】
【0095】
【発明の効果】本発明の炭素質ナノチューブによれば、
例えば、炭素質ナノチューブと樹脂とを複合して得られ
る複合材料において、炭素質ナノチューブが、樹脂に対
して優れた濡れ性を有するので、前記複合材料の機械的
強度を効果的に向上させることができる。
【0096】本発明の炭素質ナノチューブ及びこの炭素
質ナノチューブが全体に対して少なくとも70重量%の
割合で含有されてなる繊維集合体によれば、優れた導電
性を有し、かつ、その表面に活性点を有するので、従来
からの複合材料における濡れの問題等を解決することが
でき、例えば、比抵抗等の優れた電気的特性と、曲げ強
度、曲げ弾性率等の優れた機械的特性と、水分保持性
能、吸着性能等の優れた化学的特性とを兼ね備えた高性
能の複合材料を得ることができる。
【0097】本発明の炭素質ナノチューブの製造方法に
よれば、前記炭素質ナノチューブ、及び、前記繊維集合
体を容易に得ることができる。
【0098】本発明の炭素質ナノチューブ及び繊維集合
体は、比表面積が大きく、活性点が多く、しかも優れた
耐薬品性を有するので、例えば、吸着剤、保持材等とし
て効果的に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の炭素質ナノチューブの製造方
法に採用することができる縦型の気相成長炭素繊維製造
装置の概略図である。
【符号の説明】
1・・・気相成長炭素繊維製造装置、2・・・原料タン
ク、3・・・原料ポンプ、4・・・原料気化器、5・・
・予熱器、6・・・第1キャリヤガス流量計、7・・・
第2キャリヤガス流量計、8・・・第3キャリヤガス流
量計、9・・・原料混合ガス供給ノズル、10・・・反
応管、11・・・整流器、11a・・・整流筒、12・
・・第2キャリヤガス供給ノズル、13・・・第3キャ
リヤガス供給ノズル、14・・・電気炉、15・・・繊
維捕集器、16・・・ガス排出口、17・・・原料供給
管、18・・・第1キャリヤガス供給管、19・・・原
料ガス配管、20・・・原料混合ガス供給管、21・・
・第2キャリヤガス供給管、22・・・第3キャリヤガ
ス供給管。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大きくともその内径が5nmである中空
    部と大きくとも10nmである肉厚部とを有し、水素原
    子及び炭素原子を含有する炭素質で形成されてなること
    を特徴とする炭素質ナノチューブ。
  2. 【請求項2】 大きくともその内径が5nmである中空
    部と大きくとも5nmである肉厚部とを有し、水素原子
    及び炭素原子を含有する炭素質で形成されてなることを
    特徴とする炭素質ナノチューブ。
  3. 【請求項3】 更に遷移金属原子を含有してなる前記請
    求項1又は2に記載の炭素質ナノチューブ。
  4. 【請求項4】 前記請求項3に記載された炭素質ナノチ
    ューブが全体に対して少なくとも70重量%の割合で含
    有され、全体に対する水素原子の含有割合が0.1〜1
    重量%であり、全体に対する炭素原子の含有割合が少な
    くとも98.5重量%であり、全体に対する遷移金属原
    子の含有割合が0.005〜1重量%であることを特徴
    とする繊維集合体。
  5. 【請求項5】 遷移金属原子を含有する遷移金属化合物
    と、硫黄原子を含有する硫黄化合物と、炭化水素を含有
    する有機化合物と、キャリヤガスとを混合して得られる
    原料混合物を、前記原料混合物中における前記遷移金属
    原子の濃度が0.025〜0.5モル%の範囲内、及び
    前記原料混合物中における前記炭化水素の濃度が{27
    3/(T−1000)}4〜10{273/(T−10
    00)}(ただし、Tは反応領域の絶対温度(K)を示
    す。)モル%の範囲内になるように、反応管内における
    900〜1,300℃の温度に維持された反応領域に供
    給することを特徴とする炭素質ナノチューブの製造方
    法。
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