JP2001080860A - エレベータの乗場出入口三方枠構造及びその据付方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 乗場出入口の化粧枠となる横枠パネル及び幕
板のパネル面を養生シート等で覆わなくても傷が付けら
れないようにすると共に改装工事にあわせて容易に交換
できるようにする。 【解決手段】 エレベータの乗場出入口１に、据付け固
定される三方枠を、左右一対の横枠本体９と、左右一対
の横枠９の上側をつなぐ上枠本体１１とから成る三方枠
本体３と、前記三方枠本体３と別体に作られ前記左右一
対の横枠９に、取付けられた横枠パネル５及びこの横枠
パネル５と上枠本体１１とに取付けられた幕板で構成
し、横枠パネル５及び幕板７を後付け可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、各階のエレベー
タの乗場出入口三方枠構造及びその据付方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】エレベータが据付けられるビル等の建物
において、各階のエレベータフロアのボード壁には、予
め、エレベータ用の乗場出入口が設けられている。

【０００３】エレベータの乗場出入口には、例えば、図
１０に示すように、一対の横枠１０１と、その間に挟ま
れる幕板１０３からなる三方枠１０５が設けられてい
る。

【０００４】図１１、１２に、三方枠１０５の据付け状
態を示す。横枠１０１は、シルブラケット１０７を介し
てシル１０９上に締結され、幕板１０３はふさぎ板１１
１を介してコンクリート上壁１１３にアンカーボルトで
固定されている。三方枠１０５の水平、垂直方向の位置
出し後、コンクリート横壁１１５と横枠補強材１１７
を、添棒１１９で溶接固定し、出入口１２１に確実に固
定する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】三方枠１０５は、乗場
出入口１２１に厳重に固定されているが、新規にビルを
建築する場合、エレベータは建築資材を運搬するため、
工事使用として使用されることがしばしばある。しかし
ながら、その運搬する際、三方枠１０５の傷付防止のた
め、養生シート、もしくは、ダンボールで覆い、傷がつ
かないように養生しているが、多数の業者がいく度とな
く出入りするため、その養生方法に苦労しているのが現
状である。更に、天井工事の際、溶接時に発生するスパ
ッタが、養生シートに落下するという問題もある。

【０００６】又、三方枠１０５は、ビルのエレベータホ
ールの内装に合せて、意匠決定されるため、三方枠１０
５の意匠が特殊で、なおかつ、ビル工事の工期が短い
と、三方枠据付けが遅れ、それに伴なうビル工事の遅れ
につながり、建築のクレームにつながることも少なくな
い。

【０００７】更に、ビルが施主に引渡されて、何十年と
使用していると、それに伴ないビル内部の改装作業が必
要となってくる。当然、三方枠１０５もモダニゼーショ
ンとして交換するよう依頼を受けるが、その作業となる
と、一度、乗場出入口１２１周辺をとりこわし、スペー
ス確保後、横枠補強材１１７とコンクリート横壁１１５
とを固定している添棒１１９を溶断した上で、四方の締
結部をはずし、重量物の三方枠１０５を撤去する。そし
て、仕様どおりの新規の三方枠を前述同様、据付けた
後、乗場出入口１２１周辺の仕上となるため、かなり大
がかりな工事となっていた。

【０００８】そこで、この発明は、前記問題の解消を図
ったエレベータの乗場出入口構造を提供することを目的
としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、この発明の請求項１によれば、エレベータの乗場出
入口に据付固定される左右一対の横枠本体及びこの左右
一対の横枠本体の上側をつなぐ上枠本体とから成る三方
枠本体と、前記三方枠本体と別体に作られ前記左右一対
の横枠本体に取付けられた横枠パネルと、この各横枠パ
ネルと前記上枠本体とにそれぞれ取付けられた幕板とを
備える。

【００１０】これにより、特殊な化粧パネルの横枠パネ
ル及び幕板であっても、予め先付けする必要がないた
め、工事遅れにつながることはない。

【００１１】また、この発明の請求項２によれば、横枠
パネル及び幕板を、三方枠本体に対して着脱自在に後付
け可能とする。

【００１２】これにより、改装工事に適応した横枠パネ
ル及び幕板の交換作業が容易に行なえるようになる。

【００１３】また、この発明の請求項３によれば、横枠
パネルに、乗場出入口のボード壁の開口周縁に取付けら
れる横枠見付け折返し部を設ける。

【００１４】これにより、三方枠本体に取付けられた横
枠パネルの横枠見付け折返し部を、ボード壁の開口周縁
に取付けることで、乗場出入口周りを隙間なくきれいに
化粧処理することができる。

【００１５】また、この発明の請求項４によれば、横枠
パネルに、乗場出入口のボード壁の表面側に化粧ビスに
よって取付けられ横枠見付けを設ける。

【００１６】これにより、三方枠本体に取付けられた横
枠パネルの横枠見付けを、ボード壁の表面に取付けるこ
とで、作業が容易になると共に乗場出入口周りを隙間な
くきれいに化粧処理することができる。

【００１７】また、この発明の請求項５によれば、横枠
パネルの横枠見付け折返し部を、乗場出入口のボード壁
の開口周縁に、目地材を挟んで取付ける。

【００１８】これにより、横枠見付け折返し部と目地材
とが組合わされたアクセントのある乗場出入口周りが得
られるようになる。

【００１９】また、この発明の請求項６によれば、エレ
ベータの乗場出入口に三方枠本体を据付固定して、その
乗場出入口を工事使用として使用した後、三方枠本体に
横枠パネル及び幕板を取付ける。これにより、乗場出入
口を建築資材を運搬するための工事使用として三方枠本
体のままで使用している際には養生シート等をする必要
がなく、そして、工事使用としての使用完了後に、横枠
パネル及び幕板を三方枠本体に取付けることで、表面の
化粧パネルを傷付けることもない。

【００２０】

【発明の実施の形態】以下、図１乃至図５の図面を参照
しながら発明の第１の実施形態について具体的に説明す
る。

【００２１】図２において１は各階のエレベータフロア
に設けられたエレベータの乗場出入口三方枠構造を示し
ている。

【００２２】乗場出入口１には、三方枠本体３と、三方
枠本体３に後付けされた左右の横枠パネル５及び幕板７
とからなる三方枠が設けられている。

【００２３】三方枠本体３は、図１に示すように、左右
一対の横枠本体９と、左右一対の横枠本体９の上端を一
体につなぐ上枠本体１１とで構成され、正規の出入口幅
及び高さより横枠パネル５及び幕板７の板厚分大きい形
状となっている。横枠本体９は、前面９ａと内面９ｂと
後面９ｃとから成る断面コ字状の形状となっていて、前
面９ａには前方取付孔１３が複数設けられている。内面
９ｂには側方取付孔１５が複数設けられていて、図３に
示すようにコンクリート横壁１７に固定支持された添棒
１９に溶接によって一体に固着されている。横枠本体９
の下端は、図５に示すようにシルブラケット２０を介し
てシル２２に固定支持されている。

【００２４】上枠本体１１は、図１に示すように、Ｌ字
状の部材を一体に組合せ結合して断面Ｕ字状の形状とな
っている。上枠本体１１の底面には上枠孔２１が複数設
けられている。

【００２５】一方、横枠パネル５及び幕板７は三方枠本
体３とは別体に作られている。横枠パネル５は、内壁面
５ａと、内壁面５ａから外側へ屈曲された前面５ｂと前
面５ｂから後方へ短く屈曲された側方折返し部５ｃとか
らなる横枠見付け折返し部２３を有し、内壁面５ａの表
面及び横枠見付け折返し部２３の前面５ｂは化粧パネル
面となっている。

【００２６】横枠パネル５の内壁面５ａには、前記幕板
７を取付ける幕板取付孔２５と、前記横枠本体９の側方
取付孔１５に挿通される取付けボルト２７を有し、取付
けボルト２７にはナット２９が螺合されることで、横枠
本体９に対して横枠パネル５が締結されるようになって
いる。

【００２７】横枠パネル５の横枠見付け折返し部２３の
側方折返し部５ｃは、一端が横枠本体９にボルト止めさ
れた横枠パネル取付金具３１及び一端がボード壁３３の
裏面にボルト止めされたボード取付金具３５と一緒にボ
ルト３７、ナット３９により重ね合せ結合される取付孔
４１が複数設けられている。

【００２８】なお、ボード壁３３は、コンクリート横壁
１７の表面に設けられた化粧壁となっている。

【００２９】幕板７は、前面パネル７ａから上方屈曲部
７ｂ、左右の側方屈曲部７ｃ、下方屈曲部７ｄがそれぞ
れ一体に屈曲された形状となっていて、前面パネル７ａ
は化粧パネル面となっている。

【００３０】幕板７の上方屈曲部７ｂには図５に示すよ
うにコンクリート上壁４３に固定支持されたふさぎ板４
５にボルト４７、ナット４８によって取付けられる取付
孔４９が設けられている。側方屈曲部７ｃには前記横枠
パネル５の幕板取付孔２５とボルト５１、ナット５３に
よって締結される取付孔５５が設けられている。下方屈
曲部７ｄには、前記上枠本体１１の上枠孔２１に挿入さ
れナット５７により締結される固定ボルト５９が設けら
れている。

【００３１】このように構成されたエレベータの乗場出
入口三方枠構造によれば、工事使用として使用する場合
には、三方枠本体３のままで使用する。

【００３２】そして工事用としての使用完了後で内装工
事の前において、三方枠本体３に横枠パネル５及び幕板
７を取付けるものである。具体的には、まず、横枠パネ
ル５の取付けボルト２７を、横枠本体９の側方取付孔１
５に挿入し、ナット２９を螺合することで横枠パネル５
を締結する。次に、幕板７の固定ボルト５９を上枠本体
１１の上枠孔２１に挿入し、ナット５７を螺合すること
で、幕板７を仮上枠１１に締結する。続いて、幕板７の
上方屈曲部７ｂの取付孔４９とふさぎ板４５の取付孔と
をボルト４７、ナット４８により締結する。さらに、側
方屈曲部７ｃの取付孔５５と横枠パネル５の幕板取付孔
２５とをボルト５１、ナット５３により締結すること
で、三方枠本体３に対する取付けが完了する。

【００３３】一方、横枠パネル５の横枠見付け折返し部
２３の側方折返し部５ｃは、横枠本体９の前方取付孔１
３にボルト止めされた横枠パネル取付金具３１と、ボー
ド壁３３の裏面にボルト止めされたボード取付金具３５
の三者が重ね合せ結合された状態で、ボルト３７、ナッ
ト３９によって取付けられる。この結果、乗場出入口１
周りは、隙間のないきれいな三方枠取付け状態が得られ
る。

【００３４】この場合、図６に示すように横枠パネル５
の横枠見付け折返し部２３を、目地材６３を挟んで取付
けることで、乗場出入口１周りを目地材６３を組合せた
アクセントのある処理仕上とすることができる。あるい
は、図７に示すように横枠パネル５の横枠見付け折返し
部２３を断面弧状の円弧面としても、乗場出入口１周り
を隙間のない化粧処理が可能となる。

【００３５】これら一連の作業において、横枠パネル５
及び幕板７は、特殊なパネル面で若干の納期遅れがあっ
ても、予め先付けする必要がないため、工事遅れにつな
がる恐れはない。

【００３６】次に、改装工事等において、横枠パネル５
及び幕板７を交換する場合について説明する。

【００３７】図５において、支持台６５により天井ボー
ド６７を少し持ち上げた状態で支持する。そして、締結
箇所をゆるめ、幕板７、横枠パネル５の順に取りはず
す。この時、横枠本体９、上枠本体１１、ふさぎ板４５
はそのままの状態でおいておく。そして、新規の意匠パ
ネル面を備えた横枠パネル５及び幕板７を取付ける。

【００３８】この時に、横枠見付け折返し部２３とボー
ド壁３３に、隙間が生じた場合には、ボード壁３３の裏
面より固定するボード取付金具３５によって横枠パネル
５を調整することにより、隙間なく取付けることができ
る。

【００３９】これにより、横枠パネル５及び幕板７のパ
ネル模様の異なるものを容易に交換することが可能とな
る。

【００４０】図８は横枠パネル５の第２の実施形態を示
したものである。

【００４１】即ち、横枠パネル５の内壁面５ａから一体
に横枠見付け６９を設けるようにするものである。この
場合、図９に示すように横枠パネル５の内壁面５ａを若
干屈曲させる形状としてもよい。

【００４２】なお、他の構成要素は図３の実施形態と同
一のため同一符号を符して詳細な説明を省略する。

【００４３】したがって、この第２の実施形態によれ
ば、内壁面５ａから屈曲された横枠見付け６９をボード
壁３３の表面に、化粧ビス７１で取付けることで容易に
取付けが完了する。

【００４４】この場合、取付けは表側から行なうため作
業がやり易くなると共に、乗場出入口１周りを隙間のな
いきれいな三方枠取付け状態が得られるようになる。

【００４５】

【発明の効果】以上、説明したように、この発明によれ
ば、乗場出入口の化粧枠となる横枠パネル及び幕板を、
資材の搬入用に工事使用として使用する際に取外してお
けるので、パネル表面に傷がつけられるのを防ぐことが
できる。

【００４６】また、三方枠本体に対して横枠パネル及び
幕板の後付けができるため、改装工事を行なう時に、そ
の改装工事に適応した化粧パネルの横枠パネル及び幕板
を容易に交換することができる。しかも、特殊なパネル
面によって若干の納期遅れがあっても、予め先付けする
必要がないため、工事遅れにつながる恐れもない。

【００４７】また、乗場出入口周りを、隙間なくきれい
に化粧処理することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明にかかる乗場出入口三方枠構造を示し
た概要分解斜視図。

【図２】乗場出入口三方枠構造を示した概要斜視図。

【図３】三方枠本体の仮横枠と横枠パネルの取付け状態
を示した一部分の概要平面図。

【図４】三方枠本体の上枠本体と横枠パネルと幕板の取
付け状態を示した一部分の概要平面図。

【図５】図２のＡ−Ａ線概要断面図。

【図６】横枠パネルの横枠見付け折返し部に目地材を介
して取付けた図３と同様の概要平面図。

【図７】横枠パネルの横枠見付け折返し部を円弧面とし
た変形例を示す図３と同様の概要平面図。

【図８】横枠パネルの第２の実施形態を示した図３と同
様の概要平面図。

【図９】横枠パネルの第２の実施形態を示した図３と同
様の概要平面図。

【図１０】従来例を示した図２と同様の概要斜視図。

【図１１】従来例を示した図３と同様の概要平面図。

【図１２】従来例を示した図５と同様の概要断面図。

【符号の説明】

１ 乗場出入口 ３ 三方枠本体 ５ 横枠パネル ７ 幕板 ９ 横枠本体 １１ 上枠本体

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エレベータの乗場出入口に、据付け固定
   される左右一対の横枠本体及びこの左右一対の横枠本体
   の上側をつなぐ上枠本体とから成る三方枠本体と、前記
   三方枠本体と別体に作られ前記左右一対の横枠本体に取
   付けられた横枠パネルと、この各横枠パネルと前記上枠
   本体とにそれぞれ取付けられた幕板とを備えたことを特
   徴とするエレベータの乗場出入口三方枠構造。
2. 【請求項２】 横枠パネル及び幕板は、三方枠本体に対
   して着脱自在に後付けされることを特徴とする請求項１
   記載のエレベータの乗場出入口三方枠構造。
3. 【請求項３】 横枠パネルは、乗場出入口のボード壁の
   開口周縁に取付けられる横枠見付け折返し部を有してい
   ることを特徴とする請求項２記載のエレベータの乗場出
   入口三方枠構造。
4. 【請求項４】 横枠パネルは、乗場出入口のボード壁の
   表面側に化粧ビスによって取付けられる横枠見付けを有
   していることを特徴とする請求項２又は請求項３記載の
   エレベータの乗場出入口三方枠構造。
5. 【請求項５】 横枠パネルの横枠見付け折返し部は、乗
   場出入口のボード壁の開口周縁に、目地材を挟んで取付
   けられることを特徴とする請求項３又は請求項４記載の
   エレベータの乗場出入口三方枠構造。
6. 【請求項６】 エレベータの乗場出入口に、三方枠本体
   を据付け固定して、その乗場出入口を工事使用として使
   用した後、前記三方枠本体に横枠パネル及び幕板に取付
   けることを特徴とするエレベータの乗場出入口三方枠構
   造の据付方法。