JP3005615B2 - カーテンウォールの外装パネル - Google Patents

カーテンウォールの外装パネル

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JP3005615B2
JP3005615B2 JP8236236A JP23623696A JP3005615B2 JP 3005615 B2 JP3005615 B2 JP 3005615B2 JP 8236236 A JP8236236 A JP 8236236A JP 23623696 A JP23623696 A JP 23623696A JP 3005615 B2 JP3005615 B2 JP 3005615B2
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春海 千葉
安 村瀬
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株式会社日本アルミ
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物の外壁を構成
するカーテンウォールの外装パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、高層ビル等の建物には、建物の
内部と外部とを仕切るために、複数の外装パネルから構
成されるカーテンウォールが配設されている。このカー
テンウォールの外装パネルの一例として、たとえば、図
8に示すものが広く採用されている。図8において、従
来のカーテンウォールは、柱部材2、強度部材4および
パネル部材6を備えている。建物構造体の梁部材には床
部材8が支持され、この床部材8にL字状の取付金具1
0が固定ボルトとナット12によって固定されている。
柱部材2は、たとえばH形鋼から形成することができ、
その一方のフランジ部14には支持プレート16が溶接
等の手段によって固定され、この支持プレート16の両
端部が連結ボルト18とナット20によって取付金具1
0に連結されている。また、柱部材2の他方のフランジ
部22には、支持プレート24が溶接の如き手段によっ
て固定され、この支持プレート24の両端部に連結ボル
ト26とナット28によって強度部材4が取付けられて
いる。柱部材2は、床部材8に対して実質上垂直な上下
方向(図8において紙面に垂直な方向)に延び、強度部
材4は柱部材2に対して実質上垂直な水平方向(図8に
おいて上下方向)に延びている。パネル部材6は、建物
の外面を構成し、たとえばアルミニウムから形成するこ
とができ、その上端部および下端部には上枠部材および
下枠部材が設けられ、またその両側部には竪枠部材が設
けられている(これら枠部材については図示していな
い)。強度部材4は、パネル部材6の上下方向中間部に
配設され、上枠部材と下枠部材との間にてパネル部材6
に取付けられる。パネル部材6の内面には雄ねじ部30
が設けられ、この雄ねじ部30にナット32を螺合する
ことによって強度部材4がパネル部材6に装着される。
強度部材4は、パネル部材6の上下方向中間部に位置し
てその強度アップを図る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
外装パネルにおいては、次のとおりの解決すべき問題が
存在する。すなわち、図8から容易に理解されるとお
り、強度部材4は柱部材2の他方のフランジ部24の外
面に取付けられ、またパネル部材6は強度部材4の外面
に取付けられるので、カーテンウォールの外装パネルを
取付けるために必要なスペースは、取付金具10の外面
からパネル部材6の外面までの間隔S、すなわち支持プ
レート16、柱部材2、支持プレート24、強度部材4
およびパネル部材6のそれぞれの厚さ加えたスペースと
なる。カーテンウォールの外装パネルのためのスペース
は、建物としての有効なスペース(使用可能なスペー
ス)として機能せず、それ故に、このスペースが大きく
なると、有効な室内スペースが小さくなり、使用可能な
床面積が建物の大きさに比して小さくなる。
【0004】本発明の目的は、強度を低下させずに、設
置スペースが小さく、スペースの無駄を少なくすること
ができるカーテンウォールの外装パネルを提供すること
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、建物の外面を
構成するパネル部材と、該パネル部材の上端部および下
端部を支持する上枠部材および下枠部材と、前記パネル
部材の両側部を支持する一対の竪枠部材と、建物の梁部
材に支持されて上下方向に延び、前記上枠部材および前
記下枠部材を支持する柱部材と、前記上枠部材および前
記下枠部材の間に配設され、前記パネル部材の上下方向
中間部を支持する強度部材と、を具備するカーテンウォ
ールの外装パネルにおいて、前記柱部材は、本体部と、
この本体部の両端部に設けられるフランジ部とを有し、
一方のフランジ部が前記梁部材に連結され、本体部の軸
線方向中間部には、前記強度部材が横方向に挿通する貫
通孔が形成され、前記貫通孔に挿通された強度部材は、
貫通孔の両側で連結金具によって前記柱部材の本体部に
固定されるとともに、前記パネル部材の内面に連結さ
れ、この強度部材の横方向両端部は、前記パネル部材の
両側部に設けられる各竪枠部材に連結されることを特徴
とするカーテンウォールの外装パネルである。
【0006】本発明に従えば、強度部材は柱部材に形成
された貫通孔を通して連結金具によって柱部材に固定
し、かつ横方向に延び、その両端部が一対の竪枠部材に
連結されるので、外装パネルを設けるに必要なスペース
は、実質上、柱部材およびパネル部材のそれぞれの厚さ
を加えた大きさでよく、従来必要であった強度部材のた
めの略水平方向のスペースが不要となり、その結果、強
度を低下させずに外装パネルのためのスペースを著しく
小さくすることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に従うカーテンウ
ォールの外装パネルの一実施形態を用いた建物の外壁の
一部を示す斜視図であり、図2は、図1の外装パネルの
の要部を示す縦断面図であり、図3は、図2の外装パネ
ルの強度部材およびその近傍を示す縦断面図であり、図
4は、強度部材およびその近傍を示す部分斜視図であ
り、図5は、図2におけるV−V線から見たところを示
す底面図である。
【0008】図1において、高層ビルのごとき建物の構
造体は、上下方向に間隔を置いて配設された梁部材11
4を備えている。梁部材114は、たとえばH形鋼から
構成することができ、その上面には床部材120が取付
けられる。このような構造体の外面に外装パネル101
が取付られ、外装パネル101を複数個連結することに
よってカーテンウォールが構成される。本実施形態で
は、各外装パネル101は、図1にその基本的構成を示
すとおり、横方向に間隔を置いて配設された一対の柱部
材102と、柱部材102の上端部に連結された上枠部
材103と、柱部材102の下端部に連結された下枠部
材105を備えている。上枠部材103および下枠部材
105は横方向に延び、その両端部間には一対の竪枠部
材107,109が連結されている。上枠部材103と
下枠部材105との間には、強度部材104が配設さ
れ、この強度部材104の両端部が一対の竪枠部材10
7,109に連結されている。上枠部材103、下枠部
材105および竪枠部材107,109は、外装パネル
101の枠体を構成する。外装パネル101は、建物の
外面を構成するパネル部材106を有し、このパネル部
材106の上端部、下端部および両側部にそれぞれ上枠
部材103、下枠部材105および竪枠部材107,1
09が取付けられる。なお、上枠部材103、下枠部材
105および竪枠部材107,109の連結は、図示し
ていないが、たとえばL字状の固定金具を用いて強固に
連結される。このような外装パネル101は、図示の適
用例では、横方向に複数個連続して配設され、また上下
方向に窓ガラス194を間に介して複数個配設される。
【0009】図2〜図5を参照して外装パネル101に
ついてさらに説明すると、図示の外装パネル101の柱
部材102は、H形鋼から構成することができ、本体部
108と本体部108の両端部に設けられたフランジ部
110,112を有している。
【0010】この柱部材102は、次のとおりにして建
物構造体に取付けられる。建物建造物の水平方向(図2
において紙面に垂直な方向)に延びる梁部材114は、
大きいH形鋼から構成されており、その一方のフランジ
部116の上面には、図2および図3において左方に延
びる床パネル118が設けられ、この床パネル118の
上面に床部材120が取付られている。この床部材12
0は、建物構造体のたとえば2階、3階等の床面を構成
する。床パネル118および床部材120の端部の間に
は、床部材120の端面を覆うように金属プレート12
2が配設されている。この金属プレート122の外側に
も金属プレート124が配設され、金属プレート124
の先端部が図2および図3において左方にパネル部材1
06の内面近傍まで延びている。
【0011】床部材120の所定部位には、矩形状の切
欠き126(図2)が設けられ、この切欠き126に取
付金具128が配設され、この取付金具128に柱部材
102の中間部が連結されている。取付金具128は略
L字状でり、その取付部130が一対の取付ボルト13
2とナット134(図2および図3において片方のみ示
す)によって床パネル118に装着されている。本実施
の形態では、床パネル118には、図示していないが、
図2および図3において左右方向に延びる長孔が形成さ
れ、この長孔に取付ボルト132が挿入されており、し
たがって取付金具128は、上記左右方向に位置調整自
在となっている。取付金具128の連結部136は、上
記取付部130から略垂直に延びている。この連結部1
36の両端部には、水平方向(図2および図3において
紙面に垂直な方向)に延びる長孔(図示せず)が形成さ
れている。一方、柱部材102のフランジ部110に
は、取付金具128の長孔に対応して、一対の円形状の
孔(図示せず)が形成されている。連結ボルト138
は、取付金具128の連結部136の長孔および柱部材
102の一方のフランジ部110の孔を通して挿入さ
れ、そのねじ部にナット140を螺合することによっ
て、柱部材102の上下方向中間部が取付金具128を
介して床プレート118に取付けられる。本実施の形態
では、取付金具128に長孔が形成されているので、柱
部材102を上記左右方向に位置調整自在に連結するこ
とができる。なお、この位置調整を容易にするために、
柱部材102の孔も左右方向に延びる長孔とすることが
できる。また、取付金具128の連結部136は、図3
に明確に示すとおり、柱部材102に近接する方向に弧
状に突出しているので、柱部材102が地震等によって
幾分変位しても連結ボルト138による連結部分に大き
な応力が作用することが回避される。
【0012】柱部材102の下端部の連結は、図6およ
び図7に示すとおりに連結されている。図6は、柱部材
102の下端部近傍を示す縦断面図であり、図7は、柱
部材102の下端部近傍を下から見た斜視図である。図
6および図7において、梁部材114の他方のフランジ
部142(図2)には、溶接の如き手段によって取付プ
レート144が固定され、この取付プレート144に取
付金具146が取付られている。取付金具146は、略
L字形状であり、その取付部148が一対の取付ボルト
150およびナット152によって取付プレート144
に固定されている。取付金具146の連結部154は取
付部148から垂直に延びており、この連結部154の
両端部には、図示していないが、上下方向に延びる長孔
が形成されている。一方、柱部材102のフランジ部1
10には、取付金具146の長孔に対応して、一対の円
形状の孔(図示せず)が形成されている。この下端部の
連結においては、ねじ軸156が柱部材102の孔およ
び取付金具146の長孔を通して挿入され、ねじ軸15
6に螺合された一対のナット158によって柱部材10
2の下端部がねじ軸156に固定され、ねじ軸156に
螺合された一対のナット160によってねじ軸156が
取付金具146に固定される。したがって、柱部材10
2の下端部は、ねじ軸156、取付金具146および取
付プレート144を介して梁部材114に取付けられ
る。取付金具146には長孔が形成されているので、柱
部材102の下端部の連結も上下方向に位置調整自在で
ある。
【0013】本実施形態では、一対のナット160と取
付金具146の連結部154との間には、外側に弧状に
突出するプレート162が介在され、この弧状プレート
162には、上下方向に延びる長孔164が形成されて
いる。したがって、柱部材102が地震等によって幾分
変位してもねじ軸156による連結部分に大きな応力が
作用することが回避される。また、ねじ軸156の一端
面には、6角穴166が形成されている。したがって、
先端部が6角形状の工具を6角穴166に係合させて回
動させることによって、取付金具146に対するねじ軸
156、換言すれば柱部材102の下端部の相対的位置
を調整することができる。なお、取付プレート144に
対する取付金具146の位置を調整自在とするために、
取付金具146の取付部148の孔を図6において左右
方向に延びる長孔とすることもでき、また取付金具14
6に対する柱部材102の上下方向の位置調整を容易に
するために、柱部材102の孔を上下方向に延びる長孔
とすることができる。
【0014】本実施形態では、各外装パネル101には
横方向に間隔を置いて一対の柱部材102が設けられ、
一対の柱部材102は、建物構造体の梁部材114に所
定の間隔を置いて上述した如くして取付けられる。一対
の柱部材102を介して建物構造体に支持されるパネル
部材106は、たとえば、幅100〜360cm、高さ
100〜250cm、厚さ0.4〜0.6cm程度の大
きさのアルミニウム製のパネルから構成することができ
る。
【0015】パネル部材106は、たとえば、次のとお
りにして取付られる。図2および図6を参照して、パネ
ル部材106の下端部には、下枠部材105が取付けら
れ、この下枠部材105が一対の柱部材102(図1に
おいて左右方向、図2において紙面に垂直な方向に配設
されている)に連結される。なお、パネル部材106の
1枚について3本以上の柱部材102を設けるようにし
てもよい。下枠部材105は、たとえば、アルミニウム
の押出し成形によって形成することができ、外形形状が
略矩形状であり、その内部には補強壁等が一体に形成さ
れている。パネル部材106の下端部には、その端縁に
沿って複数個のねじ軸172(図2および図6において
1個のみ示す)が固定されており、このねじ軸172に
ナット174を螺合することによって、パネル部材10
6の下端部が下枠部材105の外壁部176に固定され
ている。下枠部材105と柱部材102とは、L字状の
連結金具171を介して連結される。実施の形態では、
下枠部材105の上壁部178には、図6において左右
方向に間隔を置いて一対の凹部溝180が設けられてお
り、この凹部溝180には、下枠部材105を柱部材1
02に固定するための固定ねじ182の頭部が移動自在
に収容される。連結金具171は、円形孔(図示せず)
を有する連結部184を備え、凹部溝180に頭部が収
容された固定ねじ182のねじ部を連結部184の孔を
通して突出させ、このねじ部にナット186を螺合させ
ることによって、下枠部材105に連結金具171が固
定される。また、柱部材102の下端部には上下方向に
間隔を置いて一対の円形孔(図示せず)が形成され、ま
た連結金具171の取付部188には上下方向に細長い
長孔190が形成されており、柱部材102の円形孔お
よび連結金具171の長孔190を通して連結ボルト1
92およびナット(図示せず)を螺合させることによっ
て、連結金具171が柱部材102に固定される。した
がって、パネル部材106の下端部は、下枠部材105
および連結金具171を介して上述した如くして一対の
柱部材102に支持される。この形態では、固定ねじ1
82が下枠部材105の凹部溝180内に移動自在に収
容されているので、柱部材102に対する下枠部材10
5の水平方向の位置、すなわち図2において紙面に垂直
な方向の位置を調整することができる。また、連結金具
171の取付部188に形成された孔190が長孔であ
るので、柱部材102に対する下枠部材105の上下方
向の位置も調整することができる。下枠部材105に
は、下方に開口する開口部が規定されており、この開口
部には、パネル部材106とともに建物の外面を規定す
る窓ガラス194(下の階の窓となる)の上端部が所要
のとおり取付けられる。
【0016】図2を参照して、本実施形態では、パネル
部材106の上端部には、パネル部材106の上縁に沿
って、下枠部材105と略同様の構成の上枠部材103
が設けられ、この上枠部材103が、下枠部材105と
実質上同様にしてL字状の連結金具195を介して、柱
部材102の上端部に連結されており、その構造の詳細
については、上述したと同様である故に、省略する。上
枠部材103には、上方に開口する開口部が規定され、
この開口部に窓ガラス194(柱部材102が取付けら
れた床部材の階の窓となる)の下端部が取付けられる。
したがって、パネル部材106は、上述したように、下
枠部材105および上枠部材103を介して柱部材10
2に支持される。パネル部材106の両側端部には、竪
枠部材107,109が設けられており、隣接する外装
パネル101は、図5に示すとおりに幾分相互に相対的
移動可能に連結される。隣接する外装パネルの片方(た
とえば図5において上側)の外装パネル101の竪枠部
材107と他方の外装パネル101の竪枠部材109に
は、それぞれ、第1の取付部197,199と第2の取
付部201,203が設けられている。内側に位置する
第1の取付部197,199には、ウインドバリア用パ
ッキン205が装着され、外側に位置する第2の取付部
201,203にはレインバリア用パッキン207が装
着される。
【0017】強度部材104は、パネル部材106の上
下方向中間部の強度をアップさせるために設けられる。
主として図3〜図5を参照して、本実施の形態では、柱
部材102の本体部108の軸線方向中間部、好ましく
は軸線方向中央部には、矩形状の貫通孔196が設けら
れている。この貫通孔196は、パネル部材106の横
方向である水平方向、図3において紙面に垂直な方向に
開口している。柱部材102の、貫通孔196の上縁お
よび下縁を規定する部位には、プレート状の補強部材1
98,200が設けられている。補強部材198,20
0は、本体部108の両側に配設され、本体部108お
よびフランジ部110,112に溶接の如き手段によっ
て固定されている。このように補強部材198,200
を設けることによって、貫通孔196の存在による柱部
材102の強度低下を防止することができる。なお、貫
通孔196を形成することによる強度低下が小さいとき
には、合計4個の補強部材198,200の1個以上、
場合によってはそれらの全てを省略することもできる。
【0018】強度部材104は、柱部材102の貫通孔
196を通して配設される。強度部材104は、たとえ
ば、アルミニウムの押出し成形によって形成することが
でき、外形が矩形状の本体部202と、本体部202の
パネル部材106側に設けられた取付部204から構成
されている。本体部202の底壁部206には、下方に
開口する凹部溝208が設けられている。凹部溝208
は本体部202の一端から他端まで延びており、この凹
部溝208内には、柱部材102に固定するための固定
ねじ210の頭部が移動自在に収容される。強度部材1
04を連結するための連結金具212は、円形孔(図示
せず)を有する連結部214を備え、凹部溝208に頭
部が収容された固定ねじ210のねじ部を連結部214
の孔を通して下方に突出させ、このねじ部にナット21
6を螺合させることによって、強度部材104に連結金
具212が固定される。また、柱部材102の本体部1
08には、図3において左右方向に間隔を置いて一対の
円形状の孔(図示せず)が形成され、また連結金具21
2の取付部218には、柱部材102の上記孔に対応し
て、図3において左右方向に細長い長孔219が形成さ
れており、柱部材102の上記孔および連結金具212
の長孔219を通して連結ボルト220およびナット
(図示せず)を螺合させることによって、連結金具21
2が柱部材102に固定される。したがって、強度部材
104は、連結金具212を介して柱部材102に支持
される。なお、連結金具212がかく設けられるので、
これに対応して片方の補強部材200には、矩形状の切
欠き221が設けられている。
【0019】本実施の形態では、固定ねじ210が強度
部材104の凹部溝208内に移動自在に収容されてい
るので、柱部材102に対する強度部材104の水平方
向の位置、すなわち図3において紙面に垂直な方向に位
置を調整することができる。また、連結金具212の取
付部218に形成された孔が長孔219であるので、柱
部材102に対する強度部材104の上記左右方向の位
置を調整することができる。
【0020】強度部材104の取付部204は、本体部
202の外側壁部222の上端部および下端部から外方
(図3において左方)に延びている上突出壁部224お
よび下突出壁部226を有し、上突出壁部224には上
方に突出する上フランジ部228が設けられ、下突出壁
部226には下方に突出する下フランジ壁部230が設
けられている。パネル部材106の上下方向中間部の内
面には、上フランジ部228および下フランジ部230
に対応してそれに沿って複数個のねじ軸232,234
が設けられており、ねじ軸232,234を上フランジ
部228および下フランジ部230の孔(図示せず)に
挿通させた後ナット236,238をそれぞれ螺合させ
ることによって、強度部材104とパネル部材106が
連結されている。このように、パネル部材106の上下
方向中間部に強度部材104が設けられるので、パネル
部材106の上記中間部の強度アップを図ることができ
る。また、強度部材104は、パネル部材106の横方
向一側部から他側部まで連続して延び、その両端部が竪
枠部材107,109に連結されているので、強度部材
104の強度低下がなく、パネル部材106を充分な強
度でもって支持することができる。なお、実施の形態で
は、柱部材102の配置部位に対応して、強度部材10
4の取付部204には、柱部材102が位置する矩形状
の切欠き240が設けられている。
【0021】上述した外装パネル101においては、柱
部材102は、パネル部材106に装着された竪枠部材
107,109に実質上平行に上下方向に延び、強度部
材104は上枠部材103および下枠部材170に実質
上平行に水平方向に延びている。そして、強度部材10
4は、柱部材102に設けられた貫通孔196を通して
配設されている。したがって、図3および図4から理解
されるとおり、カーテンウォール構成するために外装パ
ネル101を設けるに必要なスペースは、柱部材102
の厚さとパネル部材106の厚さを加えた間隔、すなわ
ち柱部材102のフランジ部110からパネル部材10
6まで厚さとなり、従来必要であった強度部材のための
スペースが不要となり、図8に示す従来の外装パネルに
比して著しく小さくすることができ、その結果、建物の
使用可能な床面積を大きくすることができる。
【0022】このようにしてパネル部材106を取付け
た後は、図3および図6に二点鎖線242で示すとおり
に、パネル部材106の内面および金属プレート124
の上面に耐火材を設けるのが好ましく、パネル部材10
6の内面の耐火材は、パネル部材106の耐火性を向上
させ、また金属プレート124の上面の耐火材は、建物
の階層間の空間を塞ぐ作用をする。なお、耐火材は、建
物の建築現場においてパネル部材106等に吹き付け塗
装等によって設けるようにしてもよく、あるいはパネル
部材106の製造工程において吹き付け塗装等によって
設けるようにしてもよい。
【0023】以上、本発明のカーテンウォールの一実施
形態について説明したが、本発明はこの形態に限定され
るものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々
の変形、修正が可能である。
【0024】たとえば、図示の形態では、柱部材102
に矩形状の貫通孔196を設けているが、円形等の他の
任意の形状でよく、また強度部材104についても貫通
孔196に対応した任意の形状でよい。
【0025】また、図示の形態では、強度部材104の
本体部202と取付部204を一体に形成しているが、
これに代えて、これら本体部202と取付部204とを
別体に形成し、たとえば固定ボルトとナットによって相
互に連結するようにしてもよい。
【0026】さらに、図示の実施の形態では、パネル部
材106の中間部に強度部材104を1個設ける構成で
あるが、必要に応じて、2個または3個以上設けるよう
にしてもよい。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、強度部材は柱部材に形
成された貫通孔を通して連結金具によって貫通孔の両側
で柱部材に固定され、かつ横方向に延び、その両端部が
一対の竪枠部材に連結されるので、外装パネルを設ける
に必要なスペースは、実質上、柱部材およびパネル部材
のそれぞれの厚さを加えた大きさでよく、従来必要であ
った強度部材の略水平方向に省スペース化が図られ、そ
の結果、強度を低下させずに外装パネルのためのスペー
スを著しく小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うカーテンウォールの外装パネルの
一実施形態を用いた建物の外壁の一部を示す斜視図であ
る。
【図2】図1の外装パネルの一実施形態の要部を示す縦
断面図である。
【図3】図2のカーテンウォールにおける強度部材およ
びその近傍を示す縦断面図である。
【図4】強度部材およびその近傍を示す部分斜視図であ
る。
【図5】図3におけるV−V線から見たところを示す底
面図である。
【図6】図2のカーテンウォールにおける柱部材の下端
部およびその近傍を示す断面図である。
【図7】柱部材の下端部およびその近傍を下方から見た
部分斜視図である。
【図8】従来のカーテンウォールの一例の要部を上方か
ら見た断面図である。
【符号の説明】
2,102 柱部材 4,104 強度部材 6,106 パネル部材 101 外装パネル 103 上枠部材 105 下枠部材 107,109 竪枠部材 110,112 フランジ部 114 梁部材 120 床部材 194 窓ガラス 196 貫通孔 198,200 補強部材 202 本体部 204 取付部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 2/90 - 2/94

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の外面を構成するパネル部材と、該
    パネル部材の上端部および下端部を支持する上枠部材お
    よび下枠部材と、前記パネル部材の両側部を支持する一
    対の竪枠部材と、建物の梁部材に支持されて上下方向に
    延び、前記上枠部材および前記下枠部材を支持する柱部
    材と、前記上枠部材および前記下枠部材の間に配設さ
    れ、前記パネル部材の上下方向中間部を支持する強度部
    材と、を具備するカーテンウォールの外装パネルにおい
    て、 前記柱部材は、本体部と、この本体部の両端部に設けら
    れるフランジ部とを有し、一方のフランジ部が前記梁部
    材に連結され、 本体部の軸線方向中間部には、前記強度部材が横方向に
    挿通する貫通孔が形成され、 前記貫通孔に挿通された強度部材は、貫通孔の両側で連
    結金具によって前記柱部材の本体部に固定されるととも
    に、前記パネル部材の内面に連結され、 この強度部材の横方向両端部は、前記パネル部材の両側
    部に設けられる各竪枠部材に連結されることを特徴とす
    るカーテンウォールの外装パネル。
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