JP2001078735A - 乳化剤含有飲食品 - Google Patents

乳化剤含有飲食品

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JP2001078735A
JP2001078735A JP25564399A JP25564399A JP2001078735A JP 2001078735 A JP2001078735 A JP 2001078735A JP 25564399 A JP25564399 A JP 25564399A JP 25564399 A JP25564399 A JP 25564399A JP 2001078735 A JP2001078735 A JP 2001078735A
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emulsifier
extract
vitamin
sugar
sweet potato
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Tatsuyuki Kudo
辰幸 工藤
Takeo Shimizu
健夫 清水
Hirotoshi Kojima
弘稔 小島
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T Hasegawa Co Ltd
Yakult Honsha Co Ltd
Mitsui DM Sugar Co Ltd
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T Hasegawa Co Ltd
Yakult Honsha Co Ltd
Mitsui Sugar Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 甘蔗由来の抽出物を含有する乳化剤含有
飲食品。 【効果】 乳化剤特有の異味、異臭がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乳化剤を含有しつ
つも風味に優れる飲料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、健康への関心の高まりから、各種
の機能性食品が要望されている。中でもビタミンA、
D、E、K、β−カロチンやDHA、EPA等は、その
優れた生理効果から注目されており、各種飲料への強化
がなされている。また牛乳や植物油脂も栄養価を高める
ために添加されることが多い。
【0003】しかしながら、これらの栄養素材は油溶性
であり、これらを栄養価を十分強化し得る程度に飲料中
に含有せしめると分離してしまうという問題がある。従
って、分離を防止するために、乳化剤が添加されてい
る。
【0004】しかし、乳化剤には独特の異味、異臭があ
るため、これを添加すると飲料の風味が損なわれてしま
うという問題があった。
【0005】食品の不快臭を低減する方法として、甘蔗
由来の抽出物を添加することにより野菜類又は豆類の特
有な不快臭を低減する方法が開示されている(特開平1
1−155516号)。しかしながら、この方法が乳化
剤の異味、異臭を低減し得る旨の記載はない。
【0006】一方、乳化剤含有飲食品の風味改善を目的
として、特開昭63−251066号公報には、乳化食
品の油相に長鎖飽和脂肪酸を主成分とする極度硬化油を
含有させることを特徴とする異臭味のない乳化食品の製
造方法が開示されている。また、特開昭62−2798
32号公報、特開昭64−55145号公報には、それ
ぞれ異味、異臭の改善された乳化剤の製造方法が開示さ
れている。しかし、これらの方法では、コストがかさん
でしまい、工程も煩雑になる等の問題があった。その他
にも、各種呈味改善剤等の添加により、乳化剤の異味、
異臭の低減が試みられているが、十分な効果を奏するも
のは見出されていない。すなわち、従来の呈味改善剤等
の効果は対象となる製品のpH等の物性に影響を受けてし
まうことが多く、酸性領域、中性領域いずれでも満足し
得る効果を奏することは困難であった。
【0007】また、乳化剤とともにビタミンE等の油溶
性素材が製品中に含有されていると、両者が相俟ってオ
イルっぽい異味、異臭が発現してしまい、これを十分に
マスキングできる技術は未だ得られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記欠点がなく乳化剤を含有する飲料の異味、異
臭、更には乳化剤と油溶性素材との併用により発現する
オイルっぽい、異味、異臭を抑制し、風味の優れた飲料
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意研究を行った結果、甘蔗由来の抽出
物が優れた乳化剤由来の異味、異臭抑制効果を有し、更
に乳化剤と油溶性素材との併用によるオイルっぽい異
味、異臭の抑制効果も有し、風味の顕著に改善された乳
化剤含有飲食品が得られることを見出し本発明を完成し
た。
【0010】すなわち、本発明は、甘蔗由来の抽出物を
含有することを特徴とする乳化剤含有飲食品を提供する
ものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の乳化剤含有飲食品に含有
せしめることができる乳化剤は、飲料に用いられるもの
であれば特に限定されず、例えば、モノグリセライド、
ジグリセライド、有機酸モノグリセライド、ポリグリセ
リンエステル等のグリセリン脂肪酸エステル系乳化剤;
ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエー
ト等のソルビタン脂肪酸エステル系乳化剤;プロピレン
グリコールモノステアレート、プロピレングリコールモ
ノパルミテート、プロピレングリコールオレエート等の
プロピレングリコール脂肪酸エステル系乳化剤;ショ糖
ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、
ショ糖オレイン酸エステル等のシュガーエステル系乳化
剤;レシチン、レシチン酵素分解物等のレシチン系乳化
剤等が挙げられる。
【0012】これらのうち、1種又は2種以上を飲料に
添加すると、乳化剤由来の異味、異臭を発現してしま
い、中でも、レシチン系乳化剤を用いた場合に顕著であ
る。乳化剤は微量でも異味、異臭を発現してしまうもの
が多いが、その含有量が製品に対して、0.05重量%
以上、特に0.1重量%になると異味、異臭の発現が顕
著である。従って、この場合、本発明の実効が図れる。
【0013】このような乳化剤含有飲食品としては、例
えば、ミルクコーヒー、ココア、ミルクティー、スー
プ、汁粉、麦芽飲料等の中性飲料や乳性飲料、果実飲
料、炭酸飲料等の酸性飲料等が挙げられる。
【0014】また、油溶性の食品素材が配合された飲食
品は、物性安定化のため乳化剤の添加量が多くなってし
まい、乳化剤と油溶性素材とが混じりあったことにより
生じるオイルっぽい異味、異臭が発現する。このような
油溶性素材としては、具体的には乳脂肪(本明細書では
便宜上動物性脂肪と区別する);卵黄油、羊脂、牛脂、
豚脂、ラード、魚油等の動物性脂肪;ヤシ油、大豆油、
菜種油、パーム油、サフラワー油、オリーブ油、ヒマシ
油、小麦胚芽油、ボラージ油、月見草油等の植物性油
脂;ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミン
K、β−カロチン等の油溶性ビタミン類等が挙げられ
る。甘蔗抽出物は、このようなオイルっぽい異味、異臭
に対しても優れた抑制効果を発揮し、特にDHAやEP
Aを豊富に含む魚油や、γ−リノレン酸を豊富に含むボ
ラージ油や月見草油、アラキドン酸を豊富に含む各種の
植物油及び上記油溶性ビタミン類等に対する優れた効果
が確認されている。
【0015】本発明において、「甘蔗由来の抽出物」と
は、甘蔗汁、甘蔗の溶媒抽出液、及び甘蔗由来の糖蜜か
ら選ばれた原料を、カラムクロマトグラフィーで処理し
て得られる画分をいう。より具体的な例としては、甘蔗
汁、甘蔗の溶媒抽出液、及び甘蔗由来の糖蜜から選ばれ
る原料を、固定担体としての合成吸着剤を充填したカラ
ムに通し、該合成吸着剤に吸着した成分を、水、メタノ
ール及びエタノールから選ばれる1種又は2種以上の溶
媒で溶出させて得られた画分が挙げられる。
【0016】本発明において、「甘蔗汁」という語は、
甘蔗(サトウキビ)を圧搾して得られる圧搾汁、甘蔗を
浸出して得られる浸出汁、又は原糖製造工場における石
灰処理した清浄汁、濃縮汁を包含する。本発明における
「甘蔗の溶媒抽出液」とは、甘蔗を汎用の有機溶媒で抽
出した抽出液を濃縮、乾固後、水に再溶解した抽出液等
を意味する。そのような抽出溶媒としては、例えばメタ
ノール、エタノール等のアルコール類;アセトン等のケ
トン類;酢酸メチル、酢酸エチル等の酢酸エステル類が
挙げられ、これらを単独でも組み合せて使用してもよ
い。更に、これらの溶媒と水を組み合せて使用しても良
い。
【0017】また、「甘蔗由来の糖蜜」は、結晶化工程
で得られた砂糖と母液の混合物を遠心分離にかけ、砂糖
結晶と分離して得られる振蜜を意味し、例えば原糖製造
工場における1番蜜、2番蜜、原糖廃蜜、及び精製糖製
造工場における洗糖蜜、1〜7番蜜、精糖廃蜜等が挙げ
られる。
【0018】甘蔗汁、甘蔗の溶媒抽出液、及び甘蔗由来
の糖蜜から選ばれた原料は、そのまま、又は水で任意の
濃度に調整した後、固定担体を充填したカラムで処理す
る。なお、該処理前に異物除去のために、上記の原料を
濾過又は遠心分離することが好ましい。濾過手段は特に
限定されず、食品工業で広く使用されているスクリーン
濾過、珪藻土濾過、精密濾過、限外濾過等により行うこ
とができる。
【0019】カラムに充填する固定担体としては、合成
吸着剤が好ましい。合成吸着剤としては、有機系樹脂が
挙げられ、これには例えば、芳香族系樹脂、アクリル酸
系メタクリル樹脂、アクリロニトリル脂肪族系樹脂等が
挙げられる。このうち、より好ましくは芳香族系樹脂で
あり、これには無置換基型及び置換基型樹脂がある。こ
のうち、好ましいものは、無置換基型の芳香族系樹脂で
ある。無置換基型芳香族系樹脂としては、特殊処理を施
した芳香族系樹脂などの多孔性樹脂及び無処理の樹脂が
挙げられ、また置換基型芳香族系樹脂としては、疎水性
基を導入した芳香族系修飾型樹脂が挙げられる。これら
の合成吸着剤は市販されており、例えばダイアイオン
(商標)系としてHP−10、HP−20、HP−2
1、HP−30、HP−40、HP−50(以上無置換
基型の芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会
社製);SP−825、SP−800、SP−850、
SP−875(以上無置換基に特殊処理を施した芳香族
系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);SP
−900(芳香族系樹脂、商品名、三菱化学株式会社
製);アンバーライト(商標)系としてXAD−2、X
AD−4、XAD−16、XAD−2000(以上芳香
族系樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製);ダ
イアイオン(商標)系としてSP−205、SP−20
6、SP−207(以上疎水性置換基を有する芳香族系
樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);HP−
2MG、EX−0021(以上疎水製置換基を有する芳
香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);
アンバーライト(商標)系としてXAD−7、XAD−
8(以上アクリル酸系エステル樹脂、いずれも商品名、
株式会社オルガノ製);ダイアイオン(商標)系として
HP1MG、HP2MG(以上アクリル酸系メタクリル
樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);セファ
デックス(商標)系としてLH20、LH60(以上架
橋デキストランの誘導体、いずれも商品名、アマシャム
ファルマシア バイオテク株式会社製)等が挙げられ
る。中でもSP−850が特に好ましい。
【0020】固定担体の量は、カラムの大きさ、溶媒の
種類、固定担体の種類等によって適宜決定すればよい
が、原料(甘蔗汁、甘蔗の溶媒抽出液、及び甘蔗由来の
糖蜜から選ばれる)の固形分に対して、0.01〜5倍
湿潤体積量が好ましい。
【0021】原料(甘蔗汁、甘蔗の溶媒抽出液、及び甘
蔗由来の糖蜜から選ばれる)を上記カラムに通すことに
より、原料中の不快臭味の低減効果を有する成分は固定
担体に吸着され、糖類及び無機塩類の大部分がそのまま
流出して除去される。
【0022】固定担体に吸着された成分は、溶媒により
溶出する。ここで、不快臭味改善活性を有する成分を効
率良く溶出するには、その前に残留する糖類や塩類等を
水洗により十分に洗い流すことが好ましい。これにより
吸着されている目的とする不快臭味改善物質をより効率
よく回収することができる。溶出溶媒は、水、メタノー
ル及びエタノールから選ばれる1種又は2種以上であ
り、水とアルコールとの混合溶媒、特にエタノール−水
混合溶媒が好ましく、更に、室温において効率よく目的
とする不快臭味改善物質を溶出するためには50/50
〜60/40(体積/体積)エタノール−水混合溶媒が
好ましい。また、カラム温度を上げることにより、エタ
ノール−水混合溶媒のエタノール混合比を減らすことが
できる。この場合、カラム内は常圧もしくは加圧された
状態である。流出速度はカラムの大きさ、溶媒の種類、
固定担体の種類等によって変化するので適宜決定すれば
よいが、SV=0.1〜10が好ましい。なお、SV
(Space Velocityの略)は、空間速度の
ことで、1時間あたりの樹脂容積の何倍量を通液するか
という単位である。
【0023】前記不快臭味改善物質は、好ましくは次の
ようにして得ることができる。すなわち、原料の固形分
に対して、0.01〜5倍湿潤体積量の無置換基型の芳
香族系樹脂を充填したカラムに、カラム温度60〜97
℃にて原料を通液した後、カラム内を水洗し、次いでカ
ラムに吸着された成分を、カラム温度20〜40℃にて
50/50〜60/40(体積/体積)エタノール−水
混合溶媒で溶出させ、エタノール−水混合溶媒での溶出
開始時点から集めた溶出液の量が前記樹脂の4倍湿潤体
積量以内に溶出する画分を回収する。
【0024】かくして回収された画分(不快臭味改善活
性を有する)を集め、慣用の手段(減圧下での溶媒留
去、凍結乾燥等)により濃縮して、不快臭味改善物質す
なわち、甘蔗由来の抽出物を得ることができる。このよ
うにして得られた不快臭味改善物質は、固形分60%以
上に濃縮した液状又は粉末状で保存することができる。
保存は、特に液状の場合、冷蔵保存が好ましい。
【0025】本発明の乳化剤含有飲食品において、甘蔗
由来の抽出物の配合量は特に限定されないが、酸性飲料
に用いる場合は乳化剤量に関わらず、5〜100ppm、
特に10〜50ppmが好ましい。5ppm未満では異味、異
臭の抑制効果が十分とはいえず、100ppmを超えると
製品の風味全体が低減し水っぽくなってしまうためであ
る。また、中性飲料に用いる場合は、0.05〜100
ppm、特に0.5〜100ppm、更に、1.0〜50ppm
が好ましい。0.05ppm未満では異味、異臭の抑制効
果、風味改善効果が十分とはいえず、100ppmを超え
ると、やや苦味が出てしまうからである。
【0026】また、本発明の乳化剤含有飲食品には、そ
の他の食品素材、すなわち、各種糖質や乳化剤、増粘
剤、甘味料、酸味料、果汁等を配合してもよい。具体的
には、蔗糖、異性化糖、グルコース、フラクトース、パ
ラチノース、トレハロース、ラクトース、キシロース等
の糖類、ソルビトール、キシリトール、エリスリトー
ル、ラクチトール、還元パラチノース、還元水飴、還元
麦芽糖水飴等の糖アルコール、寒天、ゼラチン、カラギ
ーナン、グアーガム、キサンタンガム、ペクチン、ロー
カストビーンガム等の増粘(安定)剤、が挙げられる。
この他にも、ビタミンB類、ビタミンC等の各種ビタミ
ン類、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛等の各種ミ
ネラル類を配合しても、優れた風味の乳化剤含有飲食品
を得ることができる。
【0027】更に、本発明の乳化剤含有飲食品に各種の
フレーバーを添加すると、より良好な風味が得られる。
例えば、フレーバーは、ヨーグルト系、ベリー系、オレ
ンジ系、花梨系、シソ系、シトラス系、アップル系、ミ
ント系、グレープ系、ペア、カスタードクリーム、ピー
チ、メロン、バナナ、トロピカル、ハーブ系、紅茶、コ
ーヒー系等のフレーバーが挙げられ、これらを1種又は
2種以上組み合せて用いることができる。フレーバーの
添加量は特に限定されないが、風味面から0.05重量
%〜0.5重量%、特に0.1重量%〜0.3重量%程
度が好ましい。
【0028】本発明の乳化剤含有飲食品の製造は常法に
より行えばよい。例えば、コーヒー飲料を製造する場合
には、コーヒー抽出液にグラニュー糖液及び牛乳を加
え、更に乳化剤(シュガーエステル系)を70℃で溶解
し加えたのち、80℃に加熱し200kg/cm2 で均質化
する。その後124℃でF値15〜50程度までレトル
ト殺菌する。
【0029】また、果汁飲料のような酸性飲料を製造す
る場合には、果汁飲料調合時に乳化剤(シュガーエステ
ル系)を70℃で溶解し加え、その後80℃に加熱し2
00kg/cm2 で均質化する。殺菌95℃で行う方法が挙
げられる。
【0030】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】製造例1 原糖製造工場の製糖工程にて得られた甘蔗汁(固形分1
2.1%)1800リットルをジュースヒーターで80
℃に加温し、円型振動ふるい機(株式会社興和工業所
製、KFO−800−2D、100メッシュ、300メ
ッシュ2段)に通し、その後カートリッジフィルター
(アドバンテック東洋株式会社製、コットンワインドカ
ートリッジフィルター、TCW−100−CSD型)3
本で濾過処理した。合成吸着剤(セパビーズSP−85
0;商品名、三菱化学株式会社製)45リットルを、ウ
ォータージャケット付きのカラム(カラムサイズ;内径
26.0cm、高さ120cm)に充填し、これに前記の甘
蔗汁濾過処理物を、流速90リットル/時間(SV=
2.0)の速度で通液した。なお、甘蔗汁通過中はウォ
ータージャケットには65℃の水を常に循環させた。次
に135リットルのイオン交換水を、流速90リットル
/時間(SV=2.0)でカラムに通液して洗浄した。
【0032】イオン交換水で洗浄後、カラムから溶出し
た画分についての糖類の検出を行ったところ、ハンドレ
フブリックス(Bx.)計(アタゴ株式会社製、N−1
E型)において、Bx.が約0になっているのを確認し
た。その後、溶出溶媒として55/45(体積/体積)
エタノール−水混合溶媒を流速90リットル/時間(S
V=2.0)にてカラムに通液して、合成吸着剤に吸着
した成分を溶出させた。溶出溶媒は、樹脂容量の4倍を
通液した。なお溶出溶媒通過中はウォータージャケット
には、25℃の水を常に循環させた。エタノール水溶液
にて溶出させた画分を、濃縮機にて減圧濃縮した後、一
晩凍結乾燥して、茶褐色の粉末460gを得た。
【0033】製造例2 原料糖製造工場の製糖工程にて得られた原糖廃蜜(鹿児
島県産、固形分81.2%、Bx.86.5)400mL
を蒸留水でBx.20に希釈し、ガラス繊維濾紙GA1
00(アドバンテック東洋株式会社製)で吸引濾過し
た。合成吸着剤(セパピーズSP−850;商品名、三
菱化学株式会社製)50mLを、ウォータージャケット付
きのカラム(カラムサイズ:内径2.6cm、高さ20c
m)に充填し、これに前記の糖蜜を濾過処理したもの1
500mLを、流速500mL/時間(SV=10)の速度
で通液した。なお、糖蜜通液中は、ウォータージャケッ
トには65℃の水を常に循環させた。次に、150mLの
イオン交換水を、流速500mL/時間(SV=10)で
カラムに通液して洗浄した。イオン交換水で洗浄後、カ
ラムから溶出した画分についての糖類の検出を行い、B
x.が約0になっていることを確認した。その後、溶出
溶媒として55/45(体積/体積)エタノール−水混
合溶媒を流速100mL/時間(SV=2)にて、樹脂容
量の4倍量カラムに通液して、合成吸着剤に吸着した成
分を溶出させた。なお、溶媒通過中はウォータージャケ
ットに25℃の水を常に循環させた。エタノール水溶液
にて溶出させた画分を、エバポレーターにて減圧濃縮し
た後、一晩凍結乾燥して、茶褐色の粉末4.61gを得
た。
【0034】実施例1〜18 表1に示す処方のミルク入り酸性飲料を調製した。製造
例1の甘蔗抽出物を含むサンプル(実施例1〜18)
と、含まないサンプル(比較例1〜3)とに分け、甘蔗
抽出物の風味への影響を比較した。まず、乳化剤を70
℃の水に溶解し牛乳と混合し、他方で甘蔗抽出物(5、
10、30、50、70及び100ppm)及びその他の
原料を水に溶解する。次いで、両液を攪拌混合したの
ち、90℃殺菌後均質機で200kg/cm2 の圧力で均質
化し、200mLをガラス瓶に充填後冷却し実施例1〜1
8を製造した。また、上記と同様の方法で、甘蔗抽出物
を含まない比較例1〜3も製造した。これらを専門パネ
ラー5人の官能評価試験に供し、風味を比較した。結果
を表2に示す。表2から甘蔗抽出物の添加により、乳化
剤の異味、異臭が抑制されたことがわかる。特に、甘蔗
抽出物を10〜50ppm添加した場合、優れた効果が得
られた。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】実施例19 市販のマスキング剤(分岐サイクロデキストリン:塩水
港精糖株式会社製)と甘蔗抽出物の乳化剤不快臭味に対
する効果を比較した。表3に示す濃度で乳化剤(蔗糖脂
肪酸エステル)、製造例1の甘蔗抽出物、分岐サイクロ
デキストリンを添加し、その他の処方は実施例3と同様
の方法によりミルク入り飲料を製造した。その結果、分
岐サイクロデキストリンには、乳化剤の不快臭味抑制効
果は見られず、甘蔗抽出物では優れた改善効果が奏され
た。
【0038】
【表3】
【0039】実施例20(ビタミンE飲料) 水に砂糖7%、ビタミンE乳化物(総トコフェロール5
%、蔗糖脂肪酸エステル6%含有)0.1%となるよう
溶解し、更に製造例1の甘蔗抽出物5、10、30、5
0、70及び100ppmを添加し、クエン酸でpH3.6
に調整した。その後グレープフルーツ香料を0.1%添
加し、90℃10秒殺菌後、缶に充填し冷却してビタミ
ンE含有飲料を製造した。対照として、甘蔗抽出物を無
添加とした以外は同様の飲料を製造し、専門パネラー5
人で風味評価した。結果を表4に示す。その結果、前記
と同様に、甘蔗抽出物は優れた風味改善効果を示し、特
に10〜50ppmの範囲内で優れた効果が得られた。
【0040】
【表4】
【0041】実施例21(缶入りミルクコーヒー飲料) 表5に示す処方の缶入りミルクコーヒー飲料を調整し
た。製造例1の甘蔗抽出物を、添加量0〜100ppm添
加し、甘蔗抽出物の味・風味への影響を比較した。ま
ず、25gのコーヒー豆を抽出し、300gの抽出液を
得た。そこに脱脂粉乳5g、全粉乳10gを添加し、砂
糖70g、グルコン酸カルシウム1g及び甘蔗抽出物0
〜100ppmを溶解後抽出液に添加した。更に、乳化剤
サンソフトスーパーV−302(商品名、太陽化学株式
会社製)1gを70℃の水で溶解し加えた。重曹でpHを
7.0に調整後全量を1000gとした。80℃に加熱
し、200kg/cm2 で均質化を行った後、缶に充填し、
124℃でF値40まで殺菌した。その結果、甘蔗抽出
物を添加すると味・風味が改善された。特に、1〜50
ppmの範囲内で優れた効果が得られた。
【0042】
【表5】
【0043】実施例22(ミルク入り酸性飲料) 大豆多糖類を溶解後、牛乳を加える。更に製造例2の甘
蔗抽出物30ppm及び砂糖、香料を水に溶解し加える。
ついで乳化剤(酒石酸モノグリセライド)を70℃の水
に溶解し両液を攪拌混合したのちクエン酸で所定のpHに
調整した。90℃殺菌更に均質機で200kg/cm2 の圧
力で均質化し、200mLをガラス瓶に充填後冷却した。
この飲料は沈殿もなくまた乳化剤のオイルっぽさもない
良好な風味であった。
【0044】
【表6】
【0045】実施例23(ニアウォーター系果汁飲料) 水に果糖5%、ビタミンE乳化物(総トコフェロール5
%、蔗糖脂肪酸エステル6%含有)0.1%、ビタミン
1硝酸塩0.1mg%、ビタミンB2リン酸エステルNa
0.1mg%、ビタミンB6塩酸塩0.5mg%、ニコチ
ン酸アミド3.0mg%、パントテン酸Ca3.0mg%、
ビタミンB121μg%、葉酸50μg%、ビタミンC2
0mg%及びピーチ果汁5%更に製造例1の甘蔗抽出物5
0ppmを添加し、クエン酸でpH3.6に調整した。その
後ピーチ香料を0.1%添加し、95℃30秒殺菌後、
PET容器に充填し冷却してビタミン含有ニアウォータ
ーを製造した。製品はビタミンE及び乳化剤のオイルっ
ぽさのない良好なものが得られた。
【0046】実施例24(γ−リノレン酸含有ドリン
ク) γ−リノレン酸含有乳化物(ボラージ油20%、カゼイ
ンナトリウム2%、ショ糖脂肪酸エステル1%、大豆レ
シチン1%含有)2%及び砂糖10%、ビタミンC10
0mg%、製造例1の甘蔗抽出物0.05%を水に溶解し
クエン酸でpH3.8に調整した。95℃10秒殺菌し瓶
に詰め冷却した。製品はボラージ油及び乳化剤の風味の
無い良好なものであった。
【0047】実施例25(ミルク入り紅茶) 紅茶10gを95℃で抽出し、250gの抽出液を得
た。牛乳200g、砂糖100g及び製造例1の甘蔗抽
出物30mgを水に溶解後抽出液に加えた。更に乳化剤
(シュガーエステル0.03%)を70℃の水で溶解し
加えた。重曹でpHを7.0に調整後全量1000gとし
た。80℃に加熱し200kg/cm2 で均質化を行ったの
ち缶に充填し124℃でF値30まで殺菌した。得られ
た製品は乳化剤のオイルっぽさのない良好な風味であっ
た。
【0048】
【発明の効果】本発明の乳化剤含有飲食品は乳化剤の異
味、異臭がなく、また乳化剤と油溶性素材の併用による
オイルっぽい異味、異臭がないだけでなく、更に風味が
顕著に改善されたものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23L 2/52 A23L 2/38 J 2/38 2/00 F (72)発明者 工藤 辰幸 東京都港区東新橋1丁目1番19号 株式会 社ヤクルト本社内 (72)発明者 清水 健夫 東京都町田市本町田3549−3 藤の台団地 2−27−501 (72)発明者 小島 弘稔 神奈川県鎌倉市小袋谷2−5−2 三井製 糖スプーン寮12 Fターム(参考) 4B017 LC02 LC03 LG06 LG14 LK10 LK16 LK18 LL06 LP01 4B018 LB08 LE05 MD14 MD23 MD24 MD26 MD53 ME02 MF01 MF02 4B035 LC01 LC06 LE03 LG04 LG12 LG16 LG32 LK13 LP22 4B041 LC01 LD10 LK05 LK18 LK19 LK28 LP05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 甘蔗由来の抽出物を含有することを特徴
    とする乳化剤含有飲食品。
  2. 【請求項2】 更に、油溶性食品素材を含有する請求項
    1記載の乳化剤含有飲食品。
  3. 【請求項3】 油溶性食品素材が乳脂肪、動物性脂肪、
    植物油脂、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンD、ビタ
    ミンK、β−カロチンから選ばれる1種又は2種以上で
    ある請求項2記載の乳化剤含有飲食品。
  4. 【請求項4】 甘蔗由来の抽出物が、甘蔗汁、甘蔗の溶
    媒抽出液、及び甘蔗由来の糖蜜より選ばれた原料を、固
    定担体としての合成吸着剤を充填したカラムに通し、該
    合成吸着剤に吸着した成分を、水、メタノール及びエタ
    ノールから選ばれる1種又は2種以上の溶媒で溶出させ
    て得られた画分である請求項1〜3のいずれか1項記載
    の乳化剤含有飲食品。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005537238A (ja) * 2002-06-20 2005-12-08 アスティオン デルマトロジー エイ/エス ポリヒドロキシアルカンの脂肪酸エステルおよびピリジンカルボキシ誘導体の新規複合体
JP2006217807A (ja) * 2005-02-08 2006-08-24 Yakult Honsha Co Ltd 飲食品
CN102813111A (zh) * 2012-05-08 2012-12-12 陕西恒康生物科技有限公司 含有天麻的无蔗糖功能性果丹皮及其制备方法
JP2015208238A (ja) * 2014-04-24 2015-11-24 日清オイリオグループ株式会社 乳化剤含有食品
JP2021061866A (ja) * 2021-01-26 2021-04-22 ハウスウェルネスフーズ株式会社 葉酸の安定性が優れた葉酸含有酸性組成物

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