JP3420340B2 - 飲料用香味劣化防止剤および飲料の香味劣化防止方法 - Google Patents
飲料用香味劣化防止剤および飲料の香味劣化防止方法Info
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Description
よび飲料の香味劣化防止方法に関するものである。
び保存中の各段階において経時的に香味が劣化してお
り、特に透明ガラスビンや透明プラスチック容器入りの
場合において劣化の度合は著しく、そのままでは本来の
香味が消失したり、香味の劣化による異味異臭が発生し
たり等の問題が生じやすい。
ビン酸等各種の酸化防止剤の添加や低温での流通、保
存、また光や外気を極力遮断した容器を用いる等の方法
がとられているが、未だ充分な香味劣化防止方法は確立
されていないのが現状である。最近、健康維持に関する
要望が強く、飲料に健康維持に寄与する成分、例えばα
−カロテン、β−カロテン、リコペン等のビタミン関連
化合物、イコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサ
エン酸(DHA)、α−リノレン酸、γ−リノレン酸等
の不飽和脂肪酸基含有油脂を添加したものの開発が進め
られているが、これらの化合物は飲料に添加され、殺菌
等の処理を経て店頭に陳列されたとき、またその過程で
安定性に乏しく、異味異臭の発生因子となる。
飲料は製造工程中、流通段階および保存中において光、
熱、空気等による影響を受け、香味が変化し品質の低下
をまねくことがあるが、本発明は、こうした飲料の香味
劣化を防止し、品質の安定した飲料を提供することを目
的とする。
劣化防止について鋭意研究した結果、飲料に金属封鎖
剤、フラボノール類、ヒマワリ抽出物からなる群の1種
または2種以上と、リンゴ抽出物とを添加することによ
り相乗効果が発揮され飲料の香味劣化防止に顕著な効果
のあることを見いだした。すなわち、飲料の香味には影
響を及ぼさずに、良好な香味を長期間保つことができる
ことを見いだし、本発明に至ったものである。以下に本
発明を詳しく説明する。
金属封鎖剤、フラボノール類、ヒマワリ抽出物、からな
る群の1種または2種以上と、併せてリンゴ抽出物とを
含有することを特徴とするものであり、飲料の香味劣化
防止方法は金属封鎖剤、フラボノール類、ヒマワリ抽出
物、からなる群の1種または2種以上と、併せてリンゴ
抽出物とを含有することを特徴とするものであり、該方
法の場合、これらの物質を飲料に含有せしめること以外
は、従来からの飲料の製造法を使用することができる。
もともと飲料中にこれらの成分が含有していれば、その
他の成分を追加すればよいし、同じ成分をさらに加えて
もよい。
ではなく、例えば炭酸飲料、果汁、果汁飲料、乳性飲
料、コーヒー飲料、茶類飲料、アルコール飲料、その他
を挙げることができる。飲料の原料としては砂糖、異性
化糖、アスパルテーム等の甘味料、クエン酸、乳酸等の
酸味料、香料、乳化剤、着色料、保存料、増粘安定剤、
酸化防止剤、ビタミン類等の強化剤、果汁、野菜汁、
乳、乳製品、酒等のアルコール飲料、コーヒー、茶類等
の抽出液、機能性食品素材(例えばイコサペンタエン酸
(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、α−リノ
レン酸、γ−リノレン酸等、およびこれらを含有する油
脂等)、炭酸ガス、無機成分等および飲料用水が挙げら
れ、これらを単独もしくは複数組み合せて使用すればよ
いが特にこれらに制限されるものではなく、飲料に適し
た原料を適宜選択し使用すれば良い。原料を混和、溶
解、懸濁、酵素処理、発酵等の処理をして調製し、殺
菌、濾過、容器詰め等のいくつかの工程を経て飲料とし
て供されるものである。こうして製造された飲料は製造
工程中、流通段階および保存中において光、熱、空気等
による影響を受け徐々に香味は変化し、製品価値が少し
ずつ低下していく。
例えばアジピン酸、クエン酸、グルコン酸、コウジ酸、
コハク酸、酒石酸、フィチン酸、フマル酸、リンゴ酸、
ピロリン酸、ポリリン酸、メタリン酸、エチレンジアミ
ン四酢酸及びこれらの塩類や、アラビアガム、アルギン
酸、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコールエ
ステル、カードラン、カラギナン、カルボキシメチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース塩、キサンタン
ガム、キチン、キトサン、グアーガム、ジェランガム、
タマリンドシードガム、デンプングリコール酸ナトリウ
ム、デンプンリン酸エステルナトリウム、ペクチン、ポ
リアクリル酸ナトリウム、その他の金属封鎖能を有する
物質をあげることができ、これらからなる群の1種また
は2種以上を使用することができるが、さらに好ましく
は、グルコン酸、コウジ酸、フィチン酸、ピロリン酸、
ポリリン酸、メタリン酸、エチレンジアミン四酢酸及び
これらの塩類、キチン、キトサンからなる群の1種また
は2種以上がよい。
ラボノール骨格を有するものであればよく、アグリコン
部であるフラボノールおよびその配糖体をいう。具体的
には植物体から抽出することにより得られたもの若しく
はそれらの精製物またはそれらの酵素処理若しくは加水
分解により得られるものであって、例えば、ルチン、ケ
ルセチン、イソケルセチン、モリン、ゴシピツリン、ゴ
シピン、ゴシペチン、ヘルバセチン、ミリシトリン、ミ
リセチン、ケルセチン−3−O配糖体、その他が挙げら
れる。また、エンジュ、ダッタンソバ、ドクダミ、ヤマ
モモ、その他植物中のフラボノールを比較的多量に含む
部位からの水、アルコール、その他有機溶剤による抽出
物であってもよい。フラボノール類は一般に水難溶性で
取り扱いにくい物質であり、使用に先立ちアルコール、
グリセリン、プロピレングリコールなどのアルコール類
に溶かして用いてもよい。本発明にいうフラボノール類
はこれらの中から1種又は2種以上が選ばれる。
1から4の脂肪族アルコールを指し、例えばメタノー
ル、エタノール、プロパノール、その他があげられる。
本発明に使用できるヒマワリ抽出物はヒマワリ種子から
の水および、またはアルコールによる抽出物をいい、抽
出物そのものであっても、抽出物を除タンパクや脱色、
脱臭等の精製をしたものでもよいし、酵素処理をしたも
のでも、これらの濃縮物であっても、凍結乾燥や噴霧乾
燥等を行なった粉末でもよく、またどのような剤形のも
のでも使用できる。例えば特開平3−221578によ
る方法を用いて製造したものも使用できる。
ル系化合物を含むものであり、リンゴからの抽出物その
ものであってもよいし、リンゴ搾汁液から炭酸ナトリウ
ム、水酸化ナトリウム、その他を利用して常法によりフ
ェノール系化合物を分画したものでもよいし、さらにこ
れらを活性炭、アルミナ、シリカゲル、アルキル基もし
くはフェニル基導入化学結合型シリカゲル、アンバーラ
イトXAD−2、アンバーライトXAD−4その他のス
チレン系ポーラスポリマー、オルガノ株式会社製FP−
0102、FP−1101その他のヒドロキシメチル基
もしくはそのジエステル等の親水基導入ポーラスポリマ
ー、アンバーライトXAD−7、アンバーライトXAD
−8その他のアクリル系ポーラスポリマー、サイクロデ
キストリンポリマー、イオン交換樹脂、その他を用いて
クロマトグラフィーによりフェノール系化合物を分画し
た画分の1種または2種以上でもよい。また以上の群か
ら選ばれる1種または2種以上でもよい。また所望によ
り、上記リンゴ抽出物の濃縮物であっても、凍結乾燥や
噴霧乾燥等を行なった粉末でもよく、またどのような剤
形のものでもリンゴ抽出物として使用することもでき
る。リンゴ抽出物とは例えばリンゴの未熟果を洗浄、破
砕した後圧搾して得た果汁を遠心分離、精密濾過後、吸
着樹脂にて精製したものを濃縮して得ることができる。
またニッカウヰスキー株式会社製リンゴポリフェノール
のような市販品を用いることもできる。リンゴ抽出物
は、その原料、抽出や精製方法によりその成分組成は変
動するが、主成分であるフェノール系化合物はアントシ
アニン類、フラボノール類、カテキン類、ジヒドロカル
コン類、プロシアニジン類、その他のポリフェノール類
で構成されている。
加する時期および、金属封鎖剤、フラボノール類、ヒマ
ワリ抽出物からなる群の1種または2種以上と、リンゴ
抽出物とを添加する時期については特に限定されるもの
ではなく、飲料の製造工程中のどの段階で添加してもか
まわない。
出物およびリンゴ抽出物の添加量については添加対象の
飲料により異なるが、期待される効果や香味上の問題か
ら自ずと定まってくるものである。金属封鎖剤の添加量
は使用する金属封鎖剤の種類、飲料の種類、使用する水
質等により変動するが一般的には飲料に対して1ppm
以上添加することが望ましい。
ノールによってもその使用量は異なるが、例えばイソケ
ルセチンを選択する場合にあっては、飲料に対して1〜
200ppm程度の添加量が望ましい。この1ppm未
満の濃度では期待される効果が充分に発揮されず、20
0ppmをこえる濃度ではイソケルセチンの飲料に対す
る溶解度が低いため析出物を生じるといった問題点があ
り、また香味にも影響する。
水エタノールで抽出したヒマワリ抽出物の場合、果汁入
り炭酸飲料に使用する際には固形分として5〜1000
ppm程度の添加が好ましい。5ppm未満の濃度では
期待される効果は得られず、1000ppmをこえる濃
度では添加するヒマワリ抽出物が飲料の香味に影響す
る。
出、精製方法や、添加する飲料の種類等により変動する
が、例えばニッカウヰスキー株式会社製リンゴポリフェ
ノール末を無果汁炭酸飲料に使用する際にはリンゴ抽出
物として2〜500ppm程度の添加が好ましい。2p
pm未満の濃度では期待される効果は得られず、500
ppmをこえる濃度ではリンゴ抽出物自体の香味が飲料
の香味に影響する。
び本発明にかかる香味劣化防止方法により非常に多種類
の飲料において香味劣化防止効果が発揮されるが、特に
光照射の影響をうけやすいガラスびんやプラスチック製
等の透明容器に充填された飲料に添加した場合添加しな
かったものと比べて、著しい効果を発揮する。
これにナリンギナーゼ(天野製薬株式会社、商品名ナリ
ンギナーゼ”アマノ”)を50g添加した。この系はの
pHは7であった。これを5時間50℃に保持したの
ち、濃縮し、50Lとした。冷却したところイソケルセ
チンが沈殿した。沈殿物をろ別して集め、乾燥すること
によりイソケルセチン320gを得た。
スターチ800gを添加し、均質にし、これにCGTa
se(天野製薬株式会社、商品名コンチザイム)200
mlを添加し温度55℃、pH6.8にて12時間保持
した。この溶液を吸着樹脂カラム(三菱化成(株)製ダ
イヤイオンHP−21)に通してケルセチン−3−O−
配糖体を吸着させ、ついで50%V/Vメタノール水溶
液で脱着させた。脱着液を濃縮乾固して固形物550g
を得た。この固形物は、未反応のイソケルセチンやグル
コース残基数の異なる配糖体を含むケルセチン−3−O
配糖体混合物であった。この配糖体の混合物をケルセチ
ン配糖体と呼ぶ。
v)エタノール9Lを添加し、60℃で7時間抽出し
た。冷却濾過後、減圧下濃縮乾固し、60.3gの乾固
物を得た(以下、ヒマワリ抽出物という)。
砕、搾汁し、その搾汁液を遠心分離、清澄濾過後、イオ
ン交換樹脂カラム(オルガノ株式会社製アンバーライト
IRA−402BL)に通液し、水洗後、4%水酸化ナ
トリウムにてフェノール系化合物を含む吸着物を回収し
た後、中和し、電気透析装置(旭化成工業株式会社製マ
イクロアシライザーG3型)にて脱塩および低分子のイ
オン性物質を除き、減圧下濃縮乾固し、25.8gの乾
固物を得た(以下、リンゴ抽出物Aという)。
ー株式会社製リンゴポリフェノール末、以下リンゴ抽出
物Bという)10gとを混合し香味劣化防止剤1を15
g調製した
ンゴ抽出物A10gとを溶解し香味劣化防止剤2を20
0g調製した
ストリン165gをイオン交換水300mlに溶解させ
た溶液に、あらかじめ50mlのエタノールに3gのイ
ソケルセチンを加熱溶解させた溶液を加えて混合し、ス
プレードライヤーを使用してインレット温度150℃、
アウトレット温度80℃で噴霧乾燥を行ない、乾燥粉末
である香味劣化防止剤3を147.5g調製した
混合したものにリンゴ抽出物A10g、ケルセチン配糖
体5g、フィチン酸1gを溶解させ、香味劣化防止剤4
を100g調製した。
トリウム1g、リンゴ抽出物B10gを混合し、香味劣
化防止剤5を21g調製した。
ケルセチン配糖体を5g、メタリン酸ナトリウム1.5
g、リンゴ抽出物A10gを溶解させ、香味劣化防止剤
6を300g調製した。
のシロップを炭酸水で1000mlとする 処方1の無果汁透明炭酸飲料を200ml容透明ガラス
びんに静かに移しかえ、香味劣化防止剤を種類毎に区分
して添加し、晴天の日中に(平均気温約26℃)10時
間放置した後、10名のパネラーによる官能評価を行な
い集計したところ表1のような結果となった。 評価記号の説明 ◎:非常に効果がある(未照射品と同程度) ○:効果がある △:やや効果がある ×:効果なし(無添加品と同程度)
分して添加し、200ml容ガラスびんに充填し85℃
で20分間殺菌後冷却し晴天の日中に(平均気温約25
℃)10時間放置した後、10名のパネラーによる官能
評価を行なったところ表2のような結果となった。試験
区3では処方のリンゴ果汁中の本発明でいうリンゴ抽出
物と金属封鎖剤のグルコン酸との相乗効果で評価が高く
なった。
分して添加し、200ml容ガラスびんに充填し85℃
で15分間殺菌後冷却し、35℃の暗所で1カ月間静置
した後、10名のパネラーによる官能評価を行なったと
ころ表3のような結果となった。
に区分して添加し、180ml容缶に充填し120℃で
5分間殺菌後冷却し、55℃で2週間静置した後、10
名のパネラーによる官能評価を行なったところ表4のよ
うな結果となった。
添加し、200ml容透明ガラスびんに充填後80℃で
20分間殺菌し、冷却後10℃にて蛍光灯照射下(約3
000ルクス)で3週間静置した後、10名のパネラー
による官能評価を行なったところ表5のような結果とな
った。
区分して添加し、200ml容ガラスびんに充填し70
℃で20分間殺菌後冷却し、25℃で蛍光灯照射下(約
3000ルクス)に2週間静置した後、10名のパネラ
ーによる官能評価を行なったところ表6のような結果と
なった。
ル類、ヒマワリ抽出物からなる群の1種または2種以上
とリンゴ抽出物を飲料に含有せしめることで、飲料その
ものの香味には影響を与えずに香味の経時変化が顕著に
抑制され、品質の安定した飲料を提供することができる
ようになった。
Claims (2)
- 【請求項1】 金属封鎖剤、フラボノール類、ヒマワリ
抽出物からなる群の1種または2種以上と、リンゴ抽出
物とを含むことを特徴とする飲料用香味劣化防止剤。 - 【請求項2】 金属封鎖剤、フラボノール類、ヒマワリ
抽出物からなる群の1種または2種以上と、リンゴ抽出
物とを含有することを特徴とする飲料の香味劣化防止方
法。
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---|---|---|---|
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0823940A JPH0823940A (ja) | 1996-01-30 |
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ID=15740798
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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