JP2015208238A - 乳化剤含有食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、手間をかけずに低コストで、乳化剤を風味改善(異味異臭の抑制)する方法を提供することである。本発明の目的はまた、手間をかけずに低コストで、乳化剤を含有する食品を風味改善(乳化剤由来の異味異臭を抑制)する方法を提供することである。
【解決手段】乳化剤に対して炭素数が6〜10である脂肪酸のみが結合したトリアシルグリセロールを質量比で1:0.005〜5の割合で含有する乳化剤組成物。乳化剤に対して炭素数が6〜10である脂肪酸のみが結合したトリアシルグリセロールを質量比で1:0.005〜5の割合で含有する、前記乳化剤の含有量が0.01〜24質量%である食品。
【選択図】なし

Description

本発明は、風味の改善された乳化剤組成物および食品に関する。
食品の製造において乳化剤は、乳化のみではなく、起泡、消泡、可溶化、湿潤、油脂結晶調整等の多様な機能を有しており、目的に応じて、ホイップクリームやアイスクリーム等の起泡性乳化食品、チョコレート等の油脂性食品、マーガリンやショートニング等の加工油脂、それらを使用したパン菓子類、コーヒー・紅茶飲料等、様々な食品に利用されている。しかしながら、ほとんど全ての乳化剤は、特に合成乳化剤は、種類によって差はあるものの何れも特有の不快感のある異味異臭を呈する。このため、食品における乳化剤の使用量には限度があり、乳化剤の機能が十分に発揮されなかったり、求める機能を発揮させるためには食品の美味しさを損なってしまったりすることがよくある。
乳化剤を使用する食品の風味改善を目的として、例えば特許文献1には、甘蔗由来の抽出物を含有する乳化剤含有飲食品が開示されている。また、例えば特許文献2には、乳化剤を80℃における粘度が800cp以下となるように調製し、140℃以下の温度下で水蒸気蒸留により脱臭する乳化剤の風味改良方法が開示されている。しかしながら、特許文献1のような、抽出添加物によるマスキングには、乳化剤とはまた別の異味異臭を生じやすいという難点があった。また、乳化剤自体の精製度を上げる方法、もしくは、特許文献2のように、油脂等の媒体に希釈して乳化剤の精製度を上げる方法は、手間とコストかかりすぎるものであった。
従って、手間をかけずに低コストで、乳化剤の風味を改善する方法が求められていた。
特開2001−78735号公報 特開平9−154504号公報
本発明の目的は、手間をかけずに低コストで、乳化剤を風味改善(異味異臭の抑制)する方法を提供することである。本発明の目的はまた、手間をかけずに低コストで、乳化剤を含有する食品を風味改善(乳化剤由来の異味異臭を抑制)する方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、乳化剤に対して炭素数が6〜10である脂肪酸のみが結合したトリアシルグリセロールを特定の質量比で存在させることにより、乳化剤の風味を改善(異味異臭を抑制)することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一態様によれば、乳化剤に対して炭素数が6〜10である脂肪酸のみが結合したトリアシルグリセロールを質量比で1:0.005〜5の割合で含有する乳化剤組成物が提供される。
本発明の好ましい態様によれば、上記乳化剤が合成乳化剤である乳化剤組成物が提供される。
本発明のまた別の一態様によれば、乳化剤に対して炭素数が6〜10である脂肪酸のみが結合したトリアシルグリセロールを質量比で1:0.005〜5の割合で含有させる乳化剤の風味改善方法が提供される。
本発明のまた別の一態様によれば、乳化剤に対して炭素数が6〜10である脂肪酸のみが結合したトリアシルグリセロールを質量比で1:0.005〜5の割合で含有する、前記乳化剤の含有量が0.01〜24質量%である食品が提供される。
本発明の好ましい態様によれば、上記乳化剤が合成乳化剤である食品が提供される。
本発明の好ましい態様によれば、上記食品の油脂含量が1〜99.99質量%である食品が提供される。
本発明のまた別の一態様によれば、乳化剤に対して炭素数が6〜10である脂肪酸のみが結合したトリアシルグリセロールを質量比で1:0.005〜5の割合で含有させる、前記乳化剤の含有量が0.01〜24質量%である食品の風味改善方法が提供される。
本発明によれば、手間をかけずに低コストで、乳化剤を風味改善(異味異臭の抑制)する方法および風味改善された乳化剤組成物を提供することができる。また、本発明によれば、手間をかけずに低コストで、乳化剤を含有する食品を風味改善(乳化剤由来の異味異臭を抑制)する方法および風味改善された食品を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における風味改善の対象となる乳化剤としては、通常食品に使用できるものであれば特に制限はなく、例えば、モノグリセリド、ジグリセリド、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の合成乳化剤、レシチン、レシチン酵素分解物、カゼインナトリウム、サポニン等の天然から抽出精製された乳化剤もしくはそれらを加工した乳化剤等が挙げられる。乳化剤は2種以上を混合したものであってもよい。本発明における風味改善の対象となる乳化剤としては、風味改善効果が大きい合成乳化剤であることが好ましい。
本発明における乳化剤の風味改善には、構成脂肪酸として炭素数が6〜10である脂肪酸のみが結合したトリアシルグリセロール(以下、MCTとも表す)が必要である。ここでMCTは、グリセロールに炭素数6〜10の脂肪酸が3つエステル結合しているものであれば、同一の脂肪酸が結合していてもよいし、異なる脂肪酸が結合していてもよい。また、例えば、トリオクタノイルグリセロールとトリデカノイルグリセロールとの混合物等、複数の異なる分子種の混合物であってもよい。炭素数6〜10の脂肪酸は、直鎖の飽和脂肪酸であることが好ましい。
本発明におけるMCTは、全MCTを構成する脂肪酸中の、炭素数8の脂肪酸の含有量が20質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。また同様に、炭素数6の脂肪酸の含有量が20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。全MCTを構成する脂肪酸が、上記構成の範囲にあると、乳化剤の風味改善効果が大きいので好ましい。
本発明における乳化剤およびMCTは、従来公知の方法で製造できる。例えば、MCTであれば、炭素数6〜10の脂肪酸とグリセロールとを、触媒下、好ましくは無触媒下で、また、好ましくは減圧下で、120〜180℃に加熱し、脱水縮合させることにより製造できる。例えば、グリセリン脂肪酸エステルであれば、グリセロールと脂肪酸をエステル化するか、グリセロールと油脂とをエステル交換するか、油脂原料を加水分解して得ることができる。また、必要に応じて蒸留されたものであってもよい。本発明における乳化剤およびMCTは、一般市場に流通しているものを使用してもよい。
本発明の乳化剤組成物は、乳化剤に対して炭素数が6〜10である脂肪酸のみが結合したトリアシルグリセロール(MCT)を質量比で1:0.005〜5の割合で含有する。乳化剤に対するMCTの割合は、質量比で1:0.008〜4であることが好ましく、1:0.05〜3であることがより好ましく、1:0.5〜2.5であることが更に好ましい。乳化剤に対するMCTの割合が質量比で上記範囲にあると、乳化剤の風味改善効果が効率的に得られるので好ましい。
本発明の乳化剤組成物は、乳化剤を5〜95質量%含有することが好ましい。乳化剤組成物は乳化剤を10〜90質量%含有することがより好ましく、20〜80質量%含有することが更に好ましく、25〜75質量%含有することが最も好ましい。本発明の乳化剤組成物は、また、乳化剤とMCTのみからなるものであっても良いし、使い勝手を良くするために必要に応じて、水や、糖、増粘剤、紛体、MCT以外の油脂等を含んでいてもよい。
本発明の乳化剤組成物は、乳化剤を含む食品であれば特に制限はなく、任意の食品に使用することができる。食品の具体例としては、後述の本発明の食品の説明において例示する食品が挙げられる。本発明の乳化剤組成物を使用した食品は、その食品を製造する通常の方法において、乳化剤を使用する替りに乳化剤組成物を使用することにより製造することができる。
本発明の食品は、乳化剤の含有量が0.01〜24質量%であり、乳化剤に対して炭素数が6〜10である脂肪酸のみが結合したトリアシルグリセロールを質量比で1:0.005〜5の割合で含有する。乳化剤に対するMCTの割合は、質量比で1:0.008〜4であることが好ましく、1:0.05〜3であることがより好ましく、1:0.5〜2.5であることが更に好ましい。乳化剤に対するMCTの割合が質量比で上記範囲にあると、乳化剤を含む食品の風味改善効果が効率的に得られるので好ましい。
本発明の食品は、乳化剤の含有量が0.03〜19質量%であることが好ましく、0.06〜9質量%であることがより好ましく、0.1〜4質量%であることが更に好ましい。乳化剤の含有量が上記範囲にあると、乳化剤を含む食品の風味改善効果が効率的に得られるので好ましい。
本発明の食品は、油脂を1〜99.99質量%含む食品であることが好ましい。本発明において、上記炭素数が6〜10である脂肪酸のみが結合したトリアシルグリセロール(MCT)は、油脂に含まれる。本発明の食品は、油脂を、5〜99.97質量%含む食品であることが好ましく、11〜99.94質量%含む食品であることがより好ましく、11〜99.9質量%であることが更に好ましい。本発明の食品の油脂含量が上記範囲にあると、乳化剤を含む食品の風味改善効果が効率的に得られるので好ましい。
本発明の食品において、上記炭素数が6〜10である脂肪酸のみが結合したトリアシルグリセロール(MCT)以外の油脂を使用する場合は、一般に食用に適する油脂を使用することができる。例えば、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、胡麻油、カカオ脂、シア脂、サル脂、パーム油、パーム核油、ヤシ油、牛脂、豚脂、乳脂、魚油、鯨油等の各種の植物油脂及び動物油脂、並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択された一又は二以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。本発明においては、これらの油脂の中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
本発明の食品は、乳化剤の含有量が0.01〜24質量%であり、乳化剤に対して炭素数が6〜10である脂肪酸のみが結合したトリアシルグリセロールを質量比で1:0.005〜5の割合で含有する食品であれば特に制限はなく、任意に選択できる。具体的には、加工油脂、乳製品及びその代替品、パン・菓子、ルウ・ソース、調味たれ、麺類・米飯、加工食品、飲料等が挙げられる。
上記加工油脂としては、より具体的には、油脂を主成分として加工された、マーガリン、ファットスプレッド、バター、ショートニング等が挙げられる。また或いは、フライ用油脂、炒め用油脂、スプレー油といったものが挙げられる。
上記乳製品及びその代替品としては、より具体的には、牛乳、低脂肪乳、濃縮乳、加工乳等の乳や、生クリーム、ホイップクリーム、アイスクリーム、ホワイトナー、練乳等のクリーム、バター、バターオイル、調整油脂等の乳脂肪食品、チーズ、チーズフード等のチーズ、全脂粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエーパウダー、バターミルクパウダー、調整粉乳等の粉乳、発酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料等の乳加工品、ヨーグルト等の酸乳、等が挙げられる。いわゆる乳等省令に定められた「乳」、「乳製品」、「乳または乳製品を主原料とする食品」はもとより、合成クリーム、チーズ様食品をも包含するものである。
上記パン・菓子としては、食パン、ロールパン、菓子パン、調理パン、蒸しパン、ドーナッツ、クロワッサン等のパンや、パイ、スポンジケーキ、パウンドケーキ、バターケーキ等のケーキ、シュー菓子、和菓子、スナック菓子、チョコレート及びチョコレート菓子、ガム、キャンディー、クッキー、ビスケット、クラッカー、シリアル、米菓、かりんとう、等が挙げられる。
上記ルウ・ソースとしては、カレールウ、ホワイトルウ、カレーソース、ホワイトソース、クリームソース、マヨネーズ、ドレッシング等が挙げられる。
上記調味たれとしては、ごまだれ、焼き肉のたれ、ピックル液等が挙げられる。
上記麺類・米飯としては、うどん、そうめん、中華麺、そば、はるさめ、スパゲッティー、マカロニ等の麺、ご飯、炊き込みご飯、炒飯、すし飯等の米飯が挙げられる。
上記加工食品としては、ハム、ソーセージ、ベーコン等の加工肉製品、蒲鉾、ちくわ等の水産練り製品、コロッケ、トンカツ、フライドポテト、エビフライ等のフライ食品、各種冷凍食品、缶詰、瓶詰、レトルト食品等が挙げられる。
上記飲料としては、コーヒー、カフェオレ、ミルクティー、炭酸飲料、スポーツ飲料、野菜ジュース、果汁飲料、豆乳、等が挙げられる。
本発明の食品は、乳化剤の含有量が0.01〜24質量%であり、乳化剤に対して炭素数が6〜10である脂肪酸のみが結合したトリアシルグリセロールを質量比で1:0.005〜5の割合で含有させる以外は、その食品を製造する通常の方法にて製造することができる。本発明の食品の製造に際しては、食品の製造に使用する乳化剤の替りに、その乳化剤を含む本発明の乳化剤組成物を使用すると、より簡便に製造することができる。
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例の内容に限定して解釈されるものではない。
<分析方法>
トリアシルグリセロール含量は、AOCS Ce5−86に準じて測定した。
各脂肪酸含量は、AOCS Ce1f−96に準じて測定した。
<原料油脂の調製>
〔MCT1〕:トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸がn−オクタン酸のみであるMCT(日清オイリオグループ株式会社社内製)をMCT1とした。
〔MCT2〕:トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸がn−オクタン酸(炭素数8)とn−デカン酸(炭素数10)であり、その質量比が75:25であるMCT(日清オイリオグループ株式会社製)を、MCT2とした。
〔MCT3〕:トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸がn−オクタン酸(炭素数8)とn−デカン酸(炭素数10)であり、その質量比が60:40であるMCT(日清オイリオグループ株式会社社内製)をMCT3とした。
〔MCT4〕:トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸がn−オクタン酸(炭素数8)とn−デカン酸(炭素数10)であり、その質量比が40:60であるMCT(日清オイリオグループ株式会社社内製)をMCT4とした。
〔MCT5〕:トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸がn−オクタン酸(炭素数8)とn−デカン酸(炭素数10)であり、その質量比が20:80であるMCT(日清オイリオグループ株式会社社内製)をMCT5とした。
〔MCT6〕:トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸がn−デカン酸のみであるMCT(日清オイリオグループ株式会社社内製)をMCT6とした。
〔合成油脂1〕:トリアシルグリセロールを構成する脂肪酸がラウリン酸のみである合成油脂(日清オイリオグループ株式会社社内製)を合成油脂1とした。
〔植物油脂1〕:ヤシ油(商品名:精製ヤシ油、日清オイリオグループ株式会社製、MCT含量0質量%)を植物油脂1とした。
〔植物油脂2〕:菜種油(商品名:菜種サラダ油、日清オイリオグループ株式会社製、MCT含量0質量%)を植物油脂2とした。
〔植物油脂3〕:パーム中融点画分(日清オイリオグループ株式会社社内製、MCT含量0質量%)を植物油脂3とした。
〔植物油脂4〕:パーム核油98質量%とパーム油2質量%を混合後、極度硬化した油脂(日清オイリオグループ株式会社社内製、MCT含量0質量%)を植物油脂4とした。
〔植物油脂5〕:パームオレイン(日清オイリオグループ株式会社社内製、MCT含量0質量%)を植物油脂5とした。
〔植物油脂6〕:パームオレインのエステル交換油(日清オイリオグループ株式会社社内製、MCT含量0質量%)を植物油脂6とした。
<使用した合成乳化剤>
E−MS:グリセリンモノ脂肪酸エステル(飽和脂肪酸タイプ)HLB4.3、商品名エマルジーMS(理研ビタミン株式会社製)
E−HRO:グリセリンモノ脂肪酸エステル(不飽和脂肪酸タイプ)HLB4.3、商品名エマルジーHRO(理研ビタミン株式会社製)
K−30:クエン酸モノグリセライド HLB3.0、商品名ポエムK−30(理研ビタミン株式会社製)
PS−100:プロピレングリコール脂肪酸エステル HLB3.7、商品名リケマールPS−100(理研ビタミン株式会社製)
S−65V:ソルビタントリ脂肪酸エステル HLB3.0、商品名ポエムS−65V(理研ビタミン株式会社製)
F−10:ショ糖脂肪酸エステル HLB1.0、商品名DKエステルF−10(第一工業製薬株式会社製)
F−110:ショ糖脂肪酸エステル、 HLB11.0、商品名DKエステルF−110(第一工業製薬株式会社製)
A−181E:ポリグリセリン脂肪酸エステル HLB13.0、商品名サンソフトA−181E(太陽化学株式会社製)
L−120V:ポリソルベート HLB16.7、商品名エマゾールL−120V(花王株式会社製)
<使用した天然乳化剤>
L−DX:大豆レシチン、商品名レシチンDX(日清オイリオグループ株式会社製)
表1〜4の配合に従って、例1〜21の組成物を調製した。すなわち、例1〜14については、植物油脂に乳化剤(及びMCT)を添加し、必要に応じて加温して攪拌溶解した。例15〜21については、水(60℃)に乳化剤(及びMCTまたは植物油脂)を添加し、ホモミキサーで均質化した。
上記調製した例1〜21の組成物について、5名の熟練したパネラーにより、異味異臭の評価を以下の基準に基づいて総合的に判断した。評価結果を表1〜4に示した。

(異味異臭の評価基準)
+++++: 異味異臭が非常に強い
++++: 異味異臭がかなり強い
+++: 異味異臭がある
++: 異味異臭がかなり弱い
+: 異味異臭が非常に弱い
Figure 2015208238
*;表中の数値は質量%
Figure 2015208238
*;表中の数値は質量%
Figure 2015208238
*;表中の数値は質量%
Figure 2015208238
*;表中の数値は質量%
表5の配合に従って、例22〜27の組成物を調製した。すなわち、例22〜27については、植物油脂に乳化剤(及びMCT)を添加し、必要に応じて加温して攪拌溶解した。
上記調製した例22〜27の組成物について、例1〜21の場合と同様に、5名の熟練したパネラーにより異味異臭の評価を行った。評価結果を表5に示した。
Figure 2015208238
*;表中の数値は質量%
表6の配合に従って、例28〜33の組成物を調製した。すなわち、例28〜33については、水(60℃)に乳化剤(及びMCT)を添加し、ホモミキサーで均質化した。
上記調製した例28〜33の組成物について、例1〜21の場合と同様に、5名の熟練したパネラーにより異味異臭の評価を行った。評価結果を表6に示した。
Figure 2015208238
*;表中の数値は質量%
表7、8の配合に従って、例34〜41の組成物を調製した。すなわち、例34〜41については、植物油脂に乳化剤(及びMCTまたは合成油脂)を添加し、必要に応じて加温して攪拌溶解した。
上記調製した例34〜41の組成物について、例1〜21の場合と同様に、5名の熟練したパネラーにより異味異臭の評価を行った。評価結果を表7、8に示した。
Figure 2015208238
*;表中の数値は質量%
Figure 2015208238
*;表中の数値は質量%
<アイスクリームの製造>
乳化剤としてグリセリンモノ脂肪酸エステル(商品名エマルジーMS:理研ビタミン株式会社製)とMCT2とを1:1の質量比で混合し、乳化剤組成物を得た。
以下の製造手順1〜6により、表9に示す配合に従って、例42、43のクリーム(アイスクリームミックス)を製造した。出来上がったクリームは、5℃で1日エージングした後、アイスクリーマーにてフリージングし、カップに充填した後−20℃で1日以上保管した。
製造手順
1.水相原料および油相原料をそれぞれ別々の容器を用いて、70℃で加熱混合溶解した。
2.1で調製した水相原料を撹拌しながら、そこに1で調製した油相原料を徐々に加え混合した。
3.80度まで加熱して殺菌した。
4.ホモミキサーにて予備乳化を行った(4000rpm、10分)
5.ホモジナイザーを用いてホモジナイズした(1段目100kg/cm、2段目10kg/cm)。
6.氷水浴を用いて5℃まで冷却して、O/Wクリームを得た。
Figure 2015208238
*;表中の数値は質量%
<アイスクリームの風味評価>
上記で製造した例42、43のアイスクリームついて、パネラー5名により試食を行ったところ、5名全員が例43のアイスクリームは例42のアイスクリームと比較して、明らかに風味がよい(乳化剤の異味異臭をほとんど感じない)と評価した。
<ホイップクリームの製造>
乳化剤としてグリセリンモノ脂肪酸エステル(商品名エマルジーMS:理研ビタミン株式会社製)、レシチン(商品名レシチンDX:日清オイリオグループ株式会社製)、ショ糖脂肪酸エステル(商品名F−110:第一工業製薬株式会社製)およびソルビタン脂肪酸エステル(商品名ポエムS−65V:理研ビタミン株式会社製)の混合物とMCT2とを1:1の質量比で混合し、乳化剤組成物(合成乳化剤含量に対するMCT含量は、質量比で1:2)を得た。
以下の製造手順1〜6により、表10に示す配合に従って、例44、45のクリーム(ホイップクリームミックス)を製造した。出来上がったクリームは、5℃で1日エージングした後、クリーム100質量部に対して砂糖を7質量部加え適当な硬度になるまでホイッピングを行い、ホイップクリーム(乳化剤含量0.47質量%、合成乳化剤含量0.23質量%)を作成した。
製造手順
1.水相原料および油相原料をそれぞれ別々の容器を用いて、70℃で加熱混合溶解した。
2.1で調製した水相原料を撹拌しながら、そこに1で調製した油相原料を徐々に加え混合した。
3.80度まで加熱して殺菌した。
4.ホモミキサーにて予備乳化を行った(4000rpm、10分)
5.ホモジナイザーを用いてホモジナイズした(1段目50kg/cm、2段目10kg/cm)。
6.氷水浴を用いて5℃まで冷却して、O/Wクリームを得た。
Figure 2015208238
*;表中の数値は質量%
植物油脂Aは、植物油脂4、5、6および2の混合油脂
<ホイップクリームの風味評価>
上記で製造した例44、45のホイップクリームついて、パネラー5名により試食を行ったところ、5名全員が例45のホイップクリームは例44のホイップクリームと比較して、明らかに風味がよい(乳化剤の異味異臭をほとんど感じない)と評価した。
<パンの製造>
表11の配合に従って、例46、47のマーガリンを調製した。すなわち、乳化剤としてグリセリンモノ脂肪酸エステル(商品名エマルジーMS:理研ビタミン株式会社製)とレシチン(商品名レシチンDX:日清オイリオグループ株式会社製)を含む(例47においてはMCTとしてMCT2をさらに含む)油相原料および水相原料をそれぞれ別々に混合加熱溶解し、混合溶解した油相部に水相部を混合して70℃で予備乳化を行った。得られた予備乳化物を、急冷混捏装置(オンレーター:株式会社櫻製作所製)を用いて急冷可塑化することで、例46のマーガリンと、乳化剤含量に対するMCT含量が質量比で、1:0.099である例47のマーガリン(合成乳化剤含量に対するMCT含量は、質量比で1:0.1)を得た。
Figure 2015208238
*;表中の数値は質量%
植物油脂Bは、植物油脂5、6および2の混合油脂
調製した例46、例47のマーガリンを用いて、表12の配合で70%中種法によりパンを製造した。マーガリン配合の違いによる作業性の違いはなく、例46と例47の何れにおいても、作業性は良好であった。
Figure 2015208238
<パンの風味評価>
例46と例47のマーガリンをそれぞれ使用して製造したパンについて、製造から1日後及び製造から3日後に食したときの風味をパネラー5名により評価した。結果、5名全員が、1日後、3日後のパンいずれにおいても、例46のマーガリンを使用したパンと比べて例47のマーガリンを使用したパンは、乳化剤由来の異味が弱いと評価した。

Claims (7)

  1. 乳化剤に対して炭素数が6〜10である脂肪酸のみが結合したトリアシルグリセロールを質量比で1:0.005〜5の割合で含有する乳化剤組成物。
  2. 前記乳化剤が合成乳化剤である請求項1に記載の乳化剤組成物。
  3. 乳化剤に対して炭素数が6〜10である脂肪酸のみが結合したトリアシルグリセロールを質量比で1:0.005〜5の割合で含有させる乳化剤の風味改善方法。
  4. 乳化剤に対して炭素数が6〜10である脂肪酸のみが結合したトリアシルグリセロールを質量比で1:0.005〜5の割合で含有する、前記乳化剤の含有量が0.01〜24質量%である食品。
  5. 前記乳化剤が合成乳化剤である請求項4に記載の食品。
  6. 前記食品の油脂含量が1〜99.99質量%である請求項4または5に記載の食品。
  7. 乳化剤に対して炭素数が6〜10である脂肪酸のみが結合したトリアシルグリセロールを質量比で1:0.005〜5の割合で含有させる、前記乳化剤の含有量が0.01〜24質量%である食品の風味改善方法。
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