JP2001078720A - 卵加工品及びその製造方法 - Google Patents

卵加工品及びその製造方法

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JP2001078720A
JP2001078720A JP26145899A JP26145899A JP2001078720A JP 2001078720 A JP2001078720 A JP 2001078720A JP 26145899 A JP26145899 A JP 26145899A JP 26145899 A JP26145899 A JP 26145899A JP 2001078720 A JP2001078720 A JP 2001078720A
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Japan
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egg yolk
protease
yolk
egg
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JP26145899A
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Shigeko Hayashi
成子 林
Yoshikazu Nakanishi
義和 中西
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Knorr Foods Co Ltd
Original Assignee
Knorr Foods Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乳化食品に用いられる卵黄を改質して耐熱性
が一段と改善された卵加工品を提供すること。 【解決手段】 糖類を添加した卵黄をプロテアーゼによ
り部分的に加水分解してなる卵加工品並びに糖類を添加
した卵黄に、該卵黄の重量に基づいて0.01〜0.3
%のプロテアーゼを作用させて部分的に加水分解するこ
とを特徴とする卵加工品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、卵加工品及びその
製造方法に関し、詳しくはマヨネーズやドレッシング等
の乳化食品に使用された場合に、耐熱性を付与すること
ができる卵加工品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】卵黄は、栄養価の高い食品であると共
に、優れた乳化剤であり、この特性を利用してマヨネー
ズやドレッシング等の多くの乳化食品が作られている。
近年、食生活の多様化に伴い、マヨネーズやドレッシン
グ等は加熱加工される食品に使用されることが多くな
り、例えばレトルトサラダ、フィリング類、パン類など
の多種の食品への需要が高まっている。このため、耐熱
性を有するマヨネーズやドレッシング類が要望されてい
るが、通常の卵黄を乳化剤としたものは、十分な耐熱性
を有していない。このような欠点を改善するため、プロ
テアーゼにより卵黄を部分的に加水分解することにより
耐熱性を付与させた改質卵黄が提案されている(特開平
6−189713号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】最近は、加工食品等に
ついて微生物的安定性をより完璧に求めることの必要性
から、乳化剤として用いる卵黄に更に高い耐熱性が要求
される傾向にある。上記の試みにより得られた改質卵黄
は、ある程度の耐熱性の改善が認められるが、未だ十分
に満足し得るものではない。したがって、本発明の目的
は、卵黄をプロテアーゼで処理して得られる改質卵黄よ
りも更に耐熱性が改善された卵加工品を提供することで
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、糖類を添加した
卵黄をプロテアーゼにより部分的に加水分解して得られ
た卵加工品は、従来のプロテアーゼ処理しただけの改質
卵黄よりも耐熱性の使用特性に関して一段と優れたもの
であることを見出して本発明に到達した。
【0005】請求項1に記載の本発明は、糖類を添加し
た卵黄をプロテアーゼにより部分的に加水分解してなる
卵加工品である。請求項2に記載の本発明は、糖類が、
単糖類、二糖類または多糖類の分解物のいずれかである
請求項1記載の卵加工品である。請求項3に記載の本発
明は、糖類を添加した卵黄に、該卵黄の重量に基づいて
0.01〜0.3%のプロテアーゼを作用させて部分的
に加水分解することを特徴とする卵加工品の製造方法で
ある。請求項4に記載の本発明は、糖類が、単糖類、二
糖類または多糖類の分解物のいずれかである請求項3記
載の卵加工品の製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いる卵黄は、通常の未
変性状態の卵黄液であればよく、特別な制限はない。例
えば、割卵した後、卵白を分離して得られる卵黄液など
が一般的なものであり、必要に応じて水で希釈したもの
であってもよい。
【0007】次に、糖類としては、単糖類、二糖類また
は多糖類の分解物のいずれかを用いる。単糖類の例とし
ては、キシロース、アラビノース、リボース等の5炭糖
やブドウ糖、果糖、乳糖等の6炭糖があり、二糖類とし
てはショ糖、麦芽糖、トレハロース等が挙げられる。ま
た、多糖類の分解物の例としては、水飴、デキストリン
等がある。糖類の添加量は、卵黄に対して1〜10重量
%が好ましい。糖の添加量が1重量%未満では、耐熱性
を十分に付与することができず、10重量%を超える
と、卵黄の粘度が急激に増加してハンドリングが困難と
なるため、好ましくない。
【0008】卵黄の加水分解に用いるプロテアーゼ類と
しては、制限がなく微生物、植物及び生体起源のものを
任意に使用できるが、主にエンド型のプロテアーゼを使
用する。例えば、商品名:プロテアーゼA,N,P,
S,M,B、プロレザ−FG−F(天野製薬(株))、
フレーバーザイム、アルカラーゼ(ノボノルディクス
(株))、パンチダーゼNP−2、パンチダーゼHP、
アロアーゼAP−10(ヤクルト薬品工業(株))、デ
ナプシン10P、デナチームAP、ビオプラーゼSP−
15FG、食用精製パパイン(ナガセ生化学工業
(株))やプロチンP、プロチンA、サモアーゼ(大和
化成(株))等の酵素を単独で、もしくは2種以上を組
み合わせて使用することができる。プロテーゼの添加量
は、卵黄に対して0.01〜0.3重量%が好ましい。
プロテアーゼの添加量が0.01重量%未満では、卵黄
が十分に部分分解されないため、耐熱性を十分に付与す
ることができない。一方、プロテアーゼの添加量が0.
3重量%を超えると、苦味やえぐみ等の異臭味が発生し
易く、卵黄風味の品質低下を招くため、好ましくない。
【0009】プロテアーゼ処理の条件は、次に示す通り
である。まず、pHについては、卵黄固有のpH(6.
5前後)で処理することが簡便であり、この条件で耐熱
性を付与することができる。また、温度条件としては、
50〜65℃が好ましい。50℃未満では、微生物が繁
殖し易く、また65℃を超える温度としても、加水分解
の効率が増加しないため、好ましくない。処理時間につ
いては、1〜24時間が適当であるが、プロテアーゼの
種類、添加量や温度条件等によって短時間から長時間ま
で任意に調整できる。しかし、卵黄の品質を考慮する
と、10時間以内の短時間処理が好ましい。
【0010】卵黄がどの程度に加水分解されたかは、S
DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS−P
AGE)により分析することができる。ここでいう「部
分的に加水分解された」とは、低密度リポ蛋白(LD
L)の特徴的な約22万ダルトン以上の分子量をもつバ
ンドが少なくともほぼ消失していることを意味する(J.
Food Sci., vol.51, No.5, 1115-1117, 1986)。
【0011】加水分解処理後、プロテアーゼを失活させ
ないと、卵黄の加水分解が進み卵黄の品質が変化してし
まう。このため、卵黄を熱凝固させない程度の条件でプ
ロテアーゼを熱失活させる必要がある。このような理由
から、加水分解処理に用いるプロテアーゼとしては、8
0℃以下の温度で失活するものが好ましい。酵素の熱失
活温度が80℃を超えると、卵黄蛋白の熱凝固が起こり
やすく、熱凝固してしまうと、卵黄の乳化機能や付与し
た耐熱性が大幅に低下してしまうため、好ましくない。
そこで、本発明では70〜80℃の温度でプロテアーゼ
を失活させる。このときの時間は短くすべきで、通常は
3〜30分間が適当である。
【0012】糖類の添加された卵黄をプロテアーゼで部
分的に加水分解することにより、耐熱性が付与される理
由については必ずしも明らかではないが、おそらく糖と
卵黄蛋白がメイラード反応によって、一種の糖蛋白を形
成したためと考えられる。
【0013】本発明に係る卵加工品は、主にマヨネー
ズ、ドレッシングなどの乳化食品に使用されるが、上記
したように、このものは耐熱性が付与されているため、
従来品よりも広範な用途に供することができる。本発明
に係る卵加工品は、121℃で25分間の加圧蒸気滅菌
条件下に暴露しても、油分離等の品質劣化が生じないた
め、当該卵加工品を含む食品の製造過程において、一般
微生物は勿論のこと、芽胞を形成する微生物に対しても
優れた滅菌効果を有する条件で殺菌処理を行うことが可
能である。このため、加工食品等について微生物的安定
性をより完璧に求めるニーズに合致する。
【0014】
【実施例】以下に、本発明を実施例等により詳しく説明
するが、本発明はこれらによって制限を受けるものでは
ない。 実施例1〜5、比較例1〜4 プロテーゼとしてデナプシン10P(ナガセ生化学工業
(株))を用い、第1表に示した卵黄を部分的に加水分
解処理した。すなわち、所定量のプロテアーゼ及びブド
ウ糖を溶解した卵黄液2kgを3L容攪拌槽に充填し、
60℃で5時間処理した。処理後、卵黄液を200mL
容プラスチック容器に150g充填し、75℃の温水中
で20分間加熱し、プロテアーゼを熱失活させた。酵素
を失活後、市水にて冷却した。なお、比較例2では、卵
黄液に苦味が生じたため、続くマヨネーズの調製には用
いなかった。
【0015】
【表1】第 1 表 ( )内は、卵黄に対する割合(%)を示す。
【0016】次に、部分的に加水分解した各卵黄を用い
て、第2表に示す配合組成のマヨネーズ2kgを、コロ
イドミルを用いて調製した。得られたマヨネーズ100
gずつを200mL容のプラスチック製袋に充填し、シ
ールしたものを121℃で25分間の加熱処理を行っ
た。
【0017】
【表2】第 2 表
【0018】加熱処理後、該マヨネーズの油分離の有無
を目視で観察し、耐熱性を3段階で評価した。つまり、
僅かに油分離があるが、滑らかな物性で、製品としては
良いものを「良好」;油分離があり、物性がやや不可の
ものを「やや不可」;ひどい油分離があり、物性が不可
であるものを「不可」と評価した。結果を第3表に示
す。
【0019】
【表3】第 3 表
【0020】第3表から明らかなように、本発明に係る
卵加工品を用いて製造したマヨネーズは、いずれも12
1℃、25分間の加熱処理後も良好な物性を保持してい
るのに対し、プロテアーゼの添加量が下限に満たない比
較例1の場合や糖類の添加量が下限に満たない比較例3
の場合は、加熱処理後は油分離がひどく、製品としての
物性が不可であった。
【0021】試験例1 実施例および比較例における耐熱性の評価で、「良
好」、「やや不可」、「不可」という評価を得た3種の
マヨネーズについてコロイド粒子径を、レーザー回折式
粒度測定器(SALD-3000 、島津製作所(株)製)を用い
て測定した。その結果、「良好」と評価されたものは平
均粒子径が15μ以下であったのに対し、「やや不良」
と評価されたものは15〜30μ、「不良」と評価され
たものは30μ以上であることが分かった。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、単にプロテアーゼ処理
して得られる改質卵黄よりも耐熱性の使用特性が一段と
改善された卵加工品が提供される。この卵加工品を用い
て製造した乳化食品は、加熱加工が施される各種食品に
供しても良好な物性を保持することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B042 AC07 AC10 AD40 AE08 AG07 AH10 AK08 AP02 AP14 AP27 4B047 LB06 LE03 LG03 LG19 LG22 LG23 LG53 LG58 LG62 LP02 LP05 LP18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糖類を添加した卵黄をプロテアーゼによ
    り部分的に加水分解してなる卵加工品。
  2. 【請求項2】 糖類が、単糖類、二糖類または多糖類の
    分解物のいずれかである請求項1記載の卵加工品。
  3. 【請求項3】 糖類を添加した卵黄に、該卵黄の重量に
    基づいて0.01〜0.3%のプロテアーゼを作用させ
    て部分的に加水分解することを特徴とする卵加工品の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 糖類が、単糖類、二糖類または多糖類の
    分解物のいずれかである請求項3記載の卵加工品の製造
    方法。
JP26145899A 1999-09-16 1999-09-16 卵加工品及びその製造方法 Withdrawn JP2001078720A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010148455A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Uha Mikakuto Co Ltd ハードキャンディ
JP2012090542A (ja) * 2010-10-25 2012-05-17 Q P Corp タマゴサラダ

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010148455A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Uha Mikakuto Co Ltd ハードキャンディ
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Effective date: 20061205