JP2002233328A - 水中油型乳化食品 - Google Patents

水中油型乳化食品

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JP2002233328A
JP2002233328A JP2001030485A JP2001030485A JP2002233328A JP 2002233328 A JP2002233328 A JP 2002233328A JP 2001030485 A JP2001030485 A JP 2001030485A JP 2001030485 A JP2001030485 A JP 2001030485A JP 2002233328 A JP2002233328 A JP 2002233328A
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Shigeko Hayashi
成子 林
Yoshikazu Nakanishi
義和 中西
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Knorr Foods Co Ltd
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Knorr Foods Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱加工食品の原料に使用しても分離せず、
優れた耐熱性を有する水中油型乳化組成物を提供するこ
とを目的とする。 【解決手段】 油相30〜70重量%と水相70〜30
重量%とが乳化されてなる水中油型乳化食品であって、
糖類及びリゾリン脂質を添加した卵黄をプロテアーゼに
より部分的に加水分解してなる卵加工品を乳化剤として
含有し、且つ、乳化後における平均粒子径が3μm以下
であることを特徴とする水中油型乳化食品を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた耐熱性を有
する水中油型乳化食品に関し、詳しくはポテトサラダ、
惣菜類等の加熱加工食品の原料に使用しても分離せず、
優れた耐熱性を有する水中油型乳化食品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、水相原料と油相原料とを配合し、
乳化して得られるマヨネーズや半固体状ドレッシング等
の水中油型乳化食品は、レトルト食品や惣菜類等、加熱
を要する加工食品にしばしば利用されている。
【0003】しかしながら、一般に使用されている卵黄
により乳化されるタイプの水中油型乳化食品は、耐熱性
が不充分であり、加熱を施すと油相と水相とに分離して
しまうという欠点があった。
【0004】このため、このような水中油型乳化食品の
耐熱性を改善する方法が、従来から開発されてきた。例
えば、大豆蛋白質を予め加熱、又はアルコールで変性し
た後、蛋白質分解酵素で部分加水分解したものと熱凝固
性蛋白質とを用いることによりレトルト殺菌時における
耐熱性を付与する方法(特開昭61−141860号公
報)等が提案され、食品加工分野での利用が図られてき
た。
【0005】しかしながら、これらの開示された方法
は、水中油型乳化食品そのもの自体の耐熱性を得ようと
するものであり、これをポテトサラダ、惣菜等の加熱加
工食品の原料として使用した場合の該食品の耐熱性まで
考慮したものではなかった。このため、ポテトサラダ、
惣菜等の和え用に使用された後、加熱した場合には、油
相と水相とが分離してしまうというおそれがあった。ポ
テトサラダ、惣菜等の調味料としての和え用に使用され
る水中油型乳化食品には、特に強い耐熱性が必要とされ
るが、これはポテト等の吸水原料が水中油型乳化食品中
の水分を吸収して不安定化するためであると考えられ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解消し、加熱加工食品の原料に使用しても
分離せず、優れた耐熱性を有する水中油型乳化組成物を
提供することを目的とするものである。すなわち、本発
明は、ポテトサラダ、惣菜等の和え用に使用された後、
加熱されても、油相と水相とが分離せず、良好な耐熱性
を有している水中油型乳化食品を提供することを目的と
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、糖類及びリゾリン
脂質を添加した卵黄をプロテアーゼにより部分的に加水
分解してなる卵加工品を乳化剤として含有し、且つ、乳
化後における平均粒子径が3μm以下である水中油型乳
化食品は、ポテトサラダ、惣菜等の和え用に使用された
後加熱されても、油相と水相とが分離せず、耐熱性に非
常に優れていることを見出した。本発明はかかる知見に
基づいて完成されたものである。
【0008】請求項1に係る本発明は、油相30〜70
重量%と水相70〜30重量%とが乳化されてなる水中
油型乳化食品であって、糖類及びリゾリン脂質を添加し
た卵黄をプロテアーゼにより部分的に加水分解してなる
卵加工品を乳化剤として含有し、且つ、乳化後における
平均粒子径が3μm以下であることを特徴とする水中油
型乳化食品を提供するものである。
【0009】また、請求項2に係る本発明は、卵加工品
が、卵黄に対して1〜10重量%の糖類及び卵黄に対し
て3〜20重量%のリゾリン脂質を添加した卵黄に、該
卵黄に対して0.01〜0.3重量%のプロテアーゼを
作用させて部分的に加水分解してなるものである請求項
1記載の水中油型乳化食品を提供するものである。
【0010】次に、請求項3に係る本発明は、糖類が、
単糖類、二糖類及び多糖類の分解物のいずれか或いは2
以上の組み合わせである請求項1又は2に記載の水中油
型乳化食品を提供するものである。
【0011】さらに、請求項4に係る本発明は、リゾリ
ン脂質が、リゾ化率50%以上のものである請求項1〜
3のいずれかに記載の水中油型乳化食品を提供するもの
である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。請求項1に係る本発明は、水中油型乳化食品に関
し、油相30〜70重量%と水相70〜30重量%とが
乳化されてなる水中油型乳化食品であって、糖類及びリ
ゾリン脂質を添加した卵黄をプロテアーゼにより部分的
に加水分解してなる卵加工品を乳化剤として含有し、且
つ、乳化後における平均粒子径が3μm以下であること
を特徴とする。特に糖類及びリゾリン脂質を添加した卵
黄をプロテアーゼにより部分的に加水分解してなる卵加
工品を乳化剤として使用し、含有していることが必要で
ある。このような卵加工品を使用しない場合には、本発
明の目的を達成することはできない。
【0013】請求項1に係る本発明において乳化剤とし
て使用し、含有している卵加工品は、糖類及びリゾリン
脂質を添加した卵黄をプロテアーゼにより部分的に加水
分解してなるものである。このような卵加工品の原料で
ある卵黄は、通常の未変性状態の卵黄液であればよく、
特別な制限はない。例えば、割卵した後、卵白を分離し
て得られる卵黄液などが一般的なものであり、必要に応
じて水で希釈したものであっても良い。
【0014】次に、糖類としては、単糖類、二糖類及び
多糖類の分解物のいずれか或いは2以上を組み合わせて
用いる。単糖類としては、例えばキシロース、アラビノ
ース、リボース等の5炭糖や、ブドウ糖、果糖、乳糖等
の6炭糖があり、二糖類としては、例えばショ糖、麦芽
糖、トレハロース等が挙げられる。また、多糖類の分解
物の例としては、水飴、デキストリン等がある。
【0015】糖類の添加量は、請求項2に記載するよう
に、卵黄に対して1〜10重量%とすることが好まし
い。糖類の添加量が1重量%未満では、耐熱性を充分に
付与することができず、一方、10重量%を超えると、
卵黄の粘度が急激に増加してハンドリングが困難となる
ため、好ましくない。
【0016】また、リゾリン脂質は、卵黄から抽出され
るリン脂質、植物製造の際に副産物として得られる大豆
リン脂質や菜種リン脂質等を、ホスホリパーゼA2で分
解したもの等である。リン脂質全体のうちリゾリン脂質
に分解された割合をリゾ化率というが、本発明で用いる
リゾリン脂質としては、請求項4に記載するように、リ
ゾ化率50%以上のものが好ましく、リゾ化率の上限に
ついては99%程度までのものがある。リゾ化率が50
%未満では、卵黄に充分な耐熱性を付与することができ
ないため、好ましくない。
【0017】リゾリン脂質の添加量は、請求項2に記載
するように、卵黄に対して3〜20重量%が好ましい。
リゾリン脂質の添加量が3重量%未満では、卵黄に充分
な耐熱性を付与することができない。一方、リゾリン脂
質の添加量が20重量%を超えると、高粘度となり、卵
黄への溶解が困難となる(ハンドリングが困難となる)
ため、好ましくない。
【0018】請求項1に係る本発明における卵加工品
は、上記糖類及びリゾリン脂質を添加した卵黄を、プロ
テアーゼにより部分的に加水分解してなるものである。
ここでプロテアーゼとしては制限がなく、微生物、植物
及び生体起源のものを任意に使用できるが、主にエンド
型のプロテアーゼを使用することが好ましい。例えば、
商品名:プロテアーゼA,N,P,S,M,パンチダー
ゼNP−2,パンチダーゼHP,アロアーゼAP−10
(ヤクルト薬品工業(株))、デナプシン10P,デナ
チームAP,ビオプラーゼSP−15FG、食用精製パ
パイン(ナガセ生化学工業(株))やプロチンP、プロ
チンA、サモアーゼ(大和化成(株))等の酵素を単独
で、もしくは2種以上を組み合わせて使用することがで
きる。
【0019】プロテアーゼの使用量は、請求項2に記載
するように、卵黄に対して0.01〜0.3重量%が好
ましい。プロテアーゼの使用量が0.01重量%未満で
は、卵黄が充分に部分分解されないため、耐熱性を充分
に付与することができない。一方、プロテアーゼの使用
量が0.3重量%を超えると、苦味やえぐみ等の異臭味
が発生し易く、卵黄風味の品質低下を招くため、好まし
くない。
【0020】プロテアーゼによる加水分解処理は、次に
示す条件で行うことができる。まず、pHについては、
卵黄固有のpH(6.5前後)で処理することが簡便で
あり、この条件で耐熱性を付与することができる。ま
た、温度条件としては、50〜60℃が好ましい。50
℃未満では、微生物が繁殖し易く、一方、65℃を超え
る温度としても、加水分解の効率が増加しないため、好
ましくない。
【0021】処理時間については、1〜24時間が適当
であるが、プロテアーゼの種類、添加量や温度条件等に
よって、短時間から長時間まで任意に調整できる。しか
し、卵黄の品質を考慮すると、10時間以内の短時間処
理が好ましい。
【0022】卵黄がどの程度に加水分解されたかは、S
DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PA
GE)により分析することができる。ここでいう「部分
的に分解された」とは、低密度リポ蛋白(LDL)の特
徴的な約22万ダルトン以上の分子量を持つバンドが少
なくともほぼ消失していることを意味する(J.Food Sc
i.,vol.51,No.5,1115-1117,1986)。
【0023】加水分解後、プロテアーゼを失活させない
と、卵黄の加水分解が進み、卵黄の品質が低下してしま
う。このため、卵黄を熱凝固させない程度の条件でプロ
テアーゼを熱失活させる必要がある。卵黄の熱凝固を防
止する観点から、加水分解処理に用いるプロテアーゼと
しては、80℃以下の温度で失活するものが好ましい。
酵素の熱失活温度が80℃を超えると、卵黄蛋白の熱凝
固が起こりやすく、熱凝固してしまうと、卵黄の乳化機
能や付加した耐熱性が大幅に低下してしまうため、好ま
しくない。
【0024】このような理由から、本発明では、プロテ
アーゼの失活を70〜80℃で行うことが好ましい。失
活の時間は短くすべきで、通常は3〜30分間が適当で
ある。
【0025】糖類やリゾリン脂質が添加された卵黄をプ
ロテアーゼで部分的に加水分解することにより得られる
卵加工品に、耐熱性が付与される理由については、必ず
しも明らかではないが、糖と卵黄蛋白がメイラード反応
によって結合し、一種の糖タンパクを形成すると共に、
リゾリン脂質が卵黄中のリン脂質に組み込まれて、これ
らが全体としてバランスの良い配列を形成するためと考
えられる。
【0026】請求項1に係る本発明においては、乳化剤
として前記した如き卵加工品を用いることが必要である
が、本発明の目的を損なわない範囲内において、一般に
水中油型乳化食品の乳化剤として使用されている他の素
材、例えば、卵白、乳蛋白、大豆蛋白等を使用し、水中
油型乳化食品中に含有させることができる。
【0027】請求項1に係る本発明の水中油型乳化食品
は、上記卵加工品を使用し、該食品中に含有させること
に加えて、乳化後における水中油型乳化食品の平均粒子
径が3μm以下であることが必要である。このような要
件を共に具備するのでなければ、本発明の目的を達成す
ることはできない。このような要件を共に具備して初め
て、本発明の目的とする耐熱性を著しく改善することが
できる。乳化後における水中油型乳化食品の平均粒子径
を3μm以下とすることにより、水中油型乳化食品を加
熱加工食品の原料とした場合に充分な耐熱性を付与する
ことができる。ここで、乳化後における水中油型乳化食
品の平均粒子径が3μmを超えてしまうと、例えば、ポ
テトサラダに使用して低温殺菌を施したりすると、油相
分離を起こすといった欠点を生じる。乳化後における水
中油型乳化食品の平均粒子径を3μm以下とするために
は、乳化の際にコロイドミルの回転数、クリアランスや
流量を調整して行うことができる。一般に、コロイドミ
ルの回転数を3,500rpm以上としてクリアランス
を適宜調整することにより所望の粒子径とすることがで
きる。
【0028】請求項1に係る本発明において、上記卵加
工品以外の原料、即ち水中油型乳化食品の水相と油相と
を構成する原料については、通常使用されているもので
良く、目的とする水中油型乳化食品の種類に応じて適宜
選定すれば良い。水相原料としては、一般に水中油型乳
化食品に使用されるもの、例えば、水、調味料(食塩、
砂糖等)、食酢、香辛料等を使用することができる。こ
の他、必要に応じてガム、澱粉、他の乳化剤等も適宜用
いることができる。
【0029】油相原料としては、例えば菜種油、大豆
油、トウモロコシ油、ヒマワリ油等、食品に使用される
一般的な食用油であれば良く、特に制限されない。必要
に応じて、油溶性の着香料等も適宜用いることができ
る。なお、請求項1に係る本発明の水中油型乳化食品に
おける油相の割合は、安定な乳化物を得るため及び美味
しさを考慮して、30〜70重量%の範囲とすることが
望ましい。ここで油相の割合が30重量%未満では、水
中油型乳化食品の美味しさが低下するため、好ましくな
い。一方、70重量%を超えると、水中油型乳化食品の
耐熱性が低下するため、好ましくない。
【0030】請求項1に係る本発明の水中油型乳化食品
を製造する方法は、一般に行なわれる方法に準じて行え
ば良い。例えば、水を除く水相原料を水等に混合、溶解
して、これに油相原料を加え、撹拌機により予備乳化を
行い、次いで、コロイドミル等の乳化機を用いて仕上げ
乳化を行うことにより、目的とする水中油型乳化食品を
製造することができる。
【0031】
【実施例】次に本発明を実施例により詳しく説明する
が、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでは
ない。
【0032】実施例1〜5、比較例1〜4 (1)卵加工品の調製 ここで使用する卵加工品は、次のようにして調製した。
卵黄2kgに水1kg、プロテアーゼ(大和化成
(株)、プロチンA)2.0g(0.1重量%)、ブド
ウ糖100g(5.0重量%)及びリゾリン脂質200
g(10重量%)を溶解後、3L容撹拌槽に充填し、5
5℃で5時間処理した。なお、リゾリン脂質は、大豆レ
シチンを原料とし、リゾ化率が60%のものを用いた。
【0033】処理後、卵黄液を200mL容プラスチッ
ク溶液に150g充填し、75℃の温水中で20分間加
熱し、プロテアーゼを熱失活させた。酵素を失活後、市
水にて冷却した。いずれの実施例及び比較例において
も、このようにして得られた卵加工品を用い、以下のよ
うにしてドレッシングを調製した。
【0034】(2)ドレッシングの調製 第1表に示す原料と配合組成により、次のようにしてド
レッシングを調製した。まず、菜種油を除く水相原料を
ミキサー中で混合、溶解し、次にこれに菜種油を添加し
て予備乳化を行った後、コロイドミル条件を変化(ミル
回転数:2000〜4500rpm、クリアランス:3
/1000〜8/1000インチ)させて、平均粒子径
の異なるドレッシングを調製した。
【0035】(3)ドレッシングの平均粒子径の測定 レーザー粒度分布計(島津製作所(株)SALD−30
00S)を用いて、得られたドレッシングの乳化後にお
ける平均粒子径(コロイド粒子径)を測定した。なお、
測定の際、ドレッシングの分散液は0.1%ドデシル硫
酸ナトリウム溶液を用いた。実施例及び比較例における
各ドレッシングの平均粒子径の測定結果について、第1
表に示す。
【0036】(4)ポテトサラダの耐熱性の評価 第1表に示す原料と配合組成により得られたドレッシン
グを使用したポテトサラダの耐熱性について、下記のよ
うにして耐熱性を評価した。1/2〜1/4に切ったジ
ャガイモを約30分間煮た後、5メッシュの篩に通して
マッシュポテトを調製した。冷却後、ポテトとドレッシ
ングを7対3(重量比)の割合で混合したポテトサラダ
50gを100g容のプラスチック容器に充填した後、
90℃にて30分間加熱した。冷却後、ポテトサラダの
耐熱性(油分離の有無、程度)を「良好」、「やや良
好」、「やや不良」、「不良」の4段階で評価した。結
果を第1表に示す。
【0037】
【表1】第1表(その1)
【0038】
【表2】第1表(その2)
【0039】第1表から明らかな通り、実施例1〜5の
ドレッシングを用いたポテトサラダの耐熱性は良好なも
のであった。いずれも乳化後におけるドレッシングの平
均粒子径は3.0μm以下であった。これに対し、乳化
後におけるドレッシングの平均粒子径が3.5μmであ
る点で実施例1と相違する比較例1のポテトサラダは耐
熱性の評価が低い。また、乳化後におけるドレッシング
の平均粒子径が3.2μmである点で実施例2〜4と相
違する比較例2のポテトサラダも耐熱性の評価が低い。
さらに、乳化後におけるドレッシングの平均粒子径が
3.3μmである点で実施例5と相違する比較例3のド
レッシングのポテトサラダも耐熱性の評価が低い。さら
に、油相の割合が75.0重量%と高いドレッシングを
用いた点で実施例と相違する比較例4のポテトサラダ
は、耐熱性が低い。これらのことから、特定の卵加工品
を用い、乳化後におけるドレッシングの平均粒子径が
3.0μm以下であり、且つ、油相と水相を一定の割合
としたドレッシングは、ポテトサラダに使用すると優れ
た耐熱性を付与できることが明らかである。
【0040】比較例5 実施例2において、リゾリン脂質としてリゾ化率80%
のものを40g(2重量%)添加した他は、実施例2と
同様にして卵加工品を製造し、さらにドレッシングを調
製して平均粒子径の測定及び耐熱性の評価を行った。結
果を第2表に示す。なお、この場合に、リゾリン脂質の
添加量を400g(20重量%)以上とした場合には、
高粘度となって、ハンドリングが著しく困難となってし
まった。
【0041】比較例6 実施例2において、リゾリン脂質としてリゾ化率約20
%のものを80g(4重量%)添加した他は、実施例2
と同様にして卵加工品を製造し、さらにドレッシングを
調製して平均粒子径の測定及び耐熱性の評価を行った。
結果を第2表に示す。
【0042】実施例6及び比較例7 実施例2において、ブドウ糖をそれぞれ20g(1重量
%),2g(0.1重量%)添加し、リゾリン脂質とし
て両者ともリゾ化率80%のものを80g(4重量%)
添加した他は、実施例2と同様にして卵加工品を製造
し、さらにドレッシングを調製して平均粒子径の測定及
び耐熱性の評価を行った。結果を第2表に示す。なお、
この場合に、ブドウ糖の添加量を200g(10重量
%)以上とした場合には、高粘度となって、ハンドリン
グが著しく困難となってしまった。
【0043】実施例7 実施例6において、ブドウ糖の代わりに水飴を用いたこ
と以外は実施例6と同様にして卵加工品を製造し、且
つ、この卵加工品の配合量を5.0重量%としたこと以
外は、実施例6と同様にしてドレッシングを調製して平
均粒子径の測定及び耐熱性の評価を行った。結果を第2
表に示す。
【0044】実施例8及び比較例8 実施例2において、プロテアーゼをそれぞれ0.2g
(0.01重量%),0.1g(0.005重量%)添
加し、リゾリン脂質として両者ともリゾ化率80%のも
のを80g(4重量%)添加した他は、実施例2と同様
にして卵加工品を製造し、さらにドレッシングを調製し
て平均粒子径の測定及び耐熱性の評価を行った。結果を
第2表に示す。
【0045】比較例9 実施例8において、プロテアーゼの添加量を8.0g
(0.4重量%)とした他は、実施例2と同様にして卵
加工品を製造し、さらにドレッシングを調製して平均粒
子径の測定及び耐熱性の評価を行った。結果を第2表に
示す。なお、得られたドレッシングの粘度は低いもので
あった。
【0046】実施例9 実施例8において、プロテアーゼとしてビオプラーゼS
P−15FG(長瀬生化学工業(株))を同量(2.0
g(0.1重量%))した他は、実施例8と同様にして
卵加工品を製造し、さらにドレッシングを調製して平均
粒子径の測定及び耐熱性の評価を行った。結果を第2表
に示す。
【0047】
【表3】第2表
【0048】第2表の結果より、以下のことが分かる。
まず、リゾリン脂質を2重量%と少なく添加した場合
(比較例5)は、リゾリン脂質を10重量%添加した場
合(実施例2)と比較して、耐熱性の評価が悪い。ま
た、リゾリン脂質のリゾ化率が20%と低い場合(比較
例6)にも、リゾ化率が60%の場合(実施例2)と比
較して、耐熱性の評価が悪い。次に、糖類を1重量%添
加した場合(実施例6)と比較して、0.1重量%と少
なく添加した場合(比較例7)は、耐熱性の評価が悪
い。なお、ブドウ糖の代わりに水飴を用いた場合(実施
例7)にも、耐熱性の評価は良好であった。さらに、プ
ロテアーゼを0.01重量%使用した場合(実施例8)
に比べて、0.005重量%と少なく使用した場合(比
較例8)も耐熱性の評価が悪い。次に、プロテアーゼの
添加量が0.4重量%と多すぎた場合(比較例9)、調
製されたドレッシングの粘度が低く、しかも耐熱性の評
価が悪い。また、プロテアーゼの種類を変えた場合(実
施例9)にも、耐熱性の評価は良好であった。
【0049】これらのことから、特定のリゾ化率を持つ
リゾリン脂質及び糖類を特定の割合で添加した卵黄に特
定量のプロテアーゼを作用させることにより得られる卵
加工品を用いてなるドレッシングは、ポテトサラダに使
用すると優れた耐熱性を付与できることが明らかであ
る。
【0050】
【発明の効果】本発明の水中油型乳化食品は、糖類及び
リゾリン脂質を添加した卵黄をプロテアーゼで部分分解
してなる卵加工品を乳化剤として使用し、含有させてお
り、さらに乳化後の平均粒子径が3μm以下であるた
め、ポテトサラダ等の和え物用に使用しても優れた耐熱
性を示し、油分離することがない。従って、本発明の水
中油型乳化食品は、加工食品分野において有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油相30〜70重量%と水相70〜30
    重量%とが乳化されてなる水中油型乳化食品であって、
    糖類及びリゾリン脂質を添加した卵黄をプロテアーゼに
    より部分的に加水分解してなる卵加工品を乳化剤として
    含有し、且つ、乳化後における平均粒子径が3μm以下
    であることを特徴とする水中油型乳化食品。
  2. 【請求項2】 卵加工品が、卵黄に対して1〜10重量
    %の糖類及び卵黄に対して3〜20重量%のリゾリン脂
    質を添加した卵黄に、該卵黄に対して0.01〜0.3
    重量%のプロテアーゼを作用させて部分的に加水分解し
    てなるものである請求項1記載の水中油型乳化食品。
  3. 【請求項3】 糖類が、単糖類、二糖類及び多糖類の分
    解物のいずれか或いは2以上の組み合わせである請求項
    1又は2に記載の水中油型乳化食品。
  4. 【請求項4】 リゾリン脂質が、リゾ化率50%以上の
    ものである請求項1〜3のいずれかに記載の水中油型乳
    化食品。
JP2001030485A 2001-02-07 2001-02-07 水中油型乳化食品 Withdrawn JP2002233328A (ja)

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