JP2003009785A - 乳化安定化剤、乳化飲食物及びその製造方法 - Google Patents

乳化安定化剤、乳化飲食物及びその製造方法

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JP2003009785A
JP2003009785A JP2001202538A JP2001202538A JP2003009785A JP 2003009785 A JP2003009785 A JP 2003009785A JP 2001202538 A JP2001202538 A JP 2001202538A JP 2001202538 A JP2001202538 A JP 2001202538A JP 2003009785 A JP2003009785 A JP 2003009785A
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emulsion stabilizer
drink
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emulsion
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Yoshitaka Tamura
吉隆 田村
Hiroshi Miyagawa
博 宮川
Hitoshi Saito
仁志 齋藤
Hiroshi Ochi
浩 越智
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
Original Assignee
Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シュガーエステルなどの乳化剤による乳化を
安定化することができる乳化安定化剤、特に、透明な容
器に長期間保存しても、また、ホットベンダーなどの過
酷な条件下で保存しても、乳化剤による乳化を長期間安
定化させることができる乳化安定化剤を提供する。 【解決手段】 乳化安定化剤の有効成分としてカゼイン
分解物を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乳化剤による乳化
(特に、コーヒー飲料、紅茶飲料、ココア飲料、チョコ
レート飲料、果実風味乳飲料、スープなど、脂肪が分散
された油脂含有飲食物の乳化)を安定化させることがで
きる乳化安定化剤、並びに該乳化安定化剤を用いて乳化
安定性を向上させた乳化飲食物及び該乳化飲食物の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カゼイン及びカゼイネート(カゼインの
金属塩)(以下、両者を併せて「カゼイン類」という場
合がある。)は、生体利用性を示すアミノ酸スコアが高
く、栄養学的に優れた蛋白質であることがよく知られて
いる。また、カゼイン類が、乳化性、起泡性、結着性、
ゲル化性などの様々な機能を有することも公知であり、
これらの機能を利用して、例えば、ミルクコーヒー、ミ
ルクティー、ポーションクリーム、ドレッシング、シチ
ュー、カレールウなどの乳化剤;菓子、ケーキなどの起
泡剤;麺、パンの品質改良剤;ハム、ソーセージなどの
畜肉製品や水産練製品などの結着剤や増量剤として利用
されている。
【0003】このような背景の下、カゼイン類や乳清蛋
白質などの乳由来の蛋白質(乳蛋白質)を原料とした食
品の物性改良剤や物性改良方法について、これまでに種
々のものが開示されている。例えば、全カゼインに蛋白
質分解酵素を作用させて得られる反応生成物から、ゲル
濾過、イオン交換クロマトグラフィー、高速液体クロマ
トグラフィー又は電気泳動の一種以上を用いて分離して
得られる5及至50個のアミノ酸から構成されるポリペ
プチドから成る乳化剤(特公平2−968);乳蛋白質
に蛋白分解酵素を作用させ、その分解度を5〜20%の
範囲に部分的に加水分解してなることを特徴とする乳蛋
白性界面活性剤(特開平1−160458);酵素によ
り加水分解された乳清蛋白質を主成分として含む加水分
解物を含有することを特徴とする水中油型乳化脂組成物
(特開平2−257838);蛋白質に特定のプロテア
ーゼを、前記特定のプロテアーゼの至適pH以外であっ
て、苦み又はえぐ味の成分である低分子量画分の生成が
少なくなるような選択的加水分解が起こる特定のpHで
作用させて蛋白質を選択的に加水分解することを特徴と
する蛋白分解物の製造方法(特開平6−19778
8);油相原料と水相原料とを水中油型に乳化して水中
油型乳化液を製造するに際して乳化剤として蛋白分解酵
素処理したカゼインを用いることを特徴とする水中油型
乳化液の製造方法(特開昭57−125643)などが
開示されている。また、本発明者らも、先に、食品の物
性改良剤及びその製造方法(特開平7―30345
5);食品の物性改良剤及びその製造法(特開2001
―78684)を特許出願している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の先行技術は、カゼイン類、乳清蛋白質又はこれらの酵
素分解物の乳化性や起泡性など、当該物質そのものの一
次的な機能(乳化効果)に関するものであり、別の乳化
剤によって一旦乳化した後に当該物質が乳化安定性に及
ぼす影響、すなわち当該物質の二次的な機能(乳化安定
化効果)に関するものではない。換言すれば、乳化効果
は「当該物質を添加して均質化した場合の脂肪球の直径
や分散性に関わる物性改良効果」であるのに対して、乳
化安定効果は「他の乳化剤などで乳化された状態を長期
間保持する物性維持効果」であり、両者は明確に区別さ
れるものである。
【0005】一方、乳化剤とカゼイン類を組み合わせる
ことにより、油脂含有飲食物などの乳化安定性を向上さ
せる方法ついても、これまでに種々の方法が開示されて
いる。例えば、親水性乳化剤、カゼインナトリウム、κ
−カラギナンを含有する乳飲料用乳化安定剤(特開平6
−253735);ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリ
ンコハク酸脂肪酸エステル、及びカゼインナトリウムを
必須成分として含有してなる乳飲料用乳化安定剤(特開
平6−125706)などが開示されている。
【0006】しかしながら、これらの先行技術には、カ
ゼイン分解物を配合することによる乳化安定効果につい
て何ら言及されていない。
【0007】以上のように、これまでの研究開発の結
果、カゼインなどの乳蛋白質の酵素分解物の乳化効果に
ついては明らかとなっているが、その乳化安定化効果に
ついては未だ明らかとなっていない。換言すれば、上述
した先行技術は、カゼインなどの乳蛋白質の酵素分解物
を従来の乳化剤の代替物として使用することを目的とし
て開発されたものである。
【0008】このような状況の下、コーヒー飲料をはじ
めとする乳化飲食物について、ペットボトルなどの透明
な飲料用容器へ充填された製品や、ホットベンダーなど
の過酷な条件下で保存される製品が増加する傾向にあ
り、製品の特性上、長期間保存された場合の脂肪浮上や
分離、ネックリングの防止などが、以前にも増して重要
な課題となっている。コーヒー飲料などの乳化飲食品に
配合される一般的な乳化剤としてはシュガーエステルが
あり、シュガーエステルは乳化効果以外にも制菌効果も
有するので、制菌効果を期待して配合されている場合も
多い。
【0009】したがって、シュガーエステルなどの乳化
剤による乳化(特に、コーヒー飲料、紅茶飲料、ココア
飲料、チョコレート飲料、果実風味乳飲料、スープなど
の脂肪が分散された油脂含有飲食物の乳化)を安定化す
ることができる乳化安定化剤、特に、透明な容器に長期
間保存しても、また、ホットベンダーなどの過酷な条件
下で保存しても、乳化剤による乳化を長期間安定化させ
ることができる乳化安定化剤の開発が切望されている。
【0010】そこで、本発明は、乳化剤による乳化を安
定化させることができる乳化安定化剤、並びに該乳化安
定化剤を用いた乳化飲食物及び該乳化飲食物の製造方法
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の乳化安定化剤は、カゼイン分解物を有効成
分として含有することを特徴とする。本発明の乳化安定
化剤の好ましい態様においては、前記カゼイン分解物
は、カゼインをエンドプロテアーゼで処理して得られる
カゼイン分解物である。本態様に係る乳化安定化剤にお
いて、前記カゼイン分解物が、カゼインをカゼイン1g
あたり5〜250単位のエンドプロテアーゼで処理して
得られるカゼイン分解物であることが好ましい。
【0012】また、本発明の乳化飲食物は、乳化剤と本
発明の乳化安定化剤とを配合して乳化させたことを特徴
とする。本発明の乳化飲食物の好ましい態様において
は、前記乳化安定化剤を、前記乳化剤10重量部に対し
て1〜100重量部配合する。
【0013】さらに、本発明の乳化飲食物の製造方法
は、乳化飲食物の原料に乳化剤と本発明の乳化安定化剤
とを配合して前記原料を乳化させることを特徴とする。
本発明の乳化飲食物の製造方法の好ましい態様において
は、前記乳化安定化剤を、前記乳化剤10重量部に対し
て1〜100重量部配合する。
【0014】本発明の乳化安定化剤、乳化飲食物及び乳
化飲食物の製造方法で用いるカゼイン分解物は、カゼイ
ンやカゼイネート(例えばカゼインナトリウム)よりも
優れた乳化安定化効果を発揮する。したがって、本発明
の乳化安定化剤、乳化飲食物及び乳化飲食物の製造方法
によれば、シュガーエステルなどの乳化剤による乳化
(特にコーヒー飲料、紅茶飲料、ココア飲料、チョコレ
ート飲料、果実風味乳飲料、スープなどの脂肪が分散さ
れた油脂含有飲食物の乳化)を安定化させて、乳化剤に
よる乳化効果を長期間維持することができ、これによっ
て脂肪浮上や分離を長期間生じない乳化飲食物を製造す
ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明において「カゼイン分解
物」とは、カゼイン又はカゼイネートを酵素で加水分解
処理して得られる分解物を意味する。
【0016】カゼイン又はカゼイネートの加水分解処理
の際に用いる酵素は、カゼイン又はカゼイネートを加水
分解し得る限り特に限定されるものではなく、植物、動
物又は微生物由来の種々のプロテアーゼを用いることが
できるが、特にエンドプロテアーゼを用いることが好ま
しい。
【0017】本発明において「エンドプロテアーゼ」に
は、エンドプロテアーゼ活性を有する限りいかなるプロ
テアーゼも含まれるが、エンドプロテアーゼ活性と比較
してエキソプロテアーゼ活性が低いか、あるいは殆どエ
キソプロテアーゼ活性を有していないプロテアーゼが好
ましい。
【0018】植物由来のエンドプロテアーゼとしては、
例えば、パパイン、ブロメラインなどが挙げられ、動物
由来のプロテアーゼとしては、例えば、パンクレアチ
ン、トリプシン、キモトリプシンなどが挙げられ、微生
物由来のプロテアーゼとしては、例えば、バシラス(Ba
cillus)属に属する微生物、アスペルギルス(Aspergil
lus)属に属する微生物、ラクトコッカス(Lactococcu
s)属に属する微生物、ラクトバシラス(Lactobacillu
s)属に属する微生物、ストレプトコッカス(Streptoco
ccus)属に属する微生物、ビフィドバクテリウム(Bifi
dobacterium)属に属する微生物由来のプロテアーゼが
挙げられる。
【0019】カゼイン又はカゼイネートの加水分解処理
の際には、1種類のプロテアーゼのみを単独で用いても
よいし、2種類以上のプロテアーゼを組み合わせて用い
てもよい。また、カゼイン又はカゼイネートの加水分解
の際に用いる酵素としては、単離・精製したプロテアー
ゼの他、プロテアーゼ活性を有する植物細胞、動物細
胞、菌体又はこれらの破砕物を用いることもでき、本明
細書において「プロテアーゼ」という用語は、プロテア
ーゼ活性を有する植物細胞、動物細胞、菌体又はこれら
の破砕物をも含む意味で用いられる。
【0020】カゼイン又はカゼイネートの加水分解処理
の条件は、カゼイン又はカゼイネートを加水分解し得る
限り特に限定されるものではない。例えば、プロテアー
ゼの添加量は、処理時間や処理温度と共に所定の範囲内
で適宜調整することができる。エンドプロテアーゼを用
いる場合には、カゼイン1gあたりのエンドプロテアー
ゼの添加量が、総量として5〜250単位であることが
好ましく、20〜200単位であることがさらに好まし
い。また、プロテアーゼ活性を有する植物細胞、動物細
胞、菌体又はこれらの破砕物を用いる場合には、固形分
としての添加量が全体の重量に対して1重量%以下であ
ることが好ましい。酵素添加量をこのような範囲に設定
することによって、カゼイン分解物の乳化安定化効果の
低減、カゼイン分解物の熱安定性の低下や沈殿の発生、
カゼイン分解物特有の分解物臭の発生などを防止するこ
とができる。
【0021】なお、本明細書において、プロテアーゼの
単位はPUN単位であり、ミルクカゼイン(例えば、メ
ルク社製のハマーシュタイン(Hemmersten)等)に酵素
を30℃で1分間作用させたとき、1μgのチロシンに
相当するアリルアミノ酸のフォリン試薬での呈色反応を
示す酵素活性度が「1単位」である。
【0022】カゼイン分解物は、例えば次のようにして
調製することができる。カゼイン溶液に所定量のエンド
プロテアーゼを添加し、40〜60℃で2〜10時間、
好ましくは4〜8時間保持して、カゼインを加水分解処
理する。加水分解処理した後、80〜140℃の温度で
酵素の失活を兼ねて殺菌処理し、次いで減圧濃縮機で濃
縮するか、あるいはそのまま噴霧乾燥機、減圧乾燥機、
凍結乾燥機で乾燥し、粉末状のカゼイン分解物を得る。
【0023】カゼイン分解物を調製する際に原料として
用いるカゼインは、市販品、常法により分離した乳酸カ
ゼインや塩酸カゼインなどの酸カゼイン、ナトリウムカ
ゼイネイトやカリウムカゼイネイトなどのカゼイネー
ト、これらの混合物のいずれであってもよい。原料とし
て用いるカゼインは出来るだけ純度が高いものが好まし
く、具体的には、脂肪及び乳糖の含有量がそれぞれ2重
量%以下であって、カゼイン純度が80重量%以上であ
るものが好ましい。原料の純度が低く、夾雑物を多く含
んでいる場合には望まれる乳化安定効果が得られなかっ
たり、殺菌工程や乾燥工程などで風味の劣化が認められ
たりする場合がある。
【0024】原料として酸カゼインを用いる場合には、
酸カゼインを5〜15重量%、好ましくは10〜13重
量%の濃度で水又は温湯に分散し、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウムなどの
溶解塩を単独又は混合して添加して、溶液のpHを6.
0〜8.0、好ましくは6.5〜7.5に調整した後、
70〜90℃に加温して溶解する。溶解時の濃度が5重
量%未満の場合にはカゼイン分解物の製造の効率が低下
する場合があり、また、15重量%を超える場合には溶
液の粘度が上昇してカゼイン分解物の製造が困難となる
場合があるので、酸カゼインの濃度を上記範囲内に設定
するのが好ましい。また、溶液のpHが6.0未満では
酸カゼインを完全に溶解することが困難となる場合があ
り、また、pHが8.0を超えると加水分解処理後の加
熱時に風味が劣化する場合があるので、溶液のpHを上
記範囲内に設定するのが好ましい。
【0025】原料としてカゼイネートを用いる場合に
は、カゼイネートを5〜15重量%、好ましくは10〜
13重量%の濃度で水又は温湯に溶解し、溶液のpHが
6.0〜8.0、好ましくは6.5〜7.5となってい
ることを確認した後、殺菌を兼ねて70〜90℃に加温
する。pHが所定の範囲に入っていない場合は、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、リン酸カ
リウム等の溶解塩を単独または混合して添加して、pH
を所定範囲に合わせる。
【0026】カゼイン溶液のミネラル組成を調整する目
的で、カゼイン溶液を強酸性又は弱酸性陽イオン交換樹
脂に通液してもよい。
【0027】加水分解後に行なう殺菌処理の殺菌温度が
低いと酵素の失活が不十分となり、添加対象物にカゼイ
ン分解物を添加した時に未失活の酵素が添加対象物の風
味や物性を変化させる場合がある。また、殺菌温度を上
記範囲以上とすることに工程上のメリットはほとんど無
く、加熱臭が付く原因にもなりかねないので、殺菌温度
は上記範囲内とするのが好ましい。
【0028】カゼイン分解物の風味と臭気を低減させる
ために、カゼインの溶解後、カゼインの分解後又は酵素
の失活後に、カゼイン又はカゼイン分解物を含有する溶
液を吸着樹脂に通液してもよい。
【0029】以上のようにして調製されたカゼイン分解
物は水に可溶で、風味も良好であり、シュガーエステル
などの乳化剤による乳化を安定化し、乳化剤の乳化効果
を長期間維持することができる。なお、このようにして
調製されたカゼイン分解物は、電気泳動やHPLCなど
の方法により、その理化学的特性をカゼイン及びカゼイ
ネートとは明確に区別することができる。
【0030】カゼイン分解物は、そのままでも乳化安定
化剤として使用することができるが、常法に従って製剤
化して粉末状、顆粒状、錠剤状等、任意の剤形として使
用することもできる。
【0031】本発明の乳化安定化剤は、有効成分である
カゼイン分解物の作用効果によって、乳化剤による乳化
を安定化させ、乳化剤による乳化効果を長期間維持する
ことができる。本発明の乳化安定化剤を配合し得る対象
物は特に限定されるものではなく、油脂含有飲食物の乳
化に特に有用である。また、本発明の乳化安定化剤と組
み合わせて用いる乳化剤の種類は特に限定されるもので
なく、その具体例としては、シュガーエステル、グリセ
リン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、クエ
ン酸モノグリセリドなどが挙げられるが、本発明の乳化
安定化剤は、シュガーエステルなどの水溶性の乳化剤と
組み合わせて用いるとき、その乳化安定化効果が極めて
大きい。本発明の乳化安定化剤の配合量は、乳化剤の種
類や配合量などに応じて適宜調製することができる。
【0032】本発明の乳化安定化剤は、上述のように、
乳化剤による乳化を安定化させ、乳化剤による乳化効果
を長期間維持することができるので、乳化飲食物の製造
にあたり極めて有用である。すなわち、乳化剤と本発明
の乳化安定化剤とを配合して乳化対象物を乳化させるこ
とによって、乳化が安定して維持される乳化飲食物を製
造することができる。このようにして製造された乳化飲
食物は、透明な容器に長期間保存しても、また、ホット
ベンダーなどの過酷な条件下で保存しても、乳化が安定
して維持され、脂肪浮上や分離の発生が長期間防止され
る。
【0033】本発明の乳化安定化剤を配合して製造し得
る乳化飲食物(乳化させた油脂含有飲食物)の種類は特
に限定されるものではないが、その具体例としては、コ
ーヒー飲料、紅茶飲料、ココア飲料、チョコレート飲
料、果実風味乳飲料、スープなどの脂肪が分散された油
脂含有飲食物が挙げられる。
【0034】これらの乳化飲食物を製造する際には、コ
ーヒーエキス、ココア、砂糖、牛乳、乳製品などの原料
に加えて、シュガーエステルなどの乳化剤と本発明の乳
化安定化剤とを配合し、ホモジナイザーなどの均質機で
脂肪球を微細化して乳化状態とし、殺菌し、次いで充填
する。これらの原料や添加剤に加えて、水酸化ナトリウ
ム、炭酸カリウム、クエン酸塩、リン酸塩、重曹などの
pH調整剤を添加しても差し支えなく、また、均質化工
程を殺菌後に行なうこともできる。
【0035】乳化飲食物の原料配合割合や組成について
特に制限はない。例えば、上記に例示した油脂含有飲食
物において全体の重量に占める脂肪の割合は、通常0.
1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%である。
また、乳化剤及び本発明の乳化安定化剤の配合量は、そ
れぞれ全体の重量に対して通常0.05〜0.5重量%
である。また、本発明の乳化安定化剤の配合量は、乳化
剤10重量部に対して1〜100重量部、好ましくは5
〜50重量部である。乳化剤及び乳化安定化剤の配合量
が少なすぎると期待される乳化効果や乳化安定効果が得
られない場合があり、また、多すぎると製品の風味に及
ぼす影響が大きくなるため、乳化剤及び乳化安定化剤の
配合量を上記範囲内に設定することが好ましい。
【0036】均質機の運転条件については適宜設定する
ことができるが、脂肪球の平均脂肪球直径が1μmを超
えると、製品を長期間保存した場合の乳化安定性が低下
するため、脂肪球の平均脂肪球直径を1μm以下にし得
る均質圧や回転数を設定することが好ましい。殺菌工程
については、製品の特性や品質保持期限、保存条件など
を勘案して適宜設定することができる。殺菌の具体的方
法としては、例えば、63℃30分間のようなバッチ殺
菌、130℃15秒間のようなプレート殺菌、121℃
20分間のような高温、高圧殺菌、すなわちオートクレ
ーブ処理などが挙げられる。
【0037】このようにして製造された乳化飲食物は、
乳化安定性が向上し、長期間保存してもオイルオフやネ
ックリングを生じない。
【0038】
【実施例】次に実施例を記載して本発明を更に詳述する
が、本発明は以下の実施例により限定されるものではな
い。
【0039】〔実施例1、比較例1及び2〕実施例1 市販の乳酸カゼイン(純度85%)(ニュージーランド
デイリーボード社製)200gを1800gの精製水に
分散し、水酸化ナトリウムを添加して溶液のpHを7.
0に調整した後、85℃で10分間加熱してカゼインを
完全に溶解した。次いで、カゼイン溶液の温度を60℃
に冷却し、パパインW−40(天野エンザイム製、力価
400U/mg)を固形分量でカゼイン当たり0.01
%(カゼイン1gに対して40単位)添加した後、60
℃で5時間保持し、酵素の失活と溶液の殺菌を兼ねて8
5℃で6分間、130℃で15秒間加熱した。加熱後、
減圧乾燥機を用いてカゼイン濃度15%に濃縮し、噴霧
乾燥機(アンハイドロ社製)で噴霧乾燥して、粉末状の
カゼイン分解物を約150g得た。
【0040】コーヒーエキス(AGF社製)32g、上
白糖64g、牛乳160g、重曹0.4g、シュガーエ
ステル(三菱化学フーズ製、リョートーシュガーエステ
ルS―1670)0.8g、カゼイン分解物0.8g、
水542gを混合して75℃に昇温した後、ホモミキサ
ーを用いて8000rpmで5分間、15000rpm
で5分間の均質化を行ない、乳化飲食物であるコーヒー
飲料を製造した。コーヒー飲料を保存瓶に分注した後、
121℃で20分間オートクレーブし、次いで50℃で
2週間保存して、コーヒー飲料の乳化安定性を評価し
た。その結果、2週間にわたって脂肪の分散性が良好で
あり、2週間経過後も脂肪の固着やネックリングは殆ど
認められなかった。
【0041】比較例1 カゼイン分解物を配合せず、その代わりに水を0.8g
加えたこと以外は、実施例1と同一の配合割合でコーヒ
ー飲料を調製し、実施例1と同様に50℃で2週間保存
して、コーヒー飲料の乳化安定性を評価した。その結
果、保存7日目以降に保存瓶への脂肪の固着と分散性の
低下が認められた。
【0042】比較例2 カゼイン分解物の代わりにカゼインナトリウムを加えた
こと以外は、実施例1と同一の配合割合でコーヒー飲料
を調製し、実施例1と同様に50℃で2週間保存して、
コーヒー飲料の乳化安定性を評価した。その結果、保存
7日目以降に保存瓶への脂肪の固着が認められ、保存1
4日目に脂肪の分散性の低下が認められた。
【0043】〔実施例2〕市販の乳酸カゼイン(純度8
5%)(ニュージーランドデイリーボード製)100g
を670gの水道水に分散し、炭酸カリウムを添加して
溶液のpHを6.8に調整した後、85℃で10分間加
熱してカゼインを完全に溶解した。次いで、カゼイン溶
液の温度を55℃に冷却し、ブロメラインF(天野エン
ザイム製、力価800 U/mg)を固形分量でカゼイ
ン当たり0.01%(カゼイン1gに対して80単
位)、パパインW―40(天野エンザイム製、力価40
0 U/mg)を固形分量でカゼイン当たり0.02%
(カゼイン1gに対して80単位)添加した後、55℃
で4時間保持し、酵素の失活と溶液の殺菌を兼ねて12
0℃で10秒間加熱した。加熱後、減圧乾燥機を用いて
カゼイン濃度20%に濃縮し、噴霧乾燥機(アンハイド
ロ社製)で噴霧乾燥して、粉末状のカゼイン分解物を約
80g得た。
【0044】コーヒーエキス(AGF社製)32g、上
白糖64g、牛乳160g、リン酸ナトリウム0.2
g、シュガーエステル(三菱化学フーズ製、リョートー
シュガーエステルS―1670)0.6g、グリセリン
脂肪酸エステル(理研ビタミン製、ポエムW−10)
0.4g、カゼイン分解物0.8g、水542gを混合
して75℃に昇温した後、APV社製の実験用ホモジナ
イザー「GAULIN」を用いて20MPa(200k
gf/cm)の条件で5分間均質化し、乳化飲食物で
あるコーヒー飲料を製造した。コーヒー飲料を保存瓶に
分注した後、121℃20分間オートクレーブし、次い
で50℃で2週間保存して、コーヒー飲料の乳化安定性
を評価した。その結果、2週間にわたって脂肪の分散性
が良好であり、2週間経過後も脂肪の固着やネックリン
グは殆ど認められなかった。
【0045】〔実施例3〕市販のカゼインナトリウム
(純度90%)(ニュージーランドデイリーボード製)
100gを900gの精製水に溶解し、プレート式殺菌
機を用いて75℃で30秒間加熱した後、50℃に冷却
し、パンクレアチン(天野エンザイム製、力価1120
00U/g)を固形分量でカゼイン当たり0.02%
(カゼイン1gに対して22.4単位)添加した後、5
0℃で5時間保持し、酵素の失活と溶液の殺菌を兼ねて
90℃で10分間加熱した。加熱後、減圧乾燥機を用い
てカゼイン濃度20%に濃縮し、噴霧乾燥機(アンハイ
ドロ社製)で噴霧乾燥して、粉末状のカゼイン分解物を
約80g得た。
【0046】コーヒーエキス(AGF社製)32g、上
白糖64g、牛乳160g、重曹0.4g、シュガーエ
ステル(三菱化学フーズ製、リョートーシュガーエステ
ルS―1670)0.8g、カゼイン分解物0.8g、
水542gを混合して75℃に昇温した後、APV社製
の実験用ホモジナイザー「GAULIN」を用いて20
MPa(200kgf/cm)の条件で5分間均質化
し、乳化飲食物であるコーヒー飲料を製造した。コーヒ
ー飲料を保存瓶に分注した後、121℃20分間オート
クレーブし、次いで50℃で2週間保存して、コーヒー
飲料の乳化安定性を評価した。その結果、2週間にわた
って脂肪の分散性が良好であり、2週間経過後も脂肪の
固着やネックリングは殆ど認められなかった。
【0047】〔実施例4〕市販の乳酸カゼイン(純度8
5%)(ニュージーランドデイリーボード社製)200
gを1800gの精製水に分散し、水酸化カリウムを添
加して溶液のpHを7.5に調整し、85℃で10分間
加熱してカゼインを完全に溶解した。次いで、カゼイン
溶液の温度を50℃に冷却し、スミチームLP−50
(新日本化学社製、力価50000 U/g)を固形分
量でカゼイン当たり0.1%(カゼイン1gに対して5
0単位)添加した後、50℃で5時間保持し、酵素の失
活と溶液の殺菌を兼ねて120℃で30秒間加熱した。
加熱後、凍結乾燥機を用いて乾燥して、粉末状のカゼイ
ン分解物約150gを得た。
【0048】コーヒーエキス(AGF社製)32g、上
白糖64g、牛乳160g、重曹0.4g、シュガーエ
ステル(第一工業製薬製、DKエステルF―160)
0.8g、カゼイン分解物0.8g、水542gを混合
して75℃に昇温した後、ホモミキサーを用いて800
0rpmで5分間、15000rpmで5分間の均質化
を行ない、乳化飲食物であるコーヒー飲料を製造した。
コーヒー飲料を保存瓶に分注した後、121℃20分間
オートクレーブし、次いで50℃で2週間保存して、コ
ーヒー飲料の乳化安定性を評価した。その結果、2週間
にわたって脂肪の分散性が良好であり、2週間経過後も
脂肪の固着やネックリングは殆ど認められなかった。
【0049】〔実施例5〕市販の乳酸カゼイン(純度8
5%)(ニュージーランドデイリーボード社製)100
gを650gの精製水に分散し、水酸化ナトリウムを添
加して溶液のpHを7.0に調整し、85℃で10分間
加熱してカゼインを完全に溶解した。次いで、カゼイン
溶液の温度を50℃に冷却し、プロテアーゼAアマノ
(アマノエンザイム社製、力価10000U/g)を固
形分量でカゼイン当たり0.05%(カゼイン1gに対
して5単位)添加した後、50℃で5時間保持し、酵素
の失活と溶液の殺菌を兼ねて90℃で10分間加熱し
た。加熱後、凍結乾燥機を用いて乾燥して、粉末状のカ
ゼイン分解物を約80g得た。
【0050】コーヒーエキス(AGF社製)32g、上
白糖64g、牛乳160g、重曹0.4g、シュガーエ
ステル(第一工業製薬製、DKエステルF―160)
0.4g、グリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン
製、ポエムW−10)0.4g、カゼイン分解物0.8
g、水542gを混合して75℃に昇温した後、ホモミ
キサーを用いて8000rpmで5分間、15000r
pmで5分間の均質化を行ない、乳化飲食物であるコー
ヒー飲料を製造した。コーヒー飲料を保存瓶に分注した
後、121℃20分間オートクレーブし、次いで50℃
で2週間保存して、コーヒー飲料の乳化安定性を評価し
た。その結果、2週間にわたって脂肪の分散性が良好で
あり、2週間経過後も脂肪の固着やネックリングは殆ど
認められなかった。
【0051】〔実施例6〕市販の乳酸カゼイン(純度8
5%)(ニュージーランドデイリーボード社製)100
gを650gの精製水に分散し、水酸化ナトリウムと水
酸化カリウムの等量混合品を添加して溶液のpHを7.
0に調整し、85℃で10分間加熱してカゼインを完全
に溶解した。次いで、カゼイン溶液の温度を50℃に冷
却し、FC−H(ラクトバチルス・ヘルベティカスの凍
結濃縮菌体)(森永乳業社製)を固形分量でカゼイン当
たり1.0%添加した後、50℃で5時間保持し、酵素
の失活と溶液の殺菌を兼ねて80℃で10分間加熱し
た。加熱後、凍結乾燥機を用いて乾燥して、粉末状のカ
ゼイン分解物を約80g得た。
【0052】コーヒーエキス(AGF社製)32g、上
白糖64g、牛乳160g、重曹0.4g、シュガーエ
ステル(三菱化学フーズ製、リョートーシュガーエステ
ルS―1670)0.8g、カゼイン分解物0.8g、
水542gを混合して75℃に昇温した後、ホモミキサ
ーを用いて8000rpmで5分間、15000rpm
で5分間の均質化を行ない、乳化飲食物であるコーヒー
飲料を製造した。コーヒー飲料を保存瓶に分注した後、
121℃20分間オートクレーブし、次いで50℃で2
週間保存して、コーヒー飲料の乳化安定性を評価した。
その結果、2週間にわたって脂肪の分散性が良好であ
り、2週間経過後も脂肪の固着やネックリングは殆ど認
められなかった。
【0053】〔実施例7〕市販の乳酸カゼイン(純度8
5%)(ニュージーランドデイリーボード社製)100
gを650gの精製水に分散し、水酸化ナトリウムを添
加して溶液のpHを7.0に調整し、85℃で10分間
加熱してカゼインを完全に溶解した。次いで、カゼイン
溶液の温度を50℃に冷却し、トリプシン(ノボザイム
社製、力価1250 U/mg)を固形分量でカゼイン
当たり0.02%(カゼイン1gに対して250単位)
添加した後、50℃で5時間保持し、酵素の失活と溶液
の殺菌を兼ねて85℃で6分間、120℃で15秒間加
熱した。加熱後、凍結乾燥機を用いて乾燥して、粉末状
のカゼイン分解物を約80g得た。
【0054】コーヒーエキス(AGF社製)32g、上
白糖64g、牛乳160g、重曹0.4g、シュガーエ
ステル(三菱化学フーズ製、リョートーシュガーエステ
ルS―1670)0.8g、カゼイン分解物0.8g、
水542gを混合して75℃に昇温した後、ホモミキサ
ーを用いて8000rpmで5分間、15000rpm
で5分間の均質化を行ない、乳化飲食物であるコーヒー
飲料を製造した。コーヒー飲料を保存瓶に分注した後、
121℃20分間オートクレーブし、次いで50℃で2
週間保存して、コーヒー飲料の乳化安定性を評価した。
その結果、2週間にわたって脂肪の分散性が良好であ
り、2週間経過後も脂肪の固着やネックリングは殆ど認
められなかった。
【0055】〔実施例8〕市販の乳酸カゼイン(純度8
5%)(ニュージーランドデイリーボード社製)200
gを1800gの精製水に分散し、水酸化ナトリウムと
水酸化カリウムの等量混合品を添加して溶液のpHを
7.0に調整し、85℃で10分間加熱してカゼインを
完全に溶解した。次いで、カゼイン溶液の温度を60℃
に冷却し、パパインW―40(天野エンザイム社製、力
価400 U/mg)を固形分量でカゼイン当たり0.
05%(カゼイン1gに対して200単位)添加した
後、60℃で5時間保持し、酵素の失活と溶液の殺菌を
兼ねて85℃で6分間、130℃で15秒間加熱した。
加熱後、凍結乾燥機を用いて乾燥して、粉末状のカゼイ
ン分解物約160gを得た。
【0056】コーヒーエキス(AGF社製)32g、上
白糖64g、牛乳160g、重曹0.4g、シュガーエ
ステル(三菱化学フーズ製、リョートーシュガーエステ
ルS―1670)0.8g、カゼイン分解物0.8g、
水542gを混合して75℃に昇温した後、APV社製
の実験用ホモジナイザー「GAULIN」を用いて20
MPa(200kgf/cm)の条件で5分間循環し
て均質化し、乳化飲食物であるコーヒー飲料を製造し
た。コーヒー飲料を保存瓶に分注した後、121℃20
分間オートクレーブし、次いで50℃で2週間保存し
て、コーヒー飲料の乳化安定性を評価した。その結果、
2週間にわたって脂肪の分散性が良好であり、2週間経
過後も脂肪の固着やネックリングは殆ど認められなかっ
た。
【0057】
【発明の効果】本発明により、乳化安定化剤、乳化飲食
物及び乳化飲食物の製造方法が提供される。本発明の乳
化安定化剤、乳化飲食物及び乳化飲食物の製造方法によ
れば、シュガーエステルなどの乳化剤による乳化(特に
コーヒー飲料、紅茶飲料、ココア飲料、チョコレート飲
料、果実風味乳飲料、スープなどの脂肪が分散された油
脂含有飲食物の乳化)を安定化させて、乳化剤による乳
化効果を長期間維持することができ、これによって脂肪
浮上や分離を長期間生じない乳化飲食物を製造すること
ができる。
フロントページの続き (72)発明者 齋藤 仁志 神奈川県座間市東原5−1−83 森永乳業 株式会社栄養科学研究所内 (72)発明者 越智 浩 神奈川県座間市東原5−1−83 森永乳業 株式会社栄養科学研究所内 Fターム(参考) 4B017 LC10 LE10 LG14 LK15 LL06 4B027 FB24 FC05 FE06 FK05 FK10 FQ19 4B035 LC16 LG15 LK13 LP41

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カゼイン分解物を有効成分として含有す
    ることを特徴とする乳化安定化剤。
  2. 【請求項2】 前記カゼイン分解物が、カゼインをエン
    ドプロテアーゼで処理して得られるカゼイン分解物であ
    ることを特徴とする請求項1記載の乳化安定化剤。
  3. 【請求項3】 前記カゼイン分解物が、カゼインをカゼ
    イン1gあたり5〜250単位のエンドプロテアーゼで
    処理して得られるカゼイン分解物であることを特徴とす
    る請求項2記載の乳化安定化剤。
  4. 【請求項4】 乳化剤と請求項1〜3のいずれかに記載
    の乳化安定化剤とを配合して乳化させたことを特徴とす
    る乳化飲食物。
  5. 【請求項5】 前記乳化安定化剤を、前記乳化剤10重
    量部に対して1〜100重量部配合したことを特徴とす
    る請求項4記載の乳化飲食物。
  6. 【請求項6】 乳化飲食物の原料に乳化剤と請求項1〜
    3のいずれかに記載の乳化安定化剤とを配合して前記原
    料を乳化させることを特徴とする乳化飲食物の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記乳化安定化剤を、前記乳化剤10重
    量部に対して1〜100重量部配合することを特徴とす
    る請求項6記載の乳化飲食物の製造方法。
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