JP2008000051A - ペプチド水溶液の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ローヤルゼリー特有の匂いや収斂性がなく、そのまま摂取し易い上、水への溶解性が高いペプチド水溶液の製造方法を提供すること。
【解決手段】 以下の1)〜4)のペプチド水溶液の製造方法とする。
1)蛋白質の水溶液または乳液を30℃〜100℃の温度範囲で加熱し、該蛋白質を変性させた後に酵素処理することを特徴とするペプチド水溶液の製造方法。
2)非水溶性蛋白質を水に分散させ、30℃〜100℃の温度範囲で加熱し、該蛋白質を変性させた後に酵素処理することを特徴とするペプチド水溶液の製造方法。
3)蛋白質の水溶液または乳液の1質量部に対して0.5質量部以上のエタノールに分散させ、30℃〜共沸点の温度範囲で加熱し、該蛋白質を変性させた後に酵素処理することを特徴とするペプチド水溶液の製造方法。
4)非水溶性蛋白質1質量部に対して0.5質量部以上のエタノールに分散させ、30℃〜共沸点の温度範囲で加熱し、該蛋白質を変性させた後に酵素処理することを特徴とするペプチド水溶液の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 以下の1)〜4)のペプチド水溶液の製造方法とする。
1)蛋白質の水溶液または乳液を30℃〜100℃の温度範囲で加熱し、該蛋白質を変性させた後に酵素処理することを特徴とするペプチド水溶液の製造方法。
2)非水溶性蛋白質を水に分散させ、30℃〜100℃の温度範囲で加熱し、該蛋白質を変性させた後に酵素処理することを特徴とするペプチド水溶液の製造方法。
3)蛋白質の水溶液または乳液の1質量部に対して0.5質量部以上のエタノールに分散させ、30℃〜共沸点の温度範囲で加熱し、該蛋白質を変性させた後に酵素処理することを特徴とするペプチド水溶液の製造方法。
4)非水溶性蛋白質1質量部に対して0.5質量部以上のエタノールに分散させ、30℃〜共沸点の温度範囲で加熱し、該蛋白質を変性させた後に酵素処理することを特徴とするペプチド水溶液の製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、原料となるローヤルゼリー特有の匂いや収斂性がなく、そのまま摂取し易い上、水への溶解性が高いペプチド水溶液の製造方法に関する。
ローヤルゼリーは、若い働き蜂の分泌腺(下咽頭腺、大腮腺)より分泌される乳白色を帯びた強い酸味のある粘稠な物質で、蛋白質、脂質、炭水化物をはじめ、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、アセチルコリン、10−ヒドロキシデセン酸等の栄養成分をバランスよく含み、滋養、強壮、体質改善等の広範な薬理作用を示すことから、生タイプ、カプセルタイプ、飲料タイプなどの健康食品、医薬品、化粧品等の成分として古くから利用されている。ローヤルゼリーには、高濃度の蛋白質が含まれ、最近では、ローヤルゼリー中の蛋白質の内、抗菌作用を持つロイヤリシンや高分子のアピシンといった物質が単離され、栄養補給という観点のみならず、その機能性が注目されている。
しかしながら、ローヤルゼリーは特有の匂いや収斂性を有するので、そのままでは摂取し難い。更に飲料等に添加した場合、白濁或いは分離析出して、透明性を要求される飲料の原料として使用し難いものであった。そこでローヤルゼリーのタンパク質を除去する為に抽出を行い、この抽出液を清涼飲料に混ぜて飲み易くすることが行われているが、ローヤルゼリー中の有用なタンパク質は廃棄されているのが現状である。
上記問題を解決すべく、乳液状(蛋白質乳液、ローヤルゼリー乳液)或いは水不溶性の蛋白質(非水溶性蛋白質、水不溶性ローヤルゼリー蛋白質)を分解し、水溶性ペプチドを得る一般的な製造方法として、蛋白質の水溶液、乳液、或いは水分散液を酸・アルカリで加水分解する化学的な方法(1)、酸性・中性・アルカリ性の何れかの領域、或いはその組み合わせで酵素プロテアーゼを作用させて加水分解する生物学的な方法(2)が試みられている。
しかしながら、ローヤルゼリーは特有の匂いや収斂性を有するので、そのままでは摂取し難い。更に飲料等に添加した場合、白濁或いは分離析出して、透明性を要求される飲料の原料として使用し難いものであった。そこでローヤルゼリーのタンパク質を除去する為に抽出を行い、この抽出液を清涼飲料に混ぜて飲み易くすることが行われているが、ローヤルゼリー中の有用なタンパク質は廃棄されているのが現状である。
上記問題を解決すべく、乳液状(蛋白質乳液、ローヤルゼリー乳液)或いは水不溶性の蛋白質(非水溶性蛋白質、水不溶性ローヤルゼリー蛋白質)を分解し、水溶性ペプチドを得る一般的な製造方法として、蛋白質の水溶液、乳液、或いは水分散液を酸・アルカリで加水分解する化学的な方法(1)、酸性・中性・アルカリ性の何れかの領域、或いはその組み合わせで酵素プロテアーゼを作用させて加水分解する生物学的な方法(2)が試みられている。
化学的な方法(1)として、例えば特許文献1には、ローヤルゼリー乳液又は水分散液を無機酸の酸性条件下で加熱加水分解することにより水溶性ローヤルゼリーを製造することが報告されている。しかしながら、無機酸、或いは苛性アルカリによる蛋白質の化学的な加水分解方法は反応制御が難しく、また生成したペプチドは無機酸塩、或いは苛性アルカリ塩の状態になる為、未中和ペプチドとして得ることは非常に困難である。
更に加水分解は、酸過剰、或いはアルカリ過剰の状態で行われる為、加水分解終了後に過剰の無機酸、或いは苛性アルカリを中和する必要があり、結果として加水分解物中に無機塩を多量に含む欠点を有していた。
生物学的な方法(2)として、古くからローヤルゼリーを酵素処理する方法が広く知られており、特許文献2には、ローヤルゼリーの懸濁液を蛋白質分解酵素で処理して不溶化成分を可溶化する方法が提案されている。しかしながら、ローヤルゼリー中の蛋白質が普通の食品蛋白質に比べてプロテアーゼにより分解され難いという性質があることから、この酵素処理法では、分解率を上げるために多量の酵素を使用したり、ローヤルゼリーを希薄溶液にして処理する必要があった。
それを改善する方法として、特許文献3、4に記載の方法がある。
更に加水分解は、酸過剰、或いはアルカリ過剰の状態で行われる為、加水分解終了後に過剰の無機酸、或いは苛性アルカリを中和する必要があり、結果として加水分解物中に無機塩を多量に含む欠点を有していた。
生物学的な方法(2)として、古くからローヤルゼリーを酵素処理する方法が広く知られており、特許文献2には、ローヤルゼリーの懸濁液を蛋白質分解酵素で処理して不溶化成分を可溶化する方法が提案されている。しかしながら、ローヤルゼリー中の蛋白質が普通の食品蛋白質に比べてプロテアーゼにより分解され難いという性質があることから、この酵素処理法では、分解率を上げるために多量の酵素を使用したり、ローヤルゼリーを希薄溶液にして処理する必要があった。
それを改善する方法として、特許文献3、4に記載の方法がある。
特許文献3では、基質であるローヤルゼリーに対する作用部位の異なる二種類以上のプロテアーゼを作用させる方法が開示されている。特許文献4では、ローヤルゼリーにプロテアーゼとカルボキシペプチダーゼを作用させる方法が開示されている。
ここで酵素による加水分解は特定部位が加水分解される為、原料蛋白質と使用酵素に依存した一定品質のペプチド組成物が得られる特徴があるが、対象蛋白質から組成の違ったペプチドを得るには性質の異なった数種類の酵素をpHや温度等の作用条件を変えて段階的に作用させる必要があり操作が煩雑である。
例えば、2種類以上の酵素を併用した場合として、特許文献3の実施例1にも記載されているとおり、酵素ごとに至適pHに調整する必要が生じるので、製造工程が複雑化する他、酵素自体が高価であることから、製造コストが引き上げられる。又、ローヤルゼリーを酵素処理する際、ローヤルゼリーの10倍量(質量基準)程度の水と共に酵素処理する為、その後の濃縮処理に多くの時間とエネルギーを要する点でも改善の余地があった。
更に、酵素を失活処理させた後に濾過処理のみを行っているが、一度の濾過処理では十分な透明度を得ることができず、通常は精密濾過を含む複数回の濾過処理を行っており、処理量が多い場合には、濾過の完了までに長時間を要することに加え、(この場合も)pH調整に無機酸類や苛性アルカリを使用する為、生成物中に無機塩類を含むといった欠点を有していた。
ここで酵素による加水分解は特定部位が加水分解される為、原料蛋白質と使用酵素に依存した一定品質のペプチド組成物が得られる特徴があるが、対象蛋白質から組成の違ったペプチドを得るには性質の異なった数種類の酵素をpHや温度等の作用条件を変えて段階的に作用させる必要があり操作が煩雑である。
例えば、2種類以上の酵素を併用した場合として、特許文献3の実施例1にも記載されているとおり、酵素ごとに至適pHに調整する必要が生じるので、製造工程が複雑化する他、酵素自体が高価であることから、製造コストが引き上げられる。又、ローヤルゼリーを酵素処理する際、ローヤルゼリーの10倍量(質量基準)程度の水と共に酵素処理する為、その後の濃縮処理に多くの時間とエネルギーを要する点でも改善の余地があった。
更に、酵素を失活処理させた後に濾過処理のみを行っているが、一度の濾過処理では十分な透明度を得ることができず、通常は精密濾過を含む複数回の濾過処理を行っており、処理量が多い場合には、濾過の完了までに長時間を要することに加え、(この場合も)pH調整に無機酸類や苛性アルカリを使用する為、生成物中に無機塩類を含むといった欠点を有していた。
他にも特許文献5において、ローヤルゼリーを酵素や酸で加水分解したものを化粧品配合物に用いることが記載されているが、これらの水溶化方法は蛋白質を変性処理することなく行われており、ローヤルゼリー乳液がもつ特異な臭気が生ずる等の問題がある。
以上より、従来報告されている「ペプチド水溶液(ローヤルゼリー)の製造方法」は、製造工程そのものに関する問題点の他、これらの製造方法によって得られるものが水溶性成分(親水性ペプチド)を所望の程度迄多く含有するものではなく、しかも原料蛋白質、特にローヤルゼリー乳液がもつ特異な臭気も有している等の問題があった(即ち、従来の製法により得られたペプチド水溶液は、ローヤルゼリー由来の独特な味と匂いが強く、摂取し難いという問題があった)為、化粧品や機能性食品、医薬品、工業材料等の用途に有効利用するのには適さなかった。
以上より、従来報告されている「ペプチド水溶液(ローヤルゼリー)の製造方法」は、製造工程そのものに関する問題点の他、これらの製造方法によって得られるものが水溶性成分(親水性ペプチド)を所望の程度迄多く含有するものではなく、しかも原料蛋白質、特にローヤルゼリー乳液がもつ特異な臭気も有している等の問題があった(即ち、従来の製法により得られたペプチド水溶液は、ローヤルゼリー由来の独特な味と匂いが強く、摂取し難いという問題があった)為、化粧品や機能性食品、医薬品、工業材料等の用途に有効利用するのには適さなかった。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、操作工程そのものが煩雑でなく、得られるペプチド水溶液について、原料のローヤルゼリー特有の匂いや収斂性がなく、そのまま摂取し易い上、水溶性成分(親水性ペプチド)を所望の程度迄、多く含有する(水への溶解性が高い)ペプチド水溶液の製造方法を提供することにある。
併せて、上記製造方法によって得られるペプチド水溶液(特にローヤルゼリー溶液)を有効成分とする外用剤、毛髪処理剤及び食品を提供することにある。
併せて、上記製造方法によって得られるペプチド水溶液(特にローヤルゼリー溶液)を有効成分とする外用剤、毛髪処理剤及び食品を提供することにある。
本発明者は、蛋白質の熱変性に着目し、原料となる蛋白質(例えば、ローヤルゼリー)を熱変性させた後、酵素を作用させることによって生成する水溶性ペプチド組成物は、熱変性させずに同一酵素を作用させたものとは、組成が異なることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、請求項1に係る発明は、対象となる蛋白質の水溶液または乳液を30℃〜100℃の温度範囲で加熱し、該蛋白質を熱変性させた後に酵素処理することを特徴とするペプチド水溶液の製造方法に関する。
請求項2に係る発明は、対象となる非水溶性蛋白質を水に分散させ、30℃〜100℃の温度範囲で加熱し、該蛋白質を熱変性させた後に酵素処理することを特徴とするペプチド水溶液の製造方法に関する。
請求項3に係る発明は、対象となる蛋白質の水溶液または乳液を、該蛋白質の1質量部に対して0.5質量部以上のエタノールに分散させ、30℃〜共沸点の温度範囲で加熱し、該蛋白質を熱変性させた後に酵素処理することを特徴とするペプチド水溶液の製造方法に関する。
請求項4に係る発明は、対象となる非水溶性蛋白質を、該蛋白質の1質量部に対して0.5質量部以上のエタノールに分散させ、30℃〜共沸点の温度範囲で加熱し、該蛋白質を熱変性させた後に酵素処理することを特徴とするペプチド水溶液の製造方法に関する。
請求項5に係る発明は、酵素の作用pH領域が3〜12である請求項1〜4何れか記載のペプチド水溶液の製造方法に関する。
請求項6に係る発明は、対象となる蛋白質が、ローヤルゼリー由来のものである請求項1〜5何れか記載のペプチド水溶液の製造方法に関する。
請求項7に係る発明は、pHを調整することなく、酵素処理に酸性プロテアーゼを使用する請求項1〜6何れか記載のペプチド水溶液の製造方法に関する。
請求項8に係る発明は、熱変性時間が1〜60分である請求項1〜7何れか記載のペプチド水溶液の製造方法に関する。
請求項9に係る発明は、請求項1〜8何れか記載の製造方法で製造されたペプチド水溶液を有効成分とする食品に関する。
請求項10に係る発明は、請求項1〜8何れか記載の製造方法で製造されたペプチド水溶液を有効成分とする外用剤に関する。
請求項11に係る発明は、請求項1〜8何れか記載の製造方法で製造されたペプチド水溶液を有効成分とする毛髪処理剤に関する。
請求項2に係る発明は、対象となる非水溶性蛋白質を水に分散させ、30℃〜100℃の温度範囲で加熱し、該蛋白質を熱変性させた後に酵素処理することを特徴とするペプチド水溶液の製造方法に関する。
請求項3に係る発明は、対象となる蛋白質の水溶液または乳液を、該蛋白質の1質量部に対して0.5質量部以上のエタノールに分散させ、30℃〜共沸点の温度範囲で加熱し、該蛋白質を熱変性させた後に酵素処理することを特徴とするペプチド水溶液の製造方法に関する。
請求項4に係る発明は、対象となる非水溶性蛋白質を、該蛋白質の1質量部に対して0.5質量部以上のエタノールに分散させ、30℃〜共沸点の温度範囲で加熱し、該蛋白質を熱変性させた後に酵素処理することを特徴とするペプチド水溶液の製造方法に関する。
請求項5に係る発明は、酵素の作用pH領域が3〜12である請求項1〜4何れか記載のペプチド水溶液の製造方法に関する。
請求項6に係る発明は、対象となる蛋白質が、ローヤルゼリー由来のものである請求項1〜5何れか記載のペプチド水溶液の製造方法に関する。
請求項7に係る発明は、pHを調整することなく、酵素処理に酸性プロテアーゼを使用する請求項1〜6何れか記載のペプチド水溶液の製造方法に関する。
請求項8に係る発明は、熱変性時間が1〜60分である請求項1〜7何れか記載のペプチド水溶液の製造方法に関する。
請求項9に係る発明は、請求項1〜8何れか記載の製造方法で製造されたペプチド水溶液を有効成分とする食品に関する。
請求項10に係る発明は、請求項1〜8何れか記載の製造方法で製造されたペプチド水溶液を有効成分とする外用剤に関する。
請求項11に係る発明は、請求項1〜8何れか記載の製造方法で製造されたペプチド水溶液を有効成分とする毛髪処理剤に関する。
本発明の製造方法によって得られるペプチド組成物、即ち、対象となる蛋白質を熱変性させた後に酵素で分解させたペプチド組成物は、未変性の蛋白質を酵素で分解したペプチド組成物よりも、格段に多くの水溶性成分(親水性ペプチド)を含有し、しかも原料となる蛋白質(原料の蛋白質がローヤルゼリー乳液の場合、ローヤルゼリー)がもつ特異な臭気が低減されている。
従って、本発明の製造方法によって得られたペプチド組成物は、外用剤(化粧品)や機能性食品の有効成分として利用することができる。
従って、本発明の製造方法によって得られたペプチド組成物は、外用剤(化粧品)や機能性食品の有効成分として利用することができる。
本発明に於ける第一のペプチド水溶液の製造方法、即ち、請求項1に係る発明は、蛋白質水溶液(特に水溶性ローヤルゼリー)或いは蛋白質乳液(特にローヤルゼリー乳液)を、30〜100℃の温度範囲で加熱することによって、水溶液或いは乳液中の蛋白質を熱変性させた後に、酵素(プロテアーゼ)処理することを特徴とするペプチド水溶液の製造方法に関する。以下、本製法の詳細について説明する。
尚、ペプチドとは、決まった順番で様々なアミノ酸が繋がってできた分子の系統群、即ち、蛋白質を構成しているアミノ酸が2〜10個位に結合している状態をいい、ポリペプチドとは、アミノ酸の一つの線形の鎖をいう(ジペプチドは2つのアミノ酸、トリペプチドは3つのアミノ酸からなる)。
蛋白質とは、50以上のアミノ酸からなる一つ以上のポリペプチドのことをいう。
尚、ペプチドとは、決まった順番で様々なアミノ酸が繋がってできた分子の系統群、即ち、蛋白質を構成しているアミノ酸が2〜10個位に結合している状態をいい、ポリペプチドとは、アミノ酸の一つの線形の鎖をいう(ジペプチドは2つのアミノ酸、トリペプチドは3つのアミノ酸からなる)。
蛋白質とは、50以上のアミノ酸からなる一つ以上のポリペプチドのことをいう。
本発明に於ける第一のペプチド水溶液の製造方法は、対象となる(ローヤルゼリー水溶液に代表される)蛋白質水溶液、或いは(ローヤルゼリー乳液に代表される)蛋白質乳液を、酵素(プロテアーゼ)により分解させるにあたり、水溶液或いは乳液中の対象となる蛋白質を熱変性させた後に、酵素を作用させて分解する方法である。
この方法により、未変性蛋白質に酵素を作用させて得られる水溶性ペプチド組成物とは違った水溶性組成物を得ることができる。
尚、本発明における原料の蛋白質としてローヤルゼリーを用いる場合、生のものに限らず、冷凍したものまたは凍結乾燥したもの等、必要に応じて任意のものを使用できる。
この方法により、未変性蛋白質に酵素を作用させて得られる水溶性ペプチド組成物とは違った水溶性組成物を得ることができる。
尚、本発明における原料の蛋白質としてローヤルゼリーを用いる場合、生のものに限らず、冷凍したものまたは凍結乾燥したもの等、必要に応じて任意のものを使用できる。
熱変性に適した温度は、対象となる蛋白質の種類によっても異なるが、好適な温度範囲は30〜100℃である。さらに好ましくは40〜70℃である。
この理由は、30℃を下回る温度では、通常蛋白の熱変性が起こらず、100℃を上回る温度では、変性が進みすぎて酵素分解の効率が悪くなる為、何れの場合も好ましくないからである。
この理由は、30℃を下回る温度では、通常蛋白の熱変性が起こらず、100℃を上回る温度では、変性が進みすぎて酵素分解の効率が悪くなる為、何れの場合も好ましくないからである。
熱変性に費やす時間は、蛋白質の種類や変性温度によって異なるが、好適な変性時間は1〜60分、より好ましくは5〜30分である。
この理由は、1分を下回る熱変性時間では、十分に蛋白質の熱変性が起こらず、60分を超える熱変性時間では、変性が進みすぎて酵素分解効率が悪くなる為、何れの場合も好ましくないからである。
尚、ローヤルゼリー乳液を変性させる場合、好ましい変性条件は「40℃で15分間」加熱すればよい。
このように熱変性させた蛋白質を酵素分解するに際しては、使用する酵素の至適条件(作用pH、作用温度、基質濃度)の範囲で行えばよい。
この理由は、1分を下回る熱変性時間では、十分に蛋白質の熱変性が起こらず、60分を超える熱変性時間では、変性が進みすぎて酵素分解効率が悪くなる為、何れの場合も好ましくないからである。
尚、ローヤルゼリー乳液を変性させる場合、好ましい変性条件は「40℃で15分間」加熱すればよい。
このように熱変性させた蛋白質を酵素分解するに際しては、使用する酵素の至適条件(作用pH、作用温度、基質濃度)の範囲で行えばよい。
酵素の処理条件は、酵素の種類や添加量、反応温度や反応時間を変えることによって任意に設定することができるが、通常の処理は(例えば、対象となる蛋白質がローヤルゼリーの場合)ローヤルゼリー1gに対し、酵素を20〜500単位加え、2〜24時間処理する。反応温度は20〜60℃で行うことができるが、褐変防止や分解効率の点から40〜50℃にするのが望ましい。
使用する酵素としては、特に限定されるものではなく、微生物や植物起源の酸性プロテアーゼ、中性プロテアーゼ、アルカリプロテアーゼの何れか1種を使用すればよい。他にも、ペプシン、パンクレアチン等の哺乳動物由来の消化酵素など通常、食品加工に用いられているものを広く利用することが可能である。
使用する酵素としては、特に限定されるものではなく、微生物や植物起源の酸性プロテアーゼ、中性プロテアーゼ、アルカリプロテアーゼの何れか1種を使用すればよい。他にも、ペプシン、パンクレアチン等の哺乳動物由来の消化酵素など通常、食品加工に用いられているものを広く利用することが可能である。
ローヤルゼリー乳液を熱変性した後に酵素処理する場合は、pH無調整で(上記した)一連の処理を行うのが好ましい。即ち、ローヤルゼリー乳液の熱変性溶液は、pHが3.5〜4.5であるので、pH無調整で、酸性プロテアーゼを作用させることによって水溶性ペプチド組成物を得ることができる。
このように製造したペプチド組成物は、未変性ローヤルゼリー乳液に同じ酸性プロテアーゼを作用させて製造した水溶性ペプチド組成物とは、その組成内容が全く異なる。
さらに微生物の繁殖も阻止できる特徴を持っている。
このように製造したペプチド組成物は、未変性ローヤルゼリー乳液に同じ酸性プロテアーゼを作用させて製造した水溶性ペプチド組成物とは、その組成内容が全く異なる。
さらに微生物の繁殖も阻止できる特徴を持っている。
本発明に於ける第二のペプチド水溶液の製造方法、即ち、請求項2に係る発明は、対象となる非水溶性蛋白質(特に水不溶性ローヤルゼリー蛋白質)を水に分散させ、30〜100℃の温度範囲で加熱することによって、前記非水溶性蛋白質を熱変性させた後に、酵素(プロテアーゼ)処理することを特徴とするペプチド水溶液の製造方法に関する。
以下、本製法について説明する。
以下、本製法について説明する。
前述の第一のペプチド水溶液の製造方法と大きく異なる点は、対象となる蛋白質が非水溶性であることにあるが、第二のペプチド水溶液の製造方法により得られる水溶性組成物は、第一の製造方法と同様、未変性の非水溶性蛋白質に酵素を作用させて得られる水溶性ペプチド組成物とは(その組成が)異なるものとなる。
熱変性に適した温度は、対象となる蛋白質の種類によっても異なるが、好適な温度範囲は30〜100℃で、さらに好ましくは40〜80℃である。
この理由は、30℃を下回る温度では、通常蛋白の熱変性が起こらず、100℃を上回る温度では、変性が進みすぎて酵素分解の効率が悪くなる為、何れの場合も好ましくないからである。
一方、熱変性に費やす時間は、対象となる蛋白質の種類や変性温度によって異なるが、好適な変性時間は1〜60分、より好ましくは5〜30分である。
この理由は、1分を下回る熱変性時間では、十分に蛋白質の熱変性が起こらず、60分を超える熱変性時間では、変性が進みすぎて酵素分解の効率が悪くなる為、何れの場合も好ましくないからである。
尚、非水溶性蛋白質を変性させる場合、好ましい変性条件としては、40℃で30分間加熱すればよい。
この理由は、30℃を下回る温度では、通常蛋白の熱変性が起こらず、100℃を上回る温度では、変性が進みすぎて酵素分解の効率が悪くなる為、何れの場合も好ましくないからである。
一方、熱変性に費やす時間は、対象となる蛋白質の種類や変性温度によって異なるが、好適な変性時間は1〜60分、より好ましくは5〜30分である。
この理由は、1分を下回る熱変性時間では、十分に蛋白質の熱変性が起こらず、60分を超える熱変性時間では、変性が進みすぎて酵素分解の効率が悪くなる為、何れの場合も好ましくないからである。
尚、非水溶性蛋白質を変性させる場合、好ましい変性条件としては、40℃で30分間加熱すればよい。
このように変性した蛋白質を酵素分解する場合、使用する酵素の至適条件(作用pH、作用温度、基質濃度)の範囲で行えばよい。
使用する酵素としては、特に限定されるものではなく、微生物や植物起源の酸性プロテアーゼ、中性プロテアーゼ、アルカリ性プロテアーゼのいずれか1種を使用すればよい。
例えば、水不溶性ローヤルゼリー蛋白質を熱変性し、さらに酵素処理する場合は、pH無調整で一連の処理を行うのが好適である。即ち、水不溶性ローヤルゼリー蛋白質分散液の熱変性液は、pHが3.5〜4.5であるため、pH無調整で酸性プロテアーゼを作用させることにより水溶性ペプチド組成物を得ることができる。このように製したペプチド組成物は、未変性非水溶性ローヤルゼリー蛋白質に同一酸性プロテアーゼを作用させて製した水溶性ペプチド組成物とはその組成内容が全く異なるものである。
使用する酵素としては、特に限定されるものではなく、微生物や植物起源の酸性プロテアーゼ、中性プロテアーゼ、アルカリ性プロテアーゼのいずれか1種を使用すればよい。
例えば、水不溶性ローヤルゼリー蛋白質を熱変性し、さらに酵素処理する場合は、pH無調整で一連の処理を行うのが好適である。即ち、水不溶性ローヤルゼリー蛋白質分散液の熱変性液は、pHが3.5〜4.5であるため、pH無調整で酸性プロテアーゼを作用させることにより水溶性ペプチド組成物を得ることができる。このように製したペプチド組成物は、未変性非水溶性ローヤルゼリー蛋白質に同一酸性プロテアーゼを作用させて製した水溶性ペプチド組成物とはその組成内容が全く異なるものである。
本発明に於ける第三のペプチド水溶液の製造方法、即ち、請求項3に係る発明は、対象となる蛋白質水溶液、或いは蛋白質乳液(特にローヤルゼリー乳液)を、該蛋白質の1質量部に対して0.5質量部以上のエタノール溶液に分散させ、30℃〜共沸点の温度範囲で加熱することによって、該蛋白質を熱変性させた後に、酵素(プロテアーゼ)処理することを特徴とするペプチド水溶液の製造方法に関する。
以下、本製法について説明する。
以下、本製法について説明する。
本製法は、溶媒と熱による蛋白質の変性方法である。本製法は、蛋白質個体、或いは蛋白質水溶液、或いは蛋白質乳液(例えば、ローヤルゼリー乳液)に0.5倍以上の質量のエタノールを添加し、30℃〜共沸点の温度範囲で、好ましくは30〜60℃で加熱して変性させた後、脱溶媒し、水を加えて酵素により分解させる方法である。
この理由は、30℃を下回る温度では、通常蛋白の熱変性が起こらず、共沸点の温度を上回る温度では、変性が進みすぎて酵素分解の効率が悪くなる為、何れの場合も好ましくないからである。
尚、本製法において用いられるエタノール溶液は、特に限定されるものではないが、エタノール濃度10〜99.5%であるのが好ましい。
この理由は、10%を下回ると、蛋白質変性速度が遅くなるからである。
この理由は、30℃を下回る温度では、通常蛋白の熱変性が起こらず、共沸点の温度を上回る温度では、変性が進みすぎて酵素分解の効率が悪くなる為、何れの場合も好ましくないからである。
尚、本製法において用いられるエタノール溶液は、特に限定されるものではないが、エタノール濃度10〜99.5%であるのが好ましい。
この理由は、10%を下回ると、蛋白質変性速度が遅くなるからである。
酵素処理は、使用する酵素の至適条件(作用pH、作用温度、基質濃度)の範囲で行えばよいが、pH無調整で(上記した)一連の処理を行うのが好適である。
使用する酵素としては、特に限定されるものではなく、微生物や植物起源の酸性プロテアーゼ、中性プロテアーゼ、アルカリ性プロテアーゼのいずれか1種を使用すればよい。
例えば、ローヤルゼリー乳液に0.5倍以上、好ましくは2倍以上の質量のエタノールを加え、30℃〜共沸点の温度範囲で、好ましくは30〜60℃で加熱して変性させた後に脱溶媒し、水を加えて酸性プロテアーゼ酵素処理を行うことにより、水溶性ペプチド組成物を得ることができる。このように製したペプチド組成物は、未変性ローヤルゼリー乳液に同一酸性プロテアーゼを作用させて製した水溶性ペプチド組成物とはその組成が全く異なるものである。
使用する酵素としては、特に限定されるものではなく、微生物や植物起源の酸性プロテアーゼ、中性プロテアーゼ、アルカリ性プロテアーゼのいずれか1種を使用すればよい。
例えば、ローヤルゼリー乳液に0.5倍以上、好ましくは2倍以上の質量のエタノールを加え、30℃〜共沸点の温度範囲で、好ましくは30〜60℃で加熱して変性させた後に脱溶媒し、水を加えて酸性プロテアーゼ酵素処理を行うことにより、水溶性ペプチド組成物を得ることができる。このように製したペプチド組成物は、未変性ローヤルゼリー乳液に同一酸性プロテアーゼを作用させて製した水溶性ペプチド組成物とはその組成が全く異なるものである。
本発明に於ける第四のペプチド水溶液の製造方法、即ち、請求項4に係る発明は、対象となる非水溶性蛋白質(特に水不溶性ローヤルゼリー蛋白質)を、該蛋白質の1質量部に対して0.5質量部以上のエタノール(10〜99.5%)溶液に分散させ、30℃〜共沸点の温度範囲で加熱することによって、該蛋白質を熱変性させた後に、酵素(プロテアーゼ)処理することを特徴とするペプチド水溶液の製造方法に関する。
以下、本製法について説明する。
以下、本製法について説明する。
本製法は、溶媒と熱による蛋白質の変性方法である。本方法は蛋白質個体或いは蛋白質水溶液或いは蛋白質乳液(例えばローヤルゼリー乳液)に0.5倍以上の質量の10〜99.5%のエタノールを添加し、30℃〜共沸点の温度範囲で、好ましくは30〜60℃で加熱して変性させた後に脱溶媒し、水を加えて酵素により分解させる方法である。
酵素処理は、使用する酵素の至適条件(作用pH、作用温度、基質濃度)の範囲で行えばよいが、pH無調整で一連の処理を行うのが好ましい。
使用する酵素としては、特に限定されるものではなく、微生物や植物起源の酸性プロテアーゼ、中性プロテアーゼ、アルカリ性プロテアーゼのいずれか1種を使用すればよい。例えば、水不溶性ローヤルゼリー蛋白質に0.5倍以上、好ましくは2倍以上の質量のエタノールを加え、30℃〜共沸点の温度範囲で、好ましくは30〜60℃で加熱して変性させた後脱溶媒し、水を加えて酸性プロテアーゼ酵素処理を行うことにより水溶性ペプチド組成物を得ることができる。このように製したペプチド組成物は、未変性水不溶性ローヤルゼリー蛋白質に同一酸性プロテアーゼを作用させて製した水溶性ペプチド組成物とはその組成内容が全く異なるものである。
使用する酵素としては、特に限定されるものではなく、微生物や植物起源の酸性プロテアーゼ、中性プロテアーゼ、アルカリ性プロテアーゼのいずれか1種を使用すればよい。例えば、水不溶性ローヤルゼリー蛋白質に0.5倍以上、好ましくは2倍以上の質量のエタノールを加え、30℃〜共沸点の温度範囲で、好ましくは30〜60℃で加熱して変性させた後脱溶媒し、水を加えて酸性プロテアーゼ酵素処理を行うことにより水溶性ペプチド組成物を得ることができる。このように製したペプチド組成物は、未変性水不溶性ローヤルゼリー蛋白質に同一酸性プロテアーゼを作用させて製した水溶性ペプチド組成物とはその組成内容が全く異なるものである。
上述した本発明に於ける第一から第四のペプチド水溶液の製造方法で得られたペプチド水溶液は、格段に多くの水溶性成分(親水性ペプチド)を含有し、しかも原料となる蛋白質(原料の蛋白質がローヤルゼリー乳液の場合、ローヤルゼリー)がもつ特異な臭気が低減されているので、飲食品や外用剤の有効成分として利用することができる。
〔含有量〕
本発明の食品(飲料も含む)に含有されるペプチド水溶液(不揮発分として)は、該食品中に於いて、0.0001〜100質量%配合するのが好ましく、さらに5〜80質量%配合するのが好ましい。
その理由は、0.0001質量%未満では、対象となる蛋白質が有する効果、例えばローヤルゼリーの場合、滋養、強壮、体質改善等の広範な薬理作用を十分に発揮することができないため、80質量%を超えて配合しても好ましい範囲の効果に比較して期待されるほどの効果は得られない為、いずれの場合も好ましくないからである。
本発明の外用剤(化粧品等)に含有されるペプチド水溶液(不揮発分として)は、該外用剤中に於いて、0.0001〜20質量%配合するのが好ましく、さらに0.01〜5質量%配合するのが好ましい。
その理由は、0.0001質量%未満では、対象となる蛋白質が有する効果、例えばローヤルゼリーの場合、肌質改善等の広範な薬理作用を十分に発揮することができず、20質量%を超えて配合しても好ましい範囲の効果に比較して期待されるほどの効果は得られない為、いずれの場合も好ましくないからである。
本発明の食品(飲料も含む)に含有されるペプチド水溶液(不揮発分として)は、該食品中に於いて、0.0001〜100質量%配合するのが好ましく、さらに5〜80質量%配合するのが好ましい。
その理由は、0.0001質量%未満では、対象となる蛋白質が有する効果、例えばローヤルゼリーの場合、滋養、強壮、体質改善等の広範な薬理作用を十分に発揮することができないため、80質量%を超えて配合しても好ましい範囲の効果に比較して期待されるほどの効果は得られない為、いずれの場合も好ましくないからである。
本発明の外用剤(化粧品等)に含有されるペプチド水溶液(不揮発分として)は、該外用剤中に於いて、0.0001〜20質量%配合するのが好ましく、さらに0.01〜5質量%配合するのが好ましい。
その理由は、0.0001質量%未満では、対象となる蛋白質が有する効果、例えばローヤルゼリーの場合、肌質改善等の広範な薬理作用を十分に発揮することができず、20質量%を超えて配合しても好ましい範囲の効果に比較して期待されるほどの効果は得られない為、いずれの場合も好ましくないからである。
〔食品〕
本発明の食品(飲物も含む)、即ち、上述した本発明に於ける第一から第四のペプチド水溶液の製造方法で得られたペプチド水溶液を有効成分とする食品としては、例えば、健康食品、栄養補助食品(バランス栄養食、サプリメント等)、栄養機能食品、特定保健用食品、疾病者用食品、口腔ケア用食品等があげられる。又、本発明の上記有効成分は、通常の手段を用いて錠剤、カプセル、顆粒、粉末、ゼリー、ジュース、飴、ガム、アイスクリーム等の通常の食品に含有させれば良く、食品の味覚等を損なわない範囲で含有させることができる。
本発明の食品(飲物も含む)、即ち、上述した本発明に於ける第一から第四のペプチド水溶液の製造方法で得られたペプチド水溶液を有効成分とする食品としては、例えば、健康食品、栄養補助食品(バランス栄養食、サプリメント等)、栄養機能食品、特定保健用食品、疾病者用食品、口腔ケア用食品等があげられる。又、本発明の上記有効成分は、通常の手段を用いて錠剤、カプセル、顆粒、粉末、ゼリー、ジュース、飴、ガム、アイスクリーム等の通常の食品に含有させれば良く、食品の味覚等を損なわない範囲で含有させることができる。
〔外用剤および毛髪処理剤〕
本発明の外用剤、即ち、上述した本発明に於ける第一から第四のペプチド水溶液の製造方法で得られたペプチド水溶液を有効成分とする外用剤としては、主に皮膚外用剤や毛髪処理剤として利用することができ、化粧品、浴用剤、医薬部外品等に適用することが可能である。
本発明に係る毛髪処理剤として、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記成分の他、ポリエチレングリコール、高重合ポリエチレングリコール、非イオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、エタノール、香料、防腐剤等を目的に応じて適宜配合しても良い。尚、本発明の毛髪処理剤は、ヘアシャンプー、ヘアーリンス、ヘアートリートメント、ヘアコンディショナー、プレヘアーリンス、プレヘアートリートメント、プレヘアコンディショナー、ヘアカラー等に好ましく用いることができる。
本発明の外用剤、即ち、上述した本発明に於ける第一から第四のペプチド水溶液の製造方法で得られたペプチド水溶液を有効成分とする外用剤としては、主に皮膚外用剤や毛髪処理剤として利用することができ、化粧品、浴用剤、医薬部外品等に適用することが可能である。
本発明に係る毛髪処理剤として、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記成分の他、ポリエチレングリコール、高重合ポリエチレングリコール、非イオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、エタノール、香料、防腐剤等を目的に応じて適宜配合しても良い。尚、本発明の毛髪処理剤は、ヘアシャンプー、ヘアーリンス、ヘアートリートメント、ヘアコンディショナー、プレヘアーリンス、プレヘアートリートメント、プレヘアコンディショナー、ヘアカラー等に好ましく用いることができる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
酵素分解生成物の組成比はHPLCにより求めた。以下の分析条件でおこなった。
カラムはODS(内径4.6mm、長さ150mm)カラムを使用。流速は0.45mL/min カラム温度は40℃、移動相は0.1%リン酸水溶液/メタノール(1/1)、検出波長は210nm。生成ペプチドの組成含有量はピーク面積%で比較した。
カラムはODS(内径4.6mm、長さ150mm)カラムを使用。流速は0.45mL/min カラム温度は40℃、移動相は0.1%リン酸水溶液/メタノール(1/1)、検出波長は210nm。生成ペプチドの組成含有量はピーク面積%で比較した。
〔比較例1〕
凍結保存した生ローヤルゼリーを10℃以下で解凍した。この20gを採取し、20℃以下で水80gに溶解し、酸性プロテアーゼ(デナプシン)を0.05g加えた後50℃に昇温し、50±2℃で5時間酵素分解した。結果を表1に示す。
〔比較例2〕
凍結保存した生ローヤルゼリーを10℃以下で解凍した。この20gを採取し、蛋白質を変性させないように99.5%エタノール60gを20℃以下で加え、蛋白質を沈澱させた後濾取し、未変性の非水溶性蛋白質を得た。この蛋白質を変性させないよう20℃以下の水50gに分散し、酸性プロテアーゼとして「デナプシン(登録商標)」(ナガセケムテックス株式会社)を0.03g加えた後50℃まで昇温し、50±2℃で5時間酵素分解した。結果を表1に示す。
凍結保存した生ローヤルゼリーを10℃以下で解凍した。この20gを採取し、20℃以下で水80gに溶解し、酸性プロテアーゼ(デナプシン)を0.05g加えた後50℃に昇温し、50±2℃で5時間酵素分解した。結果を表1に示す。
〔比較例2〕
凍結保存した生ローヤルゼリーを10℃以下で解凍した。この20gを採取し、蛋白質を変性させないように99.5%エタノール60gを20℃以下で加え、蛋白質を沈澱させた後濾取し、未変性の非水溶性蛋白質を得た。この蛋白質を変性させないよう20℃以下の水50gに分散し、酸性プロテアーゼとして「デナプシン(登録商標)」(ナガセケムテックス株式会社)を0.03g加えた後50℃まで昇温し、50±2℃で5時間酵素分解した。結果を表1に示す。
〔実施例1〕
凍結保存した生ローヤルゼリーを10℃以下で解凍した。この20gを採取し、55℃の水80gに溶解し、55±5℃で30分熱処理して蛋白質を変性させた。次に内温を50±2℃に保持した後、この中に酸性プロテアーゼとして「デナプシン(登録商標)」(ナガセケムテックス株式会社)を0.05g加えて5時間酵素分解した。結果を表1に示す。
尚、実施例1は本願請求項1にかかる発明に相当する。
凍結保存した生ローヤルゼリーを10℃以下で解凍した。この20gを採取し、55℃の水80gに溶解し、55±5℃で30分熱処理して蛋白質を変性させた。次に内温を50±2℃に保持した後、この中に酸性プロテアーゼとして「デナプシン(登録商標)」(ナガセケムテックス株式会社)を0.05g加えて5時間酵素分解した。結果を表1に示す。
尚、実施例1は本願請求項1にかかる発明に相当する。
〔実施例2〕
凍結保存した生ローヤルゼリーを10℃以下で解凍した。この20gを採取し、蛋白質を変性させないように99.5%エタノール60gを20℃以下で加え、未変性蛋白質を沈澱させた後濾取した。これを55℃の水50gに分散し、55±5℃で30分熱処理して蛋白質を変性させた。次に内温を50±2℃に保持した後、酸性プロテアーゼとして「デナプシン(登録商標)」(ナガセケムテックス株式会社)を0.03g加えて5時間酵素分解した。結果を表1に示す。
尚、実施例2は本願請求項2にかかる発明に相当する。
凍結保存した生ローヤルゼリーを10℃以下で解凍した。この20gを採取し、蛋白質を変性させないように99.5%エタノール60gを20℃以下で加え、未変性蛋白質を沈澱させた後濾取した。これを55℃の水50gに分散し、55±5℃で30分熱処理して蛋白質を変性させた。次に内温を50±2℃に保持した後、酸性プロテアーゼとして「デナプシン(登録商標)」(ナガセケムテックス株式会社)を0.03g加えて5時間酵素分解した。結果を表1に示す。
尚、実施例2は本願請求項2にかかる発明に相当する。
〔実施例3〕
凍結保存した生ローヤルゼリーを10℃以下で解凍した。この20gを採取し、これに99.5%エタノール60gを加えて40℃で30分加熱し、蛋白質を変性させた後濾取した。この変性蛋白質を55℃の水50gに分散し、内温を50±2℃に保持した後、酸性プロテアーゼとして「デナプシン(登録商標)」(ナガセケムテックス株式会社)を0.03g加えて5時間酵素分解した。
結果を表1に示す。尚、実施例3は本願請求項3にかかる発明に相当する。
凍結保存した生ローヤルゼリーを10℃以下で解凍した。この20gを採取し、これに99.5%エタノール60gを加えて40℃で30分加熱し、蛋白質を変性させた後濾取した。この変性蛋白質を55℃の水50gに分散し、内温を50±2℃に保持した後、酸性プロテアーゼとして「デナプシン(登録商標)」(ナガセケムテックス株式会社)を0.03g加えて5時間酵素分解した。
結果を表1に示す。尚、実施例3は本願請求項3にかかる発明に相当する。
〔実施例4〕
凍結保存した生ローヤルゼリーを10℃以下で解凍した。この20gを採取し、これに99.5%エタノール60gを20℃以下で加え、未変性蛋白質を沈澱させた後濾取した。この非水溶性蛋白質を99.5%エタノール60gに加えて40℃で30分加熱し、蛋白質を変性させた後、濾取した。これを55℃の水50gに分散し、内温を50±2℃に保持した後、酸性プロテアーゼとして「デナプシン(登録商標)」(ナガセケムテックス株式会社)を0.03g加えて5時間酵素分解した。結果を表1に示す。尚、実施例4は本願請求項4にかかる発明に相当する。
凍結保存した生ローヤルゼリーを10℃以下で解凍した。この20gを採取し、これに99.5%エタノール60gを20℃以下で加え、未変性蛋白質を沈澱させた後濾取した。この非水溶性蛋白質を99.5%エタノール60gに加えて40℃で30分加熱し、蛋白質を変性させた後、濾取した。これを55℃の水50gに分散し、内温を50±2℃に保持した後、酸性プロテアーゼとして「デナプシン(登録商標)」(ナガセケムテックス株式会社)を0.03g加えて5時間酵素分解した。結果を表1に示す。尚、実施例4は本願請求項4にかかる発明に相当する。
以上詳細に説明したように、本発明によれば従来の未変性蛋白質の酵素分解による生成物の組成は親水性ペプチドが少なく、本発明の方法では親水性ペプチドが約2倍量多く生成している。この様により親水性の高いペプチドが得られることにより化粧品や食品などに有効利用することができる。さらに、本発明で得られたペプチド水溶液はローヤルゼリー由来の独特な味と匂いが軽減され、より摂取し易くなった。
Claims (11)
- 対象となる蛋白質の水溶液または乳液を30℃〜100℃の温度範囲で加熱し、該蛋白質を熱変性させた後に酵素処理することを特徴とするペプチド水溶液の製造方法。
- 対象となる非水溶性蛋白質を水に分散させ、30℃〜100℃の温度範囲で加熱し、該蛋白質を熱変性させた後に酵素処理することを特徴とするペプチド水溶液の製造方法。
- 対象となる蛋白質の水溶液または乳液を、該蛋白質の1質量部に対して0.5質量部以上のエタノールに分散させ、30℃〜共沸点の温度範囲で加熱し、該蛋白質を熱変性させた後に酵素処理することを特徴とするペプチド水溶液の製造方法。
- 対象となる非水溶性蛋白質を、該蛋白質の1質量部に対して0.5質量部以上のエタノールに分散させ、30℃〜共沸点の温度範囲で加熱し、該蛋白質を熱変性させた後に酵素処理することを特徴とするペプチド水溶液の製造方法。
- 酵素の作用pH領域が3〜12である請求項1〜4何れか記載のペプチド水溶液の製造方法。
- 対象となる蛋白質が、ローヤルゼリー由来のものである請求項1〜5何れか記載のペプチド水溶液の製造方法。
- pHを調整することなく、酵素処理に酸性プロテアーゼを使用する請求項1〜6何れか記載のペプチド水溶液の製造方法。
- 熱変性時間が1〜60分である請求項1〜7何れか記載のペプチド水溶液の製造方法。
- 請求項1〜8何れか記載の製造方法で製造されたペプチド水溶液を有効成分とする食品。
- 請求項1〜8何れか記載の製造方法で製造されたペプチド水溶液を有効成分とする外用剤。
- 請求項1〜8何れか記載の製造方法で製造されたペプチド水溶液を有効成分とする毛髪処理剤。
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2006
- 2006-06-21 JP JP2006171798A patent/JP2008000051A/ja active Pending
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