JP2001076634A - 集束イオンビーム装置 - Google Patents

集束イオンビーム装置

Info

Publication number
JP2001076634A
JP2001076634A JP2000201684A JP2000201684A JP2001076634A JP 2001076634 A JP2001076634 A JP 2001076634A JP 2000201684 A JP2000201684 A JP 2000201684A JP 2000201684 A JP2000201684 A JP 2000201684A JP 2001076634 A JP2001076634 A JP 2001076634A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
emission
ion beam
emission current
time
emitter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000201684A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3773398B2 (ja
Inventor
Kiyoshi Sakaguchi
清志 坂口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Jeol Ltd
Original Assignee
Jeol Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Jeol Ltd filed Critical Jeol Ltd
Priority to JP2000201684A priority Critical patent/JP3773398B2/ja
Priority to US09/611,995 priority patent/US6459082B1/en
Publication of JP2001076634A publication Critical patent/JP2001076634A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3773398B2 publication Critical patent/JP3773398B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/04Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the discharge, e.g. electron-optical arrangement, ion-optical arrangement
    • H01J37/08Ion sources; Ion guns
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/30Electron-beam or ion-beam tubes for localised treatment of objects
    • H01J37/305Electron-beam or ion-beam tubes for localised treatment of objects for casting, melting, evaporating or etching
    • H01J37/3053Electron-beam or ion-beam tubes for localised treatment of objects for casting, melting, evaporating or etching for evaporating or etching
    • H01J37/3056Electron-beam or ion-beam tubes for localised treatment of objects for casting, melting, evaporating or etching for evaporating or etching for microworking, e.g. etching of gratings, trimming of electrical components

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Electron Sources, Ion Sources (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 集束イオンビーム装置のイオン銃のサプレッ
サ電極を削除してイオン引き出し電圧を下げてイオンビ
ーム径を小さくし、且つ、引き出し電圧を制御すること
によってエミッション電流を安定化する装置を提供する
こと。 【解決手段】引き出し電圧を、設定すべき目標電流値と
観測される観測電流との差と、フラッシング後のエミッ
ションの積算時間と、エミッション停止の積算時間との
関数として制御する制御系を備える。更に、必要に応じ
て上記引き出し電圧の変更を禁止するフラッグをソフト
ウェアプログラムに備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集束イオンビーム
装置に関し、詳しくはエミッタからのイオンビームの引
き出しに関する。
【0002】
【従来の技術】Ga等の金属イオン源を用いた集束イオン
ビームによる材料の加工や集束イオンビームを二次元的
に走査しながら材料に照射して試料から得られる二次イ
オンを検出して走査イオン顕微鏡(SIM、Scanning Ion
Microscope)像の観察を目的とした集束イオンビーム
(FIB、Focused Ion Beam) 装置が広く用いられてい
る。
【0003】そのFIBのイオン光学系の一例を図4に示
す。図中、1は高真空に保持されたイオン照射系の鏡
筒、2はイオン源となるエミッタ、3はイオンビームを
引き出すための引き出し電極、4はイオンビームを所望
のエネルギに加速する加速電極、5はイオンビームの電
流を所望の電流値に調節する集束レンズであって、引き
出し電極3と加速電極4とを兼ねた静電型のものであ
る。6はイオンビームを制限するアパーチャ、7はイオ
ンビームを二次元的に偏向・走査する偏向電極である。
8はイオンビームをフォーカスして試料に照射する対物
レンズであって、例えば3枚の電極から成る静電型のも
のである。9は加工またはSIM像を観察しようとする試
料、10は試料を載置し試料の位置と傾きを自在に調節
できる試料ステージ、11は試料室である。なお、図示
しないが、エミッタ2、各電極3等、各レンズ5等、試
料ステージ10には、これらを動作させるための電源や
制御回路が接続されている。更に、同じく図示しない
が、試料9で発生した信号、例えば二次イオンを検出す
る検出器、検出器からの信号の処理回路、SIM像観察の
ための表示装置等が接続されている。この様なFIB装置
で材料(試料9)をイオンビーム加工する、あるいはSI
M像を観察するに際しては、できるだけ高い分解能(イ
オンビームの径と考えてよい)とイオンビーム電流等が
十分に安定していることが望まれる。このため、一般的
なFIB装置では、 図5に示すように、エミッタ2と引き
出し電極3との間に、更にサプレッサ電極Sを追加し
て、エミッタ2からのエミッション電流を安定化する方
法が広く採用されている。このサプレッサ電極Sの挿入
は、エミッション電流ひいてはイオンビーム電流を容易
に安定化できる以外にも利点が多い。例えば、引き出し
電圧を一定にできるとか、安定化のためにサプレッサ電
極Sに印加する電圧を制御しても、イオンビームへの影
響(照射位置やビーム径の変化など)が少ない等であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、このサプレッサ
電極Sを追加すると、必然的に引き出し電圧を高くしな
ければならない。例えば、4〜5kVで引き出し可能な
とき、サプレッサ電極Sを追加すると、9〜12kV程
度となる。この様に、引き出し電圧が高くなると図6に
示すようにビーム径が大きくなってしまうという欠点が
あった。近年、益々、加工や観察の細密化が進み、より
一層ビーム径を細くすることが急務となってきた。そこ
で、再びこのサプレッサ電極Sを廃止することが考えら
れるようになった。サプレッサ電極Sを廃止した場合、
エミッション電流の安定化は、引き出し電極3に印加す
る電圧によって行うことになる。即ち、設定すべき目標
電流と現在の観測される観測電流との差がなくなる様
に、引き出し電極3に印加する電圧を変えてやればよ
い。しかしながら、実験によれば、この方法では次のよ
うな欠点があることが分かる。即ち、帰還量を適正に行
わないと、応答性のよい制御ができなかったり、発振が
起ったりする。この様な現象を避けるためには、エミッ
タの状態ができるだけ常に一定であるようにしてやれば
よい。そのためにはフラッシング(flashing、エミッタ
近傍に設けたヒーターに電流を一時的に通電する等し
て、エミッタを加熱し、エミッタの表面の不純物等を除
去する操作をいう)を頻繁に行って、エミッタが常にフ
レッシュな状態であるようにする。しかし、頻繁なフラ
ッシングは、装置のスループットを下げ、エミッタの寿
命を縮める結果となる。
【0005】本発明は、かかる状況に対処すべくなされ
たものであって、より一層細いビーム径を得、しかも十
分に安定なエミッションを得るFIBを提供することを目
的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明に基づくFIB
装置は、イオンビーム源であるエミッタと、エミッタか
らイオンビームを引き出す引き出し電極と、引き出した
イオンビームにエネルギを与える加速電極と、加速され
たイオンビームを試料上に集束するレンズとを備えた集
束イオンビーム装置において、前記引き出し電極に印加
する電圧を制御して前記エミッタからのエミッション電
流を安定化するに際して、前記引き出し電極に印加する
電圧は、設定すべき目標値である設定エミッション電流
と、現在の観測される観測エミッション電流と、最後の
フラッシングから現在までの積算されたエミッション時
間とを関数として設定するようにしたことを特徴とす
る。第2の発明に基づくFIB装置は、イオンビーム源で
あるエミッタと、エミッタからイオンビームを引き出す
引き出し電極と、引き出したイオンビームにエネルギを
与える加速電極と、加速されたイオンビームを試料上に
集束するイオンビームを集束するレンズとを備えた集束
イオンビーム装置において、前記引き出し電極に印加す
る電圧を制御して前記エミッタからのエミッション電流
を安定化するに際して、前記引き出し電極に印加する電
圧は、設定すべき目標値である設定エミッション電流
と、現在の観測される観測エミッション電流と、最後の
フラッシングから現在までの積算されたエミッション時
間と、最後のフラッシングから現在までの積算されたエ
ミッション休止時間とを関数として設定するようにした
ことを特徴とする。第3の発明に基づく集束イオンビー
ム装置は、第1または2の発明の前記引き出し電極に印
加する電圧を変更することを禁止するフラッグを備えた
ことを特徴とする。第4の発明に基づく集束イオンビー
ム装置は、第1、2または3の発明の前記引き出し電極
に印加する電圧の制御は、コンピュータ上のソフトウェ
アによって行われることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して、本発明の基
本的な考え方と実施の形態を詳細に説明する。図1は本
発明にかかる、サプレッサ電極を除いて引き出し電圧で
エミッション電流を制御する場合のエミッタ近傍(イオ
ンビーム発生部)の構成図である。図2(A)は、図1
の構成のイオンビーム発生部を用いた場合において、引
き出し電圧でエミッション電流を制御する原理を説明す
る図である。図2(B)は、同じく図1の構成におい
て、エミッション開始から現在までのエミッションの経
過時間とエミッション電流との関係を示す図である。図
2(C)は、同じく図1の構成において、エミッション
開始以前の休止時間とエミッション電流との関係を示す
図である。図2(A)において、横軸は引き出し電圧
V、縦軸はエミッション電流Iである。今、エミッショ
ン電流IはIoに設定しているにもかかわらず、実際の
エミッション電流Iを測定するとImであったとする。
エミッション電流IがIoとなるべきときの引き出し電
圧Voと、現在の引き出し電圧Vmとの差分ΔV=Vo
mだけ現在の引き出し電圧Vmに加算してやれば、エミ
ッション電流IはIoに設定されるはずである。これが
エミッション電流Iを引き出し電圧Vで制御する基本原
理である。しかし、実際には、前述の如く、応答性が悪
かったり、発振したりしてうまく行かない。それは主に
以下の様なことに起因している。図2(B)は、サプレ
ッサ電極Sを廃止し引き出し電圧でエミッション電流を
制御したときの実験の結果のひとつである。横軸を引き
出し電圧V、縦軸をエミッション電流Iとしてその関係
を示している。図中の曲線aは、エミッション開始後間
もない場合、曲線bはエミッション開始後しばらく経過
した場合、曲線cは更に時間が経過しそろそろフラッシ
ングを行うべき頃の場合である。図から分かることは、
エミッション開始後の時間経過によって、曲線の傾きも
位置も異なっていることである。その結果、エミッショ
ン開始後間もないaの場合に合った制御の仕方では、エ
ミッション開始後時間が経過したb、更にはもっと時間
が経過したcの場合には、応答性の悪い制御となってし
まう。逆に、cの場合に合った制御の仕方では、b、更
にはaの場合には、発振が起こり易くなる。両方を妥協
させるひとつの方法としては、aのみの曲線を利用し、
かつフラッシングを早めに、すなわち頻繁に行えばよ
い。しかしそうすれば、当然、装置のスループットは悪
くなり、エミッタの寿命は短く成らざるを得ない結果と
なる。そこで、エミッション開始後の時間経過を図2
(A)のグラフに加味してやればよいことが分かる。即
ち、 図2(B)のエミッション開始後間もないaの場
合を基準にすれば、エミッション開始後の時間経過と共
に、図2(A)のグラフの傾きを緩やかになるようにす
ればよい。更に、図2(C)は、サプレッサ電極Sを廃
止し引き出し電圧でエミッション電流を制御したときの
もうひとつの実験の結果である。同じく横軸を引き出し
電圧V、縦軸をエミッション電流Iとしている。図中の
曲線dは、エミッション開始後間もない場合であって、
先の図2(B)の曲線aと同じである。曲線eは、エミ
ッションを開始する前にエミッションをせずに長時間経
過してから、つまり長時間の休止後、エミッション開始
したときのエミッション開始後間もない場合である。即
ち、図2(B)では、エミッションをしている時間経過
が問題であったが、図2(C)では、エミッションをし
ていなくとも、休止している時間が長時間であれば、エ
ミッションをしていない時間経過即ち休止時間の長さも
問題となるということである。勿論、エミッション停止
(休止)の時間経過の影響は、エミッションしている時
間経過の影響よりは小さい。この様な要因を加味して引
き出し電圧Vを適正に制御するためには、図2(B)の
曲線a、b、cや(C)の曲線eを決定するためのパラ
メータを知らなければならない。実は、図2の曲線a、
b、c、eを決定するためのパラメータは、装置の設計
の違いやエミッタの微妙な形状の違いによって異なって
くる。そこで、実機によって、まず図2(B)のaの曲
線を求め、例えば、2次曲線で近似する。加えて、曲線
b、c、eについては、同様に実測値があればそれらを
用い、無ければ取り敢えず推定値を用いて、これらも、
例えば、2次曲線で近似する。そして、実際の稼働に伴
って、求めた制御値と制御の結果のずれを記録して置く
ようにして、データとして積み上げ、適時、上記パラメ
ータの値を更新すればよい。以上説明したように、サプ
レッサ電極Sを廃止し引き出し電圧でエミッション電流
を制御する場合には、エミッション開始後の経過時間を
加味して制御することが必要であり、更には、エミッシ
ョン停止の経過時間をも加味すればなお万全であるとい
える。この様にして、エミッション電流の安定化は解決
できた。
【0008】しかし、このままでは、サプレッサ電極S
を取り除いたことによって、イオンビームへの影響(照
射位置やビーム径の変化など、特に照射位置の変化)が
出や易くなる。すなわち、引き出し電圧Vの制御を行っ
たときに、制御に伴って引き出し電圧Vが変化すると共
に同時にビームの位置もわずかながらずれるという問題
が残る。この問題の原因は、エミッタ近傍の形状と配置
の極く僅かな非対称性によるが、旨い解決策は未だ見い
だされてはいない。そこで、次善の策として、以下の様
にする。即ち、コンピュータソフト上に、「エミッショ
ン電流の制御禁止」のフラッグを用意して、例えば、一
連の加工等の動作が行われているときには、エミッショ
ン電流の制御は行われないようにするのである。なお、
ここでの「一連の加工等の動作」とは、例えば、試料9
のある一つの部分の加工開始から終了までの動作や、一
つのSIM像を得るために1フレーム分のイオンビームの
走査の開始から終了までの動作などである。また、この
ような一連の動作の継続時間は、通常数秒から10分程
度であり、長い場合は数十分である。次いで、この様な
装置の具体的な実施例について詳しく説明する。図3
は、図1に示されたイオンビーム発生部を備えた本発明
の構成を説明するためのブロック図である。図3では、
前述の図4の構成に本発明にかかる構成が追加されてい
る。即ち、図3において、2はエミッタ、3は引き出し
電極、7は偏向電極、9は試料である。更に、50はイ
オンビームを発生させ制御するためのイオン発生電源・
制御部、55は集束レンズの電源・制御部、60はイオ
ンビームを試料9上で走査するための走査電源・制御
部、70はFIB装置に付属のホストコンピュータであ
る。71はイオン発生電源・制御部50あるいは走査電
源・制御部60とホストコンピュータ70とを結ぶI/O
インターフェース、72はエミッション電流を安定化す
るためのエミッション電流安定化プログラム、73は後
述するデータを格納している制御用データファイルであ
る。74はFIB装置付属の諸々のFIBプログラムであっ
て、ホストコンピュータ70に組み込まれている。75
はホストコンピュータ70のキーボード等のパラメータ
入力装置である。制御用データファイル73には、例え
ば、以下のデータを格納している。制御禁止フラッグ
F、フラッグF設定のためのサンプリング時間tf、設
定エミッション電流値Io、エミッションの積算時間
e、エミッション停止の積算時間Tb、引き出し電圧の
設定制御を実行する間隔時間ti、設定エミッション電
流値Ioと観測エミッション電流値Imとの差ΔI=Im
−Ioと、エミッションの積算時間Teと、エミッション
停止の積算時間Tbとから引き出し電圧の変更分を求め
るための関数ΔV=f(ΔI,Te,Tb)、および、設
定の許容誤差εである。更に、前述のパラメータの更新
のために、引き出し電圧変更後のエミッション電流値の
測定値をその他のデータと共に記録できるようにすると
よい。なお、種々の実験の結果に基づき、フラッグF設
定のためのサンプリング時間tfは10秒程度、引き出
し電圧の設定制御を実行する間隔時間tiは15分程度
に設定してある。次に、この様な装置の動作について説
明する。まず、フラッシングを行った時点で、エミッシ
ョンの積算時間Teとエミッション停止の積算時間Tb
をクリアしておく。そうした上で、例えば、オペレータ
が入力装置75からFIBプログラム74の一つを起動さ
せると、そのFIBプログラム74の指令によって、エミ
ッション電流安定化プログラム72が起動され、これと
並行してI/Oインターフェース71を介してイオン発生
電源・制御部50を動作させ、エミッタ2に加速電圧を
印加し、引き出し電極3に引き出し電圧を印加する。印
加と同時にその時刻は制御用データファイル73に転送
されエミッションの積算時間Teの積算が開始され、記
録される。なお、ここではまだエミッション停止の積算
時間Tbは積算は開始されていない。更に、FIBプログラ
ム74は徐々にその引き出し電圧を上げるようにイオン
発生電源・制御部50を制御し、所望のエミッション電
流になるようにする。この所望のエミッション電流の値
(設定エミッション電流値Io)は、エミッション電流
安定化プログラム72を介して制御用データファイル7
3に記録される。所望のエミッション電流が設定された
後は、エミッション電流安定化プログラム72は、引き
出し電圧制御の間隔時間ti毎(例えば15分毎)に、
制御禁止フラッグFが立っていないことを確認の上、イ
オン発生電源・制御部50においてエミッション電流値
mを計測する。なお、制御禁止フラッグFが立ってい
るときは、次の引き出し電圧制御の時刻まで何もしな
い。このエミッション電流値Imと制御用データファイ
ル73に記録された設定エミッション電流値Ioとを比
較し、もしその差が設定の許容誤差ε以下であれば、次
の引き出し電圧制御の時刻まで何もしない。もしその差
が設定の許容誤差εを超えていれば、その差ΔI=Im
−Ioと、制御用データファイル73に記録されたエミ
ッションの積算時間Teと、エミッション停止の積算時
間Tbとを変数とする関数ΔV=f(ΔI,T e,Tb
を計算する。その結果を基に、エミッション電流安定化
プログラム72は、I/Oインターフェース71を介して
イオン発生電源・制御部50に、現在の引き出し電圧に
ΔVだけ加算するよう指令する。これを受けて、イオン
発生電源・制御部50は、引き出し電極3の電圧を変更
する。また、前述したパラメータの更新のための実測デ
ータの積み上げのためには、上記の制御の完了後、再
度、エミッション電流値Imを計測して、制御の結果の
値としてその他のデータと共に制御用データファイル7
3に記録する。上記と並行して、エミッション電流安定
化プログラム72は、サンプリング時間tf毎に、I/Oイ
ンターフェース71を介して、集束レンズ電源・制御部
55、走査電源・制御部60等に一連の動作が続行中で
あるかどうかを問合て、続行中である場合には制御禁止
フラッグFを立て、そうでないときは降ろす様にする。
【0009】ここでオペレータが入力装置75を介して
エミッションを停止させれば、エミッション停止の積算
時間Tbの積算は開始され、エミッションの積算時間Te
の積算は停止する。
【0010】更に、次回のフラッシングの時点で、エミ
ッションの積算時間Teやエミッション停止の積算時間
bの積算はご破算に(クリア)する。
【0011】なお、上記の実施の形態例では、制御禁止
フラッグFが立っているときは、次の引き出し電圧制御
の時刻まで何もしないと説明した。しかし、時には下記
のような問題が生じる場合が無いとは云えない。
【0012】まず第1の場合は、「一連の動作」そのも
のの時間は短いにも関わらず、引き出し電圧制御を行お
うとしたとき、たまたま制御禁止フラッグFが立ってい
る状態が連続して起こってしまうような場合である。こ
のような状態に陥るのを避けるためには、制御禁止フラ
ッグFが立っていたために引き出し電圧制御が行われな
かった場合は、その後制御禁止フラッグFが降りた時点
で直ちに引き出し電圧制御が行われるようにすればよ
い。
【0013】第2の場合は、「一連の動作」そのものの
時間が長いため、その間制御禁止フラッグFが立ってい
る時間が続き、引き出し電圧制御が行われず、結果とし
てエミッション電流が許容値以上に変化してしまう場合
である。このような場合に対しては、先の設定の許容誤
差εよりも適当に大きな第2の許容誤差δを設け、フラ
ッグFの状態には関わらず、エミッション電流値Im
計測して、設定エミッション電流値Ioと観測エミッシ
ョン電流値Imとの差ΔI=Im−Ioと第2の許容誤差
δとを比較する。そして、もし差ΔIが第2の許容誤差
δを超えていたら、オペレータに警告を発したり、ある
いは「一連の動作」を一時中止し、エミッション電流を
設定・制御した後、再び残りの「一連の動作」を継続す
るようにプログラムするとよい。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、サプレッサ電極Sを廃止し、引き出し電圧でエミッ
ション電流を制御するに際して、引き出し電圧の変更分
ΔVを、設定エミッション電流値Ioとエミッション電
流値Imとの差ΔI=Im−Ioと、エミッションの積算
時間Teと、エミッション停止の積算時間Tbとの関数と
して求めるようにした。これによって、引き出し電圧
は、サプレッサ電極S付きのとき、9〜12kVであっ
たものが、5〜7kVと低くすることができ、分解能が
改善できた。また、制御禁止フラッグFを設けたことに
よって、引き出し電圧の変更に伴うビーム位置の変動等
の問題も回避できた。更に、この様な適切なエミッショ
ン電流安定化によって、フラッシングの回数を少なくす
ることができ、装置のスループット向上に寄与でき、且
つ、エミッタの長寿命化が図れた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる引き出し電圧を制御してエミッ
ション電流を安定化するエミッタ近傍の構成を説明する
図である。
【図2】本発明にかかる引き出し電圧を制御してエミッ
ション電流を安定化する基本原理を説明する図である。
【図3】本発明にかかる装置の構成を説明する図であ
る。
【図4】FIB装置を説明する図である。
【図5】FIB装置のエミッタ近傍の構成を説明する図で
ある。
【図6】引き出し電圧とイオンビーム径の関係を説明す
る図である。
【符号の説明】
1…イオン照射系の鏡筒、2…エミッタ、3…引き出し
電極、4…加速電極、5…集束レンズ、6…アパーチ
ャ、7…偏向電極、8…対物レンズ、9…試料、10…
試料ステージ、11…試料室、50…イオン発生電源・
制御部、55…集束レンズ電源・制御部、60…走査電
源・制御部、70…ホストコンピュータ、71…I/O
オンターフェース、72…エミッション電流安定化プロ
グラム、73…制御用データファイル、74…FIBプロ
グラム、75…入力装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオンビーム源であるエミッタと、エミッ
    タからイオンビームを引き出す引き出し電極と、引き出
    したイオンビームにエネルギを与える加速電極と、加速
    されたイオンビームを集束して試料上に照射するレンズ
    とを備えた集束イオンビーム装置において、前記引き出
    し電極に印加する電圧を制御して前記エミッタからのエ
    ミッション電流を安定化するに際して、前記引き出し電
    極に印加する電圧は、設定すべき目標値である設定エミ
    ッション電流と、現在の観測される観測エミッション電
    流と、最後のフラッシングから現在までの積算されたエ
    ミッション時間とを関数として設定するようにしたこと
    を特徴とする集束イオンビーム装置。
  2. 【請求項2】イオンビーム源であるエミッタと、エミッ
    タからイオンビームを引き出す引き出し電極と、引き出
    したイオンビームにエネルギを与える加速電極と、加速
    されたイオンビームを集束して試料上に照射するレンズ
    とを備えた集束イオンビーム装置において、前記引き出
    し電極に印加する電圧を制御して前記エミッタからのエ
    ミッション電流を安定化するに際して、前記引き出し電
    極に印加する電圧は、設定すべき目標値である設定エミ
    ッション電流と、現在の観測される観測エミッション電
    流と、最後のフラッシングから現在までの積算されたエ
    ミッション時間と、最後のフラッシングから現在までの
    積算されたエミッション休止時間とを関数として設定す
    るようにしたことを特徴とする集束イオンビーム装置。
  3. 【請求項3】前記引き出し電極に印加する電圧を変更す
    ることを禁止するフラッグを備えたことを特徴とする請
    求項1または2記載の集束イオンビーム装置。
  4. 【請求項4】前記引き出し電極に印加する電圧の制御
    は、コンピュータ上のソフトウェアプログラムによって
    行われることを特徴とする請求項1、2または3記載の
    集束イオンビーム装置。
JP2000201684A 1999-07-08 2000-07-04 集束イオンビーム装置 Expired - Fee Related JP3773398B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000201684A JP3773398B2 (ja) 1999-07-08 2000-07-04 集束イオンビーム装置
US09/611,995 US6459082B1 (en) 1999-07-08 2000-07-07 Focused ion beam system

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19506899 1999-07-08
JP11-195068 1999-07-08
JP2000201684A JP3773398B2 (ja) 1999-07-08 2000-07-04 集束イオンビーム装置
US09/611,995 US6459082B1 (en) 1999-07-08 2000-07-07 Focused ion beam system

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001076634A true JP2001076634A (ja) 2001-03-23
JP3773398B2 JP3773398B2 (ja) 2006-05-10

Family

ID=27327052

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000201684A Expired - Fee Related JP3773398B2 (ja) 1999-07-08 2000-07-04 集束イオンビーム装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6459082B1 (ja)
JP (1) JP3773398B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007506255A (ja) * 2003-09-22 2007-03-15 アプライド マテリアルズ イスラエル リミテッド 液体金属イオン源および液体金属イオン源を制御する方法

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7791047B2 (en) * 2003-12-12 2010-09-07 Semequip, Inc. Method and apparatus for extracting ions from an ion source for use in ion implantation
JP2006313704A (ja) * 2005-05-09 2006-11-16 Jeol Ltd 集束イオンビーム装置
US7667209B2 (en) * 2006-07-06 2010-02-23 Hitachi High-Technologies Corporation Focused ION beam apparatus
US7566887B2 (en) * 2007-01-03 2009-07-28 Axcelis Technologies Inc. Method of reducing particle contamination for ion implanters
JP2011171009A (ja) * 2010-02-16 2011-09-01 Sii Nanotechnology Inc 集束イオンビーム装置
DE102017202339B3 (de) * 2017-02-14 2018-05-24 Carl Zeiss Microscopy Gmbh Strahlsystem mit geladenen Teilchen und Verfahren dafür
FR3070791B1 (fr) * 2017-09-05 2023-04-14 Centre Nat Rech Scient Generateur de faisceau ionique a nanofils
US11380519B1 (en) * 2020-11-05 2022-07-05 Carl Zeiss Microscopy Gmbh Operating a particle beam generator for a particle beam device

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03241646A (ja) * 1990-02-19 1991-10-28 Seiko Instr Inc 液体金属イオン源のコントロール方法
JP2807719B2 (ja) * 1990-04-04 1998-10-08 セイコーインスツルメンツ株式会社 集束イオンビーム装置の液体金属イオン源の動作方法
US5825035A (en) * 1993-03-10 1998-10-20 Hitachi, Ltd. Processing method and apparatus using focused ion beam generating means
US5847408A (en) * 1996-03-25 1998-12-08 Agency Of Industrial Science & Technology, Ministry Of International Trade & Industry Field emission device
US5969355A (en) 1997-09-04 1999-10-19 Seiko Instruments Inc. Focused ion beam optical axis adjustment method and focused ion beam apparatus

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007506255A (ja) * 2003-09-22 2007-03-15 アプライド マテリアルズ イスラエル リミテッド 液体金属イオン源および液体金属イオン源を制御する方法
JP4742041B2 (ja) * 2003-09-22 2011-08-10 アプライド マテリアルズ イスラエル リミテッド 液体金属イオン源および液体金属イオン源を制御する方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3773398B2 (ja) 2006-05-10
US6459082B1 (en) 2002-10-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001076634A (ja) 集束イオンビーム装置
US6815677B2 (en) Scanning electron microscope and method of controlling the same
JP2012018790A (ja) 電子銃の駆動方法、電子ビーム描画装置および電子ビーム描画方法
KR102520964B1 (ko) 하전 입자 빔 시스템 및 방법
JP2002208368A (ja) 電子放射型電子銃
JP2000106116A (ja) 走査電子顕微鏡
JP3458481B2 (ja) 自動焦点合わせ装置
JP2004342628A (ja) 荷電粒子線装置
WO2000052730A1 (fr) Source d'ions de metaux liquides et procede permettant de mesurer sa resistance a l'ecoulement
JP2004362954A (ja) 電子ビームの照射条件維持方法
JP2834466B2 (ja) イオンビーム装置及びその制御方法
JP3535387B2 (ja) 電子線装置
JP4106707B2 (ja) 走査型電子顕微鏡のヒステリシス補正方法、及び走査型電子顕微鏡
JP4536004B2 (ja) 試料観察装置、エッジ位置算出装置、及びプログラム
JPH11273601A (ja) 集束イオンビーム装置およびその光学系の設計方法
JP7295815B2 (ja) 荷電粒子ビーム装置および荷電粒子ビームの調整方法
JPH04105079A (ja) 電子ビーム装置
JP2005235469A (ja) 荷電粒子ビーム装置及び荷電粒子ビーム装置の制御方法
JP6344078B2 (ja) 電子ビーム装置並びに電子ビーム装置の制御装置及び制御方法
JPS62183514A (ja) イオンビ−ム描画装置
JPH05304080A (ja) 荷電粒子ビーム描画方法
JPH02207441A (ja) 電子ビーム中心軸自動調整装置
JPH04522Y2 (ja)
JP2006019205A (ja) X線発生装置
JP2002050314A (ja) 荷電粒子線装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040615

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051115

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060131

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090224

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100224

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110224

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110224

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120224

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130224

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130224

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140224

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees