JP2001072768A - ポリイミドの製造方法 - Google Patents

ポリイミドの製造方法

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JP2001072768A
JP2001072768A JP24991799A JP24991799A JP2001072768A JP 2001072768 A JP2001072768 A JP 2001072768A JP 24991799 A JP24991799 A JP 24991799A JP 24991799 A JP24991799 A JP 24991799A JP 2001072768 A JP2001072768 A JP 2001072768A
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polyimide
diamine
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JP24991799A
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Yoshiyuki Oishi
好行 大石
Mitsuru Ueda
充 上田
Takayasu Nihei
貴康 仁平
Hiroyoshi Tai
裕善 袋
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Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビスシリル化ジアミン誘導体と脂肪族カ
ルボン酸二無水物を用いたポリイミドの新規な製造方法
の提供にある。 【解決手段】 一般式[I]で表される繰り返し単位を
含有するポリイミドを製造するにあたり、一般式[II]
で表されるビスシリル化ジアミン誘導体と一般式[II
I]で表されるカルボン酸二無水物を有機溶媒中で反応
させて、一般式[IV]で表される繰り返し単位を含有す
るポリアミド酸エステルを製造し、その後当該ポリアミ
ド酸エステルを環化反応させることを特徴とするポリイ
ミドの製造方法に関する。 【化1】 (式中、繰り返し単位数mは正の整数を表し、R1は脂
肪族テトラカルボン酸を構成する4価の有機基を表し、
2はジアミンを構成する2価の有機基を表し、R3は1
価の有機珪素基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、液晶表示素子における
液晶配向膜や半導体素子における保護膜、絶縁膜さらに
は光通信用の材料等へ使用される、ポリイミドの新規な
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリイミド樹脂はその特徴である高い機
械的強度、耐熱性、絶縁性、耐溶剤性のために、液晶表
示素子や半導体素子における保護材料、絶縁材料等の電
子材料として広く用いられている。また最近では光通信
用の材料としても用いられている。しかし、近年のこれ
ら分野の発展は目覚ましく、それに対応して、用いられ
る材料に対しても益々高度な特性が要求されるようにな
っている。即ち単に耐熱性に優れるだけでなく、用途に
応じた性能を多数あわせもつことが期待されている。と
りわけ脂肪族カルボン酸二無水物を構成単位とするポリ
イミドはその透明性、低誘電率などの優れた特性から近
年活発に検討されている。ポリイミドは一般に極性溶媒
中でジアミンとカルボン酸二無水物を反応させることに
よりポリアミド酸とした後、熱もしくは触媒を用いるこ
とにより脱水環化し対応するポリイミドとすることがで
きる。しかし、実際には用いるジアミンやカルボン酸二
無水物は反応性が各々異なることから適切な組み合わせ
を選択しないと製造上の問題が生じる。すなわち、例え
ば特定の脂肪族カルボン酸二無水物との組み合わせでは
重合反応が著しく遅く所望の重合度が得られず、又、脂
肪族ジアミンを用いた場合には、対応するアミド酸と塩
形成し、その塩の溶解性が低い場合には反応が停止す
る。
【0003】これまでかかる問題を解決するために以下
のような検討がなされてきた。芳香族ジアミンの反応性
を高める目的では、特開昭62−226987には2つ
のアミノ基をシリル化する方法が提案されている。また
特開昭62−318にはこの方法を用いた芳香族ポリア
ミドの製造方法が提案されている。また芳香族カルボン
酸二無水物とシリル化芳香族ジアミンからの芳香族−芳
香族ポリイミド合成はUSP3303157(196
7)や学術文献(Korshakら、マクロモレキュラ
ー・ヘミー、184巻、235(1983))に記載さ
れている。芳香族カルボン酸二無水物とシリル化脂肪族
ジアミンからの芳香族−脂肪族ポリイミドの合成は学術
文献(大石ら、ジャーナル・オブ・フォトポリマー・サ
イエンス・アンド・テクノロジ、217(1999))
に記載がある。また脂肪族ジアミンを用いるポリイミド
合成では、前述の塩形成を回避する目的で対応する特定
の脂肪族カルボン酸二無水物をジメチルエステルとした
後、酸クロリドに導き重合する方法が提案されている
(長谷川ら、ハイ・パフォーマンス・ポリマー、10
巻、11(1998))。
【0004】しかしながら、脂環式カルボン酸二無水物
とビスシリル化ジアミンとの重合検討例はこれまでなか
った。すなわち、脂肪族カルボン酸二無水物の構造を問
わず、容易に高い重合度が得られる脂肪族系ポリイミド
の製造方法はこれまでなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みなされたものであって、ビスシリル化ジアミン誘
導体と脂肪族カルボン酸二無水物を用いたポリイミドの
新規な製造方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するため鋭意検討を行った結果、ビスシリル化ジアミ
ン誘導体を用いたポリイミドの製造方法が、上記の目的
を達成できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】即ち、本発明は一般式[I]
【化5】 (式中、繰り返し単位数mは正の整数を表し、R1は脂
肪族テトラカルボン酸を構成する4価の有機基を表し、
2はジアミンを構成する2価の有機基を表す。)で表
される繰り返し単位を含有し、対応するポリアミド酸エ
ステルの対数粘度が0.05〜5.0dl/g(温度3
0℃の有機溶媒中、濃度0.5g/dl)であるところ
のポリイミドを製造するにあたり、一般式[II]
【化6】 (式中、R2はジアミンを構成する2価の有機基を表
し、R3は1価の有機珪素基を表す。)で表されるビス
シリル化ジアミン誘導体と一般式[III]
【化7】 (式中、R1は脂肪族テトラカルボン酸を構成する4価
の有機基を表す。)で表されるカルボン酸二無水物を有
機溶媒中で反応させて、一般式[IV]
【化8】 (式中、繰り返し単位数mは正の整数を表し、R1は脂
肪族テトラカルボン酸を構成する4価の有機基を表し、
2はジアミンを構成する2価の有機基を表し、R3は1
価の有機珪素基を表す。)で表される繰り返し単位を含
有するポリアミド酸エステルを製造し、その後当該ポリ
アミド酸エステルを環化反応させることを特徴とするポ
リイミドの製造方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の前記一般式[I]で示されるポリイミドに用い
る脂肪族カルボン酸二無水物成分は通常ポリイミドの合
成に使用される脂肪族テトラカルボン酸二無水物であ
り、その具体例としては、1,2,3,4−シクロブタ
ンテトラカルボン酸二無水物、3,5,6−トリカルボ
キシ−2−カルボキシメチルノルボルナン−2:3,
5:6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[3,
3,0]−オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン
酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−
テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、1,
2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水
物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボ
ン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラ
カルボン酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1−シク
ロヘキシルコハク酸二無水物、1,2,3,4−ブタン
テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらのテ
トラカルボン酸二無水物及びその誘導体の1種又は2種
以上を混合して使用することはもちろん差し支えない。
【0009】本発明の前記一般式[I]で示されるポリ
イミドに用いるジアミン成分は通常のポリイミドの合成
に使用される1級ジアミンであって、特に限定されるも
のではない。敢えてその具体例を挙げれば、p−フェニ
レンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,5−ジア
ミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、4,4’−
ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−
ジアミノビフェニル、3,3’− ジメトキシ− 4,
4’− ジアミノビフェニル、ジアミノジフェニルメタ
ン、ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ジアミノジ
フェニルプロパン、ビス(3,5−ジエチル−4−アミ
ノフェニル)メタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジ
アミノベンゾフェノン、1,5−ジアミノナフタレン、
1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,
4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、9,10−
ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、1,3−ビ
ス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス
(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロ
パン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,
4’−ジアミノビフェニル、テトラフルオロ−p−フェ
ニレンジアミン、4,4’−ビス(4−ジアミノフェノ
キシ)オクタフルオロビフェニル等の芳香族ジアミン、
4,4’−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノ
シクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチ
ルシクロヘキシル)メタン、5−アミノ−1,3,3−
トリメチルシクロヘキサンメチルアミン、2,5(2,
6)−ビスアミノメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタ
ン等の脂環式ジアミン及びテトラメチレンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、更には、
【化9】 (式中、mは1から10の整数を表す)等のジアミノシ
ロキサン等が挙げられる。又、これらのジアミンの1種
又は2種以上を混合して使用することもできる。
【0010】本発明の前記一般式[I]で示されるポリ
イミドの合成に用いる有機珪素基R3は特に限定されな
いがトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプ
ロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニ
ルジメチルシリル基等がある。
【0011】前記の具体例で示したジアミンは、これら
有機珪素で容易に置換され一般式[II]で示されるビス
シリル化ジアミンに導くことができる。その合成方法
は、公知の方法を用いることができる。例えばジアミン
を有機溶媒中、塩基の存在下、対応するハロゲン化有機
珪素化合物と反応させることにより容易に得ることがで
きる。
【0012】本発明のポリイミドは、具体的にはテトラ
カルボン酸二無水物及びその誘導体と前記ジアミンを重
合させて得ることができる。この際用いるテトラカルボ
ン酸二無水物のモル数とシリル化したジアミン及び一般
ジアミンの総モル数との比は0.8から1.2であるこ
とが好ましい。通常の重縮合反応同様、このモル比が1
に近いほど生成する重合体の重合度は大きくなる。この
場合、重合度が小さすぎるとポリイミド膜の強度が不十
分となる。又、重合度が大きすぎるとポリイミド膜形成
時の作業性が悪くなる場合がある。従って、本反応にお
ける生成物の重合度は、ポリイミド溶液の対数粘度換算
で0.05〜5.0dl/g(温度30℃の有機溶媒
中、濃度0.5g/dl)とするのが好ましい。
【0013】テトラカルボン酸二無水物と上記ジアミン
とを反応・重合させる方法は特に限定されないが、好適
にはN−メチルピロリドン等の有機溶媒に上記ジアミン
を溶解し、その溶液中に上記テトラカルボン酸二無水物
を添加し、反応させて、ポリアミド酸エステルを合成す
る。その際の反応温度は−20℃から200℃、好まし
くは−5℃〜150℃の任意の温度を選択することがで
きる。
【0014】更に、ポリアミド酸エステルの合成方法と
しては通常の溶液重合法が好適である。溶液重合法に使
用される溶剤の具体例としては、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル
−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、ジメチ
ルスルホキシド、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリドン、ピリジン、ジメチルスルホン、
ヘキサメチルホスホルアミド、テトラヒドロフラン、ジ
グリム及びブチロラクトン等を挙げることができる。こ
れらは単独でも、また混合して使用してもよい。更に、
ポリイミド前駆体を溶解しない溶剤であっても、その溶
剤を均一溶液が得られる範囲内で上記溶剤に加えて使用
してもよい。
【0015】本発明のポリイミド前駆体溶液をそのまま
用いてもよいが、任意のイミド化率に調整した有機溶媒
可溶性ポリイミド樹脂として用いてもよい。有機溶媒可
溶性ポリイミド樹脂を得る方法は特に限定されるもので
はないが、一般にはポリイミド前駆体を閉環イミド化し
て得ることができる。
【0016】テトラカルボン酸二無水物とジアミンを反
応させて得られたポリイミド前駆体を溶液中でそのまま
イミド化し溶剤可溶性ポリイミド溶液を得ることができ
る。溶液中でポリイミド前駆体をポリイミドに転化する
場合には、通常は加熱により閉環させる方法が採用され
る。この加熱による閉環温度は、100℃〜350℃、
好ましくは100℃〜250℃の任意の温度を選択する
ことができる。また閉環時の温度または時間を選択する
ことにより任意のイミド化率に制御することができる。
【0017】この場合に使用される溶媒は、樹脂を溶解
させるものであれば特に限定されないが、その例として
は2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、N−エチル
ピロリドン、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラ
ヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、m−クレゾール等
が挙げられる。
【0018】また、単独ではポリマ−を溶解させない溶
媒であっても、溶解性を損なわない範囲であれば上記溶
媒に加えて使用することができる。その例としては、エ
チルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトー
ル、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテー
ト、エチレングリコール等が挙げられる。
【0019】また、ポリイミド前駆体をポリイミドに転
化する他の方法としては、公知の閉環触媒を使用して化
学的に閉環することもできる。また閉環時の温度または
時間を選択する事により任意のイミド化率に制御するこ
とができる。溶解させる溶媒は、得られたポリイミドを
溶解させるものであれば特に限定されないが、その例と
してはm−クレゾール、2−ピロリドン、N−メチルピ
ロリドン、N−エチルピロリドン、N−ビニルピロリド
ン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
【0020】得られたポリイミド溶液はそのまま使用す
ることもでき、またメタノール、エタノール等の貧溶媒
に沈殿・単離させポリイミドを粉末として、或いはその
ポリイミド粉末を適当な溶媒に再溶解させて使用するこ
とができる。
【0021】再溶解させる溶媒は、得られたポリイミド
樹脂を溶解させるものであれば特に限定されないが、そ
の例としては2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、
N−エチルピロリドン、N−ビニルピロリドン、N,N
−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、テトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン等が挙げ
られる。
【0022】上記のようなポリイミド前駆体、及び溶剤
可溶性ポリイミドはそのまま用いることができるが、一
種または二種以上のポリイミド前駆体または溶剤可溶性
ポリイミドと混合して用いてもよい。混合割合として
は、任意に選択することができる。以下に実施例を挙
げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに
限定されるものではない。
【0023】実施例1 100mLの三口フラスコに、窒素気流下でN,N’−
ビス(トリメチルシリル)ビス(4−アミノフェニル)
エーテル(1.723g、5.0mmol)を計り取
り、蒸留精製したN,N−ジメチルアセトアミド(10
mL)を加えて溶解させた。この溶液に3,5,6−ト
リカルボキシ−2−カルボキシメチルノルボルナン−
2:3,5:6−二無水物(1.251g、5.0mm
ol)を加え、室温で1時間かき混ぜ完全に溶解させ
た。その後、100℃で6時間かき混ぜて反応させた。
得られたポリアミド酸シリルエステルの対数粘度は0.
65dL/g(ジメチルアセトアミド中、濃度0.5g
/dL、30℃)であった。この重合溶液をガラス板上
に流延し、室温で12時間減圧乾燥後、50℃、100
℃、200℃、250℃で各1時間減圧下で加熱処理す
ることによって、淡黄色で透明なポリイミドフィルムを
得ることができた。赤外吸収スペクトル:1777、1
710、1386、736cm-1(イミド環)この樹脂
の特性を以下に示す。 (1)対数粘度:0.73dL/g(N−メチル−2−
ピロリドン中、濃度0.5g/dL、30℃で測定) (2)ガラス転移温度:385℃ (3)10%重量減少温度:420℃(空気中)、43
5℃(窒素中) (4)溶解性:N−メチル−2−ピロリドン、1,3−
ジメチルイミダゾリドンに可溶である。
【0024】実施例2 100mLの三口フラスコに、窒素気流下でN,N’−
ビス(トリメチルシリル)ヘキサメチレンジアミン
(1.303g、5.0mmol)を計り取り、蒸留精
製したN−メチル−2−ピロリドン(10mL)を加え
て溶解させた。この溶液を氷浴で冷却しながら3,4−
ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナ
フタレンコハク酸(1.502g、5.0mmol)を
加え、0〜5℃で1時間かき混ぜ完全に溶解させた。そ
の後、100℃で6時間かき混ぜて反応させた。得られ
たポリアミド酸シリルエステルの対数粘度は0.40d
L/g(N−メチル−2−ピロリドン中、濃度0.5g
/dL、30℃)であった。この重合溶液をガラス板上
に流延し、室温で12時間減圧乾燥後、50℃、100
℃、200℃、250℃で各1時間減圧下で加熱処理す
ることによって、無色で透明なポリイミドフィルムを得
ることができた。 赤外吸収スペクトル:1773、1704、1401、
761cm-1(イミド環) 元素分析(C222424):計算値 C69.46
%、H6.36%、N7.36%;測定値 C69.5
8%、H6.58%、N7.39% この樹脂の特性を以下に示す。 (1)対数粘度:1.29dL/g(濃硫酸中、濃度
0.5g/dL、30℃で測定) (2)ガラス転移温度:144℃ (3)5%重量減少温度:390℃(空気中)、440
℃(窒素中) (4)可視・紫外線吸収スペクトル:280nm以上で
は吸収が見られない。 (5)引張特性:引張強度 90MPa、破断伸び 6
%、引張弾性率 1.5GPa
【0025】実施例3 100mLの三口フラスコに、窒素気流下でN,N’−
ビス(トリメチルシリル)ヘキサメチレンジアミン
(1.303g、5.0mmol)を計り取り、蒸留精
製したN−メチル−2−ピロリドン(10mL)を加え
て溶解させた。この溶液を氷浴で冷却しながら1,2,
3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(0.
981g、5.0mmol)を加え、0〜5℃で1時間
かき混ぜ完全に溶解させた。その後、20℃で6時間か
き混ぜて反応させた。得られたポリアミド酸シリルエス
テルの対数粘度は1.31dL/g(N−メチル−2−
ピロリドン中、濃度0.5g/dL、30℃)であっ
た。この重合溶液をガラス板上に流延し、室温で12時
間減圧乾燥後、50℃、100℃、200℃、250℃
で各1時間減圧下で加熱処理することによって、無色で
透明なポリイミドフィルムを得ることができた。 赤外吸収スペクトル:1769、1692、1399、
803cm-1(イミド環) 元素分析(C141624):計算値 C60.86
%、H5.83%、N10.14%;測定値 C60.
59%、H6.11%、N10.29% この樹脂の特性を以下に示す。 (1)対数粘度:1.49dL/g(濃硫酸中、濃度
0.5g/dL、30℃で測定) (2)ガラス転移温度:300℃までの示差走査熱量測
定で検出されず。 (3)5%重量減少温度:380℃(空気中)、425
℃(窒素中) (4)可視・紫外線吸収スペクトル:280nm以上で
は吸収が見られない。
【0026】実施例4 25mLの三口フラスコに、窒素気流下でN,N’−ビ
ス(トリメチルシリル)−5−アミノ−1,3,3−ト
リメチルシクロヘキサンメチルアミン(0.308g、
0.98mmol)を計り取り、蒸留精製したN−メチ
ル−2−ピロリドン(1.2mL)を加えて溶解させ
た。この溶液を氷浴で冷却しながら1,2,3,4−シ
クロブタンテトラカルボン酸二無水物(0.202g、
1.03mmol)を加え溶解させた。その後、20℃
で24時間かき混ぜて反応させた。得られたポリアミド
酸シリルエステルの対数粘度は0.73dL/g(N−
メチル−2−ピロリドン中、濃度0.5g/dL、30
℃)であった。反応終了後N−メチル−2−ピロリドン
で希釈後、0.06Nの塩酸200mLに投じ、析出し
た白色粉末をろ過、乾燥した。 赤外吸収スペクトル:1720cm-1(カルボニル)、
1643cm-1(アミド)
【0027】比較例1 25mLの三口フラスコに、窒素気流下で5−アミノ−
1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメチルアミン
(0.167g、0.98mmol)を計り取り、蒸留
精製したN−メチル−2−ピロリドン(1.2mL)を
加えて溶解させた。この溶液を氷浴で冷却しながら1,
2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
(0.202g、1.03mmol)を加え溶解させ
た。その後、20℃で24時間かき混ぜて反応させたと
ころ不溶性の塩が析出し重合は進行しなかった。
【0028】
【発明の効果】本発明の方法により脂肪族カルボン酸二
無水物の構造を問わず、容易に脂肪族ポリイミドを合成
できるようになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 充 東京都江東区越中島1丁目3番地17−603 (72)発明者 仁平 貴康 千葉県船橋市坪井町722番地1 日産化学 工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 袋 裕善 千葉県船橋市坪井町722番地1 日産化学 工業株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4J043 PA02 QB16 QB26 QB31 RA35 SA06 SA55 SB01 SB02 TA22 UA032 UA041 UA121 UA122 UA251 UA261 UA262 UA312 UA761 UA762 UB011 UB121 UB301 VA011 VA012 VA051 VA052 VA091 VA092 XA03 XA13 XA19

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式[I] 【化1】 (式中、繰り返し単位数mは正の整数を表し、R1は脂
    肪族テトラカルボン酸を構成する4価の有機基を表し、
    2はジアミンを構成する2価の有機基を表す。)で表
    される繰り返し単位を含有し、対応するポリアミド酸エ
    ステルの対数粘度が0.05〜5.0dl/g(温度3
    0℃の有機溶媒中、濃度0.5g/dl)であるところ
    のポリイミドを製造するにあたり、一般式[II] 【化2】 (式中、R2はジアミンを構成する2価の有機基を表
    し、R3は1価の有機珪素基を表す。)で表されるビス
    シリル化ジアミン誘導体と一般式[III] 【化3】 (式中、R1は脂肪族テトラカルボン酸を構成する4価
    の有機基を表す。)で表されるカルボン酸二無水物を有
    機溶媒中で反応させて、一般式[IV] 【化4】 (式中、繰り返し単位数mは正の整数を表し、R1は脂
    肪族テトラカルボン酸を構成する4価の有機基を表し、
    2はジアミンを構成する2価の有機基を表し、R3は1
    価の有機珪素基を表す。)で表される繰り返し単位を含
    有するポリアミド酸エステルを製造し、その後当該ポリ
    アミド酸エステルを環化反応させることを特徴とするポ
    リイミドの製造方法。
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