JP2005146072A - ポリイミド前駆体、ポリイミド前駆体の製造方法、ポリイミド前駆体有機溶媒溶液の製造方法、キャスト膜の製造方法、及びポリイミド膜の製造方法。 - Google Patents

ポリイミド前駆体、ポリイミド前駆体の製造方法、ポリイミド前駆体有機溶媒溶液の製造方法、キャスト膜の製造方法、及びポリイミド膜の製造方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】低誘電率と低線熱膨張率を兼ね備えたポリイミドを提供する。
【解決手段】本発明により製造されるポリイミド前駆体は下記単位構造式(1)に示される繰り返し構造単位を有しており、ポリイミド前駆体を生成するときにそのシリル化率が0.4以上0.9以下の範囲になるようにすれば、塩が形成されにくく、均一で粘稠なポリイミド前駆体有機溶媒溶液が得られる。また、このような繰り返し単位構造を有するポリイミド前駆体をイミド化すると、低誘電率と低線熱膨張係数という特徴を兼ね備えたポリイミドを生成することができる。
【化6】
Figure 2005146072

【選択図】無し

Description

本発明は低誘電率、低線熱膨張係数、高ガラス転移温度、高透明性、十分な強靭さ且つ製膜加工性を併せ持つ実用上有益なポリイミド膜と溶液貯蔵安定性に優れたその前駆体の製造方法に関する。
一般にポリイミドは、無水ピロメリット酸などの芳香族テトラカルボン酸二無水物とジアミノジフェニルエーテル等の芳香族ジアミンとをジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性溶媒中で等モル反応させ容易に得られる高重合度のポリイミド前駆体を、膜などに成形し加熱硬化して得られる。
このような全芳香族ポリイミドは優れた耐熱性、耐薬品性、耐放射線性、電気絶縁性、機械的性質などの性質を併せ持つことから、フレキシブルプリント配線回路用基板、テープオートメーションボンディング用基材、半導体素子の保護膜、集積回路の層間絶縁膜等、様々な電子デバイスに現在広く利用されている。
最近では特にマイクロプロセッサーの演算速度の高速化やクロック信号の立ち上がり時間の短縮化が情報処理・通信分野で重要な課題になってきているが、そのためには層間絶縁膜として使用するポリイミド膜の誘電率を下げることが必要となる。
ポリイミドの誘電率を下げるためにはポリイミド構造中へのフッ素基の導入が有効である(例えば、非特許文献1を参照。)。また、2,2-ビス(3,4-カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物と2,2'-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンから得られるフッ素化ポリイミド膜は平均屈折率から見積もられた誘電率が2.8と非常に低い値を示す(例えば、非特許文献2を参照。)。
また芳香族単位を脂環族単位に置き換えてπ電子を減少することにより、分子内共役および電荷移動錯体形成を妨害すること(例えば、非特許文献3を参照。)も低誘電率化に有効である。
1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物と4,4'-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)から得られる非芳香族ポリイミド膜は平均屈折率から見積もられた誘電率が2.6と非常に低い値を示すことも公知である(例えば、非特許文献4を参照。)。
一方、ポリイミド膜を層間絶縁膜として銅などの金属基板と積層する場合、それぞれの線熱膨張係数のミスマッチにより残留応力が発生し、カーリング、膜の剥離、割れ等の重大な問題を引き起こすことが知られている。
この問題を回避するためにはポリイミド膜の線熱膨張係数を金属基板のそれに近づけること即ちポリイミドの低熱膨張化が必要となる。現在知られているポリイミドの殆どは40〜90ppm/Kの線熱膨張係数を持ち、銅基板の18ppm/Kに比べてはるかに高い。最近では電子回路の高密度化に伴い、配線基板の多層化の必要性が高まってきているが、多層基板における残留応力はデバイスの信頼性を著しく低下させる。
ポリイミドの低熱膨張係数発現には一般に、その主鎖構造が直線的でしかも内部回転が束縛され剛直であることが必要条件であることが知られている(例えば、非特許文献5を参照。)。
現在実用的な低熱膨張ポリイミド材料としては3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンから形成されるポリイミドが最もよく知られている。このポリイミド膜は膜厚や作製条件にもよるが、5〜10 ppm/Kと非常に低い線熱膨張係数を示すことが知られている(例えば、非特許文献6を参照。)。
しかしながら、低誘電率と低熱膨張係数を同時に有し、かつハンダ耐熱性を保持しているポリイミドを得ることは分子設計上容易ではない。ポリイミド以外の低誘電率高分子材料や無機材料も検討されているが、誘電率、線熱膨張係数、耐熱性および靭性の点で要求特性が十分に満たされていないのが現状である。
一般にポリイミド構造中へのフッ素基の導入は分子間相互作用を弱め、低熱膨張化の要因であるイミド化時の自発的分子配向を妨害する傾向をもたらす。更にコスト面でも不利である。前述のように2,2-ビス(3,4-カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物と2,2'-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンから得られる代表的なフッ素化ポリイミド膜は前述のように低誘電率を示すが、線熱膨張係数は64ppm/Kと非常に高く、低熱膨張特性を示さない(例えば、非特許文献2を参照。)。
また脂環式構造単位の導入もポリイミド主鎖骨格の直線性および剛直性を低下させ、線熱膨張係数の増大を引き起こすという問題がある。例えば下記化学式(3)に示す4,4'-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)の如き屈曲性の高い脂環式ジアミンを用いた場合、各種酸二無水物と容易に重合が進行し、高重合度のポリイミド前駆体を生成するが、閉環反応により得られるポリイミド膜は低熱膨張特性を示さない。
Figure 2005146072
前述のように1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物と4,4'-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)から得られるポリイミド膜は低誘電率を示すが、線熱膨張係数は70ppm/Kと非常に高く、低熱膨張特性を示さない。
これまで様々な脂肪族ジアミンを用いたポリイミドが報告されているが、25ppm/Kより低い線熱膨張係数を示す半脂肪族ポリイミド膜はこれまで報告例が全くない。これは脂環式ジアミンから生成するポリイミドでは主鎖骨格の直線性および剛直性の低下を免れないことを意味している。
直線性および剛直性を保持している唯一の脂環式ジアミンとしてトランス-1,4-ジアミノシクロヘキサンがあげられる(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら目的とする要求特性、即ち低誘電率と低熱膨張特性を同時に満たすために直線性の高い酸二無水物とトランス-1,4-ジアミノシクロヘキサンからポリイミド前駆体を重合しようとすると合成上の重大問題に直面する。
即ち公知の芳香族ジアミンの場合とは大きく異なり脂肪族ジアミンではその高い塩基性に起因して、重合反応初期段階に生成した低分子量のアミド酸との間で塩形成が起こる。
4,4'-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)の如き屈曲性の脂環式ジアミンを使用するならば、形成される塩はわずかではあるので、重合溶媒に溶解し、単に長時間攪拌するだけで公知の方法で容易に重合反応を進行させることができる。
これに対し、トランス-1,4-ジアミノシクロヘキサンを使用した場合は形成される塩が非常に強固で重合溶媒に対する溶解度は殆どゼロであり、重合反応は完全に妨害される場合が多い。
上記要求特性を満たすためには剛直な構造を有する脂環式酸二無水物が好ましいが、これまで知られている脂環式酸二無水物自身数が限られている。
以上に述べた分子設計の観点から、脂環式酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、脂環式ジアミンとしてトランス1,4-ジアミノシクロヘキサンとを組み合わせて合成され、後述する単位構造式(2)で表される全脂環式ポリイミドが上記の要求特性を全て達成することが期待される。またこの系はフッ素を含まない点でコスト面でも有利である。
しかしながらこの系においてはポリイミド前駆体を製造する段階で重大な問題に直面する。即ち前述のように強固な塩の形成により重合反応が完全に妨げられる。この問題点がこれまでこの系の報告例が全くなかった主な理由である。
また、重合反応初期での塩形成後、重合反応混合物を適切な温度で短時間加熱することにより、高重合度のポリイミド前駆体が得られる場合が知られている(例えば、特許文献2及び非特許文献7を参照。)。
しかしながら1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物とトランス1,4-ジアミノシクロヘキサンとの重合反応系では形成される塩が強固であり如何なる温度条件でも塩は溶解しないためこの方法を適用することは困難である。
脂肪族ジアミンを用いる際の塩形成を回避する方法として第一に界面重合法が開示されている。(例えば、非特許文献8を参照。)
例えば、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物とアルコールを反応させてテトラカルボン酸のジエステルとし、次いでこれを塩素化して油層に溶解し、これとアルカリ水溶液に溶解した脂肪族ジアミンとを油/水界面で重合させてポリアミド酸のアルキルエステルを得るものである。
しかしこの重合方法では製造工程は煩雑でしかも高重合度のポリイミド前駆体を得ることは困難であるばかりかバッチごとの分子量のばらつきも大きくなる。更に界面重合法では塩素が発生するので電子材料用途としては好ましくない。
また、第二の方法としては、シリル化ジアミンをポリイミド合成に用いる方法が知られている(例えば、特許文献3、4を参照。)。しかしながら、この方法ではジアミンをハロゲン含有シリル化剤でシリル化した後、シリル化ジアミンを精製する必要があったり、また、製造されるポリイミド前駆体も低誘電率と、低熱膨張特性という2つの要求特性を同時に満たすものではなかった。
前述のようなポリイミド膜の特性制御やポリイミド前駆体製造上の問題点の他にも成膜工程上の重大な問題もいくつか残されている。
その一つにはポリイミド前駆体溶液の貯蔵安定性の問題である。公知の方法により酸二無水物とジアミンから合成された一般のポリイミド前駆体はポリアミド酸であるが、その溶液を貯蔵中に重合反応の逆反応により、重量平均分子量の低下が起こることが知られている。これによる溶液粘度の経時変化はスピンコート等による成膜工程時の膜厚制御の点で重大な問題である。
ポリアミド酸溶液の粘度を安定化するには低温での貯蔵あるいは溶液を加熱して故意的に分子量低下を起こさせ、以後の溶液粘度変化を抑制する方法がとられている。特に後者の粘度変化回避策ではポリイミド膜が脆弱になる恐れがある。
また低熱膨張化を目論んで直線的で剛直なポリイミド系を選択すると、その前駆体においても主鎖骨格が比較的剛直であり、前駆体溶液を貯蔵中にゲル化や液晶形成等不均一化がしばしば起こり、良質なポリイミド膜の製造が困難になる場合がある。そのような場合リチウムクロライドの如き塩類を添加すると貯蔵安定性が高くなるが、電子材料用途として好ましくなく、塩類の使用は避けるべきである。
またそのような剛直な系では殆どの場合製膜工程上で更に深刻な問題が発生する。即ちポリイミド前駆体膜をキャスト後、熱イミド化工程中に膜の割れが発生する。これは剛直な系ではポリマー鎖同士の絡み合いの程度が低いため元々膜の靭性が乏しいことに加えて、ポリアミド酸の熱イミド化中に重合反応の逆反応が特に200℃付近を通過する際に若干起こり、分子量低下を伴って更に膜靭性が低下し、イミド化反応時の膜収縮に耐え切れなくなって起こるものである。
また、1,2,3,4−シクロブタンカルボン酸無水物と、1,4−シクロヘキサンジアミンとを反応させてポリイミド前駆体を製造する方法が知られている(例えば、特許文献5を参照。)。しかしながら、一般に1,4−シクロヘキサンジアミンはシス型、トランス型が混在しており、シス型1,4−シクロヘキサンジアミンはその折れ曲がり構造によりポリイミド膜の熱膨張係数を増大させてしまう。
「マクロモルキュールス(Macromolecules)」、(米国)、アメリカンケミカルソサエティー(Aemrican Chemical society)、1991年、24号、p5001 「ハイパフォーマンスポリマーズ(High Performance Polymers)」、(英国)、インスチュートオブフィジックス(Institute of Physics)、2003年、15巻、p47 「マクロモルキュールス(Macromolecules)」、(米国)、アメリカンケミカルソサエティー(Aemrican Chemical society) 、1999年、32号、p 4933 「リアクティブアンドファンクショナルポリマーズ(Reactive & Functional Polymers)」、(オランダ)、エルゼビア・サイエンス(Elsevier Science)、1996年、30巻、p61 「ポリマー(Polymer)」、(オランダ)、エルゼビア・サイエンス(Elsevier Science)、1987年、28巻、p2282 「マクロモルキュールス(Macromolecules)」、(米国)、アメリカンケミカルソサエティー(Aemrican Chemical society)、 1996年、29号、p 7897 「ハイパフォーマンスポリマーズ(High Performance Polymers)」、(英国)、インスチュートオブフィジックス(Institute of Physics)、2001年、13巻、 S93 「ハイパフォーマンスポリマーズ(High Performance Polymers)」、(英国)、インスチュートオブフィジックス(Institute of Physics)、1998年、10巻、p11 特開2002−161136号公報 特開2002−323766号公報 特開2001−72768号公報 特開昭64−63070号公報 特開平2−294330号公報
本発明は低誘電率、低線熱膨張係数、高ガラス転移温度、高透明性、十分な強靭さ且つ製膜加工性を併せ持つ実用上有益なポリイミド膜と、溶液貯蔵安定性に優れたその前駆体の製造方法を提供するものである。
以上の問題を鑑み、本発明者等が鋭意研究を積み重ねた結果、選択されたシリル化剤を用いて適切なシリル化率範囲でシリル化したトランス1,4-ジアミノシクロヘキサンと、該トランス1,4-ジアミノシクロヘキサンと等モルの1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物とを限定された有機溶媒中で重合反応行わせることにより、貯蔵安定性に優れ、高重合度の全脂環式ポリイミド前駆体溶液を得ることに成功した。
さらにそのキャスト膜を限定された条件下でイミド化反応させて製造した全脂環式ポリイミド膜は上記の要求特性を全て達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
図1はジアミンモノマーである1,4-ジアミノシクロヘキサンの立体構造の例を示す図であり、単位構造式(2)に示すポリイミド膜が低熱膨張特性を発現するためには、1,4-ジアミノシクロヘキサンの2つのアミノ基が共にエクアトリアル配置、即ち、図1に示すように1,4-ジアミノシクロヘキサンの立体構造がトランス型である必要がある。
モノマーの段階でのトランス配置はポリイミド前駆体およびポリイミド骨格中でも保持されている。重合時にシス型1,4-ジアミノシクロヘキサンを使用することはその折曲がり構造に起因してポリイミド膜の線熱膨張係数の急激な増大を引き起こす恐れがある。
特公昭51-48198号公報に開示されているように、パラフェニレンジアミンを水添して得られる1,4-ジアミノシクロヘキサンは通常、シス/トランス混合物として得られるが、これをそのまま重合に供した場合は公知の反応条件でも問題なく重合が進行する。
また、ジアミン成分にトランス1,4-ジアミノシクロヘキサン単独ではなく他の屈曲性脂肪族ジアミンと共重合するとやはり公知の反応条件でも問題なく重合が進行する。しかしながらトランス1,4-ジアミノシクロヘキサン単独でなく、上記のような混合物を使用することは、得られるポリイミド膜の線熱膨張係数の急激な増加およびガラス温度の低下を招く恐れがあり避けるべきである。
図2は酸二無水物モノマーである1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物の立体配置の例を示しており、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物は図2に示すanti型立体配置のものが特に望ましい。syn型1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物の使用はその折れ曲がり構造に起因して線熱膨張係数の増大を招く恐れがある。
係る知見に基づいてなされた請求項1記載の発明は、トランス1,4-ジアミノシクロヘキサンと、シリル化剤とを反応させて中間生成物を生成した後、前記中間生成物と1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物とを反応させ、繰り返し構造単位が下記単位構造式(1)で表される全脂環式ポリイミド前駆体を製造するポリイミド前駆体の製造方法である。
Figure 2005146072
(上記単位構造式(1)中、RはH又はシリル基であって、前記ポリイミド前駆体は、1つの単位構造式中の置換基Rのうちいずれか一方又は両方がシリル基である単位構造を少なくとも1つ有する)
請求項2記載の発明は、請求項1記載のポリイミド前駆体の製造方法であって、前記シリル化剤として、化学構造中にハロゲン原子を有しない非ハロゲン化シリル化剤を用いるポリイミド前駆体の製造方法である。
請求項3記載の発明は、請求項2記載のポリイミド前駆体の製造方法であって、前記非ハロゲン化シリル化剤としてN,O-ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミドとN,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミドのいずれか一方又は両方を用いるポリイミド前駆体の製造方法である。
請求項4記載の発明は、前記単位構造式(1)で中のRはH又はSi(CH3)3基であり、前記トランス1,4-ジアミノシクロヘキサンと、シリル化剤とを所定割合で反応させる請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のポリイミド前駆体の製造方法であって、化学構造全体に含有されるRのうち、Si(CH3)3基からなるRの数をA、HからなるRの数をBとすると、下記数式(1)で表されるシリル化率が0.4以上0.9以下になる割り合いで、前記シリル化剤と前記トランス1,4-ジアミノシクロヘキサンとを反応させるポリイミド前駆体の製造方法である。
シリル化率=A/(A+B)……数式(1)
請求項5記載の発明は、トランス1,4-ジアミノシクロヘキサンと、シリル化剤とを重合溶媒中で反応させて中間生成物を生成した後、前記重合溶媒中に1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を添加し、前記中間生成物と、前記1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物とを反応させ、ポリイミド前駆体が前記重合溶媒中に分散又は溶解されたポリイミド前駆体有機溶媒溶液を製造するポリイミド前駆体有機溶媒溶液の製造方法である。
請求項6記載の発明は、請求項5記載のポリイミド前駆体有機溶媒溶液を塗布対象物に塗布し、キャスト膜を形成した後、前記キャスト膜中のポリイミド前駆体をイミド化するポリイミド膜の製造方法であって、前記重合溶媒に、前記トランス1,4-ジアミノシクロヘキサンと、前記シリル化剤と、前記1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物と、前記中間生成物に対して親和性が高い高沸点溶媒を含有させ、前記重合溶媒と親和性が高く、かつ前記重合溶媒よりも沸点が低い洗浄液を前記キャスト膜に接触させ、前記キャスト膜を洗浄した後、前記イミド化を行うポリイミド膜の製造方法である。
請求項7記載の発明は、請求項6記載のポリイミド膜の製造方法であって、前記高沸点溶媒としてヘキサメチルホスホルアミドを用い、前記洗浄液としてアルコールを用いるポリイミド膜の製造方法である。
請求項8記載の発明は、繰り返し構造単位が上記単位構造式(1)で表され、上記単位構造式(1)中の置換基RはHまたはSi(CH3)3基である全脂環式ポリイミド前駆体であって、1つの単位構造式中の置換基Rのうち、いずれか一方又は両方がSi(CH3)3基である単位構造を少なくとも一つ有し、かつ固有粘度が1.0dl/g以上であるポリイミド前駆体である。
請求項9記載の発明は、請求項8記載のポリイミド前駆体であって、上記単位構造式(1)中の各1,4-シクロヘキサン残基の立体構造がトランス配置であることを特徴とするポリイミド前駆体である。
請求項10記載の発明は、請求項8又は請求項9のいずれか1項記載のポリイミド前駆体であって、全化学構造中、Si(CH3)3基からなる置換基Rの合計数をA、水素からなる置換基Rの合計数をBとすると、下記数式(1)で表されるポリイミド前駆体のシリル化率が0.4以上0.9以下の範囲であるポリイミド前駆体である。
シリル化率=A/(A+B)……数式(1)
請求項11記載の発明は、繰り返し構造単位が下記単位構造式(2)で表され、下記単位構造式(2)中の各1,4-シクロヘキサン残基の立体構造がトランス配置であることを特徴とするポリイミドである。
Figure 2005146072
請求項12記載の発明は、請求項11項記載のポリイミドを主成分とするポリイミド膜である。
尚、本発明でポリイミド前駆体のシリル化率とは、1構造単位中だけに含まれるSi(CH3)3基と水素の数から求められるものではなく、ポリイミド前駆体分子全体に含まれるSi(CH3)3基からなる置換基Rの数と、水素からなる置換基Rの数から求められるものである。
本発明によれば、低誘電率、低線熱膨張係数、高ガラス転移温度、高透明性、十分な強靭さ、成膜加工性を併せ持つポリイミド膜を製造することができる。また、本発明の製造方法によれば、重合溶媒に対する分散性が高いポリイミド前駆体が得られ、そのようなポリイミド前駆体の有機溶媒溶液は溶液貯蔵安定性に優れている。
以下に本発明を詳細に説明する。
前述のように、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物とトランス1,4-ジアミノシクロヘキサンとの重合系では反応初期に強固な塩が形成され、如何なる溶媒、温度条件によっても重合を進行せしめることが困難である。そこで塩形成を回避すべくシリル化法を用いることでポリイミド前駆体製造に関する問題の解決に至った。
先ずトランス1,4-ジアミノシクロヘキサンを重合溶媒に溶解し、そこへ適切量のN,O-ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミドあるいはN,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミドを滴下してシリル化を行う。その後シリル化ジアミンを単離せずに、そのままその溶液に等モルの1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物粉末を徐々に加えて室温で数時間攪拌し、粘稠で透明な均一溶液を得る。
トランス1,4-ジアミノシクロヘキサンは、シリル化、又はカルボン酸二無水物との反応の前にn-ヘキサンにより再結晶を繰り返して着色成分を完全に除去してから用いることが好ましい。さもなければ得られるポリイミド膜の着色を引き起こす恐れがある。
一般に知られているシリル化法としては、第49回高分子討論会予稿集, p1917 (2000年)に開示されているものがあり、このシリル化法ではシリル化剤として代表的なトリメチルシリルクロライドを用いてトリエチルアミンのような塩化水素受容剤の存在化、脂肪族ジアミンをシリル化したのち、蒸留によってこれを単離・精製して酸二無水物との重合反応に供するものである。
ここでトリメチルシリルクロライドと脂肪族ジアミンとの反応により発生する塩化水素は受容剤としてのトリエチルアミンだけでなく重合反応成分としての脂肪族ジアミンにも一部付加し、塩酸塩を形成する。脂肪族ジアミンの塩酸塩は重合反応性を失うばかりか溶解度の低下によって沈澱してしまうため、シリル化ジアミンを単離せずにこの反応溶液に引き続き酸二無水物を添加して重合をおこなうことはモルバランスが崩れているため不可能である。
一般にシリル化ジアミンの単離・精製工程が必要なのはこのためである。またシリル化ジアミンは空気中の僅かな水分と容易に反応して分解するため、場合によってはグローブボックス等の設備が必要となり単離・生成工程時が煩雑になる。
しかしながら本発明におけるポリイミド前駆体の製造工程はこのようなシリル化ジアミンの単離・精製工程を一切含まない。シリル化剤として化学構造中にハロゲン原子を有しない非ハロゲン化シリル化剤を用いると、脂環式ジアミンをシリル化するときに副生成物として塩化水素のようなハロゲン化水素が発生しない。
例えば、非ハロゲン化シリル化剤としてN,O-ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド又はN,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミドのいずれか一方又は両方を用いると、脂環式ジアミンがシリル化剤と反応してシリル化した後、副生成物として発生するのは重合反応に無害なアセトアミド類のみであり、副生成物として塩化水素を発生することはないため、そこへ引き続き酸二無水物を添加してもモルバランスは保持されているためである。なお、副生成物としてのアセトアミド類は、ポリイミド前駆体を製造した後、該ポリイミド前駆体を熱イミド化反応時に溶媒と共に揮発するため全く問題がない。
また、脂環式ジアミンがシリル化されるときに塩化水素が発生しないから、本発明では3級アミンのような中和剤を使用せずにすむ。従って、形成されるポリイミド膜中に塩類が残留しない。
単位構造式(1)で表される全脂環式ポリイミド前駆体系では重合反応の成功の鍵は、シリル化率Xの制御である。脂環式ジアミンのシリル化率xと、ポリイミド前駆体のシリル化率Xはシリル化剤の添加量を調節することで制御可能である。
脂環式ジアミンとシリル化剤とを反応させると、脂環式ジアミンのアミノ基の水素がシリル基(Si(CH3)3基)に置換される。重合溶媒中で生成され全中間生成物のアミノ基のうち、シリル基で置換されたアミノ基の数をa、シリル基で置換されていないアミノ基の数をbとすると、中間生成物のシリル化率x(全中間生成物の平均シリル化率)は下記数式(2)で表される。
x=a/(a+b)……数式(2)
1個の脂環式ジアミンは1個のカルボン酸二無水物と反応して1個の構造単位を形成するので、重合溶媒に中間生成物と等モル以上のカルボン酸二無水物を添加し、中間生成物を全てカルボン酸二無水物と反応させた場合には、重合溶媒中で生成されるポリイミド前駆体のシリル化率Xは中間生成物のシリル化率xと等しくなる。
中間生成物のシリル化率は重合溶媒に添加する脂環式ジアミンとシリル化剤の量で調整することができる。脂環式ジアミンは化学構造中に2個のアミノ基を有するので、シリル化剤が1モル当たりs個のシリル基を有するとすると、cモルの脂環式ジアミンを用いて、シリル化率Xの中間生成物とポリイミド前駆体を得るためには、2c・X/sモルのシリル化剤を脂環式ジアミンと反応させればよい。
例えば、シリル化剤としてN,O-ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミドやN,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミドのように1分子中に2個のシリル基を有するものを用い、中間生成物及びポリイミド前駆体のシリル化率を0.4以上0.9以下にするためには、それらシリル化剤を0.4cモル以上0.9cモル以下添加すればよい。
中間生成物のシリル化率Xは0.4以上0.9以下の範囲であることが好ましく、シリル化率がこの範囲であれば、中間生成物とカルボン酸二無水物とを反応させた後に透明で粘稠な均一な重合溶液が得られる。
Xが0.4未満であると、カルボン酸二無水物との重合時に塩形成が起こり、重合が進行しない。またXが0.9を超える場合は均一な重合溶液が得られず、高重合度のポリイミド前駆体を得ることは困難である。これはシリル化率が非常に高い場合、ポリイミド前駆体鎖同士の水素結合により、ポリイミド前駆体の重合溶媒に対する溶解度が極端に低下して、重合反応が十分進む前にポリイミド前駆体が一部沈澱してしまうためである。
Xが0.4以上0.9以下の範囲ではポリイミド前駆体は適度にカルボキシ基を保有することになり、これが重合溶媒と強く溶媒和して、生成するポリマーの溶解度を高める結果になっている。これまで一般にシリル化はポリイミド前駆体の溶解度を飛躍的に高めるとされていたが、本発明においてはむしろポリイミド前駆体のシリル化率を0.4以上0.9以下に制御することで重合に関する問題の解決に至った。
また本発明においては重合溶媒の選択が極めて重要である。重合溶媒としてはヘキサメチルホスホルアミド単独、あるいはヘキサメチルホスホルアミドとN,N-ジメチルアセトアミドの混合溶媒やヘキサメチルホスホルアミドとN-メチル-2-ピロリドンの混合溶媒が好ましい。重合溶媒が適切でないと、脂環式ジアミンとテトラカルボン二酸無水物、又は中間生成物とテトラカルボン酸二無水物との重合時の塩形成により重合が全く進まないか、一部重合反応が起っても沈澱、ゲル化などにより均一な重合溶液が得られず成膜ができなくなる恐れがある。
ポリアミド等の重合の際しばしば添加される高分子溶解促進剤即ちリチウムブロマイドやリチウムクロライドの如き金属塩類は、本発明に係る重合系では一切使用する必要がない。これらの金属塩類はポリイミド膜中に金属イオンが痕跡量でも残留すると、電子デバイスとしての信頼性を著しく低下させるため用いられるべきではない。
上述した数式(1)で表されるシリル化率Xが0.4以上0.9以下の範囲外では前述のように重合が進行しないが、これに対する上記の塩類の溶解促進効果は殆ど見られず、塩類添加だけで重合反応性を改善することはできない。
得られたポリイミド膜中には必要に応じて酸化防止剤、フィラー、シランカップリング剤、感光剤、光重合開始剤および増感剤等の添加物が混合されていても差し支えない。
塗布対象物である基板上に塗布されたポリイミド前駆体溶液は、強制循環式熱風乾燥器中あるいは真空乾燥器中40℃以上120℃以下範囲で乾燥され、塗布膜(キャスト膜)となる。
この際40℃未満では乾燥に長時間を要するばかりか、膜中に多量の溶媒が残留し、イミド化時に溶媒の急激な蒸発により気泡が発生しやすく、良質なポリイミド膜を得るのに好ましくない。また120℃を超える高温での乾燥ではキャスト膜が脆弱になる傾向があり、強靭なポリイミド膜を得るのに好ましくない。
公知の方法ではポリイミド膜は基板上のキャスト膜をそのまま200℃以上400℃以下の温度に加熱することでキャスト膜中のポリイミド前駆体をイミド化して製造されるが、本発明に係る上記単位構造式(1)で表されるポリイミド前駆体のキャスト膜では公知の方法に従って熱イミド化すると、窒素雰囲気中あるいは真空中にかかわらず膜は激しく断裂および黒色化して、ポリイミド膜を製造することが困難になる。これは溶媒として使用したヘキサメチルホスホルアミドが非常に揮発しにくいため、イミド化時に膜中に滞留しやすく、ヘキサメチルホスホルアミド自身の熱分解や、ポリイミド前駆体と何らかの反応が引き起こされためと考えられる。
ポリイミド前駆体のキャスト膜を水中に浸漬することで、ヘキサメチルホスホルアミド等の水溶性残留溶媒をほぼ完全に抽出・除去することは可能である。しかしながら、水中への浸漬は基板と膜との間の接着力の低下を招き、剥れの原因となるばかりか、膜の激しい収縮をも引き起こす。この大きな膜収縮はイミド化時にポリイミド膜の割れを誘発し、基板上へのポリイミド膜の形成を困難にする。
鋭意研究の結果、メタノール等のアルコール類からなる洗浄液へキャスト膜を浸漬し、該洗浄液をキャスト膜に接触させて洗浄を行うと、膜の収縮や基板からの剥れを抑制し、同時にヘキサメチルホスホルアミド等の残留溶媒をほぼ完全に抽出・除去を可能にすることを見出し、製膜時の問題解決に至った。
洗浄液を構成するアルコールはメタノールに限定されるものではなく、エタノール、ブタノール、プロパノール等を用いることもできる。また、これらのアルコールは単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
このようにして基板上に形成されたポリイミド前駆体膜(キャスト膜)を減圧下(大気圧よりも圧力が低い条件)で200℃以上400℃以下、好ましくは300℃以上350℃以下の温度で熱処理することで強靭なポリイミド膜が得られる。
キャスト膜を加熱するときの温度が300℃未満ではイミド化が完結しない場合があり、350℃を超える場合ではポリイミド膜の着色が起る。キャスト膜中のポリイミド前駆体をイミド化する工程は熱処理に限定されるものではなく、イミド化反応はポリイミド前駆体の膜を無水酢酸と三級アミン等の混合物等の脱水試薬と反応させて化学的に行うこともできる。
本発明に係るポリイミドは全脂環構造を有するため、脂環構造を全く含まない全芳香族ポリイミドに比べると長期熱安定性に劣るが、ガラス転移温度、窒素中での熱分解温度が共に400℃以上であり、ハンダ耐熱性の如き短期耐熱性は充分高く、上記産業分野への応用には全く問題がない。
また、上記単位構造式(2)で表される本発明のポリイミドは1MHzでの誘電率が2.7以下と低いだけではなく、線熱膨張係数が25ppm以下と低く、また高透明性と靭性をも兼ね備えている。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<実施例1>
よく乾燥した攪拌機付密閉反応容器中に再結晶・精製済みのトランス-1,4-ジアミノシクロヘキサン5.710g(0.05モル)を入れ、十分に脱水したヘキサメチルホスホルアミドとN,N-ジメチルアセトアミドの混合溶媒(体積比3:1)からなる重合溶媒150mLに溶解した後、シリル化剤としてシリンジにてN,O-ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド7.0mL(0.025モル)をゆっくりと滴下し、室温で1時間攪拌してシリル化(シリル化率X=0.5)を行った。
この溶液に1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物粉末9.806g(0.05モル)を徐々に加え室温で24時間撹拌した。得られたポリイミド前駆体溶液は室温で2週間放置しても沈澱、ゲル化は全く起こらず、また粘度変化も殆どない極めて高い溶液貯蔵安定を示した。重合時と同じ溶媒中、30℃で測定した固有粘度は4.3dL/gと高く、極めて高重合体のポリイミド前駆体が得られたことがわかる。
このポリイミド前駆体溶液を塗布対象物であるガラス基板に塗布し、60℃、2〜4時間で乾燥して得たポリイミド前駆体膜(キャスト膜)を、洗浄液であるメタノールに4〜24時間浸漬して残留溶媒を完全に除去した。
これを基板上で減圧下340℃、3時間で加熱してイミド化を行い膜厚10μmの透明で強靭な全脂環式ポリイミド膜を得た。
膜物性は、誘電率=1.1×平均屈折率の2乗より見積もられた誘電率2.65(1MHzに対応)、線熱膨張係数25ppm/K(100℃〜200℃の間の平均値)、およびガラス転移温度は423℃、カットオフ波長240nm、窒素雰囲気中の5%重量減少温度(昇温速度10℃/min)437℃、空気中で398℃であり、目的とする特性を全て満足することができた。合成したポリイミド前駆体膜およびポリイミド膜の赤外線吸収スペクトルを図3、図4にそれぞれ示し、ポリイミド前駆体膜およびポリイミド膜のピークテーブルを下記表1、表2に記載する。
尚、図3、4中の縦軸は透過率(%)をそれぞれ示し、横軸は波数(cm-1)をそれぞれ示している。
Figure 2005146072
Figure 2005146072
尚、上記表1、2中、波数の単位はcm-1であり、透過率の単位は%である。
<比較例1>
よく乾燥した攪拌機付密閉反応容器中に再結晶・精製済みのトランス-1,4-ジアミノシクロヘキサン5.710g(0.05モル)を入れ、十分に脱水したN,N-ジメチルアセトアミドからなる重合溶媒150mLに溶解した。ジアミンのシリル化を行わないで1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物粉末9.806g(0.05モル)を徐々に加え室温で撹拌した。しかし、重合初期に強固な塩が形成され、室温で数週間〜1ヶ月間攪拌を継続しても、重合が全く進行しなかった。
重合溶媒としてN,N-ジメチルアセトアミドの他にN,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ジメチルスルホオキシド、γ-ブチロラクトン、ジグライム、m−クレゾール、ヘキサメチルホスホルアミド、ヘキサメチルホスホルアミド/N,N-ジメチルアセトアミド混合溶媒、ヘキサメチルホスホルアミド/N-メチル-2-ピロリドン混合溶媒、テトラヒドロフラン/メタノール混合溶媒を用いて重合を試みたが、あらゆる溶媒系で全く重合は進行しなかった。
またこれらの溶媒系で溶質濃度1〜15重量%の濃度範囲、室温〜150℃の温度範囲で重合反応を試みたが、同様に全く重合しなかった。更に、ピリジンやトリエチルアミンのような三級アミンあるいはリチウムクロライドのような無機塩類も用いたがこれらの添加効果は全く見られず重合は全く進行しなかった。
(実施例2)
よく乾燥した攪拌機付密閉反応容器中に再結晶・精製済みのトランス-1,4-ジアミノシクロヘキサン5.710g(0.05モル)を入れ、十分に脱水したヘキサメチルホスホルアミドとN,N-ジメチルアセトアミドの混合溶媒(体積比3:1)からなる重合溶媒150mLに溶解した後、シリンジにてN,O-ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミドからなるシリル化剤14.1mL(0.05モル)をゆっくりと滴下し、室温で1時間攪拌してシリル化(シリル化率X =1.0)を行った。
この溶液に1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物粉末9.806g(0.05モル)を徐々に加え室温で撹拌した。この方法では、ポリイミド前駆体有機溶媒溶液が得られたものの、その溶液中にはポリイミド前駆体の一部が沈殿し、数週間攪拌を継続しても均一な溶液は得られなかった。これはポリイミド前駆体中のカルボキシ基が全てシリル化されているため、溶媒和しにくく、ポリマー鎖間の水素結合により重合途中で一部沈澱したためである。シリル化率X =0.4よりも低い場合では重合初期に強固な塩が形成され、重合が進行しなかった。
<実施例3>
よく乾燥した攪拌機付密閉反応容器中に再結晶・精製済みのトランス-1,4-ジアミノシクロヘキサン5.710g(0.05モル)を入れ、十分に脱水したN,N-ジメチルアセトアミドからなる重合溶媒150mLに溶解した後、シリンジにてN,O-ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミドからなるシリル化剤7.0mL(0.025モル)をゆっくりと滴下し、室温で1時間攪拌してシリル化(シリル化率X =0.5)を行った。
この溶液に1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物粉末9.806g(0.05モル)を徐々に加え室温で撹拌した。この方法では、ポリイミド前駆体有機溶媒溶液が得られたものの、その溶液中のポリイミド前駆体の一部が沈殿し、一ヶ月間攪拌を継続しても粘稠で均一な溶液は得られなかった。これは部分シリル化ポリイミド前駆体のN,N-ジメチルアセトアミドに対する溶解度が乏しく、重合途中で一部沈澱したためである。重合溶媒としてヘキサメチルホスホルアミドを含まない場合はリチウムクロライドの添加の有無にかかわらず如何なるシリル化率でも同様に、粘稠で均一な溶液は得られなかった。
<実施例4>
実施例1で重合したポリイミド前駆体の溶液をガラス基板に塗布し、60℃、2時間で乾燥してポリイミド前駆体膜を得た。残留溶媒を除去する工程を経ずに、これを基板上で減圧下340℃、3時間で熱的にイミド化を行ったところ、ポリイミド膜が得られた。
しかしながら得られたポリイミド膜は部分的に黒色化しており、また膜の断裂も一部に見られた。これは溶媒として使用したヘキサメチルホスホルアミドが非常に揮発しにくいため、イミド化時に膜中に滞留しやすく、ヘキサメチルホスホルアミド自身の熱分解や、ポリイミド前駆体と何らかの反応が引き起こされためと考えられる。
(比較例2)
よく乾燥した攪拌機付密閉反応容器中に4,4'-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)からなる脂環式アミン10.518g(0.05モル)を入れ、十分に脱水したN,N-ジメチルアセトアミドからなる重合溶媒200mLに溶解した後、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物からなるカルボン酸二無水物の粉末9.806g(0.05モル)を徐々に加え室温で24時間撹拌した。この系では脂環式ジアミンのシリル化なしで公知の方法で容易に重合が進行した。
基板上で減圧下300℃、1時間で熱的にイミド化して得られたポリイミド膜は誘電率=1.1×平均屈折率の2乗より見積もられた誘電率が2.6と低誘電率を示したが、線熱膨張係数が70ppm/Kと低熱膨張特性を示さなかった。これは用いた脂環式ジアミンの屈曲構造により熱イミド化時の自発的面内配向が阻害されたためである。
(比較例3)
よく乾燥した攪拌機付密閉反応容器中に1,4-ジアミノシクロヘキサン(トランス/シス混合物)からなる脂環式アミン5.710g(0.05モル)を入れ、十分に脱水したN,N-ジメチルアセトアミドからなる重合溶媒150mLに溶解した後、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物からなるカルボン酸二無水物の粉末9.806g(0.05モル)を徐々に加え室温で24時間撹拌した。この系では脂環式ジアミンのシリル化なしで公知の方法で容易に重合が進行した。基板上で減圧下340℃、1時間で熱的にイミド化して得られたポリイミド膜は脆弱であったが誘電率=1.1×平均屈折率の2乗より見積もられた誘電率が2.6と低誘電率を示した。しかしながら線熱膨張係数が60ppm/Kと低熱膨張特性を示さなかった。これは用いた脂環式ジアミンに折曲がり構造のシス1,4-ジアミノシクロヘキサンが含まれていたため熱イミド化時の自発的面内配向が阻害されたためである。
(比較例4)
よく乾燥した攪拌機付密閉反応容器中にパラフェニレンジアミンからなる芳香族ジアミン5.407g(0.05モル)を入れ、十分に脱水したN,N-ジメチルアセトアミドからなる重合溶媒200mLに溶解した後、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物からなるカルボン酸二無水物の粉末14.711g(0.05モル)を徐々に加え室温で3時間撹拌した。この系ではジアミンのシリル化なしで公知の方法で容易に重合が進行した。基板上で減圧下350℃、1時間で熱的にイミド化して得られたポリイミド膜では線熱膨張係数は6.0ppm/Kと低熱膨張特性を示したが、誘電率=1.1×平均屈折率の2乗より見積もられた誘電率が3.5と低誘電率を示さなかった。これは芳香族モノマーを用いたことが原因である。
1,4-ジアミノシクロヘキサンの立体構造を示す図 4,4'-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)の分子構造を示す図 本発明の一例のポリイミド前駆体膜の赤外線吸収スペクトルを示す図 本発明の一例のポリイミド膜の赤外線吸収スペクトルを示す図

Claims (12)

  1. トランス1,4-ジアミノシクロヘキサンと、シリル化剤とを反応させて中間生成物を生成した後、前記中間生成物と1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物とを反応させ、繰り返し構造単位が下記単位構造式(1)で表される全脂環式ポリイミド前駆体を製造するポリイミド前駆体の製造方法。
    Figure 2005146072
    (上記単位構造式(1)中、RはH又はシリル基であって、前記ポリイミド前駆体は、1つの単位構造式中の置換基Rのうちいずれか一方又は両方がシリル基である単位構造を少なくとも1つ有する)
  2. 前記シリル化剤として、化学構造中にハロゲン原子を有しない非ハロゲン化シリル化剤を用いる請求項1記載のポリイミド前駆体の製造方法。
  3. 前記非ハロゲン化シリル化剤としてN,O-ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミドとN,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミドのいずれか一方又は両方を用いる請求項2記載のポリイミド前駆体の製造方法。
  4. 前記単位構造式(1)で中のRはH又はSi(CH3)3基であり、前記トランス1,4-ジアミノシクロヘキサンと、シリル化剤とを所定割合で反応させる請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のポリイミド前駆体の製造方法であって、
    化学構造全体に含有されるRのうち、Si(CH3)3基からなるRの数をA、HからなるRの数をBとすると、下記数式(1)で表されるシリル化率が0.4以上0.9以下になる割り合いで、前記シリル化剤と前記トランス1,4-ジアミノシクロヘキサンとを反応させるポリイミド前駆体の製造方法。
    シリル化率=A/(A+B)……数式(1)
  5. トランス1,4-ジアミノシクロヘキサンと、シリル化剤とを重合溶媒中で反応させて中間生成物を生成した後、前記重合溶媒中に1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を添加し、前記中間生成物と、前記1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物とを反応させ、ポリイミド前駆体が前記重合溶媒中に分散又は溶解されたポリイミド前駆体有機溶媒溶液を製造するポリイミド前駆体有機溶媒溶液の製造方法。
  6. 請求項5記載のポリイミド前駆体有機溶媒溶液を塗布対象物に塗布し、キャスト膜を形成した後、前記キャスト膜中のポリイミド前駆体をイミド化するポリイミド膜の製造方法であって、
    前記重合溶媒に、前記トランス1,4-ジアミノシクロヘキサンと、前記シリル化剤と、前記1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物と、前記中間生成物に対して親和性が高い高沸点溶媒を含有させ、
    前記重合溶媒と親和性が高く、かつ前記重合溶媒よりも沸点が低い洗浄液を前記キャスト膜に接触させ、前記キャスト膜を洗浄した後、前記イミド化を行うポリイミド膜の製造方法。
  7. 前記高沸点溶媒としてヘキサメチルホスホルアミドを用い、
    前記洗浄液としてアルコールを用いる請求項6記載のポリイミド膜の製造方法。
  8. 繰り返し構造単位が上記単位構造式(1)で表され、上記単位構造式(1)中の置換基RはHまたはSi(CH3)3基である全脂環式ポリイミド前駆体であって、
    1つの単位構造式中の置換基Rのうち、いずれか一方又は両方がSi(CH3)3基である単位構造を少なくとも一つ有し、かつ固有粘度が1.0dl/g以上であるポリイミド前駆体。
  9. 上記単位構造式(1)中の各1,4-シクロヘキサン残基の立体構造がトランス配置であることを特徴とする請求項8記載のポリイミド前駆体。
  10. 全化学構造中、Si(CH3)3基からなる置換基Rの合計数をA、水素からなる置換基Rの合計数をBとすると、
    下記数式(1)で表されるポリイミド前駆体のシリル化率が0.4以上0.9以下の範囲である請求項8又は請求項9のいずれか1項記載のポリイミド前駆体。
    シリル化率=A/(A+B)……数式(1)
  11. 繰り返し構造単位が下記単位構造式(2)で表され、下記単位構造式(2)中の各1,4-シクロヘキサン残基の立体構造がトランス配置であることを特徴とするポリイミド。
    Figure 2005146072
  12. 請求項11項記載のポリイミドを主成分とするポリイミド膜。
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