JP2001071437A - 窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルム

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JP2001071437A JP20706599A JP20706599A JP2001071437A JP 2001071437 A JP2001071437 A JP 2001071437A JP 20706599 A JP20706599 A JP 20706599A JP 20706599 A JP20706599 A JP 20706599A JP 2001071437 A JP2001071437 A JP 2001071437A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色材として顔料を用いてもフィルムの濁りの
発生が少ない窓貼り用フィルムを提供する。 【解決手段】 染料を含有するポリエステル層の両面に
ポリエステル層を有する、少なくとも3層構造の共押出
積層フィルムであって、平均一次粒径5〜100nmの
カーボンブラックを0.001〜1.2重量%含有し、
可視光線透過率が3〜60%、フィルムヘーズが5%以
下であることを特徴とする窓貼り用二軸配向ポリエステ
ルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の窓、建築
物の窓等のガラスに貼り合わせをして使用される窓貼り
用二軸配向ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の窓や建築物の窓等に、プライバ
シーの保護、意匠性、日照調整、ガラス飛散防止等の目
的で張り合わされるフィルムには、耐熱性、耐水性、耐
薬品性、透明性、機械的強度に優れているポリエステル
フィルムが良く用いられる。特許第2699397号公
報には、3層以上の積層ポリエステルフィルムの内層に
染料を含有させた複合フィルムを、窓貼り用ポリエステ
ルフィルムとして用いることが提案されている。
【0003】しかしながら、上記複合ポリエステルフィ
ルムは、染料を含有させた状態でポリエステルの溶融押
出しを行うものであり、必然的に染料はポリエステルの
溶融温度以上の温度にさらされる。この温度で分解を起
こさない染料は少数に限られており、またそれらは概し
て高価であり、それらを用いたフィルムも自ずと高価な
ものとなる。
【0004】一方、フィルムに遮光性を付与するために
は、染料の他に顔料を用いることが有効なのは良く知ら
れている。一般に顔料は、ポリエステルの溶融温度で安
定なものが多く、また染料に比べて安価であることが多
い。ところで窓貼り用フィルムには、窓を通して見た視
界に濁りが無い(フィルムヘーズが低い)ことが求めら
れるが、フィルム中に顔料を添加すると、多くの場合フ
ィルムに濁りが発生し、見通しを悪化させる結果となっ
ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決課題は、
色材として顔料を用いてもフィルムの濁りの発生が少な
い窓貼り用フィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記実情に
鑑み、ある特定の構成を持つポリエステルフィルムがこ
れらの特性を高度に満足することを知見し、本発明を完
成するに至った。すなわち、本発明の要旨は、染料を含
有するポリエステル層の両面にポリエステル層を有す
る、少なくとも3層構造の共押出積層フィルムであっ
て、平均一次粒径5〜100nmのカーボンブラックを
0.001〜1.2重量%含有し、可視光線透過率が3
〜60%、フィルムヘーズが5%以下であることを特徴
とする窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルムに存す
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、少な
くとも3層以上のポリエステル層が積層された構造のフ
ィルムであることが必要で、さらに詳しくは、全ての層
が押出口金からともに溶融押し出しされる、いわゆる共
押出法により押し出されたフィルムであって、通常、縦
方向および横方向の二軸方向に配向させたフィルムであ
る。このような積層フィルムは、両面に表層を有し、そ
の間には中間層を有するが、この中間層自体が積層構造
となっていてもよい。
【0008】本発明のポリエステルフィルムは、積層さ
れた各層に用いるポリエステルが、芳香族ジカルボン酸
と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものであ
る。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グ
リコールとしては、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙
げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−
ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示され
る。
【0009】本発明で用いるポリエステルは、合計で2
0モル%以内であれば第三成分を含有した共重合体であ
ってもよい。共重合ポリエステルのジカルボン酸成分と
しては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン
酸、オキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸な
ど)の一種または二種以上が揚げられれ、グリコール成
分として、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール
等の一種または二種以上が挙げられる。
【0010】本発明の窓貼り用二軸配向ポリエステルフ
ィルムは、その積層構造の中間層に染料を存在させる必
要がある。ここで用いる染料としては、ポリエステルに
溶解するものであり、かつポリエステルの成型温度で分
解が少ないものが好ましい。このような染料は、化学構
造的にはアントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系、
アゾメチン系、複素環系染料等が好ましく挙げられ、染
色処方的には油溶性染料が好適である。これらの染料
は、たとえばスモーク調やブラウン調に調色するため
に、適宜選択して数種混合して使用されるのが一般的
で、またこれら染料のポリエステル中の含有量は、通常
0.01〜10重量%の範囲から適宜選ぶことができ
る。
【0011】本発明の窓貼り用二軸配向ポリエステルフ
ィルムは、平均一次粒径が5〜100nmの範囲にある
カーボンブラックを含有していることが必要である。こ
こでいう平均一次粒径とは、単体であるいはポリエステ
ル中に存在するカーボンブラックの粒子を、電子顕微鏡
で観察して測定した粒子径であり、粒子が凝集体として
存在している場合には、これを構成する一次粒子の粒子
径を指す。平均一次粒子径は10〜50nmの範囲であ
ることがさらに好ましい。平均一次粒径が100nmを
超える場合には、フィルムヘーズが高くなりやすく、フ
ィルムの濁りの原因となる。一方、カーボンブラック粒
子は、微細な一次粒子が凝集して凝集体として存在する
ことがあるが、この凝集体をポリエステル中に存在させ
て二軸延伸を施すと、フィルムにかかる延伸応力がこの
凝集体にも作用して、分散する現象が見られる。しかし
ながら、平均一次粒径が5nm未満カーボンブラックの
場合には、この一次粒子間の凝集力が強すぎて、フィル
ムを延伸する際の延伸応力で凝集体が分散し難くなるた
め好ましくない。
【0012】フィルム中のカーボンブラック含有量は
0.001〜1.2重量%であり、好ましくは0.00
5〜0.5重量%の範囲である。含有量が1.2重量%
を超えると、フィルムヘーズが高くなりやすく、逆に
0.001重量%未満である場合には、カーボンブラッ
クの遮光性・着色性が十分でなく、本発明の効果が享受
されない。
【0013】本発明の窓貼り用二軸配向ポリエステルフ
ィルムは、少なくとも3層以上のポリエステル層が積層
されたフィルムであるが、上記の色材としてのカーボン
ブラックを含有させるポリエステル層は、任意の層を選
ぶことができる。すなわち、中間層にカーボンブラック
を存在させることも可能であるし、あるいは表層の片側
あるいは両側に存在させることも可能であるし、表層・
中間層の両方に存在させることも可能である。
【0014】本発明の窓貼り用二軸配向ポリエステルフ
ィルムは、フィルムヘーズが5%以下であることが必要
であり、4%以下であることが好ましい。フィルムヘー
ズが5%を超える場合には、このフィルム越しに見た視
界に濁りが目立つようになり、透明性を損なう結果とな
り好ましくない。
【0015】本発明の窓貼り用二軸配向ポリエステルフ
ィルムは、前述したように中間層に存在する染料、およ
び任意の層に存在するカーボンブラックの添加量で遮光
性を調整することで、可視光線透過率が3〜60%とす
ることが必要である。3%未満の場合には、遮光性が強
すぎて窓貼り用フィルムとしては視界が暗くなり過ぎ、
60%を超える場合には、逆に明る過ぎて好ましくな
い。
【0016】前述した染料およびカーボンブラックをポ
リエステルに添加する方法は、フィルムを溶融成型する
際に、これらを粉体あるいは水などのスラリーとして添
加する方法でもよいが、装置の汚染の問題を考慮する
と、あらかじめ染料やカーボンブラックのマスターバッ
チを作成しておき、フィルムの溶融成型時にこれらのマ
スターバッチを添加することが好ましい。またこれらの
溶融成型の際には、ポリエステルに分散良く混練りしな
がら行うために、特に二軸押出機を用いることが好まし
い。
【0017】本発明のポリエステルフィルムは、表面の
滑り性を確保するために、その表層に微細な突起を形成
させ得るに十分な粒子径と添加量の微粒子を含有させる
ことができる。この目的で使用できる微粒子としては、
たとえば、平均粒径が0.02〜2.0μmの酸化ケイ
素、炭酸カルシウム、カオリン、架橋有機高分子微粉体
などの一種または二種以上を挙げることができ、添加量
は0.001〜0.3重量%から適宜選択することがで
きる。
【0018】また、表層と中間層の積層厚み構成に関し
ては、フィルム全体の濁りを抑えるために、微粒子の添
加された表層はできるだけ薄いことが好ましい。一方
で、中間層に存在する染料がブリードアウトするのを防
止するためには、表層はむしろ厚い方が好ましい。これ
らを勘案して、フィルム全体の厚みに関わらず、表層厚
みは通常片側0.5〜3.0μmの範囲が好適に用いら
れる。次に本発明の積層ポリエステルフィルムの製造方
法について具体的に説明するが、本発明のフィルムは以
下の製造例に何ら限定されるものではない。
【0019】まず、先に述べたポリエステル原料を使用
し、複数台の押出機、複数層のマルチマニホールドダイ
またはフィ−ドブロックを用い、それぞれのポリエステ
ルを積層して口金から複数層の溶融シートを押出し、冷
却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る。この場
合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷
却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加
密着法および/または液体塗布密着法を採用することが
好ましい。
【0020】次いで、得られた未延伸フィルムは二軸方
向に延伸して二軸配向させる。すなわち、前記の未延伸
シートを縦方向にロール延伸機により延伸する。延伸温
度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃
であり、延伸倍率は、通常2.5〜7倍、好ましくは
3.0〜6倍である。次いで、横方向に延伸を行う。延
伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜11
5℃であり、延伸倍率は、通常3.0〜7倍、好ましく
は3.5〜6倍である。そして、引き続き、170〜2
50℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処
理を行い、二軸延伸フィルムを得る。
【0021】上記の延伸においては、一方向の延伸を2
段階以上で行う方法を用いることもできる。その場合、
最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるよ
うに行うのが好ましい。また、前記の未延伸シートを面
積倍率が10〜40倍になるように同時二軸延伸を行う
ことも可能である。さらに、必要に応じて熱処理を行う
前または後に再度縦および/または横方向に延伸しても
よい。
【0022】上記のフィルムの表面には必要に応じてコ
ーティングを施すことができる。たとえば接着性向上、
帯電防止性付与、耐候性向上および表面の傷付き防止性
能を付与することなどを目的として、インラインあるい
はオフラインあるいはそれらを両方組み合わせたコーテ
ィングを行うことができる。特にインラインで行うコー
ティングでは、上記のフィルムの製造方法において、縦
延伸が終了した段階で主として水を媒体とする塗布液を
塗布した後、テンター内で乾燥・予熱・横延伸を行い、
さらに熱固定を行う一連のプロセスを用いることができ
る。このようにして得られたフィルムを窓ガラス等に貼
り合わせるには、フィルムとガラスとの間に粘着材また
は接着剤等を介して貼り合わせる方法を用いればよい。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、実施例および比
較例中「部」とあるのは「重量部」を示す。また、本発
明で用いた測定法は次のとおりである。
【0024】(1)カーボンブラックの平均一次粒径 フィルムまたはレジンチップの小片あるいは粉体をエポ
キシ樹脂で包埋し、ミクロトームで切片を切り出して、
これを透過型電子顕微鏡写真にて5〜10万倍の倍率で
観測した。平均一次粒子径は、カーボンブラックの一次
粒子を任意に100個選び、これらの粒径を測定してそ
の平均値を平均一次粒径とした。
【0025】(2)可視光線透過率 分光式測色計SE−2000(日本電色(株)製を用い
て各波長の光線透過率を測定し、JIS−A5759に
従って可視光線透過率を算出した。
【0026】(3)フィルムの濁度 JIS−K6714に準じ、濁度計NDH300A(日
本電色社製)を用いてフィルムの濁度(ヘーズ)を測定
した。
【0027】(4)フィルム積層厚み フィルムの小片をエポキシ樹脂で包埋し、厚み方向の断
面を観察できるようにミクロトームで切片を切り出し
て、これを透過型電子顕微鏡写真にて観測した。その断
面のうちフィルム表面とほぼ平行に、明暗によって積層
界面が観察される。その界面とフィルム表面までの距離
を透過型電子顕微鏡写真1枚について平均し、厚みを計
算した。これを少なくとも50枚の写真について行い、
測定値の厚い方から10点、薄い方から10点を削除し
て30点の相加平均をフィルム厚みとした。以下の実施
例および比較例で用いたポリエステル原料の製造方法は
次のとおりである。
【0028】<ポリエステルA>ジメチルテレフタレー
ト100部、エチレングリコール60部および酢酸マグ
ネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温
するとともにメタノールを留去し、エステル交換反応を
行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、
実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、エチル
アシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン
0.04部を添加した後、100分で温度を280℃、
圧力を15mmHgとし、以後も徐々に圧力を減じ、最
終的に0.3mmHgとした。4時間後系内を常圧に戻
し、実質的に微粒子を含まないポリエステルAを得た。
【0029】<ポリエステルB>ジメチルテレフタレー
ト100部、エチレングリコール60部および酢酸マグ
ネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温
するとともにメタノールを留去し、エステル交換反応を
行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、
実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、平均粒
径1.4μmのシリカ粒子を2.0部含有するエチレン
グリコールスラリーを反応系に添加し、さらにエチルア
シッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン
0.04部を添加した後、100分で温度を280℃、
圧力を15mmHgとし、以後も徐々に圧力を減じ、最
終的に0.3mmHgとした。4時間後系内を常圧に戻
しポリエステルBを得た。得られたポリエステルBのシ
リカ粒子含有量は1.0%であった。
【0030】<ポリエステルC>ポリエステルAをベン
ト付き二軸押出機に供して、カーボンブラック(チャン
ネルブラック 平均一次粒径15nm)を6重量%濃度
となるように供給して溶融混練りしてチップ化を行い、
カーボンブラックマスターバッチ ポリエステルCを作
成した。
【0031】<ポリエステルD>ポリエステルAをベン
ト付き二軸押出機に供して、カーボンブラック(オイル
ファーネスブラック 平均一次粒径70nm)を6重量
%濃度となるように供給して溶融混練りしてチップ化を
行い、カーボンブラックマスターバッチ ポリエステル
Dを作成した。
【0032】<ポリエステルE>ポリエステルAをベン
ト付き二軸押出機に供して、カーボンブラック(サーマ
ルブラック 平均一次粒径150nm)を6重量%濃度
となるように供給して溶融混練りしてチップ化を行い、
カーボンブラックマスターバッチ ポリエステルEを作
成した。
【0033】<ポリエステルF>ポリエステルAをベン
ト付き二軸押出機に供して、三菱化学(株)製ダイアレ
ジンレッドHS 3.5重量%、同ブルーH3G 4.
0重量%、および同イエローF 2.5重量%の各濃度
となるように混合して添加し、溶融混練りを行ってチッ
プ化を行い、染料マスターバッチ ポリエステルFを作
成した。
【0034】実施例1 ポリエステルA、C、Fの各チップを80:5:15の
割合でブレンドしたものを、中間層用レジンとして中間
層用押出機に投入した。これとは別にポリエステルA、
Bの各チップを9:1の割合でブレンドしたものを表層
用レジンとして表層用押出機に投入した。それぞれの押
出機はいずれもベント付きの異方向二軸押出機であり、
レジンは乾燥すること無しに290℃の溶融温度で押出
しを行い、その後溶融ポリマーをフィードブロック内で
合流して積層した。その後、静電印加密着法を用いて表
面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化し
て、3層構成の積層未延伸シートを得た。得られたシー
トを85℃で3.5倍縦方向に延伸した。次いで、フィ
ルムをテンターに導き105℃で3.7倍横方向に延伸
した後、230℃にて熱固定を行い、さらに幅方向に2
00℃で5%弛緩処理を行って、二軸配向フィルムを作
成した。このフィルムの各層の厚みは2/21/2μm
の構成で、総厚みは25μmであった。このフィルムの
特性を下記表1に示すが、使用したカーボンブラックの
平均一次粒径および添加量が本発明の範囲内であるた
め、フィルムの濁度が低いものとなっている。
【0035】実施例2 実施例1において、中間層用レジンとしてポリエステル
A、C、Eの各チップを83:2:15の割合でブレン
ドしたものに変更する以外は実施例1と全く同様に製膜
を行って、二軸配向フィルムを作成した。このフィルム
の各層の厚みは2/21/2μmの構成で、総厚みは2
5μmであった。このフィルムの特性を表1に示すが、
実施例1と同様に使用したカーボンブラックの平均一次
粒径および添加量が本発明の範囲内であるため、フィル
ムの濁度が低いものとなっている。
【0036】実施例3 実施例1において、中間層用レジンとしてポリエステル
A、C、Eの各チップを73:12:15の割合でブレ
ンドしたものに変更する以外は実施例1と全く同様に製
膜を行って、二軸配向フィルムを作成した。このフィル
ムの各層の厚みは2/21/2μmの構成で、総厚みは
25μmであった。このフィルムの特性を表1に示す
が、実施例1と同様に使用したカーボンブラックの平均
一次粒径および添加量が本発明の範囲内であるため、フ
ィルムの濁度が低いものとなっている。
【0037】実施例4 実施例1において、中間層用レジンとしてポリエステル
A、D、Eの各チップを80:5:15の割合でブレン
ドしたものに変更する以外は実施例1と全く同様に製膜
を行って、二軸配向フィルムを作成した。このフィルム
の各層の厚みは2/21/2μmの構成で、総厚みは2
5μmであった。このフィルムの特性を表1に示すが、
実施例1と同様に使用したカーボンブラックの平均一次
粒径および添加量が本発明の範囲内であるため、フィル
ムの濁度が低いものとなっている。
【0038】比較例1 実施例1において、中間層用レジンとしてポリエステル
A、D、Fの各チップを80:5:15の割合でブレン
ドしたものに変更する以外は実施例1と全く同様に製膜
を行って、二軸配向フィルムを作成した。このフィルム
の各層の厚みは2/21/2μmの構成で、総厚みは2
5μmであった。このフィルムの特性を下記表2に示す
が、使用したカーボンブラックの平均一次粒径が大き
く、本発明の範囲外であるため、フィルムの濁度が高い
ものとなり、透明性に劣るフィルムとなった。
【0039】比較例2 実施例1において、中間層用レジンとしてポリエステル
A、C、Fの各チップを60:25:15の割合でブレ
ンドしたものに変更する以外は実施例1と全く同様に製
膜を行って、二軸配向フィルムを作成した。このフィル
ムの各層の厚みは2/21/2μmの構成で、総厚みは
25μmであった。このフィルムの特性を表2に示す
が、使用したカーボンブラックの平均一次粒径は実施例
1と同様だが、添加量が本発明の範囲外であるため、フ
ィルムの濁度が高いものとなり、透明性に劣るフィルム
となった。
【0040】比較例3 実施例1において、中間層用レジンとしてカーボンブラ
ックマスターバッチを使用せずに、ポリエステルA、F
の各チップを85:15の割合でブレンドしたものに変
更する以外は実施例1と全く同様に製膜を行って、二軸
配向フィルムを作成した。このフィルムの各層の厚みは
2/21/2μmの構成で、総厚みは25μmであっ
た。このフィルムの特性を表2に示すが、カーボンブラ
ックを使用していないため、フィルムの濁度は低いが、
実施例1と同様の染料の添加量でありながら光線透過率
が高い、すなわち遮光性に劣るフィルムとなった。
【0041】比較例4 実施例1において、表層用レジンとしてポリエステル
A、Bの各チップを75:25の割合でブレンドしたも
のに変更する以外は実施例1と全く同様に製膜を行っ
て、二軸配向フィルムを作成した。このフィルムの各層
の厚みは2/21/2μmの構成で、総厚みは25μm
であった。このフィルムの特性を表2に示すが、中間層
は実施例1とまったく同様でありながら、表層用原料に
粒子が多いため、フィルムの濁度が高く透明性に劣るフ
ィルムとなった。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、自動車の窓、建築物の
窓等のガラスに張り合わせをして使用される窓貼り用ポ
リエステルフィルに添加される色材に関して、その一部
を価格の高い染料から安価な顔料に置き換えても、フィ
ルムに濁りが発生することが少なく、透明性を維持でき
るものであり、その工業的価値は高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA37B AA37H AK41A AK41B AK41C AK42A AK42B AK42C BA03 BA06 BA10A BA10C BA16 CA13B EH20 EJ38 GB07 GB32 JB01 JB07 JJ03 JK01 JN01 YY00 YY00B

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 染料を含有するポリエステル層の両面に
    ポリエステル層を有する、少なくとも3層構造の共押出
    積層フィルムであって、平均一次粒径5〜100nmの
    カーボンブラックを0.001〜1.2重量%含有し、
    可視光線透過率が3〜60%、フィルムヘーズが5%以
    下であることを特徴とする窓貼り用二軸配向ポリエステ
    ルフィルム。
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