JP4189896B2 - 窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の窓、建築物の窓等のガラスに貼り合わせをして使用される窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の窓や建築物の窓等に、プライバシーの保護、意匠性、日照調整、ガラス飛散防止等の目的で張り合わされるフィルムには、耐熱性、耐水性、耐薬品性、透明性、機械的強度に優れているポリエステルフィルムが良く用いられる。
特許第2699397号公報には、3層以上の積層ポリエステルフィルムの内層に染料を含有させた複合フィルムを、窓貼り用ポリエステルフィルムとして用いることが提案されている。
【0003】
しかしながら、上記複合ポリエステルフィルムは、染料を含有させた状態でポリエステルの溶融押出しを行うものであり、必然的に染料はポリエステルの溶融温度以上の温度にさらされる。この温度で分解を起こさない染料は少数に限られており、またそれらは概して高価であり、それらを用いたフィルムも自ずと高価なものとなる。
【0004】
一方、フィルムに遮光性を付与するためには、染料の他に顔料を用いることが有効なのは良く知られている。一般に顔料は、ポリエステルの溶融温度で安定なものが多く、また染料に比べて安価であることが多い。
ところで窓貼り用フィルムには、窓を通して見た視界に濁りが無い(フィルムヘーズが低い)ことが求められるが、フィルム中に顔料を添加すると、多くの場合フィルムに濁りが発生し、見通しを悪化させる結果となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の解決課題は、色材として顔料を用いてもフィルムの濁りの発生が少ない窓貼り用フィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記実情に鑑み、ある特定の構成を持つポリエステルフィルムがこれらの特性を高度に満足することを知見し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の要旨は、染料を含有するポリエステル層の両面にポリエステル層を有する、少なくとも3層構造の共押出積層フィルムであって、平均一次粒径5〜100nmのカーボンブラックを0.001〜1.2重量%含有し、当該カーボンブラックがチャンネルブラックまたはオイルファーネスブラックであり、可視光線透過率が3〜60%、フィルムヘーズが5%以下であることを特徴とする窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルムに存する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、少なくとも3層以上のポリエステル層が積層された構造のフィルムであることが必要で、さらに詳しくは、全ての層が押出口金からともに溶融押し出しされる、いわゆる共押出法により押し出されたフィルムであって、通常、縦方向および横方向の二軸方向に配向させたフィルムである。このような積層フィルムは、両面に表層を有し、その間には中間層を有するが、この中間層自体が積層構造となっていてもよい。
【0008】
本発明のポリエステルフィルムは、積層された各層に用いるポリエステルが、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものである。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。
【0009】
本発明で用いるポリエステルは、合計で20モル%以内であれば第三成分を含有した共重合体であってもよい。共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)の一種または二種以上が揚げられれ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
【0010】
本発明の窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルムは、その積層構造の中間層に染料を存在させる必要がある。ここで用いる染料としては、ポリエステルに溶解するものであり、かつポリエステルの成型温度で分解が少ないものが好ましい。このような染料は、化学構造的にはアントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系、アゾメチン系、複素環系染料等が好ましく挙げられ、染色処方的には油溶性染料が好適である。これらの染料は、たとえばスモーク調やブラウン調に調色するために、適宜選択して数種混合して使用されるのが一般的で、またこれら染料のポリエステル中の含有量は、通常0.01〜10重量%の範囲から適宜選ぶことができる。
【0011】
本発明の窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルムは、平均一次粒径が5〜100nmの範囲にあるカーボンブラックを含有していることが必要である。ここでいう平均一次粒径とは、単体であるいはポリエステル中に存在するカーボンブラックの粒子を、電子顕微鏡で観察して測定した粒子径であり、粒子が凝集体として存在している場合には、これを構成する一次粒子の粒子径を指す。平均一次粒子径は10〜50nmの範囲であることがさらに好ましい。平均一次粒径が100nmを超える場合には、フィルムヘーズが高くなりやすく、フィルムの濁りの原因となる。一方、カーボンブラック粒子は、微細な一次粒子が凝集して凝集体として存在することがあるが、この凝集体をポリエステル中に存在させて二軸延伸を施すと、フィルムにかかる延伸応力がこの凝集体にも作用して、分散する現象が見られる。しかしながら、平均一次粒径が5nm未満カーボンブラックの場合には、この一次粒子間の凝集力が強すぎて、フィルムを延伸する際の延伸応力で凝集体が分散し難くなるため好ましくない。
【0012】
フィルム中のカーボンブラック含有量は0.001〜1.2重量%であり、好ましくは0.005〜0.5重量%の範囲である。含有量が1.2重量%を超えると、フィルムヘーズが高くなりやすく、逆に0.001重量%未満である場合には、カーボンブラックの遮光性・着色性が十分でなく、本発明の効果が享受されない。
【0013】
本発明の窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルムは、少なくとも3層以上のポリエステル層が積層されたフィルムであるが、上記の色材としてのカーボンブラックを含有させるポリエステル層は、任意の層を選ぶことができる。すなわち、中間層にカーボンブラックを存在させることも可能であるし、あるいは表層の片側あるいは両側に存在させることも可能であるし、表層・中間層の両方に存在させることも可能である。
【0014】
本発明の窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルムは、フィルムヘーズが5%以下であることが必要であり、4%以下であることが好ましい。フィルムヘーズが5%を超える場合には、このフィルム越しに見た視界に濁りが目立つようになり、透明性を損なう結果となり好ましくない。
【0015】
本発明の窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルムは、前述したように中間層に存在する染料、および任意の層に存在するカーボンブラックの添加量で遮光性を調整することで、可視光線透過率が3〜60%とすることが必要である。3%未満の場合には、遮光性が強すぎて窓貼り用フィルムとしては視界が暗くなり過ぎ、60%を超える場合には、逆に明る過ぎて好ましくない。
【0016】
前述した染料およびカーボンブラックをポリエステルに添加する方法は、フィルムを溶融成型する際に、これらを粉体あるいは水などのスラリーとして添加する方法でもよいが、装置の汚染の問題を考慮すると、あらかじめ染料やカーボンブラックのマスターバッチを作成しておき、フィルムの溶融成型時にこれらのマスターバッチを添加することが好ましい。またこれらの溶融成型の際には、ポリエステルに分散良く混練りしながら行うために、特に二軸押出機を用いることが好ましい。
【0017】
本発明のポリエステルフィルムは、表面の滑り性を確保するために、その表層に微細な突起を形成させ得るに十分な粒子径と添加量の微粒子を含有させることができる。この目的で使用できる微粒子としては、たとえば、平均粒径が0.02〜2.0μmの酸化ケイ素、炭酸カルシウム、カオリン、架橋有機高分子微粉体などの一種または二種以上を挙げることができ、添加量は0.001〜0.3重量%から適宜選択することができる。
【0018】
また、表層と中間層の積層厚み構成に関しては、フィルム全体の濁りを抑えるために、微粒子の添加された表層はできるだけ薄いことが好ましい。一方で、中間層に存在する染料がブリードアウトするのを防止するためには、表層はむしろ厚い方が好ましい。これらを勘案して、フィルム全体の厚みに関わらず、表層厚みは通常片側0.5〜3.0μmの範囲が好適に用いられる。
次に本発明の積層ポリエステルフィルムの製造方法について具体的に説明するが、本発明のフィルムは以下の製造例に何ら限定されるものではない。
【0019】
まず、先に述べたポリエステル原料を使用し、複数台の押出機、複数層のマルチマニホールドダイまたはフィ−ドブロックを用い、それぞれのポリエステルを積層して口金から複数層の溶融シートを押出し、冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法および/または液体塗布密着法を採用することが好ましい。
【0020】
次いで、得られた未延伸フィルムは二軸方向に延伸して二軸配向させる。すなわち、前記の未延伸シートを縦方向にロール延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は、通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、横方向に延伸を行う。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜115℃であり、延伸倍率は、通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸延伸フィルムを得る。
【0021】
上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を用いることもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。また、前記の未延伸シートを面積倍率が10〜40倍になるように同時二軸延伸を行うことも可能である。さらに、必要に応じて熱処理を行う前または後に再度縦および/または横方向に延伸してもよい。
【0022】
上記のフィルムの表面には必要に応じてコーティングを施すことができる。たとえば接着性向上、帯電防止性付与、耐候性向上および表面の傷付き防止性能を付与することなどを目的として、インラインあるいはオフラインあるいはそれらを両方組み合わせたコーティングを行うことができる。特にインラインで行うコーティングでは、上記のフィルムの製造方法において、縦延伸が終了した段階で主として水を媒体とする塗布液を塗布した後、テンター内で乾燥・予熱・横延伸を行い、さらに熱固定を行う一連のプロセスを用いることができる。
このようにして得られたフィルムを窓ガラス等に貼り合わせるには、フィルムとガラスとの間に粘着材または接着剤等を介して貼り合わせる方法を用いればよい。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例中「部」とあるのは「重量部」を示す。
また、本発明で用いた測定法は次のとおりである。
【0024】
(1)カーボンブラックの平均一次粒径
フィルムまたはレジンチップの小片あるいは粉体をエポキシ樹脂で包埋し、ミクロトームで切片を切り出して、これを透過型電子顕微鏡写真にて5〜10万倍の倍率で観測した。平均一次粒子径は、カーボンブラックの一次粒子を任意に100個選び、これらの粒径を測定してその平均値を平均一次粒径とした。
【0025】
(2)可視光線透過率
分光式測色計SE−2000(日本電色(株)製を用いて各波長の光線透過率を測定し、JIS−A5759に従って可視光線透過率を算出した。
【0026】
(3)フィルムの濁度
JIS−K6714に準じ、濁度計NDH300A(日本電色社製)を用いてフィルムの濁度(ヘーズ)を測定した。
【0027】
(4)フィルム積層厚み
フィルムの小片をエポキシ樹脂で包埋し、厚み方向の断面を観察できるようにミクロトームで切片を切り出して、これを透過型電子顕微鏡写真にて観測した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に、明暗によって積層界面が観察される。その界面とフィルム表面までの距離を透過型電子顕微鏡写真1枚について平均し、厚みを計算した。これを少なくとも50枚の写真について行い、測定値の厚い方から10点、薄い方から10点を削除して30点の相加平均をフィルム厚みとした。
以下の実施例および比較例で用いたポリエステル原料の製造方法は次のとおりである。
【0028】
<ポリエステルA>
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、エチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgとし、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後系内を常圧に戻し、実質的に微粒子を含まないポリエステルAを得た。
【0029】
<ポリエステルB>
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、平均粒径1.4μmのシリカ粒子を2.0部含有するエチレングリコールスラリーを反応系に添加し、さらにエチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgとし、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後系内を常圧に戻しポリエステルBを得た。得られたポリエステルBのシリカ粒子含有量は1.0%であった。
【0030】
<ポリエステルC>
ポリエステルAをベント付き二軸押出機に供して、カーボンブラック(チャンネルブラック 平均一次粒径15nm)を6重量%濃度となるように供給して溶融混練りしてチップ化を行い、カーボンブラックマスターバッチ ポリエステルCを作成した。
【0031】
<ポリエステルD>
ポリエステルAをベント付き二軸押出機に供して、カーボンブラック(オイルファーネスブラック 平均一次粒径70nm)を6重量%濃度となるように供給して溶融混練りしてチップ化を行い、カーボンブラックマスターバッチ ポリエステルDを作成した。
【0032】
<ポリエステルE>
ポリエステルAをベント付き二軸押出機に供して、カーボンブラック(サーマルブラック 平均一次粒径150nm)を6重量%濃度となるように供給して溶融混練りしてチップ化を行い、カーボンブラックマスターバッチ ポリエステルEを作成した。
【0033】
<ポリエステルF>
ポリエステルAをベント付き二軸押出機に供して、三菱化学(株)製ダイアレジンレッドHS 3.5重量%、同ブルーH3G 4.0重量%、および同イエローF 2.5重量%の各濃度となるように混合して添加し、溶融混練りを行ってチップ化を行い、染料マスターバッチ ポリエステルFを作成した。
【0034】
実施例1
ポリエステルA、C、Fの各チップを80:5:15の割合でブレンドしたものを、中間層用レジンとして中間層用押出機に投入した。これとは別にポリエステルA、Bの各チップを9:1の割合でブレンドしたものを表層用レジンとして表層用押出機に投入した。それぞれの押出機はいずれもベント付きの異方向二軸押出機であり、レジンは乾燥すること無しに290℃の溶融温度で押出しを行い、その後溶融ポリマーをフィードブロック内で合流して積層した。その後、静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して、3層構成の積層未延伸シートを得た。得られたシートを85℃で3.5倍縦方向に延伸した。次いで、フィルムをテンターに導き105℃で3.7倍横方向に延伸した後、230℃にて熱固定を行い、さらに幅方向に200℃で5%弛緩処理を行って、二軸配向フィルムを作成した。このフィルムの各層の厚みは2/21/2μmの構成で、総厚みは25μmであった。このフィルムの特性を下記表1に示すが、使用したカーボンブラックの平均一次粒径および添加量が本発明の範囲内であるため、フィルムの濁度が低いものとなっている。
【0035】
実施例2
実施例1において、中間層用レジンとしてポリエステルA、C、Fの各チップを83:2:15の割合でブレンドしたものに変更する以外は実施例1と全く同様に製膜を行って、二軸配向フィルムを作成した。このフィルムの各層の厚みは2/21/2μmの構成で、総厚みは25μmであった。このフィルムの特性を表1に示すが、実施例1と同様に使用したカーボンブラックの平均一次粒径および添加量が本発明の範囲内であるため、フィルムの濁度が低いものとなっている。
【0036】
実施例3
実施例1において、中間層用レジンとしてポリエステルA、C、Fの各チップを73:12:15の割合でブレンドしたものに変更する以外は実施例1と全く同様に製膜を行って、二軸配向フィルムを作成した。このフィルムの各層の厚みは2/21/2μmの構成で、総厚みは25μmであった。このフィルムの特性を表1に示すが、実施例1と同様に使用したカーボンブラックの平均一次粒径および添加量が本発明の範囲内であるため、フィルムの濁度が低いものとなっている。
【0037】
実施例4
実施例1において、中間層用レジンとしてポリエステルA、D、Fの各チップを80:5:15の割合でブレンドしたものに変更する以外は実施例1と全く同様に製膜を行って、二軸配向フィルムを作成した。このフィルムの各層の厚みは2/21/2μmの構成で、総厚みは25μmであった。このフィルムの特性を表1に示すが、実施例1と同様に使用したカーボンブラックの平均一次粒径および添加量が本発明の範囲内であるため、フィルムの濁度が低いものとなっている。
【0038】
比較例1
実施例1において、中間層用レジンとしてポリエステルA、E、Fの各チップを80:5:15の割合でブレンドしたものに変更する以外は実施例1と全く同様に製膜を行って、二軸配向フィルムを作成した。このフィルムの各層の厚みは2/21/2μmの構成で、総厚みは25μmであった。このフィルムの特性を下記表2に示すが、使用したカーボンブラックの平均一次粒径が大きく、本発明の範囲外であるため、フィルムの濁度が高いものとなり、透明性に劣るフィルムとなった。
【0039】
比較例2
実施例1において、中間層用レジンとしてポリエステルA、C、Fの各チップを60:25:15の割合でブレンドしたものに変更する以外は実施例1と全く同様に製膜を行って、二軸配向フィルムを作成した。このフィルムの各層の厚みは2/21/2μmの構成で、総厚みは25μmであった。このフィルムの特性を表2に示すが、使用したカーボンブラックの平均一次粒径は実施例1と同様だが、添加量が本発明の範囲外であるため、フィルムの濁度が高いものとなり、透明性に劣るフィルムとなった。
【0040】
比較例3
実施例1において、中間層用レジンとしてカーボンブラックマスターバッチを使用せずに、ポリエステルA、Fの各チップを85:15の割合でブレンドしたものに変更する以外は実施例1と全く同様に製膜を行って、二軸配向フィルムを作成した。このフィルムの各層の厚みは2/21/2μmの構成で、総厚みは25μmであった。このフィルムの特性を表2に示すが、カーボンブラックを使用していないため、フィルムの濁度は低いが、実施例1と同様の染料の添加量でありながら光線透過率が高い、すなわち遮光性に劣るフィルムとなった。
【0041】
比較例4
実施例1において、表層用レジンとしてポリエステルA、Bの各チップを75:25の割合でブレンドしたものに変更する以外は実施例1と全く同様に製膜を行って、二軸配向フィルムを作成した。このフィルムの各層の厚みは2/21/2μmの構成で、総厚みは25μmであった。このフィルムの特性を表2に示すが、中間層は実施例1とまったく同様でありながら、表層用原料に粒子が多いため、フィルムの濁度が高く透明性に劣るフィルムとなった。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、自動車の窓、建築物の窓等のガラスに張り合わせをして使用される窓貼り用ポリエステルフィルに添加される色材に関して、その一部を価格の高い染料から安価な顔料に置き換えても、フィルムに濁りが発生することが少なく、透明性を維持できるものであり、その工業的価値は高い。
Claims (1)
- 染料を含有するポリエステル層の両面にポリエステル層を有する、少なくとも3層構造の共押出積層フィルムであって、平均一次粒径5〜100nmのカーボンブラックを0.001〜1.2重量%含有し、当該カーボンブラックがチャンネルブラックまたはオイルファーネスブラックであり、可視光線透過率が3〜60%、フィルムヘーズが5%以下であることを特徴とする窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルム。
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