JP2003145701A - 窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルム

Info

Publication number
JP2003145701A
JP2003145701A JP2002238447A JP2002238447A JP2003145701A JP 2003145701 A JP2003145701 A JP 2003145701A JP 2002238447 A JP2002238447 A JP 2002238447A JP 2002238447 A JP2002238447 A JP 2002238447A JP 2003145701 A JP2003145701 A JP 2003145701A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
polyester
window
biaxially oriented
polyester film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002238447A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigehiro Masuda
成裕 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Polyester Film Corp
Original Assignee
Mitsubishi Polyester Film Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Polyester Film Corp filed Critical Mitsubishi Polyester Film Corp
Priority to JP2002238447A priority Critical patent/JP2003145701A/ja
Publication of JP2003145701A publication Critical patent/JP2003145701A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線吸収材やラジカル吸収剤を使用しなく
とも、長期間の使用で変色・退色することの少ない窓貼
り用遮光フィルムを提供する。 【解決手段】 少なくとも3層のポリエステルからなる
共押出積層フィルムであって、実質的にポリエステルに
溶解する染料を中間層に含有し、何れの層にも紫外線吸
収剤あるいはラジカル吸収剤を含有せず、紫外線カーボ
ンアーク灯で80時間直接フィルムを照射したときの色
調変化ΔE*abが2.0以下であることを特徴とする窓
貼り用二軸配向ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の窓、建築
物の窓等のガラスに貼り合わせをして使用される窓貼り
用二軸配向ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】プライバシーの保護、意匠性、日照調
整、ガラス飛散防止等の目的で、自動車の窓や建築物の
窓等に貼り合わされるフィルムには、透明性、耐光性、
耐水性、耐熱性、耐薬品性、機械的強度に優れているポ
リエステルフィルムが良く用いられている。我々は既に
登録特許第2699397号において、3層以上の積層
ポリエステルフィルムの内層に染料を含有させた複合フ
ィルムを、遮光性を有する窓貼り用ポリエステルフィル
ムとして用いることを提案している。
【0003】ところで、これらのフィルムは、通常ガラ
ス内面に貼られるケースが多く、その場合には、ガラス
と紫外線吸収剤が添加された糊剤を通過することで短波
長紫外線はかなりの部分が遮断される。しかしながら、
窓ガラスに一度貼られたフィルムは半永久的に使用され
続けることが多い。したがって、フィルム自体に経時に
よる変化が少ないことが求められるが、従来この用途に
用いられていた色材では、これらは完全に防げるもので
なく、耐光性が不十分でフィルムの変色・退色は避けら
れないものであった。耐光性が不十分な色材に対して紫
外線吸収剤を添加することで、フィルムの変色・退色を
防ごうとする提案もあるが、これらの紫外線吸収剤は一
般に高価であることが多く、色材自体の耐光性で変色・
退色を防ぐことが望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであって、その解決課題は、紫外線吸
収材やラジカル吸収剤を使用しなくとも、長期間の使用
で変色・退色することの少ない窓貼り用遮光フィルムを
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意検討した結果、特定の構成を有するフ
ィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見
いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
の要旨は、少なくとも3層のポリエステルからなる共押
出積層フィルムであって、実質的にポリエステルに溶解
する染料を中間層に含有し、何れの層にも紫外線吸収剤
あるいはラジカル吸収剤を含有せず、紫外線カーボンア
ーク灯で80時間直接フィルムを照射したときの色調変
化ΔE*abが2.0以下であることを特徴とする窓貼り
用二軸配向ポリエステルフィルムに存する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、少な
くとも3層以上のポリエステル層が積層されたフィルム
であることが必要であり、さらに詳しくは、全ての層が
押出口金から共に溶融押し出しされる、いわゆる共押出
法により押し出されたフィルムである。また、フィルム
は未延伸の状態や一軸延伸フィルムではなくて、縦方向
および横方向の二軸方向に延伸して配向させ、その後に
熱固定を施したフィルムであることが必要である。この
ような積層フィルムは、両面に表層を有し、その間には
中間層を有するが、この中間層自体が積層構造となって
いてもよい。
【0007】ポリエステルフィルが単層構成である場合
には、添加した染料がフィルム表面に湧き出す現象(ブ
リードアウト)、およびそれが昇華する現象が発生しや
すく、これによってフィルム製膜機が汚染されるため、
生産自体ができない場合が多く、仮に作成できたとして
も、その表層にはブリードアウトによるフィルム内部か
らの湧出物が存在して、それによって後加工に悪影響を
及ぼすことが多いため、好ましくない。本発明のポリエ
ステルフィルムは、積層された各層に用いるポリエステ
ルが、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮
合させて得られるものであることが好ましい。
【0008】芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、
脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポ
リエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−
2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が
例示される。これらの中でもPETは物性とコストのバ
ランスが良好であり、最も良く用いられるポリエステル
である。
【0009】本発明で用いるポリエステルは、合計で1
0モル%以内、好ましくは5モル%以内であれば第三成
分を含有した共重合体であってもよい。共重合ポリエス
テルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタ
ル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例え
ば、P−オキシ安息香酸など)の一種または二種以上が
挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブ
タンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げ
られる。
【0010】本発明の窓貼り用二軸配向ポリエステルフ
ィルムは、その積層構造の中間層に染料を含有する事が
必要であり、染料の含有量としては0.01〜10.0
重量%の範囲の中から選択する事が好ましい。またこの
結果、フィルム全体の可視光線透過率が3〜75%、さ
らには5〜50%の範囲となることが好ましい。このた
めに用いる染料は、ポリエステルに実質的に溶解するこ
とが必要である。ここで言う実質的に溶解するとは、ポ
リエステルの溶融状態で混練りしたときに、凝集体など
が残らずに均一に混ざることを意味し、これによって後
述するフィルムヘーズが6.0%以下、好ましくは4.
5%以下、さらに好ましくは3.0%以下となることを
指す。
【0011】また、これらの染料は、可視光領域(38
0〜780nm)に吸収を持つことが好ましく、ポリエ
ステルの成型温度で分解が少ないものが好ましい。この
ような染料としては、化学構造的には、アントラキノン
系、ペリノン系、ペリレン系、アゾメチン系、複素環系
染料等が好ましく挙げられ、染色処方的には、油溶性染
料が好適である。また、一般に顔料として分類されてい
るものであっても、上記のように溶融ポリエステル中で
溶解するものであれば、本発明では染料として用いるこ
とができる。この例としては、フタロシアニン系などの
銅、コバルト、ニッケル、亜鉛、クロムなどの金属イオ
ンとの錯塩染料などを挙げることができる。これらの染
料は、例えばグレー調やブラウン調に調色するために、
適宜選択して数種混合して使用することもできる。ただ
しこの場合でも、これら染料の合計がポリエステルフィ
ルム中間層に、0.01〜10重量%、好ましくは0.
1〜5.0重量%の範囲となるように添加する。
【0012】本発明のフィルムは、紫外線カーボンアー
ク灯で80時間直接フィルムを照射したときの色調変化
ΔE*abが2.0以下であり、好ましくは1.5以下、
さらに好ましくは1.0以下である。このとき紫外線カ
ーボンアーク灯の照射は、ブラックパネルパネル温度が
63℃となるように設定し、水の噴射は行わずに実施し
た時の値であり、通常フェードメーター中でテストを実
施する。上記の紫外線カーボンアーク灯での照射条件
で、80時間後のフィルム色調変化ΔE*abが2.0を
超える場合には、実際に窓ガラスに貼り付けて日光に当
てて使用した時に、フィルムの色あせが短期間で目立つ
傾向にあるため好ましくない。上記の色調変化を満足さ
せるため、本発明で用いる染料として、紫外線に対して
堅牢であるものを選択することが好ましい。染料が紫外
線に対して堅牢であるかどうかは、染料の化学構造と明
確な相関関係があるものではなく、例えば、同じアント
ラキノン系の化学構造を有している染料であっても、そ
の基本骨格に導入された置換基の種類や数や位置によっ
て、紫外線に対しての堅牢性は大きく異なるのが一般的
である。このような中で、三菱化学(株)社製のプラス
チック用染料であるダイアレジン4Gは極めて良好な耐
紫外線性を有する染料として例示することができる。
【0013】本発明の窓貼り用二軸配向ポリエステルフ
ィルムは、積層されているポリエステルの全ての層に紫
外線吸収剤やラジカル吸収剤などの光安定剤を含有しな
いものである。本発明で言う紫外線吸収剤とは、ベンゾ
トリアゾール誘導体、ベンゾフェノン誘導体、1,3,
5-トリアジン誘導体、シアノアクリル酸エステル誘導
体、サルチル酸エステル誘導体などの有機系紫外線吸収
剤を指し、また、ラジカル吸収剤とは、ヒンダードアミ
ン系光安定剤、特に6員のピペリジン環から構成された
物を代表とする有機の化合物を指す。
【0014】本発明の窓貼り用二軸配向ポリエステルフ
ィルムは、フィルム全体のヘーズが6.0%以下、さら
には4.5%以下、特に3.0%以下であることが好ま
しい。フィルムヘーズが6.0%を超える場合には、フ
ィルムに濁りがあることが目立ち、窓ガラスに貼り付け
た場合に透明性が損なわれるため、好ましくない。
【0015】本発明において、染料をポリエステルに添
加する方法は、フィルムを溶融成型する際に、これらを
粉体やペーストあるいは液体などとして添加する方法で
もよいが、装置の汚染の問題や銘柄切り替えのしやすさ
を考慮すると、あらかじめ染料のマスターバッチを作成
しておき、フィルムの溶融成型時にこれらのマスターバ
ッチをクリアーレジンで希釈しながら添加することが好
ましい。またこれらの溶融成型の際には、ポリエステル
に分散良く混練りしながら行うために、特に二軸押出機
を用いることが好ましい。本発明のポリエステルフィル
ムは、表面の滑り性を確保するために、その積層構成の
両表層面に微細な突起を形成させ得るに十分な粒子径と
添加量の微粒子を含有させることができる。
【0016】この目的で使用できる微粒子は、例えば、
平均粒径が0.02〜3.0μmの酸化ケイ素、炭酸カ
ルシウム、カオリン、架橋有機高分子微粉体などの一種
または二種以上を挙げることができ、添加量は0.00
1〜0.5重量%、好ましくは0.01〜0.1重量%
から適宜選択することが、フィルムヘーズを上昇させな
いで、かつ必要最小限の滑り性を確保することができて
好ましい。この結果、フィルムの平均表面粗さRaが、
0.005〜0.050μmの範囲内とすることが好ま
しい。また、表層と中間層の積層厚み構成に関しては、
フィルム全体の濁り(フィルムヘーズ)を抑えるため
に、微粒子の添加された表層はできるだけ薄いことが好
ましい。一方で、中間層に存在する染料がブリードアウ
トするのを防止するためには、表層はむしろ厚い方が好
ましい。これらを勘案して、フィルム全体の厚みにかか
わらず、表層厚みは、それぞれ0.5〜4.0μmの範
囲であることが好適である。
【0017】次に本発明の積層ポリエステルフィルムの
製造方法について具体的に説明するが、本発明のフィル
ムは以下の製造例に何ら限定されるものではない。ま
ず、先に述べたポリエステル原料を使用し、複数台の押
出機、複数層のマルチマニホールドダイまたはフィ−ド
ブロックを用い、それぞれのポリエステルを積層して口
金から複数層の溶融シートを押出し、冷却ロールで冷却
固化して未延伸シートを得る。この場合、シートの平面
性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着
性を高めることが好ましく、静電印加密着法および/ま
たは液体塗布密着法を採用することが好ましい。
【0018】次いで、得られた未延伸フィルムは二軸方
向に延伸して二軸配向させる。すなわち、前記の未延伸
シートを縦方向にロール延伸機により延伸する。延伸温
度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃
であり、延伸倍率は、通常2.5〜7倍、好ましくは
3.0〜6倍である。次いで、横方向に延伸を行う。延
伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜11
5℃であり、延伸倍率は、通常3.0〜7倍、好ましく
は3.5〜6倍である。そして、引き続き、170〜2
50℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処
理を行い、二軸延伸フィルムを得る。上記の延伸におい
ては、1回の延伸操作で所定倍率まで延伸する方法のほ
か、延伸を2段階以上に振り分けて所定の延伸倍率とす
る方法を用いることもできる。その場合にも、最終的に
二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行う
のが好ましい。また、前記の未延伸シートを面積倍率が
10〜40倍になるように縦横同時二軸延伸を行うこと
も可能である。さらに、必要に応じて熱処理を行う前ま
たは後に再度縦および/または横方向に延伸してもよ
い。
【0019】上記のフィルムの表面には必要に応じてコ
ーティングを施すことができる。例えば、接着性向上、
帯電防止性付与、表面の傷付き防止性能を付与すること
などを目的として、インラインあるいはオフラインある
いはそれらを両方組み合わせたコーティングを行うこと
ができる。特にインラインで行うコーティングでは、上
記のフィルムの製造方法において、縦延伸が終了した段
階で主として水を媒体とする塗布液を塗布した後、テン
ター内で乾燥・予熱・横延伸を行い、さらに熱固定を行
う一連のプロセスを用いることができる。
【0020】さらに本発明の窓貼り用二軸配向ポリエス
テルフィルムは、窓ガラスに貼り付ける面と反対の面
に、スリ傷防止等の目的で公知のハードコート層を設け
ることができる。このハードコート層には、透明性と耐
擦傷性を兼ね備えた熱硬化性あるいはUV硬化性のポリ
アクリル樹脂含む樹脂で構成されたものが好ましい。こ
のようにして得られたフィルムを窓ガラス等に貼り合わ
せるには、フィルムとガラスとの間に粘着材または接着
剤等を介して貼り合わせる方法を用いればよい。また、
その際には、使用する粘着剤または接着剤に公知の紫外
線吸収剤を配合して併用したり、あるいは赤外線吸収剤
を公知の配合量で添加できる。またこの粘着剤あるいは
接着剤には、公知の離型処理を施された公知のプラスチ
ックフィルムを、いわゆるセパレーターフィルムとして
用いることができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、実施例および比
較例中「部」とあるのは「重量部」を示す。また、本発
明で用いた測定法は次のとおりである。
【0022】(1)可視光線透過率 分光式測色計SE−2000(日本電色(株)製)を用
いてD65光源で各波長の光線透過率を測定し、JIS
S 3107;1998に従って可視光線透過率を算
出した。
【0023】(2)フィルムの濁度(フィルムヘーズ) JIS K 7136;2000(ISO 1478
2;1999)に準じ、濁度計NDH2000(日本電
色(株)製)を用いてフィルムの濁度(ヘーズ)を測定
した。
【0024】(3)フィルムの表面粗さ(Ra) 中心線平均粗さRa(μm)を持って表面粗さとする。
小坂研究所社(株)製表面粗さ測定機(SE−3F)を
用いて次のように求めた。すなわち、フィルム断面曲線
からその中心線の方向に基準長さL(2.5cm)の部
分を切り取り、この切り取り部分の中心線をX軸、縦倍
率の方向をY軸として粗さ曲線Y=f(X)で表したと
き、次の式で与えられた値をμm単位で表す。中心線平
均粗さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を求
め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の中心線
粗さの平均値で表した。尚、触針の先端半径は2μm、
荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08mmとし
た。 Ra=(1/L)∫L 0|f(X)|dX
【0025】(4)フィルムの変色・退色の評価(色調
変化ΔE*ab) フィルムをガラス板に張り付け、フィルム面に直接紫外
線が当たるように配置し、フェードメーター中で紫外線
カーボンアーク灯を使用して促進テストを実施した。こ
のときカーボンアーク灯はロングライフカーボンを使用
し、放電電圧・電流が135V・16Aで放電し、ブラ
ックパネル温度計が示す温度は63±3℃とした。また
水の噴射は行わずに、80時間の照射を行った。フィル
ムの変色・退色の評価は、サンプルの色調(L*、a*
*)を紫外線照射の前後で測定して比較して行った。
色調の測定には、前項(1)で使用した分光式測色計S
E−2000を使用した。また色調の変化は、次式を用
いて色差ΔE*abを求めた。 ΔE*ab=((ΔL*2+(Δa*2+(Δb*21/2
【0026】以下の実施例および比較例で用いたポリエ
ステル原料の製造方法は次のとおりである。 <ポリエステルA>ジメチルテレフタレート100部、
エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4
水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温するとともに
メタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開
始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエス
テル交換反応を終了した。次いで、エチルアシッドフォ
スフェート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を
添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15m
mHgとし、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3
mmHgとした。4時間後系内を常圧に戻し、実質的に
微粒子を含まないポリエステルAを得た。このポリエス
テルの固有粘度は0.70であった。
【0027】<ポリエステルB>ジメチルテレフタレー
ト100部、エチレングリコール60部および酢酸マグ
ネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温
するとともにメタノールを留去し、エステル交換反応を
行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、
実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、平均粒
径1.5μmのシリカ粒子を2.0部含有するエチレン
グリコールスラリーを反応系に添加し、さらにエチルア
シッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン
0.04部を添加した後、100分で温度を280℃、
圧力を15mmHgとし、以後も徐々に圧力を減じ、最
終的に0.3mmHgとした。4時間後系内を常圧に戻
しポリエステルBを得た。得られたポリエステルBのシ
リカ粒子含有量は1.0重量%であった。またこのポリ
エステルの固有粘度は0.70であった。
【0028】<ポリエステルC>ポリエステルAをベン
ト付き二軸押出機に供して、三菱化学(株)製ダイアレ
ジンレッドHS 2.5重量%、同ブルー4G 6.0
重量%、および同イエローF 1.5重量%の各濃度と
なるように混合して添加し、溶融混練りを行ってチップ
化を行い、染料マスターバッチ ポリエステルCを作成
した。 <ポリエステルD>ポリエステルAをベント付き二軸押
出機に供して、三菱化学(株)製ダイアレジンレッドH
S 2.5重量%、同ブルーH3G 6.0重量%、お
よび同イエローF 1.5重量%の各濃度となるように
混合して添加し、溶融混練りを行ってチップ化を行い、
染料マスターバッチ ポリエステルDを作成した。
【0029】実施例1 ポリエステルA、Cの各チップを92.0:8.0の割
合で、中間層用レジンとして中間層用押出機に投入し
た。これとは別にポリエステルA、Bの各チップを9
3:7の割合で表層用レジンとして表層用押出機に投入
した。それぞれの押出機はいずれもベント付きの異方向
二軸押出機であり、レジンは乾燥すること無しに290
℃の溶融温度で押出しを行い、その後溶融ポリマーをフ
ィードブロック内で合流して積層した。その後静電印加
密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール
上で冷却固化して3層構成の積層未延伸シートを得た。
得られたシートを85℃で3.5倍縦方向に延伸した。
次いで、フィルムをテンターに導き105℃で3.7倍
横方向に延伸した後、230℃にて熱固定を行い、さら
に幅方向に200℃で5%弛緩処理を行って、二軸配向
フィルムを作成した。このフィルムの各層の厚みは2/
21/2μmの構成で、総厚みは25μmであった。こ
のフィルムの可視光線透過率は約30%であり、フィル
ムヘーズは2.0%、表面粗度は両面とも0.015μ
mであった。また、フェードメーター中での80時間の
紫外線カーボンアーク灯による照射による色差ΔE*ab
値は0.95と良好であった。 実施例2 実施例1において、中間層用レジンとしてポリエステル
A、C、Dの各チップを92.0:5.0:3.0の割
合で中間層用押出機に投入した。これとは別にポリエス
テルA、Bの各チップを93:7の割合で表層用レジン
として表層用押出機に投入した。この後、実施例1と全
く同様に製膜を行って、二軸配向フィルムを作成した。
このフィルムの各層の厚みは2/21/2μmの構成
で、総厚みは25μmであった。このフィルムの可視光
線透過率は約30%であり、フィルムヘーズは2.0
%、表面粗度は両面とも0.015μmであった。ま
た、フェードメーター中での80時間の紫外線カーボン
アーク灯による照射による色差ΔE*ab値は1.90で
あり、実施例1と比べれば劣るが実用上許容できる範囲
であった。 比較例1 実施例1において、中間層用レジンとしてポリエステル
A、Dの各チップを92.0:8.0の割合で中間層用
押出機に投入した。これとは別にポリエステルA、Bの
各チップを93:7の割合で表層用レジンとして表層用
押出機に投入した。この後、実施例1と全く同様に製膜
を行って、二軸配向フィルムを作成した。このフィルム
の各層の厚みは2/21/2μmの構成で、総厚みは2
5μmであった。このフィルムの可視光線透過率は約3
0%であり、フィルムヘーズは2.0%、表面粗度は両
面とも0.015μmであった。また、フェードメータ
ー中での80時間の紫外線カーボンアーク灯による照射
による色差ΔE*ab値は3.25と劣るものであった。
【0030】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、日光や蛍
光灯などによるフィルム全体の変色・退色を抑えた窓貼
り用ポリエステルフィルムを提供することができ、その
工業的価値は高い。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも3層のポリエステルからなる
    共押出積層フィルムであって、実質的にポリエステルに
    溶解する染料を中間層に含有し、何れの層にも紫外線吸
    収剤あるいはラジカル吸収剤を含有せず、紫外線カーボ
    ンアーク灯で80時間直接フィルムを照射したときの色
    調変化ΔE*abが2.0以下であることを特徴とする窓
    貼り用二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 フィルム全体のヘーズが6.0%以下で
    あり、フィルムの可視光線透過率が3〜75%であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の窓貼り用二軸配向ポリエ
    ステルフィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の窓貼り用二軸
    配向ポリエステルフィルムの片面に、ポリアクリル樹脂
    を含むハードコート層を有することを特徴とする窓貼り
    用複合ポリエステルフィルム。
JP2002238447A 2001-08-28 2002-08-19 窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルム Pending JP2003145701A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002238447A JP2003145701A (ja) 2001-08-28 2002-08-19 窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルム

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001257424 2001-08-28
JP2001-257424 2001-08-28
JP2002238447A JP2003145701A (ja) 2001-08-28 2002-08-19 窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003145701A true JP2003145701A (ja) 2003-05-21

Family

ID=26621096

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002238447A Pending JP2003145701A (ja) 2001-08-28 2002-08-19 窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003145701A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015134824A3 (en) * 2014-03-07 2015-10-29 3M Innovative Properties Company Durable extruded dyed polyester films

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015134824A3 (en) * 2014-03-07 2015-10-29 3M Innovative Properties Company Durable extruded dyed polyester films
CN106061729A (zh) * 2014-03-07 2016-10-26 3M创新有限公司 耐久性挤出型染色聚酯膜
KR20160131048A (ko) * 2014-03-07 2016-11-15 쓰리엠 이노베이티브 프로퍼티즈 컴파니 내구성의 압출된 염착 폴리에스테르 필름
JP2017509517A (ja) * 2014-03-07 2017-04-06 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 耐久性のある押出染色ポリエステルフィルム
US9630384B2 (en) 2014-03-07 2017-04-25 3M Innovative Properties Company Durable extruded dyed polyester films
CN113334887A (zh) * 2014-03-07 2021-09-03 3M创新有限公司 耐久性挤出型染色聚酯膜
KR102356199B1 (ko) * 2014-03-07 2022-01-28 쓰리엠 이노베이티브 프로퍼티즈 컴파니 내구성의 압출된 염착 폴리에스테르 필름
EP3113950B1 (en) * 2014-03-07 2022-08-24 3M Innovative Properties Company Durable extruded dyed polyester films

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100992515B1 (ko) 디스플레이용 폴리에스테르 필름
JP5052716B2 (ja) 赤外線フィルター
JPH04239540A (ja) 液晶ディスプレイ反射板用白色ポリエステルフイルム
JP2007216528A (ja) 光学用積層ポリエステルフィルム
JP4836549B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP4906351B2 (ja) 電子ペーパー用ポリエステルフィルム
JP4311838B2 (ja) 窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルム
JP2009214354A (ja) 光学用積層ポリエステルフィルム
JP4334108B2 (ja) 窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルム
JP2007130956A (ja) 光学用積層ポリエステルフィルム
JP2003175577A (ja) 窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルム
JP5155906B2 (ja) 離型フィルム
JP2002086650A (ja) 白色積層ポリエステル系フィルム及びその製造方法
JP2003145701A (ja) 窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルム
JP5107543B2 (ja) 光学用積層ポリエステルフィルム
US7223467B2 (en) Biaxially oriented laminated polyester film
JP2010174135A (ja) ポリエステルフィルム
JP4189896B2 (ja) 窓貼り用二軸配向ポリエステルフィルム
JP4183949B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法
JP5064677B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP4233396B2 (ja) 窓貼り用二軸配向積層ポリエステルフィルム
JP5064684B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP6972524B2 (ja) ポリエステルフィルム
KR100502002B1 (ko) 컬러 폴리에스테르 필름
JP2003266585A (ja) 二軸配向積層ポリエステルフィルム