JP2001064694A

JP2001064694A - 高嵩密度粒状洗剤組成物

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Publication number: JP2001064694A
Application number: JP27727699A
Authority: JP
Inventors: Yuji Yoneyama; 雄二米山
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1999-08-25
Filing date: 1999-08-25
Publication date: 2001-03-13

Abstract

(57)【要約】（修正有）【課題】水溶性無機ビルダーを用いて洗浄性能に優
れ、洗剤の保存による固化防止に優れた高嵩密度粒状洗
剤組成物に関する。【解決課題】（ａ）α−スルホ脂肪酸アルキルエステ
ルおよびその塩、α−オレフィンスルホン酸塩およびそ
の塩、アルキルエーテル硫酸およびその塩、アルキル硫
酸およびその塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸およ
びその塩から選ばれる１種以上のアニオン界面活性剤。（ｂ）ノニオン界面活性剤。（ｃ）アルカリ金属をＭ及び周期律表第２族金属をＲと
して、下記一般式（Ｉ）ｎＳｉＯ_２・ｍＡｌ_２Ｏ_３・Ｍ_２Ｏ・ｐＲＯ・ｑＨ_２Ｏ
‥‥‥（Ｉ）で示される変性ケイ酸塩。（ａ）および（ｂ）成分を合計で１０〜４０重量％、
（ｃ）成分を１〜５０重量％含むことを特徴とする高嵩
密度粒状洗剤組成物

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、水溶性無機ビルダーを
用いて洗浄性能に優れ、洗剤の保存による固化防止に優
れた高嵩密度粒状洗剤組成物に関する。

【０００２】

【従来の技術】現在、家庭用のヘビー洗剤はビルダーと
してゼオライトを用いた無リン洗剤が主流である。この
ゼオライトは洗剤中の硬度成分であるカルシウムイオン
をイオン交換で捕捉し、界面活性剤がカルシウムイオン
と反応して界面活性能を低下することを防止するもので
ある。またゼオライトは粒状洗剤の流動性、あるいは製
造装置への付着を防止するなどの表面改質剤としても有
効な基材である。しかしながら、最近の住宅設計の傾向
では、洗濯機を置く場所が制限され、洗濯ホースの無理
な使用や複雑な配水管周りを強いられるケースが多く発
生している。このような場合、洗濯ホース内や配水管の
角部分に洗濯排液が溜まりやすい場合に、ゼオライトが
沈殿して白く粉をふくことがあった。また、風呂場に排
水する場合、髪の毛などの詰まりで排水速度が遅い場合
に、ゼオライトが排水口周りに白く付着する現象が発生
していた。したがって、洗剤用ビルダーとしては、イオ
ン交換能を有することはもちろん、水溶性のもので、ゼ
オライトに代替しうる無機ビルダーが望まれていた。こ
のような無機ビルダーとしては、例えば特開昭６０−２
４０７９８、特開昭６２−２７３２０、特開平５−１８
４９４６に記載されている結晶性ケイ酸塩があり、これ
らの洗剤用途としては特開昭６０−２４０７９９、特開
平２−１７８３９９、特開平２−９７６００、に記載さ
れている。しかし、結晶性ケイ酸塩はイオン交換能が低
く、また吸湿性が強いという粉体物性から、微粉末に加
工しにくいこともあり、ゼオライトの持つビルダー効果
や表面改質剤の効果を充分に代替するにいたっていなか
った。

【０００３】

【本発明が解決しようとする課題】本発明は特定の変性
した結晶性ケイ酸塩を無機水溶性ビルダーに用い、洗浄
性能に優れ、かつ保存時での固化防止に優れた高嵩密度
粒状洗剤組成物を提供するものである。さらに本発明
は、漂白剤が存在する洗剤中において、香気安定性が改
善された高嵩密度粒状洗剤組成物を提供するものであ
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の高嵩密度粒状洗
剤組成物は、下記（ａ）、（ｂ）および（ｃ）成分を、
重量比で（ａ）／（ｂ）＝９５／５〜５／９５の範囲
で、（ａ）および（ｂ）成分を合計で１０〜４０重量
％、（ｃ）成分を１〜５０重量％含むことを特徴とす
る。（ａ）α−スルホ脂肪酸アルキルエステルおよびその
塩、α−オレフィンスルホン酸塩およびその塩、アルキ
ルエーテル硫酸およびその塩、アルキル硫酸およびその
塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸およびその塩から
選ばれる１種以上のアニオン界面活性剤（ｂ）ノニオン界面活性剤（ｃ）１１０℃乾燥物当たりの酸化物基準で表して、ア
ルカリ金属をＭ及び周期律表第２族金属をＲとして、下
記式一般式（Ｉ）

【０００５】

【化２】ｎＳｉＯ_２・ｍＡｌ_２Ｏ_３・Ｍ_２Ｏ・ｐＲＯ・ｑＨ_２Ｏ‥‥‥（Ｉ）（式中、ｎは３〜５の数であり、ｍは０．００６〜０．
１の数であり、ｐは０．００６〜０．１の数であり、ｑ
は１０以下の数）である化学的組成を有し、且つ下記数
式（１）で定義される変性ケイ酸塩

【０００６】

【数２】Ｄ＝［Ｓ_４／（Ｓ_６＋Ｓ_４）］×１００ ‥‥‥‥（１）（式中、Ｓ６は２７Ａｌ固体ＮＭＲで測定して、化学シ
フト３０〜−５０ｐｐｍの範囲のピーク面積を表し、Ｓ
４は上記ＮＭＲにおいて化学シフト３０〜１００ｐｐｍ
の範囲のピーク面積を表す、で定義される同型置換度
（Ｄ）が７５％以上の範囲）を含有し、且つ、上記
（ａ）、（ｂ）成分を、重量比で（ａ）／（ｂ）＝９５
／５〜５／９５の範囲で（ａ）および（ｂ）成分を合計
で１０〜４０重量％、（ｃ）成分を１〜５０重量％含む
ことを特徴とする高嵩密度粒状洗剤組成物。

【０００７】

【発明の実施態様】（ａ）成分のアニオン界面活性剤に
ついて具体的に示すと以下の（ａ−１）〜（ａ−５）の
とおりであり、これらが単独であるいは２首位状併用し
て配合される。（ａ−１）下記化３（一般式ＩＩ）で表されるα−ス
ルホ脂肪酸アルキルエステルまたはその塩

【０００８】

【化３】（式中；Ｒ：炭素数８〜２０のアルキル基またはアルケ
ニル基、Ｙ：炭素数１〜３のアルキル基または対イオ
ン、Ｚ：対イオン）

【０００９】（ａ−２）平均炭素数１０〜２０、好まし
くは１２〜１８のアルキル基またはアルケニル基を有す
るα−オレフィンスルホン酸またはその塩（ａ−３）平均炭素数１０〜２０の直鎖または分岐鎖の
アルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均０．５〜
８モルのエチレンオキサイドを付加したアルキルエーテ
ル硫酸またはその塩（ａ−４）平均炭素数１０〜２０、好ましくは１２〜１
８のアルキル基を有するアルキル硫酸またはその塩（ａ−５）平均炭素数８〜１６のアルキル基を有する直
鎖アルキルベンゼンスルホン酸またはその塩上記のアニオン界面活性剤における対イオンとしては、
通常ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属塩が適当
である。

【００１０】（ｂ）成分のノニオン界面活性剤として
は、以下のものが例示できる。（ｂ−１）化４（一般式ＩＩＩ）で示される脂肪酸エス
テル型ノニオン界面活性剤

【００１１】

【化４】（式中；Ｒ１−ＣＯ：炭素数６〜２２、好ましくは炭素
数１０〜１８の飽和または不飽和脂肪酸残基であって、
直鎖または分岐であってもよい。Ｒ２：炭素数２〜４で
あり、エチレンオキサイドが単独で、またはエチレンオ
キサイドおよびプロピレンオキサイドが混合して付加し
てＯＲ２を構成することが好ましい。Ｒ３：炭素数１〜
４のアルキル基、好ましくは炭素数１〜２のアルキル
基、ｎ：ＯＲ２の平均付加モル数を示し、５〜３０の
数、好ましくは５〜２０）

【００１２】この脂肪酸エステル型ノニオン界面活性剤
は、構造的には脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物の
アルキルエーテルであり、常法により脂肪酸にアルキレ
ンオキサイドを付加させ、次いでアルキルエーテル化す
る２段法によって得られるが、３価のアルミニウム（Ａ
ｌ）イオン、ガリウム（Ｇａ）イオン、インジウム（Ｉ
ｎ）イオン、タリウム（Ｔｌ）イオン。コバルト（Ｃ
ｏ）イオン、スカンジウム（Ｓｃ）イオン、ランタン
（Ｌａ）イオンおよび２価のマンガン（Ｍｎ）イオンか
ら選ばれる金属イオンの１種以上が添加された酸化マグ
ネシウムからなる触媒の存在下に、脂肪酸アルキルエス
テルＲ１ＣＯＯＲ３とアルキレンオキシドとを反応させ
る１段法によっても製造したものが好ましい（特願平３
−６３９０４号）。

【００１３】（ｂ−２）平均炭素数１０〜２０のアルコ
ールにエチレンオキサイドを平均５〜２０モル付加させ
たアルコールエトキシレート。（ｂ−３）平均炭素数１０〜２０のアルコールにプロピ
レンオキサイドおよびエチレンオキサイドを平均５〜２
０モル付加させたアルコールエトキシレート（ｂ−４）ノニルフェノールにエチレンオキサイドを平
均５〜２０モル付加させたノニルフェノールエトキシレ
ート（ｂ−５）脂肪酸アルカノールアミド（ｂ−６）アルキルアミンオキサイド（Ｂ−７）下記化５（一般式Ｖ）で示されるアルキルグ
ルコシド

【００１４】

【化５】ＲＯ（Ｒ’Ｏ）ｙ（Ｚ）ｘ（Ｖ）（Ｚ：炭素数５〜６の還元糖に由来する残基、Ｒ：アル
キル基、アルケニル基、アルキルフェニル基、ヒドロキ
シアルキル基、ヒドロキシアルキルフェニル基またはそ
れらの混合物であり、アルキル基またはアルケニル基の
炭素数が８〜２０のもの、Ｒ’：炭素数２〜４のアルキ
レン基、ｙ：０〜３０、ｘ：１．０〜１．４２）

【００１５】糖残基としてはグルコース、ガラクトー
ス、キシロース、マンノース、リキソース、アラビノー
スなどの単糖、マルトース、キシロピオース、ラクトー
ス、スクロース等の多糖が挙げられる。（ａ）成分およ
び（ｂ）成分は、重量で（ａ）／（ｂ）＝９５／５〜５
／９５、好ましくは９０／１０〜１０／９０の範囲で混
合することにより洗浄力を向上できる。また、（ａ）成
分および（ｂ）成分は、洗剤組成物中に合計で１０〜４
０重量％、好ましくは１５〜３５重量％配合できる。こ
の配合量が１０重量％未満では満足行く洗浄力が得られ
ず、また４０重量％より多いと固化性が悪くなる。

【００１６】（ｃ）成分は、（１）カルシウムイオン交換能が１５０ｍｇＣａＣＯ３
／ｇ以上、さらに好ましくは２００ｍｇＣａＣＯ３／ｇ
以上の範囲にあること、（２）アンモニウムアルカリ性で塩化カルシウムを１１
１ｐｐｍ含む常温の水に対して変性ケイ酸塩１００ｐｐ
ｍ添加した後、３０分後の溶解量が添加量の３０％以下
であり、１２０分後の溶解量が添加量の４０％以上であ
る遅水溶解特性を有すること、（３）ＪＩＳＫ−５１０１−２１で測定して８０ｍＬ／
１００ｇ以上の吸油量を有すること（４）アルカリ金属がナトリウムであり、且つ周期律表
第２族金属がマグネシウムであること（５）下記数式（２）

【００１７】

【数３】Ｒ１＝Ｉ０３１／Ｉ２００ ‥‥‥（２）式中、Ｉ０３１は面指数（０３１）のＸ線回折ピークの
相対強度であり、Ｉ２００は面指数（２００）のＸ線回
折ピークの相対強度である、で定義されるＸ線回折強度比が０．２乃至１．０５の範
囲内にあること、

【００１８】（６）面指数（０３１）のＸ線回折ピーク
の半値幅から求めた結晶子サイズが４５０ｎｍの範囲内
にあること、が好ましい。また、この様に変性した珪酸塩は微粉末と
することが可能であり、粒度分布を有し、平均粒径は１
０μｍ以下の微粉体にしたものが好ましい。［変性ケイ酸塩の製造］本発明の変性ケイ酸塩は、ケイ
酸アルカリ、水溶性マグネシウム塩及びアルミン酸アル
カリ金属塩または水溶性アルミニウム塩を種結晶の存在
下、水溶性アルカリ金属塩を含む水及び水混和性有機溶
媒からなる反応媒質中で反応させることにより製造され
る。

【００１９】原料として用いるケイ酸ナトリウムは、水
性溶液でもよいし、分散溶液でもよい。この原料はいわ
ゆる水ガラスのようなケイ酸ナトリウムの透明な溶液で
あつてもよいし、また固体のケイ酸ナトリウムであつて
もよいし、更にこれらの組み合わせであつてもよい。用
いる原料ケイ酸ナトリウムは、Ｎａ２Ｏ：ＳｉＯ２のモ
ル比が１．０：２．５〜１．０：４．０、特に１．０：
２．８〜１．０：３．５の範囲にあるものが好適であ
る。

【００２０】また、原料ケイ酸ナトリウム水性溶液乃至
分散液中の水分量にも一定の好適範囲があり、水分量は
モル比（Ｈ_２Ｏ／ＳｉＯ_２）で４〜４０重量％、特に５
〜３０重量％の範囲にあるのが好ましい。

【００２１】変性に用いるマグネシウム分やアルミニウ
ム分は水溶性であることが必須不可欠であり、水不溶性
の化合物を用いたのでは所望の変性効果が得られない。
水溶性マグネシウム塩としては、塩化マグネシウム、硝
酸マグネシウム、硫酸マグネシウムなどのマグネシウム
の鉱酸塩が好適に使用されるが、勿論これに限定されな
い。水溶性のアルミニウム化合物としては、塩化アルミ
ニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウムなどのア
ルミニウムの鉱酸塩も使用可能であるが、アルミン酸ナ
トリウムを用いるのが最も好ましい。これらの変性成分
の使用量は、前記表１の量を満足する量であればよく、
反応系に仕込んだマグネシウム分及びアルミニウム分の
全量が生成物中に含まれることになる。

【００２２】本発明の合成法では、変性ケイ酸塩の結晶
化を促進するために、種結晶を使用する。種結晶として
は、変性ケイ酸の結晶を用いるが、未変性のケイ酸塩、
特にマカタイト型ケイ酸ナトリウムを使用することもで
きる。この種結晶は前記式（１）の化学組成と前記式
（２）の同型置換度を有するものが好適である。

【００２３】ケイ酸ナトリウム中のＳｉＯ２１００重
量部当たり、種結晶を１．０〜５０．０重量部、時に
５．０〜３０．０重量部の量で添加することが好まし
い。

【００２４】また、反応を促進し、変性ケイ酸塩の収率
を向上させるために、反応系中に水溶性アルカリ金属塩
及び水混和性有機溶媒を存在させるのが有効である。

【００２５】水溶性アルカリ金属塩としては、例えば硫
酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カ
リウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、リン酸ナトリ
ウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウ
ム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、過ホウ酸ナト
リウムなどが挙げられが、水溶性のものであれぱ、この
例に限定されない。これらの内でもナトリウム塩、特に
食塩、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウムが好適である。

【００２６】水溶性アルカリ金属塩は、ケイ酸ナトリウ
ム中のＳｉＯ２分１００重量部当たり、１〜３００重量
部、特に５〜１００重量部の量で添加することが好まし
い。

【００２７】水混和性有機溶媒としては、特に沸点が６
０℃以上の有機溶媒が使用され、好適なものとして、多
価アルコール乃至そのエーテル誘導体が例示される。好
適なものとして、多価アルコール乃至そのエーテル誘導
体が例示される。具体的には、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチ
レングリコールなどの多価アルコール、エチレングリコ
ールジメチルエーテル、セロソルブ、メチルセロソル
ブ、ブチセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトー
ル、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ダイグ
ライム等の多価アルコールエーテル誘導体などが挙げら
れる。これらのうちでも、沸点が６０℃以上の有機溶
媒、特に沸点が９０℃以上の有機溶媒が、安定性の点で
好適である。特に好適な有機溶媒は、グリセリン、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール等である。

【００２８】水混和性有機溶媒は、ケイ酸ナトリウム中
のＳｉＯ２分１００重量部当たり、１〜３００重量部、
特に５〜１００重量部の量で添加することが好ましい。

【００２９】変性ケイ酸塩の晶出は、ケイ酸ナトリウ
ム、水溶性マグネシウム塩、水溶性アルミニウム化合
物、種結晶、水溶性アルカリ金属塩、及び水混和性有機
溶媒を含有する混合組成物を８０℃以上、特に９０〜１
３０℃の温度に維持して反応させることにより行わせ
る。この反応に際して、攪拌を行うことが必要である
が、この混合組成物はかなり粘性があるので、通常の攪
拌羽根では攪拌が困難であり、ニーダや他の混練装置を
用いて攪拌を行うことが推奨される。晶出のための時間
は、ケイ酸アルカリの組成、その他の原料の種類或いは
その添加量、種結晶の配合量、並びに温度によつても相
違するが、一般的にいつて、３〜１００時間、特に５〜
３０時間程度である。

【００３０】晶出した変性ケイ酸塩は、母液から分離
し、必要により水洗し、乾燥、粉砕、分級等の処理をし
て製品とする。

【００３１】（ｃ）成分の変性ケイ酸塩は洗浄剤組成物
中に１〜５０重量％配合することが好ましく、特に好ま
しくは１．５〜３５重量％配合である。本発明の洗浄剤
組成物は上記の（ａ）、（ｂ）、（ｃ）の必須成分の他
に必要に応じて、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤
などの他の界面活性剤、アルカリビルダー、カルシウム
イオン捕捉剤などのビルダー、酵素、漂白剤、あるいは
その他の添加剤を配合することもできる。漂白剤として
は、過炭酸ナトリウムが代表的であり、本発明の高嵩密
度粒状洗剤組成物に３〜３０重量％配合することが好ま
しく、特に好ましくは、５〜２０重量％である。また、
漂白剤と併用して用いられる漂白活性化剤としては、下
記に示される長鎖過酸前駆体が例示できる。Ｒ−Ｃ（Ｏ）−Ｌ香料としては、通常衣料用洗剤に配合されるものであれ
ば、特に限定する必要はない。配合量としては、洗剤組
成物に対し０．０５〜０．３重量％の範囲で配合する事
が望ましい。

【００３２】本発明の洗剤組成物は、例えば上記各成分
を造粒して嵩密度０．６〜１．２ｇ／ｃｃの高嵩密度粒
状洗剤組成物とすることにより得られる。この造粒方法
は特開昭６０−９６６９８号に記載されており、界面活
性剤などの洗剤原料をニーダーで捏和、混合し、カッタ
ーミルタイプ等の解砕機で解砕、造粒することにより本
発明の洗剤組成物が得られる。また、洗剤成分の一部ま
たは全部を予め噴霧乾燥して、この噴霧乾燥品と残りの
洗剤成分とを捏和、混合して洗剤組成物を製造すること
もできる。或いは、噴霧乾燥粒子と他の洗剤成分とを攪
拌造粒して、製造することもできる。アルカリ無機塩、
ゼオライト、吸油剤等の混合体に界面活性剤の未中和品
を加えて中和するか、あるいは、界面活性剤の塩を直接
造粒することによって得られる造粒物に、他の洗剤成分
を造粒したものを乾式混合することによって製造するこ
ともできる。本発明で得られる高嵩密度粒状洗剤はセル
ロース系などの適当な崩壊剤を混合し、円柱状の成型器
で成型し、例えばタブレット型洗剤としてもよい。

【００３３】（ｃ）成分の変性ケイ酸塩は粉体化し、上
記造粒、解砕各工程において、予め混合するか、またこ
れらの工程前、工程中、あるいは工程後に混合すること
が好ましい。また、ノニオン界面活性剤をバインダーと
して噴霧しながら攪拌造粒する際の吸油剤として加える
ことでもよい。また、これらの洗剤粒子に（ｃ）成分の
微粉末を混合して、流動化剤として加えても良い。この
他、（ｃ）成分をノニオン活性剤やポリエチレングリコ
ールのような適度な融点と水への溶解度を持つ物質で
０．５から１ｍｍ程度の粒状粒子に造粒して、洗剤粒子
に乾式混合してもよい。

【００３４】

【本発明の効果】本発明によれば洗剤組成物（ａ）α−
スルホ脂肪酸アルキルエステルおよびその塩、α−オレ
フィンスルホン酸およびその塩、アルキルエーテル硫酸
およびその塩、アルキル硫酸およびその塩、直鎖アルキ
ルベンゼンスルホン酸およびその塩から選ばれるアニオ
ン界面活性剤、（ｂ）ノニオン界面活性剤を特定比率で
配合した界面活性剤成分と、（ｃ）１１０℃乾燥物当た
りの酸化物基準で表して、アルカリ金属をＭ及び周期律
表第２族金属をＲとして、下記式（７）

【００３５】

【化７】ｎＳｉＯ_２・ｍＡｌ_２Ｏ_３・Ｍ_２Ｏ・ｐＲＯ・ｑＨ_２Ｏ‥‥‥（ＶＩ）（式中、ｎは３〜５の数であり、ｍは０．００６〜０．
１の数であり、ｐは０．００６〜０．１の数であり、ｑ
は１０以下の数）である。の化学的組成を有し、且つ下
記式（２）で定義される変性ケイ酸塩。

【００３６】

【数３】Ｄ＝［Ｓ_４／（Ｓ_６＋Ｓ_４）］×１００ ‥‥‥‥（２）（式中、Ｓ６は２７Ａｌ固体ＮＭＲで測定して、化学シ
フト３０〜−５０ｐｐｍの範囲のピーク面積を表し、Ｓ
４は上記ＮＭＲにおいて化学シフト３０〜１００ｐｐｍ
の範囲のピーク面積を表す、で定義される同型置換度
（Ｄ）が７５％以上の範囲）である変性ケイ酸塩を配合
して高嵩密度洗剤組成物とすることにより、優れた洗浄
性能を有し、かつ保存時での固化防止に優れた洗剤組成
を得ることができる。

【００３７】

【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、これに先立って実施例を用いた評価法を
説明する。（１）洗浄力の評価測定（ｉ）人工汚染布の調製結晶性鉱物であるカオリナイト、バーミキュライトなど
を主成分とする粘土を２００℃で３０時間乾燥したもの
を無機汚れとして使用した。９５０ｃｃの水にゼラチン
３．５ｇを約４０℃で溶解した後、強力な乳化分散機で
あるポリトロン（スイスＫＩＮＥＭＡＴＩＣＡ製）で
０．２５ｇのカーボンブラックを水中に分散した。次に
無機汚れ１４．９ｇを加えてポリトロンで乳化し、さら
に有機汚れ３１．３５ｇを加えてポリトロンで乳化分散
して安定な汚染浴を作った。この汚染浴中に１０ｃｍ×
２０ｃｍの所定の清浄布（綿布２０番）を浸積した後、
ゴム製２本ロールで水を絞り、汚れの付着量を均一化し
た。この汚染布を１０５℃で３０分間乾燥した後、汚染
布の両面を左右２５回づつラビングした。これを５ｃｍ
×５ｃｍに裁断して反射率が４２±２％の範囲のものを
試験布として供した。こうして得られた人工汚染布の汚
れ組成は表１のとおりである。

【００３８】

【表１】

【００３９】（ｉｉ）洗浄方法はＵ．Ｓ．Ｔｅｓｔｉｎ
ｇ社（米国）のＴｅｒｇ−Ｏ−Ｔｏｍｅｔｅｒを使用
し、これに試験布１０枚とメリヤス布を入れて浴比を３
０倍にあわせ、１２０ｒｐｍ、２５℃で１０分間洗浄す
る。洗浄液は洗浄剤濃度０．０６６％のもの９００ｍＬ
を用い、すすぎは９００ｍＬの水で３分間洗浄する。使
用水は３゜ＤＨのものを用いる。

【００４０】（ｉｉｉ）評価方法数式３、４で表されるクベルカムンク式により洗浄率を
求めた。

【００４１】

【数３】

【００４２】

【数４】ここでＲは日本電色社製の色彩系Σ−９０００を用いて
測定される反射率である。また、標準白布は綿布２０番
を使用した。そして、洗浄力の評価は、試験布１０枚の
平均値で行った。

【００４３】（２）保存試験低吸湿性の紙製洗剤容器（１１ｃｍ×１５ｃｍ×９ｃ
ｍ）に、試料洗剤５００ｇを入れ、２５℃、相対湿度６
０％と３５℃、相対湿度８５％の条件をそれぞれ８時間
と１６時間行う恒温恒湿試験室に入れ、４０日間静置し
た。この試料洗剤を金網（またはフルイ、網目５ｍｍ×
５ｍｍ）の上に静かに容器から移しあけ、金網を通過し
た粉末重量を測定して、数式５により固化率を求めた。

【００４４】

【数５】

【００４５】

【洗剤の製造法Ａ】後記表４に示した洗剤組成からノニ
オン界面活性剤ＡＥ、ＦＥＥ、およびＡＥＰ、ゼオライ
トの一部、変性ケイ酸塩、結晶性ケイ酸塩、酵素、香料
を除いた各成分を用いて固形分６０％の洗剤スラリーを
調製し、向流式噴霧乾燥塔を用い、熱風温度２７０℃
で、水分５％となるように乾燥して、噴霧乾燥品を得
た。この噴霧乾燥品は平均粒子径４００μｍ、嵩密度
０．３５ｇ／ｃｃ、であった。ついで、この噴霧乾燥品
にゼオライト、あるいは変性ケイ酸塩、あるいは結晶性
ケイ酸塩を混合し、これをノニオン界面活性剤および水
とともに連続ニーダ（栗本鉄鋼所製、ＫＲＣニーダ＃２
型）に導入し、緻密で均一な捏和物を得た。このニーダ
ーの排出口に５ｍｍφの穴径を８０個有した多孔板（厚
さ１０ｍｍ）を設置し、捏和物を約５ｍｍφ×１０ｍｍ
の円筒状ペレットとした。このペレットを２倍量（重量
比）の１５℃の冷却空気とともに破砕機（スピードミル
ＮＤ−１０型、岡田精工（（株）））へと導入した。破
砕機は長さ１５ｃｍのカッターをクロスで４段で有して
おり、３０００ｒｐｍで回転し、スクリーンは３６０度
のパンチングメタルからなり、穴径２ｍｍφ、開口系２
０％である。粉砕助剤には３．５重量％の微粉末ゼオラ
イト、あるいは変性ケイ酸塩、あるいは結晶性ケイ酸塩
を使用して粉砕を行う。スクリーンを通過した粒子に、
少量の微粉末ゼオライト、変性ケイ酸塩、結晶性ケイ酸
塩と酵素を添加し、ノニオン界面活性剤ＡＥＰ、香料を
噴霧して、嵩密度０．８５ｇ／ｃｃの本発明の洗剤組成
物を得た。

【００４６】

【洗剤の製造法Ｂ】後記表５に示した洗剤組成からノニ
オン界面活性剤ＡＥ、ＦＥＥ、およびＡＥＰ、ゼオライ
トの一部、変性ケイ酸塩、酵素、香料を除いた各成分を
用いて固形分６０％の洗剤スラリーを調製し、向流式噴
霧乾燥塔を用い、熱風温度２７０℃で、水分５％となる
ように乾燥して、噴霧乾燥品を得た。ついで、この噴霧
乾燥品にゼオライト、あるいは変性ケイ酸塩、あるいは
結晶性ケイ酸塩、および炭酸ナトリウム少量混合し、ハ
イスピードミキサー（深江工業（株）製、ＬＦＳ−ＧＳ
−２Ｊ型）にいれて、攪拌しながらノニオン界面活性剤
の液体を徐々に添加していき、攪拌造粒を行った。造粒
がほど良く行われたところで、ゼオライトおよび／また
は変性ケイ酸塩を１．５％加えて造粒を終了し、粒状洗
剤を得た。これに必要に応じて酵素および香料を添加
し、嵩密度０．７〜０．９ｇ／ｃｃの洗剤組成物を得
た。

【００４７】表４〜表６中の略号の意味および詳細は以
下の通りである。なお、ＥＯｐはエチレンオキサイドの
平均モル数を、また、ＰＯｐはプロピレンオキサイドの
平均モル数を示す。

【００４８】（１）アニオン界面活性剤 α−ＳＦ：α−スルホ脂肪酸（Ｃ１４〜Ｃ１８）メチル
エステルナトリウムＡＯＳ：Ｃ１４〜Ｃ１８α−オレフィンスルホン酸ナト
リウムＡＥＳ：Ｃ１２〜Ｃ１８アルキルエーテル（ＥＯｐ＝
３）硫酸ナトリウムＡＳ：Ｃ１２〜Ｃ１４アルコール硫酸ナトリウムＬＡＳ：Ｃ１０〜Ｃ１４直鎖アルキルベンゼンスルホン
酸ナトリウム

【００４９】ＡＥ：Ｃ１２アルコールエトキシレート
（ＥＯｐ＝１２）ＦＥＥ：Ｃ１１Ｈ１２ＣＯ（ＯＣＨ２ＣＨ２）１５ＯＣ
Ｈ３ＡＥＰ：Ｃ１３アルコールのＥＯ、ＰＯ付加物（ＥＯｐ
＝１２、ＰＯｐ＝３）（２）キレートビルダーＡＣ／ＭＡ：アクリル酸・マレイン酸コポリマーのナト
リウム塩（商品名ＣＰ７、平均分子量５００００）ＨＩＤＳ：ヒドロキシイミノジコハク酸４ナトリウム
（約４０％水溶液）ＡＳＤＡ：アスパラギン酸２酢酸４ナトリウム（約４０
％水溶液）（３）酵素プロテアーゼＡ：商品名カンナーゼ１２ＴプロテアーゼＢ：商品名サビナーゼ１２Ｔリパーゼ：商品名リポラーゼウルトラ５０Ｔアミラーゼ：商品名ターマミル１２０Ｔセルラーゼ：商品名セルザイム（５）その他の添加剤石鹸：Ｃ８〜Ｃ２０脂肪酸ナトリウムゼオライト：Ａ型ゼオライト（平均粒子径１．２μｍ）珪酸ナトリウム：ＪＩＳ１号、Ｎａ２Ｏ・２．２Ｓｉ
Ｏ２ＰＥＧ：ポリエチレングリコール（平均分子量６００
０）蛍光剤：４，４−ビス（スルホスチリル）ビフェニル２
ナトリウム／４，４−ビス［（４−トルイジノ−６−モ
ノホリノ−１，３，５−トリアジン−２イル）アミノ］
スチルベン−２，２−ジスルホン２ナトリウム＝１／１
の混合物（チノパールＣＢＳ／チノパールＡＭＳ）香料：表２〜表３に示す成分を含む組成の配合香料

【００５０】

【表２】

【００５１】

【表３】

【００５２】

【表４】

【００５３】

【表５】

【００５４】

【表６】

【００５５】本発明によれば、漂白剤、あるいは漂白剤
と漂白活性化剤を含有する洗剤において、特定の変性ケ
イ酸塩を配合することにより、漂白剤中における香料の
香気安定性を改善することができ衣料用洗剤などに好適
である。以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的
に説明するが、これに先立つて実施例に用いた評価法を
説明する。

【００５６】「洗剤の製造法」後記表７に示した洗剤組
成からノニオン界面活性剤、ゼオライトの一部、漂白
剤、漂白活性化剤、酵素、香料、変性ケイ酸塩を除いた
各成分を用いて固形分６０％の洗剤スラリーを調製し、
向流式噴霧乾燥塔を用い、熱風温度２７０℃で、水分５
％となるように乾燥して、噴霧乾燥品を得た。ついで、
この噴霧乾燥品に変性ケイ酸塩を一部混合し、これをノ
ニオン界面活性剤および水とともに連続ニーダ（栗本鉄
鋼所製、ＫＲＣニーダ＃２型）に導入し、緻密で均一な
捏和物を得た。このニーダの排出口に５ｍｍψの穴径を
８０個有した多孔板（厚さ１０ｍｍ）を設置し、捏和物
を約５ｍｍψ×１０ｍｍの円筒状ペレツトとした。この
ペレツトを２倍量（重量比）の１５℃の冷却空気ととも
に破砕機（スピードミルＮＤ−１０型。岡田精工
（株））へと導入した。破砕機は、長さ１５ｃｍのカツ
ターをクロスで４段で有しており、３０００ｒｐｍで回
転し、スクリーンは３６０度のパンチングメタルからな
り、穴径２ｍｍψ、開口径２０％である。粉砕助剤に
は、３．５重量％の変性ケイ酸塩を用いて粉砕を行う。
スクリーンを通過した粒子に、少量の変性ケイ酸塩、漂
白剤、漂白活性化剤、酵素を添加し、ノニオン界面活性
剤ＡＥＰ、香料を噴霧して、嵩密度０．７〜０．９ｇ／
ｃｃの本発明の洗剤組成物を得た。

【００５７】「香気安定性保存試験」低吸湿性の紙製洗
剤容器（１１ｃｍ×１５ｃｍ×９ｃｍ）に試料洗剤５０
０ｇを入れ、２５℃で相対湿度６０％と３５℃で相対湿
度８５％の条件をそれぞれ８時間と１６時間行う恒温恒
湿試験室に入れ、４０日間静置した後、容器を開封し、
洗剤試料の香気の強さを基準と比較評価した。尚、基準
洗剤は漂白剤を含まない洗剤を同時に保存したものとし
た。評価基準は下記のとおりであり、１０人のパネラー
で行い、その平均点を求めた。

【００５８】表９中の略号の意味および詳細は以下の通
りである。なお、ＥＯｐはエチレンオキサイドの平均付
加モル数を、またＰＯｐはプロピレンオキサイドの平均
付加モル数を示す。

【００５９】（１）アニオン界面活性剤 α−ＳＦ：α−スルホ脂肪酸（Ｃ１４〜Ｃ１８）メチル
エステルナトリウムＡＯＳ：Ｃ１４〜Ｃ１８α−オレフィンスルホン酸ナ
トリウムＡＳ：Ｃ１２〜Ｃ１４アルコール硫酸ナトリウムＬＡＳ：Ｃ１０〜Ｃ１４直鎖アルキルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム石鹸：Ｃ８〜Ｃ２０脂肪酸ナトリウム

【００６０】ＡＥ：Ｃ１２アルコールエトキシレー
ト（ＥＯｐ＝１２）ＡＥＰ：Ｃ１３アルコールのＥＯ、ＰＯ付加物（ＥＯ
ｐ＝１２、ＰＯｐ＝３）

【００６１】（２）キレートビルダーＡＣ／ＭＡ：アクリル酸・マレイン酸コポリマーのナト
リウム塩（商品名、ＣＰ−７、平均分子量５００００、
ＢＡＳＦ社製）（３）酵素プロテアーゼ：商品名エバラーゼ８Ｔ（ノボノルデイス
クバイオインダストリー（株）製）リパーゼ：商品名リポラーゼウルトラ５０Ｔ（ノボ
ノルデイスクバイオインダストリー（株）製）アミラーゼ：商品名ターマミル１２０Ｔ（ノボノルデ
イスクバイオインダストリー（株）製）セルラーゼ：商品名セルザイム（ノボノルデイスク
バイオインダストリー（株）製）（４）漂白剤過炭酸ナトリウム：商品名：ＳＰＣ−Ｄケイ酸塩を噴
霧して得た洗剤用。三菱ガス化学（株）製（５）漂白活性化剤ＯＢＣ：Ｃ１０アルカノイルオキシベンゼンカルボン酸ＯＢＳ：Ｃ１２アルカノイルオキシベンゼンスルホン酸
ナトリウム（６）その他の添加剤ゼオライト：Ａ型ゼオライト（平均粒径１．２μｍ）ＰＥＧ：ポリエチレングリコール（平均分子量６００
０）珪酸ナトリウム：ＪＩＳ１号、Ｎａ２Ｏ・２．２Ｓ
ｉＯ２蛍光剤：４，４−ビス（スルホスチリル）ビフェニル２
ナトリウム／４，４−ビス［（４−トルイジノ−６−モ
ノホリノ−１，３，５−トリアジン−２イル）アミノ］
スチルベン−２，２−ジスルホン２ナトリウム＝１／１
の混合物（商品名チノパールＣＢＳ／商品名チノパール
ＡＭＳ、チバスペシャルテイケミカルズ社製）香料：下記表７、表８に示す成分を含む組成の配合香料

【００６２】

【表７】

【００６３】

【表８】

【００６４】

【表９】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｃ１１Ｄ 3:08）

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】（ａ）α−スルホ脂肪酸アルキルエステ
ルおよびその塩、α−オレフィンスルホン酸塩およびそ
の塩、アルキルエーテル硫酸およびその塩、アルキル硫
酸およびその塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸およ
びその塩から選ばれる１種以上のアニオン界面活性剤（ｂ）ノニオン界面活性剤（ｃ）１１０℃乾燥物当たりの酸化物基準で表して、ア
ルカリ金属をＭ及び周期律表第２族金属をＲとして、下
記一般式（Ｉ）で示される。【化１】ｎＳｉＯ_２・ｍＡｌ_２Ｏ_３・Ｍ_２Ｏ・ｐＲＯ・ｑＨ_２Ｏ‥‥‥（Ｉ）（式中、ｎは３〜５の数であり、ｍは０．００６〜０．
１の数であり、ｐは０．００６〜０．１の数であり、ｑ
は１０以下の数）である化学的組成を有し、且つ下記数
式（１）で定義される変性ケイ酸塩【数１】Ｄ＝［Ｓ_４／（Ｓ_６＋Ｓ_４）］×１００ ‥‥‥（１）（式中、Ｓ６は２７Ａｌ固体ＮＭＲで測定して、化学シ
フト３０〜−５０ｐｐｍの範囲のピーク面積を表し、Ｓ
４は上記ＮＭＲにおいて化学シフト３０〜１００ｐｐｍ
の範囲のピーク面積を表す、で定義される同型置換度
（Ｄ）が７５％以上の範囲）を含有し、且つ、上記
（ａ）、（ｂ）成分を、重量比で（ａ）／（ｂ）＝９５
／５〜５／９５の範囲、（ａ）および（ｂ）成分を合計
で１０〜４０重量％、（ｃ）成分を１〜５０重量％含有
することを特徴とする高嵩密度粒状洗剤組成物。