JP2001064472A - ホウ酸含有ゲル体 - Google Patents

ホウ酸含有ゲル体

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JP2001064472A
JP2001064472A JP24683399A JP24683399A JP2001064472A JP 2001064472 A JP2001064472 A JP 2001064472A JP 24683399 A JP24683399 A JP 24683399A JP 24683399 A JP24683399 A JP 24683399A JP 2001064472 A JP2001064472 A JP 2001064472A
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boric acid
salt
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vinylacetamide
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JP24683399A
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English (en)
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Tetsuya Ishii
徹弥 石井
Tetsuo Wada
哲夫 和田
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Resonac Holdings Corp
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ホウ酸および/またはその塩を高濃度に含有さ
せても高いゲル強度を有し、単純な組成でゲル化の生成
が早く害虫の喫食性の良好なホウ酸含有ゲル体の提供。 【解決手段】N−ビニルアセトアミドとCOOM基(式
中、Mは水素原子、アルカリ金属塩またはアンモニウム
塩を示す。)を有する重合性単量体を主成分としてなる
N−ビニルアセトアミド共重合体(成分A)0.5〜3
0重量部を成分AのCOOM基と反応し架橋させる架橋
剤(成分B)0.01〜20重量部で架橋して得られる
架橋物であって、かつホウ酸および/またはホウ酸塩
(成分C)5〜70重量部、水(成分D)を94.49
〜10重量部(成分A〜Dの総和は100重量部とす
る。)含有してなることを特徴とするホウ酸含有ゲル
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高濃度のホウ酸お
よび/またはホウ酸塩を含有させてもゲル強度が高く、
離床液が生ずることのない、ゴキブリ、アリ、シロア
リ、ハチ、ノミなどの害虫用食毒剤等に用いることので
きるゲル体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ゴキブリの食毒剤として、使
用の簡便性により、たとえばホウ酸や有機リン酸などを
用いた食毒性殺虫剤が一般家庭などに広く用いられてい
る。害虫用食毒剤等に用いることのできる含水ゲルに使
用されている基剤としては、一般にジェランガム、トラ
ガントガム、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、マ
ンナン、ゼラチンなどの天然の水溶性高分子、ポリアク
リル酸またはポリメタクリル酸塩、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリルアミド等の合成高分子を用い、これに
多価アルコールなどの保湿剤や水等を配合して構成され
る。
【0003】前記基剤を構成する高分子の中で、特開平
2−262501号公報において天然水溶性高分子のジ
ェランガムを用いるものがある。しかしジェランガムを
はじめとした天然の高分子は天然物から得るものである
ので、品質が安定せず、高度の精製を行わないと混入物
による汚染や不純物による劣化等の現象が生じる。また
独特の臭いや不純物により害虫の誘引が阻害されること
がある。
【0004】一方、合成高分子を用いたものとして、特
開昭53−15413号公報においてはポリアクリル酸
の1価の塩をグリセリン中に分散させ、これにアルミニ
ウム塩を加えて含水ゲルを得る方法が、また特開昭54
−106598号公報においてはポリアクリル酸の1価
の塩水溶液に、有機酸の存在下で難溶性アルミニウム塩
を加えて含水ゲルを調整する方法など合成高分子を架橋
する方法が行われている。合成の高分子は品質の安定性
は比較的良好であるが、適当なゲル化の方法がないこと
や、ゲル化できても使用によってゲルの骨格構造がくず
れ、得られた含水ゲルは夏場においてはダレを生じやす
く、害虫の喫食性のよい安定なゲルが形成できなかっ
た。また特にポリアクリル酸ナトリウムなどイオン性の
高分子を用いた場合、ホウ酸を配合するとポリマーが凝
集してしまい、保型性のあるゲル体を得ることは困難で
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる状況に
鑑みてなされたものであり、ホウ酸および/またはその
塩を高濃度に含有させても高いゲル強度を有し、単純な
組成でゲル化の生成が早く害虫の喫食性の良好なホウ酸
含有ゲル体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
の解決のため鋭意検討を重ねた結果、実質的にN−ビニ
ルアセトアミド共重合体、ホウ酸、水及び架橋剤を主成
分とすることを特徴とするゲル体が優れたゲル特性を有
する事を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は次の事項に関する。 [1]N−ビニルアセトアミドとCOOM基(式中、M
は水素原子、アルカリ金属塩またはアンモニウム塩を示
す。)を有する重合性単量体を主成分としてなるN−ビ
ニルアセトアミド共重合体(成分A)0.5〜30重量
部を成分AのCOOM基と反応し架橋させる架橋剤(成
分B)0.01〜20重量部で架橋して得られる架橋物
であって、かつホウ酸および/またはホウ酸塩(成分
C)5〜70重量部、水(成分D)を94.49〜10
重量部(成分A〜Dの総和は100重量部とする。)含
有してなることを特徴とするホウ酸含有ゲル体。 [2]N−ビニルアセトアミド共重合体(成分A)が、全
単量体の80〜100重量%がN−ビニルアセトアミド
とCOOM基(式中、Mは水素原子、アルカリ金属塩ま
たはアンモニウム塩を示す。)を有する重合性単量体と
の共重合体である上記[1]に記載のホウ酸含有ゲル体。 [3]N−ビニルアセトアミド共重合体(成分A)が、N
−ビニルアセトアミドとCOOM基(式中、Mは水素原
子、アルカリ金属塩またはアンモニウム塩を示す。)を
有する重合性単量体との重量比が99.9〜60:0.
1〜40(両者の和は100とする。)である単量体の
共重合体である上記[1]または[2]に記載のホウ酸含有
ゲル体。
【0008】[4]COOM基を有する重合性単量体が、
下記一般式(I) (式中、R1は水素原子またはメチル基、Mは水素原
子、アルカリ金属塩またはアンモニウム塩を示す。)で
表されるエチレン性不飽和単量体である上記[1]ないし
[3]のいずれかに記載のホウ酸含有ゲル体。 [5]COOM基(式中、Mは水素原子、アルカリ金属塩
またはアンモニウム塩を示す。)を有する重合性単量体
が、1種または2種以上の(メタ)アクリル酸またはそ
のアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩である上記
[1]ないし[4]のいずれかに記載のホウ酸含有ゲル体。 [6]上記[1]ないし[5]のいずれかに記載のホウ酸含有
ゲル体を含有することを特徴とする害虫用食毒剤組成
物。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のゲル体は、ホウ酸を高濃
度に含有するためにホウ酸のもつ殺虫性を有するのみな
らず、熱や光に対して安定であり、例えば本発明のゲル
体をアルミニウム箔の袋中に密封して50℃の恒温槽中
に14日間保持した後においても原形を保持しており、
ゲル中から離床液が生ずることがない。また本発明のゲ
ルは、ホウ酸はもちろん、ホウ酸の溶解剤であるグリセ
リンや誘引性成分および摂餌物質等の保持能にも優れ
る。
【0010】本発明のホウ酸含有ゲルの基剤としては、
ゲルの骨格間に保持させる液体がホウ酸を主成分とする
もので、具体的にはN−ビニルアセトアミド共重合体を
主体とする共重合体(成分A)と架橋剤(成分B)、ホ
ウ酸および/またはその塩(成分C)、水(成分D)と
から構成される。
【0011】本発明において、N−ビニルアセトアミド
共重合体(成分A)は、組成物全量に対して0.5〜3
0重量%(以下、単に「%」という。)の範囲で用いら
れ、好ましくは4〜30%、さらに好ましくは4〜15
%の範囲がよい。使用量が0.5%未満の場合には、基
剤から離床液が生成し、不均一なゲル体となるため好ま
しくなく、30%を超えると成型時のゾルの粘度が上昇
して成型や他の成分の混合が困難となるため好ましくな
い。
【0012】本発明において、N−ビニルアセトアミド
と共重合されているCOOM基(式中、Mは水素原子、
アルカリ金属塩またはアンモニウム塩を示す。)を有す
る重合性単量体としては、上記一般式(I)で表わされ
る、例えば、(メタ)アクリル酸及び/またはアルカリ
金属塩、アンモニウム塩等のカルボキシル基を含むエチ
レン性不飽和単量体が挙げられ、これらは架橋点をあた
える目的で添加される。
【0013】なお、上記一般式(I)で表わされる単量
体としては、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸等の
ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩、ア
ンモニウム塩等をあげることができ、これらを1種また
は2種以上用いることが出来る。
【0014】本発明のホウ酸含有ゲル中、N−ビニルア
セトアミドおよびCOOM基(式中、Mは水素原子、ア
ルカリ金属塩またはアンモニウム塩を示す。)を有する
重合性単量体の合計が単量体全量の80〜100重量%
であり、この範囲を越えるとホウ酸保持能は著しく低下
する。またその重量比は99.9:0.1〜60:40
の範囲であることが好ましく、この範囲を越えるとホウ
酸保持能が著しく低下する。
【0015】本発明のホウ酸含有ゲル体のホウ酸保持能
を損なわない範囲で、N−ビニルアセトアミドおよび分
子内にCOOM基(式中、Mは水素原子、アルカリ金属
塩またはアンモニウム塩を示す。)を有する重合性単量
体以外の他の単量体を単量体全量の0〜20重量%用い
ることができる。なお共重合される単量体としては、イ
タコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、クロトン酸、
メチルアクリレート、ヒロロシキエチルメタクリレー
ト、メチルビニルエーテル、メチルメタクリレート、メ
トキシエチルアクリレート、(メタ)アクリル酸2−ヒ
ドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒド
ロキシプロピルエステル、アクリロニトリル、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニルの如きビニル系単量体等があげ
られるがこの限りではない。
【0016】成分Bの架橋剤は、ゲルの保型性維持のた
めに、組成物全量に対して0.01〜20%の範囲で添
加され、好ましくは0.1〜20%、さらに好ましくは
0.1〜10%の範囲がよい。添加量が0.01%未満
の場合には架橋が不十分となってゲルの強度が不足し、
得られるホウ酸含有ゲル体の保型性が著しく悪くなり、
また20%を超えると基剤が硬くなり、柔軟性および成
型加工が困難となるため好ましくない。
【0017】なお架橋剤の量を変化させることによって
ゲル体の弾力や柔軟性を自由にコントロールすることが
でき、害虫の喫食性を向上させることができる。用いる
架橋剤としては、アルミニウム、カルシウム、錫、マグ
ネシウム、マンガン、亜鉛、バリウム等の無機酸塩(例
えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミ
ニウム、カリ明バン、アンモニウム明バン、鉄明バン、
硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸第2鉄、硫
酸マグネシウム、EDTA−カルシウム、EDTA−ア
ルミニウム、EDTA−マグネシウム、塩化第1錫、炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、
リン酸水素カルシウム、水酸化アルミニウム・炭酸水素
ナトリウム共沈物(市販品としては、協和化学工業株式
会社製の「クムライト」等。)、炭酸マグネシウム、ケ
イ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、ステアリ
ン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、クエン
酸マグネシウム、硫酸バリウム、アルミニウムアラント
イネート、合成ハイドロタルサイト(市販品としては、
協和化学工業株式会社製の「アルカマック」、「アルカ
マイザー」、「キョーワード」等。))、有機酸塩(例
えば、酢酸アルミニウム、アルミニウムグリシナー
ル。)、水酸化物(例えば、水酸化カルシウム、水酸化
バリウム、水酸化マグネシウム(市販品としては、協和
化学工業株式会社製の「キスマ」等。)、水酸化第2
鉄、水酸化第1錫、水酸化アルミニウム(市販品として
は、協和化学工業株式会社製の「乾燥水酸化アルミニウ
ムゲルS−100」等。)、水酸化アルミナ・マグネシ
ウム(例えば、協和化学工業株式会社製の「サナルミ
ン」等。))、酸化物(例えば、市販品として、協和化
学工業株式会社製の「キョーワマグ」「マグサラット」
等の酸化マグネシウム。)等の多価金属化合物、ホルム
アルデヒド、エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、グリセリンジグリシジルエーテル、ポリエチレング
リコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコール
ジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグ
リシジルエーテル等のエポキシ化合物等を挙げることが
でき、これらの架橋剤を1種または2種以上用いること
ができる。
【0018】さらに架橋反応の速度調製剤として酒石
酸、クエン酸、乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、フマー
ル酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、酢酸、EDTA
−2ナトリウム、尿素、トリエチルアミン、アンモニア
等の金属イオンに対してキレートもしくは配位能をもつ
有機酸、有機酸塩、有機塩基などの他に塩酸、リン酸、
硫酸、硝酸、臭化水素酸などの無機酸等が利用でき、特
に架橋剤がエポキシ化合物である場合は、トリエチルベ
ンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニ
ウムクロライド等の4級アンモニウム塩、ベンジルジメ
チルアミン、トリブチルアミン、トリス(ジメチルアミ
ノ)メチルフェノール等の三級アミン、2−メチル−4
−エチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイ
ミダゾール化合物の他、SnCl2、Zn(BF4)等の
各種硬化触媒を使用できる。
【0019】次に成分Cのホウ酸および/またはその塩
は、5〜70重量%の範囲で任意に含有させることがで
き、好ましくは10〜40重量%用いる。ホウ酸および
/またはその塩の量が5%未満においては、ホウ酸によ
る殺虫効果が期待できず、70%を超えて過剰に使用す
ると水の添加量が少なくなり、ゲル体が十分な保形性を
維持できなくなるため好ましくない。なお、ホウ酸およ
び/またはその塩はゲル体中で水に溶解した形で存在し
ていても、固体状態で存在していても構わない。
【0020】本発明において用いるホウ酸塩に特に限定
はなく、たとえばホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、メタホ
ウ酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、ホウ酸アンモニ
ウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸マグネシウムなどが挙げ
られ、これらを1種または2種以上用いることができ
る。
【0021】成分Dとして用いる水は、架橋反応を進
め、ホウ酸の溶解性やゲルの柔軟性をだすために添加さ
れ、その添加量は94.49〜10重量%である。水の
添加量が10%未満であると架橋反応が著しく遅くなり
ゲルの成型に時間がかかる。また94.49%より多い
とホウ酸および/またはその塩のもつ殺虫効果が低下し
てしまうため好ましくない。
【0022】本発明において、N−ビニルアセトアミド
共重合体を製造するには、各種の単量体を開始剤を用い
て公知の技術で共重合させる。例えば、水溶液重合、沈
澱析出重合、逆層懸濁重合等によって実施され、重合が
終了すると、粘性液体、寒天状または粉末の生成物が得
られる。さらには粘性液体、寒天状物は脱水乾燥するこ
とにより粉末化することが可能である。本発明により得
られるホウ酸含有ゲル体は、単純な組成で、高いホウ酸
および/またはその塩の保持能を有し、きわめて安価に
調製できる。
【0023】本発明のゲル体には昆虫成長阻害剤(以
下、「IGR」という。)を添加し、害虫の殺傷力を上
げることができる。IGRとしては例えば、幼若ホルモ
ン、幼若ホルモン類縁体、脱皮阻害剤などが挙げられ、
これらの光学異性体、幾何異性体、誘導体または類縁体
も用いることができ、これらの中から1種または2種以
上を混合して用いることができる。さらに遅効性殺虫剤
も含有することができ、これらの例としては、アミジノ
ヒドラゾン系殺虫剤をはじめ、有機リン系、カ−バメ−
ト系、ビレスロイド系などの殺虫剤が挙げられ、これら
の中から1種または2種以上を混合して用いる。
【0024】前記アミジノヒドラゾン系殺虫剤の具体例
としては、例えばテトラヒドロ−5.5・ジメチル・2
(III)−ピリミジノイン(3−[4−(トリフルオ
ロメチル)フェニル]−1−(2−[4−(トリフルオ
ロメチル)フェニル]エテニル)−2−プロペニリデン
ヒドラゾン(別名「アムドロ」)などが挙げられる。
【0025】その他の遅効性殺虫剤としては、特に限定
はなく、フュニトロチオン、トリクロルホン、ピリダフ
ェンチオン、グイアジノン、フェンチオンなどの有機リ
ン系殺虫剤:セビン、プロポクサ−などのカルバメ−ト
系殺虫剤:レスメトリン、J‐T80−レスメトリン、
フェノトリン、ぺルメトリン、フタルスリン、d‐T8
0−フタルスリン、シフェノトリン、シペルメトリン、
フェンバレレ−ト、エトフェンブロックス、プラレスリ
ン、フェンフルスリンなどのピレスロイド系殺虫剤、オ
キサジアゾ−ル系殺虫剤のメトキサジアゾンなどが挙げ
られる。
【0026】また、本発明のホウ酸含有ゲル体には他の
高分子を添加することもでき、これらは本発明のゲル体
と充分に相溶しうるか、或は白濁しうる程度に相溶しう
るものが好ましい。これら高分子としては例えば、アラ
ビアガム、ジェランガム、トラガントガム、ローカスト
ビーンガム、グアーガム、エコーガム、カラヤガム、寒
天、デンプン、カラゲナン、アルギン酸、アルギン酸塩
(例えば、アルギン酸ナトリウム)、アルギン酸プロピ
レングリコール、デキストラン、デキストリン、アミロ
ース、ゼラチン、コラーゲン、プルラン、ペクチン、ア
ミロペクチン、スターチ、アミロペクチンセミグリコー
ル酸ナトリウム、キチン、アルブミン、カゼインなどの
天然の高分子、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン
酸、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセ
ルロース、エチルメチルセルロース、ヒドロキシセルロ
ース、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、
カルボシキメチルスターチ、アルカリ金属カルボキシメ
チルセルロース、アルカリ金属セルロース硫酸塩、セル
ロースグラフト重合体、架橋ゼラチン、セルロースアセ
テートフタレート、デンプン−アクリル酸グラフト重
合、無水フタル酸変性ゼラチン、コハク酸変性ゼラチン
などの半合成の高分子、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、メチルビ
ニルエステル、ポリアクリル酸塩(例えば、ポリアクリ
ル酸ソーダ)、カルボキシビニルポリマー、ビニルピロ
リドン−アクリル酸エチル共重合体、ビニルピロリドン
−スチレン共重合体、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共
重合体、ポリビニルアセテート−(メタ)アクリル酸共
重合体、ポリビニルアセテート−クロトン酸共重合体、
酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸共重合体、N−ビニル
アセトアミド単独重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重
合体、ポリビニルスルホン酸、N−ビニルアセトアミド
架橋物、ポリイタコン酸、ポリヒドロキシエチルアクリ
レート、ポリアクリルアミド、スチレン−マレイン酸無
水物共重合体、アクリルアミド−アクリル酸共重合体な
どの合成の高分子などがあるが、特にこれらに限定され
るものではない。
【0027】また水以外に溶剤等を添加することもで
き、添加する溶剤としては、アセトン、メチルエチルケ
トン、シクロヘキサノンなどのケトン類、セロソルブ、
ジオキサン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリ
ドンのごとき水と混和しうる有機溶剤のほかに、トルエ
ン、酢酸エチル、クロタミトン、トリクロルエチレン等
の水と混和しない有機溶剤が挙げられる。アルコール類
としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ベ
ンジルアルコール、フェネチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、イソブチルアルコール、ヘキシルアルコ
ール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、
オクチルアルコール、ブタノール、ペンタノール等の1
価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコー
ルモノブチルエーテル、グリセリン、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、1,4−ブチレングリ
コール(2価アルコール)、グリセリン、トリオキシイ
ソブタン(3価アルコール)、エリトリット、ペンタエ
リトリット(4価アルコール)、キシリット、アドニッ
ト(5価アルコール)、アロズルシット、ソルビトー
ル、ソルビット液、マンニトール(6価アルコール)等
の多価アルコールがあげられるがこの限りではない。
【0028】本発明のゲル体は直接、適当な成型機、打
錠機等を用いて各種成型物に調製される。さらに、前記
ゲル体をシート化する場合には、紙、木材、金属、ガラ
ス繊維、布(ネル、織布、不織布等。)、合成樹脂(ポ
リウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビ
ニル、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレ
ート。)、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポ
リプロピレンなど。)、ポリアミド(例えば、ナイロン
6、ナイロン66など。)、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
テトラフルオロエチレン等。)、アルミニウムなどの金
属箔、ゴムまたはセルロース誘導体およびこれらとプラ
スチックフィルムとの積層フィルムなどの成形品、シー
ト(箔)、またはテープのごとき支持体の1面あるいは
両面にゲル体を適量塗布すればよい。
【0029】得られたシート状のゲル体を容易に保存す
るには、ゲル体を塗布した面に、シリコンまたはその他
の適当な方法で処理した剥離シートを貼着しておくか、
あるいは粘着剤を塗布していない面をシリコンまたはそ
の他の適当な方法で処理して剥離面とし、ゲルが塗布さ
れていない面と重なるように巻くか重ねておくこと等が
望ましい。なお剥離シートとしては一般に用いられるポ
リエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、剥離
紙、セロハン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル等が用い
られる。
【0030】本発明のホウ酸含有ゲル体には、その殺傷
性、害虫の誘引性等の特性をより多く発現させるため、
あるいは加工・成形性及び品質の向上、ゲル体中のホウ
酸や薬剤の分散性と安定性の向上などの目的で、ゲルの
性能を損なわない程度に目的に応じて選択した物をさら
に任意に配合することが出来る。当該添加剤に、特に限
定はなく、摂餌物質、誘引性物質、誤食防止物質、粉体
原料、油性原料、アルカリ、界面活性剤、着色剤、香
料、紫外線遮断剤、防腐殺菌剤、酸化防止剤等が挙げら
る。
【0031】摂餌物質としては、例えば、小麦粉、米
粉、米糠、とうもろこし粉などの澱粉、ポテトスター
チ、コーンスターチなどのスターチ類、グラニュー糖、
麦芽糖、アラビノース、ガラクトース、ラクトース、ソ
ルビトール、廃糖蜜、蜂蜜などの糖類および糖蜜類やグ
リセリンなどが挙げられる。
【0032】誘引性物質としては、例えば、カプリル
酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリル酸、オレイン酸
などの有機酸、オクチルアルコ−ル、ドデシルアルコ−
ル、オレインアルコ−ルなどの高級アルコール類、オニ
オンフレーバー、ミルクフレ−バ−、バタ−フレ−バ
−、ストロベリ−フレ−バー、コ−ヒ−フレ−バーなど
の食品用フレ−バ−などが挙げられる。
【0033】誤食防止物質としては、例えば唐辛子粉、
トウガラシエッセンスなどが挙げられ、粉体原料として
は、例えばモンモリロラート、無水ケイ酸、石コウ、カ
ーボンブラック、珪藻土、ベンガラ、炭酸カルシウム、
ヒドロタルサイト、タルク、ガラス、カオリン、ベント
ナイト、金属石鹸、エーロジル、雲母チタン、オキシ塩
化ビスマス、魚鱗箔等、亜鉛華、二酸化チタンなどが挙
げられる。
【0034】油性原料としては、例えば、アルモンド
油、オリーブ油、硬化油、つばき油、ヒマシ油、モクロ
ウ油、ヤシ油、ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウ
バロウ、キャンデリラロウ、流動パラフィン、ワセリ
ン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、セレ
シン、スクワレン、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミ
チン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン
酸、ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアル
コール、オレイルアルコール、オクチルドデカノール、
コレステロール、ヘキシルデカノール、ワイトステロー
ル、乳酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ラウリン
酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イ
ソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデカノール、ステ
アリン酸ブチル等がある。
【0035】アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、アンモニア水、トリエタノールアミン、
ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ホウ砂メ
チルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、
ポリエタノールアミン等が挙げられる。
【0036】界面活性剤としては、ラウリル硫酸エステ
ル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアル
キルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテルリン酸、N−アシルアミノ酸塩等のアニオ
ン界面活性剤、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニ
ウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジ
ステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメ
チルベンジルアンモニウム等のカチオン界面活性剤、塩
酸アルキルジアミノエチルグリシン、2−アルキル−N
−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリ
ニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン
等の両性界面活性剤、ポリオール脂肪酸エステル、モノ
ステアリン酸グリセリン、親油型モノオレイン酸グリセ
リン、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステ
アリン酸プロピレングリコール、ソルビタン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ノールエーテル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪
酸エステル、N−アシルアミノ酸エステル、ショ糖脂肪
酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド等の非イオン性
界面活性剤等が挙げられる。
【0037】着色剤としては、例えば黄酸化鉄、ベンガ
ラ、黒酸化鉄、群青、カーボンブラック、水酸化クロ
ム、酸化クロム、タール色素、レーキ、赤色2号、赤色
3号、赤色102号、赤色201号、黄色4号、黄色5
号、青色1号、青色2号等が挙げられる、香料として
は、芥子油、オレンジ油、胡椒油、ジャスミン油、杉
油、ショウブ油、テルピン油、橙花油、バラ油、ユーカ
リ油、ライム油、レモン油、和種ハッカ油、ローズマリ
ー油等の植物性香料、ムスク、レイビョウコウ、カイリ
コウ、リュウゼンコウ等の動物性香料、ブロモスチロー
ル、ピネン、リモネン等の炭化水素系香料、ベンジルア
ルコール、l−メントールなどのアルコール系香料、エ
チル酢酸、サリチル酸メチル等のエステル類系香料、ベ
ンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド類
系香料、カンファー、ムスコン、ムスクケトン、l−メ
ントン等のケトン類系香料、サフロール等のエーテル類
系香料、チモール等のフェノール類系香料、ラクトン類
系香料、フェニル酢酸等の酸系香料、インドール等の窒
素化合物系香料等が挙げられる。
【0038】紫外線遮断剤としては、例えば、ASL−
24、Cyasorb UV−9、Uvinul M−
40等のベンゾフェノン系、Salol等の安息香酸
系、Tinuvin P等のアゾール系、Uvinul
N−35等のニトリル系、Ancour UA等の尿
素系、Neo Heliopan Give tanF
等が挙げられる。
【0039】防腐殺菌剤としては、安息香酸、サリチル
酸、デヒドロ酢酸、ソルビン酸、ホウ酸等の酸類および
その塩類、フェノール、クロロクレゾール、クロルキシ
レノール、イソプロピルメチルフェノール、レゾルシ
ン、オルトフェニルフェノール、パラオキシ安息香酸エ
ステル、フェノキシエタノール、チモール、ヒノキチオ
ール、チオキソロン等のフェノール類、ヘキサクロロフ
ェン、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジ
フェニルエーテル等のハロゲン化ビスフェノール類、ト
リクロロカルバニリド、ハロカルバン、ウデシレン酸モ
ノエタノールアミド等のアミド化合物類、塩化ベンザル
コニウム、臭化アルキルイソキノリニウム、塩化ベンゼ
トニウム、塩化セチルピリジニウム等の4級アンモニム
化合物類、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン等の両
性界面活性剤、2−ピリジンチオール−1−オキシド亜
鉛塩、グルコン酸、クロルヘキシジン、チラム、N−ト
リクロロメチルチオ−4−シクロヘキセン−1.2−ジ
カルボキシイミド、クロロブタノール等が挙げられる。
【0040】酸化防止剤としては、例えば、ノルジヒド
ログアヤレチン酸、グアヤク脂、没食子酸プロピル、ブ
チルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエ
ン(BHT)、トコフェロール(ビタミンE)、2,
2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチル)フ
ェノール等が挙げられる。
【0041】その他、安定剤、充填剤、保存剤、可塑
剤、軟化剤、pH調整剤、劣化防止剤等を添加してもよ
く、これらの添加剤は得られるゲル体の特性に影響を与
えない範囲で任意に加えることができる。
【0042】本発明のゲル体を作製するには、例えば、
ホウ酸および/またはその塩と共重合体を水もしくは溶
媒に分散または溶解させ、その液に架橋剤を加え練合
し、必要であればさらに水や添加剤を加え練合する。得
られたゾル体を成形した後、必要であれば加温する。と
くにアルミニウム化合物を架橋剤として用いたとき均一
で保型性の優れたゲル体が作製可能である。
【0043】アルミニウム化合物としては、水酸化アル
ミニウム、水酸化アルミナマグネシウムの様な水酸化
物、あるいは塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、ジ
ヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、カオリン、
ステアリン酸アルミニウムのような無機または有機酸の
塩もしくはそれらの塩基性塩、アルミニウム明ばんのよ
うな複塩、それにアルミン酸ナトリウムのようなアルミ
ン酸塩、無機性アルミニウム錯塩および有機性アルミニ
ウムキレート化合物、合成ヒドロタルサイト、メタケイ
酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシ
ウムを包含する。
【0044】これらのアルミニウム化合物は、水溶性の
ものであっても、難溶性のものであっても構わない。難
溶性のアルミニウム化合物を用いたときゲル化の反応系
中に、酸を添加する事でゲル化の反応が速くなる。酸と
して特に水酸基を含む有機酸またはその塩類を添加する
事によって反応は著しく速くなり、これらの有機酸とし
てはクエン酸、グリコール酸、乳酸、酒石酸、リンゴ
酸、グルコン酸、サリチル酸等の一般にオキシ酸とよば
れているものが含まれる。
【0045】また本発明のゲル体を作製するにあたり、
エポキシ化合物により架橋する場合には、撹拌機中で共
重合体とホウ酸、水および/または溶剤を分散溶解させ
た後、エポキシ化合物を添加・混合したのち、成形し熟
成後ゲル体とする。いずれの場合もゲル化は室温で数日
内で進行するが、必要に応じ加熱処理する事により時間
を短縮することができる。
【0046】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例によりなんら限定されるもの
ではない。尚、「部」は「重量部」を示すものである。
【0047】 (実施例1) (配合) N−ビニルアセトアミド/アクリル酸ナトリウム共重合体(wt比:9/1) 8部 グリセリン 30部 グリコール酸 0.4部 水酸化アルミゲル 0.6部 水 56部 ホウ酸 5部 (処方)グリコール酸水溶液中にN−ビニルアセトアミ
ドアクリル酸ナトリウム共重合樹脂(『ビアック GE
−167』:昭和電工株式会社製)と水酸化アルミゲル
(『乾燥水酸化アルミニウムゲル』:協和化学工業株式
会社製)、ホウ酸のグリセリン分散液を徐々に添加しつ
つ練合した。
【0048】 (実施例2) (配合) N−ビニルアセトアミド/アクリル酸アンモニウム共重合体 (wt比:6/4) 0.5部 ソルビトールの70%水溶液 18部 精製水 10部 ヒドロキシプロピルセルロース 20部 アンモニウム明ばん 1.5部 ホウ酸アンモニウム 30部 (処方)N−ビニルアセトアミド・アクリル酸アンモニ
ウム共重合樹脂とアンモニウム明ばんを、ホウ酸アンモ
ニウムを含有したソルビトール水溶液中に分散させ、そ
こにヒドロキシプロピルセルロースおよび水を徐々に添
加しつつ練合した。
【0049】 (実施例3) (配合) N−ビニルアセトアミド/アクリル酸ナトリウム/n−プロピルビニルエーテ ル共重合体(wt比:6/2/2) 25部 エチレングリコールジグリシジルエーテル 5部 糖蜜 5部 精製水 30部 ホウ酸ナトリウム 30部 (処方)N−ビニルアセトアミド・アクリル酸ナトリウ
ム・n−プロピルビニルエーテル共重合樹脂に糖蜜を加
え分散させそこにエチレングリコールジグリシジルエー
テル(『デナコール EX−810』:ナガセ化成工業
株式会社製)水溶液を徐々に添加し、次いでホウ酸ナト
リウムを加えつつ練合した。
【0050】 (実施例4) (配合) N−ビニルアセトアミド/アクリル酸ナトリウム共重合体(wt比:9/1) の10%水溶液 45.5部 ホウ酸 35部 精製水 12.1部 グリコール酸 1.2部 アルミニウムグリシネート 1.2部 オニオンフレーバー 5部 (処方)N−ビニルアセトアミド・アクリル酸ナトリウ
ム共重合樹脂の10%水溶液(『ビアック GE−16
7L』:昭和電工株式会社製)にアルミニウムグリシネ
ート(『グリシナール』:協和化学工業株式会社製)を
分散させた。次にグリコール酸水溶液およびオニオンフ
レーバーを添加し、次いでホウ酸を徐々に添加しつつ練
合した。
【0051】 (実施例5) (配合) N−ビニルアセトアミド/アクリル酸ナトリウム共重合体(wt比:9/1) の10%水溶液 45.5部 ホウ酸 35部 精製水 18部 アルミニウムグリシネート 1.5部 (処方)N−ビニルアセトアミド・アクリル酸ナトリウ
ム共重合樹脂の10%水溶液(『ビアック GE−16
7LM』:昭和電工株式会社製)にアルミニウムグリシ
ネート(『グリシナール』:協和化学工業株式会社製)
を分散させた。次にホウ酸および精製水を徐々に添加し
つつ練合した。
【0052】 (実施例6) (配合) N−ビニルアセトアミド/アクリル酸ナトリウム共重合体(wt比:6/4) の10%水溶液 45.5部 ホウ酸 35部 精製水 17.5部 ソルビトールポリグリシジルエーテル 2.0部 (処方)N−ビニルアセトアミド・アクリル酸ナトリウ
ム共重合樹脂の10%水溶液にソルビトールポリグリシ
ジルエーテル(『デナコール EX−614B』:ナガ
セ化成工業株式会社製)水溶液を溶解させた。次にホウ
酸を徐々に添加しつつ練合した。
【0053】 (比較例1) (配合) アクリル酸ナトリウム/アクリル酸共重合体(wt比:5/5) 8部 グリセリン 30部 グリコール酸 0.4部 水酸化アルミゲル 0.6部 水 56部 ホウ酸 5部 (処方)グリコール酸水溶液中にアクリル酸ナトリウム
/アクリル酸共重合樹脂と水酸化アルミゲル(『乾燥水
酸化アルミニウムゲル』:協和化学工業株式会社製)、
ホウ酸のグリセリン分散液を徐々に添加しつつ練合し
た。
【0054】 (比較例2) (配合) N−ビニルアセトアミド/アクリル酸ナトリウム/アクリルアミド共重合体( wt比:3/2/5) 30部 エチレングリコールジグリシジルエーテル 5部 糖蜜 5部 精製水 30部 ホウ酸ナトリウム 30部 (処方)N−ビニルアセトアミド・アクリル酸ナトリウ
ム・アクリルアミド共重合樹脂に糖蜜を加え分散させ、
そこにエチレングリコールジグリシジルエーテル(『デ
ナコール EX−810』:ナガセ化成工業株式会社
製)水溶液を徐々に添加し、次いでホウ酸ナトリウムを
加えつつ練合した。
【0055】試験例1:ゲル化速度 実施例および比較例で得られたゾルをガラス製サンプル
びんSV−50(日電理科硝子)に入れ、キャップを
し、20℃で放置した。ゲルの強度を経時で観察し、ゲ
ル化速度を測定した。ゲル強度の経時的変化を表1に示
すが、実施例は何れも好適なゲル強度を短時間で発現し
たが、比較例のものは10日経過してもゲル化が進行し
なかった。
【0056】
【表1】 ××:架橋していない(指で触るとペーストが糸を引
き、反発力がない。) ×:ごく僅か架橋している。(指で触るとペーストが糸
を引くが、少し反発力がある。) △:少し架橋している。(指で触るとペーストがかなり
伸び、強い反発力がある。) ○:架橋している。(指で触るとペーストが少し伸び、
強い反発力がある。)
【0057】試験例2:ゴキブリ駆除試験 縦横各30cmで高さ20cmの透明塩化ビニル製バッ
トに実施例4のゲル体、水、昆虫用の餌、紙製シェルタ
ーをセットし、ここにクロゴキブリを10匹入れて経時
的にゴキブリの致死量を観察した。結果、3日後には半
数以上である6匹が死に、10日後には全匹死んだ。
【0058】
【発明の効果】本発明のホウ酸含有ゲル体は、内部に高
濃度のホウ酸を含有しているので、ホウ酸の持つ殺虫作
用が最大限発揮でき、害虫の好む堅さのゲル体を室温で
容易に作製でき、熱や光に安定であるので長時間ゲルの
堅さを維持することができるため、一般家庭及びレスト
ラン等での害虫駆除の分野等に非常に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H011 AC01 AC02 AC03 BA01 BB18 BC06 BC18 BC19 DA17 DC05 DF03 DG13 DH02 DH19 4J002 BJ001 DE028 DK007 FD146 FD180 GT00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N−ビニルアセトアミドとCOOM基(式
    中、Mは水素原子、アルカリ金属塩またはアンモニウム
    塩を示す。)を有する重合性単量体を主成分としてなる
    N−ビニルアセトアミド共重合体(成分A)0.5〜3
    0重量部を成分AのCOOM基と反応し架橋させる架橋
    剤(成分B)0.01〜20重量部で架橋して得られる
    架橋物であって、かつホウ酸および/またはホウ酸塩
    (成分C)5〜70重量部、水(成分D)を94.49
    〜10重量部(成分A〜Dの総和は100重量部とす
    る。)含有してなることを特徴とするホウ酸含有ゲル
    体。
  2. 【請求項2】N−ビニルアセトアミド共重合体(成分
    A)が、全単量体の80〜100重量%がN−ビニルア
    セトアミドとCOOM基(式中、Mは水素原子、アルカ
    リ金属塩またはアンモニウム塩を示す。)を有する重合
    性単量体との共重合体である請求項1に記載のホウ酸含
    有ゲル体。
  3. 【請求項3】N−ビニルアセトアミド共重合体(成分
    A)が、N−ビニルアセトアミドとCOOM基(式中、
    Mは水素原子、アルカリ金属塩またはアンモニウム塩を
    示す。)を有する重合性単量体との重量比が99.9〜
    60:0.1〜40(両者の和は100とする。)であ
    る単量体の共重合体である請求項1または2に記載のホ
    ウ酸含有ゲル体。
  4. 【請求項4】COOM基を有する重合性単量体が、下記
    一般式(I) (式中、R1は水素原子またはメチル基、Mは水素原
    子、アルカリ金属塩またはアンモニウム塩を示す。)で
    表されるエチレン性不飽和単量体である請求項1ないし
    3のいずれかに記載のホウ酸含有ゲル体。
  5. 【請求項5】COOM基(式中、Mは水素原子、アルカ
    リ金属塩またはアンモニウム塩を示す。)を有する重合
    性単量体が、1種または2種以上の(メタ)アクリル酸
    またはそのアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩であ
    る請求項1ないし4のいずれかに記載のホウ酸含有ゲル
    体。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5のいずれかに記載のホウ
    酸含有ゲル体を含有することを特徴とする害虫用食毒剤
    組成物。
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