JP2005132781A - 誘引剤 - Google Patents

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Takesuke Yamaguchi
武亮 山口
Kazuya Otani
和也 大谷
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Abstract


【課題】誘引効果の持続時間が長い、生物の誘引剤を提供する。
【解決手段】カルボキシル基及び/又はスルホン酸基を有する構成単位(a)を必須構成単位とする高分子(1)において、該構成単位の割合が該(1)に基づいて20〜100重量%であり、且つ該酸基のプロトンの30〜100モル%が第4級アンモニウムカチオン(I)、第3級スルホニウムカチオン(II)、第4級ホスホニウムカチオン(III)、第3級オキソニウムカチオン(IV)、アルキルピリジニウムカチオン(V)からなる群から選ばれる1種又は2種以上のオニウムカチオンで置換されてなる高分子(1)の架橋体(A)及び生物誘引性成分(B)からなる生物の誘引剤である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、生物に対する誘引剤に関する。
従来より生物、特に動物を誘引する方法として、その生物特有の性フェロモンや天然成分、あるいは合成成分を使用した誘引剤が提案されている。(例えば、特許文献1)。
特開2002−284610号公報
しかしながら、従来の誘引剤では誘引剤中の誘引性成分の含有量を多くすることができず、そのため誘引効果の持続時間が短くなりその効果が十分に発揮できない場合があった。
本発明者らは、上記状況に鑑み鋭意検討した結果、特定組成の架橋体は前記誘引性成分を多量に且つ安定に含有するので、上記の課題を解決することが可能であることが判り、本発明に到達した。
すなわち本発明は、カルボキシル基及び/又はスルホン酸基を有する構成単位(a)を必須構成単位とする高分子(1)において、該構成単位の割合が該(1)に基づいて20〜100重量%であり、且つ該酸基のプロトンの30〜100モル%が第4級アンモニウムカチオン(I)、第3級スルホニウムカチオン(II)、第4級ホスホニウムカチオン(III)、第3級オキソニウムカチオン(IV)、アルキルピリジニウムカチオン(V)からなる群から選ばれる1種又は2種以上のオニウムカチオンで置換されてなる高分子(1)の架橋体(A)及び生物誘引性成分(B)からなる生物の誘引剤である。
本発明の誘引剤中の架橋体は、誘引性成分を多量に且つ安定に含有することが可能であり、長時間にわたって誘引効果を発揮することができるので、生物の誘引剤として有用である。
本発明において、対象の生物の誘引性成分(B)を多量に含有させるために高分子(1)の架橋体(A)を使用する。
ここで、対象の生物としては、ハエ、ゴキブリ、ハチ、蛾、カメムシ等の昆虫、犬、猫、鼠、ヒト等の動物が挙げられる。好ましくは昆虫である。生物の誘引性成分(B)とは、生物を誘引することが可能な物質のことであり、このような物質であれば特に限定はない。例えば、誘引したい生物の性フェロモン物質やそれらの餌となる物質のエキス、性フェロモンを上回る誘引効果のある合成物質等が挙げられる。
具体例として、例えばアンドロステンステロイド(ヒト用の性フェロモン)、パラオキシン安息香酸(犬用の性フェロモン)、またたび成分(猫用誘引成分)、シーズニングオイル(オニオン、ネギ、ガーリック等の香味野菜、畜肉類、魚介類、スパイス、調味料等)及び海藻類(以上鼠用の誘引成分);1−ジメチルアミノ−2−メチル−2−プロパノール、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン及びこれらの塩類(以上ゴキブリ用の集合フェロモン)、(Z)−9−トリコセン(ハエの性フェロモン)、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、フェニル酢酸プロピル、フェニル酢酸フェネチル(以上ハエ用の誘引成分)、9,12−テトラデカジエン−1−オール、14−メチル−1−オクタデセン、9−トリコセン、トリデセニルアセテート、ドデシルアセテート、ドデセニルアセテート、ドデカジエニルアセテート、テトラデカ−ジエニルアセテート、ヘキサデセニルアセテート、ヘキサデカジエニルアセテート、オクタデセニルアセテート、ヘキサデセナール、オクタデセナール、及び7,8−エポキシ−2−メチル−2−メチル−オクタデカン等(以上蛾やゴキブリ用の性フェロモン)、アミノ酸類及びそれらの誘導体、エチレンメチレングリシデート、アセトフェノン、酢酸アミル、酢酸イソアミル、糖蜜、バニリン、及び香料(シナモン、コーヒー、ウイキョウ等)(以上蛾やゴキブリ用の誘引成分)、N−(2'S)−メチルブタノイル(2S)−メチルブチルアミン又はそのラセミ体、N−ホルミル−L−イソロイシンメチルエステル等(以上甲虫の一種であるミグドルスフリアヌス用の性フェロモン)、リシン、アラニン、イソ吉草酸、アンドロステノール、皮脂、ケト酸類及びそれらの誘導体(以上蚊用の誘引成分)、(Z)−シス,トランス−2−(3’,4’−エポキシ−4’−メチルシクロヘキシル)−6−メチルヘプタ−2,5−ジエン(青カメムシ用の性フェロモン)、メソ−(3E,7E)−5,6−ビス(ヒドロキシメチル)−3,7−デカジエン(カメムシ用の誘引フェロモン)、(R,Z)−5−ドデセン−4−オリド(以上昆虫であるドウガネブイブイ用のフェロモン)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
高分子(1)は、該構成単位の割合が該(1)に基づいて20〜100重量%であり、且つ該酸基のプロトンの30〜100モル%が第4級アンモニウムカチオン(I)、第3級スルホニウムカチオン(II)、第4級ホスホニウムカチオン(III)、第3級オキソニウムカチオン(IV)、アルキルピリジニウムカチオン(V)からなる群から選ばれる1種又は2種以上のオニウムカチオンで置換されてなるものならビニル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、エステル樹脂であれ 特に限定はないが、製造面からビニル樹脂が好ましい。
カルボキシル基及び/又はスルホン酸基を有する構成単位(a)を必須構成単位とする高分子(1)の架橋体(A)としては、特開2003−251178号に記載されているものと同じものが使用できる。
カルボキシル基及び/又はスルホン酸基を有する構成単位(a)を構成するモノマーとしては、特開2003−251178号に記載されているものが使用できる。具体的には例えば、カルボキシル基を有するモノマー[例えば(メタ)アクリル酸、エタアクリル酸等の炭素数3〜10のモノカルボン酸等];スルホン酸基を有するモノマー[例えば脂肪族ビニルスルホン酸〔ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸等〕等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を高分子(1)中の構成単位とすることができる。好ましくは炭素数3〜30のカルボキシル基及び/又はスルホン酸基を有する構成単位である。
また、(a)も特開2003−251178号に記載されているものと同じである。好ましくは、前記カルボキシル基、スルホン酸基含有モノマーをビニル重合して構成単位とするものである。
(a)以外の構成単位(b)としては水溶性であろうと非水溶性であろうと特に限定はないが、好ましくはビニル重合してその他の構成単位となるものである。カルボキシル基及び/又はスルホン酸基を有する構成単位の高分子(1)中の含有量は、通常20〜100重量%、好ましくは40〜99.9重量%、より好ましくは60〜99.8重量%である。含有量が20%未満であると、後述するオニウムカチオンでカルボキシル基やスルホン酸基のプロトンを置換しても対象となる誘引性成分を含有できない場合がある。
その他の構成単位(b)として、ビニル重合してカルボキシル基及び/又はスルホン酸基を有する構成単位以外の構成単位を形成する場合、その他の共重合可能なモノマー(b)としては、重合性不飽和基を1個有するモノマーが挙げられ、特開2003−251178号に記載されているものが使用できる。
また、本発明においては、誘引性成分(B)を多量に含有させることを目的としているため、それら対象となる成分のSP値(ソリュビリティ−パラメーター)に合わせて、物質とモノマー(b)のSP値との差が5以下のモノマー(b)を選択した方が含有量が上がりやすいため好ましく、対象とする物質のSP値と前記モノマー(b)のSP値が3以下のものを選択した方が更に好ましい。
本発明において、前記カルボキシル基及び/又はスルホン酸基のプロトンを第4級アンモニウムカチオン(I)、第3級ホスホニウムカチオン(II)、第4級ホスホニウムカチオン(III)、第3級オキソニウムカチオン(IV)、アルキルピリジニウムカチオン(V)からなるカチオンの群から選ばれる1種又は2種以上のオニウムカチオンで30〜100モル%置換することが必須である。
第4級アンモニウムカチオン(I)としては、アルキルピリジニウムカチオン(V)を除いては特開2003−251178号に記載されているものが使用でき、例えば下記(I-1)〜(I-11)が挙げられる。
(I-1)アルキル及び/又はアルケニル基を有する炭素数4〜30又はそれ以上の脂肪族系第4級アンモニウム(テトラメチルアンモニウム等);
(I-2)炭素数6〜30又はそれ以上の芳香族第4級アンモニウム(トリメチルフェニルアンモニウム等);
(I-3)炭素数3〜30又はそれ以上の脂環式第4級アンモニウム(N,N−ジメチルピロリジニウム等);
(I-4)炭素数3〜30又はそれ以上のイミダゾリニウム(1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム等);
(I-5)炭素数3〜30又はそれ以上のイミダゾリウム(1,3−ジメチルイミダゾリウム等);
(I-6)炭素数4〜30又はそれ以上のテトラヒドロピリミジニウム(置換基が結合してビシクロ環を形成していてもよい)(1,3−ジメチルテトラヒドロピリジニウム等);
(I-7)炭素数4〜30又はそれ以上のジヒドロピリミジニウム(1,3−ジメチル−2,4−もしくは−2,6−ジヒドロピリミジニウム等);
(I-8)炭素数3〜30又はそれ以上のイミダゾリニウム骨格を有するグアニジウム(2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリニウム等);
(I-9)炭素数3〜30又はそれ以上のイミダゾリウム骨格を有するグアニジウム(2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルイミダゾリウム等);
(I-10)炭素数4〜30又はそれ以上のテトラヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジウム(2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチルテトラヒドロピリミジニウム等);
(I-11)炭素数4〜30又はそれ以上のジヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジウム(2−ジメチルアミノ−1,3,4−トリメチル−2,4(6)−ジヒドロピリミジニウム等);
第3級ホスホニウムカチオン(II)としては、下記(II-1)〜(II-3)が挙げられる。
(II-1)アルキル及び/又はアルケニル基を有する炭素数1〜30又はそれ以上の脂肪族系第3級ホスホニウム(トリメチルホスホニウム等);
(II-2)炭素数6〜30又はそれ以上の芳香族系第3級ホスホニウム(フェニルジメチルホスホニウム等);
(II-3)炭素数3〜30又はそれ以上の脂環式第3級ホスホニウム(メチルチオラニウム等);
第4級ホスホニウムカチオン(III)としては、下記(III-1)〜(III-3)が挙げられる。
(III-1)炭素数1〜30又はそれ以上のアルキル及び/又はアルケニル基を有する脂肪族系第4級ホスホニウム(テトラメチルホスホニウム等);
(III-2)炭素数6〜30又はそれ以上の芳香族系第4級ホスホニウム(トリフェニルメチルホスホニウム等);
(III-3)炭素数3〜30又はそれ以上の脂環式第4級ホスホニウム(1,1
−ジメチルホスホラニウム等);
第3級オキソニウムカチオン(IV)としては、下記(IV-1)〜(IV-3)が挙げられる。
(IV-1)炭素数1〜30又はそれ以上のアルキル及び/又はアルケニル基を有する脂肪族系第3級オキソニウム(トリメチルオキソニウム等);
(IV-2)炭素数6〜30又はそれ以上の芳香族系第3級オキソニウム(フェニルジメチルオキソニウム等);
(IV-3)炭素数3〜30又はそれ以上の脂環式第3級オキソニウム(メチルオキソラニウム等);
アルキルピリジニウムカチオン(V)としては、下記(V-1)〜(V-2)が挙げられる。
(V-1)炭素数1〜30又はそれ以上のアルキル及び/又はアルケニル基を有するアルキルピリジニウム(メチルピリジニウム等);
(V-2)炭素数6〜30又はそれ以上の芳香族系ピリジニウム(フェニルピリジニウム等);
これらの中で、好ましいオニウムカチオンは(I)であり、より好ましいものは(I-1)、(I-4)及び(I-5)であり、特に好ましいのは(I-4)及び(I-5)である。これらオニウムカチオンは、1種又は2種以上を併用しても良い。
本発明において、オニウムカチオンを高分子に導入する方法は、例えば高分子のカルボキシル基及び/又はスルホン酸基のプロトンを前記オニウムカチオンにより置換する方法が挙げられる。オニウムカチオンにより、プロトンを置換する方法としては、所定量オニウムカチオンに置換できる方法で有ればいずれの方法でも良いが、例えば、上記オニウムカチオンの水酸化物(例えば、テトラエチルアンモニウムハイドロキサイド等)やモノメチル炭酸塩(例えば、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムモノメチル炭酸塩等)をカルボキシル基及び/又はスルホン酸基を含有する高分子に添加し、必要により脱水や脱炭酸、脱メタノ−ルを行うことに容易に置換可能できる。また、モノマーの段階で同様に置換しても良い。
オニウムカチオンによる置換の段階に関しては、例えば、前記カルボキシル基及び/又はスルホン酸基を含有するモノマーをオニウムカチオンで置換した後重合する方法や、カルボキシル基及び/又はスルホン酸基を有する高分子を作成した後酸のプロトンをオニウムウムカチオンで置換する方法等を挙げることができるが、最終的な高分子のカルボキシル基及び/又はスルホン酸基のプロトンを置換されるのであればいずれの段階でおこなってもよい。
カルボキシル基及び/又はスルホン酸基のプロトンを前記オニウムカチオンにより置換する度合い(置換度)は、30〜100モル%、好ましくは50〜100モル%、より好ましくは70〜100モル%である。他のプロトンはそのままであってもよいし、上記のオニウムカチオン以外のもの、例えばナトリウム塩、カリウム塩等で置換されていてもよい。好ましくは、無置換のままである。オニウムカチオンによる置換度が30モル%未満では、高分子(1)のカルボキシル基、スルホン酸基及びオニウムカチオンの解離が低すぎて膨潤力やゲル化力が低かったりする場合がある。
本発明において、カルボキシル基及び/又はスルホン酸基を有する構成単位を所定量含有し、且つ該カルボキシル基及び/又はスルホン酸基が所定量オニウムカチオンで置換された前記高分子(1)は、最終的には何れかの段階で架橋して架橋体とする。
架橋の方法としては、特開2003−251178号に記載されている方法が挙げられ、例えば、下記(i)〜(v)の方法を挙げることができる。
(i)共重合性架橋剤による架橋;
共重合可能な又は分子内に2重結合を2〜4個又はそれ以上有する共重合性架橋剤[多価ビニル型、(メタ)アクリルアミド型、多価アリルエーテル型、多価(メタ)アクリル酸エステル型架橋剤等]を用いる。
(ii)反応性架橋剤による架橋;
多価イソシアネート型、多価エポキシ型、多価アルコール型、多価アミン、イミン型、ハロエポキシ型、多価金属塩型架橋剤等を用いる。
(iii)重合反応性架橋剤による架橋;
グリシジル(メタ)アクリレート型、アリルエポキシ型架橋剤等を用いる。
(iv)放射線照射による架橋;
前記高分子(1)に紫外線、電子線、γ線等の放射線を照射して高分子(1)を架橋する方法や前記モノマーに紫外線、電子線、γ線等を照射し重合と架橋を同時に行う方法等。
(v)加熱による架橋;
前記高分子(1)を100℃以上に加熱して、高分子(1)の分子間で熱架橋[加熱によるラジカルの発生による炭素間の架橋や官能基間での架橋]する方法等。
これらの架橋方法の中で好ましいものは、最終品の用途、形態によって異なるが、総合的に考えると(i)共重合架橋剤による架橋、(ii)反応性架橋剤による架橋及び(iv)放射線照射による架橋である。
前記共重合性架橋剤の中で好ましいものは、多価(メタ)アクリルアミド型、多価(メタ)アクリル酸エステル型架橋剤であり、より好ましいものは、アリルエーテル型架橋剤である。前記反応性架橋剤の中で好ましいものは多価イソシアネート型架橋剤であり、より好ましいものは分子内に3個以上の官能基を有する多価イソシアネート型架橋剤又は多価エポキシ型架橋剤である。
架橋度に関しては、使用する目的によって適宜選択できるが、共重合性架橋剤を使用する場合は、全モノマー重量に対して、0.001〜10重量%が好ましく、0.01〜5重量%がより好ましい。
反応性架橋剤を使用する場合の添加量は、架橋体(A)をどのような形状の生物の誘引剤とするかによって好ましい添加量が異なるが、0.001〜10重量%が好ましく、後述する生物誘引性成分(B)を含有した一体化したゲルを作成する場合は、0.01〜50重量%が好ましい。
本発明において、前記カルボキシル基及び/又はスルホン酸基含有モノマー、該モノマーのオニウムカチオン置換体及び必要により共重合する他のモノマー(b)の重合方法も特開2003−251178号に記載されている方法と同じで良く、好ましいものは、溶液重合法である。
溶液重合による有機溶媒は、例えばアルコール類、カーボネート類、ラクトン類、ラクタム類、ケトン類、ルボン酸エステル類、エーテル類、芳香族炭化水素類及び水等を挙げることができる。これら、溶媒は1種又は2種以上を混合して使用しても良い。
溶液重合における重合濃度も特に限定はなく目的の用途によって種々異なるが、1〜80重量%が好ましく、5〜60重量%がより好ましい。
重合開始剤も通常のもので良く、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス開始剤を例示することができる。
他の重合方法としては、光増感開始剤[ベンゾフェノン等]を添加し紫外線等を照射する方法、γ線や電子線等の放射線を照射し重合する方法等を例示することができる。
重合開始剤を使用する場合の開始剤の添加量は、特に限定はないが、使用するモノマーの総重量に対して、0.0001〜5%が好ましく、0.001〜2%がより好ましい。
重合温度も目的とする分子量や開始剤の分解温度、使用する溶媒の沸点等により種々異なるが、−20〜200℃が好ましく、0〜100℃がより好ましい。
架橋体を粒子状とする場合、その粒子径は、体積平均粒径で0.1〜5,000μmが好ましく、より好ましくは50〜2,000μmである。また、0.1μm未満が全体の10重量%以下、5,000μmを超える部分が全体の10重量%以下が好ましく、それぞれ5%以下がより好ましい。
粒子径の測定は、ロータップ試験篩振とう機及びJIS Z8801−2000標準篩いを用いて、ペリーズ・ケミカル・エンジニアーズ・ハンドブック第6版(マックグロー−ヒル・ブック・カンパニー、1984,21頁)に記載の方法で行う(以下、粒子径の測定は本方法による。)。
粒子状の形態を得る方法としては、特開2003−251178号に記載されている方法と同じでよく、下記(i)〜(iv)等の方法が挙げられる。
(i);前記共重合性架橋剤を共重合して高分子(1)の架橋体(A)を作成し粉砕して粒子状とする方法。
(ii);重合して高分子(1)を作成した後、前記反応性架橋剤又は照射等の手段により、高分子(1)を架橋した後、粉砕して粒子状とする方法。
(iii);共重合して架橋した高分子化した後、オニウムカチオン化合物を添加し、酸基のプロトンを所定量オニウムカチオンに置換した後、粉砕して粒子状とする方法。
(iv);共重合して未架橋の高分子化した後、前記オニウムカチオン化合物及び反応性架橋剤や放射線照射を行うことにより、酸基のプロトンを置換するのと同時に高分子を架橋し、粉砕して粒子状とする方法。
この様にして粒子状の架橋体(A)が得られる。
本発明の生物の誘引剤は、この架橋体(A)と誘引性成分(B)からなるものであるが、その目的によって種々の形態に加工でき特に限定はないが、好ましい形態としては粒子状、シート状、一体ゲル化の形態を挙げることができる。これらの形態は特開2003−251178号に記載されているものと同じでよい。
誘引剤の形状をシート状(誘引性成分(B)を吸収する前の段階)とする方法は特開2003−251178号に記載されているものと同じでよい。シート状にする方法としては、例えば、下記(v)〜(vii)等の方法が挙げられる。
(v)前記粒子状の架橋体(A)を不織布や紙等の間に挟み込んでサンドイッチシートとする方法。
(vi)前記高分子(1)の未架橋体を不織布、織布、紙、フィルムの1つ又は2つ以上からなる基材に含浸及び/又は塗工した後、前記(i)〜(v)の何れかの架橋手段を用いて高分子(1)を架橋するとともに、必要により溶媒を留去しシート化する方法。
(vii)30〜100モル%のプロトンを前記オニウムカチオンで置換したカルボキシル基及び/又はスルホン酸基含有モノマー20〜100重量%と、他の共重合可能なモノマーを0〜80重量%、前記(i)及び/又は(iii)の架橋剤からなる混合溶液を、不織布、織布、紙、フィルムの中の1つ又は2つ以上からなる基材に含浸及び/又は塗工した後、該基材を重合開始剤及び/若しくは(iv) 及び/若しくは(v)の手段を用いて重合し、必要により溶媒を留去することによりシート化する方法。
これらの方法の中で、作成したシート(s)の厚みの調整の容易さや作成したシートの吸収速度等の観点から、(vi)又は(vii)が好ましい。
形状をシート状とした場合のシート(s)の厚みは、1〜10,000μmが好ましく、5〜5,000がより好ましく、10〜2,000μmが特に好ましい。シート長さや巾に関しては、好ましい長さは0.01〜10,000m、好ましい巾は0.1〜300cmである。
前記シート(s)における高分子の架橋体の目付量に関しては、目付量は、10〜3,000g/m2が好ましく、20〜1,000g/m2がより好ましい。
形態をシート状とするために必要により使用する、不織布、織布、紙、フィルム等の基材は公知のもので良く、例えば、目付量が10〜500g程度の合成繊維及び/又は天然繊維からなる不織布又は織布、紙(上質紙、薄葉紙、和紙等)、合成樹脂からなるフィルム及びこれらの2つ以上の基材及びこれらの複合体を例示することができる。
これらの基材の中で、好ましいものは、不織布及び不織布とプラスチックフィルム、金属フィルムとの複合体であり、特に好ましいものは、片面が不織布で片面が透液性のないプラスチックフィルム、金属フィルムからなる複合体である。
これら基材の厚みに関しては特に限定はないが、好ましくは1〜10,000μm、より好ましくは10〜5,000μmである。厚みが、1μm未満であると、所定量の前記高分子(1)の含浸や塗工が難しく、一方厚みが10,000μmを越えるとシートが厚すぎて全体のカサが大きくなって使用しにくくなる。
基材への、高分子(1)の塗工方法や含浸方法は、公知の方法で良く例えば、通常のコーティングやパディング等の方法を適用すれば良く、コーティングやパディング処理を行った後、重合や希釈、粘度調整等の為に使用した溶媒を、必要により乾燥等の方法で留去しても良い。
この様にして、作成した架橋体(A)を含有するシートは、生物誘引性成分(B)を多量に含有することが可能なため、シート型誘引剤として用いられる。
(A)及び(B)からなる一体ゲル化型誘引剤における(A)/(B)の比率は、好ましくは0.1〜99/1〜99.9重量%であり、より好ましくは0.5〜50/50〜99.5重量%、特に好ましくは1〜30/70〜99重量%であり、最も好ましくは1〜20/80〜99重量%である。(A)の比率が、0.1重量%以上であると(B)含有ゲルのゲル強度が十分で全体をゲル化でき、一方含有量が、99重量%以下であると(B)の含有量が十分であるため、誘引剤として使用可能である。
一体ゲル化型誘引剤の作成方法としては、特開2003−251178号に記載されているものと同じでよく、下記(viii)や(ix)等に挙げた方法で一体化したゲルを作成できるものが好ましい。
(viii);前記高分子(1)を(B)に溶解し、該(1)を前記(i)〜(v)の何れかの架橋手段で架橋することにより一体化したゲルとする方法。
(ix);(B)中で、前記オニウムカチオン基モノマーと酸基モノマー等を、前記共重合性架橋剤の存在下重合することにより、一体化したゲルとする方法。
(A)及び(B)からなるゲルの形態は、特開2003−251178号に記載されているものと同じでよく、好ましい形状は、シート状である。シート状ゲルの厚みは、1〜10,000μmが好ましく、10〜1,000μmが更に好ましい。
これらの形状のゲルの作成方法も、特に限定はなく例えば作成したい形状に合わせた容器中やセルの中でゲル化させる方法や離型紙、フィルム、不織布等の上に、前記高分子(1)やモノマー等と(B)の混合物を積層又はコーティング等の方法によりシート状のゲルを作成する方法等を例示できる。
本発明の生物の誘引剤は、(B)を含浸したものをそのまま使用してもよいが、少なくとも一部は(B)の蒸気を透過できるような基材(以下蒸気透過性基材と呼ぶ)からなる包装材に収納して使用するのが好ましい。
ここで、(B)の蒸気を透過できるような基材とは、蒸気透過度が0.01g/m2・24hr(50%RH/40℃)以上の基材が好ましく、0.1g/m2・24hr(50%RH/40℃)以上の基材がより好ましく、1.0g/m2・24hr(50%RH/40℃)以上の基材が最も好ましい。ここで、蒸気透過度とは、温度40℃、相対湿度50%の環境下で24時間の間にその基材1m2たりを通過する(B)の蒸気の量(g)で示されるもので、その値は、一般に樹脂のフィルムの水蒸気透過量の測定に使用されるJISZ−0208に準じて測定される。このような材料としては、特開2003−251178号に記載されているものと同じでよく、紙、不織布、有孔プラスチックフィルム、微多孔膜等の、孔や間隙のあるシート状物、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合物(EVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合物(EVAL)、ポリビニルアルコール、アイオノマー、ナイロン、三酢酸セルロース等の無孔フィルム、あるいはこれらをラミネートしたもの等が用いられ、中身が通過漏出しないものであればよく、必要に応じて耐水、耐油処理、印刷等を施してもよい。
本発明の生物の誘引剤には、(A)、(B)以外の物質を前記包装材中に共存させても良い。例えば、(A)以外の(B)を吸収する樹脂や、二酸化ケイ素、バーミキュライト等の誘引成分担持体、生物駆除剤、殺菌剤成分、抗菌剤成分、芳香剤、消臭剤、香料、色素等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。上記物質を共存させる方法としては、誘引剤の効力やそれ以外の共存物の効果を妨げなければ特に限定はしないが、例えばこれらの物質を誘引剤とあらかじめ混合してから前記包装材に収納して、(包装材/前記(A)+共存物質/包装材)なる構造の積層シートとしても良いし、あるいはこれらの共存物質を前記(A)と別個の層に収納しても良い。この場合、前記(A)層と共存物質層との間にシート等を介在させて、(包装材/前記(A)層/介在シート/共存物質層/包装材)なる構造の積層シートとしても良い。
(A)に(B)を含有させる方法としては、必要量の(B)が(A)中に含有できれば特に限定はないが、例えば(B)が液体であればそのまま吸収させることもできるし、(B)が固体であれば加熱して融解させたものを(A)に吸収させたり練り込んだりすることもできる。また、(B)をアルコール等の極性溶媒中に溶解させて(A)に吸収させることもできる。
本発明の実施の形態としては、特に限定はないが、例えばある種の動物の誘引剤成分を吸収させたものを放置し、その動物をおびきよせて捕獲したり、駆除成分を共存させて本発明品を捕食させ、動物を殺害したりすることが考えられる。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは無い。
以下、特に定めない限り、%は重量%を示す。
アクリル酸360g(5モル)とペンタエリスリトールトリアリルエーテル1.08g及び水1140gを2リットルの断熱重合槽に入れた。
モノマー溶液の温度を0℃まで冷却して、溶液に窒素を通じて溶存酸素を低下させた後、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド0.36gと35%過酸化水素水3.1gとL−アスコルビン酸0.38gを添加し、重合を開始させた。
重合後、生成した含水ゲルをミートチョッパーを用いて、ゲルを細分化した後、このゲルに、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムカチオンのメチル炭酸塩(分子量:203)の60%メタノール溶液1353g(4モル)を添加したところ、脱炭酸と脱メタノールが起こったのが観察された。
前記イミダゾリニウムカチオンを添加したゲルを、バンド型乾燥機(透気乾燥機、井上金属社製)を用いて、100℃の熱風をゲルに透気して、溶媒として使用した水及び副成したメタノールを留去し、乾燥した。
乾燥物をカッターミルを用いて粉砕し、平均粒径400μmの粒子状の架橋体を作成し、これに表1記載の誘引性成分を吸収させて、本発明の生物の誘引剤(L1)を得た。
実施例1で用いた、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムカチオンのメチル炭酸塩に代えて、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド(分子量:147)の20%水溶液3307g(4.5モル)を用いた以外は、実施例1と同様な操作を行い、表1記載の誘引性成分を吸収させて、本発明の生物の誘引剤(L2)を得た。
p−スチレンスルホン酸184g(1モル)とスチレン104g(1モル)及びジビニルベンゼン1.8gを酢酸エチル500gに溶解させた。
このモノマー溶液に、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンのモノメチル炭酸塩(分子量:187)の45%エタノール溶液を332g(0.8モル)添加し、スルホン酸のプロトンの一部をイミダゾリウムカチオンで置換した。
このモノマー溶液に窒素を通じて溶存酸素を低減した後、水浴槽を用いて、モノマー溶液を60℃に加熱し、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.6gを12gのエタノールで希釈した重合開始剤溶液を滴下し重合した。生成したトルエンを含有したゲルを細分化し、減圧乾燥機を用いて、100ヘクトパスカルの減圧下で50℃で乾燥した溶媒を留去した。
乾燥物をカッターミルを用いて粉砕し、平均粒径400μmの架橋体を作成し、これに表1記載の誘引性成分を吸収させて、本発明の生物の誘引剤(L3)を得た。
比較例1
特開昭58−154709号公報の実施例3記載の方法、すなわち、第4級アミノ基を有するモノマーであるメタアクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの80%水溶液100gとN−Nメチレンビスアクリルアミド0.06gを混合し、更に開始剤として2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド0.8gを添加し混合した。
この溶液を、85℃の恒温水槽で加熱された箱型容器の中に入れ重合した。重合物を取り出し、カッターミルを用いて粉砕し、平均粒径400μmの架橋体を作成し、これに表1記載の誘引性成分を吸収させて、比較の供給材(L’−1)を得た。
比較例2
特開昭60−179410号公報の実施例1記載の方法、すなわち、攪拌機、冷却器、滴下ロートを備えた500mlの丸底フラスコにシクロヘキサン230ml、エチルセルロース1.0gを仕込み75℃まで昇温した。別に三角フラスコ中でアクリル酸12gと3級アミノ基含有モノマーであるジメチルアミノエチルメタアクリレート26.2g及び蒸留水70gを混合し、更に35%塩酸5gとN,N−メチレンビスアクリルアミド0.5gを加え均一に溶解した。
このモノマー溶液に開始剤として過硫酸アンモニウム0.02gを添加し、この溶液を1.5時間かけて前記丸底フラスコに滴下し重合した。
重合後、シクロヘキサンをデカンテーションで除去し、生成したビーズ状の粒子を減圧乾燥機を用いて90℃で乾燥し、平均粒径約200ミクロンの架橋体を作成し、これに表1記載の誘引性成分を吸収させて、比較の生物の誘引剤(L’−2)を得た。
誘引剤(L1)〜(L3)及び(L’−1)(L’−2)中の粒子状の誘引剤のフェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル(ハエ用の誘引剤)、1−ジメチルアミノ−2−メチル−2−プロパノール(ゴキブリ用の集合ホルモン)に対する吸液量及び保液量を下記の方法で測定した。その結果を表1に示す。
[吸液量及び保液量の測定]
吸液量の測定;巾10cm、長さ20cmのナイロン製のメッシュ袋(開口:75μm)に粒子状の架橋体1.00gを添加し、その袋ごと誘引性成分の中に3時間浸漬した後、30分間過剰の混合溶媒を水切りした。空の袋を用いて同様な操作を行い、下式により吸液量(g/g)を測定した。
吸液量(g/g)=膨潤後の試料袋の重量−浸漬後の空の袋の重量
保液量の測定:吸液量を測定したナイロン製のメッシュ袋を遠心脱水装置(コクサン社製、遠心直径15cmに入れ、1500rpmの回転速度で5分間遠心脱水した。同様な操作を、浸漬後の空の袋についても行い、下式により保液量を測定した。
保液量(g/g)=脱水後の試料袋の重量−脱水後の空の袋の重量
Figure 2005132781
攪拌機、窒素導入管、冷却器、滴下ロート、温度計を備えた1リットルの丸底フラスコに、アクリル酸72gとモノメトキシポリエチレングリコールアクリレート(ブレンマーAME−400、日本油脂社製、PEGの数平均分子量:約400)28g及びメタノール100gを入れ、フラスコの内容物に窒素を通じて溶存酸素を置換するとともに、水浴槽を用いて、内容物の温度を50℃に昇温した。
別途、重合開始剤であるアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.1gをメタノール9.9gに溶解した溶液を、窒素気流下、撹拌しながら、滴下ロートを用いて約2時間かけて滴下して重合させ、滴下終了後2時間50℃で重合を継続し、その後70℃に昇温して2時間重合して重合を完結させた。
生成したポリマーの溶液を室温まで冷却した後、実施例1で用いた、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムカチオンのモノメチル炭酸塩(分子量203)の60%メタノ−ル溶液271g(約0.8モル相当)を滴下ロートを用いて、丸底フラスコ内のポリマー溶液に滴下した所、滴下とともに脱炭酸が起こるのが観察された。イミダゾリニウムカチオン溶液を全量滴下した後、約2時間撹拌を継続してイミダゾリニウムカチオンで置換したポリマー溶液(ポリマー濃度:約47%)を得た。
このイミダゾリニウムカチオンで置換したポリマー溶液100gに反応性架橋剤であるポリグリセロールポリグリシジルエーテル(デナコール521、ナガセケムテックス社製、エポキシの個数:約5ヶ)0.047gを添加し混合した後、ナイフコーターを用いて、離型紙上に厚み200μmの厚さでコーティングした後、100℃の循風乾燥機を用いて、10分間加熱・乾燥することにより、ポリマーの架橋を行うとともに使用したメタノールを留去した。
乾燥後、ポリマーから離型紙を取り除くことにより、厚み約80μmのシート(M1)を得た。(M1)の目付量は約100g/m2であった。(M1)に前記誘引性成分を吸収させて本発明の生物の誘引剤を得た。
厚み47μmのポリエステル/ポリエチレン不織布(アルシーマA0404WTO、株式会社ユニチカ製)を実施例4で得たイミダゾリニウムカチオンで置換したポリマー溶液とポリグリセロールポリグリシジルエーテルとの混合溶液中に浸漬した後、ポリマー溶液の含浸量が約100g/m2となる様、マングルを用いて含浸した不織布を絞り、その後90℃の循風乾燥機中で15分加熱・乾燥し、目付量約47g/m2のシート(M2)を得た。このシートの厚みは約65μmであった。(M2)に前記誘引性成分を吸収させて本発明の誘引剤を得た。
比較例3
実施例5で用いた不織布(アルシーマA0404WTO)をそのまま比較のシート(M'−1)とした。
シート(M1)(M2)(M'−1)に関して、各種誘引性成分に対する吸液量及び保液量を下記の方法で測定した。その結果を表2に示す。
[シートの吸液量及び保液量の測定]
吸収シートの吸液量の測定;5×5cmに裁断したシートを、誘引性成分の中に3時間浸漬した後、シートをクリップで固定し、30分間過剰の前記混合溶媒を水切りし、下式により吸液量(g/cm2)を測定した。
シートの吸液量(g/cm2)=後のシートの重量/25(cm2
シートの保液量の測定:吸液量を測定したシートをナイロン製のメッシュ袋の中に入れ、遠心脱水装置(コクサン社製、遠心直径15cm)に入れ、1500rpmの回転速度で5分間遠心脱水し、下式により保液量を測定した。
保液量(g/cm2)=脱水後の試料袋の重量(g)−空の袋の重量(g)
/25(cm2
Figure 2005132781
攪拌機、窒素導入管、冷却器、滴下ロート、温度計を備えた1リットルの丸底フラスコに、アクリル酸72gとモノメトキシポリエチレングリコールアクリレート(ブレンマーAME−400、日本油脂社製、PEGの数分子量:約400)28g及びメタノール100gを入れ、フラスコの内容物に窒素を通じて溶存酸素を置換するとともに、水浴槽を用いて、内容物の温度を50℃に昇温した。
別途、重合開始剤であるアゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル0.1gをメタノール9.9gに溶解した溶液を、窒素気流下、撹拌しながら、滴下ロートを用いて約2時間かけて滴下して重合させ、滴下終了後2時間50℃で重合を継続し、その後70℃に昇温して2時間重合して重合を完結させた。
生成したポリマーの溶液を室温まで冷却した後、実施例1で用いた、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムのモノメチル炭酸塩(分子量203)の60%メタノ−ル溶液322g(約0.95モル相当)を滴下ロートを用いて、丸底フラスコ内のポリマー溶液に滴下した所、滴下とともに脱炭酸が起こるのが観察された。イミダゾリニウムカチオン溶液を全量滴下した後、約2時間撹拌を継続してイミダゾリニウムカチオンで置換したポリマー溶液(ポリマー濃度:約42%)を得た。
このポリマー溶液100gにエタノール/フェニル酢酸メチル=90/10(重量比)の混合溶媒750gを添加してポリマーを溶解させ、ポリマー濃度5%の溶液を得た。
この混合溶液100gに実施例4で使用したポリグリセロールポリグリシジルエーテル)0.5gを添加し、100mlのサンプル瓶に入れ、サンプル瓶を密閉して、70℃の恒温槽中で1時間加熱しゲル化させ、架橋体と誘引性成分からなる本発明の一体ゲル化型の生物の誘引剤(N1)を得た。
比較例4
ポリエチレンオキサイド(PEO)系のアルコール系溶媒含有ゲルを作成するために、特開平6−68906号公報の実施例記載のモノマーと架橋剤である、ポリエチレングリコール(分子量:400)モノアクリレート3gとポリエチレングリコ−ルジアクリレート2g、及び溶媒としてエタノール/フェニル酢酸メチル=90/10の混合溶媒95gを混合した。
このモノマー濃度5%の溶液100gに、重合開始剤であるアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.05gを添加し溶解した後、100mlのサンプル瓶に入れ、窒素気流下、60℃で5時間重合し、架橋体と誘引性成分からなる比較の一体ゲル化型の生物の誘引剤(N’−1)を得た。
一体ゲル化型の生物の誘引剤(N1)(N’−1)に関して、作成直後及び経変後のゲル化状態を下記の方法で測定した。その結果を表3に示す。
[作成直後と経変後のゲル化状態の測定法]
作成したゲルを観察し、下記の基準で評価し、作成直後のゲル化状態とした。
◎:全体が完全にゲル化しており、ゲルの強度も強い。
○:全体が完全にゲル化しているが、ゲルの強度が弱い。
△:ゲルが半溶解状態であり、サンプル瓶を倒すとゲルが流動する。
×:全体が液状となっており、ゲル化していない。
作成したゲルの入ったサンプル瓶を完全に密閉し、80℃の恒温槽中で30日間加熱し、加熱後のゲルの状態を経変後のゲル化状態とした。
Figure 2005132781
二軸延伸ポリプロピレンフィルム(20μm)/ポリエチレンフィルム(20μm)のラミネートフィルム(フェニル酢酸メチル蒸気透過度5.0g/m2・24hr(50%RH/40℃))上に、実施例1で得られたL1中の架橋体にフェニル酢酸メチルを十分に吸収させ、前記保液量を測定したのと同様の操作を行ったものを、吸収前の架橋体の目付量が50g/m2の割合となるように均一に散布し、ナイロン(20μm)/アルミニウム箔(7μm)/ポリエチレン(20μm)のラミネートフィルム(フェニル酢酸メチル蒸気透過度0.001g/m2・24hr(50%RH/40℃))を重ねたものを60mm×60mm角に裁断して端を10mm幅でヒートシールして生物の誘引剤(P1)を得た。
実施例7において、架橋体に代えて実施例5で得られた吸収シート(M2)を50mm×50mmに裁断したものを用いる以外は実施例7と同様にして(フェニル酢酸メチルを吸収)本発明の生物の誘引剤(P2)を得た。
実施例7において、架橋体に代えて実施例6で得られた一体ゲル化型誘引剤(N1)を50mm×50mm×5mmに切り出したものを用いる以外は実施例7と同様にして(フェニル酢酸メチルを吸収)本発明の誘引剤(P3)を得た。
比較例5
実施例7において、架橋体に代えて50mm×50mmに裁断した濾紙(M’−1)を用いる以外は実施例7と同様にして本発明の誘引剤(P’−1)を得た。
生物の誘引剤(P1)〜(P3)及び(P’−1)に関して、下記の方法でハエの誘引試験を行った。
[誘引試験]
三角柱状に折り曲げた粘着紙型補虫器に、上記で得られた生物の誘引剤(P1)〜(P3)、(P’−1)のうち何れか1個をセットした。こうして得られた4つの三角柱粘着紙補虫器を、農地が点在する住宅地の庭先に設置し、60日間補虫試験を実施して各々の捕虫数を求めた。その結果を表4に示す。
Figure 2005132781
本発明の生物の誘引剤は、種々の生物の誘引剤として好適に使用できる。

Claims (6)

  1. カルボキシル基及び/又はスルホン酸基を有する構成単位(a)を必須構成単位とする高分子(1)において、該構成単位の割合が該(1)に基づいて20〜100重量%であり、且つ該酸基のプロトンの30〜100モル%が第4級アンモニウムカチオン(I)、第3級スルホニウムカチオン(II)、第4級ホスホニウムカチオン(III)、第3級オキソニウムカチオン(IV)、アルキルピリジニウムカチオン(V)からなる群から選ばれる1種又は2種以上のオニウムカチオンで置換されてなる高分子(1)の架橋体(A)及び生物の誘引性成分(B)からなる生物の誘引剤。
  2. 前記オニウムカチオンが第4級アンモニウムカチオンである請求項1記載の生物の誘引剤。
  3. 前記第4級アンモニウムカチオンが脂肪族系アンモニウムカチオン、イミダゾリニウムカチオン及びイミダゾリウムカチオンの群から選ばれる1種又は2種以上である請求項1又は2記載の生物の誘引剤。
  4. 前記(B)が動物の誘引性成分である請求項1〜3の何れか記載の生物の誘引剤。
  5. 請求項1〜4の何れか記載の誘引剤と、不織布、織布、紙、プラスチックフィルム及び金属フィルムからなる群から選ばれる1つ又は2つ以上の誘引性成分透過性の外装材に収納してなる生物の誘引剤。
  6. 前記外装材の、前記(B)に対する蒸気透過度が0.01g/m2・24hr(50%RH・40℃)以上である請求項5記載の誘引剤。














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