JP2001063563A - 鉄道車両の設備品固定用ネジ座取付構造 - Google Patents
鉄道車両の設備品固定用ネジ座取付構造Info
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Abstract
座の位置を調整自在に配置できかつ調整パッキンが不要
になるように、ネジ座の取付及び支持構造を工夫するこ
と。 【解決手段】車両本体を横断する方向に天井裏まで延び
ていて、曲げ剛性が高い補強部材を内張の裏に固着して
内張を部分的に補強し、上記補強部材に、予めネジ加工
したネジ座を上下左右に所定の範囲で移動可能に保持さ
せたこと。内張の裏に補強部材を固着し、この補強部材
に予めネジ加工したネジ座を上下左右に所定の範囲で移
動可能に保持させているので、これを上下左右に動かす
ことによって、設備品の取付位置に対するネジ座の位置
調整を容易に行うことができ、止めネジで締め付けるこ
とによってネジ座は上記補強部材にしっかりと固定され
るので、設備品は内張及び上記補強部材にしっかり取付
けられる。
Description
棒、荷物棚受などの車内設備品を鉄道車両の天井構造に
ネジ止めするためのネジ座取付構造に関するものであ
り、ネジ座への現物合せによるタップ孔加工、及びネジ
座と内張との間の隙間調整のための調整パッキンを不要
にして、現車作業の簡略化を図り、また、上記設備品の
支持構造を簡略化することができるものである。
概略は図1に示すようなものであって、屋根の内側に車
両骨組があり、天井等の内張3があって、屋根と内張3
との間の空間に配管、配線、各種電気機器等の設備が配
置されている。鉄道車両の客室内に所定の間隔で設備
品、例えば縦の握り棒、荷物棚受が車体骨組にネジ止め
されて配置されている。車内設備品の典型例として荷物
棚受があるが、このものの取付構造は概略図1に示す通
りである。すなわち、車体骨組1にネジ座2を所定の間
隔に配置して溶接して固着してあり、内張3に荷物棚受
4を当て、止めネジ5で荷物棚受4をネジ座2に固定し
ている。車体骨組1に溶接して固着されているネジ座1
と内張3との間に隙間ができるが、この隙間に調整パッ
キン(スペーサ)6を介在させることにより、止めネジ
5の締付け力によって内張3が変形することがないよう
にしている。そして、この車内設備の取付は現車合せで
なされ、その段階で、車内設備品の位置に合わせてネジ
座にタップ立てを行い、そのネジ孔に止めネジ5を捩じ
込んでいる。上記のように、従来の鉄道車両の設備品取
付構造は、設備品を支持する車体骨組(構体)にネジ座
を予め溶接してあり、現車合せによる設備品取付時にネ
ジ座2にタップ立てを行う必要がある。この作業は面倒
で非能率的であり、また上記のタップ立て作業は天井な
いしは天井近傍での作業になるので、非常にやりにくい
作業である。この現車合せ時のタップ立て作業を省略す
るには、予めタップ加工したネジ座を車体骨組1に溶接
しておけばよいのであるが、それでは車内設備品とネジ
座との位置合せ(設備品の取付位置に対するネジ座の位
置調整)ができないので、実際にはこのようなやり方は
不可能である。また、ネジ座2と内張3との間の隙間が
一定しないので上記調整パッキンの厚さを調整すること
が必要であるが、この厚さ調整作業が面倒であり、この
ために設備品の取付作業の能率を一層悪くしている。
ることを目的とするものであり、その課題は、ネジ座の
位置を調整自在に配置できかつ調整パッキンが不要にな
るように、ネジ座の取付及び支持構造を工夫することで
ある。
講じた手段は、次ぎの要素(イ)及び(ロ)によって構
成されるものである。 (イ)車両本体を横断する方向に天井裏まで延びてい
て、曲げ剛性が高い補強部材を内張の裏に固着して内張
を部分的に補強したこと、(ロ)上記補強部材に、予め
ネジ加工したネジ座を上下左右に所定の範囲で移動可能
に保持させたこと。
予めネジ加工したネジ座を上下左右に所定の範囲で移動
可能に保持させているので、これを上下左右に動かすこ
とによって、設備品の取付位置に対するネジ座の位置調
整を容易に行うことができ、止めネジで締め付けること
によってネジ座は上記補強部材にしっかりと固定される
ので、設備品は内張及び上記補強部材にしっかり取付け
られる。例えば荷物棚受などの設備品にかかる負荷は、
ネジ座及び上記補強部材を介して内張によって支持され
ることになるが、上記補強部材は内張の裏にあって車両
本体を横断する方向に天井裏まで延びているので、上記
負荷は補強部材から広い範囲にわたって分散されて内張
に支えられる。
であるから、それ自体の曲げ剛性が高く、したがって局
部的に屈曲することはないので、設備品からの力が内張
に局部的にかかることはない。それゆえ、内張を変形さ
せることなしに設備品にかかる負荷を内張に支えさせる
ことができる。以上のように、ネジ座が上記補強部材を
介して内張に取り付けられるから、ネジ座と内張との間
に隙間ができることはなく、したがって、この隙間を埋
めるための従来技術における調整パッキンは不要であ
り、さらに当該調整パッキンの厚さを調整する必要もな
い。
強部材を断面U形またはL形の補強部材としたことであ
る。
薄い補強材でも所要の曲げ剛性を持たせることができ
る。
部材とし、補強部材の裏面に2つのL形突起を対向して
設けて、これらの対向したL形部材と補強部材とによっ
てネジ座を前後左右に移動自在に補強部材に保持させた
ことである。
な構造によって、上下左右に所定範囲で移動自在にネジ
座を保持する保持機構を構成することができる。
L形突起の一方を予め補強部材に固着しておき、他方を
ネジによって着脱自在に補強部材に固着したことであ
る。
うことができる。
する。この実施例は、客室内の荷物棚受4の固定用ネジ
座取付構造に本発明を適用した例であり、内張3の裏に
断面U形の補強部材10を接着等で固着してあり、この
補強部材10はネジ座2の取付位置から天井中心近傍ま
で延びている。この補強部材10の下端近傍においてそ
の底面にL形突起11を固着しており、その上方位置に
ブロック12を固着し、このブロック12に押え板13
をネジ14で着脱自在に固着してブロック12と押え板
13とで他のL形突起を構成している。ネジ座2の一端
をL形突起11の下に挿入してL形突起11とブロック
12との間に嵌め込み、その後、押え板13をブロック
12に固定してネジ座2の他端を押えさせる。これによ
ってネジ座2は断面U形の補強部材10の中に装着され
る。この実施例においては、L形突起11とブロック1
2との間の間隔がネジ座2の長さよりも10mm長く、
またネジ座2の幅b1が補強部材10の左右のフランジ
10a、10a間の幅bよりも10mm狭い。このL形
突起11、ブロック12に対する遊び、及び補強部材1
0のフランジ10a,10aに対する遊び分だけネジ座
2は上下左右に移動することができる。この遊びの範囲
は、現車合わせにおいて位置合わせのためにネジ座を移
動させる必要のある範囲であるから、実際の必要性を考
慮して個々の設備品に応じて適宜選択すればよい。
形補強部材20に上記L形突起11、11を対向して固
着し、フランジ21に対向してブロック22をネジ23
で着脱自在に固定する。L形部材11、11の間にネジ
座を挿入しておいて、ブロック22を固定してフランジ
21とブロック22とによってネジ座の左右両側を押さ
えさせる。これでネジ座は上下左右に移動自在にL型補
強部材20に保持される。補強部材として断面T形部材
を用いることもできるが、この場合は、断面T形のフラ
ンジを切り欠いて、この部分にU形部材を溶接して固定
し、対向する2つのL形突起11をこのU形部材に突設
すればよい。
対のL形突起を上下方向に対向させて配置する代わり
に、左右方向に対向させて配置する構造を採ることもで
きる。さらに、図示の上記実施例におけるブロック12
と押え板13とからなるL形突起を単一部材とし、これ
をネジ止め等によって補強部材に着脱自在に補強部材に
固着するようにしてもよい。
ネジ座取付構造をその直接的な適用対象とするものであ
るが、各種の電機機器を支持部材にネジで固定するにつ
いて、支持部材の裏側にネジ座を設け、これに上記ネジ
を螺合させるものに一般的に適用し得るものであり、そ
の場合、ネジ座に現場合わせでタップ立てするものか、
あるいはネジ座にネジ加工しているものであるかに関わ
り無く、適用して有効なものである。ネジ座に予めネジ
加工しているものについては、ネジ孔の位置精度を緩和
することができ、また、現場でタップ立てを行うものに
ついては、現場でのタップ立て作業を省略することがで
きるので、現場作業を簡略化して、その作業能率を向上
させることができる。このような適用可能な例として
は、各種機械装置の照明器具、配電盤、スイッチ箱、機
械要素等の部品固定用ネジ座取付構造がある。
の特有の効果を生じたものである。内張の裏に固定した
補強部材にネジ座を、一定の範囲で上下左右に移動でき
るように保持させたことによって、ネジ座に予めネジ加
工しておくことができるから、設備品を現車合わせで取
付けるときにネジ座にタップ立てを行う必要がなく、ま
た、ネジ座と内張との間に介在させる調整パッキンが不
要であり、さらに当該調整パッキンの厚さの調整作業も
必要ない。したがって、設備品の取付け作業を簡便に
し、その作業能率を向上させることができる。また、上
記補強部材を車両本体を横断する方向に天井裏まで延ば
して内張に固着したことによって、設備品による負荷を
広い範囲に分散して内張に分担させることができる。ま
た、車体骨組に設備品を支持させるものではないからそ
の支持構造を簡略にすることができる。さらに、内張が
上記補強部材によって部分的に補強されるから、内張の
強度が向上し、その形状的安定性が向上する。
の従来例の断面図である。
取付構造の断面図である。
(a)のAーA矢視図であり、(c)は(b)のXーX
断面図である。
Claims (7)
- 【請求項1】車両本体を横断する方向に天井裏まで延び
ていて、曲げ剛性が高い補強部材を内張の裏に固着して
内張を部分的に補強し、 上記補強部材に、予めネジ加工したネジ座を上下左右に
所定の範囲で移動可能に保持させた鉄道車両の設備品固
定用ネジ座取付構造。 - 【請求項2】上記補強部材を断面U形またはL形の補強
部材とした請求項1の鉄道車両の設備品固定用ネジ座取
付構造。 - 【請求項3】上記補強部材を断面U形部材とし、補強部
材の裏面に2つのL形突起を対向して設けて、これらの
対向したL形部材と補強部材とによってネジ座を前後左
右に移動自在に補強部材に保持させた請求項1の鉄道車
両の設備品固定用ネジ座取付構造。 - 【請求項4】上記の2つのL形突起の一方を予め補強部
材に固着しておき、他方をネジによって着脱自在に補強
部材に固着した請求項2または請求項3の鉄道車両の設
備品固定用ネジ座取付構造。 - 【請求項5】上記設備品が荷物棚受である請求項1乃至
請求項4の鉄道車両の設備品固定用ネジ座取付構造。 - 【請求項6】上記設備品が縦の握り棒である請求項1乃
至請求項4の鉄道車両の設備品固定用ネジ座取付構造。 - 【請求項7】複数のネジ孔を有するネジ座を上下左右に
所定の範囲で移動可能に支持部材の裏側にL形突起で保
持させ、当該ネジ座に止めネジを螺合させて支持部材の
表側に設備品を固定した、機械装置の部品固定用ネジ座
取付構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24269499A JP3555932B2 (ja) | 1999-08-30 | 1999-08-30 | 鉄道車両の設備品固定用ネジ座取付構造 |
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JP24269499A JP3555932B2 (ja) | 1999-08-30 | 1999-08-30 | 鉄道車両の設備品固定用ネジ座取付構造 |
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JP3555932B2 JP3555932B2 (ja) | 2004-08-18 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021066277A (ja) * | 2019-10-18 | 2021-04-30 | 日本車輌製造株式会社 | 鉄道車両の内装品取り付け構造 |
Citations (4)
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-
1999
- 1999-08-30 JP JP24269499A patent/JP3555932B2/ja not_active Expired - Fee Related
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