JP2001062247A - 排煙脱硫方法および排煙脱硫システム - Google Patents
排煙脱硫方法および排煙脱硫システムInfo
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- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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- Y02A50/20—Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters
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- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
- Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
- Treating Waste Gases (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 脱硫性能に悪影響を及ぼすNS化合物を効果
的に除去できるとともに、脱硫排水中の重金属類、特に
マンガンを除去できる排煙脱硫方法を提供する。 【解決手段】 酸化硫黄および酸化窒素を含む排ガスを
処理する湿式石灰法による排煙脱硫方法において、脱硫
工程における吸収スラリの一部を抜き出して重金属キレ
ート剤を添加し石膏分離した後、ろ液の全量又は一部量
をpH3〜4に調整して酸化剤を添加する酸化工程と、
該混合液にアルカリ剤を混合してpH7〜9.5に調整
する中和工程と、中和された調整液を固液分離する固液
分離工程と、を有することを特徴とする排煙脱硫方法、
並びに、該方法を用いる排煙脱硫システム。
的に除去できるとともに、脱硫排水中の重金属類、特に
マンガンを除去できる排煙脱硫方法を提供する。 【解決手段】 酸化硫黄および酸化窒素を含む排ガスを
処理する湿式石灰法による排煙脱硫方法において、脱硫
工程における吸収スラリの一部を抜き出して重金属キレ
ート剤を添加し石膏分離した後、ろ液の全量又は一部量
をpH3〜4に調整して酸化剤を添加する酸化工程と、
該混合液にアルカリ剤を混合してpH7〜9.5に調整
する中和工程と、中和された調整液を固液分離する固液
分離工程と、を有することを特徴とする排煙脱硫方法、
並びに、該方法を用いる排煙脱硫システム。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガス中の酸化硫
黄および酸化窒素を、石灰石又は消石灰の吸収液スラリ
を用いて吸収・分離する湿式石灰・石膏法による排煙脱
硫方法、並びに、該方法を好適に実施できる排煙脱硫シ
ステムに関する。
黄および酸化窒素を、石灰石又は消石灰の吸収液スラリ
を用いて吸収・分離する湿式石灰・石膏法による排煙脱
硫方法、並びに、該方法を好適に実施できる排煙脱硫シ
ステムに関する。
【0002】
【従来の技術】石炭等を燃料とする燃焼排ガスは、石灰
−石膏法による脱硫装置で処理され、カドミウムやマン
ガン等の重金属、難分解性のCOD成分(化学的酸素要
求量の原因となる成分)、フッ素化合物を含む排水が排
出される。従来、脱硫排水の重金属類、特にマンガンM
n2+の除去方法として、pH10〜12のアルカリ性領
域で処理する方法がある。この方法では、pHを調整し
て、マンガンを水酸化マンガンとして沈殿させる方法で
ある。これによって処理水中のマンガンイオンは、10
mg/L以下となる。しかしながら、この方法では、脱
硫排水中のマグネシウムが水酸化マグネシウムとなって
析出し、多量の汚泥が発生するため、汚泥処理装置が大
型化するという問題がある。また、この処理水のpHが
高いため、下流側でさらにフッ素等の汚濁物質を処理し
たり、放流規制値を満たすために、pHを中性付近まで
下げる必要があり、そのランニングコストが増加すると
いう問題がある。
−石膏法による脱硫装置で処理され、カドミウムやマン
ガン等の重金属、難分解性のCOD成分(化学的酸素要
求量の原因となる成分)、フッ素化合物を含む排水が排
出される。従来、脱硫排水の重金属類、特にマンガンM
n2+の除去方法として、pH10〜12のアルカリ性領
域で処理する方法がある。この方法では、pHを調整し
て、マンガンを水酸化マンガンとして沈殿させる方法で
ある。これによって処理水中のマンガンイオンは、10
mg/L以下となる。しかしながら、この方法では、脱
硫排水中のマグネシウムが水酸化マグネシウムとなって
析出し、多量の汚泥が発生するため、汚泥処理装置が大
型化するという問題がある。また、この処理水のpHが
高いため、下流側でさらにフッ素等の汚濁物質を処理し
たり、放流規制値を満たすために、pHを中性付近まで
下げる必要があり、そのランニングコストが増加すると
いう問題がある。
【0003】そして、従来は、析出した水酸化マグネシ
ウム等の多量の汚泥を減少させるために、石膏中に含ま
せる態様があるが、水酸化物を脱硫石膏に混合して脱水
するため、石膏分離機の運転制御が困難になると同時
に、得られる石膏について含水率および純度に悪影響を
及ぼす。さらに、脱硫排水中のMn2+の除去方法として
は、過マンガン酸塩を添加してpH3〜8に調整して、
2酸化マンガンとして除去する方法も開示されている
が、高価な過マンガン酸塩を用いる場合には、ランニン
グコストが高くなる欠点があった。
ウム等の多量の汚泥を減少させるために、石膏中に含ま
せる態様があるが、水酸化物を脱硫石膏に混合して脱水
するため、石膏分離機の運転制御が困難になると同時
に、得られる石膏について含水率および純度に悪影響を
及ぼす。さらに、脱硫排水中のMn2+の除去方法として
は、過マンガン酸塩を添加してpH3〜8に調整して、
2酸化マンガンとして除去する方法も開示されている
が、高価な過マンガン酸塩を用いる場合には、ランニン
グコストが高くなる欠点があった。
【0004】一方、脱硫排水中に含まれる難分解性のC
OD成分には、無機性COD成分と有機性COD成分と
がある。無機性COD成分は、脱硫装置において吸収液
に吸収されたSO2とNOxの一部が反応して生成した窒
素−硫黄化合物(以下、「N−S化合物」という。)か
らなるものであり、また有機性COD成分は、主とし
て、脱硫装置の補給水として使用される工業用水中の有
機性成分からなるものである。これらのCOD成分は、
通常の凝集剤を用いた凝集沈澱法や微生物を用いた活性
汚泥法では除去することが難しく、COD成分の排出基
準値(例えば20mg/L以下)を達成することは、極
めて困難である。
OD成分には、無機性COD成分と有機性COD成分と
がある。無機性COD成分は、脱硫装置において吸収液
に吸収されたSO2とNOxの一部が反応して生成した窒
素−硫黄化合物(以下、「N−S化合物」という。)か
らなるものであり、また有機性COD成分は、主とし
て、脱硫装置の補給水として使用される工業用水中の有
機性成分からなるものである。これらのCOD成分は、
通常の凝集剤を用いた凝集沈澱法や微生物を用いた活性
汚泥法では除去することが難しく、COD成分の排出基
準値(例えば20mg/L以下)を達成することは、極
めて困難である。
【0005】上記COD成分のうち、N−S化合物を分
解する方法として、亜硝酸塩(NO 2 -) 分解法が知られ
ている。この方法は、亜硝酸ナトリウムを、一定の割合
で添加し、pH2以下、温度45℃以上の条件で分解す
るものである。ところが、ここで排出される脱硫排水
は、通常、中性ないし弱酸性であるため、pH2以下と
するために多量の酸を必要とし、しかも反応終了後に中
性ないし弱アルカリ性に戻すために多量のアルカリ剤が
必要となり、無駄な薬品費用と多大の手間がかかる欠点
がある。
解する方法として、亜硝酸塩(NO 2 -) 分解法が知られ
ている。この方法は、亜硝酸ナトリウムを、一定の割合
で添加し、pH2以下、温度45℃以上の条件で分解す
るものである。ところが、ここで排出される脱硫排水
は、通常、中性ないし弱酸性であるため、pH2以下と
するために多量の酸を必要とし、しかも反応終了後に中
性ないし弱アルカリ性に戻すために多量のアルカリ剤が
必要となり、無駄な薬品費用と多大の手間がかかる欠点
がある。
【0006】また、脱硫装置の吸収スラリーの一部を抜
き出して固液分離させた後、その分離液(ろ液)をpH
3〜4に調整して次亜塩素酸塩を添加することによっ
て、N−S化合物を除去する方法がある。この処理法で
は、処理水中のN−S化合物をCODとして5mg/L
(ミリグラム/リットル)以下にまで除去することがで
きる。しかしながら、この処理法では、脱硫排水中のN
−S化合物については処理できるものの、マンガン等の
重金属、有機性COD等の共存成分を併せて処理する方
法については未だ検討されていない。しかも、脱硫排水
中に含まれる有機性COD成分も甚だ難分解性である。
したがって、有機成分を十分に吸着除去するためには、
吸着設備を大型化しなければならない等の問題があっ
た。
き出して固液分離させた後、その分離液(ろ液)をpH
3〜4に調整して次亜塩素酸塩を添加することによっ
て、N−S化合物を除去する方法がある。この処理法で
は、処理水中のN−S化合物をCODとして5mg/L
(ミリグラム/リットル)以下にまで除去することがで
きる。しかしながら、この処理法では、脱硫排水中のN
−S化合物については処理できるものの、マンガン等の
重金属、有機性COD等の共存成分を併せて処理する方
法については未だ検討されていない。しかも、脱硫排水
中に含まれる有機性COD成分も甚だ難分解性である。
したがって、有機成分を十分に吸着除去するためには、
吸着設備を大型化しなければならない等の問題があっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記問
題点に鑑み、脱硫性能に悪影響を及ぼすNS化合物を効
果的に除去できるとともに、経済的にも有利に脱硫排水
中の重金属類、特にマンガンを除去できる排煙脱硫方法
あるいはシステムを開発すべく、鋭意検討した。その結
果、本発明者らは、排煙脱硫方法において、石膏分離
後、ろ液をpH3〜4に調整して次亜塩素酸塩等の酸化
剤を添加し、さらに中和してから液を固液分離する処理
方法によって、かかる問題点が解決されることを見い出
した。本発明は、かかる見地より完成されたものであ
る。
題点に鑑み、脱硫性能に悪影響を及ぼすNS化合物を効
果的に除去できるとともに、経済的にも有利に脱硫排水
中の重金属類、特にマンガンを除去できる排煙脱硫方法
あるいはシステムを開発すべく、鋭意検討した。その結
果、本発明者らは、排煙脱硫方法において、石膏分離
後、ろ液をpH3〜4に調整して次亜塩素酸塩等の酸化
剤を添加し、さらに中和してから液を固液分離する処理
方法によって、かかる問題点が解決されることを見い出
した。本発明は、かかる見地より完成されたものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、酸
化硫黄および酸化窒素を含む排ガスを処理する湿式石灰
法による排煙脱硫方法において、脱硫工程における吸収
スラリの一部を抜き出して石膏分離した後、ろ液の全量
又は一部量をpH3〜4に調整して次亜塩素酸塩等の酸
化剤を添加する酸化工程と、該混合液にアルカリ剤を混
合してpH7〜9.5に調整する中和工程と、中和され
た調整液を固液分離する分離工程と、を有することを特
徴とする排煙脱硫方法を提供するものである。上記脱硫
工程から抜き出した吸収スラリの一部には重金属キレー
ト剤を添加し、その後に石膏分離する態様もある。ここ
で、上記固液分離は膜分離によって行われることが好ま
しい。そして、固液分離による固形物濃縮液の一部を、
吸収液スラリに混合して固液分離すること、あるいは、
メークアップ水として吸収塔へ供給することができる。
また、上記固液分離したろ液を、排水として系外に排出
することができ、上記中和工程においては、亜硫酸塩又
は亜硫酸ガスを添加することが好適である。
化硫黄および酸化窒素を含む排ガスを処理する湿式石灰
法による排煙脱硫方法において、脱硫工程における吸収
スラリの一部を抜き出して石膏分離した後、ろ液の全量
又は一部量をpH3〜4に調整して次亜塩素酸塩等の酸
化剤を添加する酸化工程と、該混合液にアルカリ剤を混
合してpH7〜9.5に調整する中和工程と、中和され
た調整液を固液分離する分離工程と、を有することを特
徴とする排煙脱硫方法を提供するものである。上記脱硫
工程から抜き出した吸収スラリの一部には重金属キレー
ト剤を添加し、その後に石膏分離する態様もある。ここ
で、上記固液分離は膜分離によって行われることが好ま
しい。そして、固液分離による固形物濃縮液の一部を、
吸収液スラリに混合して固液分離すること、あるいは、
メークアップ水として吸収塔へ供給することができる。
また、上記固液分離したろ液を、排水として系外に排出
することができ、上記中和工程においては、亜硫酸塩又
は亜硫酸ガスを添加することが好適である。
【0009】さらに、本発明は、酸化硫黄および酸化窒
素を含む排ガスを処理する湿式石灰法による排煙脱硫シ
ステムにおいて、吸収塔から吸収液スラリを導いて石膏
を分離する石膏分離機の後流に、石膏分離されたろ液の
全量又は一部量をpH3〜4に調整して酸化剤を添加す
る酸化槽と、該酸化槽の液にアルカリ剤を混合してpH
7〜9.5に調整する中和槽と、該中和槽の液を膜によ
って固液分離する膜分離槽と、を具備することを特徴と
する排煙脱硫システムを提供するものである。そして、
本発明のシステムでは、上記石膏分離機の後流の酸化
槽、中和槽および膜分離槽が、石膏分離機から酸化槽
へ、酸化槽から中和槽へ、中和槽から膜分離槽へ、流体
が順次自然流下するように石膏分離機の垂直的下方向
に、該酸化槽と中和槽と膜分離槽とが一体として配置さ
れている態様、あるいは、上記石膏分離機から酸化槽
へ、上記中和槽から膜分離槽へ、流体が順次自然流下す
るように石膏分離機の下方向に、該酸化槽、中和槽およ
び膜分離槽が垂直方向に配置されている態様などが好適
である。ここでは、上記固液分離による固形物濃縮液の
一部を、吸収液スラリに混合して固液分離すること、あ
るいは、メークアップ水として吸収塔へ供給することが
できる。また、上記固液分離したろ液を、排水として系
外に排出することが可能である。
素を含む排ガスを処理する湿式石灰法による排煙脱硫シ
ステムにおいて、吸収塔から吸収液スラリを導いて石膏
を分離する石膏分離機の後流に、石膏分離されたろ液の
全量又は一部量をpH3〜4に調整して酸化剤を添加す
る酸化槽と、該酸化槽の液にアルカリ剤を混合してpH
7〜9.5に調整する中和槽と、該中和槽の液を膜によ
って固液分離する膜分離槽と、を具備することを特徴と
する排煙脱硫システムを提供するものである。そして、
本発明のシステムでは、上記石膏分離機の後流の酸化
槽、中和槽および膜分離槽が、石膏分離機から酸化槽
へ、酸化槽から中和槽へ、中和槽から膜分離槽へ、流体
が順次自然流下するように石膏分離機の垂直的下方向
に、該酸化槽と中和槽と膜分離槽とが一体として配置さ
れている態様、あるいは、上記石膏分離機から酸化槽
へ、上記中和槽から膜分離槽へ、流体が順次自然流下す
るように石膏分離機の下方向に、該酸化槽、中和槽およ
び膜分離槽が垂直方向に配置されている態様などが好適
である。ここでは、上記固液分離による固形物濃縮液の
一部を、吸収液スラリに混合して固液分離すること、あ
るいは、メークアップ水として吸収塔へ供給することが
できる。また、上記固液分離したろ液を、排水として系
外に排出することが可能である。
【0010】本発明では、脱硫性能に影響を及ぼすN−
S化合物を除去することにより、脱硫性能への悪影響を
回避できる。そして、本発明によれば、副生石膏量に比
べて析出汚泥量が極めて少なく、汚泥発生が殆どないた
め、石膏分離機前段に固形物濃縮液を再送しても、石膏
含水率および石膏純度に悪影響を与えることがない。ま
た、酸化剤として次亜塩素酸ナトリウム等を用いる場合
には、低価格の薬品であるため、ランニングコストが安
価である。さらに、難分解性CODであるN−S化合物
およびマンガンイオンMn2+を同時に効率良く処理する
ことができ、排水処理への負担が軽減し、排水処理シス
テムを簡素化できる。このように本発明によれば、湿式
排煙脱硫装置から排出される重金属類、特にマンガンを
含む排水等を処理することができ、処理水のマンガン濃
度が低く安定して得られる。
S化合物を除去することにより、脱硫性能への悪影響を
回避できる。そして、本発明によれば、副生石膏量に比
べて析出汚泥量が極めて少なく、汚泥発生が殆どないた
め、石膏分離機前段に固形物濃縮液を再送しても、石膏
含水率および石膏純度に悪影響を与えることがない。ま
た、酸化剤として次亜塩素酸ナトリウム等を用いる場合
には、低価格の薬品であるため、ランニングコストが安
価である。さらに、難分解性CODであるN−S化合物
およびマンガンイオンMn2+を同時に効率良く処理する
ことができ、排水処理への負担が軽減し、排水処理シス
テムを簡素化できる。このように本発明によれば、湿式
排煙脱硫装置から排出される重金属類、特にマンガンを
含む排水等を処理することができ、処理水のマンガン濃
度が低く安定して得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に係る方法を実施するため
の具体的な形態について、添付図を参照しながら説明す
る。なお、本発明は、これらの実施の形態に限定される
ものではない。実施の形態(その1) 本発明の方法を実施できるシステムの一例を、図1に示
す。図1にて、先ず、脱硫装置の一部である吸収塔2か
ら排出される重金属を含む吸収スラリの一部を抜き出し
て、石膏分離機8に送る。脱硫工程から排出される吸収
スラリの主成分は石膏であり、水に対して20〜30重
量%含有しており、その他に、重金属を極微量成分とし
て含んでいる。重金属量比については、燃料の構成成分
や性状等によって変化するので、一概には定められな
い。本実施の形態では、石膏分離(固形分分離)した後
のろ液について、酸化工程、中和工程(中和反応)、固
液分離工程の順で処理が行われる。このろ液の処理工程
は、例えば図1のように、酸化槽11、中和槽16、膜
分離槽17を具備する処理システムによって実施され
る。
の具体的な形態について、添付図を参照しながら説明す
る。なお、本発明は、これらの実施の形態に限定される
ものではない。実施の形態(その1) 本発明の方法を実施できるシステムの一例を、図1に示
す。図1にて、先ず、脱硫装置の一部である吸収塔2か
ら排出される重金属を含む吸収スラリの一部を抜き出し
て、石膏分離機8に送る。脱硫工程から排出される吸収
スラリの主成分は石膏であり、水に対して20〜30重
量%含有しており、その他に、重金属を極微量成分とし
て含んでいる。重金属量比については、燃料の構成成分
や性状等によって変化するので、一概には定められな
い。本実施の形態では、石膏分離(固形分分離)した後
のろ液について、酸化工程、中和工程(中和反応)、固
液分離工程の順で処理が行われる。このろ液の処理工程
は、例えば図1のように、酸化槽11、中和槽16、膜
分離槽17を具備する処理システムによって実施され
る。
【0012】本発明では、先ず上記のようにマンガン等
の重金属を含む吸収スラリを、石膏分離工程において脱
水ろ過する。石膏分離機からのろ液中には、マンガン等
の重金属、難分解性COD等が含まれているので、これ
ら化合物の処理をろ液10について行う。つまり、石膏
分離後のろ液に、酸化槽で次亜塩素酸塩等の酸化剤を添
加した後、中和槽にてpH7〜9.5に調整する。この
pH調整した液を、膜分離等によって固液分離すること
で、ろ液に含まれるマンガン等の重金属を除去する。
の重金属を含む吸収スラリを、石膏分離工程において脱
水ろ過する。石膏分離機からのろ液中には、マンガン等
の重金属、難分解性COD等が含まれているので、これ
ら化合物の処理をろ液10について行う。つまり、石膏
分離後のろ液に、酸化槽で次亜塩素酸塩等の酸化剤を添
加した後、中和槽にてpH7〜9.5に調整する。この
pH調整した液を、膜分離等によって固液分離すること
で、ろ液に含まれるマンガン等の重金属を除去する。
【0013】(1)酸化工程 上記石膏分離工程からのろ液10を、酸化工程に送る。
このろ液中には、脱硫装置でSO2とNOxとが反応して
生成した主として次の組成をもつN−S化合物(無機性
COD成分)が含まれている。 ヒドロキシアミンモノスルフォネート HONHSO3 - ヒドロキシアミンジスルフォネート HON(SO3)2 2- ヒドロキシアミントリスルフォネート ON(SO3)3 3- このろ液に、塩酸又は硫酸等の酸12を加えて、薬品使
用量の無駄を省くためpH3〜4に調整する。よって酸
の添加量は、このpH範囲内になるように適宜決定され
る。ここで、添加する酸12としては、スケールが発生
を防止する観点からは、塩酸を用いるのが好ましい。
このろ液中には、脱硫装置でSO2とNOxとが反応して
生成した主として次の組成をもつN−S化合物(無機性
COD成分)が含まれている。 ヒドロキシアミンモノスルフォネート HONHSO3 - ヒドロキシアミンジスルフォネート HON(SO3)2 2- ヒドロキシアミントリスルフォネート ON(SO3)3 3- このろ液に、塩酸又は硫酸等の酸12を加えて、薬品使
用量の無駄を省くためpH3〜4に調整する。よって酸
の添加量は、このpH範囲内になるように適宜決定され
る。ここで、添加する酸12としては、スケールが発生
を防止する観点からは、塩酸を用いるのが好ましい。
【0014】その後、酸化槽11においては、難分解性
CODを分解処理するために、次亜塩素酸塩等の酸化剤
を添加する。次亜塩素酸塩としては、例えば次亜塩素酸
ナトリウム、サラシ粉等を使用できるが、取扱いの面か
らは特に次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)が好まし
い。この際、排水の酸化還元電位(ORP)をもとに難
分解性COD成分(N−S化合物)の含有量を求め、こ
れに対応する所定量の酸化剤を添加して、N−S化合物
を分解することが好ましい。酸化剤として、次亜塩素酸
ナトリウムが用いられる場合の反応式を、以下に示す。
CODを分解処理するために、次亜塩素酸塩等の酸化剤
を添加する。次亜塩素酸塩としては、例えば次亜塩素酸
ナトリウム、サラシ粉等を使用できるが、取扱いの面か
らは特に次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)が好まし
い。この際、排水の酸化還元電位(ORP)をもとに難
分解性COD成分(N−S化合物)の含有量を求め、こ
れに対応する所定量の酸化剤を添加して、N−S化合物
を分解することが好ましい。酸化剤として、次亜塩素酸
ナトリウムが用いられる場合の反応式を、以下に示す。
【0015】6ON(SO3)3 3-+18ClO-+10
H2O→ 4NO+2NO3 -+18HSO4 -+18Cl-
+2H++3O2 次亜塩素酸の場合の添加量はモル換算で、通常、N−S
化合物1モルに対して約2〜8モル、好ましくは約3〜
5モル程度である。また、ここでの温度は40℃以上で
あることが好ましく、滞留時間は2時間以上であること
が望ましい。
H2O→ 4NO+2NO3 -+18HSO4 -+18Cl-
+2H++3O2 次亜塩素酸の場合の添加量はモル換算で、通常、N−S
化合物1モルに対して約2〜8モル、好ましくは約3〜
5モル程度である。また、ここでの温度は40℃以上で
あることが好ましく、滞留時間は2時間以上であること
が望ましい。
【0016】一方、一般に脱硫排水のpHは通常酸性領
域であり、排水中に有機物等の被酸化性物質がある場合
には、次亜塩素酸塩と混合すると、その酸化により次亜
塩素酸塩が消費される。そのため、本発明における酸化
工程では、被酸化性物質とマンガンイオンの酸化に必要
なものとして、次亜塩素酸塩は、酸化槽の酸化還元電位
が600mV以上、好ましくは700〜900mVとなる
ように添加するのが良い。酸化還元電位がこれよりも低
ければマンガンイオンの酸化が不充分であり、これより
も高ければ次亜塩素酸塩の添加量が過剰となり、薬品消
費量が増加するため好ましくない。
域であり、排水中に有機物等の被酸化性物質がある場合
には、次亜塩素酸塩と混合すると、その酸化により次亜
塩素酸塩が消費される。そのため、本発明における酸化
工程では、被酸化性物質とマンガンイオンの酸化に必要
なものとして、次亜塩素酸塩は、酸化槽の酸化還元電位
が600mV以上、好ましくは700〜900mVとなる
ように添加するのが良い。酸化還元電位がこれよりも低
ければマンガンイオンの酸化が不充分であり、これより
も高ければ次亜塩素酸塩の添加量が過剰となり、薬品消
費量が増加するため好ましくない。
【0017】(2)中和工程 次いで、酸化槽11の反応液を中和槽16に導入する。
中和槽16では、まずpHが7〜9.5となるようにア
ルカリ剤14が添加される。アルカリ剤としては、水酸
化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム等を
使用することができる。このうち、水酸化カルシウムは
汚泥量が増大し、水酸化カリウムは高価で不経済となる
ため、経済性、取扱いの利便性を考慮すると、水酸化ナ
トリウムが特に好ましい。中和槽16では、アルカリ剤
によりマンガンイオンが二酸化マンガンとなり、不溶性
固形分として析出してくるが、pH7〜9.5に調整す
るため、水酸化マグネシウムは析出しない。
中和槽16では、まずpHが7〜9.5となるようにア
ルカリ剤14が添加される。アルカリ剤としては、水酸
化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム等を
使用することができる。このうち、水酸化カルシウムは
汚泥量が増大し、水酸化カリウムは高価で不経済となる
ため、経済性、取扱いの利便性を考慮すると、水酸化ナ
トリウムが特に好ましい。中和槽16では、アルカリ剤
によりマンガンイオンが二酸化マンガンとなり、不溶性
固形分として析出してくるが、pH7〜9.5に調整す
るため、水酸化マグネシウムは析出しない。
【0018】また、酸化槽の反応液には、未反応の次亜
塩素酸塩が残留する場合があるため、中和工程におい
て、亜硫酸塩,亜硫酸ガスまたは重亜硫酸塩等の還元剤
15を添加して、残留塩素を除去することが好適であ
る。すなわち、N−S化合物を分解処理した後、廃水の
酸化還元電位が200mV以上、好ましくは300〜4
00mVとなっていない場合は、この範囲となるように
還元剤を添加して、次亜塩素酸ナトリウム等の過剰の酸
化剤を分解する。酸化還元電位がこの範囲よりも低けれ
ば、不溶化した二酸化マンガンが再溶出しやすくなるだ
けでなく、薬品消費量が増加するとともに、過剰の還元
剤がCODとして検出されるため好ましくない。なお、
亜硫酸塩または重亜硫酸塩には、亜硫酸ナトリウム(N
a2SO3)、重亜硫酸ナトリウム(NaHSO3)、チオ
硫酸ナトリウム(Na2S2O3)等だけでなく、酸化硫黄
を含む除塵した燃焼排ガス等も使用できる。
塩素酸塩が残留する場合があるため、中和工程におい
て、亜硫酸塩,亜硫酸ガスまたは重亜硫酸塩等の還元剤
15を添加して、残留塩素を除去することが好適であ
る。すなわち、N−S化合物を分解処理した後、廃水の
酸化還元電位が200mV以上、好ましくは300〜4
00mVとなっていない場合は、この範囲となるように
還元剤を添加して、次亜塩素酸ナトリウム等の過剰の酸
化剤を分解する。酸化還元電位がこの範囲よりも低けれ
ば、不溶化した二酸化マンガンが再溶出しやすくなるだ
けでなく、薬品消費量が増加するとともに、過剰の還元
剤がCODとして検出されるため好ましくない。なお、
亜硫酸塩または重亜硫酸塩には、亜硫酸ナトリウム(N
a2SO3)、重亜硫酸ナトリウム(NaHSO3)、チオ
硫酸ナトリウム(Na2S2O3)等だけでなく、酸化硫黄
を含む除塵した燃焼排ガス等も使用できる。
【0019】(3)固液分離工程 次に、中和槽16の反応液を膜分離槽17に導入する。
固液分離法としては特に限定されないが、例えば膜分離
法や凝集沈殿法が使用でき、好ましくは膜分離法が用い
られる。なお、凝集沈殿法の場合には、中和槽16出口
の反応液に高分子凝集剤を添加し、凝集フロックを形成
して沈殿し易くすることが好ましい。図1には、膜分離
槽17により膜分離法を用いる場合の実施の形態を示
す。
固液分離法としては特に限定されないが、例えば膜分離
法や凝集沈殿法が使用でき、好ましくは膜分離法が用い
られる。なお、凝集沈殿法の場合には、中和槽16出口
の反応液に高分子凝集剤を添加し、凝集フロックを形成
して沈殿し易くすることが好ましい。図1には、膜分離
槽17により膜分離法を用いる場合の実施の形態を示
す。
【0020】上記酸化工程および中和工程までの処理が
終了した液については、その一部を濃縮液23として、
石膏分離機8の前段に戻す。膜分離槽17から濃縮液ポ
ンプ22を経て石膏分離機8の前段に戻される濃縮液2
3は、膜分離槽のろ液のうち、通常0.5〜1重量%程
度である。この沈殿物には、析出した二酸化マンガンが
含まれ、石膏分離と同時に石膏中に混入されて分離され
る。また、膜分離槽17からのオーバーフロー水24に
ついては、石灰石調製タンク25を経て吸収塔2に再送
される。一方、膜分離工程で分離された膜ろ過液につい
ては、必要な量を後の排水処理工程に送る。排水処理で
は、膜ろ過液21に含まれる有機性CODを処理するた
めに、例えば活性炭吸着を活性炭吸着塔で行い、その
後、必要に応じてフッ素吸着樹脂によるフッ素吸着処理
を行い、浄化した処理水として放流等する。
終了した液については、その一部を濃縮液23として、
石膏分離機8の前段に戻す。膜分離槽17から濃縮液ポ
ンプ22を経て石膏分離機8の前段に戻される濃縮液2
3は、膜分離槽のろ液のうち、通常0.5〜1重量%程
度である。この沈殿物には、析出した二酸化マンガンが
含まれ、石膏分離と同時に石膏中に混入されて分離され
る。また、膜分離槽17からのオーバーフロー水24に
ついては、石灰石調製タンク25を経て吸収塔2に再送
される。一方、膜分離工程で分離された膜ろ過液につい
ては、必要な量を後の排水処理工程に送る。排水処理で
は、膜ろ過液21に含まれる有機性CODを処理するた
めに、例えば活性炭吸着を活性炭吸着塔で行い、その
後、必要に応じてフッ素吸着樹脂によるフッ素吸着処理
を行い、浄化した処理水として放流等する。
【0021】分離膜18としては、例えばチューブラ型
精密ろ過膜、浸漬型平板精密ろ過膜、浸漬型中空糸精密
ろ過膜等が挙げられ、いずれの膜を使用することもでき
る。例えば、浸漬型中空糸精密ろ過膜の場合は、膜中の
中空チューブ内等を若干減圧してろ液を通過させると、
固形分は表面に付着して、水分だけ内部に流れて分離さ
れる。分離膜は膜分離槽17の中央付近やや上部に並ん
で配置させ、汚れた場合には適宜洗浄する。そして分離
膜は、常に下部の散気管から吹き出される空気による液
流動で、振動された状態にある。空気量は、通常散気管
1本あたり0.1〜0.4m3/hの範囲である。これに
より、膜の表面への固形分の付着が防止される。またこ
の空気撹拌によって、前段の中和槽で添加した亜硫酸塩
が微量残存する場合は、亜硫酸イオンが酸化されて硫酸
イオンとなり好ましい。膜ろ過による固形分の一部は浮
遊し、残りは膜分離槽17の下部に沈殿する。この沈殿
物は、前述のとおり固形物濃縮液23として濃縮液ポン
プ22によって、石膏分離機8の前段に戻すことができ
る。分離膜18でろ液の分離を行うのは、固形分を排水
処理に送らないためであり、固液分離によって固形分を
取り除く。本発明では、分離膜によって固液分離される
ので、活性炭吸着塔の前にろ過工程(砂ろ過等)を設け
る必要がない。
精密ろ過膜、浸漬型平板精密ろ過膜、浸漬型中空糸精密
ろ過膜等が挙げられ、いずれの膜を使用することもでき
る。例えば、浸漬型中空糸精密ろ過膜の場合は、膜中の
中空チューブ内等を若干減圧してろ液を通過させると、
固形分は表面に付着して、水分だけ内部に流れて分離さ
れる。分離膜は膜分離槽17の中央付近やや上部に並ん
で配置させ、汚れた場合には適宜洗浄する。そして分離
膜は、常に下部の散気管から吹き出される空気による液
流動で、振動された状態にある。空気量は、通常散気管
1本あたり0.1〜0.4m3/hの範囲である。これに
より、膜の表面への固形分の付着が防止される。またこ
の空気撹拌によって、前段の中和槽で添加した亜硫酸塩
が微量残存する場合は、亜硫酸イオンが酸化されて硫酸
イオンとなり好ましい。膜ろ過による固形分の一部は浮
遊し、残りは膜分離槽17の下部に沈殿する。この沈殿
物は、前述のとおり固形物濃縮液23として濃縮液ポン
プ22によって、石膏分離機8の前段に戻すことができ
る。分離膜18でろ液の分離を行うのは、固形分を排水
処理に送らないためであり、固液分離によって固形分を
取り除く。本発明では、分離膜によって固液分離される
ので、活性炭吸着塔の前にろ過工程(砂ろ過等)を設け
る必要がない。
【0022】実施の形態(その2) 図2に、本発明を実施するための他のシステムの一例を
示す。図2のシステムでは、実施の形態(その1)と同
様に、脱硫装置の一部である吸収塔2から排出される重
金属を含む吸収スラリの一部を抜き出して、石膏分離機
8に送る。本実施の形態では、石膏分離(固形分分離)
した後のろ液10の内、その一部のろ液10bについて
酸化工程、中和工程(中和反応)、固液分離工程の順で
処理が行われる。このろ液10bの処理工程は、図2に
示すような酸化槽11、中和槽16、膜分離槽17を具
備する処理システムによって実施される。
示す。図2のシステムでは、実施の形態(その1)と同
様に、脱硫装置の一部である吸収塔2から排出される重
金属を含む吸収スラリの一部を抜き出して、石膏分離機
8に送る。本実施の形態では、石膏分離(固形分分離)
した後のろ液10の内、その一部のろ液10bについて
酸化工程、中和工程(中和反応)、固液分離工程の順で
処理が行われる。このろ液10bの処理工程は、図2に
示すような酸化槽11、中和槽16、膜分離槽17を具
備する処理システムによって実施される。
【0023】ろ液10bについては、上記実施の形態
(その1)と同様の酸化工程、中和工程および固液分離
工程における処理が可能である。つまり、このろ液10
bに、酸化槽で次亜塩素酸塩等の酸化剤を添加した後、
中和槽16にてpH7〜9.5に調整する。このpH調
整した液を、膜分離等によって固液分離する。これによ
って、ろ液10b中に含まれるマンガン等の重金属を除
去するとともに、難分解性COD成分を分解除去する。
一方、それ以外のろ液10aについては、石灰石調製タ
ンク25に導かれてから、吸収塔2に返送される。よっ
て、本実施の形態では、膜分離槽17にてオーバーフロ
ー水を取り出してタンク25に導くことは行わず、膜分
離槽17からは固形物濃縮液23aが石膏分離機8前段
へ導かれ、膜ろ液21が排水処理へ排出される。
(その1)と同様の酸化工程、中和工程および固液分離
工程における処理が可能である。つまり、このろ液10
bに、酸化槽で次亜塩素酸塩等の酸化剤を添加した後、
中和槽16にてpH7〜9.5に調整する。このpH調
整した液を、膜分離等によって固液分離する。これによ
って、ろ液10b中に含まれるマンガン等の重金属を除
去するとともに、難分解性COD成分を分解除去する。
一方、それ以外のろ液10aについては、石灰石調製タ
ンク25に導かれてから、吸収塔2に返送される。よっ
て、本実施の形態では、膜分離槽17にてオーバーフロ
ー水を取り出してタンク25に導くことは行わず、膜分
離槽17からは固形物濃縮液23aが石膏分離機8前段
へ導かれ、膜ろ液21が排水処理へ排出される。
【0024】実施の形態(その3) 図3および図4に、本発明を実施するための他のシステ
ムの一例を示す。本実施の形態のシステムにおいては、
脱硫装置の一部である吸収塔2から排出される吸収スラ
リの一部を抜き出して、石膏分離機8に送る。ここで、
本実施の形態では、吸収液スラリに重金属キレート剤3
1等を添加して混合する混合槽30が設けられており、
この混合工程の後に、石膏分離機8に送られる。すなわ
ち、吸収塔2から排出される重金属を含む排水は、まず
混合槽30に送られる。脱硫工程(脱硫装置)から排出
される吸収液スラリの主成分は石膏であり、水に対して
20〜30重量%含有しており、その他に、重金属を極
微量成分として含んでいる。排水中の重金属量比は、燃
料の構成成分や性状等によって変化し、一概には定めら
れない。本実施の形態では、このような重金属を排水中
から取り除くために、混合工程を経た後、石膏分離工
程、酸化工程、中和工程、膜分離工程、の順で処理が行
われる。
ムの一例を示す。本実施の形態のシステムにおいては、
脱硫装置の一部である吸収塔2から排出される吸収スラ
リの一部を抜き出して、石膏分離機8に送る。ここで、
本実施の形態では、吸収液スラリに重金属キレート剤3
1等を添加して混合する混合槽30が設けられており、
この混合工程の後に、石膏分離機8に送られる。すなわ
ち、吸収塔2から排出される重金属を含む排水は、まず
混合槽30に送られる。脱硫工程(脱硫装置)から排出
される吸収液スラリの主成分は石膏であり、水に対して
20〜30重量%含有しており、その他に、重金属を極
微量成分として含んでいる。排水中の重金属量比は、燃
料の構成成分や性状等によって変化し、一概には定めら
れない。本実施の形態では、このような重金属を排水中
から取り除くために、混合工程を経た後、石膏分離工
程、酸化工程、中和工程、膜分離工程、の順で処理が行
われる。
【0025】上記混合工程は、吸収液スラリに、重金属
捕集用キレート剤、凝集助剤、さらに必要に応じて過マ
ンガン酸塩を添加し、重金属を含む固形物を凝集,析出
させる工程である。重金属捕集用キレート剤としては、
ジチオカルバミン酸基 (−NH−CS2Na)、チオー
ル基 (−SNa)等のキレート形成基を有する液体の高
分子重金属捕集剤が挙げられる。対象となる重金属は特
に限定されないが、例えばCd,Se,Hg等の重金属
である。重金属捕集用キレート剤を、通常、10〜10
0mg/L添加することによって、重金属を捕集したマ
イクロフロックが生成する。この工程にて添加される重
金属キレート剤の量は、吸収剤中の重金属の量等によっ
て適宜定められるが、吸収液スラリに対して、通常5m
g/リットル以上、好ましくは10〜30mg/リット
ル添加する。
捕集用キレート剤、凝集助剤、さらに必要に応じて過マ
ンガン酸塩を添加し、重金属を含む固形物を凝集,析出
させる工程である。重金属捕集用キレート剤としては、
ジチオカルバミン酸基 (−NH−CS2Na)、チオー
ル基 (−SNa)等のキレート形成基を有する液体の高
分子重金属捕集剤が挙げられる。対象となる重金属は特
に限定されないが、例えばCd,Se,Hg等の重金属
である。重金属捕集用キレート剤を、通常、10〜10
0mg/L添加することによって、重金属を捕集したマ
イクロフロックが生成する。この工程にて添加される重
金属キレート剤の量は、吸収剤中の重金属の量等によっ
て適宜定められるが、吸収液スラリに対して、通常5m
g/リットル以上、好ましくは10〜30mg/リット
ル添加する。
【0026】凝集助剤は、捕捉した重金属キレートのフ
ロックを大きくしたり、あるいは未反応の重金属キレー
ト剤を固形化するために、必要に応じて添加される薬剤
であり、例えば塩化第二鉄や硝酸第二鉄等が用いられ
る。なお、添加量は、燃料の構成成分や性状により凝集
助剤添加の要否が決定されるため、一概には定められな
いが、吸収液に対して通常10〜200mg/リット
ル、好ましくは50〜100mg/リットルであり、こ
の添加によって、粗大なフロックを形成させ、分離性を
向上させる。これらのフロックを含む混合液中の固形物
は、石膏分離機8で分離されて、石膏ケーキ9中に混入
される。
ロックを大きくしたり、あるいは未反応の重金属キレー
ト剤を固形化するために、必要に応じて添加される薬剤
であり、例えば塩化第二鉄や硝酸第二鉄等が用いられ
る。なお、添加量は、燃料の構成成分や性状により凝集
助剤添加の要否が決定されるため、一概には定められな
いが、吸収液に対して通常10〜200mg/リット
ル、好ましくは50〜100mg/リットルであり、こ
の添加によって、粗大なフロックを形成させ、分離性を
向上させる。これらのフロックを含む混合液中の固形物
は、石膏分離機8で分離されて、石膏ケーキ9中に混入
される。
【0027】本実施の形態では、石膏を分離する石膏分
離機8の後に、石膏分離されたろ液の全量又は一部量を
pH3〜4に調整して酸化剤を添加する酸化槽11(酸
化工程)、該酸化槽の液にアルカリ剤を混合してpH7
〜9.5に調整する中和槽16(中和工程)、および該
中和槽の液を膜によって固液分離する膜分離槽17(固
液分離工程)が設けられている。そして、石膏分離機か
ら酸化槽へ、酸化槽から中和槽へ、中和槽から膜分離槽
へ、流体が順次自然流下するように石膏分離機の下方向
に、該酸化槽、中和槽および膜分離槽が垂直的に一体と
したユニットとして配備されている。図3には、石膏分
離されたろ液の全量を酸化槽11に投入する態様を示
し、図4には、石膏分離されたろ液の一部を酸化槽11
に投入する態様を示す。
離機8の後に、石膏分離されたろ液の全量又は一部量を
pH3〜4に調整して酸化剤を添加する酸化槽11(酸
化工程)、該酸化槽の液にアルカリ剤を混合してpH7
〜9.5に調整する中和槽16(中和工程)、および該
中和槽の液を膜によって固液分離する膜分離槽17(固
液分離工程)が設けられている。そして、石膏分離機か
ら酸化槽へ、酸化槽から中和槽へ、中和槽から膜分離槽
へ、流体が順次自然流下するように石膏分離機の下方向
に、該酸化槽、中和槽および膜分離槽が垂直的に一体と
したユニットとして配備されている。図3には、石膏分
離されたろ液の全量を酸化槽11に投入する態様を示
し、図4には、石膏分離されたろ液の一部を酸化槽11
に投入する態様を示す。
【0028】酸化槽11に投入されるろ液10,10b
については、上記実施の形態(その1)と同様の酸化工
程、中和工程および固液分離工程における処理が行われ
る。つまり、該ろ液に、酸化槽で次亜塩素酸塩等の酸化
剤を添加した後、中和槽16にてpH7〜9.5に調整
する。このpH調整した液を、膜分離等によって固液分
離する。これによって、ろ液10,10b中に含まれる
マンガン等の重金属を除去するとともに、難分解性CO
D成分を分解除去する。図3のシステムにおいては、膜
分離槽17にてオーバーフロー水を取り出して石灰石調
整タンク25に導く。そして、膜分離槽17からは固形
物濃縮液23bが石膏分離機8前段の混合槽30へ導か
れ、膜ろ液21が排水処理へ排出される。
については、上記実施の形態(その1)と同様の酸化工
程、中和工程および固液分離工程における処理が行われ
る。つまり、該ろ液に、酸化槽で次亜塩素酸塩等の酸化
剤を添加した後、中和槽16にてpH7〜9.5に調整
する。このpH調整した液を、膜分離等によって固液分
離する。これによって、ろ液10,10b中に含まれる
マンガン等の重金属を除去するとともに、難分解性CO
D成分を分解除去する。図3のシステムにおいては、膜
分離槽17にてオーバーフロー水を取り出して石灰石調
整タンク25に導く。そして、膜分離槽17からは固形
物濃縮液23bが石膏分離機8前段の混合槽30へ導か
れ、膜ろ液21が排水処理へ排出される。
【0029】一方、図4のシステムにおけるろ液10a
については、石灰石調製タンク25に導かれてから、吸
収塔2に返送される。この図4の形態では、膜分離槽1
7にてオーバーフロー水を取り出してタンク25に導く
ことは行わない。本実施の形態によれば、石膏分離機8
後流の酸化槽11、中和槽16および膜分離槽17が垂
直方向に立体的に配置されるため、ユニットの設備面積
が少なくて済み、システム全体のコンパクト化に資する
とともに、流体の自然流下によって効率的なシステム稼
働が可能になる。
については、石灰石調製タンク25に導かれてから、吸
収塔2に返送される。この図4の形態では、膜分離槽1
7にてオーバーフロー水を取り出してタンク25に導く
ことは行わない。本実施の形態によれば、石膏分離機8
後流の酸化槽11、中和槽16および膜分離槽17が垂
直方向に立体的に配置されるため、ユニットの設備面積
が少なくて済み、システム全体のコンパクト化に資する
とともに、流体の自然流下によって効率的なシステム稼
働が可能になる。
【0030】実施の形態(その4) 図5および図6に、本発明を実施するための他のシステ
ムの一例を示す。本実施の形態のシステムにおいては、
上記実施の形態(その3)と同様に、吸収液スラリに重
金属キレート剤31等を添加して混合する混合槽30が
設けられており、この混合工程の後に、石膏分離機8に
送られる。そして、石膏分離工程の後、酸化工程、中和
工程、膜分離工程、の順で行われる。
ムの一例を示す。本実施の形態のシステムにおいては、
上記実施の形態(その3)と同様に、吸収液スラリに重
金属キレート剤31等を添加して混合する混合槽30が
設けられており、この混合工程の後に、石膏分離機8に
送られる。そして、石膏分離工程の後、酸化工程、中和
工程、膜分離工程、の順で行われる。
【0031】本実施の形態では、石膏分離機8の後に、
石膏分離されたろ液の全量又は一部量をpH3〜4に調
整して酸化剤を添加する酸化槽11、該酸化槽の液にア
ルカリ剤を混合してpH7〜9.5に調整する中和槽1
6、および該中和槽の液を膜によって固液分離する膜分
離槽17が設けられており、石膏分離機から酸化槽へ、
該酸化槽に並ぶ中和槽から膜分離槽へ、流体が順次流下
するように石膏分離機の下方向に、該酸化槽、中和槽お
よび膜分離槽が垂直方向に配置されている。図5には、
石膏分離されたろ液の全量を酸化槽11に投入する態様
を示し、図6には、石膏分離されたろ液の一部を酸化槽
11に投入する態様を示す。各槽における工程は、上記
実施の形態(その3)と同じである。
石膏分離されたろ液の全量又は一部量をpH3〜4に調
整して酸化剤を添加する酸化槽11、該酸化槽の液にア
ルカリ剤を混合してpH7〜9.5に調整する中和槽1
6、および該中和槽の液を膜によって固液分離する膜分
離槽17が設けられており、石膏分離機から酸化槽へ、
該酸化槽に並ぶ中和槽から膜分離槽へ、流体が順次流下
するように石膏分離機の下方向に、該酸化槽、中和槽お
よび膜分離槽が垂直方向に配置されている。図5には、
石膏分離されたろ液の全量を酸化槽11に投入する態様
を示し、図6には、石膏分離されたろ液の一部を酸化槽
11に投入する態様を示す。各槽における工程は、上記
実施の形態(その3)と同じである。
【0032】図5のシステムにおいては、膜分離槽17
にてオーバーフロー水を取り出して石灰石調整タンク2
5に導き、一方、固形物濃縮液23bが石膏分離機8前
段の混合槽30へ導かれ、膜ろ液21が排水処理へ排出
される。また、図6のシステムにおけるろ液10aにつ
いては、石灰石調製タンク25に導かれてから、吸収塔
2に返送される。この図6の形態では、膜分離槽17に
てオーバーフロー水を取り出してタンク25に導くこと
は行わない。本実施の形態によっても上記実施の形態
(その3)と同様に、石膏分離機8後流の酸化槽11お
よび膜分離槽17への垂直方向の立体的配置により、ユ
ニットの設備面積が少なくて済み、システム全体のコン
パクト化に資するとともに、流体の自然流下によって効
率的なシステム稼働が可能になる。以下、実施例により
本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例
によって何ら制限されるものでない。
にてオーバーフロー水を取り出して石灰石調整タンク2
5に導き、一方、固形物濃縮液23bが石膏分離機8前
段の混合槽30へ導かれ、膜ろ液21が排水処理へ排出
される。また、図6のシステムにおけるろ液10aにつ
いては、石灰石調製タンク25に導かれてから、吸収塔
2に返送される。この図6の形態では、膜分離槽17に
てオーバーフロー水を取り出してタンク25に導くこと
は行わない。本実施の形態によっても上記実施の形態
(その3)と同様に、石膏分離機8後流の酸化槽11お
よび膜分離槽17への垂直方向の立体的配置により、ユ
ニットの設備面積が少なくて済み、システム全体のコン
パクト化に資するとともに、流体の自然流下によって効
率的なシステム稼働が可能になる。以下、実施例により
本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例
によって何ら制限されるものでない。
【0033】
【実施例】実施例1、2および比較例1 本実施例においては、小型の微粉炭焚き(図示なし)か
らの排ガス200m3N/hを分取し、除塵後、図1と
図3(実施例1)、および、図2と図4(実施例2)の
排煙脱硫システムを用いて処理した。また、図1と図3
の処理システムを用いた実施例1において、次亜塩素酸
ナトリウムの注入を停止した場合を、比較例1とした。
上記の排ガス処理における排ガスやスラリーの性状、お
よび各槽内の測定結果を、表1に示す。
らの排ガス200m3N/hを分取し、除塵後、図1と
図3(実施例1)、および、図2と図4(実施例2)の
排煙脱硫システムを用いて処理した。また、図1と図3
の処理システムを用いた実施例1において、次亜塩素酸
ナトリウムの注入を停止した場合を、比較例1とした。
上記の排ガス処理における排ガスやスラリーの性状、お
よび各槽内の測定結果を、表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1の結果から、中和槽におけるpHが7
以上である場合には、膜ろ液中のMn濃度について、排
出基準である10ppm以下を満足することがわかっ
た。
以上である場合には、膜ろ液中のMn濃度について、排
出基準である10ppm以下を満足することがわかっ
た。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、脱硫性能に影響を及ぼ
すN−S化合物を除去することにより、排煙脱硫システ
ムにおける脱硫性能への悪影響を回避できる。そして、
副生石膏量に比べて析出汚泥量が極めて少なく、汚泥発
生が殆どないため、石膏分離機前段に固形物濃縮液を再
送しても、石膏含水率および石膏純度に悪影響を与える
ことがない。また、酸化剤として次亜塩素酸ナトリウム
等を用いる場合には、低価格の薬品であるため、ランニ
ングコストが安価である。さらに、難分解性CODであ
るN−S化合物およびマンガンイオンMn2+の両方を同
時に効率良く処理することができ、排水処理への負担が
軽減し、排水処理システムを簡素化できる。このような
本発明によれば、湿式排煙脱硫装置から排出される重金
属類、特にマンガンを含む排水を処理することができ、
処理水のマンガン濃度が低く安定する。
すN−S化合物を除去することにより、排煙脱硫システ
ムにおける脱硫性能への悪影響を回避できる。そして、
副生石膏量に比べて析出汚泥量が極めて少なく、汚泥発
生が殆どないため、石膏分離機前段に固形物濃縮液を再
送しても、石膏含水率および石膏純度に悪影響を与える
ことがない。また、酸化剤として次亜塩素酸ナトリウム
等を用いる場合には、低価格の薬品であるため、ランニ
ングコストが安価である。さらに、難分解性CODであ
るN−S化合物およびマンガンイオンMn2+の両方を同
時に効率良く処理することができ、排水処理への負担が
軽減し、排水処理システムを簡素化できる。このような
本発明によれば、湿式排煙脱硫装置から排出される重金
属類、特にマンガンを含む排水を処理することができ、
処理水のマンガン濃度が低く安定する。
【図1】本発明の実施の形態(その1)に係る排煙脱硫
方法を実施するシステムの一例を示す系統図である。
方法を実施するシステムの一例を示す系統図である。
【図2】本発明の実施の形態(その2)に係る排煙脱硫
方法を実施するシステムの一例を示す系統図である。
方法を実施するシステムの一例を示す系統図である。
【図3】本発明の実施の形態(その3)に係る排煙脱硫
方法を実施するシステムの一例を示す系統図である。
方法を実施するシステムの一例を示す系統図である。
【図4】本発明の実施の形態(その3)に係る排煙脱硫
方法を実施するシステムの他の一例を示す系統図であ
る。
方法を実施するシステムの他の一例を示す系統図であ
る。
【図5】本発明の実施の形態(その4)に係る排煙脱硫
方法を実施するシステムの一例を示す系統図である。
方法を実施するシステムの一例を示す系統図である。
【図6】本発明の実施の形態(その4)に係る排煙脱硫
方法を実施するシステムの他の一例を示す系統図であ
る。
方法を実施するシステムの他の一例を示す系統図であ
る。
1 排ガス 2 吸収塔 3 出口ガス 4 スラリータンク 5 吸収液ポンプ 6 酸化用空気供給ライン 7 吸収スラリ引き抜きライン 8 石膏分離機 9 石膏 10、10a、10b ろ液 11 酸化槽 12 酸 13 酸化剤 14 アルカリ 15 還元剤(亜硫酸塩、亜硫酸ガス又は重亜硫酸塩) 16 中和槽 17 膜分離槽 18 分離膜 19 真空ポンプ 20 レシーバー 21 膜ろ液 22 固形物濃縮液ポンプ 23 固形物濃縮液 24 オーバーフロー水 25 石灰石調製タンク 26 石灰石 27 石灰石スラリー供給ポンプ 30 混合槽 31 重金属キレート剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/72 B01D 53/34 ZAB 1/76 (72)発明者 越智 英次 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内 (72)発明者 篠田 岳男 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内 (72)発明者 沖野 進 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 神吉 秀起 兵庫県神戸市兵庫区小松通五丁目1番16号 株式会社神菱ハイテック内 (72)発明者 伊藤 哲也 兵庫県神戸市兵庫区小松通五丁目1番16号 株式会社神菱ハイテック内 (72)発明者 西田 守賢 兵庫県神戸市兵庫区小松通五丁目1番16号 株式会社神菱ハイテック内 (72)発明者 遠藤 篤昌 兵庫県神戸市兵庫区小松通五丁目1番16号 株式会社神菱ハイテック内 Fターム(参考) 4D002 AA02 AA12 BA02 CA01 DA05 DA11 DA12 DA37 DA61 EA13 FA03 GA03 GB09 HA02 4D006 GA06 GA07 KB13 KB14 MA01 MA02 MA03 MB02 PB08 PB27 4D050 AA13 AB34 AB38 AB40 AB55 BB06 CA09 CA13 CA15 CA16
Claims (15)
- 【請求項1】 酸化硫黄および酸化窒素を含む排ガスを
処理する湿式石灰法による排煙脱硫方法において、脱硫
工程における吸収スラリの一部を抜き出して石膏分離し
た後、ろ液の全量又は一部量をpH3〜4に調整して酸
化剤を添加する酸化工程と、該混合液にアルカリ剤を混
合してpH7〜9.5に調整する中和工程と、中和され
た調整液を固液分離する固液分離工程と、を有すること
を特徴とする排煙脱硫方法。 - 【請求項2】 脱硫工程から抜き出した吸収スラリの一
部に、重金属キレート剤を添加した後、石膏分離するこ
とを特徴とする請求項1記載の排煙脱硫方法。 - 【請求項3】 上記酸化剤が、次亜塩素酸塩であること
を特徴とする請求項1又は2記載の排煙脱硫方法。 - 【請求項4】 上記固液分離が、膜分離によって行われ
ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の排
煙脱硫方法。 - 【請求項5】 上記固液分離による固形物濃縮液の一部
を、吸収液スラリに混合して固液分離することを特徴と
する請求項1〜4のいずれかに記載の排煙脱硫方法。 - 【請求項6】 上記固液分離による固形物濃縮液の一部
を、メークアップ水として吸収塔へ供給することを特徴
とする請求項1〜4のいずれかに記載の排煙脱硫方法。 - 【請求項7】 上記固液分離したろ液を、排水として系
外に排出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか
に記載の排煙脱硫方法。 - 【請求項8】 上記中和工程において、亜硫酸塩又は亜
硫酸ガスを添加することを特徴とする請求項1〜4のい
ずれかに記載の排煙脱硫方法。 - 【請求項9】 酸化硫黄および酸化窒素を含む排ガスを
処理する湿式石灰法による排煙脱硫システムにおいて、
吸収塔から吸収液スラリを導いて石膏を分離する石膏分
離機の後流に、石膏分離されたろ液の全量又は一部量を
pH3〜4に調整して酸化剤を添加する酸化槽と、該酸
化槽の液にアルカリ剤を混合してpH7〜9.5に調整
する中和槽と、該中和槽の液を膜によって固液分離する
膜分離槽と、を具備することを特徴とする排煙脱硫シス
テム。 - 【請求項10】 吸収塔から吸収液スラリを導いて重金
属キレート剤を添加する混合槽が設けられ、該混合槽の
後段に石膏を分離する石膏分離機が備えられていること
を特徴とする請求項9記載の排煙脱硫システム。 - 【請求項11】 上記石膏分離機から酸化槽へ、上記酸
化槽から中和槽へ、上記中和槽から膜分離槽へ、流体が
順次流下するように石膏分離機の下方向に、該酸化槽、
中和槽および膜分離槽が垂直方向に一体として配置され
ていることを特徴とする請求項9又は10に記載の排煙
脱硫システム。 - 【請求項12】 上記石膏分離機から酸化槽へ、上記中
和槽から膜分離槽へ、流体が順次流下するように石膏分
離機の下方向に、該酸化槽、中和槽および膜分離槽が垂
直方向に配置されていることを特徴とする請求項9又は
10記載の排煙脱硫システム。 - 【請求項13】 上記固液分離による固形物濃縮液の一
部を、吸収液スラリに混合して固液分離することを特徴
とする請求項9〜12のいずれかに記載の排煙脱硫シス
テム。 - 【請求項14】 上記固液分離による固形物濃縮液の一
部を、メークアップ水として吸収塔へ供給することを特
徴とする請求項9〜13のいずれかに記載の排煙脱硫シ
ステム。 - 【請求項15】 上記固液分離したろ液を、排水として
系外に排出することを特徴とする請求項9〜14のいず
れかに記載の排煙脱硫システム。
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