JP2013184112A - 排ガス処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】キレート樹脂を含む吸収液で脱硫を行う排ガス処理装置を提供する。
【解決手段】本発明の排ガス処理装置は、キレート樹脂を含んだ吸収液で脱硫することにより、選択的に吸収液中の金属(水銀等)を捕捉し、吸収液からの金属(水銀等)の再放出を防止することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、火力発電用ボイラプラント等の排ガス処理装置に関し、特に、燃焼排ガスに含まれる硫黄酸化物(SO2)や水銀(Hg)を除去する湿式排煙脱硫装置(又は、脱硫装置)を含む排ガス処理装置に関する。
石炭を燃焼させる火力発電用ボイラプラントの例を図8に示す。該火力発電用ボイラプラントは、主に、ボイラ13、脱硝装置14、A/H15、集塵装置16、脱硫装置3から構成される。ボイラ13は、石炭25を燃焼することにより、排ガスを排出する。脱硝装置14は、ボイラから排出されたガスに含まれるNOx(窒素酸化物)を分解する。また、A/H15は、該脱硝装置14から排出されたガスの温度を200〜160℃に調整し、集塵装置16は、煤塵を除去する。除塵されたガスは、脱硫装置3に供給された後、SO2を除去され、煙突29から排出される。
従来技術の脱硫装置3の構成を図9に示す。該脱硫装置3は、主に、スプレノズル4、吸収液循環ポンプ5、ミストエリミネータ8、酸化用ガス供給部9、攪拌機10、吸収液溜め部11等から構成される。スプレノズル4から噴霧される吸収液6と排ガスを接触させて、排ガス中のSO2が除去される。吸収されたSO2は亜硫酸となり、亜硫酸の濃度が高くなると、吸収液のSO2吸収効率は低下する。このため、酸化用ガス27を供給することで亜硫酸を酸化させ、石膏とすることで、SO2除去性能が回復する。
また、従来技術の排水処理設備の構成を図10に示す。排水処理設備は、主に、1stH/C(ハイドロサイクロン)38、2ndH/C39、ベルトフィルタ40、循環水タンク41、pH調整・重金属除去・凝集剤添加部42から構成される。脱硫装置3の吸収液6中の石膏濃度は、排ガス中のSO2を吸収することにより増加するため、吸収液中の石膏濃度が10〜30%になるように、または吸収液中の塩素濃度が一定濃度以上ならないように、一部の吸収液6を抜き出し、排水処理設備を用いて石膏49、排水50、及び再循環水37に分離させ、石膏49を脱硫装置3の系外へ排出する。脱硫装置3からの抜き出し液36が1stH/C38に供給され、1stH/Cオーバーフロー43側の液体と1stH/Cアンダーフロー44側の液体とに分けられる。H/Cアンダーフロー44側のスラリは、粒子径の大きな石膏を多く含む液体が排出され、1stH/Cオーバーフロー43側のスラリは、粒子径の小さな石膏を多く含む液体が排出される。1stH/Cアンダーフロー44側のスラリは、ベルトフィルタ40に供給され、ベルトフィルタ40上にある脱水された石膏49を回収する。ベルトフィルタ40上の石膏は、図示していない工水で洗浄され、ベルトフィルタ40のろ液と共にベルトフィルタ部排出液52として循環水タンク41に供給される。また、1stH/Cオーバーフロー43側の液体も循環水タンク41に供給される。循環水タンク41の液体が抜き出され、2ndH/C供給部47から2ndH/C39に供給される。2ndH/C39によって、2ndH/Cオーバーフロー45側の液体と2ndH/Cアンダーフロー46側の液体とに分けられ、2ndH/Cアンダーフロー46側の液体は、循環水タンク41に供給される。2ndH/Cオーバーフロー45側の液体は、pH調整・重金属除去・凝集剤添加部42で排水50中のpHを適切にされ、TMT(トリメルカプトトリアジン)などの供給により重金属が捕捉され、ポリ塩化アルミニウム等の高分子凝集剤で固体粒子が凝集され、沈殿させた固体粒子を図示していないプレス機などで固形物51として回収される。該固形物を含まない排水50は、図示していない冷却塔などで液温を適切にされ、海などへ排出される。再循環水37のように、海などへ排出される以外の液体は、脱硫装置3用の補給水として再循環される。
特開平10−216476号公報
従来の排ガス処理装置では、石炭の燃焼排ガス中に含まれる水銀を従来の脱硫装置で除去した場合、吸収液中の水銀濃度が増加する点について配慮がされておらず、吸収液中の水銀が還元され、排ガス中に金属水銀として再放出する問題があった。また、吸収液中の一部の水銀は液側から固体側、つまり石膏側へ移行するが、石膏に水銀が含まれた場合、石膏の再利用先の用途によっては石膏の引き取りを拒否されるという問題や、石膏から石膏ボードやセメントを製造する際にその乾燥あるいは焙焼工程で、または石膏を埋め立て廃棄する際の埋め立て地で、水銀が気化して大気中に再放出するという問題がある。
本発明の目的は、脱硫装置からの金属(特に、水銀)の再放出を防止し、かつ石膏等の固定化粒子中の水銀等の金属濃度を低減することにある。
本発明の排ガス処理装置は、キレート樹脂を含む吸収液で脱硫を行う。
この構成によれば、キレート樹脂を含んだ吸収液で脱硫することにより、選択的に吸収液中の金属(水銀等)を捕捉し、吸収液からの金属(水銀等)の再放出を防止することができる。
本発明の排ガス処理装置は、燃焼装置からの排ガスの流路に前記吸収液を噴霧するスプレノズルと、前記スプレノズルの下部に設けられ、滴下した前記吸収液を溜める吸収液溜め部と、前記吸収液溜め部に溜められた前記吸収液に酸化用ガスを供給する酸化用ガス供給部とを有する脱硫装置を備え、前記脱硫装置の前記吸収液溜め部に溜められた前記吸収液に、前記キレート樹脂を直接供給するキレート樹脂供給部を備える。
この構成によれば、脱硫装置にキレート樹脂を直接供給することにより、直ちにキレート樹脂を含む吸収液が排ガスに噴霧され、効率的に金属(水銀等)を捕捉することができ、吸収液からの金属(水銀等)の再放出を直ちに防止することができる。
本発明の排ガス処理装置は、前記吸収液溜め部から前記吸収液を抜き出し、硫黄酸化物が固定化された固定化粒子を前記吸収液から分離する第1の分離装置と、前記固定化粒子を分離した後の液体から前記キレート樹脂を分離する第2の分離装置とを備え、前記第2の分離装置により前記キレート樹脂を分離した後の液体が、前記脱硫装置へ再循環する。
この構成によれば、金属(水銀等)の吸着機能を持つキレート樹脂を含む吸収液で脱硫することによって、液体中の水銀はキレート樹脂側に偏在するので、吸収液中の液体側の金属濃度(水銀濃度)の増加を防止することができ、金属濃度(水銀濃度)が低い液体を脱硫装置に再循環させることができる。
本発明の排ガス処理装置では、前記分離装置は、ハイドロサイクロン、シックナー、及びベルトフィルタの少なくとも1つである。
この構成によれば、ハイドロサイクロン、シックナー、及びベルトフィルタの少なくとも1つの分離装置を用いることで、固体(固定化粒子又はキレート樹脂)と液体を分離することができる。
本発明の排ガス処理装置は、前記第2の分離装置の上流側に凝集剤を供給する凝固剤添加装置を備える。
この構成によれば、凝集剤を供給することにより、キレート樹脂を確実に分離することができ、吸収液からの金属(水銀等)の再放出を防止することができる。
本発明の排ガス処理装置は、脱硫された排ガス中の金属濃度が規制値の範囲内となり、前記吸収液中の前記キレート樹脂の濃度及び前記吸収液の循環液量の少なくとも1つが最小となるように前記吸収液を調整する調整部を備える。
この構成によれば、吸収液中のキレート樹脂の濃度及び吸収液の循環液量を最適化することができ、効率よく吸収液中の金属(水銀等)を捕捉し、吸収液からの金属(水銀等)の再放出を防止することができる。
本発明の排ガス処理装置では、前記キレート樹脂の高分子基体は、ポリアクリル、ポリメタクリル酸ヒドロキシルエチル、ポリアクリル、フェノール樹脂、及びポリスチレンの少なくとも1つである。
この構成によれば、吸収液中の水銀を選択的に吸着することができる。
本発明の排ガス処理装置では、前記キレート樹脂の配位基は、チオール形、ジチオカルバミド酸形、イソチウロニウム形、ジチゾン形、及びチオ尿素形の少なくとも1つである。
この構成によれば、吸収液中の水銀を選択的に吸着することができる。
本発明の排ガス処理装置では、前記キレート樹脂の粒子径は、100μm以下である。
この構成によれば、金属(水銀等)の吸着速度を高めることができ、吸収液からの金属(水銀等)の再放出を防止することができる。
本発明の排ガス処理装置では、前記吸収液は、硫黄酸化物が固定化された固定化粒子を含み、前記キレート樹脂の粒子径は、前記固定化粒子の粒子径よりも大きい。
この構成によれば、キレート樹脂の粒子径を固定化粒子の粒子径よりも大きくすることで、キレート樹脂と固定化粒子を効率よく分離することができ、吸収液からの金属(水銀等)の再放出を防止することができる。
本発明の排ガス処理装置では、前記キレート樹脂の粒子径は、300μm以上である。
この構成によれば、固定化粒子が石膏である場合、固定化粒子の粒子径が100μm未満であるため、キレート樹脂の粒子径を固定化粒子の粒子径よりも大きくすることができ、キレート樹脂と固定化粒子を効率よく分離することができ、吸収液からの金属(水銀等)の再放出を防止することができる。
本発明の排ガス処理装置は、前記キレート樹脂を捕捉して前記固定化粒子を通過させるフィルタを備える。
この構成によれば、フィルタにより、キレート樹脂を捕捉して固定化粒子を通過させることができ、キレート樹脂と固定化粒子を効率よく分離することができ、吸収液からの金属(水銀等)の再放出を防止することができる。
本発明は、キレート樹脂を含む吸収液で脱硫を行うことにより、脱硫装置からの金属(特に、水銀)の再放出を防止し、かつ石膏等の固定化粒子中の水銀等の金属濃度を低減することができる排ガス処理装置を提供する。
本発明の実施の形態に係る排ガス処理装置の一例を示した図である。 キレート樹脂の水銀再放出防止効果を示した図である。 吸収液中の水銀の存在割合を示した図である。 第2の分離装置(3rdH/C)を設けた排ガス処理装置の一例を示した図である。 キレート樹脂を用いた場合と用いない場合における、回収した石膏側への水銀の移行割合を示した図である。 第2の分離装置(2ndH/C)を再循環水の上流側に設けた排ガス処理装置の一例を示した図である。 キレート樹脂分離用フィルタを1stH/Cの上流側に設けた排ガス処理装置の一例を示した図である。 従来の火力発電用ボイラプラントの構成を示した図である。 従来の脱硫装置の構成を示した図である。 従来の排水処理設備の構成を示した図である。
以下、本発明の実施の形態の排ガス処理装置について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、アルカリスラリ法の一つである石灰石石膏法を用いる。石灰石石膏法は、石灰石を含む吸収液を排ガスに噴霧し、排ガス中の亜硫酸(硫黄酸化物)を吸収液に吸収させ、吸収液中の亜硫酸と酸化用ガスを反応させて亜硫酸(硫黄酸化物)を石膏(固定化粒子)に固定化する方法である。従来技術と共通する構成及び作用については説明を省略する。
本発明の実施の形態の排ガス処理装置の構成の一例を図1に示す。排ガス処理装置100は、脱硫装置3を備える。脱硫装置3は、スプレノズル4、吸収液循環ポンプ5、ミストエリミネータ8、酸化用ガス供給部9、攪拌機10、吸収液溜め部11、及びキレート樹脂供給部60を備える。
スプレノズル4は、ボイラを含む燃焼装置からの排ガスの流路に吸収液を噴霧する。吸収液溜め部11は、スプレノズル4の下部に設けられ、滴下した吸収液を溜める。酸化用ガス供給部9は、吸収液溜め部11に溜められた吸収液に酸化用ガスを供給する。
排ガス処理装置100は、脱硫装置3の吸収液溜め部11に溜められた吸収液に、キレート樹脂を直接供給するキレート樹脂供給部60を備える。
キレート樹脂は、高分子基体がポリアクリル、ポリメタクリル酸ヒドロキシルエチル、ポリアクリル、フェノール樹脂、及びポリスチレンの少なくとも1つである。また、キレート樹脂の配位基は、チオール形、ジチオカルバミド酸形、イソチウロニウム形、ジチゾン形、及びチオ尿素形の少なくとも1つである。
本実施の形態では、キレート樹脂供給部60が吸収液溜め部11にキレート樹脂を直接供給する好ましい構成を示している。ただし、吸収液溜め部11から吸収液循環ポンプ5を経てスプレノズル4から吸収液6を噴霧する過程のラインに、キレート樹脂を供給することも可能である。また、外部に吸収液6を抜き出し、抜き出された吸収液6中にキレート樹脂を供給し、吸収液溜め部11に吸収液6を戻すことも可能である。また、予め吸収液6中にキレート樹脂を供給しておくことも可能である。このように、本実施の形態では、排ガス処理装置100は、キレート樹脂を含む吸収液6を用いて脱硫する。
一般的に、キレート樹脂は300μm〜1600μm程度の粒子径を持っており、ゴミ処理装置の排水中の水銀を除去する方法として用いられる。この場合、キレート樹脂の入った充填塔内に、ろ過膜で縣濁物を除去した水銀を含む吸収液を供給することで、液中の水銀を除去できる。
しかし、本実施の形態では、キレート樹脂と石膏スラリやその他の縣濁物を含む吸収液6で脱硫しても、高い水銀除去性能と水銀再放出の防止を実現することができ、さらには、石膏中の水銀濃度を低下することができることを見出した。キレート樹脂の種類に応じて、1Lのキレート樹脂あたり、約140g以上のHgを吸着することができる。脱硫装置で吸収するHg量に合わせて、キレート樹脂の濃度を調整すれば、吸収液6中のHgをキレート樹脂側に吸着させることができる。
図2に、キレート樹脂を含む吸収液6で脱硫した場合と、キレート樹脂(吸着剤)を含まない吸収液6で脱硫した場合における、水銀再放出量を比較した結果を示す。図2に示すように、キレート樹脂を含まない場合の水銀再放出量が2.5μg/m3Nであったのに対し、キレート樹脂を供給した5分後にはほとんど水銀を再放出しなくなった。脱硫装置3の吸収液溜め部11の吸収液6がスプレされるまでの滞留時間は約5分であり、キレート樹脂を供給した5分後にはほとんど水銀を再放出しなくなったことから、キレート樹脂が水銀を吸着するために十分な反応速度を持っていることが分かる。
また、通常利用される別置きのキレート樹脂を含む充填塔では、通過する液がワンスルーであり、高い固液接触面積を得るために多量のキレート樹脂を充填する必要があり、充填塔のサイズが大きくなるが、本実施の形態では、水銀を含む吸収液6とキレート樹脂が接触する時間は長くなるので、キレート樹脂の使用量を低減できる利点がある。
図3に、吸収液6中の石膏とキレート剤における水銀の存在割合を示す。図3に示すように、キレート剤(キレート樹脂)が無く、吸収液6中の液側に存在する水銀の存在割合を100%とした場合、キレート剤を吸収液6に含ませると、ほとんどの水銀(約98%)がキレート樹脂側に移行していることが分かる。これは、キレート樹脂は石膏に比べて吸着速度が速いことによるものである。また、300μm〜1600μm程度の粒子径を有するキレート樹脂を粉砕して(もしくはキレート樹脂を生産する工程で)粒子径を100μm以下にすることにより、水銀の吸着速度を速くすることが可能である。好ましくは、キレート樹脂の粒子径を20μm以下とすることで、排水処理設備のH/C(ハイドロサイクロン)やベルトフィルタ等で石膏とキレート剤(キレート樹脂)を効率よく分離することができ、石膏中の水銀濃度を80%低減することができる。
キレート剤(キレート樹脂)は、粒子径が小さくなってもHgの捕捉性能を維持するため、粒子径を小さくして、吸収液6中の水銀と接触する表面積を大きくすると、キレート樹脂の吸着速度を速くすることができる。
また、キレート樹脂の粒子径が小さい場合、図10に示すような従来の排水処理設備を用いる場合、特にH/C(ハイドロサイクロン)を用いることで、吸収液6中の石膏とキレート剤(キレート樹脂)を分離し、石膏側の水銀濃度を低減できる。しかし、図10に示すような従来の方式では、脱硫装置3の補給水として排水処理された液体が、再循環水37として脱硫装置3へ供給される。再循環水37中には、1stH/C38(ハイドロサイクロン)38から1stH/Cオーバーフロー43として排出されたキレート樹脂が含まれるため、脱硫装置3に吸着剤(キレート樹脂)が再循環されることになる。したがって、キレート樹脂を主に排出する固形物51に含まれるキレート樹脂の量が、ベルトフィルタ40から排出される石膏49に含まれるキレート樹脂の量よりも少なくなることから、石膏と水銀等を含むキレート樹脂の分離性能が比較的低くなる。つまり、固形物51として排出されないキレート樹脂が、そのまま再循環水37として脱硫装置3へ再循環されるため、水銀等を含むキレート樹脂と石膏との分離性能が比較的低くなる。
そこで、石膏と水銀を含むキレート樹脂の分離性能を高める方法として、図4に、3rdH/C(ハイドロサイクロン)64を設けた構成の一例を示す。図4に示すように、排ガス処理装置100は、吸収液溜め部11から吸収液6を抜き出し、硫黄酸化物が固定化された石膏(固定化粒子)を吸収液36から分離する1stH/C38(第1の分離装置)と、石膏(固定化粒子)を分離した後の液体48からキレート樹脂を分離する3rdH/C64(第2の分離装置)とを備える。3rdH/C64によりキレート樹脂を分離した後の液体である再循環水37(3rdH/C64のオーバーフロー側の液体)が、脱硫装置3へ再循環する。
また、3rdH/C64(第2の分離装置)の上流側に凝集剤を供給する凝固剤添加装置53が設けられる。3rdH/C64の上流側から凝集剤添加装置53を用いてポリ塩化アルミニウム等の凝集剤を添加することにより、3rdH/C64のアンダーフロー側からキレート樹脂を取り出すことができ、キレート樹脂を含まない液を再循環水37とすることで、水銀を含むキレート樹脂の取り出し量を高めることができ、石膏49側に混入する水銀を含むキレート樹脂の量を低減することができる。
図5は石膏49側への水銀の移行割合を示す。図5に示すように、従来のキレート樹脂を用いない場合の石膏49中水銀濃度に比べて、キレート樹脂を用いることで石膏49中の水銀量を約80%低減することができる。
図6に、2ndH/Cを再循環水の上流側に設けた構成の一例を示す。図6に示すように、3rdH/C64の代わりに、石膏(固定化粒子)を分離した後の液体48からキレート樹脂を分離する2ndH/C54(第2の分離装置)が設けられてもよい。この場合、2ndH/C54のオーバーフロー側の液体が脱硫装置3の再循環水37として供給される。分離装置は、ハイドロサイクロン、シックナー、及びベルトフィルタの少なくとも1つであればよい。つまり、キレート樹脂を含む液と含まない液に分離できる装置であれば、H/C(ハイドロサイクロン)とは別の装置も分離装置として適用可能である。
以上、本発明にかかる実施の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において変更・変形することが可能である。
例えば、図7に示すように、排ガス処理装置100は、キレート樹脂を捕捉して石膏(固定化粒子)を通過させるフィルタ(キレート樹脂分離用フィルタ61)を備えてもよい。図7は、図10のシステムと比較して、1stH/C38の上流側にキレート樹脂分離用フィルタ61が設けられている。
この場合、吸収液6中のキレート樹脂の粒子径は300μm以上である。キレート樹脂分離用フィルタ61は、孔径が100μm以上300μm未満である。したがって、フィルタ上で300μm以上のキレート樹脂62が回収される。一方、キレート樹脂分離用フィルタ61を通過した液体であるH/C入口用吸収液63には、キレート樹脂を含まない液体が供給されることになる。石膏の粒子径は100μm未満であるため、石膏(固定化粒子)はキレート樹脂分離用フィルタ61を通過することから、キレート樹脂分離用フィルタ61によって水銀を含むキレート剤(キレート樹脂)と石膏を分離することが可能である。つまり、吸収液が固定化粒子(硫黄酸化物が固定化された石膏)を含み、キレート樹脂の粒子径が固定化粒子の粒子径よりも大きい場合、キレート樹脂分離用フィルタ61が、水銀を含むキレート剤(キレート樹脂)と石膏を分離する。
また、排ガス処理装置100は、脱硫された排ガス中の金属濃度(水銀濃度)が規制値の範囲内となり、吸収液中のキレート樹脂の濃度及び吸収液の循環液量の少なくとも1つが最小となるように吸収液を調整する調整部を備えてもよい。吸収液中のキレート樹脂の濃度が最小となるように吸収液を調整する場合は、キレート樹脂供給部60が調整部に相当し、吸収液の循環液量が最小となるように吸収液を調整する場合は、吸収液循環ポンプ5が調整部に相当する。
また、本実施の形態では、石灰石石膏法を用いたが、周知である他の脱硫方法も適用可能である。この場合、選択された脱硫方法に応じて、吸収液及び固定化粒子も適宜変更される。
本発明にかかる排ガス処理装置は、脱硫装置からの金属(特に、水銀)の再放出を防止し、かつ石膏等の固定化粒子中の水銀等の金属濃度を低減することができるという効果を有し、燃焼排ガスに含まれる硫黄酸化物(SO2)や水銀(Hg)を除去する湿式排煙脱硫装置(又は、脱硫装置)を含む排ガス処理装置等として有用である。
1 脱硫装置入口排ガス
2 脱硫装置出口排ガス
3 脱硫装置
4 スプレノズル
5 吸収液循環ポンプ
6 吸収液
8 ミストエリミネータ
9 酸化用ガス供給部
10 攪拌機
11 吸収液溜め部
13 ボイラ
14 脱硝装置
15 A/H
16 集塵装置
19 アルカリ剤
25 石炭
26 脱硫吸収部
27 酸化用ガス
29 煙突
36 抜き出し液
37 再循環水
38 1st H/C
39 2nd H/C
40 ベルトフィルタ
41 循環水タンク
42 pH調整・重金属除去・凝集剤添加部
43 1st H/Cオーバーフロー
44 1st H/Cアンダーフロー
45 2nd H/Cオーバーフロー
46 2nd H/Cアンダーフロー
47 2nd H/C供給部
48 液体
49 石膏
50 排水
51 固形物
52 ベルトフィルタ部排出液
53 凝集剤添加装置
56 再循環水用ベルトフィルタ
60 キレート樹脂供給部
61 キレート樹脂分離用フィルタ
62 キレート樹脂
63 H/C入口用吸収液
64 3rd H/C
66 3rd H/Cアンダーフロー

Claims (12)

  1. キレート樹脂を含む吸収液で脱硫を行うことを特徴とする排ガス処理装置。
  2. 燃焼装置からの排ガスの流路に前記吸収液を噴霧するスプレノズルと、前記スプレノズルの下部に設けられ、滴下した前記吸収液を溜める吸収液溜め部と、前記吸収液溜め部に溜められた前記吸収液に酸化用ガスを供給する酸化用ガス供給部とを有する脱硫装置を備え、
    前記脱硫装置の前記吸収液溜め部に溜められた前記吸収液に、前記キレート樹脂を直接供給するキレート樹脂供給部を備えることを特徴とする請求項1に記載の排ガス処理装置。
  3. 前記吸収液溜め部から前記吸収液を抜き出し、硫黄酸化物が固定化された固定化粒子を前記吸収液から分離する第1の分離装置と、
    前記固定化粒子を分離した後の液体から前記キレート樹脂を分離する第2の分離装置とを備え、
    前記第2の分離装置により前記キレート樹脂を分離した後の液体が、前記脱硫装置へ再循環することを特徴とする請求項2に記載の排ガス処理装置。
  4. 前記分離装置は、ハイドロサイクロン、シックナー、及びベルトフィルタの少なくとも1つであることを特徴とする請求項3に記載の排ガス処理装置。
  5. 前記第2の分離装置の上流側に凝集剤を供給する凝固剤添加装置を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の排ガス処理装置。
  6. 脱硫された排ガス中の金属濃度が規制値の範囲内となり、前記吸収液中の前記キレート樹脂の濃度及び前記吸収液の循環液量の少なくとも1つが最小となるように前記吸収液を調整する調整部を備えることを特徴とする請求項2乃至5の何れかに記載の排ガス処理装置。
  7. 前記キレート樹脂の高分子基体は、ポリアクリル、ポリメタクリル酸ヒドロキシルエチル、ポリアクリル、フェノール樹脂、及びポリスチレンの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1つに記載の排ガス処理装置。
  8. 前記キレート樹脂の配位基は、チオール形、ジチオカルバミド酸形、イソチウロニウム形、ジチゾン形、及びチオ尿素形の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1つに記載の排ガス処理装置。
  9. 前記キレート樹脂の粒子径は、100μm以下であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1つに記載の排ガス処理装置。
  10. 前記吸収液は、硫黄酸化物が固定化された固定化粒子を含み、
    前記キレート樹脂の粒子径は、前記固定化粒子の粒子径よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1つに記載の排ガス処理装置。
  11. 前記キレート樹脂の粒子径は、300μm以上であることを特徴とする請求項10に記載の排ガス処理装置。
  12. 前記キレート樹脂を捕捉して前記固定化粒子を通過させるフィルタを備えることを特徴とする請求項10又は11に記載の排ガス処理装置。
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