JP5371172B2 - 排ガス処理装置及び方法 - Google Patents

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本発明は、例えば石炭等の化石燃料を燃焼した排ガスを石灰石膏法により処理する際に、吸収液中に存在する水銀を除去して品位が高い石膏を提供できる排ガス処理装置及び方法に関する。
例えば石炭などのような化石燃料を燃焼した際に発生する排ガス中には水銀が含有されている。一般に前記排ガス中の二酸化硫黄を石灰石膏法により吸収・分離されているが、排ガス中の水銀を塩化水銀として捕集する場合、前記塩化水銀は水溶性であるので前記吸収液中に存在することとなり、その結果、吸収液の石膏に付着することにより、石膏品位が低下する。そこで、液中での水銀の固定化が要望されている。
従来における排ガス中の水銀の固定化法としては、例えば溶融炉排ガスの処理装置として、排ガス吸収液中に硫化ナトリウム(Na2S)又は硫化水素ナトリウム(NaHS)を添加して、非常に溶解度の低い硫化水銀(HgS)として固定する方法が提案されている(特許文献1)。
特開平08−038852号公報
しかしながら、特許文献1にかかる技術は、ダスト溶融時の温度が1200〜1350℃に達するので、ダスト中に含まれる水銀等の低融点金属との記載にあるように金属水銀を対象とし、該金属水銀がアルカリ性の吸収液に接触した際に生成する水酸化水銀(Hg(OH)2)、若しくは金属水銀単体であり、いずれも溶液中での溶解度は低いものである。このような場合、硫化ナトリウム塩を添加しても、一旦水銀が溶解したのち硫化ナトリウムと反応するため反応速度が遅く、反応完結に長時間を要する、という問題がある。
また、特許文献1にかかる水銀の固定化法は、排ガスと接触する排ガス吸収液中に硫化ナトリウム塩を添加するものであるが、本発明の対象とする排水中の水銀の固定化処理とは異なる。
一方、本発明で対象としている石灰石膏法の脱硫装置における吸収液に流入する水銀は可溶性の塩化水銀(HgCl2)であるが、石膏に付着して石膏の品位を低下する場合がある。
本発明は、前記問題に鑑み、例えば石炭等の化石燃料を燃焼した排ガスを石灰石膏法により処理する際に、石灰吸収液中に存在する水銀を除去して品位が高い石膏を提供できる排ガス処理装置及び方法を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、排ガス中に含有される硫黄酸化物及び水銀を処理する排ガス処理装置において、硫黄酸化物を石灰吸収液で除去する脱硫装置と、前記脱硫装置内で前記石灰吸収液を循環する吸収液循環ラインと、前記吸収液循環ラインから抜き出した一部の前記石灰吸収液に可溶性硫化塩溶液を供給し、吸収液中の水銀を硫化水銀として固定化する可溶性硫化塩溶液供給装置と、石灰吸収液中の石膏を含む固体分と液体分とを分離する固液分離装置と、前記石膏を含む固体分中の残留水銀を溶解する水銀洗浄液を供給する水銀洗浄液供給装置と、前記水銀洗浄液により前記石膏を含む固体分を洗浄する洗浄装置とを具備することを特徴とする排ガス処理装置にある。
第2の発明は、排ガス中に含有される硫黄酸化物及び水銀を処理する排ガス処理装置において、硫黄酸化物を石灰吸収液で除去する脱硫装置と、前記脱硫装置内で前記石灰吸収液を循環する吸収液循環ラインと、前記吸収液循環ラインから抜き出した一部の前記石灰吸収液に可溶性硫化塩溶液を供給し、吸収液中の水銀を硫化水銀として固定化する可溶性硫化塩溶液供給装置と、石灰吸収液中の硫化水銀を主体とする微粒分と、石膏を主体とする粗粒分とを分離する分離装置と、前記粗粒分中の残留水銀を溶解する水銀洗浄液を供給する水銀洗浄液供給装置と、前記水銀洗浄液により前記石膏を含む粗粒分を洗浄する洗浄装置とを具備することを特徴とする排ガス処理装置にある。
の発明は、第の発明において、前記分離装置で分離された微粒分中の硫化水銀を除去する硫化水銀分離装置を具備することを特徴とする排ガス処理装置にある。
の発明は、第又は第の発明において、前記洗浄装置からの廃液中の可溶水銀を除去する廃液処理装置を具備することを特徴とする排ガス処理装置にある。
第5の発明は、排ガス中に含有される硫黄酸化物及び水銀を処理する排ガス処理装置において、硫黄酸化物を石灰吸収液で除去する脱硫装置と、前記脱硫装置内で前記石灰吸収液を循環する吸収液循環ラインと、前記吸収液循環ラインから抜き出した一部の前記石灰吸収液に可溶性硫化塩溶液を供給し、吸収液中の水銀を硫化水銀として固定化する可溶性硫化塩溶液供給装置と、石灰吸収液中の石膏を含む固体分と液体分とを分離する固液分離装置と、前記液体分中の硫化水銀を酸により溶解して可溶性水銀とし、該可溶性水銀を吸着する水銀吸着装置とを具備することを特徴とする排ガス処理装置にある。
の発明は、排ガス中に含有される硫黄酸化物及び水銀を処理する排ガス処理方法において、前記硫黄酸化物を石灰吸収液で石膏として除去した後、前記石灰吸収液に可溶性硫化塩溶液を供給して吸収液中の水銀を硫化水銀を固定化し、その後液体分を分離した後、前記石膏を含む固体分中の水銀を溶解除去することを特徴とする排ガス処理方法にある。
の発明は、排ガス中に含有される硫黄酸化物及び水銀を処理する排ガス処理方法において、前記硫黄酸化物を石灰吸収液で石膏として除去した後、前記石灰吸収液に可溶性硫化塩溶液を供給して吸収液中の水銀を硫化水銀として固定化し、その後、石膏を主体とする粗粒分と硫化水銀を主体とする微粒分とを分離した後、前記石膏を含む粗粒分中の残留水銀を溶解除去することを特徴とする排ガス処理方法にある。
の発明は、第の発明において、前記分離された微粒分中の硫化水銀を分離除去することを特徴とする排ガス処理方法にある。
の発明は、第又は第の発明において、前記石膏を含む粗粒分中の水銀を吸着除去することを特徴とする排ガス処理方法にある。
10の発明は、排ガス中に含有される硫黄酸化物及び水銀を処理する排ガス処理方法において、前記硫黄酸化物を石灰吸収液で石膏として除去した後、前記石灰吸収液に可溶性硫化塩溶液を供給して吸収液中の水銀を硫化水銀として固定化し、その後石灰吸収液中の石膏を含む固体分と液体分とを分離した後、前記液体分中の硫化水銀を酸により溶解して可溶性水銀とし、可溶性水銀を吸着除去することを特徴とする排ガス処理方法にある。
本発明によれば、水銀を石膏と分離でき、石膏品位を高めることができる。また、水銀を液体より分離できるので、排水処理工程での水銀処理を要せず、簡易なものとなる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
本発明による実施例1に係る排ガス処理装置について、図面を参照して説明する。
図1は、実施例1に係る排ガス処理装置を示す概略図である。
図1に示すように、本実施例に係る排ガス処理装置10Aは、排ガス11中に含有される硫黄酸化物及び水銀を処理する排ガス処理装置において、硫黄酸化物(SO2)を石灰石、消石灰等の石灰吸収液(以下「石灰吸収液」という)12で石膏13として除去する脱硫装置20と、前記脱硫装置20から循環される石灰吸収液12を一部抜き出し、該石灰吸収液12から石膏13を分離しつつ脱水する脱水装置21と、前記石膏13中の水銀を溶解する水銀洗浄液22を脱水装置21内に供給する水銀洗浄液供給装置23とを具備するものである。
ここで、前記脱硫装置20は、排ガス11に対向して石灰吸収液12を流下させる脱硫塔20aと、該脱硫塔20aから排出された石膏13を含む石灰吸収液12を貯留する吸収液槽15と、前記吸収液槽15からの石灰吸収液12を前記脱硫塔20a内に循環する吸収液循環ライン16とから構成されており、排ガス11を脱硫塔20aに導入して石灰吸収液12と接触させて脱硫することで、排ガスを浄化している。
また、前記排ガス11は排ガス処理装置10Aの前段側において、塩化水素ガスの供給及び/又は酸化触媒による酸化により、排ガス11中の金属Hgを水溶解性の良好な塩化水銀(HgCl2)としているので、脱硫塔20a内では、散水される石灰吸収液12と接触して石灰吸収液12側に溶解している。
前記構成において、排ガス11は脱硫塔20aの下部側から内部に供給され、該塔内で石灰吸収液12と接触してSO2、HgCl2を分離したのち浄化排ガス19として系外へ送られる。
前記石灰吸収液12は脱硫塔20aの下部側に設置される吸収液槽15に送られる。
前記吸収液槽15には排ガス11と吸収液12との接触に伴い蒸発する水分及び吸収液中石膏濃度を所定に維持するに要する水分が補給水17として供給される。また、SO2吸収に必要な所定量となるように石灰吸収液12が吸収液槽15内に補給されている。なお、前記石灰吸収液量は通常吸収液12の水素イオン濃度により制御されるが、本発明では同制御部を省略している。
前記吸収液槽15の石灰吸収液12は、吸収液循環ライン16において、循環ポンプPにより脱硫塔20aに循環されている。前記吸収液循環ライン16では吸収液12の酸化還元電位が酸化還元電位計(図示せず)により測定され、該測定値に基づき吸収液槽15に供給される空気の量が調節される。
本実施例では、前記吸収液循環ライン16からは循環する石膏13、HgCl2を有する吸収液12を一部抜き出し、脱水装置21にて脱水する際に、前記脱水装置21内に水銀洗浄液供給装置23から供給される水銀洗浄液22により石膏13に付着している水銀を除去しており、これにより水銀フリーの石膏13としている。
前記水銀洗浄液22は、石膏ケーキ中の液体及び石膏表面に付着したHgを溶解除去するものであり、例えば温水又は塩酸のような酸性溶液を用いている。但し希薄な酸を用いた場合は石膏ケーキのpHが低下するので、石膏ケーキの用途によってはさらに水洗を必要とする場合もある。
また、脱水装置21からの水銀洗浄液22を含む廃液24は廃液処理装置25において、水銀を除去して系外(例えば既存の排水処理設備)に放出される。
このようにして、石灰吸収液12中の石膏13に付着している水銀を除去することができ、水銀フリーの石膏13を得ることができる。よって、本実施例によれば、水銀を石膏から容易に分離でき、石膏品位を高めることができる。
本発明による実施例2に係る排ガス処理装置について、図面を参照して説明する。
図2は、実施例2に係る排ガス処理装置を示す概略図である。なお、実施例1の排ガス処理装置の構成部材と同一の部材には同一符号を付してその説明は省略する。
図2に示すように、本実施例に係る排ガス処理装置10Bは、排ガス11中に含有される硫黄酸化物及び水銀を処理する排ガス処理装置において、硫黄酸化物を石灰吸収液で除去する脱硫装置20と、前記石灰吸収液12に可溶性硫化塩溶液(AS)31を供給し、吸収液12中の水銀を固定化する可溶性硫化塩溶液供給装置32と、石灰吸収液12中の石膏を含む固体分33と液体分34とを分離する固液分離装置35と、前記石膏13を含む固体分33に残留している水銀を溶解する水銀洗浄液22を供給する水銀洗浄液供給装置23と、前記水銀洗浄液22により前記石膏13を含む固体分33を洗浄する洗浄装置36とを具備するものである。
本実施例では、吸収液循環ライン16から一部抜出される石灰吸収液12に可溶性硫化塩溶液31を可溶性硫化塩溶液供給装置32から添加し、極低溶解度の硫化水銀(HgS)とし、石膏13に付着する水銀を除去するようにしている。
そして、可溶性硫化物添加後の石灰吸収液12について、固液分離装置35で固体分33と液体分34とに分離しており、石膏13を含む固体分33については水銀洗浄液22により洗浄装置36における洗浄の際に水銀洗浄液22によりさらに残留した水銀を除去するようにしている。
ここで、前記可溶性硫化塩溶液(AS)31は、Na2S水溶液、NaHS水溶液又はこれらの混合液を用いることができ、これにより石灰吸収液12中のHgCl2をHgSとしている。
また、前記洗浄装置36からの水銀洗浄液22を含む廃液24は廃液処理装置25において、水銀を除去して系外に放出される。この廃液処理装置25においては、前記固液分離装置35で分離した液体分34中の硫化水銀も除去するようにしている。
このようにして、石灰吸収液12中の水銀を除去することができ、水銀フリーの石膏13を得ることができる。
本発明による実施例3に係る排ガス処理装置について、図面を参照して説明する。
図3は、実施例3に係る排ガス処理装置を示す概略図である。なお、実施例1及び2の排ガス処理装置の構成部材と同一の部材には同一符号を付してその説明は省略する。
図3に示すように、本実施例に係る排ガス処理装置10Cは、排ガス11中に含有される硫黄酸化物及び水銀を処理する排ガス処理装置において、硫黄酸化物を石灰吸収液で除去する脱硫装置20と、前記石灰吸収液12に可溶性硫化塩溶液(AS)31を供給し、石灰吸収液12中の水銀を固定化する可溶性硫化塩溶液供給装置32と、石灰吸収液12中の微粒分41と粗粒分42とを分離する分離装置43と、前記粗粒分42中の水銀を溶解する水銀洗浄液22を供給する水銀洗浄液供給装置23と、前記水銀洗浄液22により前記石膏13を含む粗粒分42を洗浄する洗浄装置36とを具備するものである。
本実施例では、吸収液循環ライン16から一部抜出される石灰吸収液12に可溶性硫化塩溶液31を添加し、極低溶解度の微細な硫化水銀(HgS)としている。
そして、この微細(例えば数μm)な硫化水銀(HgS)と粒径が大きな粗粒(40μm以上)の石膏13とを例えば液体サイクロン等の分離装置43で分離している。
前記分離装置43は石膏13とHgSとの粒径の相違を利用した例えば液体サイクロンのような分離器を用いることができる。
そして、石膏13を含む粗粒分42については水銀洗浄液22により洗浄装置36における洗浄の際に、石膏13に残留している水銀を除去するようにしている。
前記洗浄装置36は例えばベルトフィルタ等の石膏を洗浄しつつその洗浄水を除去できるようなものを用いるようにすればよい。
また、微細なHgSを含む微粒分41は廃液処理装置25で水銀が除去される。
このようにして、石灰吸収液12中の水銀を除去することができ、水銀フリーの石膏13を得ることができる。
また、図4に示すように、前記分離装置43で分離された微粒分(HgS)41を分離するHgS分離装置51を設け、該HgS分離装置51によりHgS含有汚泥52として分離し、該HgS含有汚泥52を別途処分するようにしてもよい。なお、HgS分離装置51からの廃液53は水銀フリーであるので、系外(例えば既存の排水処理設備)に放出できる。
また、前述した図3の装置においては、粗粒分42中の残留HgCl2を洗浄する洗浄装置36からの水銀洗浄液22を含む廃液24には洗浄した可溶性水銀(HgCl2)が含まれているので、図4に示すように、例えばキレート等の吸着材を用いた水銀吸着装置54を設け、該水銀吸着装置54により水銀を吸着している。前記水銀吸着装置54はキレート樹脂以外にも例えばシリカゲル、モレキュラーシーブ、ゼオライト、活性炭等の吸着材も使用可能である。
また、添加する酸57はその使用量を低減する目的から水銀吸着装置54の出口液の一部を循環して再使用するようにしてもよい。
さらに、水銀吸着装置54から出口廃液は系外へ搬出されるが、接液配管の材質を考慮して、ライン中にアルカリ等の中和剤55を添加して中和するようにしても良い。
本実施例によれば、水銀を石膏と分離でき、石膏品位を高めることができる。また、水銀を液体より分離できるので、排水処理工程での水銀処理を要せず、簡易なものとなる。
本発明による実施例4に係る排ガス処理装置について、図面を参照して説明する。
図5は、実施例4に係る排ガス処理装置を示す概略図である。なお、実施例1乃至3の排ガス処理装置の構成部材と同一の部材には同一符号を付してその説明は省略する。
図5に示すように、本実施例に係る排ガス処理装置10Dは、排ガス11中に含有される硫黄酸化物及び水銀を処理する排ガス処理装置において、硫黄酸化物を石灰吸収液12で除去する脱硫装置20と、前記石灰吸収液12に可溶性硫化塩溶液(AS)31を供給し、吸収液12中の水銀を固定化する可溶性硫化塩溶液供給装置32と、石灰吸収液中の石膏13を含む固体分33と液体分34とを分離する固液分離装置35と、前記液体分34中の水銀を酸57により溶解して可溶性水銀とし、該可溶性水銀を吸着する水銀吸着装置54とを具備するものである。本実施例では、石膏を使用する必要性がない場合や、石膏に水銀が多少残留することが許容される場合に適用するものである。
前記酸57としては希薄な酸(例えば3〜5%塩酸)を用いて、前記液体分34中の微細なHgSを溶解させ、水銀をイオンの状態とし、その後水銀吸着装置54にて吸着除去するようにしている。前記酸57を添加して水銀を溶解させるのであれば抜出した石灰吸収液12に可溶性硫化物31を添加して溶解度の非常に小さい固体とする必要がないように思われるが、ライン16の液性では液中水銀は蒸気圧の大きな金属水銀Hg0となっており、常に気相へ水銀蒸気を放出していることを防止する必要があるためで、一旦硫化水銀として固定している。
前記水銀吸着装置54はキレート樹脂以外にも例えばシリカゲル、モレキュラーシーブ、ゼオライト、活性炭等の吸着材も使用可能である。なお、前記吸着材は経時的に吸着量が増大し、破過に至るので水銀吸着装置54を2塔とし、これらを交互に用いて吸着、再生(新規充填を含む)を繰り返すようにしてもよい。
本実施例によれば、水銀を液体より分離できるので、排水処理工程での水銀処理を要せず、簡易なものとなる。
[試験例1]
次に、具体的試験例1を用いて本発明を更に詳細に説明する。
なお、試験例1の排ガス処理装置は、図3、4と同じとしたので、図3,4に基づき具体的運転条件、使用機器仕様などを記載する。
本試験例では、可溶性硫化物塩を添加した際に生成する硫化水銀が主に固体石膏に付着することに着目し、回収する石膏中の水銀濃度を低下することを目的としたものである。
ここで、処理する排ガスは石炭燃焼炉(図示無し)にて発生したものであり、同排ガス11の流量は200m3N/hである。前記排ガス11は脱硫装置20に供給される以前に塩化水素ガスを添加した後、酸化触媒装置(いずれも図示無し)を通過させて塩化水銀(HgCl2)に転換した。
前記脱硫装置20は、塔頂より石灰吸収液12をスプレーノズルにより噴霧し、塔内には排ガス11と吸収液12の接触を促進させるためのグリッドを充填した。噴霧する吸収液量は処理する排ガス量に対して20kg液/m3Nと設定した。前記吸収剤は炭酸カルシウムの微粉末を用い、吸収液pHが一定となるように供給した。
脱硫装置20内においては、排ガス11に含有されているSO2ガスとHgCl2ガスは前記石灰吸収液12に溶解する。
吸収液槽15には排ガス12と吸収液13の接触に伴う水分の蒸発に相当する水分量、生成する石膏による石膏濃度上昇を防止するに相当する水分量を合計した補吸水17を供給した。
前記吸収液槽15からの吸収液保有量が一定となるよう、ライン16にて石灰吸収液12の一部を抜き出し、分離装置43に供給する。抜出した石灰吸収液12には可溶性硫化塩(ここでは硫化ナトリウム(Na2S:3重量%溶液))をガス流量、ガス中塩化水銀(HgCl2)濃度、補給水量から算出され液中水銀濃度に対して等当量以上に添加した。
液中HgCl2は溶解度の非常に小さい硫化水銀(HgS)として液中に析出、固定される。この際、生成する硫化水銀は微細で、かつ石膏に付着し易い特性を有する。
前記分離装置43は粒子径の相違を利用して粗大粒子の石膏(粗粒分42)と微細粒子の硫化水銀等(微粒分41)に分離する。本試験例では、分離装置としては液体サイクロンを用いた。前記分離装置43からの石膏13を主体とする液体は洗浄装置36に供給され、石膏13をケーキ状で回収する程度に洗浄しつつ脱水される。前記のように硫化水銀は石膏に付着していることが多く、石膏ケーキ中の水銀は水銀洗浄液22で石膏ケーキより分離する。前記水銀洗浄水22は溶解度を上昇して分離効率を上げるために温水を用いた。本試験例では、洗浄装置36としては連続的に洗浄が行える観点よりレルトフィルターを用いた。
前記洗浄装置36からの液(脱水液と洗浄水を合わせた液)は、図4に示すような水銀吸着装置54で液中の水銀を液より分離した。前記水銀吸着装置54では液中に溶解しているHgCl2を吸着材としてキレート樹脂により化学吸着する固定層吸着法を用いた。吸着材は市販の活性炭をそのまま用いた。吸着材は経時的に吸着量が増大し、破過に至るので水銀吸着器装置54を2塔として交互に吸着、再生(新規充填を含む)を繰り返した。水銀吸着装置54での液と吸着材の接触時間の指標として空間時間を取り上げ、同空間時間を100(1/h)とした。空間時間の定義は下式である。
(空間時間:1/h)=(処理液量:m3/h)÷(吸着材容量:m3
前記水銀吸着装置54からの抜き出し液中水銀濃度は、同値が排水基準の0.005(mg/L)以下となるよう設定した。
前記分離装置43からの微粒分41は硫化水銀を始めとする微細粒子をHgS分離装置51により液より分離し、HgS含有汚泥52とした。連続処理する場合はHgS分離装置51としては、遠心式分離機が適用できる。
以上の処理により、回収する石膏中水銀を分離して石膏品位を高めることができた。また、系外に排出する廃液中の水銀も排水基準以下とするため、系外での水銀の処理が不要となった。
[試験例1]
続いて図5の排ガス処理装置を用いた試験例2を説明する。
図5は回収石膏の用途がなく、そのまま廃棄される場合のものであり、主に石膏分離後の液中の水銀の分離を行い、下流排水処理工程での水銀処理を不要とするものである。
吸収液槽15からの石灰吸収液12の抜き取り液に可溶性硫化塩を添加するまでは前述した試験例1と同様である。
固液分離装置35は固液分離をして液体分34と固体分35とに分離し、固体分35には、粗大粒子の石膏と微細粒子の硫化水銀が液体から分離される。液体分34中の微細粒子は、水銀吸着装置54に供給されるが、前記水銀吸着装置54は溶解水銀が対象となるためにその前流ラインにおいて、酸57を添加して水銀を溶解させておく。このとき酸添加後の酸性度はpH=1を指標とする。
液体分34中の水銀は酸57を添加することにより溶解度の高いHg2+となっている。
前記水銀吸着装置54の運用は試験例1と同じとした。なお、添加する酸57はその使用量を低減する目的から水銀吸着装置54の出口液の一部を循環して使用した。水銀吸着装置54の出口液は排水処理など系外へ搬出されるが、接液配管の材質を考慮して中和剤としてアルカリを添加した。
以上の処理により、回収石膏の用途がなく、そのまま廃棄される場合においても、系外に排出する廃液中の水銀も排水基準以下とするため、系外での水銀の処理が不要となった。
以上のように、本発明に係る排ガス処理装置は、水銀を石膏と分離でき、水銀が残留しない石膏とすることができ、石膏品位を高めることができ、石灰・石膏法においての排ガス処理に用いて適している。
実施例1に係る排ガス処理装置の概略図である。 実施例2に係る排ガス処理装置の概略図である。 実施例3に係る排ガス処理装置の概略図である。 実施例3に係る排ガス処理装置の概略図である。 実施例4に係る排ガス処理装置の概略図である。
10A〜10D 排ガス処理装置
11 排ガス
12 石灰吸収液
13 石膏
20 脱硫装置
21 脱水装置
22 水銀洗浄液
23 水銀洗浄液供給装置

Claims (10)

  1. 排ガス中に含有される硫黄酸化物及び水銀を処理する排ガス処理装置において、
    硫黄酸化物を石灰吸収液で除去する脱硫装置と、
    前記脱硫装置内で前記石灰吸収液を循環する吸収液循環ラインと、
    前記吸収液循環ラインから抜き出した一部の前記石灰吸収液に可溶性硫化塩溶液を供給し、吸収液中の水銀を硫化水銀として固定化する可溶性硫化塩溶液供給装置と、
    石灰吸収液中の石膏を含む固体分と液体分とを分離する固液分離装置と、
    前記石膏を含む固体分中の残留水銀を溶解する水銀洗浄液を供給する水銀洗浄液供給装置と、
    前記水銀洗浄液により前記石膏を含む固体分を洗浄する洗浄装置とを具備することを特徴とする排ガス処理装置。
  2. 排ガス中に含有される硫黄酸化物及び水銀を処理する排ガス処理装置において、
    硫黄酸化物を石灰吸収液で除去する脱硫装置と、
    前記脱硫装置内で前記石灰吸収液を循環する吸収液循環ラインと、
    前記吸収液循環ラインから抜き出した一部の前記石灰吸収液に可溶性硫化塩溶液を供給し、吸収液中の水銀を硫化水銀として固定化する可溶性硫化塩溶液供給装置と、
    石灰吸収液中の硫化水銀を主体とする微粒分と、石膏を主体とする粗粒分とを分離する分離装置と、
    前記粗粒分中の残留水銀を溶解する水銀洗浄液を供給する水銀洗浄液供給装置と、
    前記水銀洗浄液により前記石膏を含む粗粒分を洗浄する洗浄装置とを具備することを特徴とする排ガス処理装置。
  3. 請求項2において、
    前記分離装置で分離された微粒分中の硫化水銀を除去する硫化水銀分離装置を具備することを特徴とする排ガス処理装置。
  4. 請求項2又は3において、
    前記洗浄装置からの廃液中の可溶水銀を除去する廃液処理装置を具備することを特徴とする排ガス処理装置。
  5. 排ガス中に含有される硫黄酸化物及び水銀を処理する排ガス処理装置において、
    硫黄酸化物を石灰吸収液で除去する脱硫装置と、
    前記脱硫装置内で前記石灰吸収液を循環する吸収液循環ラインと、
    前記吸収液循環ラインから抜き出した一部の前記石灰吸収液に可溶性硫化塩溶液を供給し、吸収液中の水銀を硫化水銀として固定化する可溶性硫化塩溶液供給装置と、
    石灰吸収液中の石膏を含む固体分と液体分とを分離する固液分離装置と、
    前記液体分中の硫化水銀を酸により溶解して可溶性水銀とし、該可溶性水銀を吸着する水銀吸着装置とを具備することを特徴とする排ガス処理装置。
  6. 排ガス中に含有される硫黄酸化物及び水銀を処理する排ガス処理方法において、
    前記硫黄酸化物を石灰吸収液で石膏として除去した後、前記石灰吸収液に可溶性硫化塩溶液を供給して吸収液中の水銀を硫化水銀を固定化し、その後液体分を分離した後、前記石膏を含む固体分中の水銀を溶解除去することを特徴とする排ガス処理方法。
  7. 排ガス中に含有される硫黄酸化物及び水銀を処理する排ガス処理方法において、
    前記硫黄酸化物を石灰吸収液で石膏として除去した後、前記石灰吸収液に可溶性硫化塩溶液を供給して吸収液中の水銀を硫化水銀として固定化し、
    その後、石膏を主体とする粗粒分と硫化水銀を主体とする微粒分とを分離した後、前記石膏を含む粗粒分中の残留水銀を溶解除去することを特徴とする排ガス処理方法。
  8. 請求項7において、
    前記分離された微粒分中の硫化水銀を分離除去することを特徴とする排ガス処理方法。
  9. 請求項7又は8において、
    前記石膏を含む粗粒分中の水銀を吸着除去することを特徴とする排ガス処理方法。
  10. 排ガス中に含有される硫黄酸化物及び水銀を処理する排ガス処理方法において、
    前記硫黄酸化物を石灰吸収液で石膏として除去した後、前記石灰吸収液に可溶性硫化塩溶液を供給して吸収液中の水銀を硫化水銀として固定化し、
    その後石灰吸収液中の石膏を含む固体分と液体分とを分離した後、前記液体分中の硫化水銀を酸により溶解して可溶性水銀とし、可溶性水銀を吸着除去することを特徴とする排ガス処理方法。
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