JP2001060492A - エレクトロルミネッセンス素子の駆動方式 - Google Patents

エレクトロルミネッセンス素子の駆動方式

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JP2001060492A
JP2001060492A JP11272890A JP27289099A JP2001060492A JP 2001060492 A JP2001060492 A JP 2001060492A JP 11272890 A JP11272890 A JP 11272890A JP 27289099 A JP27289099 A JP 27289099A JP 2001060492 A JP2001060492 A JP 2001060492A
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driving
voltage
driving method
luminance
frequency
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Uchitsugu Minami
内嗣 南
Toshihiro Miyata
俊弘 宮田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可聴周波数以上の繰り返し周波数を持つ交流
電圧信号を用いてEL素子を駆動することにより、高輝
度EL素子を提供することを目的とする。 【構成】 この目的は、EL素子の駆動信号として可聴
周波数以上の繰り返し周波数を持つ交流電圧を供給する
ことにより達成できる。また、EL素子の発光層として
少なくとも一種類の酸化物蛍光体を用いることを以て長
期間安定動作が実現できる。さらに、駆動信号として、
EL素子に直列にインダクターを接続して直列共振を生
じさせることを利用することにより、駆動電圧のさらな
る低減が実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエレクトロルミネッセン
ス素子を利用するエレクトロルミネッセンスディスプレ
イおよびエレクトロルミネッセンスランプの駆動方式に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エレクトロルミネッセンス(以下
ELと略記する)素子を用いるELディスプレイおよび
ELランプの駆動方式としては、一般にそれぞれ約40
0および60Hzの繰り返し周波数を持つパルスもしく
は正弦波形に近い交流電圧信号を使用していた。ELデ
ィスプレイおよびELランプにおいては、高い発光輝度
を実現することが極めて重要であるが、動作原理上素子
に印加する交流電圧信号の電圧を増加させることによっ
て輝度を向上させることは困難であり、繰り返し周波数
を増加させることにより、輝度の向上を実現できること
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のすべてのEL素
子では発光層として硫化物蛍光体を使用し、素子駆動電
源として繰り返し周波数約1kHz以下の高電圧の交流
信号を使用している。硫化物蛍光体を発光層として使用
するEL素子では、硫化物蛍光体が化学的に不安定であ
ることに起因する繰り返し周波数とEL素子の寿命との
間には相反関係がある。したがって、繰り返し周波数の
増大によってEL素子の寿命が著しく短くなり、高い繰
り返し周波数において長期間安定にEL素子を動作させ
ることは不可能であった。加えて、EL素子は繰り返し
周波数に相当する振動や発音を生じるという問題があっ
た。これはEL素子をディスプレイやランプへ応用する
際の大きな障害であった。さらに、硫化物蛍光体の中で
は化学的に比較的安定であるマンガン添加硫化亜鉛(Z
nS:Mn)蛍光体を発光層に用いるEL素子では、発
光中心であるMn2+イオンのG−S遷移が禁制遷
移であることから、発光減衰時間がミリ秒程度と長く、
繰り返し周波数が約5kHz程度以上では、周波数を増
大させても輝度を向上させることはできないと考えられ
ていた。したがって、従来はEL素子を約10kHz以
上の高周波交流電圧信号で駆動することは非現実的であ
った。
【0004】
【課題を解決するための手段】申請者らは、これまでに
交流駆動形薄膜EL素子の駆動において10kHzまで
の範囲で、繰り返し周波数の増大に伴って低い印加電圧
で高輝度を実現できる事実を学術論文に発表している。
(例えば、申請者らの研究成果になる学術論文:Oxi
de phosphors as thin−film
electroluminescent mater
ials,Proc.SPIE vol.3242(1
997)pp.229−239)この研究成果をさらに
発展させて、従来は非現実的であると考えられていた高
周波数交流電圧信号でのEL素子の駆動方式を発明する
に至った。本発明に係るEL素子の駆動方式では、繰り
返し周波数が概ね20kHz以下の可聴周波数よりさら
に高い交流電圧信号を用いるEL素子の駆動では、繰り
返し周波数の増大に伴ってさらに輝度が増大し高輝度が
実現できる。また、駆動信号として可聴周波数よりさら
に高い正弦波交流を用いることにより、実用的な小型イ
ンダクターをEL素子に直列に接続して直列共振を起こ
させることによって、さらに低い印加電圧のもとで高輝
度を実現できる。また、発光層として酸化物蛍光体を使
用するEL素子では、可聴周波数より高い周波数の交流
電圧信号で駆動した場合でもEL素子を長期間安定に駆
動でき、長寿命が実現できる。
【0005】
【作用】本発明の駆動方式においては、EL素子の駆動
電源の繰り返し周波数を可聴周波数よりさらに高くする
ことを以てEL素子の輝度を向上させている。また、該
駆動方式においては可聴周波数より高い超音波領域の駆
動周波数を用いることから、振動や発音の問題も同時に
解決できる。さらに該駆動方式においては、輝度の向上
と同時に発光開始電圧の低減、並びに輝度の電圧に対す
る立ち上がり特性が改善できる作用効果を伴うことがあ
る。該駆動方式による輝度の向上、発光開始電圧の低下
および輝度の電圧に対する立ち上がり特性の改善の度合
は、使用する蛍光体および絶縁体薄膜の種類およびその
組み合わせによって変化する。また、該駆動方式におい
ては、駆動信号として可聴周波数よりさらに高い正弦波
交流を用い、小さいインダクタンスのインダクターをE
L素子に直列に接続して直列共振を起こさせることが可
能であり、駆動用高周波電圧発振器の発生する電圧を低
下させることができる。したがって、直列共振状態にお
いてはEL素子に対して印加される電圧は発振器から発
生した電圧の共振尖鋭度(Q)倍となる。特に、駆動周
波数が高いことから、直列共振状態を作り出すのに必要
なインダクターのインダクタンスは十分に小さくできる
ため、現実的な小型のインダクターが使用可能となる。
また、発光層として、酸化物蛍光体を用いる場合には、
酸化物蛍光体が化学的に極めて安定な性質を有すること
から該駆動方式のような高い繰り返し周波数で駆動した
場合にも長期間安定に動作させることが可能であり、現
実的な駆動方式として実用できる。
【0006】以下、本発明を実施例により説明する。
【実施例1】基板兼絶縁層材料であるBaTiOセラ
ミックシート上に、発光層としてマンガン添加硫化亜鉛
(ZnS:Mn)薄膜を、スパッタ法や湿式成膜法等の
公知の薄膜作製法で形成し、そして発光層薄膜上にアル
ミニウム添加酸化亜鉛(ZnO:Al)透明電極を、裏
面には金属Al電極を形成しEL素子を作製した。該E
L素子に60Hz正弦波交流電圧を印加したところ、印
加電圧200Vにおいて500cd/mの輝度が得ら
れた。該EL素子を可聴周波数よりさらに高い30kH
zの正弦波交流で駆動することにより、印加電圧100
Vにおいて20000cd/m以上の輝度が得られ
た。したがって、繰り返し周波数を可聴周波数より高く
することによって該EL素子の発光輝度を増大できた。
一方、他の硫化物蛍光体薄膜を発光層に用いたEL素子
においても同様の効果が得られたが、長期間安定に動作
させることは出来なかった。
【0007】
【実施例2】基板兼絶縁層材料であるBaTiOセラ
ミックシート上に、発光層としてマンガン添加酸化ガリ
ウム(Ga:Mn)薄膜を、スパッタ法や湿式成
膜法等の公知の薄膜作製法で形成し、そして発光層薄膜
上にアルミニウム添加酸化亜鉛(ZnO:Al)透明電
極を、他面には金属Al電極を形成しEL素子を作製し
た。該EL素子に60Hz正弦波交流電圧を印加したと
ころ、印加電圧480Vにおいて170cd/mの輝
度が得られた。該EL素子を可聴周波数よりさらに高い
30kHzの正弦波交流で駆動することにより、印加電
圧150Vにおいて3000cd/mの輝度が得られ
た。したがって、繰り返し周波数を可聴周波数より高く
することによって該EL素子の発光輝度を増大できた。
また、発光層としてGa:Cr、Ga:E
u、ZnSiO:Mn、Zn(SiGe1−x
:Mn、CaGaO:Mn、CaGaO:Cr、Z
nGa:MnもしくはZnGa:Cr等の
酸化物蛍光体薄膜を用いたEL素子においても同様の効
果が得られ、いずれの素子においても長期間安定に動作
させることが出来た。
【0008】
【実施例3】基体としてガラス基板を使用し、その上に
フッ素(F)添加酸化錫(SnO)透明電極層および
チタン酸バリウム(BaTiO)第一絶縁層をスパッ
タ法等の公知の薄膜作製法で形成し、その上に、発光層
として上記の方法を用いて、基板温度約390℃で実施
例1および2記載のいずれかの蛍光体薄膜を成膜する。
その後、発光層上に酸化アルミニウム(Al)を
第二絶縁層として形成し、最後に対向電極としてAl膜
を真空蒸着法で形成し、2重絶縁構造薄膜EL素子を作
製した。該EL素子を60Hzおよび30kHz正弦波
交流電圧でそれぞれ駆動したところ、実施例1および2
で示したのと同様に、30kHz正弦波交流電圧で駆動
したEL素子においては、発光輝度が増大し、且つ駆動
電圧を低減すると共に、輝度の印加電圧に対する立ち上
がり特性を改善でき、2重絶縁構造薄膜EL素子に対し
ても該駆動方式が有効であることがわかった。以上の実
施例で述べたEL素子構造および材料構成は一例であ
り、EL素子構造や使用するそれぞれの材料等は全く限
定するものではない。
【0009】
【実施例4】発光層としてGa:Mn蛍光体薄膜
を用いるEL素子に直列にインダクターを接続し、正弦
波交流電圧で駆動したところ、繰り返し周波数30kH
zで直列共振条件を満たしたとき、印加電圧十数Vにお
いて3000cd/mの輝度が得られた。したがっ
て、インダクターを直列に接続して直列共振条件に合わ
せることにより、低電圧駆動を実現できた。また、実施
例1、2および3記載のいずれのEL素子に対しても、
直列共振を用いる該駆動方式は有効であった。
【0010】
【実施例5】該駆動方式を採用するEL素子をバックラ
イトとして用いるフルカラー液晶ディスプレイを作製し
た。インバーターにより60kHzの繰り返し周波数を
持つ交流駆動電圧信号を発生させ、50V程度の低電圧
での駆動を実現した。
【0011】
【実施例6】該駆動方式を採用するEL素子をバックラ
イトとして用いるフルカラー液晶ディスプレイを作製し
た。インバーターとインダクターを組み合わせ60kH
zの繰り返し周波数で直列共振させることにより、数V
程度の低電圧での駆動を実現した。
【0012】
【実施例7】該駆動方式を採用するEL素子を用いてE
Lディスプレイを作製した。インバーターにより60k
Hzの繰り返し周波数を持つ交流駆動電圧信号を発生さ
せ、50V程度の低電圧での駆動を実現した。
【0013】
【発明の効果】従来、EL素子においては駆動信号の繰
り返し周波数を増加させることにより発光輝度を向上さ
せることができることが知られていた。しかしながら、
発光層として化学的に不安定な硫化物蛍光体を使用して
いたことから、駆動信号の繰り返し周波数とEL素子の
寿命との間には相反関係があり、繰り返し周波数の増大
によって素子の寿命が著しく短くなり、安定にEL素子
を駆動させることは不可能であった。さらに、化学的に
比較的安定であるZnS:Mn蛍光体を発光層に用いる
EL素子では、発光中心であるMn2+イオンのG−
S遷移が禁制遷移であることから、発光減衰時間がミ
リ秒程度と長く、5kHz程度以上の駆動周波数では、
発光原理上周波数を増大させても輝度を向上させること
はできないと考えられていた。本発明になるエレクトロ
ルミネッセンス素子の駆動方式では、駆動信号の繰り返
し周波数を可聴周波数よりさらに高くすることにより、
輝度を向上させることを実現している。さらに、EL素
子に直列にインダクターを接続して直列共振を起こさせ
ることを利用してさらなる低電圧駆動と高輝度化を実現
している。また、周波数を可聴領域以上にすることによ
り、発音の問題も同時に解決できる効果がある。したが
って、従来のEL素子では輝度が低いため搭載すること
が不可能であった各種モバイル形の電子機器等極めて広
範な電子・情報機器への本発明の駆動方式を採用するE
L素子の応用が可能となり、その効果は絶大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K007 AB00 AB02 AB06 CA01 CA02 CB01 DA02 DA05 DB00 DB02 DC02 EC01 EC02 FA01 GA01 5C080 AA06 BB09 DD12 DD29 EE32 FF02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繰り返し周波数として可聴周波数以上の
    交流電圧信号で駆動することを特徴とするエレクトロル
    ミネッセンス素子の駆動方式。
  2. 【請求項2】 エレクトロルミネッセンス素子の発光層
    として少なくとも一種類の酸化物蛍光体を使用する場合
    の前記請求項1記載の駆動方式。
  3. 【請求項3】 エレクトロルミネッセンス素子に対して
    直列に小型のインダクターを接続し、直列共振を利用す
    る前記請求項1記載の駆動方式。
  4. 【請求項4】 前記請求項1から請求項3記載のエレク
    トロルミネッセンス素子駆動方式を採用することを特徴
    とするエレクトロルミネッセンスディスプレイおよびエ
    レクトロルミネッセンスランプ。
  5. 【請求項5】 前記請求項4記載のエレクトロルミネッ
    センスランプをバックライトとして使用する液晶表示装
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005071752A (ja) * 2003-08-22 2005-03-17 Konica Minolta Holdings Inc 照明装置および照明装置の駆動方法
JP2005078828A (ja) * 2003-08-28 2005-03-24 Konica Minolta Holdings Inc 照明装置および照明装置の駆動方法
JP2009259479A (ja) * 2008-04-14 2009-11-05 Fujifilm Corp 発光システム
JP2014089361A (ja) * 2012-10-31 2014-05-15 Hitachi Chemical Co Ltd 調光素子、調光装置、調光フィルムの駆動方法、調光フィルムの駆動装置

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