JP2014089361A - 調光素子、調光装置、調光フィルムの駆動方法、調光フィルムの駆動装置 - Google Patents

調光素子、調光装置、調光フィルムの駆動方法、調光フィルムの駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】調光素子に印加する駆動電圧を低電圧化する。
【解決手段】第一の基板および第二の基板と、第一の基板および第二の基板の間に配置された第一の電極、第二の電極、および調光層と、を有する調光フィルムと、調光フィルムに接続されたインダクタと、を有し、調光層は調光材料を有し、第一の電極および第二の電極の間に印加される交流電圧により調光材料が配向し調光フィルムの透過率が変化する調光素子、調光装置、調光フィルムの駆動方法、調光フィルムの駆動装置。
【選択図】図8

Description

本発明は、調光素子、調光装置、調光フィルム駆動方法、調光フィルムの駆動装置に関する。
特許文献1には、電圧30〜100Vから選択される一定電圧で、周波数30〜1000Hzでの光透過率の変動が10以下である調光フィルムが開示されている。特許文献1には、調光性能を発揮させる条件は特に制限はないが、通常、使用電源は交流で、10〜220ボルト(実効値)、30Hz〜500kHzの周波数の範囲で作動させることができる、旨が記載されている。
特開2008−158042号公報
特許文献1の各調光素子は、交流電源で駆動可能であるが、透過光量といった光学変調時における最大印加電圧が非常に高い、という問題があった。
特許文献1の調光素子は、30Hz〜500kHzと幅広い周波数帯域で透過光量の変調させる駆動が可能である。しかし、駆動電圧は、調光層の厚さといった調光素子の構造にもよるが、最大で220Vrmsと高く、駆動装置を始めとした調光装置を構成する各部材の耐圧性が必要となるため高コスト化や、高電圧印加による消費電力増加といった課題が生じる場合がある。
本発明では、交流電圧で光学変調動作が可能な調光素子について、調光素子の材料や構成を大きく変更することなく、光学変調のために調光素子に印加する駆動電圧を低電圧化することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の特徴は、例えば以下の通りである。
第一の基板および第二の基板と、第一の基板および第二の基板の間に配置された第一の電極、第二の電極、および調光層と、を有する調光フィルムと、調光フィルムに接続されたインダクタと、を有し、調光層は調光材料を有し、第一の電極および第二の電極の間に印加される交流電圧により調光材料が配向し調光フィルムの透過率が変化する調光素子。
第一の基板および第二の基板と、第一の基板および第二の基板の間に配置された第一の電極、第二の電極、および調光材料を有する調光層と、を有する調光フィルムの駆動方法であって、調光フィルムにインダクタが接続され、第一の電極および第二の電極の間に印加される交流電圧により調光材料が配向し調光フィルムの透過率を変化させる調光フィルムの駆動方法。
第一の基板および第二の基板と、第一の基板および第二の基板の間に配置された第一の電極、第二の電極、および調光材料を有する調光層と、を有する調光フィルムを駆動する駆動装置であって、調光フィルムにインダクタが接続され、第一の電極および第二の電極の間に印加される交流電圧により調光材料が配向し調光フィルムの透過率を変化させ、調光フィルムに印加される交流電圧波形を、調光フィルムとインダクタ間で共振状態となる周波数付近に制御する調光装置の駆動装置。
本発明により、光学変調のために調光素子に印加する駆動電圧を低電圧化することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施形態における調光フィルムの構成を示す説明図。 図1の調光フィルムにおいて、停止中の光調整粒子の状態を示す図。 図1の調光フィルムにおいて、駆動中の光調整粒子の状態を示す図。 図1の調光フィルムの電気特性を示す図。 図1の調光フィルムの電気特性を示す図。 本発明の一実施形態における調光フィルムの等価回路モデルを説明する図。 図4の等価回路モデルについて、高周波数域における等価回路モデルを説明する図。 図4の等価回路モデルについて、極低周波数域における等価回路モデルを説明する図。 本発明の一実施形態における調光フィルムとインダクタからなる等価回路モデルを説明する図。 図1の調光フィルムとインダクタからなる回路の電気特性を示す図。 図1の調光フィルムとインダクタからなる回路の電気特性を示す図。 図6の等価回路モデルについて、高周波数域における等価回路モデルを説明する図。 本発明の一実施形態における調光フィルムとインダクタからなる等価回路モデルを説明する図。 図9(a)の等価回路モデルについて、高周波数域における等価回路モデルを説明する図。 図9の調光フィルムとインダクタからなる回路の電気特性を示す図。 図9の調光フィルムとインダクタからなる回路の電気特性を示す図。
本発明の一実施形態における調光フィルムの構成を示す説明図。 図11の調光フィルムの電気特性を示す図。 図11の調光フィルムの電気特性を示す図。 本発明の一実施形態における調光装置の構成を説明する図。 図11の調光フィルムとインダクタからなる回路の電気特性を示す図。 図11の調光フィルムとインダクタからなる回路の電気特性を示す図。 図11の調光フィルム及び調光フィルムとインダクタを接続した場合での位印加する交流電圧波形の周波数に対する調光フィルムの透過率の関係を示す説明図。 図11の調光フィルム及び調光フィルムとインダクタを接続した場合での位印加する交流電圧波形に対する調光フィルムの透過率変化の関係を示す説明図。 本発明の一実施形態における調光フィルムとインダクタの構成を示す説明図。 本発明の一実施形態における調光フィルムの構成を示す説明図。 図18の調光フィルムの電気特性を示す図。 図18の調光フィルムの電気特性を示す図。 図18の調光フィルムとインダクタからなる回路の電気特性を示す図。 図18の調光フィルムとインダクタからなる回路の電気特性を示す図。 図18の調光フィルム及び調光フィルムとインダクタを接続した場合での位印加する交流電圧波形の周波数に対する調光フィルムおよび調光装置の透過率の関係を示す説明図。 図18の調光フィルム及び調光フィルムとインダクタを接続した場合での位印加する交流電圧波形に対する調光フィルムおよび調光装置の透過率変化の関係を示す説明図。 図6の等価回路モデルについて、インダクタを可変インダクタとした等価回路モデルを説明する図。
以下に具体的な実施例を示して、本願発明の内容を詳細に説明する。以下の実施例は本願発明の内容の具体例を示すものであり、本願発明がこれらの実施例に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。また、実施例を説明するための全図において、同一の機能を有するものは、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
本発明では、調光素子で構成された共振器及び共振回路を基にしている。本実施例では、調光フィルムとして懸濁粒子装置(SPD)を用いている。
<SPD>
図1は本発明者らが検討した調光フィルムの断面構造概略図である。図1において、A板2はA基板4およびX電極5からなり、B板3はB基板6およびY電極7からなる。基板(A基板4、B基板6)上に電極(X電極5、Y電極7)が形成されている。対向に配置されたA板2とB板3の間に懸濁液8が挟持されている。A板2、B板3、懸濁液8で調光フィルム1が構成される。本実施例では、懸濁液8が調光層となる。
まず、導電性基材およびその形成方法について説明する。フィルム状のガラスから成る透明な支持基材である基板上に、酸化インジウムスズ(ITO)からなる透明電極がそれぞれ形成されて電極対を構成する。基板の一方にのみ電極対が単一、または複数形成されていても良い。
透明な支持基材はポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)等の樹脂フィルムであっても構わない。電極対を構成する透明電極は膜厚等を制御して低抵抗、低損失であることが好ましく、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化スズ、酸化亜鉛やカーボンナノチューブ、グラフェン等で形成したり、光学変調動作の種類及び駆動方式によってはクロム、銅、アルミニウム、銀等の金属及び合金の単層膜、または積層膜で形成したり、銅や銅合金などの金属の極細線やメッシュで形成しても構わない。本実施例では、透明電極を支持基材上に一面に形成しているが、円などの模様や文字型に透明電極を配設しても構わない。
次に、電極対が内側になるように基板を対向に配置し、両基板端部(図示しない)の対辺にスペーサービーズ等を含む封着剤を塗布して両板を接着する。これにより、両板(A板2、B板3)間の距離が25μmである懸濁液8の充填空間が形成される。懸濁液8の充填空間及び両板間の距離は4μm以上100μm以下であることが望ましい。
スペーサービーズをA板2とB板3との間に散布し、懸濁液8の充填空間を維持しても構わない。スペーサービーズとしては、ガラスやポリマーなどの絶縁性の材料が挙げられ、接着剤や懸濁液に対して安定であることが望ましい。スペーサービーズを基板及び電極対の間に散布する場合、スペーサービーズの屈折率は分散媒10の屈折率と近い方が好ましい。
懸濁液8の充填空間には、封着剤で接着していない両基板端部から毛細管現象により懸濁液8が充填される。懸濁液8を充填後、接着していない両基板端部を封着剤で接着して封止する。これにより、懸濁液8は外気から隔離される。懸濁液8を両基板間に充填する方法として、基板を接着する前に懸濁液8をバーコート法や真空下での滴下注入法(ODF)法などで塗布し、その後に両基板を貼り合わせて接着と封止をしても構わない。
懸濁液8およびその形成方法について説明する。懸濁液8は光調整粒子9と分散媒10を含む。分散媒10中に光調整粒子9が分散されている。本実施例では、光調整粒子9が調光材料となる。
光調整粒子9は、例えば、ポリ過ヨウ化物であり、形状に異方性があり、配向方向に起因して吸光度の異なる光学的異方性を発現し、アスペクト比が1ではない形状をしている。光調整粒子9が懸濁液8中で配向分極を生じることが望ましい。光調整粒子9の形状としては、棒状や板状などが考えられる。光調整粒子9を棒状とすることで、電界に対する粒子回転運動の抵抗や透過時のヘイズの上昇を抑制できる。光調整粒子9のアスペクト比は例えば、5以上30以下程度が望ましい。光調整粒子9のアスペクト比を5以上とすることにより、光調整粒子9の形状に起因するような光学的異方性を発現できる。
光調整粒子9の長軸の大きさは1μm以下であることが好ましく、0.1μm以上1μm以下であることがより好ましく、0.1μm以上0.5μm以下であることがさらに好ましい。光調整粒子9の長軸の大きさが1μmを超える場合には、光散乱が生じたり、電界が印加された場合に分散媒10中での配向運動が低下したりするなど、透明性が低下する問題が発生することがある。光調整粒子9の大きさは、電子顕微鏡観察等により計測される。
光調整粒子9としては、カーボンブラックなどの炭素系材料、銅、ニッケル、鉄、コバルト、クロム、チタン、アルミニウムなどの金属材料、窒化ケイ素、窒化チタン、酸化アルミニウムなどの無機化合物からなる粒子であっても構わない。光調整粒子9として、これらの材料や有機、無機顔料をポリマーでコートして作製した粒子であっても構わない。
光調整粒子9として、上記の材料が一種類のみ含まれていても良く、上記の材料が二種類以上含まれていても構わない。
分散媒10は、例えば、アクリル酸エステルオリゴマーからなる液状共重合体、ポリシロキサン(シリコーンオイル)が挙げられる。分散媒10としては、光調整粒子9が浮遊可能な粘度であり、高抵抗で、基板及び透明電極とは親和性がなく、基板と屈折率が近い液体を使用することが好ましい。分散媒10と光調整粒子9に誘電率差があると、後に記す光調整粒子9の配向動作において交流電界下における駆動力として作用させることができる。
懸濁液8や後述する懸濁液8を含む調光層は非常に高抵抗な誘電体であり、特に、調光層の比誘電率は懸濁液8や樹脂マトリックスといった構成材料の種類や構成比に依存する。調光層の比誘電率は、後に示す調光フィルム1の容量C2及び共振周波数f2を決定する上で重要である。
本実施例の懸濁粒子方式の調光フィルム1は、交流電圧波形が印加されることにより光学特性が変調、即ち調光動作することができる。
図2は、図1の調光フィルムにおける調光原理を示す図である。図2(a)は、図1の調光フィルムにおいて、停止中の光調整粒子の状態を示す図である。図2(b)は、図1の調光フィルムにおいて、駆動中の光調整粒子の状態を示す図である。
交流電圧波形が無印加時では、図2(a)のように配向状態が無秩序状態(ランダム)である。一方、交流電圧波形が印加されると、図2(b)で示されるように懸濁液8への印加電圧に応じて電界方向に沿うように光調整粒子9が配向する。入射光40は配向した光調整粒子9により変調される。入射光40と電界及び粒子配向方向が同じであれば、入射光40は懸濁液8を透過することができ、調光フィルム1の透過率及び透過光41量が上昇する。調光フィルム1の光学特性を変調可能な周波数範囲は光調整粒子9の濃度、誘電率、形状、分散媒10との親和性等、分散媒10の粘度等で決定され、調光フィルム1を制御する交流電圧波形の周波数範囲は高周波数側では500kHz以下である。調光フィルム1の調光状態を維持可能な周波数範囲は、臨界融合周波数(CFF;Critical Flicker Frequency)以上であることが好ましく、16Hz以上500kHz以下である。
図3は、図1の調光フィルムの電気特性を示す図であり、図3(a)は本実施例における調光フィルム1の0.1Hz以上100kHz以下におけるインピーダンスの絶対値|Z|の周波数依存性を表す図であり、図3(b)は本実施例における調光フィルムの0.1Hz以上100kHz以下における位相差θの周波数依存性を表す図である。位相差θは、調光フィルムにおける交流電圧および交流電流の位相差である。図3(a)から、調光フィルム1の|Z|は、周波数fが低下すると単調に増加し、1Hz以下でほぼ一定となる。図3(b)から、調光フィルム1の位相差θは、最小で約−90°の凹型であり、10Hz以下で−80°以上、1Hz以下では−40°以上と低周波数域では0°に近付いていく。
本実施例における調光フィルム1の主な構成は導電性基材であるA板2、B板3と高抵抗な誘電体から成る懸濁液8である。そのため、調光フィルム1の等価回路モデルは、図3と調光フィルム1の構成や配線等寄与から、概して図4のように表わせる。図4は、本発明の一実施形態における調光フィルムの等価回路モデルを説明する図である。
図4において、RSは導電性基材や配線の抵抗、CPは懸濁液8の容量、RPは懸濁液8の抵抗に起因する。図4の各回路素子の電気特性値について、等価回路モデルを基に解析プログラムZView(Scribner Associates 社)を用いて解析すると表1となり、懸濁液8の抵抗RPは3.5×108Ωと非常に高抵抗である。
調光フィルム1のインピーダンスZは複素数であり、図4の等価回路モデルから角周波数ω(ω=2πf)における調光フィルム1のインピーダンスZは虚数単位をjとして次式(数1)で与えられる。
(数1)について、インピーダンスZの実数成分をZ’、虚数成分をZ”とすると、Z、|Z|、Z’及びZ”は次式(数2)〜(数5)で表わせる。
従って、極めて高い周波数f及び角周波数ωにおける調光フィルム1のZ、|Z|は、次式(数6)〜(数7)で表わすことができる。
上式から極めて高い周波数域における懸濁液8の電気特性は容量性である。一方、極めて低い周波数f及び角周波数ωにおける調光フィルム1のZ、|Z|は、次式(数8)〜(数9)で表わすことができる。
上式から直流に近い極低周波数域(ω、f→0)における懸濁液8の電気特性は容量性というよりは抵抗性となる。
以上から、図4の調光フィルム1の等価回路モデルは、高周波数域と極低周波数域について図5の近似モデルで表わせる。図5(a)は、図4の等価回路モデルについて、高周波数域における等価回路モデルを説明する図であり、図5(b)は、図4の等価回路モデルについて、極低周波数域における等価回路モデルを説明する図である。
この懸濁液8のインピーダンス及び電気特性の容量性と抵抗性の割合については、RPと1/ωCPの関係で決定される。RPが1/ωCPよりも小さくなる周波数は次式で与えられる。
従って、上式を満たす周波数帯域における懸濁液8の電気特性は、容量性よりも抵抗性の割合が高くなる。このとき、周波数fの低下にともなって、位相差θについても0°に近付いていく。
<共振器>
図6は、本実施例での調光フィルム1とインダクタ20の等価回路モデルを説明する図である。本実施例の共振器(調光素子)100の主な構成は、調光駆動をする調光フィルム1とインダクタ20である。インダクタ20としては、スパイラルコイルやヘリカルコイルといった空芯コイルやコア付きコイル等が挙げられる。本実施例のインダクタ20はフェライトコアを用いたコア付きコイルであり、インダクタンスLは90mHである。インダクタンス20及び後述する共振周波数の調整等のため、図23の等価回路モデルで示されるインダクタ20を可変インダクタ22としても構わない。
<共振駆動特性>
図7は、図1の調光フィルムとインダクタからなる回路の電気特性を示す図であり、図7(a)は、周波数fが0.1Hz以上100kHz以下における本実施例の共振器100と調光フィルム1単体でのインピーダンスの絶対値|Z|の周波数依存性を表す図であり、図7(b)は、周波数fが0.1Hz以上100kHz以下における本実施例の共振器100と調光フィルム1単体での位相差θの周波数依存性を表す図である。
図7(a)から、本実施例の共振器100のインピーダンスの絶対値|Z|は、調光フィルム1単体よりも低くなり、位相差θの正負が切り換わる周波数帯域Aを有している。
このような高周波数域における調光フィルム1の等価回路モデルは図5(a)のように懸濁液8を容量性として表わせることから、本実施例の図6の等価回路についても図8のように表せる。
図8は、図6の等価回路モデルについて、高周波数域における等価回路モデルを説明する図である。図8から、本実施例の共振器100は、インダクタ20のインダクタンスL、懸濁液8の容量CP、電極配線抵抗RSを含めたLCR回路として表わすことができ、インダクタ20導入による|Z|の低下はインダクタンスL、懸濁液8の容量CPの共振現象によるものと説明できる。
本実施例の共振器100の共振周波数frとQ値は下記の式で表わされる。
図6及び図8の各回路素子の電気特性値と共振周波数frとQ値を表1の調光フィルム1単体の電気特性を基に解析すると表2のようになる。共振周波数frの解析値は3.0×104Hz、図7で共振現象が観測された周波数fに非常に近いことが分かる。
(数11)(数12)から、共振周波数frとQ値はインダクタンスL、調光フィルム1の電気特性値、懸濁液8の材料物性と調光フィルム1の面積や厚さにより決定される。
また、Q値を上昇させ、共振状態における調光駆動に関係する懸濁液8及びインダクタ20の両端電圧を上昇させる場合には、RSの低下、即ち調光フィルム1の電極や配線の各抵抗、インダクタ20の銅損が低いものを用いることが有効である。
以上から、本実施例の共振器100は、調光フィルム1とインダクタ20を接続することで簡単に実現することができる。また、共振器100に印加される交流電圧を固定した場合に、交流電圧波形の周波数に応じて調光駆動を担う調光フィルム1の懸濁液8の両端電圧及び調光フィルム1の調光状態及び透過率Tが、後述する図13のように変化するため、調光フィルム1により光学的に共振状態を表したりすることができる。
この調光フィルム1とインダクタ20で構成される共振器100は、調光装置以外に発振回路、フィルタ回路、チューナーなどの同調回路等として電子機器や共振現象に関する電磁気学教育及び啓蒙用ツールなどの用途にも好適に使用することができ、共振状態を可視化できる。
図9(a)に、本発明の一実施形態における調光フィルムとインダクタからなる等価回路モデルを説明する図を示す。図9(b)に、図9(a)の等価回路モデルについて、高周波数域における等価回路モデルを説明する図を示す。図9(a)および図9(b)では、調光フィルム1とインダクタ20が並列に接続されている。
図10に、図9の調光フィルムとインダクタからなる回路の電気特性を示す図を示す。
図10(a)は、周波数fが0.1Hz以上10kHz以下における本実施例の調光フィルム1とインダクタが直列に接続された状態と調光フィルム1単体でのインピーダンスの絶対値|Z|の周波数依存性を表す図であり、図10(b)は、周波数fが0.1Hz以上10kHz以下における本実施例の調光フィルム1とインダクタが直列に接続された状態と調光フィルム1単体でのインピーダンスの位相差θの周波数依存性表す図である。図9のように調光フィルム1とインダクタ20が並列に接続されている場合、共振器100を共振周波数frでインピーダンスが最大となるフィルタ回路として使うことができる。
本実施例は、調光フィルムとインダクタによる実施例1の共振現象を基にした調光装置であり、調光装置は調光フィルムと共振現象のためのインダクタを含む調光素子と駆動装置とで構成されており、実施例1とは調光層の構造が異なる。なお、他の構成と構造などについて実施例1と同様の場合、その説明は省略する。
<SPD>
図11は本実施例における調光フィルムの構成を示す説明図である。本実施例の調光フィルム1において、懸濁液8は光調整粒子9および分散媒10を含み、懸濁液8が樹脂マトリックス31中に分散されている。懸濁液8および樹脂マトリックス31で調光層30が構成される。本実施例では、懸濁液8が調光材料となる。
樹脂マトリックス31中に分散されている懸濁液8の大きさ(平均液滴径)は、通常0.5μm以上100μm以下、好ましくは0.5μm以上20μm以下、より好ましくは1μm以上5μm以下である。
懸濁液8において光調整粒子9が1重量%以上70重量%以下、分散媒10が30重量%以上99重量%以下からなることが好ましく、光調整粒子9が4重量%以上50重量%以下及び分散媒10が50重量%以上96重量%以下からなることがより好ましい。
樹脂マトリックス31は、加熱や感光により硬化する高分子であり、フィルム化におけるA基板4、B基板6および懸濁液8を保持し、電極対の間を絶縁する。硬化する高分子媒体としては、例えば、重合開始剤及び硬化する高分子化合物を含む高分子組成物が挙げられる。本実施例では、光重合開始剤及び高分子化合物シリコーン樹脂を含む液状の高分子組成物を用いている。シリコーン樹脂は、例えば、両末端シラノールポリジメチルシロキサン、両末端シラノールポリジフェニルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、両末端シラノールポリジメチルジフェニルシロキサン等の両末端シラノールシロキサンポリマー、トリメチルエトキシシラン等のトリアルキルアルコキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン等のエチレン性不飽和結合含有シラン化合物などを、2−エチルヘキサン錫等の有機錫系触媒の存在下で、脱水素縮合反応及び脱アルコール反応させて合成される。シリコーン樹脂の形態としては、無溶剤型が好ましく用いられる。すなわち、シリコーン樹脂の合成に溶剤を用いた場合には、合成反応後に溶剤を除去することが好ましい。
樹脂マトリックス31の屈折率と分散媒10の屈折率は近い方が好ましい。具体的には、樹脂マトリックス31の屈折率と分散媒10の屈折率との差が0.002以下であることが望ましい。これにより、調光層30内での樹脂マトリックス31と分散媒10の散乱を抑制できる。
分散媒10としては、電気導電性がなく、樹脂マトリックス31とは親和性がない液状共重合体を使用することが好ましい。具体的には、フルオロ基及び/又は水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルオリゴマーが好ましく、フルオロ基及び水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルオリゴマーがより好ましい。このような共重合体を使用すると、フルオロ基、水酸基のどちらか1つのモノマー単位は光調整粒子9に向き、残りのモノマー単位は樹脂マトリックス31中で懸濁液8が安定に維持するために働くことから、懸濁液8内に光調整粒子9が非常に均質に分散され、相分離の際に光調整粒子9が相分離される懸濁液8内に誘導される。
次に、調光層30の形成方法について説明する。まず、懸濁液8と高分子化合物を混合し、高分子化合物中に懸濁液8が液滴状態で分散した混合液を作製する。この混合液を一方の基板の電極上に一定の厚さで塗布し、必要に応じて混合液中に含まれる溶剤を乾燥除去する。その後、もう一方の基板にある電極が塗布した混合液に接するように、もう一方の基板を一方の基板に重ねて密着させる。
塗布する際は、必要に応じて、適当な溶剤で希釈してもよい。溶剤を用いた場合には、基板の上に塗布した後に乾燥を要する。溶剤としては、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘプタン、シクロヘキサン、エチルアセテート、エタノール、メタノール、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル等を用いることができる。液状の懸濁液8が、樹脂マトリックス31中に微細な液滴形態で分散されている調光フィルムを形成するためには、本実施例の調光材料をホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等で混合して樹脂マトリックス31中に懸濁液8を微細に分散させる方法、樹脂マトリックス31中のシリコーン樹脂成分の重合による相分離法、溶媒揮発による相分離法、又は温度による相分離法等を利用することができる。
この状態でエネルギー線を照射して高分子組成物を硬化させることで、樹脂マトリックス31中に液滴状態で懸濁液8が分散した調光層30を有するフィルム状の調光フィルム1が得られる。本実施例の調光フィルム1の遮光(電圧印加停止)時の透過率Tは0.1%である。
図12は、図11の調光フィルムの電気特性を示す図であり、図12(a)は本実施例における調光フィルム1の0.1Hz以上10kHz以下におけるインピーダンスの絶対値|Z|の周波数依存性を表す図であり、図12(b)は本実施例における調光フィルム1の0.1Hz以上10kHz以下における位相差θの周波数依存性を表す図である。図12と図11の調光フィルム1の構成から、本実施例の調光フィルム1の等価回路モデルについても、概して図6のように表わせる。
実施例1と同じく、RSを導電性基材や配線の抵抗、CPを調光層30の容量、RPを調光層30の抵抗としたとき、各回路素子の電気特性値の解析値は表3となり、調光層30の抵抗RPは4.8×106Ωと非常に高抵抗である。
<調光装置>
図13は、調光フィルム1を備えた調光装置11の構成を示す説明図である。調光装置11は、調光フィルム1と、インダクタ20と、駆動装置15を備えている。調光フィルム1の各電極と駆動装置15中の駆動電源13の各電極出力回路とは、相互接続素子21を介して接続されている。
調光フィルム1を制御する駆動装置15は、調光フィルム1をX電極5とY電極7で駆動するためのX電極出力回路105およびY電極出力回路107、X電極出力回路105およびY電極出力回路107を駆動制御する駆動制御回路12および駆動電源13、調光領域や調光状態を制御する入力信号の処理を行う信号処理回路14、後に示す調光駆動時の交流電圧波形を設定するための調光フィルム1のサイズ、容量などの素子情報、後述する共振周波数fr及び共振状態となる周波数帯域を保存したメモリ回路200を備えている。X電極5とY電極7の一方の電極をG.N.Dとした場合、X電極出力回路105およびY電極出力回路107の一方は必ずしも必要ない。調光装置11が入射光40や温度などに関する外部環境情報信号を信号処理回路14へ入力する外部信号入力装置を備えていても構わない。
ノイズ対策(EMC)などのため、駆動装置15の筐体の電位をG.N.Dとしたり、筐体材料を導電性の高い金属などとし、さらに後述するフィルタ回路を配置して電磁界シールドを形成しても構わない。調光装置11の駆動時における回路素子の共鳴が生じる場合には、調光装置11および駆動装置15の筐体の固有振動数を共鳴しない周波数としたり、吸音または遮音材を各装置に用いたりしても構わない。
相互接続素子21は、低抵抗、低損失であることが好ましく、導電性ゴム(ラバーコネクタ)、フレキシブル配線基板(FPC)、テープキャリアパッケージ(TCP)、導電性テープなどで構成されている。相互接続素子21と、X電極出力回路105およびY電極出力回路107とは、例えば、挟持して樹脂等で固定することにより結線する。また、金属ペーストや導電性高分子などの導電性接着剤、支持基材がガラスなどの耐熱性が高いものであれば半田などで導電部分を接着することにより、相互接続素子21と、X電極出力回路105およびY電極出力回路107と、を結線してもよい。導電性接着剤としては銀などの金属ペースト、異方性導電ペースト、異方性導電フィルム(ACF)などが挙げられる。
X電極出力回路105およびY電極出力回路107の少なくとも一方には、後述する共振状態実現のためインダクタ20が配設されており、インダクタ20は調光フィルム1に対して直列に接続されている。インダクタ20としては、実施例1と同様にスパイラルコイルやヘリカルコイルといった空芯コイルやコア付きコイル等が挙げられ、本実施例のインダクタ20もフェライトコアを用いたコア付きコイルであり、インダクタンスLは90mHである。
なお、高周波ノイズ抑制などのために、X電極出力回路105、Y電極出力回路107と駆動制御回路12の間にフィルタ回路を接続しても構わない。フィルタ回路としてはローパスフィルタが挙げられる。ローパスフィルタの遮断周波数としては、駆動周波数の1.5倍以上であることが好ましい。但し、フィルタ回路にコイルなどのインダクタやコンデンサを用いる場合には、後に示す共振周波数への影響を考慮する必要がある。
X電極出力回路105、Y電極出力回路107及びその他の駆動回路を構成する回路素子は、相互接続素子21であるフレキシブル配線基板に配置されていても構わない。
本実施例の調光装置11は、例えば、室内外の仕切り(パーティッション)、建築物用の窓硝子/天窓、電子産業および映像機器に使用される各種平面表示素子、各種計器板と既存の液晶表示素子の代替品、光シャッター、各種室内外広告および案内標示板、航空機/鉄道車両/船舶用の窓硝子、自動車用の窓硝子/バックミラー/サンルーフ、眼鏡、サングラス、サンバイザー、撮像素子等の用途に好適に使用することができる。適用法としては、本実施例の調光装置11を直接使用することも可能であるが、用途によっては、例えば、本実施例の調光装置11を2枚の基材に挟持させて使用したり、カラーフィルムを添付した基材の片面に貼り付けて使用したりしてもよい。基材としては、上記A基板4およびB基板6と同様に、例えば、ガラス、高分子フィルム等を使用することができる。
図14は、図11の調光フィルムとインダクタからなる回路の電気特性を示す図であり、図14(a)は、周波数fが0.1Hz以上10kHz以下における本実施例の調光フィルム1とインダクタが直列に接続された状態と調光フィルム1単体でのインピーダンスの絶対値|Z|の周波数依存性を表す図であり、図14(b)は、周波数fが0.1Hz以上10kHz以下における本実施例の調光フィルム1とインダクタが直列に接続された状態と調光フィルム1単体でのインピーダンスの位相差θの周波数依存性表す図である。
図14から、本実施例の調光装置11のインピーダンスの絶対値|Z|は調光フィルム1単体のインピーダンスの絶対値|Z|よりも低く、位相差θの正負が切り換わる周波数帯域Bを有しており、実施例1と同様にインダクタンスL、調光層30の容量CPの共振現象によるものと説明できる。
本実施例での図6及び図8の各回路素子の電気特性値と共振周波数frとQ値を表3の調光フィルム1単体の電気特性を基に解析すると表4のようになる。共振周波数frの解析値3.7×103Hzは、図14で共振現象が観測された周波数fに非常に近いことが分かる。
<駆動周波数と調光駆動特性>
本実施例では調光装置11の調光駆動、即ち、所定の透過状態維持のため、周波数fS、電圧VSの交流電圧波形を調光フィルム1からインダクタ20間、即ち、調光素子100に印加する。図15は印加電圧VSを50Vrmsとして、周波数fSが20〜5000Hzにおける本実施例の調光フィルム1とインダクタ20で構成された調光素子100の透過率Tを説明する図である。図15には、比較として本実施例の調光フィルム1単体に同条件の交流電圧波形を印加した時の調光フィルム1の透過率Tも追記している。
本実施例の調光フィルム1とインダクタ20を含む調光素子100は、図15中の周波数帯域Cにおいて調光フィルム1単体で駆動させた場合よりも透過率Tが高い。このインダクタ20の有無で透過率Tに差異がみられた周波数帯域Cは、図14の周波数帯域Bと同範囲であり、本実施例のインダクタ20を含む調光素子100の透過率Tが最大となる周波数も3600Hz付近と共振周波数frに近似している。
図16は、調光フィルム1とインダクタ20で構成され本実施例の調光素子100と、調光フィルム1単体での印加電圧Vsに対する透過率Tの変化を説明する図である。図16において、印加した交流電圧波形の周波数fsは、本実施例の調光フィルム1とインダクタ20で構成された調光素子100は共振周波数fr付近の4000Hzであり、調光フィルム1単体は50、100、400、4000Hzである。
図16から、fSを4000HzとしてVSを0から50Vrmsまで変化させたときの透過率Tについて比較すると、本実施例の調光素子100は電圧VSに対して急激に透過率Tが上昇しており、50Vrmsにおける調光フィルム1単体の透過率Tが23.6%なのに対し、本実施例の調光素子100の透過率Tは57.0%と倍以上となる。また、調光フィルム1単体について透過率Tを57%以上とするには、周波数fSが50、100、400HzではVSを120Vrmsとする必要があり、本実施例の調光素子100で共振周波数付近の4000Hzで駆動させた場合の2.4倍の電圧が必要となる。
以上から、調光フィルム1にインダクタ20を接続することにより、調光フィルム1に印加する駆動電圧を低電圧化する周波数領域B、周波数領域Cを設けることができる。また、調光フィルム1とインダクタ20を接続し、調光駆動で印加する交流電圧波形の周波数fsを調光フィルム1とインダクタ20での共振現象による各素子の両端電圧の上昇が起こる帯域(周波数帯域B)とすることで、調光フィルム1単体で駆動させるよりも低い電圧で調光駆動及び透過率Tの変調が可能な調光素子100を実現できる。
本実施例の調光素子の構成及び構造と調光駆動方法は基本的に実施例2と同様である。
実施例2の調光素子及び調光フィルムとは、インダクタが調光層と同一基板間に配設されている点が異なる。なお、他の構成と構造などについて実施例2と同様の場合、その説明は省略する。
<調光装置>
図17は、本発明の一実施形態における調光フィルム1及び調光層30の構成を示す説明図である。本実施例では調光フィルム1のB基板6の端部にインダクタ20が配設されており、基板上の電極対とは相互接続素子18(以下、配線とも称す)により接続される。B基板6の端部にインダクタ20を配設するために、基板法線方向から見たときに、B基板6の面積はA基板4の面積より大きくなっている。
本実施例では、相互接続素子18として、B基板6上に導電膜を形成し、導電膜とインダクタ20間を導電性接着剤で接着して結線している。本実施例では調光層30と同一基板間にインダクタ20を配設するため、厚さを考慮して平面コイルであるスパイラルコイルを用いている。平面コイルの厚さについて、調光層30と同等、またはそれ以下といった非常に薄くする場合には、蒸着やスパッタリングで成膜されて形成される薄膜コイルや印刷法により形成される積層コイルとしても構わない。
本実施例の調光素子100では、駆動装置15からインダクタ20と調光フィルム1のインダクタ20と結線されていないX電極5との間に交流電圧波形を印加して駆動する。
以上から、本実施例の調光素子100は共振現象を実現するために必要な調光層30とインダクタ20は同一基板間に配設されて一体化しており、意匠性から実施例2よりも薄型平面状の簡略な構造の調光素子100を実現できる。
本実施例の調光素子の構成及び構造と調光駆動方法は基本的に実施例2と同様であるが、調光層がポリマー分散液晶(PDLC)となっている点が異なる。他の構成と構造などについて実施例2と同様の場合、その説明は省略する。
<PDLC>
図18は、本発明の一実施形態における調光フィルムの構成を示す説明図である。本実施例では、調光層30が液晶32と樹脂マトリックス31とを含むポリマー分散液晶(PDLC)であり、液晶32が調光材料である。PDLCは、高速応答と低損失であることが好ましい。本実施例での液晶32は、ネマティック液晶であり、PDLCを用いた調光フィルム1の最大駆動周波数は実施例1の調光フィルム1の最大駆動周波数よりも高い100MHzである。
調光フィルム1及び調光素子100の調色のため液晶32に2色性色素を添加したり、樹脂マトリックス31を着色したりしても構わない。PDLCに含まれる液晶32をスメクティック液晶などの他の液晶材料としても構わない。本実施例の調光フィルム1の遮光(電圧印加停止)時の透過率Tは1.6%である。
図19は、図18の調光フィルムの電気特性を示す図であり、図19(a)は本実施例における調光フィルム1の0.1Hz以上10kHz以下におけるインピーダンスの絶対値|Z|の周波数依存性を表す図であり、図19(b)は本実施例における調光フィルム1の0.1Hz以上10kHz以下における位相差θの周波数依存性を表す図である。図19とPDLCの構成から、本実施例のPDLCの等価回路モデルについても、概して図4のように表わせる。
実施例1、2と同じく、RSを導電性基材や配線の抵抗、CPを調光層30の容量、RPを調光層30の抵抗としたとき、各回路素子の電気特性値の解析値は表5となり、調光層30の抵抗RPは7.5×105Ωと非常に高抵抗である。
<調光装置>
実施例2と同様に、本実施例の調光素子100では、調光駆動のために調光フィルム1とインダクタ20が直列に接続されている。
図20は、図18の調光フィルムとインダクタからなる回路の電気特性を示す図であり、図20(a)は、周波数fが0.1Hz以上10kHz以下における本実施例の調光素子100と調光フィルム1単体でのインピーダンスの絶対値|Z|の周波数依存性を表す図であり、図20(b)は、周波数fが0.1Hz以上10kHz以下における本実施例の調光素子100と調光フィルム1単体での位相差θの周波数依存性を表す図である。図20から、本実施例の調光素子100のインピーダンスの絶対値|Z|は調光フィルム1単体よりも低くなり、位相差θの正負が切り換わる周波数帯域Dを有しており、実施例1、2と同様にインダクタ20、調光層30の容量CPの共振現象によるものと説明できる。
図6及び図8で表わされる各回路素子の電気特性値と共振周波数frとQ値を表5の調光フィルム1単体の電気特性を基に解析すると表6のようになる。共振周波数frの解析値1.6×103Hzは、図20で共振現象が観測された周波数fに非常に近いことが分かる。
<駆動電圧に対する調光駆動特性>
本実施例も実施例2と同様に調光素子100の調光駆動、即ち、所定の透過状態維持のため、周波数fS、電圧VSの交流電圧波形を調光フィルム1からインダクタ20間に印加する。図21は、印加電圧VSを15Vrmsとして、周波数fSが20〜4000Hzにおける本実施例の調光層30とインダクタ20で構成された調光素子100の透過率Tを説明する図である。図21には、比較として本実施例の調光フィルム1単体に同条件の交流電圧波形を印加した時の調光フィルム1の透過率Tも追記している。
本実施例の調光フィルム1とインダクタ20で構成された調光素子100は、図21中の周波数帯域Eにおいて調光フィルム1単体で駆動させた場合よりも透過率Tが高い。このインダクタ20の有無で透過率Tに差異がみられた周波数帯域Eは、図20の周波数帯域Dと同範囲であり、本実施例のインダクタ20を含む調光素子100の透過率Tが最大となる周波数も1600Hz付近と共振周波数frに近似している。
図22は、調光フィルム1とインダクタ20で構成され本実施例の調光素子100と、調光フィルム1単体での印加電圧Vsに対する透過率Tの変化を説明する図である。図22において、印加した交流電圧波形の周波数fsは、本実施例の調光フィルム1とインダクタ20で構成された調光素子100は共振周波数fr付近の1600Hzであり、調光フィルム1単体は50、100、400、1000、1600Hzである。
図22から、本実施例の調光素子100は、fSを1600HzとしてVSを15Vrmsとすることで透過率Tを77.1%まで上昇できる。一方、調光フィルム1単体について透過率Tを70%以上にするのに必要なVSは、周波数fSが400、1000Hzでは40Vrms、50、100Hzでは50Vrmsとする必要がある。更に、1600Hzで駆動させた場合には、50Vrmsで透過率Tは最高となり、それ以上印加しても70%以上とはならない。
以上から、調光フィルム1にインダクタ20を接続することにより、調光フィルム1に印加する駆動電圧を低電圧化する周波数領域D、周波数領域Eを設けることができる。また、調光フィルム1の調光材料として液晶32を含むPDLCとし、調光フィルム1にインダクタ20を接続した構成の調光素子100についても、印加する交流電圧波形の周波数fsを共振現象による各素子の両端電圧の上昇が起こる帯域とすることで、調光フィルム1単体で駆動させるよりも低い電圧で調光駆動及び透過率Tの変調が可能な調光素子100を実現できる。
1 調光フィルム
2 A板
3 B板
4 A基板
5 X電極
6 B基板
7 Y電極
8 懸濁液
9 光調整粒子
10 分散媒
11 調光装置
12 駆動制御回路
13 駆動電源
14 信号処理回路
15 駆動装置
20 インダクタ
18、21 相互接続素子
22 可変インダクタ
31 樹脂マトリックス
40 入射光
41 透過光
100 共振器(調光素子)
105 X電極出力回路
107 Y電極出力回路
200 メモリ回路

Claims (11)

  1. 第一の基板および第二の基板と、
    前記第一の基板および前記第二の基板の間に配置された第一の電極、第二の電極、および調光層と、を有する調光フィルムと、
    前記調光フィルムに接続されたインダクタと、を有し、
    前記調光層は調光材料を有し、
    前記第一の電極および前記第二の電極の間に印加される交流電圧により前記調光材料が配向し前記調光フィルムの透過率が変化する調光素子。
  2. 請求項1において、
    前記調光層は樹脂を含み、
    前記樹脂中に前記調光材料が分散されている調光素子。
  3. 請求項1乃至2のいずれかにおいて、
    前記調光材料は光調整粒子および分散媒を含み、
    前記分散媒中に前記光調整粒子が分散されている調光素子。
  4. 請求項1乃至2のいずれかにおいて、
    前記調光材料は液晶である調光素子。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記インダクタは前記第一の基板または第二の基板上に配設され、
    前記インダクタは相互接続素子を介して前記第一の電極または前記第二の電極に接続される調光素子。
  6. 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
    前記調光フィルムと前記インダクタが直列に接続されている調光素子。
  7. 請求項1乃至6のいずれかにおいて、
    前記調光フィルムのインピーダンスの絶対値を|Z1|、
    前記調光素子のインピーダンスを|Z2|としたとき、
    |Z1|>|Z2|となる周波数帯域が存在する調光素子。
  8. 請求項1乃至7のいずれかの調光素子と、
    前記調光素子を制御する駆動装置と、を有する調光装置。
  9. 第一の基板および第二の基板と、
    前記第一の基板および前記第二の基板の間に配置された第一の電極、第二の電極、および調光材料を有する調光層と、を有する調光フィルムの駆動方法であって、
    前記調光フィルムにインダクタが接続され、
    前記第一の電極および前記第二の電極の間に印加される交流電圧により前記調光材料が配向し前記調光フィルムの透過率を変化させる調光フィルムの駆動方法。
  10. 請求項9において、
    前記調光フィルムに印加される交流電圧の周波数を、前記調光フィルムと前記インダクタ間で共振状態となる周波数付近とする調光フィルムの駆動方法。
  11. 第一の基板および第二の基板と、
    前記第一の基板および前記第二の基板の間に配置された第一の電極、第二の電極、および調光材料を有する調光層と、を有する調光フィルムを駆動する駆動装置であって、
    前記調光フィルムにインダクタが接続され、
    前記第一の電極および前記第二の電極の間に印加される交流電圧により前記調光材料が配向し前記調光フィルムの透過率を変化させ、
    前記調光フィルムに印加される交流電圧を、前記調光フィルムと前記インダクタ間で共振状態となる周波数付近に制御する調光装置の駆動装置。
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