JP2013228646A - 調光装置 - Google Patents

調光装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013228646A
JP2013228646A JP2012101995A JP2012101995A JP2013228646A JP 2013228646 A JP2013228646 A JP 2013228646A JP 2012101995 A JP2012101995 A JP 2012101995A JP 2012101995 A JP2012101995 A JP 2012101995A JP 2013228646 A JP2013228646 A JP 2013228646A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light control
power
power receiving
control device
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012101995A
Other languages
English (en)
Inventor
Shunsuke Mori
俊介 森
Hironori Kaneko
浩規 金子
Hirotaka Sakuma
広貴 佐久間
Sanae Nakao
早苗 中尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP2012101995A priority Critical patent/JP2013228646A/ja
Publication of JP2013228646A publication Critical patent/JP2013228646A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】調光素子を含む単純な受電回路で、調光素子に非接触給電可能な調光装置を提供する。
【解決手段】本発明は、電力送信装置と受電装置を備える調光装置であって、前記受電装置は調光素子とインダクタを有し、前記調光素子は第一の基板および第二の基板と、前記第一の基板および前記第二の基板の間に配置された第一の電極、第二の電極および調光材料を含む調光層で構成され、前記受電装置は調光素子に交流電力が供給されることで光学変調し、前記交流電力は電力送信装置から電磁波を用いて非接触で給電される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、調光装置の構造に関する。
以下の特許文献1には、種々のガラス基板等に適用が可能であり、かつ、大面積のガラス基板などに適用しても全体に均一な外観と均一で安定な調光性能を有する調光ガラスを得ることができる調光フィルム及びこれを用いた調光ガラスといった懸濁粒子方式の調光素子に関する技術が開示されている。調光フィルムは、2つの透明導電性樹脂基材と、前記2つの透明導電性樹脂基材に挟持された調光層とを備えた調光フィルムであって、調光層が、樹脂マトリックスと、前記樹脂マトリックス中に分散した光調整懸濁液とを含み、前記透明導電性樹脂基材の厚さが130〜500μmである。調光層は、樹脂マトリックス中に光調整懸濁液から形成される調光性能を有する液滴が分散したものである。光調整懸濁液は、分散媒と、分散媒中に分散した光調整粒子を含んでいる。
調光フィルムに電界が印加されていない状態では、前記液滴中に流動状態で浮遊分散されている光調整粒子がブラウン運動により光を吸収、散乱又は反射するため、フィルムに入射した光はフィルムをほとんど透過できない。しかし、調光フィルムに電圧を印加すると、上記光調整粒子が電気的双極子モーメントを持つことから、光調整粒子が電界と平行な方向に配列するため、フィルムに入射した光はフィルムを透過するようになる。調光性能を発揮させる条件は特に制限はないが、通常、使用電源は交流で、10〜220Vrms、30Hz〜500kHzの周波数の範囲で作動させることができる。このように、光調整粒子が印加された電界に対して応答することにより、光の透過量を調整することが可能となる。
以下の特許文献2には調光層に液晶を用いた調光素子の技術が開示されている。特許文献2の調光素子は、複数の空孔を有するラテックスから成る透明なポリマーフィルム、及び上記空孔の各々にネマティック液晶の棒状分子が封入されることによって形成された液晶カプセルから成る液晶層と、間に液晶層を挟持する一対のPETフィルムと、該一対のPETフィルムの各々の対向面に配設された透明導電膜とを備え、調光素子において一対の透明導電膜は液晶層に電圧を印加する。
この調光素子では、液晶層への電圧無印加時、ネマティック液晶の棒状分子が液晶カプセルの壁の曲面に沿って整列し、液晶カプセルを透過する透過光の進行方向に沿って配列しないので、透過光の光路を曲折したり、液晶カプセル及びポリマーフィルムの境界層において入射光を散乱して液晶層を乳白色にする。一方、この調光体では、液晶層への電圧印加時、ネマティック液晶の棒状分子が発生する電界方向に沿って整列するが、このとき、ポリマーフィルムの屈折率npとネマティック液晶の棒状分子の常光線屈折率noが一致するような材料から液晶層が構成されることによって液晶カプセル及びポリマーフィルムの境界層が光学的に存在しない状態となり、液晶層に入射した透過光をそのまま透過させることができ、これによって液晶層を透明にする。以上のような原理から、当該調光体は、電圧無印加時には入射光の散乱により視野を遮断し、電圧印加時には入射光をそのままの状態で透過することにより視野を確保するという視野制御機能を有する。
以下の特許文献3には次のような非接触給電技術が開示されている。特許文献3では、送信側基板と負荷である表示パネルの基板にそれぞれ形成した静電結合用電極で表示パネルの絶縁層(絶縁基板)を挟んで静電容量を構成し、その容量を介して非接触伝送路を構成してパネル側の電極で得た交流電圧信号をダイオードで構成した整流回路で整流する。さらに抵抗と複数のダイオードを直列に接続したダイオードアレイで構成されるシャントレギュレータを通して、パネル内での負荷変動に対して安定した電圧を維持する。
特開2008−158042号公報 特開2004−302192号公報 特開2009−169327号公報
従来の特許文献1と特許文献2にある調光素子を用いた調光装置では、負荷である調光素子と駆動電源が有線の相互接続素子を介して接続され、調光素子の駆動電力は有線の相互接続素子を介して駆動電源から調光素子に供給される。そのため、調光素子に駆動電力を供給するためには調光素子と駆動電源が接続されている必要があり、調光素子と駆動電源の位置関係は、駆動電源が固定される場合においては主に有線である相互接続素子の長さといった形状で決定される。
従って、調光素子を調光窓に用いた時、調光窓の開閉可能な可動域が制限される。また、相互接続素子の配設方法によっては、太陽光及び熱、雨や結露等による水分、砂塵等による変質、高頻度の開閉動作による機械的な作用での変形等により、相互接続素子で絶縁や短絡が発生する可能性があり、調光素子に対し電力を安定供給することが困難となる場合がある。
特許文献3では有線の相互接続素子を用いずに、静電結合により給電回路素子(以下、給電アンテナ回路とも記す)から受電回路素子(以下、受電アンテナ回路とも記す)へ非接触で電力を供給する。そのため、給電装置を固定した場合、特許文献1と特許文献2のように有線の相互接続素子に起因する受電装置と給電装置の位置関係の制約が小さくなる。また、有線の相互接続素子の劣化及び変質に起因する電気特性変化を低減できる。
特許文献3での負荷である表示パネルの基板、即ち受電装置の主な回路構成は、表示パネル、電力を受電するための受電回路素子、駆動させると表示パネルに電力を供給するための駆動回路である。駆動回路には、交流を直流に変換する整流回路と表示パネルに電力を供給するためのシャントレギュレータ等の電源回路といった複数の回路が必要となる。
従って、駆動素子を特許文献1と特許文献2のような調光素子として単純に駆動させる場合、受電装置のコストや回路構成の複雑性が増すことになる。
以上から本発明では、調光素子の電気特性に基づいて、単純な装置構成で適切な駆動条件による非接触給電可能な調光装置を実現することと、調光素子に対する長期的な電力の安定供給を実現することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
本発明は、電力送信装置と受電装置を備える調光装置であって、前記受電装置は調光素子とインダクタを有し、前記調光素子は第一の基板および第二の基板と、前記第一の基板および前記第二の基板の間に配置された第一の電極、第二の電極および調光材料を含む調光層で構成され、前記受電装置は調光素子に交流電力が供給されることで光学変調し、前記交流電力は電力送信装置から電磁波を用いて非接触で給電される。
本発明により、単純な装置構成で適切な駆動条件による非接触給電可能な調光装置を実現し、調光素子に対する長期的な電力の安定供給を実現することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
一実施形態の調光装置の基本構成と駆動電力供給のフローを示す図である。 一実施形態の調光装置の電力伝送に関する等価回路を示す説明図である。 一実施形態の調光層を用いた調光素子の構成を示す説明図である。 図3の調光素子について、駆動停止時における調光素子状態を示す図である。 図3の調光素子について、光学変調駆動時における調光素子状態を示す図である。 一実施形態の調光装置について、給電装置の等価回路を示す説明図である。 一実施形態の調光装置について、調光素子を含む受電装置と給電装置の給電アンテナ回路の構造及び構成を示す説明図である。 一実施形態の調光層を用いた調光素子の構成を示す説明図である。 一実施形態の調光装置について、調光素子を含む受電装置の構造及び構成を示す説明図である。 一実施形態の調光装置について、調光素子を含む受電装置と給電装置の給電アンテナ回路の構造及び構成を示す説明図である。 一実施形態の調光装置について、調光素子を含む受電装置と給電装置の給電アンテナ回路の構造及び構成を示す説明図である。 一実施形態の調光装置について、調光素子を含む複数の受電装置と給電装置の給電アンテナ回路の構造及び構成を示す説明図である。 一実施形態の調光装置について、給電装置の等価回路を示す説明図である。 一実施形態の調光装置について、調光素子を含む受電装置と給電装置の給電アンテナ回路の構造及び構成を示す説明図である。 一実施形態の調光層を用いた調光素子の構成を示す説明図である。 一実施形態の調光装置について、給電装置の等価回路を示す説明図である。 一実施形態の調光装置について、補助電源を含む調光装置の構成と電力伝送過程を示す説明図である。 図9の調光装置について、駆動時における受電装置の配置について示す図である。 一実施形態の調光装置について、給電装置の等価回路を示す説明図である。
以下に具体的な実施例を示して、本願発明の内容を詳細に説明する。以下の実施例は本願発明の内容の具体例を示すものであり、本願発明がこれらの実施例に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。また、実施例を説明するための全図において、同一の機能を有するものは、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
本実施例の調光装置100は給電装置11、調光素子16を含む受電装置15とで構成する。図1は本発明者らが検討した調光装置100の基本構成と駆動電力供給のフローを示す図である。本発明では、給電アンテナ回路12と受電アンテナ回路17の共振(共鳴)を基にした電磁誘導により電力を伝送している。本実施例では、磁気共鳴現象により電力を伝送している。給電アンテナ回路12は給電コイル32を備え、受電アンテナ回路17は調光素子16を備える。
図2は本実施例での磁界共鳴による電力伝送に関する等価回路を示す説明図である。CA、LAは給電アンテナ回路12のキャパシタとインダクタ、CB、LBは受電アンテナ回路17のキャパシタとインダクタであり、Z0は抵抗及び負荷である。
図1、図2の装置及び回路構成と駆動方法に関する理解を容易にするために、本発明者らが検討した詳細について以下で説明する。
<給電装置>
給電装置11の主な構成は、受電装置15に電力を供給するための給電アンテナ回路12と、給電のため給電アンテナ回路12に交流波形を入力と制御する駆動回路13と、駆動回路13をはじめとした各回路素子に電力を供給する駆動電源14である。
本実施例の駆動電源14は交流の商用電源である。駆動回路13は整流回路、平滑回路、発振回路、駆動制御回路と信号処理回路からなる。駆動制御回路では、整流回路と平滑回路により駆動電源14から供給される電力を交流から直流に変換しており、直流に変換された電力は発振回路、駆動制御回路と信号処理回路に入力される。なお、本実施例では駆動電源14を交流電源としているが、リチウム電池を始めとした一次電池、二次電池や鉛蓄電池、燃料電池等の電池、または太陽電池などの環境発電素子や電子機器等から出力される直流を直流電源として用いても構わない。更に、駆動電源14からの出力を直流とし、駆動制御回路から整流回路と平滑回路を除いた構成としても構わない。信号処理回路は給電装置11と受電装置15の位置情報、電流値や調光素子16の調光状態に関する入力信号の処理を行っており、信号処理回路からの出力信号を基に駆動制御回路により発振回路から出力される交流波形の電圧及び電流と周波数が制御される。
給電アンテナ回路12はインダクタとキャパシタからなる。インダクタとキャパシタは直列に接続されている。なお、給電アンテナ回路12と発振回路の間に、電流や高周波ノイズ抑制のためフィルタ回路を接続しても構わない。フィルタ回路としてはローパスフィルタが挙げられる。ローパスフィルタの遮断周波数としては、駆動周波数の1.5倍以上であることが好ましい。但し、フィルタ回路にコイルなどのインダクタを用いた場合には、下記に示す共振周波数への影響を考慮する必要がある。
インダクタのインダクタンスをL1、キャパシタの容量をC1とすると、給電アンテナ回路12の共振周波数f1は下記の式で表わされる。
インダクタとキャパシタに用いる回路素子は、低損失であることが望ましい。インダクタとしては空芯コイルやコア付きコイル等が挙げられ、本実施例では空芯コイルのスパイラルコイルを用いている。なお、空芯コイルとしてヘリカルコイルであっても構わない。
また、フェライトコアを用いたコア付きコイルや複数のコイルからなるコイルアレイであっても構わない。更に、コイルを表皮効果低減のため銀メッキ等をした巻き線やリッツ線を用いても構わない。
キャパシタとしては、フィルムコンデンサやセラミックコンデンサが挙げられ、供給電力や周波数といった駆動条件に対し、誘電損失が低く、耐圧性を満たすものが好ましい。
なお、キャパシタとして1つのコンデンサを用いずに、複数のコンデンサを並列接続としても構わない。本実施例では、後に示す駆動周波数と給電アンテナ回路12と受電アンテナ回路17の共振周波数からコンデンサの容量C1を2.5nF、インダクタンスL1を500μHとしている
<受電装置>
受電装置15の基本構成は、調光素子16を含む受電アンテナ回路17のみである。本実施例では、受電アンテナ回路17の調光素子16とインダクタは直列に接続されている。
図3は本発明者らが検討した調光素子及び懸濁粒子装置(SPD)の断面構造概略図である。調光素子16はSPD1に相当し、基板(A基板4、B基板5)上に電極(X電極6、Y電極7)が形成され対向に配置されたA板2とB板3の間に懸濁液8を含む調光層30が電極を介して挟持されている。
まず、導電性基材およびその形成方法について説明する。ガラスから成る透明な支持基材である基板上に、酸化インジウムスズ(ITO)からなる透明電極がそれぞれ形成されて電極対を構成する。なお、基板の一方にのみ電極対が単一、または複数形成されていても良い。
透明な支持基材はポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)等の樹脂フィルムであっても構わない。また電極対を構成する透明電極は膜厚等を制御して低抵抗、低損失であることが好ましく、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化スズ、酸化亜鉛やカーボンナノチューブ、グラフェン等で形成したり、光学変調動作によってはクロム、銅、アルミニウム、銀等の金属及び合金の単層膜、または積層膜で形成したり、銅や銅合金などの金属の極細線やメッシュで形成しても構わない。本実施例では透明電極を支持基材上に一面に形成しているが、これに限らず円などの模様や文字型に配設しても構わない。
次に、電極対が内側になるように基板を対向に配置し、両基板端部(図示しない)の対辺にスペーサービーズ等を含む封着剤を塗布して両板を接着する。これにより、両板間の距離が25μmである懸濁液8の懸濁液充填空間が形成される。なお、懸濁液充填空間及び両板間の距離は4μm以上100μm以下であり、また、スペーサービーズをA板2とB板3との間に散布し、懸濁液充填空間を維持しても構わない。スペーサービーズとしては、ガラスやポリマーなどの絶縁性の材料が挙げられ、接着剤や懸濁液に対して安定であることが望ましい。また、スペーサービーズを基板及び電極対の間に散布する場合、スペーサービーズの屈折率は分散媒10の屈折率と近い方が好ましい。
懸濁液充填空間には、封着剤で接着していない両基板端部から毛細管現象により懸濁液8が充填される。懸濁液8を充填後、接着していない両基板端部を封着剤で接着して封止する。これにより、懸濁液8は外気から隔離された調光層30が形成される。なお、本実施例では毛細管現象により懸濁液8を充填したが、基板を接着する前に懸濁液8をバーコート法や真空下での滴下注入法(ODF)法などで塗布し、その後に両基板を貼り合わせて接着と封止をしても構わない。
懸濁液8およびその形成方法について説明する。懸濁液8は光調整粒子(調光材料)9と分散媒10を含む。分散媒10中に光調整粒子9が分散されている。
光調整粒子9は、例えば、ポリ過ヨウ化物であり、形状に異方性があり、配向方向に起因して吸光度の異なる光学的異方性を発現し、アスペクト比が1ではない形状をしている。また、光調整粒子9が懸濁液8中で配向分極を生じることが望ましい。光調整粒子9として、棒状や板状などが考えられる。光調整粒子9を棒状とすることで、電界に対する粒子回転運動の抵抗や透過時のヘイズの上昇を抑制できる。光調整粒子9のアスペクト比は例えば、5以上30以下程度が望ましい。光調整粒子9のアスペクト比を5以上とすることにより、光調整粒子9の形状に起因するような光学的異方性を発現できる。
光調整粒子9の大きさは1μm以下であることが好ましく、0.1μm以上1μm以下であることがより好ましく、0.1μm以上0.5μm以下であることがさらに好ましい。
光調整粒子9の大きさが1μmを超える場合には、光散乱が生じたり、電界が印加された場合に分散媒10中での配向運動が低下したりするなど、透明性が低下する問題が発生することがある。なお、光調整粒子9の大きさは、電子顕微鏡観察等により計測される。
光調整粒子9としては、カーボンブラックなどの炭素系材料、銅、ニッケル、鉄、コバルト、クロム、チタン、アルミニウムなどの金属材料、窒化ケイ素、窒化チタン、酸化アルミニウムなどの無機化合物からなる粒子であっても構わない。また、これらの材料にポリマーでコートした粒子であっても構わない。光調整粒子9として、上記の材料が一種類のみ含まれていても良く、上記の材料が二種類以上含まれていても構わない。
分散媒10は、アクリル酸エステルオリゴマーからなる液状共重合体である。分散媒10として、他にポリシロキサン(シリコーンオイル)などが挙げられる。なお、分散媒10としては、光調整粒子9が浮遊可能な粘度であり、高抵抗で、基板及び透明電極とは親和性がなく、基板と屈折率が近い液体を使用することが好ましい。分散媒10と光調整粒子9に誘電率差があると、後に記す光調整粒子9の配向動作において交流電界下における駆動力として作用させることができる。
懸濁液8等の調光層30は非常に高抵抗な誘電体であり、調光層30の比誘電率は懸濁液や樹脂マトリックス31といった構成材料の種類や構成比に依存する。調光層30の比誘電率は、後に示す調光素子16の容量C2及び受電アンテナ回路17の共振周波数f2を決定する上で重要である。
懸濁粒子方式の調光素子16は、交流電圧波形20が印加されることにより光学特性が変調、即ち調光動作することができる。
図4は図3の調光素子16における調光原理を示す図である。交流電圧波形20が無印加時では、図4(a)のように配向状態が無秩序状態(ランダム)である。一方、交流電圧波形20が印加されると、図4(b)で示されるように印加電圧に応じて電界方向に沿うように光調整粒子が配向する。入射光は配向した光調整粒子により変調される。入射光と電界及び粒子配向方向が同じであれば、入射光は懸濁液を透過することができ調光素子16の透過率が上昇する。本実施例の調光素子16は、光学特性を変調可能な周波数範囲が光調整粒子9の濃度、誘電率、形状、分散媒10との親和性等、分散媒10の粘度等で決定され、高周波数側では500kHz以下である。また、調光状態を維持可能な周波数範囲は、臨界融合周波数(CFF;Critical Flicker Frequency)以上であることが好ましく、16Hz以上500kHz以下である。
インダクタは給電アンテナ回路12と同様に、空芯コイルやコア付きコイル等が挙げられる。本実施例では給電装置11と同じく薄型の空芯コイルであるスパイラルコイルを用いている。なお、スパイラルコイルは銅損や表皮効果等による損失が低いことが好ましい。
調光素子16とインダクタである受電コイル33(スパイラルコイル)の間は、相互接続素子18(以下、配線とも称す)を介して接続される。本実施例では、調光素子16端部の電極及び受電コイル33(スパイラルコイル)間の相互接続素子18として導電性接着剤で接着して結線している。相互接続素子18及び導電性接着剤は低抵抗、低損失であることが好ましく、相互接続素子18としては、導電性ゴム(ラバーコネクタ)、フレキシブル配線基板(FPC)、テープキャリアパッケージ(TCP)、導電性テープなどが挙げられる。導電性接着剤としては金属ペースト、異方性導電ペースト、異方性導電フィルム(ACF)などが挙げられる。
なお、相互接続素子18の結線方法としては、相互接続素子18と調光素子16の電極及び受電コイル33(スパイラルコイル)の端子をクリップ等の固定具で固定しても構わない。
受電アンテナ回路17のインダクタンスをL2、容量をC2とすると、受電アンテナ回路17の共振周波数f2は下記の式で表わされる。
調光素子16は誘電体である調光層30と透明導電体で構成されており、調光素子16の等価回路モデルは概して調光層30に起因するキャパシタと透明導電体と調光動作等に関する抵抗の直列回路として表わせる。容量C2は受信アンテナ回路の浮遊容量が無視されるならば、調光素子16の容量CLとして表わせる。なお、容量CLは調光層30の構成や材料以外にも調光装置100の面積A、厚さdといったサイズにより決定され、光学機器の光シャッター、サングラスや防眩ミラー、装置筐体等の小型素子から自動車、鉄道、飛行機、船舶や建築物の大型調光窓までの実用的な範囲における調光素子16の容量CLは、0.1nF以上100μF以下である。
本実施例の調光素子16の容量CLは、後に示す駆動周波数において調光層30のサイズ調整により2.5nFである。また、受電コイル33(スパイラルコイル)のインダクタンスL2は500μHであり、受電アンテナ回路17の共振周波数f2は142kHzである。
<調光装置>
本発明では、給電アンテナ回路12と受電アンテナ回路17の共振(共鳴)を基にした電磁誘導により電力を伝送している。
図5は本実施例での調光装置100の回路構成である(発振回路、給電アンテナ回路12と受電アンテナ回路17を除く回路は図示しない)。
図6は本実施例の調光素子16を含む受電装置15と給電アンテナ回路12を含む給電装置11の構造を示す説明図である。本実施例では、調光素子16は周縁部分について樹脂シール21を介して筐体22(またはサッシとも記す)に挟持されて保持されている。
本実施例での受電アンテナ回路17の受電コイル33(スパイラルコイル)は筐体22の下部に位置しており、調光素子16及び調光装置100の駆動時において、給電アンテナ回路12より発生した非放射の誘導磁界と鎖交する様に非接触の状態(電界結合が殆どない状態)で配置されている。なお、本実施例では受電アンテナ回路17の受電コイル33(スパイラルコイル)を筐体22の下部に配置しているが、給電アンテナ回路12の位置や筐体22及び受電アンテナ回路17素子の構造に合せて配置箇所を変更しても構わない。
以上から、本実施例の調光素子16とインダクタの単純な構成である受電装置15を含む調光装置100と磁気共鳴現象による給電方法により、給電装置11から受電装置15に交流電力を非接触で給電し、調光装置100及び調光素子16の透過率変化及び光学変調駆動を実現することができる。また、給電装置11と受電装置15が結線されていないことから、給電装置11の移動、取外しや、別の調光素子16または給電装置11と容易に交換することもできる。
また、電力伝送に用いる周波数は142kHzであり、調光装置100を外窓や屋外で使用した際に水分の影響を受けにくくなる。なお、本実施例では給電アンテナ回路12と受電アンテナ回路17の共振周波数f1とf2を一致させ、共振周波数で電力伝送しているが、回路素子仕様や調光素子1のサイズの制約等によってはf1とf2を必ずしも一致させる必要は無く、更に発振回路から出力される交流波形及び電力伝送に用いる周波数は共振による高い電力伝送効果が得られる周波数であれば構わない。
本実施例の調光装置100の構成及び構造と給電方法は基本的に実施例1と同様である。実施例1とは、受電装置15の調光素子16の調光層30の構造と、インダクタが調光素子16と同一基板上に配設されている点が異なる。なお、他の構成と構造などについて実施例1と同様の場合、その説明は省略する。
<受電装置>
図7に本発明の実施の基本形態の調光素子16及び調光層30の基本構造を示す。本実施例では調光素子16の基板4、5が透明なプラスチックのPETであり、調光素子16の調光層30は懸濁液8と樹脂マトリックス31とを含む。基板の端部にはインダクタが配設されており、基板上の電極対とは相互接続素子18(以下、配線とも称す)により接続される。図8に本実施例の受電装置の構成を示す。本実施例では、相互接続素子18として、基板上の電極と受電コイル33(スパイラルコイル)間に基板上に導電膜を形成し、導電膜と調光素子16端部の電極及び受電コイル33(スパイラルコイル)間を導電性接着剤で接着して結線している。なお、本実施例では調光素子16と同一基板上にインダクタを配設するため、厚さを考慮して実施例1と同じく薄型の平面コイルである受電コイル33(スパイラルコイル)を用いている。
本実施例の懸濁液8は光調整粒子9および分散媒10を含み、樹脂マトリックス31中に分散されている。樹脂マトリックス31中に分散されている懸濁液8の大きさ(平均液滴径)は、通常0.5μm以上100μm以下、好ましくは0.5μm以上20μm以下、より好ましくは1μm以上5μm以下である。
懸濁液8は、光調整粒子9が1重量%以上70重量%以下、分散媒10が30重量%以上99重量%以下からなることが好ましく、光調整粒子9が4重量%以上50重量%以下及び分散媒10が50重量%以上96重量%以下からなることがより好ましい。
樹脂マトリックス31は、加熱や感光により硬化する高分子であり、フィルム化におけるA基板4、B基板5および懸濁液8を保持し、電極対の間を絶縁する。硬化する高分子媒体としては、例えば、重合開始剤及び硬化する高分子化合物を含む高分子組成物が挙げられる。本実施例では光重合開始剤及び高分子化合物シリコーン樹脂を含む液状の高分子組成物を用いている。シリコーン樹脂は、例えば、両末端シラノールポリジメチルシロキサン、両末端シラノールポリジフェニルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、両末端シラノールポリジメチルジフェニルシロキサン等の両末端シラノールシロキサンポリマー、トリメチルエトキシシラン等のトリアルキルアルコキシシラン、(3−アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン等のエチレン性不飽和結合含有シラン化合物などを、2−エチルヘキサン錫等の有機錫系触媒の存在下で、脱水素縮合反応及び脱アルコール反応させて合成される。シリコーン樹脂の形態としては、無溶剤型が好ましく用いられる。すなわち、シリコーン樹脂の合成に溶剤を用いた場合には、合成反応後に溶剤を除去することが好ましい。
樹脂マトリックス31の屈折率と分散媒10の屈折率は近い方が好ましい。具体的には、樹脂マトリックス31の屈折率と分散媒10の屈折率との差が0.002以下であることが望ましい。これにより、調光層30内での樹脂マトリックス31と分散媒10の散乱を抑制できる。分散媒10としては、電気導電性がなく、樹脂マトリックス31とは親和性がない液状共重合体を使用することが好ましい。具体的には、フルオロ基及び/又は水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルオリゴマーが好ましく、フルオロ基及び水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルオリゴマーがより好ましい。このような共重合体を使用すると、フルオロ基、水酸基のどちらか1つのモノマー単位は光調整粒子9に向き、残りのモノマー単位は樹脂マトリックス31中で懸濁液8が安定に維持するために働くことから、懸濁液8内に光調整粒子9が非常に均質に分散され、相分離の際に光調整粒子9が相分離される懸濁液8内に誘導される。
次に、調光層30の形成方法について説明する。まず、懸濁液8と高分子化合物を混合し、高分子化合物中に懸濁液8が液滴状態で分散した混合液を作製する。この混合液を一方の基板の電極上に一定の厚さで塗布し、必要に応じて混合液中に含まれる溶剤を乾燥除去する。その後、もう一方の基板にある電極が塗布した混合液に接するように、もう一方の基板を一方の基板に重ねて密着させる。
塗布する際は、必要に応じて、適当な溶剤で希釈してもよい。溶剤を用いた場合には、基板の上に塗布した後に乾燥を要する。溶剤としては、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘプタン、シクロヘキサン、エチルアセテート、エタノール、メタノール、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル等を用いることができる。液状の懸濁液8が、樹脂マトリックス31中に微細な液滴形態で分散されている調光フィルムを形成するためには、本実施例の調光材料をホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等で混合して樹脂マトリックス31中に懸濁液8を微細に分散させる方法、樹脂マトリックス31中のシリコーン樹脂成分の重合による相分離法、溶媒揮発による相分離法、又は温度による相分離法等を利用することができる。
この状態でエネルギー線を照射して高分子組成物を硬化させることで、樹脂マトリックス31中に液滴状態で懸濁液8が分散した調光層30を有するフィルム状のSPDが得られる。
本実施例の樹脂マトリックス31と懸濁液を含む調光層30の厚みは、調光素子16の容量C2及び受電アンテナ回路17の共振周波数f2を決定する他にSPDの光学特性や構造安定性にも関係しており、5μm以上1、000μm以下が好ましく、20μm以上100μm以下がより好ましい。
<調光装置>
図9は本実施例の調光素子16を含む受電装置15と給電装置11の給電アンテナ回路12の構造及び構成を示す説明図である。本実施例では、調光素子16は周縁部分について樹脂シール21を介して筐体22により挟持されて保持されている。本実施例での受電アンテナ回路17の受電コイル33(スパイラルコイル)は光学変調動作部分の面積を広くするため筐体22内に位置しており、調光素子16及び調光装置100の駆動時において、給電アンテナ回路12の給電コイル32(スパイラルコイル)より発生した非放射の誘導磁界と鎖交する様に非接触で配置されている。なお、受電アンテナ回路17の受電コイル33(スパイラルコイル)は、給電アンテナ回路12の位置や筐体22及び受電アンテナ回路17素子の構造、調光装置100の意匠に合せて配置箇所を変更しても構わない。
以上から、本実施例の調光素子16とインダクタを同一基板に配設することで、実施例1よりも薄型で平面状の受電装置15を実現することができる。また、受電装置15が薄型で平面状であることから、図17に示すように、給電アンテナ回路12を壁など建材、家具や各種機器の筐体22に組み込み、複数の受電装置15をこれらの表面に設置して光学変調駆動させることもできる。
本実施例の調光装置100の構成及び構造と給電方法は基本的に実施例1と同様であり、調光素子16は実施例2と同様に調光層に樹脂マトリックス31を含むSPDである。
実施例1及び2とは、インダクタに空芯コイルではなくコア付きコイルを用いている点が異なる。なお、他の構成と構造などについて実施例1及び実施例2と同様の場合、その説明は省略する。
<調光装置>
本実施例では、インダクタとしてU型フェライトコアのコア付きコイルを用いている。
図10は本実施例の調光素子16を含む受電装置15と給電装置11の給電アンテナ回路12の構造及び構成を示す説明図である。調光素子16は実施例1、2と同様に筐体22に保持されている。
本実施例での受電アンテナ回路17の受電コイル33(コア付きコイル)は筐体22内に位置しており、調光素子16及び調光装置100の駆動時において、受電アンテナ回路17のコア付きコイルのコアの先端は、給電アンテナ回路12の給電コイル32(コア付きコイル)のコア先端と非接触で対向するように配置されている。
本実施例ではインダクタとしてコア付きコイルを用いており、給電アンテナ回路12で発生した誘導磁界は、空芯コイルよりも高い磁束密度でコア先端の端面から放出される。
また、受電アンテナ回路17のコア付コイルのコア先端の端面が給電アンテナ回路12のコア先端の端面と対向していることにより、給電アンテナ回路12から磁力線を受電アンテナ回路17のコアに引き込むことができ、インダクタ及びコア断面積が小さくても高い結合係数k及び相互インダクタンスLMが得られる。
次に本実施例での電力伝送について説明する。本実施例では磁界共鳴により各アンテナ間を電力伝送しており、共振以外にもアンテナ間の結合についても考慮している。共振周波数において電力伝送効率の高い結合状態は臨界結合状態であり、給電アンテナ回路12、受電アンテナ回路17の負荷に関するQ値をQ1、Q2とすると、臨界結合では下記の式を満たす関係にあることが好ましい(但し、発振回路及び駆動回路13の出力インピーダンスは0Ωとする。)。
以上から、実施例1よりも小型のインダクタで給電アンテナ回路12と受電装置15を実現することができ、電力伝送効率の高い結合状態で調光装置100を駆動することができる。
本実施例の調光装置100の基本構成及び構造と給電方法は基本的に実施例3と同様であり、調光素子16は調光層30に樹脂マトリックス31を含むSPDである。本実施例では受電装置15及び受電アンテナ回路17のインダクタにI型コア付きコイルと異なる種類のコイルを用いており、更に受電装置15は2台(15A、15B)ある。なお、他の構成と構造などについて他の実施例と同様の場合、その説明は省略する。
本実施例では、受電アンテナ回路17のインダクタとしてI型フェライトコアのコア付きコイルを用いている。図11は本実施例の調光素子16を含む受電装置15A、受電装置15Bと給電装置11の給電アンテナ回路12の構造及び構成を示す説明図である。調光素子16は実施例1と同様に筐体22により保持されている。
本実施例における受電装置15A、受電装置15Bでの受電アンテナ回路17の受電コイル33(I型コア付きコイル)は筐体22内に位置している。調光素子16及び調光装置100の駆動時において、受電装置15Aの受電アンテナ回路17の受電コイル33(I型コア付きコイル)のコアの先端は、給電アンテナ回路12の給電コイル32(コア付きコイル)のコア先端と非接触で対向するように配置されている。
本実施例では受電アンテナ回路17のインダクタとしてI型コア付きコイルを用いており、給電アンテナ回路12で発生した誘導磁界は、受電装置15AのI型コアの端面が給電アンテナ回路12のコア先端の端面と対向していることにより、給電アンテナ回路12から磁力線を受電アンテナ回路17のコアに引き込まれる。従って、コア断面積が小さくても高い結合係数k及び相互インダクタンスLMが得られる。
また、給電アンテナ回路12のコア先端と対向していない受電装置15AのI型コアの先端の端面からは磁力線が放出されている。そのため、I型コア付コイルを有する受電装置15Bについて、受電装置15BのI型コアの先端の端面を受電装置15Aから磁力線が放出されているI型コアの端面と対向となるように配置することで、受電装置15BのI型コアに引き込むことができ、受電装置15Bについても高い結合係数k及び相互インダクタンスLMが得られる。
以上から、本実施例では受電装置15のインダクタをコア付インダクタとし、磁力線が受電装置15内のコアを高い磁束密度で通過しているため、複数の受電装置15及び調光素子16を駆動することができる。
本実施例の調光装置100の基本構成及び構造と給電方法は基本的に実施例1及び実施例3と同様であり、調光素子16は調光層に樹脂マトリックス31を含むSPDである。
本実施例では給電アンテナ回路12のインダクタに空芯コイルを、受電装置15及び受電アンテナ回路17のインダクタにコア付きコイルと異なる種類のコイルを用いている。なお、他の構成と構造などについて他の実施例と同様の場合、その説明は省略する。
(調光装置)
図12は本実施例の調光素子16を含む受電アンテナ回路17を示す説明図である。本実施例の受電アンテナ回路17は、受電回路の負荷及びQ2を調整できる可変抵抗R3が実装されている。なお、受電装置15に可変抵抗R3の他に可変抵抗R3の抵抗値を外部より制御する外部信号入力回路と信号処理回路を実装していても構わない。受電回路のQ2は下記の式で表わされる。
図13は調光素子16を含む受電装置15と給電装置11の構造及び構成を示す説明図である。調光素子16は接着剤により板ガラス34に挟持され、更に調光素子16は板ガラス34を介して実施例1と同様に樹脂シール21によりサッシ22に保持されている。接着剤としては、調光素子16の保護のため耐候性、耐水性であるものが好ましく、本実施例ではエチレン−酢酸ビニル樹脂(EVA)で調光素子16を板ガラス34に接着、封止している。なお、本実施例では調光素子16を板ガラス34で挟持しているが、受電装置15を軽量にするためアクリルなどのプラスチック板としても構わない。サッシの一部の周端は図13に示されるように凹部からなるC型となっている。
本実施例での受電アンテナ回路17の受電コイル33(コア付きコイル)はC型コアであり、コイルはC型コアの中央の凹部に挿通されている。調光素子16とインダクタである受電コイル33の間は、相互接続素子18を介して接続される。
次に、給電アンテナ回路12の給電コイル32(インダクタ)とサッシ枠について説明する。サッシ枠は、C型のサッシ周端部と対向する表面が少なくとも凸型となっており、サッシ及びコイルを含むC型コアの凹部の脚間にサッシ枠の凸部を配置することができ、更にサッシ枠の凸部に収まった状態でサッシを並行に移動させることができる。
サッシ枠凸部には平板状のコアが受電アンテナ回路17のC型コアの端部と非接触で対向するように配置され、コイルは平板状コアの中央部に挿通されている。平板状コアのコイルには給電線が配設されており、給電線は給電装置11の駆動回路13及び給電アンテナ回路12に接続されている。なお、本実施例では平板状のコアとしたが、コアを分割したり、サッシの並行移動方向に複数のI型コア付きコイルを配置しても構わない。
本実施例では、駆動時に給電装置11の駆動回路13よりサッシ枠の給電アンテナ回路17及び給電コイル32に電流を流すことで、電磁誘導により非接触で電力が受電装置15及び調光素子16に供給される。なお、受電装置15は複数であっても構わない。
以上から本実施例の調光装置100は、受電装置15を移動させながら非接触で給電することができる。また、受電アンテナ回路17に可変抵抗を調整することで、同じ給電条件においても調光素子16を所望の透過率に変調することができる。
本実施例の調光装置100の構成及び構造と給電方法は基本的に実施例2と同様である。実施例2とは、受電装置15の調光素子16の調光層構造と受電アンテナ回路17の構成が異なる。なお、他の構成と構造などについて実施例2と同様の場合、その説明は省略する。
図14に本実施例の調光素子16の構造を示す。本実施例では調光素子16が、調光層30が液晶と樹脂マトリックス31とを含むポリマー分散液晶(PDLC)である。PDLCは、高速応答と低損失であることが好ましい。本実施例での液晶は、ネマティック液晶であり、PDLCの最大駆動周波数は本発明でのSPDよりも高い100MHzである。
従って、調光素子16の駆動周波数を基に各アンテナ回路の共振周波数としていることから、本実施例の調光装置100の最大駆動周波数は10MHzである。なお、調光素子16及び調光装置100の調色のため液晶に2色性色素を添加したり、樹脂マトリックス31を着色しても構わない。
図15は本実施例の受電アンテナ回路17を示す説明図である。本実施例の受電装置15及び受電アンテナ回路17にコンデンサが調光素子16と並列に接続されている。調光素子16と並列に接続されるコンデンサの容量C3は、調光素子16の容量CLよりも極めて大きい(C3≫CL)。本実施例の受電アンテナ回路17の共振周波数f2′は、受電アンテナ回路17の浮遊容量が無視されるならば下記の式で表わせる。
コンデンサの容量C3は、調光素子16の容量CLの好ましくは10倍以上であり、最大値はコンデンサ導入による受電アンテナ回路17の共振周波数f2′が調光素子16の調光動作可能な周波数となる値である。なお、コンデンサとしては、容量がC3≫CLの関係を満たし、図18に示すように容量C3を調整できる可変コンデンサCCとしても構わない。
調光素子16の容量CLは、調光素子16及び調光層30の経時変化や変形等により容量が変化する場合があり、受電アンテナ回路17の共振周波数f2が変化することがある。本実施例の調光装置100及び受電装置15では、受電アンテナ回路17の共振周波数f2′がコンデンサの容量C3に大きく依存することから、共振周波数f2′は調光素子16の容量CLの変動による影響が小さく、安定した周波数で磁気共振による非接触の給電を行うことができる。また、可変コンデンサCCを用いた場合には、インダクタのL2の変動や給電装置11に合せて共振周波数f2′を変更することもできる。
本実施例のSPD1の構成及び構造は基本的に実施例1と同様である。実施例1とは、受電装置15に充電回路24と発振回路25からなる補助電源23を有している点が異なる。なお、他の構成と構造などについて実施例1と同様の場合、その説明は省略する。
図16は本実施例での受電装置15の構成と補助電源の充電と放電時における電力伝送過程を示す説明図である。受電装置15は、充電回路24と発振回路25からなる補助電源23が実施例1と同様に相互接続素子18を介して受電アンテナ回路17と接続されている。補助電源23の充電回路24は、蓄電池からなる直流電源(図示しない)と蓄電池の充放電装置(図示しない)で構成され、本実施例の蓄電池はリチウムイオン二次電池である。なお、蓄電池はニッケル水素二次電池や鉛蓄電池であっても構わない。また、蓄電池の代わりにキャパシタを直流電源として用いても構わない。補助電源23の蓄電池は、受電アンテナ回路17を介して充電回路24に給電されることで充電される。
充電された電力は給電装置11からの給電が停止したとき、発振回路25を介して受電アンテナ回路17及び調光素子16に給電される。また、調光素子16に給電する交流電力の周波数が給電装置11の共振周波数である場合、低消費電力で調光素子16に給電することができる。
以上から本実施例の受電装置15及び調光装置100を用いることにより、給電装置11から給電されていない状態でも補助電源23から調光素子16に交流電力を供給することができ、調光装置100を移動体に用いた時や、停電時においても調光素子16及び調光装置100を駆動できる。
なお、本実施例では補助電源23を接続したが、例えば、給電装置11と受電装置15間の給電量を調整するための信号を発信する信号処理回路やアンテナ回路を接続したり、異なる負荷を用いても構わない。
1 懸濁粒子装置(SPD)
2 A板
3 B板
4 A基板
5 B基板
6 X電極
7 Y電極
8 懸濁液
9 光調整粒子
10 分散媒
11 給電装置
12 給電アンテナ回路
13 駆動回路
14 駆動電源
15 受電装置
16 調光素子
17 受電アンテナ回路
18 相互接続素子
20 交流電圧波形
21 樹脂シール
22 筐体
23 補助電源
24 充電回路
25 発振回路
30 調光層
31 樹脂マトリックス
32 給電コイル
33 受電コイル
34 板ガラス
100 調光装置

Claims (10)

  1. 給電装置と、受電装置を備える調光装置であって、
    前記受電装置は調光素子と受電インダクタを有し、
    前記給電装置は給電インダクタを有し、
    前記調光素子は第一の基板、第二の基板、第一の電極、第二の電極および調光材料を含む調光層を有し、
    前記給電装置は前記給電インダクタを介して磁気共鳴現象により交流電力を供給し、
    前記受電装置の前記調光素子は前記受電インダクタを介して交流電力の供給を受けて光学変調することを特徴とする調光装置。
  2. 請求項1に記載の調光装置において、
    前記受電装置はコンデンサを有し、
    前記調光素子と前記コンデンサは並列に接続されており、
    前記コンデンサの容量CPは前記調光素子の容量CLに対して、CP>CLの関係にあることを特徴とする調光装置。
  3. 請求項1または2に記載の調光装置において、
    前記調光素子または前記受電インダクタに、可変抵抗が接続され、
    前記受電装置は前記可変抵抗により光学変調を制御することを特徴とする調光装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の調光装置において、
    前記調光材料は懸濁液であることを特徴とする調光装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の調光装置において、
    前記調光材料は液晶材料であることを特徴とする調光装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の調光装置において、
    前記調光層は樹脂マトリックスを含み、
    前記調光材料は樹脂マトリックス中に分散されていることを特徴とする調光装置。
  7. 請求項5または6に記載の調光装置において、
    前記受電インダクタおよび前記給電インダクタは、空芯コイルであることを特徴とする調光装置。
  8. 請求項5または6に記載の調光装置において、
    前記受電インダクタおよび前記給電インダクタは、コア付きコイルであることを特徴とする調光装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の調光装置において、
    前記調光素子と前記受電インダクタは、同一の基板上に配設されていることを特徴とする調光装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の調光装置において、
    前記受電装置は、前記交流電力を充電する充電回路と、前記充電回路にて充電された電力を前記調光素子に供給する発振回路とを有することを特徴とする調光装置。
JP2012101995A 2012-04-27 2012-04-27 調光装置 Pending JP2013228646A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012101995A JP2013228646A (ja) 2012-04-27 2012-04-27 調光装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012101995A JP2013228646A (ja) 2012-04-27 2012-04-27 調光装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013228646A true JP2013228646A (ja) 2013-11-07

Family

ID=49676311

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012101995A Pending JP2013228646A (ja) 2012-04-27 2012-04-27 調光装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013228646A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018016378A1 (ja) * 2016-07-19 2018-01-25 積水化学工業株式会社 調光積層体及び調光積層体用樹脂スペーサ
JP2021001929A (ja) * 2019-06-20 2021-01-07 凸版印刷株式会社 調光シート駆動装置、調光装置、調光シートの駆動方法、および、調光シートの駆動プログラム
JP7462753B2 (ja) 2019-11-27 2024-04-05 サン-ゴバン グラス フランス 電気制御機能層を調節するための調節装置、調節方法、及び機能性ガラス

Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0343714A (ja) * 1989-07-12 1991-02-25 Bridgestone Corp 光の透過度が変化する窓
JPH0377912A (ja) * 1989-08-18 1991-04-03 Mazda Motor Corp 調光ガラスの給電装置
JPH0588144A (ja) * 1991-09-30 1993-04-09 Sumitomo Electric Ind Ltd 液晶防眩ミラー
JPH10227907A (ja) * 1997-02-13 1998-08-25 Toyota Motor Corp 防眩ミラー
JP2002082364A (ja) * 2000-06-29 2002-03-22 Hitachi Chem Co Ltd 調光材料、調光フィルム及び調光フィルムの製造方法
JP2002182248A (ja) * 2000-12-18 2002-06-26 Fuji Xerox Co Ltd 画像表示装置
JP2004302192A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Nippon Sheet Glass Co Ltd 調光体及び合わせガラス
JP2006132206A (ja) * 2004-11-05 2006-05-25 Yasuo Yamakoshi 窓用ディスプレイ装置
JP2007133187A (ja) * 2005-11-10 2007-05-31 Nissan Motor Co Ltd 反射型調光体
JP2008158042A (ja) * 2006-12-21 2008-07-10 Hitachi Chem Co Ltd 調光フィルム
JP2010509133A (ja) * 2006-11-15 2010-03-25 ピルキントン オートモーティヴ ドイチェラント ゲーエムベーハー 窓ガラス
JP2011232550A (ja) * 2010-04-28 2011-11-17 Taiyo Yuden Co Ltd 眼鏡及びその給電器
JP2012053308A (ja) * 2010-09-01 2012-03-15 B Ii Denshi Kogyo Kk 液晶パネルの駆動構造

Patent Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0343714A (ja) * 1989-07-12 1991-02-25 Bridgestone Corp 光の透過度が変化する窓
JPH0377912A (ja) * 1989-08-18 1991-04-03 Mazda Motor Corp 調光ガラスの給電装置
JPH0588144A (ja) * 1991-09-30 1993-04-09 Sumitomo Electric Ind Ltd 液晶防眩ミラー
JPH10227907A (ja) * 1997-02-13 1998-08-25 Toyota Motor Corp 防眩ミラー
JP2002082364A (ja) * 2000-06-29 2002-03-22 Hitachi Chem Co Ltd 調光材料、調光フィルム及び調光フィルムの製造方法
JP2002182248A (ja) * 2000-12-18 2002-06-26 Fuji Xerox Co Ltd 画像表示装置
JP2004302192A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Nippon Sheet Glass Co Ltd 調光体及び合わせガラス
JP2006132206A (ja) * 2004-11-05 2006-05-25 Yasuo Yamakoshi 窓用ディスプレイ装置
JP2007133187A (ja) * 2005-11-10 2007-05-31 Nissan Motor Co Ltd 反射型調光体
JP2010509133A (ja) * 2006-11-15 2010-03-25 ピルキントン オートモーティヴ ドイチェラント ゲーエムベーハー 窓ガラス
JP2008158042A (ja) * 2006-12-21 2008-07-10 Hitachi Chem Co Ltd 調光フィルム
JP2011232550A (ja) * 2010-04-28 2011-11-17 Taiyo Yuden Co Ltd 眼鏡及びその給電器
JP2012053308A (ja) * 2010-09-01 2012-03-15 B Ii Denshi Kogyo Kk 液晶パネルの駆動構造

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018016378A1 (ja) * 2016-07-19 2018-01-25 積水化学工業株式会社 調光積層体及び調光積層体用樹脂スペーサ
JPWO2018016378A1 (ja) * 2016-07-19 2018-07-19 積水化学工業株式会社 調光積層体及び調光積層体用樹脂スペーサ
JP2019207431A (ja) * 2016-07-19 2019-12-05 積水化学工業株式会社 調光積層体及び調光積層体用樹脂スペーサ
JP2021001929A (ja) * 2019-06-20 2021-01-07 凸版印刷株式会社 調光シート駆動装置、調光装置、調光シートの駆動方法、および、調光シートの駆動プログラム
JP7263938B2 (ja) 2019-06-20 2023-04-25 凸版印刷株式会社 調光シート駆動装置、調光装置、調光シートの駆動方法、および、調光シートの駆動プログラム
JP7462753B2 (ja) 2019-11-27 2024-04-05 サン-ゴバン グラス フランス 電気制御機能層を調節するための調節装置、調節方法、及び機能性ガラス

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5556762B2 (ja) 懸濁粒子装置,懸濁粒子装置を用いた調光装置及びそれらの駆動方法
US9500889B2 (en) Electro-optical devices using dynamic reconfiguration of effective electrode structures
KR20140085465A (ko) 전기적으로 전환 가능한 프라이버시 필름 및 그것을 갖는 표시 장치
KR20140024376A (ko) 전자 디스플레이를 위한 투명 전극
JP6102184B2 (ja) 調光素子、調光装置、調光フィルムの駆動方法、調光フィルムの駆動装置
EP2626740A1 (en) Suspended particle device, light control device using the same, and driving method
JP2013228646A (ja) 調光装置
EP2648038A1 (en) Light control device
JP5423603B2 (ja) 懸濁粒子装置及びその駆動方法
CN111929932A (zh) 用于调节电控功能层的调节装置、调节方法和功能玻璃
WO2017210506A1 (en) Mixtures of encapsulated electro-optic medium and binder with low solvent content
JP5177425B2 (ja) 電磁波吸収装置及び吸収電磁波制御方法
JP2992137B2 (ja) 全固体調光装置
JP2017538967A (ja) 不透明度切替可能デバイス
CN109273805A (zh) 一种基于石墨烯的可调滤波器
CN205427366U (zh) 一种电调光反射率薄膜
JP5857918B2 (ja) 懸濁粒子装置、懸濁粒子装置を用いた調光装置、懸濁粒子装置を駆動する駆動装置及びそれらの駆動方法
CN202720418U (zh) 单向透视型液晶膜
JP2013242443A (ja) 導電材付き調光フィルム、及び導電材付き調光フィルムの製造方法
CN111221195A (zh) 电响应液晶调光器件和光调节方法
CN111596492A (zh) 调光玻璃以及调光装置
CN212647217U (zh) 具有双层透明电极结构的液晶面板
CN216956572U (zh) 除雾调光膜、除雾调光玻璃、带窗产品
CN112965286A (zh) 一种显示装置及其制备方法
CN212207927U (zh) 调光玻璃以及调光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150116

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151013

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151014

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160614

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20161206