JP2001060342A - 光ディスク製造システム - Google Patents

光ディスク製造システム

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JP2001060342A
JP2001060342A JP08206276A JP20627696A JP2001060342A JP 2001060342 A JP2001060342 A JP 2001060342A JP 08206276 A JP08206276 A JP 08206276A JP 20627696 A JP20627696 A JP 20627696A JP 2001060342 A JP2001060342 A JP 2001060342A
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disk substrate
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俊明 御子柴
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形機とスパッタ装置との間のラインバラン
スを良好に保持でき、且つ、成膜条件の相違する基板に
対応した成膜を行うことを可能とする。 【解決手段】 中央制御装置51は、ロボット45側か
らコンベア35に基板53が4枚載置されている旨の通
知を受けると、ロボット45を制御し、4枚の基板53
をパレット47及びロード/アンロード室57を介して
キャリア69a〜69gに配置する。基板53を成形機
31の成膜条件で成膜するよう、スパッタ装置39側に
通知する。ロボット45側からコンベア37に基板55
が4枚載置されている旨の通知を受けると、ロボット4
5を制御し、4枚の基板55をパレット47及びロード
/アンロード室57を介してキャリア69a〜69gに
配置する。基板55を成形機33の成膜条件で成膜する
よう、スパッタ装置39側に通知する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マスタリングプロ
セスの最終工程であるディスク化工程に用いられる光デ
ィスク製造システムの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図1に示す光ディスク製造システ
ムにおいて、成形機1が所定のサイクルタイムで成形
し、コンベア3が所定速度で搬送してきた光ディスクの
基板(以下、「基板」という)を取込んで、複数の基板
に対し所定のサイクルタイムで成膜するスパッタ装置5
を備えたシステムが知られている。このスパッタ装置5
は、真空チャンバと、複数の基板を保持してチャンバ内
を移動するキャリアと、真空チャンバ内のキャリア(各
基板)と対向する位置に臨み、チャンバとの間に印加さ
れる負の直流電圧に起因するグロー放電により各基板に
成膜するためのターゲットとを備える。
【0003】上記スパッタ装置5には、図2に示すよう
な矩形状のキャリア9を備えた装置7と、図3に示すよ
うな円形状のキャリア17を備えた装置15とがある。
図2のスパッタ装置7では、基板11を複数枚配置した
キャリア9を矢印方向に移動させて、キャリア9がター
ゲット13の前面を通過するときグロー放電により各基
板11に成膜を施す。図3のスパッタ装置15では、基
板11を環状に配置したキャリア17を移動させ、キャ
リア17がグロー放電の生じるターゲット19の前面を
通過するとき各基板11を矢印方向Aに回転させると共
にキャリア17を矢印方向Bに回転させることにより各
基板11に成膜を施す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記各スパ
ッタ装置7(15)のいずれも、キャリア9(17)に
多数の基板11が配置される構成となっていて成形機1
とサイクルタイムが相違し、いずれの装置7(15)を
使用して図1のシステムを構成しても成膜能力が成形機
1の成形能力を大きく上廻ることとなる。しかも、各基
板11のキャリア9(17)への配置は真空チャンバの
外で行われ、成形機1が1台しかない場合には1枚のキ
ャリア9(17)に配置される基板11の枚数が多くな
る。そのため、各キャリア9(17)への基板11の配
置が完了するまでの間、比較的先に成形されて配置され
た基板11はそれだけ長時間大気に晒されることとな
る。そのうえ、基板11は吸湿性の高いポリカーボネー
トを材料として構成されているから大気中の湿気を吸収
してしまい、光ディスクとしての特性の低下、耐候性
(寿命)の悪化を招来する。そこで、上記システムで
は、このような不具合を解消しスパッタ装置7(15)
の成膜能力をフルに活用するために、その成膜能力に合
せて成形機1を複数台設置しスパッタ装置7(15)の
サイクルタイムと成形機1のサイクルタイムとを可能な
限り同一にすることによって成形機1とのラインバラン
スの良好な保持を図っている。
【0005】しかし、成形機1を複数台設置すると、シ
ステムのレイアウトの関係で図1に示したコンベア3の
延長が長くなる。そのため、スパッタ装置7(15)か
ら比較的遠い成形機1で成形された基板11をスパッタ
装置7(15)へ搬送するには長時間を要することとな
り、やはり、基板11が長時間大気に晒されるので基板
11の吸湿が問題となる。そこで、上記システムでは、
基板11中の湿気を除去するための工程として、基板1
1を80℃位の温度で加熱し、その後、真空中で15〜
30分位排気する脱ガス工程が設けられている。
【0006】このように、脱ガス工程を設けることによ
って基板11の吸湿の問題は解消されるが、一方におい
て工程(脱ガス工程)が増加してしまうという問題が新
たに生じる。そこで、各キャリアのコンパクト化を図る
ことにより成形機とのラインバランスを良好に保持し、
それにより各基板のスパッタ装置外での待機時間を短く
することで、脱ガス工程の省略を可能にしたスパッタ装
置が提案された。図4(a)、(b)は、この提案に係
るスパッタ装置の各キャリアを示す。図4(a)に示す
キャリア21は4枚の基板11を、図4(b)に示すキ
ャリア23は3枚の基板11を、夫々配置可能に構成さ
れている。
【0007】しかし、スパッタ装置では一般に、真空チ
ャンバ内においてキャリアをスムーズに移動させるため
に各部の寸法に多少の遊びを持たせて設計されており、
上記スパッタ装置も例外ではない。そのため、キャリア
21(又は23)に配置された各基板11の位置とター
ゲットとの相対的位置関係により同一基板であってもキ
ャリア21(又は23)上の配置位置によっては成膜時
に±3%(許容範囲)程度の膜厚誤差が発生する。今仮
に、各基板11に誘電体膜、記録膜、誘電体膜、反射膜
の4つの薄膜が積層状に成膜されるとして、3層目の誘
電体膜が図5の矢印で示すようにキャリア21上の符号
1の位置から符号4の位置の方向に厚くなるものとす
る。この場合、同一の成形機1で成形された同一特性の
基板11であっても、符号4の位置で成膜されてディス
クに製品化される基板11の方が、符号1の位置で成膜
されてディスクに製品化される基板11よりもディスク
としてのスペック(仕様)の範囲内ではあるが反射率は
低くなる。
【0008】ところが、成形機1が複数台設置されてい
る場合、各成形機1毎にサイクルタイムが微妙に相違す
るために、1枚のキャリア21に別の成形機1で成形さ
れた基板11が混在する可能性がある。成形機1は、各
装置毎にスタンパや射出成形の転写性等が相違するから
別の成形機1で成形された基板11が1枚のキャリア2
1に混在すると、これら基板11同士もラジアルコント
ラスト(基板11上のピットやグルーブの形状を示すパ
ラメータ)が相違することとなる。そのため、各基板1
1毎に異なった成膜条件で成膜しないとスペックを外れ
たディスクとして製品化される虞がある。例えば、図5
において符号1の位置にラジアルコントラストの高い基
板11が、符号4の位置にラジアルコントラストの低い
基板11が、夫々配置されたときは各基板11間で反射
率の差は縮まるが、上記と逆に配置された場合には、反
射率の差は拡がってスペックアウトになる可能性があ
る。上記不具合を解消する方法としては、各基板11を
自転及び公転させることにより符号1〜4で示す各位置
での膜厚の均一化を図る方法が思料されるが、高速成膜
や発塵防止の観点から採用できる方法ではないし、それ
によって別の成形機1で成形された基板11間のラジア
ルコントラストの相違を解消することはできない。
【0009】従って本発明の目的は、成形機とスパッタ
装置との間のラインバランスを良好に保持でき、且つ、
成膜条件の相違する基板に対応した成膜を行うことが可
能な光ディスク製造システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に従う光ディスク
製造システムは、複数の成形機と、複数のディスク基板
取出装置と、複数の搬送装置と、取出装置と、スパッタ
装置とを備える。複数の成形機は、各々固有のサイクル
タイムで駆動して与えられた成形材料をディスク基板に
成形する。複数のディスク基板取出装置は、各成形機に
設けられており、対応する成形機で成形されたディスク
基板を各成形機から取出す。複数の搬送装置は、各ディ
スク基板取出装置に設けられ、対応するディスク基板取
出装置で取出されたディスク基板を搬送する。取出装置
は、各搬送装置で搬送中のディスク基板を、夫々の搬送
装置に対応する成形機のサイクルタイムに同期して所定
数ずつ取出す。スパッタ装置は、取出装置から供給され
るディスク基板を、取出装置のサイクルタイムに同期し
て受け入れることにより、同一の成形機で成形された複
数枚のディスク基板を纏めて取込み、成形機毎に決めら
れた成膜条件に基づいてディスク基板に成膜する。
【0011】本発明によれば、各搬送装置で搬送中のデ
ィスク基板が、夫々の搬送装置に対応する成形機のサイ
クルタイムに同期して所定数ずつ取出され、取出された
ディスク基板は、取出しのサイクルタイムに同期して成
膜工程に受け入れられる。これにより、成膜工程におい
て同一の成形機で成形された複数枚のディスク基板が纏
めて取込まれ、成形機毎に決められている成膜条件に基
づいてディスク基板に成膜される。よって、成形機とス
パッタ装置との間のラインバランスを良好に保持でき、
且つ、成膜条件の相違する基板に対応した成膜を行うこ
とが可能となる。
【0012】本発明に係る好適な実施形態では、スパッ
タ装置の単位時間当りのディスク基板処理能力は、各成
形機の単位時間当りのディスク基板処理能力より多く設
定されており、スパッタ装置は、取出装置からのディス
ク基板の供給数が所定枚数に満たない間は、単位時間当
りのディスク基板処理能力に従って運転を継続しつつ取
出装置からのディスク基板の取込みをキャンセルする。
【0013】上記好適な実施形態によれば、取出装置か
らのディスク基板の供給数が所定枚数に満たない間は、
単位時間当りのディスク基板処理能力に従って運転を継
続しつつ取出装置からのディスク基板の取込みを行わな
いから、異なった成形機で成形されたディスク基板が混
入することを防止できる。ここで、本発明に係るシステ
ムでは、脱ガス工程を省いたので、成形工程と成膜工程
との間の待機時間を長くとれず、しかも、スパッタ装置
の成膜のサイクルタイム動作の方が、各成形機の成形の
サイクルタイム動作よりも早い。そのため、上記好適な
実施形態におけるように、各成形機からのディスク基板
の供給数が所定枚数に満たずに所定枚数に達するまでの
間、ディスク基板の取込みをキャンセルしつつ運転を継
続しても作業効率の低下を心配する必要がないのであ
る。
【0014】また、上記とは別の好適な実施形態では、
各成形機からディスク基板取出装置がディスク基板を取
出してから、各搬送装置で搬送し、取出装置がディスク
基板を取込むまでの時間が所定時間を超えた時、或い
は、各搬送装置に滞留するディスク基板の枚数が所定枚
数を超えた時には、所定時間を超えたディスク基板、或
いは、所定枚数を超えたディスク基板を、取出装置によ
って通常の取込む場所とは別の場所に取込む。
【0015】この実施形態によれば、所定時間を超えた
ディスク基板、或いは、所定枚数を超えたディスク基板
を、取出装置によって通常の取込む場所とは別の場所に
取込むこととしたので、スパッタ装置側でトラブルが発
生しても成形機側を連続運転したまま、脱ガス工程が必
要なディスク基板(即ち、上記所定時間又は所定枚数を
超えたディスク基板)と不必要なディスク基板とを分離
することが可能となる。また、スパッタ装置の運転を停
止しても、成形機側は運転を継続するので、スパッタ装
置と共に成形機の運転を停止したときの数10分程度の
成形条件の調整運転を行なわなくて済む。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面により詳細に説明する。
【0017】まず、本発明に従う光ディスク製造システ
ムを説明する前に、このシステムの構成要素であるスパ
ッタ装置によって成膜される4層の薄膜の構造を図6を
参照して説明する。
【0018】図6は、本発明に従う光ディスク製造シス
テムのスパッタ装置により成膜が施された後の基板の断
面構造を示す。
【0019】図6において、基板53又は55上には、
最初に600〜1000オングストローム程度の膜厚の
第1の誘電体膜81が、次に150〜300オングスト
ローム程度の膜厚の記録膜83が、次に150〜300
オングストローム程度の膜厚の第2の誘電体膜85が、
最後に400〜600オングストローム程度の膜厚の反
射膜(アルミニウムの膜)87が夫々積層状に成膜され
る。なお、各薄膜81〜87の成膜に際しては、図6に
おいて太線矢印で示すように基板53(55)側からレ
ーザ光を入射してその反射光を読取り、薄膜の干渉を利
用して所望の反射率やその他の特性が得られるよう、読
取った反射光に基づいて各薄膜の膜厚が調整される。
【0020】図7は、本発明の第1の実施形態に係る光
ディスク製造システムの全体構成を示すブロック図であ
る。
【0021】上記システムは、図示のように、成形機3
1、33と、コンベア35、37と、スパッタ装置39
と、ロボット41、43、45、49と、パレット47
と、中央制御装置51とを備える。
【0022】成形機31には、ディスク化工程の前工程
で作製された、例えばニッケルスタンパのようなスタン
パがセットされる。この成形機31は、例えばポリカー
ボネートを成形材料として射出成形により所定のサイク
ルタイム(例えば10秒間)で基板53を成形する。一
方、成形機33にも成形機31と同様に、上記とは別の
スタンパがセットされる。この成形機33も、上記と同
様の材料を成形材料として射出成形により成形機31と
略同一サイクルタイム(例えば0.1秒程度の誤差を含
んでいる)で基板55を成形する。なお、成形機31、
33には、夫々各部を制御するためのローカル制御装置
(図示しない)が内蔵されている。
【0023】ロボット41は、成形機31に対応して設
置されるディスク基板取出装置である。このロボット4
1は、成形された基板53を成形機31と同一サイクル
タイムで取出してコンベア35に載置する。一方、ロボ
ット43もロボット41と同様に、成形機33に対応し
て設置される基板取出し用ロボットである。このロボッ
ト43は、成形された基板55を成形機33と同一サイ
クルタイムで取出してコンベア37に載置する。本実施
形態では、ロボット41の基板取出動作のサイクルタイ
ムは、成形機31の射出成形のサイクルタイム(例えば
10秒間)に、また、ロボット43の基板取出動作のサ
イクルタイムは、例えばロボット41のサイクルタイム
よりも0.1秒程度遅れるサイクルタイムに、夫々予め
設定されているものとする。なお、ロボット41、43
にも、夫々各部を制御するためのローカル制御装置(図
示しない)が内蔵されている。
【0024】コンベア35は、成形機31側を搬送方向
始端側に、スパッタ装置39側を搬送方向終端側にして
所定速度で移動するもので、成形機31で成形されロボ
ット41によって載置された基板53を、スパッタ装置
39に向けて搬送する。一方、コンベア37はコンベア
35と同様に、成形機33側を搬送方向始端側に、スパ
ッタ装置39側を搬送方向終端側にして所定速度で移動
するもので、コンベア35に並設されている。そして、
成形機33で成形されロボット43によって載置された
基板55を、スパッタ装置39に向けて搬送する。
【0025】ロボット45は、コンベア35、37の搬
送方向終端側において両コンベア35、37の中間に相
当する箇所に位置する基板ロード用取出装置である。こ
のロボット45は、予め定められた順序に基づき、コン
ベア35、37のいずれか一方から基板(53又は5
5)を所定個数取込んでパレット47に載置した後に、
コンベア35、37の他方から基板(55又は53)を
上記と同数取込んでパレット47に載置する動作を繰返
す。このロボット45は、コンベア35の基板53を取
込むときはロボット41の基板取出し動作のサイクルタ
イムに同期するようサイクルタイムが制御される。ま
た、コンベア37上の基板55を取込むときはロボット
43の基板取出し動作のサイクルタイムに同期するよう
サイクルタイムが制御される。
【0026】なお、ロボット45にも、ローカル制御装
置(図示しない)が内蔵されており、このローカル制御
装置は、中央制御装置51との間でロボット45の各部
を制御するのに必要な各種制御情報の授受を行う。
【0027】パレット47は、スパッタ装置39の図8
に示すロード室57の前に固定的に配置されており、所
定個数(本実施形態では4枚)の基板53(又は55)
が一時的に載置される。
【0028】ロボット49は、パレット47に対応して
設置される成膜基板アンロード取出装置である。このロ
ボット49は、ロボット45の基板ロード動作に同期し
てパレット47に載置されている、スパッタ装置39で
成膜が終了した基板53(又は55)の取出し動作を行
うようサイクルタイムが制御されている。なお、ロボッ
ト49にも、ローカル制御装置(図示しない)が内蔵さ
れており、このローカル制御装置は、中央制御装置51
との間でロボット49の各部を制御するのに必要な各種
制御情報の授受を行なう。
【0029】ロボット45は、同一の成形機31(又は
33)によって成形された基板53(又は55)のパレ
ット47上への載置個数が所定数(本実施形態では4
枚)に達する毎に、これら基板53(又は55)をスパ
ッタ装置39内にある複数枚のキャリアのうちの同一の
キャリアに配置する。従って、各キャリアには基板53
又は55のいずれか一方のみが配置され、同一のキャリ
アに2種類の基板53、55が混ざった状態で配置され
ることはない。なお、各キャリアに対する基板53又は
55の配置の態様については、図10に示した。
【0030】スパッタ装置39は、コンベア35、37
及び、ロボット45、49を介して搬入された複数枚の
基板53(又は55)を取込んで、これら基板53(又
は55)に対し所定のサイクルタイムで複数の薄膜を積
層状に成膜するものである。本実施形態に係るスパッタ
装置39では、第1の誘電体膜、記録膜、第2の誘電体
膜、及び反射膜の順に基板上に4層の薄膜が成膜され
る。
【0031】図8は、上記システムを構成するスパッタ
装置39の概要を示す平面図である。 本実施形態で
は、スパッタ装置39としてロード/アンロード室57
と、正多角形(正八角形)状の搬送室59と、複数のチ
ャンバ61a〜61gと、ロード/アンロード室57及
びチャンバ61a〜61gの設置個数に対応して設けら
れた複数のアーム機構63a〜63hとを備えた構成の
装置が用いられる。
【0032】搬送室59は、真空状態に保たれており、
その中心Oにアーム機構63a〜63hが時計方向(又
は反時計方向)に回転可能に取付けられている。そし
て、搬送室59の外周部には、ロード/アンロード室5
7及び複数のチャンバ61a〜61gが接続されてい
る。
【0033】アーム機構63a〜63hは、それらの先
端に、夫々図10に示すような構成の基板53(55)
が配置されるキャリア69a〜69hが取付けられてお
り、各アーム機構63a〜63hは、半径方向に伸縮が
自在なように構成されている。
【0034】ロード/アンロード室57は、パレット4
7に隣接して設けられている。このロード/アンロード
室57では、パレット47上の基板53(又は55)
が、アーム機構(63a〜63hのいずれか)の伸長に
よって室57内に臨んでいるキャリア(69a〜69h
のいずれか)に配置される。また、各チャンバ61a〜
61gを経て成膜された後の基板53(55)を配置し
たキャリア(69a〜69hのいずれか)が室57内に
臨んでいるときは、上記基板53(55)はキャリア
(69a〜69hのいずれか)から降ろされる。
【0035】各チャンバ61a〜61gは、真空状態に
置かれており、各チャンバ61a〜61g内には、キャ
リア69a〜69h上の基板53(又は55)に積層状
に成膜するために夫々図9に示すようなターゲット65
a〜65gが設けられている。基板53(55)上への
成膜に際しては、アーム機構63a〜63hが伸びて基
板53(55)を配置したキャリア69a〜69hが各
チャンバ61a〜61g内に進入する。この成膜過程の
詳細については後述する。
【0036】図9は、図8に示した各チャンバの構成を
示す断面図である。
【0037】各チャンバ61a〜61gは、上述した各
部の他に、各チャンバ内の空気を排気して真空状態にす
る真空ポンプ71a〜71gと、真空状態の各チャンバ
内に、1パスカル(大気圧は101300パスカル)程
度の圧力になるまでAr(アルゴン)ガスを導入するガ
ス導入口73a〜73gとを更に備える。ターゲット6
5a〜65gには、複数層の薄膜が各基板53又は55
上に積層状に成膜されるよう、例えばシリコンが用いら
れる。
【0038】各ターゲット65a〜65gは、各チャン
バ61a〜61g本体との間に直流電源75a〜75g
から負の直流電圧が印加されている。各ターゲット65
a〜65gは、アーム機構63a〜63gにより保持さ
れて各チャンバ61a〜61g内に臨んでいる各キャリ
ア69a〜69gとの間で上記電圧印加に起因するグロ
ー放電77a〜77gが発生可能な位置に設けられる。
即ち、グロー放電77a〜77gの発生により、Arガ
スの粒子がターゲット65a〜65gに衝突し、これに
よりターゲット65a〜65gの原子(即ち、シリコン
の原子)が弾き出されて基板53又は55に膜として付
着することにより成膜が行われる。
【0039】ここで、4層分の成膜を行うのに7個のチ
ャンバを備えたスパッタ装置39を用いる理由は、基板
に最初に形成される誘電体膜が他の薄膜より厚いため
に、誘電体膜を、その成膜が律速しないよう、3つのチ
ャンバで成膜したり、最後に形成される反射膜を2つの
チャンバに分けて成膜したりするためである。
【0040】図10は、これら基板53(又は55)が
4枚配置された状態の円形状のキャリア69a〜69g
を示す。図10において、各キャリア69a〜69gに
は、基板53又は55のいずれか一方のみが配置され、
同一のキャリアに2種類の基板が混ざった状態で配置さ
れることはない。この理由については既に説明した通り
であるので、ここでの説明は省略する。
【0041】なお、スパッタ装置39にも、ローカル制
御装置(図示しない)が内蔵されている。このローカル
制御装置は、中央制御装置51との間で上述した各キャ
リア69a〜69gに対する基板53(55)のロード
/アンロード、アーム機構63a〜63gの回転や伸縮
等、スパッタ装置39の各部を制御するのに必要な各種
制御情報の授受を行う。また、このローカル制御装置
は、成形機31で成形された基板53の成膜条件デー
タ、及び成形機33で成形された基板55の成膜条件デ
ータを予め記憶しており、中央制御装置51を通じて与
えられる成膜の対象となる基板の識別情報に基づき成膜
条件を決定して成膜を行うよう構成されている。
【0042】ロボット45、49及びスパッタ装置39
が夫々内蔵するローカル制御装置(図示しない)は、い
ずれも中央制御装置51の制御下で、既述のように各々
の制御対象を制御する。
【0043】即ち、中央制御装置51は、ロボット45
の可変するサイクルタイム動作を基準に、夫々のローカ
ル制御装置(図示しない)を通じてロボット49のサイ
クルタイム動作や各キャリア69a〜69gに対する基
板53(55)のロード/アンロード、アーム機構63
a〜63gの回転や伸縮等の制御を行う。
【0044】中央制御装置51は、スパッタ装置39の
ローカル制御装置(図示しない)から基板53(55)
が所定枚数供給されていない旨の通知があったときは、
スパッタ装置39自身の短いサイクルタイムで運転を継
続しつつロボット45からの基板53(55)の取込み
をキャンセルすべき旨、上記ローカル制御装置に通知す
る。これにより、基板53(55)が配置されない状態
でアーム機構63a〜63gが1工程分だけ駆動するこ
ととなる。
【0045】このような制御が行われる理由は、本実施
形態に係るシステムでは、基板53(55)の脱ガス工
程を省いたので、成形工程と成膜工程との間の待機時間
を長くとれない(後述するように6分間が限度)ためで
ある。しかも、スパッタ装置39の成膜のサイクルタイ
ム動作の方が、成形機31、33の成形のサイクルタイ
ム動作よりも早いために、仮に成形機31、33からの
基板53(55)の所定数の供給が間に合わなくとも、
所定数供給されるまでの間運転を継続しつつ、成膜工程
を省略しても作業効率の低下を心配する必要がないから
である。
【0046】ここで、成形機31で成形された基板53
の成膜条件、及び成形機33で成形された基板55の成
膜条件を決定する基礎となる各種データを、図11、図
12、及び図13を参照して説明する。上述した成膜条
件は、例えば誘電体の膜厚(オングストローム)―反射
率(%)特性(図11参照)や、ディスクの記録パワー
(mW)―ブロックエラー特性(図12参照)や、ディ
スクのラジアルコントラスト―反射率(%)(記録パワ
ー(mW))特性(図13参照)等に基づいて決定され
る。これらについては後に図11〜図14を参照して説
明する。
【0047】図11は、図6で示した4層の薄膜におい
て、第1の誘電体膜81の膜厚を800オングストロー
ムに、記録膜(MO膜)83の膜厚を250オングスト
ロームに、反射膜87の膜厚を500オングストローム
に夫々設定して第2の誘電体膜85の膜厚を可変したと
きの反射率の変化を示す。図から、第2の誘電体膜85
の膜厚を厚くするにつれて反射率が次第に低下していく
のが分かる。
【0048】図12は、図6に示す4層の薄膜におい
て、第1の誘電体膜81、記録膜83及び第2の誘電体
膜85の膜厚を固定して反射膜87の膜厚を可変したと
きのブロックエラー(ディスクに記録された情報の再生
エラー)の発生数と記録パワー(ディスクへの情報書込
みに要する消費電力)との関係を示した図である。即
ち、このデータは、第1の誘電体膜81の膜厚を800
オングストロームに、記録膜83の膜厚を250オング
ストロームに、第2の誘電体膜85の膜厚を200オン
グストロームに夫々設定し、反射膜87の膜厚を450
オングストローム、500オングストローム、550オ
ングストロームに可変してブロックエラーの発生数と記
録パワー(mW)との関係をサンプリングした結果得ら
れたデータである。
【0049】図12において、曲線89は、反射膜87
の膜厚を450オングストロームに設定したときのブロ
ックエラーの発生数と記録パワーとの関係を示す。ま
た、曲線91は、反射膜87の膜厚を500オングスト
ロームに設定したときのブロックエラーの発生数と記録
パワーとの関係を示す。更に、曲線93は、反射膜87
の膜厚を550オングストロームに設定したときのブロ
ックエラーの発生数と記録パワーとの関係を示す。
【0050】ここで、コンパクトディスク(以下、「C
D」で表わす)やミニディスク(以下、「MD]で表わ
す)の場合、ブロックエラーの発生数が220以下であ
れば実用上問題がないとされる。よって、仮に記録パワ
ーを消費電力節約の面から最小値(以下、「PL」で表
わす)としてディスク面上にピットやグルーブを形成す
るとして、反射膜87の膜厚を450オングストローム
に設定したときはPL=3.38mW以上にすれば良い
ことが図から分かる。また、膜厚を500オングストロ
ームに設定したときはPL=3.51mW以上にすれば
良いことが図から分かる。更に、膜厚を550オングス
トロームに設定したときはPL=3.64mW以上にす
れば良いことが図から明らかとなる。なお、図12のデ
ータを得るに当っての測定条件は、半径24mmで、記
録磁界の強度が200e(エルステッド)である。
【0051】図13は、図6に示す4層の薄膜におい
て、各薄膜の膜厚を同一に設定したときの、基板のラジ
アルコントラストと反射率(%)及びPL(mW)との
関係を示した図である。
【0052】成形機31で成形された基板53と、成形
機33で成形された基板55とでは、夫々の成形機で用
いられるスタンパが相違し、また、射出成形の転写性も
相違する。そのため、上記基板53、55間では、ディ
スク面(基板面)上に刻まれるピットやグルーブの形状
を表わすパラメータの1つであるラジアルコントラスト
が相違することとなる。このようにラジアルコントラス
トが相違すると、4層の薄膜の各々の膜厚を同一に設定
しても反射率(%)及びPL(mW)の値が相違するこ
ととなる。この関係を示したのが図13である。
【0053】図13において、曲線95は、4層の薄膜
の各々の膜厚を同一に設定したときのラジアルコントラ
ストとPL値(mW)との関係を示す。また、曲線97
は、4層の薄膜の各々の膜厚を同一に設定したときのラ
ジアルコントラストと反射率(%)との関係を示す。こ
こで、ラジアルコントラストが高い基板の場合には、P
L値を下げて反射率を上げるよう、また、ラジアルコン
トラストが低い基板の場合には、PL値を上げて反射率
を下げるよう、夫々図6で示した第2の誘電体膜85
や、反射膜87の膜厚を可変する必要があることが分か
る。
【0054】上述したような観点から、スパッタ装置3
9のローカル制御装置(図示しない)に記憶される成形
機31で成形された基板53の成膜条件と、成形機33
で成形された基板55の成膜条件とが決定される。
【0055】図14は、同一の成形機で成形された基板
が成膜工程に移行するまでの待機時間とディスク特性と
の関係を示す。
【0056】図14において、曲線99は、基板の上記
待機時間と光ディスクの記録信号を評価する標準的な指
標であるC/Nとの関係を示す。また、曲線101は、
基板の上記待機時間と反射率(%)との関係を示す。こ
の図に示したデータから、本発明者は上記待機時間が6
分までなら問題を生じないと判断したものである。な
お、図14のデータを得るに当っての測定条件は、記録
パワーが4.5mW、記録磁界の強度が3000e(エ
ルステッド)である。
【0057】次に、上述した中央制御装置51の制御動
作を、図15のフローチャートを参照して説明する。
【0058】まず、ロボット45のローカル制御装置か
ら、コンベア35に基板53が4枚載置されている旨の
通知があったかどうかをチェックする(ステップS11
1)。このチェックの結果、通知があったことを確認す
ると、ロボット45のローカル制御装置を通じてロボッ
ト45を制御し、4枚の基板53をパレット47及びロ
ード/アンロード室57を介してキャリア69a〜69
gのいずれかに配置する(ステップS112)。そし
て、この基板53を成形機31の成膜条件で成膜するよ
う、スパッタ装置39のローカル制御装置に通知する
(ステップS113)。
【0059】一方、ステップS111でのチェックの結
果、通知がなかったことを確認すると、ロボット45の
ローカル制御装置から、コンベア37に基板55が4枚
載置されている旨の通知があったかどうかを改めてチェ
ックする(ステップS114)。このチェックの結果、
通知があったことを確認すると、ロボット45のローカ
ル制御装置を通じてロボット45を制御し、4枚の基板
55をパレット47及びロード/アンロード室57を介
してキャリア69a〜69gのいずれかに配置する(ス
テップS115)。そして、この基板55を成形機33
の成膜条件で成膜するよう、スパッタ装置39のローカ
ル制御装置に通知する(ステップS116)。なお、ス
テップS114でのチェックの結果、通知がなかったこ
とを確認すると、ステップS111に移行する。
【0060】以上説明したように、本発明の第1の実施
形態によれば、成形機とスパッタ装置との間のラインバ
ランスを良好に保持でき、且つ、成膜条件の相違する基
板に対応した成膜を行うことが可能である。
【0061】図16は、本発明の第1の実施形態のスパ
ッタ装置の変形例を示すブロック図である。
【0062】本変形例に係るスパッタ装置は、図示のよ
うに、ロード室123と、複数のチャンバ125a〜1
25dと、アンロード室127とが連続した構成の帯状
の装置121が用いられる。このスパッタ装置121
は、上記各部に加えて、レール129と、ターゲット1
31a〜131dと、バルブ133a〜133eと、図
10に示したような構成の複数のキャリア69a〜69
dとを更に備える。
【0063】レール129は、複数のキャリア69a〜
69dをロード室123からチャンバ125a〜125
dを通してアンロード室127にガイドすべく敷設され
ている。ロード室123は、図7で示したパレット47
に隣接して設置されている。ロード室123では、パレ
ット47上の基板53(又は55)が、ロード室123
内で待機しているキャリア69a〜69d上に配置され
る。各チャンバ125a〜125dは、真空状態に置か
れており、各チャンバ内には、キャリア69a〜69d
上の基板53(又は55)に積層状に成膜するために夫
々ターゲット131a〜131dが設けられている。更
に、各チャンバ125a〜125dの仕切り壁には、キ
ャリア69a〜69dが移動する際に開動作するバルブ
133a〜133eが設けられている。アンロード室1
27では、各チャンバ125a〜125dを経て4層の
薄膜が積層状に成膜された基板53(又は55)が、キ
ャリア69a〜69d上から取り外される。
【0064】図17は、本発明の第2の実施形態に係る
光ディスク製造システムの全体構成を示すブロック図で
ある。
【0065】本実施形態に係るシステムでは、成形機3
1に対応するコンベア135、成形機33に対応するコ
ンベア137を、夫々4枚の基板53又は55が載置で
きる大きさのパレット147、149を搬送可能とし、
ロボット141、143もパレット147、149を把
持可能な構成とした。そして、更にスパッタ装置139
のロード/アンロード室(図示しない)についても、パ
レット147、149の搬入/搬出が可能に構成したも
のである。上記以外の構成については、図7に示したも
のと同一であるので、それらの説明は省略する。
【0066】本実施形態に係るシステムにおいても、第
1の実施形態に係るシステムにおけると同様の効果を奏
し得るものである。
【0067】図18は、本発明の第2の実施形態の変形
例に係る光ディスク製造システムの各部の制御動作を示
すフローチャートである。
【0068】本変形例では、図17に示したスパッタ装
置139側で何らかのトラブルが発生してスパッタ装置
139の運転を停止したときでも、成形機31、33、
ロボット41、43、141、143、コンベア13
5、137についてはそのまま運転を継続する制御を行
なうこととした。その理由は、スパッタ装置139の運
転停止に合せて成形機31、33も運転停止すると、運
転停止の前後でディスク基板53、55の特性が微妙に
変化し、停止前の状態と同一特性のディスク基板53、
55に造り込むには成形機31、33を数10分程度、
成形条件の調整運転をする必要が生じるからである。
【0069】以下、本変形例に係る制御動作を図18を
参照して説明する。
【0070】まず、成形機31、33、ロボット41、
43、141、143、コンベア135、137、及び
スパッタ装置139を起動し(ステップS131)、ス
パッタ装置139において何らかのトラブルが発生した
か否かをチェックする。このチェックは、スパッタ装置
139の各部の状態を検知するためのセンサ群(図示し
ない)からスパッタ装置139のローカル制御装置(図
示しない)を通じて与えられるセンサ情報を中央制御装
置145が読込むことによって行なわれる(ステップS
132)。このチェックの結果、スパッタ装置139に
トラブルが発生したことを確認すると、中央制御装置1
45は上記ローカル制御装置を介してスパッタ装置13
9の運転を停止させる。一方、成形機31、33、ロボ
ット41、43、141、143については、そのまま
運転を継続させる(ステップS133)。
【0071】次に、ロボット41(43)によって成形
機31(33)から取出され、コンベア135(13
7)上のパレット147(149)に載置されてからロ
ボット141によってパレット147(149)から取
込まれるまでの時間が所定時間を超えたディスク基板5
3(55)があるか否かをチェックする。本変形例にお
いては、この所定時間は6分間に設定されている。この
チェックは、ロボット41(43)、141の状態を検
知するセンサ群から各ロボットのローカル制御装置(図
示しない)を通じて与えられるセンサ情報を中央制御装
置145が読込むことによって行なわれる(ステップS
134)。このチェックの結果、上記所定時間を超えた
ディスク基板53(55)があることを確認すると、ロ
ボット141のローカ制御装置(図示しない)を介して
ロボット141を制御し、上記ディスク基板53(5
5)をスパッタ装置139以外の箇所に運ばせる(ステ
ップS136)。
【0072】ステップS134でのチェックの結果、上
記所定時間を超えたディスク基板53(55)が無いこ
とを確認すると、パレット147(149)上に滞留し
ているディスク基板53(55)の枚数が所定枚数を超
えたか否かをチェックする。本変形例においては、この
所定枚数は10〜20枚程度に設定されている。このチ
ェックは、例えばロボット141のローカル制御装置か
ら与えられるディスク基板53(55)取込数データ
と、ロボット41(43)のローカル制御装置から与え
られるディスク基板53(55)取出数データとを中央
制御装置145が読込んで両者の差分を求めることによ
って行なわれる(ステップS135)。このチェックの
結果、上記所定枚数を超えたディスク基板53(55)
があることを確認すると、ロボット143を制御し、上
記ディスク基板53(55)をスパッタ装置139以外
の箇所に運ばせる(ステップS136)。
【0073】このようにして、スパッタ装置139以外
の箇所に運ばれたディスク基板53(55)に対しスパ
ッタ装置139による成膜を実施する場合には、これら
ディスク基板53(55)を脱ガス工程にかけた後に
(ステップS137)、スパッタ装置139のトラブル
が解消したか否かをチェックする(ステップS13
8)。このチェックの結果、解消したと判断した場合に
は、スパッタ装置139を再起動し、上記ディスク基板
53(55)をスパッタ装置139に運ぶ(ステップS
139)。ここで、スパッタ装置139以外の箇所に運
ばれたディスク基板53(55)に対し成膜を実施しな
い場合には、これらディスク基板53(55)に対し廃
棄処理を行なうこととなる(ステップS140)。な
お、ステップS132において、スパッタ装置139に
トラブルが発生していないことを確認すると、通常の処
理動作が実行される(ステップS141)。
【0074】上述した制御を行なうことにより、スパッ
タ装置139側でトラブルが発生しても成形機31、3
3側を連続運転したまま、脱ガス工程が必要なディスク
基板53(55)(即ち、上記所定時間又は所定枚数を
超えたディスク基板53(55))と不必要なディスク
基板53(55)とを分離することが可能となる。な
お、ここでの所定時間と所定枚数については、夫々の光
ディスク製造システム毎に決められるものであるが、本
変形例の光ディスク製造システムにおいては、所要時間
を約6分に、所要枚数を10から20枚程度に設定し
た。
【0075】上述した内容はあくまで本発明の各実施形
態に関するものであって、本発明が上記内容のみに限定
されるものであることを意味しないのは勿論である。例
えば上記各実施形態では、キャリア69a〜69gに配
置される基板53(55)の数を4個にして説明した
が、4個のみに限定されるものではなく、3個であって
もよい。また、成形機31(33)やコンベア35(3
7)、135(137)の設置台数も2台に限定されな
い。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
成形機とスパッタ装置との間のラインバランスを良好に
保持でき、且つ、成膜条件の相違する基板に対応した成
膜を行うことが可能な光ディスク製造システムを提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光ディスク製造システムのブロック図。
【図2】従来のスパッタ装置のキャリアを示す説明図。
【図3】図2と別の従来のスパッタ装置のキャリアを示
す説明図。
【図4】従来のスパッタ装置のコンパクト化されたキャ
リアを示す説明図。
【図5】図4のキャリアにおいて規格外のディスクが製
造される理由を示す説明図。
【図6】本発明に従う光ディスク製造システムのスパッ
タ装置により成膜された後の基板の断面構造を示す図。
【図7】本発明の第1の実施形態の光ディスク製造シス
テムのブロック図。
【図8】図7のスパッタ装置の概要を示すブロック図。
【図9】図7のスパッタ装置の概要を示すブロック図。
【図10】図7のスパッタ装置が備える、基板が4枚配
置されたキャリアを示す図。
【図11】誘電体膜の膜厚―反射率特性を示す図。
【図12】反射膜の膜厚のみを可変したときのブロック
エラーの発生数と記録パワーとの関係を示した図。
【図13】ラジアルコントラストと、反射率及び記録パ
ワー特性を示す図。
【図14】同一成形機からの基板が成膜されるまでの待
機時間とディスク特性との関係を示す図。
【図15】図7の中央制御装置の制御動作のフローチャ
ート。
【図16】第1の実施形態のスパッタ装置の変形例のブ
ロック図。
【図17】第2の実施形態の光ディスク製造システムの
ブロック図。
【図18】第2の実施形態の変形例に係る光ディスク製
造システムの各部の制御動作のフローチャート。
【符号の説明】
31、33 成形機 35、37、135、137 コンベア 39、139 スパッタ装置 41、43、45、49、141、143 ロボット 47、147、149 パレット 51、145 中央制御装置 53、55 基板 57 ロード/アンロード室 59 搬送室 61 真空チャンバ 63 アーム機構 65 ターゲット 69 キャリア 75 直流電源

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々固有のサイクルタイムで駆動して与
    えられた成形材料をディスク基板に成形する複数の成形
    機と、 前記各成形機に設けられ、対応する成形機で成形された
    ディスク基板を前記各成形機から取出す複数のディスク
    基板取出装置と、 前記各ディスク基板取出装置に設けられ、対応するディ
    スク基板取出装置で取出されたディスク基板を搬送する
    複数の搬送装置と、 前記各搬送装置で搬送中のディスク基板を、夫々の搬送
    装置に対応する成形機のサイクルタイムに同期して所定
    数ずつ取出す取出装置と、 前記取出装置から供給されるディスク基板を、前記取出
    装置のサイクルタイムに同期して受け入れることによ
    り、同一の成形機で成形された複数枚のディスク基板を
    纏めて取込み、前記成形機毎に決められた成膜条件に基
    づいて前記ディスク基板に成膜するスパッタ装置と、 を備えることを特徴とする光ディスク製造システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光ディスク製造システム
    において、 前記スパッタ装置の単位時間当りのディスク基板処理能
    力は、前記各成形機の単位時間当りのディスク基板処理
    能力より多く設定されており、前記スパッタ装置は、前
    記取出装置からのディスク基板の供給数が所定枚数に満
    たない間は、前記単位時間当りのディスク基板処理能力
    に従って運転を継続しつつ前記取出装置からのディスク
    基板の取込みをキャンセルすることを特徴とする光ディ
    スク製造システム。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の光ディスク製造システム
    において、 前記各成形機から前記ディスク基板取出装置がディスク
    基板を取出してから、前記各搬送装置で搬送し、前記取
    出装置が前記ディスク基板を取込むまでの時間が所定時
    間を超えた時、或いは、前記各搬送装置に滞留する前記
    ディスク基板の枚数が所定枚数を超えた時には、前記所
    定時間を超えた前記ディスク基板、或いは、前記所定枚
    数を超えた前記ディスク基板を、前記取出装置によって
    通常の取込む場所とは別の場所に取込むことを特徴とす
    る光ディスク製造システム。
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