JP2001056909A - 磁気変換素子、薄膜磁気ヘッドおよびそれらの製造方法 - Google Patents

磁気変換素子、薄膜磁気ヘッドおよびそれらの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抵抗変化を大きくすることができ、且つ適切
な保磁力を得ることができる磁気変換素子、薄膜磁気ヘ
ッドおよびそれらの製造方法を提供する。 【解決手段】 スピンバルブ膜である積層体2は、下地
層21の上に第1軟磁性層22、第2軟磁性層23、非
磁性金属層24、強磁性層25、反強磁性層26および
保護層27を順次積層することにより構成されており、
強磁性層25の磁化の向きと第1および第2軟磁性層2
2,23の磁化の向きとの相対角度に応じて電気抵抗が
変化するようになっている。第1軟磁性層22中には、
磁性を有し且つ第1軟磁性層22よりも電気抵抗が大き
い軟磁性層間層28が設けられている。積層体2中を電
流が流れる際、電子が軟磁性層間層28の表面で反射さ
れるため、それだけ電子の通路が狭められ、従って抵抗
変化率が大きくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気変換素子、そ
れを用いた薄膜磁気ヘッドおよびそれらの製造方法に関
するものであり、より詳細には、より良好な抵抗変化率
を得ることができる磁気変換素子、薄膜磁気ヘッドおよ
びそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハードディスクなどの面記録密度
の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められ
ている。薄膜磁気ヘッドとしては、磁気変換素子の一つ
である磁気抵抗効果素子(以下、MR(Magnetoresisti
ve)素子と記す)を有する再生ヘッドと、誘導型磁気変
換素子を有する記録ヘッドとを積層した構造の複合型薄
膜磁気ヘッドが広く用いられている。
【0003】MR素子としては、異方性磁気抵抗効果
(AMR(Anisotropic Magnetoresistive)効果)を示
す磁性膜(AMR膜)を用いたAMR素子と、巨大磁気
抵抗効果(GMR(Giant Magnetoresistive)効果)を
示す磁性膜(GMR膜)を用いたGMR素子などがあ
る。
【0004】AMR素子を用いた再生ヘッドはAMRヘ
ッドと呼ばれ、GMR素子を用いた再生ヘッドはGMR
ヘッドと呼ばれる。AMRヘッドは、面記録密度が1G
bit/inch2 超える再生ヘッドとして利用され、
GMRヘッドは、面記録密度が3Gbit/inch2
を超える再生ヘッドとして利用されている。
【0005】ところで、GMR膜としては、「多層型
(アンチフェロ型)」、「誘導フェリ型」、「グラニュ
ラ型」、「スピンバルブ型」等が提案されている。これ
らの中で、比較的構成が単純で、弱い磁場でも大きな抵
抗変化を示し、量産に好ましいと考えられるGMR膜
は、スピンバルブ型である。
【0006】図19は、一般のスピンバルブ型GMR膜
(以下、スピンバルブ膜と記す)の構成を表すものであ
る。図中符号Sで示した面は磁気記録媒体と対向する面
に対応する。このスピンバルブ膜は、下地層91の上
に、軟磁性材料からなる軟磁性層92、非磁性材料から
なる非磁性層94、強磁性材料からなる強磁性層95、
反強磁性材料からなる反強磁性層96および保護層97
をこの順に積層して構成したものである。強磁性層95
と反強磁性層96の界面では交換結合が生じ、これによ
り強磁性層95の磁化Mpの向きが一定の方向に固定さ
れる。一方、軟磁性層92の磁化Mfの向きは、外部磁
場によって自由に変化する。
【0007】強磁性層95,非磁性層94および軟磁性
層92には例えばバイアス磁場Hbの方向に直流電流が
流されているが、この電流は、軟磁性層92の磁化Mf
の向きと強磁性層95の磁化Mpの向きとの相対角度に
応じた抵抗を受ける。信号磁場を受けると、軟磁性層9
2の磁化Mfの向きが変化し、スピンバルブ膜の電気抵
抗が変化する。この抵抗の変化は、電圧の変化として検
出される。近年、20Gbit/inch2 を越える超
高密度磁気記録を可能にするために、この抵抗の変化率
(MR変化率とも言う)をより大きくすることが望まれ
ている。
【0008】そこで、文献"CoFe specular spin valves
with a nano oxide layer", 1999Digests of INTERMAG
99, published by May 18, 1999では、スピンバルブ膜
の強磁性層にNOL層と呼ばれる酸化層を設けることに
よって抵抗変化率を改善したとの報告がなされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
文献には、NOL層と呼ばれる酸化層の材質や膜厚につ
いては、何も述べられていない。また、強磁性層のどこ
にNOL層を形成したのかについても明らかにされてい
ない。更に、抵抗変化率以外の他の特性との関係につい
ても不明である。
【0010】特に、上記の公知文献では軟磁性層の保磁
力が14(Oe:エルステッド)であり、一般のスピン
バルブ膜における保磁力の許容限界である3(Oe)よ
りも大きいことから繰り返し精度が低下してしまうとい
う問題がある。
【0011】本発明は、かかる問題点に鑑みて成された
もので、その目的は、抵抗変化率を大きくすることがで
き且つ他の特性についても良好な値を得ることができる
磁気変換素子、薄膜磁気ヘッド、およびそれらの製造方
法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による磁気変換素
子は、一対の対向する面を有する非磁性層と、非磁性層
の一方の面側に形成された軟磁性層と、非磁性層の他方
の面側に形成された強磁性層と、強磁性層の非磁性層と
は反対の側に形成された反強磁性層とを含んで構成さ
れ、軟磁性層の中に設けられると共に、磁性を有し且つ
軟磁性層よりも電気抵抗が大きい軟磁性層間層を備えた
ものである。
【0013】本発明による磁気変換素子では、軟磁性層
よりも高抵抗の軟磁性層間層が軟磁性層の中に存在する
ので、検出電流が磁気変換素子中を流れる際に、この軟
磁性層間層によって電子が反射され、電子の移動する経
路が制限される。その結果、抵抗変化率が大きくなる。
また、軟磁性層間層は磁性を有しているので、信号磁場
などの外部磁場に応じて、軟磁性層間層を挟んで対向す
る軟磁性層の2つの部分のそれぞれの磁化が一緒に一体
となって変化する。
【0014】なお、本発明による磁気変換素子では、軟
磁性層の厚さをTn とし、非磁性層と軟磁性層間層との
間の距離をD1 とすると、0.3Tn ≦D1 <Tn の関
係が成立していることが望ましい。また、非磁性層と軟
磁性層間層との間の距離は、1nm以上8nm未満であ
ることが望ましい。更に、軟磁性層がNi(ニッケ
ル),Co(コバルト),Fe(鉄),Ta(タンタ
ル),Cr(クロム),Rh(ロジウム),Mo(モリ
ブデン)およびNb(ニオブ)からなる群のうちの少な
くともNiを含む第1軟磁性層と、Ni,CoおよびF
eからなる群のうちの少なくともCoを含む第2軟磁性
層とを有する場合には、軟磁性層間層は第1軟磁性層の
中に設けられることが望ましい。
【0015】加えて、強磁性層の中に、磁性を有し且つ
強磁性層よりも電気抵抗が大きい強磁性層間層を設ける
ようにしても良い。このように構成すれば、検出電流が
磁気変換素子中を流れる際に、軟磁性層中の軟磁性層間
層と強磁性層中の強磁性層間層によって電子の移動する
経路がさらに制限され、抵抗変化率がさらに大きくな
る。なお、この場合、強磁性層の厚さをTk とし、非磁
性層と強磁性層間層との間の距離をD2 とすると、0.
2Tk ≦D2 ≦0.8Tk の関係が成立していることが
望ましい。また、非磁性層と強磁性層間層との間の距離
は、0.6nm以上3.6nm以下であることが望まし
い。
【0016】本発明による他の磁気変換素子は、一対の
対向する面を有する非磁性層と、非磁性層の一方の面側
に形成された軟磁性層と、非磁性層の他方の面側に形成
された強磁性層と、強磁性層の非磁性層とは反対の側に
形成された反強磁性層とを含んで構成され、強磁性層の
中に設けられると共に、磁性を有し且つ強磁性層よりも
電気抵抗が大きい強磁性層間層を備え、強磁性層の層厚
をD2 とし、非磁性層と強磁性層間層との間の距離をT
k とすると、0.2Tk ≦D2 ≦0.8Tk の関係が成
立するようにしたものである。
【0017】本発明による更に他の磁気変換素子は、一
対の対向する面を有する非磁性層と、非磁性層の一方の
面側に形成された軟磁性層と、非磁性層の他方の面側に
形成された強磁性層と、強磁性層の非磁性層とは反対の
側に形成された反強磁性層とを含んで構成され、強磁性
層の中に設けられると共に、磁性を有し且つ強磁性層よ
りも電気抵抗が大きい強磁性層間層を備え、非磁性層と
強磁性層間層との間の距離が0.6nm以上3.6nm
以下のものである。
【0018】本発明による他の磁気変換素子および更に
他の磁気変換素子では、検出電流が磁気変換素子中を流
れる際に、強磁性層の中に設けられた強磁性層間層によ
って電子が反射され、電子の移動する経路が制限される
ので、抵抗変化率が大きくなる。また、強磁性層間層が
磁性を有しているので、強磁性層間層を挟んで対向する
強磁性層の2つの部分のそれぞれの磁化が、反強磁性層
との交換結合により共に固定される。
【0019】本発明による薄膜磁気ヘッドは、本発明に
よる磁気変換素子を備えたものである。
【0020】本発明による磁気変換素子の製造方法は、
一対の対向する面を有する非磁性層と、非磁性層の一方
の面側に形成された軟磁性層と、非磁性層の他方の面側
に形成された強磁性層と、強磁性層の非磁性層とは反対
の側に形成された反強磁性層とを含む磁気変換素子を製
造するものであって、軟磁性層の中に軟磁性層よりも電
気抵抗が大きく且つ磁性を有する軟磁性層間層を形成す
る工程を含んでいる。
【0021】なお、本発明による磁気変換素子の製造方
法では、軟磁性層の一部を酸化、窒化、または酸化およ
び窒化することにより軟磁性層間層を形成するようにし
ても良い。
【0022】本発明による他の磁気変換素子の製造方法
は、一対の対向する面を有する非磁性層と、非磁性層の
一方の面側に形成された軟磁性層と、非磁性層の他方の
面側に形成された強磁性層と、強磁性層の非磁性層とは
反対の側に形成された反強磁性層とを含む磁気変換素子
を製造するものであって、強磁性層の中に強磁性層より
も電気抵抗が大きく且つ磁性を有する強磁性層間層を形
成する工程を含むと共に、強磁性層の厚さをTk とし、
非磁性層と強磁性層間層との間の距離をD2 とすると、
0.2Tk ≦D2 ≦0.8Tk の関係が成立する位置に
強磁性層間層を形成するものである。
【0023】本発明による更に他の磁気変換素子の製造
方法は、一対の対向する面を有する非磁性層と、非磁性
層の一方の面側に形成された軟磁性層と、非磁性層の他
方の面側に形成された強磁性層と、強磁性層の非磁性層
とは反対の側に形成された反強磁性層とを含む磁気変換
素子を製造するものであって、強磁性層の中に強磁性層
よりも電気抵抗が大きく且つ磁性を有する強磁性層間層
を形成する工程を含むと共に、非磁性層と強磁性層間層
との間の距離が0.6nm以上3.6nm以下となる位
置に強磁性層間層を形成するものである。
【0024】なお、本発明による他の磁気変換素子の製
造方法および更に他の磁気変換素子の製造方法では、強
磁性層の一部を酸化、窒化、または酸化および窒化する
ことにより強磁性層間層を形成するようにしても良い。
【0025】本発明による薄膜ヘッドの製造方法は、磁
気変換素子を形成する工程において、本発明による磁気
変換素子の製造方法を用いるようにしたものである。
【0026】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態] <MR素子および薄膜磁気ヘッドの構成>最初に、図1
ないし図7を参照して、本発明の第1の実施の形態に係
る磁気変換素子の一具体例であるMR素子およびそれを
用いた薄膜磁気ヘッドの構成について説明する。
【0027】図1は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ド100を備えたアクチュエータアーム200の構成を
表すものである。このアクチュエータアーム200は、
例えば、図示しないハードディスク装置などで用いられ
るものであり、薄膜磁気ヘッド100が形成されたスラ
イダ210を有している。このスライダ210は、例え
ば、支軸220により回転可能に支持された腕部230
の先端に搭載されている。この腕部230は、例えば、
図示しないボイスコイルモータの駆動力により回転する
ようになっており、これによりスライダ210がハード
ディスクなどの磁気記録媒体300の記録面(図1にお
いては記録面の下面)に沿ってトラックラインを横切る
方向xに移動するようになっている。なお、磁気記録媒
体300は、例えば、スライダ210がトラックライン
を横切る方向xに対してほぼ直交する方向zに回転する
ようになっており、このような磁気記録媒体300の回
転およびスライダ210の移動により磁気記録媒体30
0に情報が記録され、または記録された情報が読み出さ
れるようになっている。
【0028】図2は、図1に示したスライダ210の構
成を表すものである。このスライダ210は、例えば、
Al2 3 ・TiC(アルティック)よりなるブロック
状の基体211を有している。この基体211は、例え
ば、ほぼ六面体状に形成されており、そのうちの一面が
磁気記録媒体300(図1参照)の記録面に近接して対
向するように配置されている。この磁気記録媒体300
の記録面と対向する面はエアベアリング面(ABS)2
11aと呼ばれ、磁気記録媒体300が回転する際に
は、磁気記録媒体300の記録面とエアベアリング面2
11aとの間に生じる空気流により、スライダ210が
記録面との対向方向yにおいて記録面から離れるように
微少量移動し、エアベアリング面211aと磁気記録媒
体300との間に一定の隙間ができるようになってい
る。基体211のエアベアリング面211aに対する一
側面(図2においては左側の側面)には、薄膜磁気ヘッ
ド100が設けられている。
【0029】図3は、薄膜磁気ヘッド100の構成を分
解して表すものである。また、図4は、図3に示した矢
印IV方向から見た平面構造を表し、図5は、図4に示
したV−V線に沿った矢視方向の断面構造を表し、図6
は、図4に示したVI−VI線に沿った矢視方向すなわ
ち図5に示したVI−VI線に沿った矢視方向の断面構
造を表し、図7は、図6に示した構造の一部を取り出し
て表すものである。この薄膜磁気ヘッド100は、磁気
記録媒体300に記録された磁気情報を再生する再生ヘ
ッド部101と、磁気記録媒体300のトラックライン
に磁気情報を記録する記録ヘッド部102とが一体に構
成されたものである。
【0030】図3および図5に示したように、再生ヘッ
ド部101は、例えば、基体211の上に、絶縁層1
1,下部シールド層12,下部シールドギャップ層1
3,上部シールドギャップ層14および上部シールド層
15がエアベアリング面211aの側においてこの順に
積層された構造を有している。絶縁層11は、例えば、
積層方向の厚さ(以下、単に厚さと記す)が2μm〜1
0μmであり、Al2 3(アルミナ)により構成され
ている。下部シールド層12は、例えば、厚さが1μm
〜3μmであり、NiFe(ニッケル鉄合金:パーマロ
イ)などの磁性材料により構成されている。下部シール
ドギャップ層13および上部シールドギャップ層14
は、例えば、厚さがそれぞれ10nm〜100nmであ
り、Al2 3またはAlN(チッ化アルミニウム)に
よりそれぞれ構成されている。上部シールド層15は、
例えば、厚さが1μm〜4μmであり、NiFeなどの
磁性材料により構成されている。なお、この上部シール
ド層15は、記録ヘッド部102の下部磁極としての機
能も兼ね備えている。
【0031】また、下部シールドギャップ層13と上部
シールドギャップ層14との間には、スピンバルブ膜で
ある積層体20を含むMR素子110が埋設されてい
る。この再生ヘッド部101は、磁気記録媒体300か
らの信号磁界に応じて積層体20における電気抵抗が変
化することを利用して、磁気記録媒体300に記録され
た情報を読み出すようになっている。
【0032】この積層体20は、例えば、図6および図
7に示したように、下部シールドギャップ層13の上
に、下地層21,第1軟磁性層22,第2軟磁性層2
3,非磁性層24,強磁性層25,反強磁性層26およ
び保護層27がこの順に積層された構造を有している。
下地層21は、例えば、厚さが5nmであり、Taを含
んでいる。
【0033】第1軟磁性層22は、例えば、厚さが1n
m〜8nmであり、Ni,Co,Fe,Ta,Cr,R
h,MoおよびNbからなる群のうちの少なくともNi
を含む磁性材料により構成されている。具体的には、
[Nix Coy Fe100-(x+y)100-Z I Z により構
成されることが好ましい。式中、MI はTa,Cr,R
h,MoおよびNbのうちの少なくとも1種を表し、
x,y,zはそれぞれ原子%で75≦x≦90、0≦y
≦15、0≦z≦15の範囲内である。
【0034】第2軟磁性層23は、例えば、厚さが0.
5nm〜3nmであり、Ni,CoおよびFeからなる
群のうちの少なくともCoを含む磁性材料により構成さ
れている。具体的には、(111)面が積層方向に配向
しているCox Fey Ni100-(x+y) により構成される
ことが好ましい。式中、x,yはそれぞれ原子%で70
≦x≦100、0≦y≦25の範囲内である。なお、こ
れら第1軟磁性層22および第2軟磁性層23は共にフ
リー層とも言われる軟磁性層を構成しており、磁気記録
媒体300からの信号磁界に応じて磁界の向きが変化す
るようになっている。軟磁性層の厚さ、すなわち第1軟
磁性層22および第2軟磁性層23の厚さの合計は、例
えば、3nm〜8nmとされている。
【0035】非磁性層24は、例えば、厚さが1.8n
m〜3.0nmであり、Cu(銅),Au(金)および
Ag(銀)からなる群のうち少なくとも1種を80重量
%以上含む非磁性材料により構成されている。強磁性層
25は、例えば、厚さが2nm〜4.5nmであり、C
oおよびFeからなる群のうちの少なくともCoを含む
磁性材料により構成されている。この強磁性層25で
は、磁性材料の(111)面が積層方向に配向している
ことが好ましい。なお、この強磁性層25はピンド層と
も言われ、強磁性層25と反強磁性層26との界面にお
ける交換結合により、磁化の向きが固定されている。ち
なみに、本実施の形態ではy方向に固定されている。
【0036】反強磁性層26は、例えば、厚さが5〜3
0nmであり、Pt(白金),Ru(ルテニウム),R
h,Pd(パラジウム),Ni,Au,Ag,Cu,I
r(イリジウム),CrおよびFeからなる群のうちの
少なくとも1種MIIと、マンガン(Mn)とを含む反強
磁性材料により構成されている。このうちMnの含有量
は45原子%以上95原子%以下、その他の元素MII
含有量は5原子%以上65原子%以下であることが好ま
しい。この反強磁性材料には、熱処理しなくても反強磁
性を示し、強磁性材料との間に交換結合磁界を誘起する
非熱処理系反強磁性材料と、熱処理により反強磁性を示
すようになる熱処理系反強磁性材料とがある。この反強
磁性層26は、そのどちらにより構成されていてもよ
い。
【0037】なお、非熱処理系反強磁性材料にはγ相を
有するMn合金などがあり、具体的には、RuRhMn
(ルテニウムロジウムマンガン合金),FeMn(鉄マ
ンガン合金)あるいはIrMn(イリジウムマンガン合
金)などがある。熱処理系反強磁性材料には規則結晶構
造を有するMn合金などがあり、具体的には、PtMn
(白金マンガン合金),NiMn(ニッケルマンガン合
金)およびPtRhMn(白金ロジウムマンガン合金)
などがある。保護層27は、例えば、厚さが5nmであ
り、Taにより構成されている。
【0038】この積層体20では、また、第1軟磁性層
22が積層方向において第1下層22aと第1上層22
bとに分割されている。この第1下層22aと第1上層
22bとの間、すなわち第1軟磁性層22の中には、磁
性を有し且つ第1軟磁性層22よりも電気抵抗が大きい
軟磁性層間層28が設けられている。この軟磁性層間層
28は、検出電流が積層体20を流れる際に、電子eの
少なくとも一部を反射して電子eの移動する経路を制限
することにより、積層体20の抵抗変化率を大きくする
ためのものである。また本実施の形態では、このように
第1軟磁性層22の中に軟磁性層間層28を設けること
により、保磁力を小さく保ちつつ、抵抗変化率を大きく
することができるようになっている。
【0039】この軟磁性層間層28は、例えば、第1軟
磁性層22を構成する材料よりも電気抵抗が大きい材料
で構成されることにより第1軟磁性層22よりも大きな
電気抵抗を有するようになっている。この軟磁性層間層
28は、例えば、酸化物,窒化物および酸化窒化物のう
ちの少なくとも1種を含むことが好ましい。磁気的に安
定であり、出力変動を少なくすることができるからであ
る。またこの軟磁性層間層28は、例えば、第1軟磁性
層22と構成元素の一部が共通していることが好まし
い。具体的には、Ni,Co,Fe,Ta,Cr,R
h,MoおよびNbからなる群のうちの少なくともNi
と、O(酸素)およびN(窒素)からなる群のうちの少
なくとも1種とを含むことが好ましい。例えば、第1軟
磁性層22の一部を酸化、窒化、あるいは酸化および窒
化することにより形成するようにすれば、良好な軟磁性
層間層28を容易に得ることができるからである。軟磁
性層間層28の厚さTt1は、例えば、0.5nm以上
1.0nm以下であることが好ましい。厚すぎると第1
下層と第1上層との磁気的結合力が弱まり大きな抵抗変
化率が得られないと共に、保磁力も大きくなってしまう
からであり、薄すぎると電子の移動経路を十分に制限す
ることができず、大きな抵抗変化率を得ることができな
いからである。
【0040】軟磁性層間層28の位置、例えば軟磁性層
間層28と非磁性層24との間の距離D1 は、軟磁性層
の厚さをTn とすると、0.3Tn ≦D1 <Tn の範囲
内であることが好ましい。なお、本実施の形態における
軟磁性層の厚さTn は、第1上層22aの厚さT
n1a と、第1上層22bの厚さTn1b と、第2軟磁性層
23の厚さTn2とを加算した値である。本実施の形態に
おける軟磁性層間層28と非磁性層24との間の距離D
1 は、第1上層22bの厚さTn1b と、第2軟磁性層2
3の厚さTn2とを加算した値である。また、軟磁性層間
層28と非磁性層24との間の距離D1 は、具体的な数
値で表すと、1nm以上8nm以下の範囲内であること
が好ましい。距離D1 がこれらの範囲よりも長い場合に
は、電子eの移動経路を制限する効果を十分に得ること
ができず、大きな抵抗変化率が得られないからであり、
距離D1 がこれらの範囲よりも短い場合には、電子eが
集中しすぎて逆に効率がおち、抵抗変化率が下がってし
まうためである。
【0041】積層体20の両側、すなわち積層方向に対
して垂直な方向の両側には、磁区制御膜30a,30b
がそれぞれ設けられており、第1軟磁性層22および第
2軟磁性層23の磁化の向きを揃え、単磁区化していわ
ゆるバルクハウゼンノイズの発生を抑えるようになって
いる。この磁区制御膜30aは、磁区制御用強磁性膜3
1aと、磁区制御用反強磁性膜32aとを下部シールド
ギャップ層13の側から順に積層した構造とされてい
る。磁区制御膜30bも磁区制御膜30aと同一の構成
とされている。これら磁区制御用強磁性膜31a,31
bの磁化の向きは、磁区制御用強磁性膜31a,31b
と磁区制御用反強磁性膜32a,32bとのそれぞれの
界面における交換結合によってそれぞれ固定されてい
る。これにより、例えば図7に示したように、磁区制御
用強磁性膜31a,31bの近傍では第1軟磁性層22
および第2軟磁性層23に対するバイアス磁界Hbがx
方向に発生している。
【0042】磁区制御用強磁性膜31a,31bは、例
えば、それぞれ厚さが10nm〜50nmであり、第1
軟磁性層22および第2軟磁性層23に対応してそれぞ
れ設けられている。また、磁区制御用強磁性膜31a,
31bは、例えば、NiFe,NiFeとCoとの積層
膜、Ni,FeおよびCoからなる磁性材料などにより
それぞれ構成されている。磁区制御用反強磁性膜32
a,32bは、例えば、それぞれ厚さが5nm〜30n
mであり、反強磁性材料により構成されている。この反
強磁性材料は、非熱処理系反強磁性材料でも熱処理系反
強磁性材料でも良いが、非熱処理系反強磁性材料が好ま
しい。
【0043】なお、磁区制御膜30a,30bとして
は、TiW/CoPt(コバルト白金合金),TiW/
CoCrPt(コバルトクロム白金合金)のような硬磁
性材料(ハ─ドマグネット)を用いてもよい。
【0044】これら磁区制御膜30a,30bの上に
は、TaとAuとの積層膜、TiW(チタンタングステ
ン合金)とTaとの積層膜、あるいはTiN(窒化チタ
ン)とTaとの積層膜などよりなるリード層33a,3
3bがそれぞれ設けられており、磁区制御膜30a,3
0bを介して積層体20に電流を流すことができるよう
になっている。
【0045】記録ヘッド部102は、例えば、図3およ
び図5に示したように、上部シールド層15の上に、A
2 3 などの絶縁膜よりなる厚さ0.1μm〜0.5
μmの記録ギャップ層41を有している。この記録ギャ
ップ層41は、後述する薄膜コイル43,45の中心部
に対応する位置に開口部41aを有している。この記録
ギャップ層41の上には、スロートハイトを決定する厚
さ1.0μm〜5.0μmのフォトレジスト層42を介
して、厚さ1μm〜3μmの薄膜コイル43およびこれ
を覆うフォトレジスト層44がそれぞれ形成されてい
る。このフォトレジスト層44の上には、厚さ1μm〜
3μmの薄膜コイル45およびこれを覆うフォトレジス
ト層46がそれぞれ形成されている。なお、本実施の形
態では薄膜コイルが2層積層された例を示したが、薄膜
コイルの積層数は1層または3層以上であってもよい。
【0046】記録ギャップ層41およびフォトレジスト
層42,44,46の上には、例えば、NiFeまたは
FeN(窒化鉄)などの高飽和磁束密度を有する磁性材
料よりなる厚さ約3μmの上部磁極47が形成されてい
る。この上部磁極47は、薄膜コイル43,45の中心
部に対応して設けられた記録ギャップ層41の開口部4
1aを介して、上部シールド層15と接触しており、磁
気的に連結している。この上部磁極47の上には、図3
ないし図6では図示しないが、例えば、Al23 より
なる厚さ20μm〜30μmのオーバーコート層(図1
6におけるオーバーコート層48)が全体を覆うように
形成されている。これにより、この記録ヘッド部102
は、薄膜コイル43,45に流れる電流によって下部磁
極である上部シールド層15と上部磁極47との間に磁
束を生じ、記録ギャップ層41の近傍に生ずる磁束によ
って磁気記録媒体300を磁化し、情報を記録するよう
になっている。
【0047】<MR素子および薄膜磁気ヘッドの動作>
次に、このように構成されたMR素子110および薄膜
磁気ヘッド100による再生動作について、図6および
図7を中心に参照して説明する。
【0048】この薄膜磁気ヘッド100では、再生ヘッ
ド部101により磁気記録媒体300に記録された情報
を読み出す。再生ヘッド部101では、積層体20の強
磁性層25と反強磁性層26との界面での交換結合によ
る交換結合磁界により、例えば、強磁性層25の磁化M
pの向きがy方向に固定されている。また、磁区制御膜
30a,30bの発生するバイアス磁界Hbにより、第
1軟磁性層22,第2軟磁性層23および軟磁性層間層
28の磁化Mfはバイアス磁界Hbの方向(ここではx
方向)に揃えられる。なお、バイアス磁界Hbと強磁性
層25の磁化Mpの向きは互いにほぼ直交している。
【0049】情報を読み出す際には、積層体20に、リ
ード層33a,33bを通じて定常電流である検出電流
(センス電流)が例えばバイアス磁界Hbの方向に流さ
れる。その際、電子eの多くは、電気抵抗が低い第1軟
磁性層22から強磁性層25の間において非磁性層24
を中心として移動する。但し、ここでは、軟磁性層間層
28の電気抵抗が第1軟磁性層22よりも大きくなって
いるので、第1上層22bから軟磁性層間層28に移動
しようとする電子eの少なくとも一部は、軟磁性層間層
28の表面で反射される。すなわち、電流は、主として
第1上層22b,第2軟磁性層23,非磁性層24およ
び強磁性層25において流れる。
【0050】その際、磁気記録媒体300からの信号磁
界を受けると、第1軟磁性層22,第2軟磁性層23お
よび軟磁性層間層28における磁化Mfの向きが変化す
る。なお、第1軟磁性層22は軟磁性層間層28によっ
て第1下層22aと第1上層22bとに分かれている
が、軟磁性層間層28は磁性を有しているので、第1下
層22aおよび第1上層22bのそれぞれの磁化Mfの
向きは一緒に一体的となって変化する。ちなみに、強磁
性層25の磁化Mpの向きは、反強磁性層26により固
定されているので、磁気記録媒体300からの信号磁界
を受けても変化しない。
【0051】このように磁化Mfの向きが変化すると、
積層体20を流れる電流は、第1軟磁性層22,第2軟
磁性層23および軟磁性層間層28の磁化Mfの向きと
強磁性層25の磁化Mpの向きとの相対角度に応じた抵
抗を受ける。これは、非磁性層と磁性層との界面におけ
る電子の散乱の度合いが磁性層の磁化方向に依存すると
いう「スピン依存散乱」と呼ばれる現象によるものであ
る。この積層体20の抵抗の変化量は電圧の変化量とし
て検出され、磁気記録媒体300に記録された情報が読
みだされる。
【0052】図8は、本実施の形態における信号磁界と
積層体20の抵抗との関係の一例を表すものである。積
層体20の抵抗の最大値をRmaxとし、最小値をRm
inとすると、抵抗変化率は(Rmax−Rmin)/
Rmin×100で表される。また、図中、符号Δで示
すヒステリシスの幅は、第1軟磁性層22、第2軟磁性
層23および軟磁性層間層28を一体の軟磁性層と見な
した時の保磁力Hcの2倍に相当する。以下の説明にお
いて、「軟磁性層の保磁力Hc」とは、信号磁界と積層
体20の抵抗との関係を表す曲線(いわゆるMR曲線)
におけるヒステリシスの幅Δの1/2と定義する。
【0053】ここで、軟磁性層間層28が設けられてい
なければ、積層体20における主な電子eの通路は図7
において矢印Bで示す範囲、つまり第1下層22a,第
1上層22b,第2軟磁性層23,非磁性層24および
強磁性層25である。これに対し、本実施の形態では、
第1軟磁性層22の中に軟磁性層間層28が設けられて
いるので、電子eの主な通路は図7において矢印Aで示
す範囲、つまり第1上層22b,第2軟磁性層23,非
磁性層24および強磁性層25に狭められる。以上よ
り、電子が非磁性層界面に集中するため「スピン依存散
乱」に寄与する電子数が増加し、抵抗変化率が大きくな
る。
【0054】更に、軟磁性層間層28の持つ磁性によ
り、第2軟磁性層23、第1上層22bおよび第1下層
22aの磁化Mfの向きが一体的に変化するようにした
ので、軟磁性層全体(第1軟磁性層22、第2軟磁性層
23および軟磁性層間層28)の保磁力Hcが小さく抑
えられる。このように保磁力Hcが小さく抑えられるた
め、特に高い繰り返し精度が得られる。
【0055】<MR素子および薄膜磁気ヘッドの製造方
法>続いて、図9ないし図14を参照して、MR素子1
10および薄膜磁気ヘッド100の製造方法について説
明する。なお、図9,図13および図14は、図4にお
けるV−V線に沿った断面構造を表している。また、図
10ないし図12は、図4におけるVI−VI線に沿っ
た断面構造を表している。
【0056】本実施の形態に係る製造方法では、まず、
図9に示したように、例えば、Al2 3 ・TiCより
なる基体211の一側面上に、スパッタリング法によ
り、Al2 3 よりなる絶縁層11を約2μm〜10μ
mの厚さで堆積させる。次に、この絶縁層11の上に、
例えば、めっき法により、磁性材料よりなる下部シール
ド層12を1μm〜3μmの厚さで形成する。続いて、
この下部シールド層12の上に、例えば、スパッタリン
グ法により、Al2 3 またはAlNよりなる下部シー
ルドギャップ層13を10nm〜100nmの厚さで堆
積させる。そののち、この下部シールドギャップ層13
の上に、積層体20を形成する。
【0057】ここで、積層体20の形成工程について詳
説する。ここでは、まず、図10(A)に示したよう
に、下部シールドギャップ層13の上に、例えば、スパ
ッタリング法により、下地層21および第1下層22a
を構成の欄で説明した材料を用いて順次成膜する。な
お、この工程は、例えば図示しない真空チャンバの中
で、到達圧力10-10 〜10-8Torr、成膜圧力10
-5〜10-2Torr程度の真空のもとで行われる。
【0058】次いで、例えば、図示しない真空チャンバ
内に酸素ガスおよび窒素ガスのうちの少なくとも一方を
導入し、真空度が0.0001Torr〜760Tor
r程度となるようにする。そののち、例えば、このまま
この酸素および窒素のうちの少なくとも一方を含む雰囲
気中に第1下層22aの表面を0.01分〜60分間さ
らす。これにより、例えば、図10(B)に示したよう
に、第1下層22aの表面が酸化、窒化、または酸化お
よび窒化され、良好な軟磁性層間層28が容易に成膜さ
れる。この軟磁性層間層28の形成に伴い、第1下層2
2aの厚さは最初に成膜した状態よりも薄くなる。な
お、この酸化,窒化あるいは酸化窒化工程においては、
真空チャンバ内の真空度を0.001Torr〜200
Torrとすればより好ましく、第1下層22aの表面
をさらす時間を0.1分〜30分間とすればより好まし
い。膜厚の制御を容易にすることができ、良好な軟磁性
層間層28を容易に得ることができるからである。
【0059】軟磁性層間層28を形成したのち、図10
(C)に示したように、例えば、図示しない真空チャン
バ内を再び減圧して高真空にし、スパッタリング法によ
り、軟磁性層間層28の上に第1上層22b,第2軟磁
性層23,非磁性層24,強磁性層25,反強磁性層2
6および保護層27を構成の欄で説明した材料を用いて
順次成膜する。その際、反強磁性層26を非熱処理系反
強磁性材料により構成する場合には、例えば、y方向に
磁場を印加した状態で反強磁性層26を形成する。これ
により、強磁性層25の磁化の方向は、反強磁性層26
との交換結合によって印加磁場の方向yに固定される。
【0060】そののち、図11(A)に示したように、
例えば、保護層27の上に、積層体20の形成予定領域
に対応してフォトレジスト膜401を選択的に形成す
る。なお、このフォトレジスト膜401は、後述するリ
フトオフを容易に行うことができるように、例えば、保
護膜27との界面に溝を形成し、断面形状をT型とする
ことが好ましい。
【0061】フォトレジスト膜401を形成したのち、
図11(B)に示したように、例えば、イオンミリング
法により、フォトレジスト膜401をマスクとして保護
層27,反強磁性層26,強磁性層25,非磁性層2
4,第2軟磁性層23,第1上層22b,軟磁性層間層
28,第1下層22aおよび下地層21を順次エッチン
グし、選択的に除去する。これにより、下地層21から
保護層27までの各層がそれぞれ成形され、積層体20
が形成される。
【0062】積層体20を形成したのち、図12(A)
に示したように、例えば、スパッタリング法により、積
層体20の両側に、磁区制御用強磁性膜31a,31b
および磁区制御用反強磁性膜32a,32bをそれぞれ
順次形成する。その際、磁区制御用反強磁性膜32a,
32bを非熱処理系反強磁性材料により構成する場合に
は、例えば、x方向に磁場を印加した状態で磁区制御用
反強磁性膜32a,32bをそれぞれ形成する。これに
より、磁区制御用強磁性膜31a,31bの磁化の方向
は、磁区制御用反強磁性膜32a,32bとの交換結合
によって印加磁場の方向xに固定される。
【0063】なお、磁区制御用強磁性膜31a,31b
と磁区制御用反強磁性膜32a,32bを形成するのに
代えて、TiW/CoPt,TiW/CoCrPtのよ
うな硬磁性材料(ハ─ドマグネット)を例えばスパッタ
により形成しても良い。
【0064】磁区制御膜30a,30bをそれぞれ形成
したのち、同じく図12(A)に示したように、例え
ば、スパッタリング法により、磁区制御用反強磁性膜3
2a,32bの上に、リード層33a,33bをそれぞ
れ形成する。そののち、例えば、リフトオフ処理によっ
て、フォトレジスト膜401とその上に積層されている
堆積物402(磁区制御用強磁性膜、磁区制御用反強磁
性膜およびリード層の各材料)を除去する。
【0065】リフトオフ処理を行ったのち、図12
(B)および図13(A)に示したように、例えば、ス
パッタリング法により、下部シールドギャップ層13お
よび積層体20を覆うように、AlN等の絶縁膜からな
る上部シールドギャップ層14を10nm〜100nm
程度の厚さで形成する。これにより、積層体20は下部
シールドギャップ層13と上部シールドギャップ層14
との間に埋設される。そののち、上部シールドギャップ
層14の上に、例えば、スパッタリング法により、磁性
材料よりなる上部シールド層15を約1μm〜4μmの
厚さで形成する。
【0066】上部シールド層15を形成したのち、図1
3(B)に示したように、例えば、スパッタリング法に
より、上部シールド層15の上に、絶縁膜よりなる記録
ギャップ層41を0.1μm〜0.5μmの厚さで形成
し、この記録ギャップ層41の上に、フォトレジスト層
42を約1.0μm〜2.0μmの膜厚で所定のパター
ンに形成する。フォトレジスト層42を形成したのち、
このフォトレジスト層42の上に、薄膜コイル43を1
μm〜3μmの膜厚で形成し、この薄膜コイル43を覆
うようにフォトレジスト層44を所定のパターンに形成
する。フォトレジスト層44を形成したのち、このフォ
トレジスト層44の上に、薄膜コイル45を1μm〜3
μmの膜厚で形成し、この薄膜コイル45を覆うように
フォトレジスト層46を所定のパターンに形成する。
【0067】フォトレジスト層46を形成したのち、図
14(A)に示したように、例えば、薄膜コイル43,
45の中心部に対応する位置において、記録ギャップ層
41を部分的にエッチングし、磁路形成のための開口部
41aを形成する。そののち、例えば、記録ギャップ層
41、開口部41a、フォトレジスト層42,44,4
6を覆うように高飽和磁束密度を有する磁性材料よりな
る上部磁極47を約3μmの厚さで形成する。上部磁極
47を形成したのち、例えば、この上部磁極47をマス
クとして、イオンミリングにより、記録ギャップ層41
および上部シールド層15を選択的にエッチングする。
そののち、図14(B)に示したように、上部磁極47
の上に、アルミナよりなるオーバーコート層48を20
μm〜30μmの膜厚で形成する。
【0068】オーバーコート層48を形成したのち、例
えば、積層体20の強磁性層25および磁区制御用強磁
性膜31a,31bを熱処理系反強磁性材料によりそれ
ぞれ構成する場合には、それらの磁界の方向を固定する
ための反強磁性化処理を行う。具体的には、反強磁性層
26と強磁性層25とのブロッキング温度(界面で交換
結合が生じうる温度)が磁区制御用反強磁性膜32a,
32bと磁区制御用強磁性膜31a,31bとのブロッ
キング温度よりも高い場合には、磁界発生装置等を利用
して例えばy方向に磁場を印加した状態で、薄膜磁気ヘ
ッド100を反強磁性層26と強磁性層25とのブロッ
キング温度まで加熱する。これにより、強磁性層25の
磁化の方向は、反強磁性層26との交換結合によって印
加磁場の方向yに固定される。続いて、薄膜磁気ヘッド
100を磁区制御用反強磁性膜32a,32bと磁区制
御用強磁性膜31a,31bとのブロッキング温度まで
冷却し、例えばx方向に磁場を印加する。これにより、
磁区制御用強磁性膜31a,31bの磁化の方向は、磁
区制御用反強磁性膜32a,32bとの交換結合によっ
て印加磁場の方向xにそれぞれ固定される。
【0069】なお、反強磁性層26と強磁性層25との
ブロッキング温度が磁区制御用反強磁性膜32a,32
bと磁区制御用強磁性膜31a,31bとのブロッキン
グ温度よりも低い場合には、上の作業順序は逆になる。
また、反強磁性層26または磁区制御用反強磁性膜32
a,32bを非熱処理系反強磁性材料により構成する場
合には、この熱処理を行う必要がない。更に、ここでは
オーバーコート層48を形成したのちに反強磁性化のた
めの熱処理を行うようにしたが、強磁性層25および反
強磁性層26を成膜したのちオーバーコート層48を形
成する前に行うようにしてもよく、また磁区制御膜30
a,30bを成膜したのちオーバーコート層48を形成
する前に行うようにしてもよい。ちなみに、反強磁性層
26と磁区制御用反強磁性層32a,32bとの反強磁
性材料の組み合わせは、熱処理系と非熱処理系との組み
合わせのうちのいずれでもよい。
【0070】最後に、例えば、スライダの機械加工によ
り、エアベアリング面を形成し、図3ないし図7に示し
た薄膜磁気ヘッド100が完成する。
【0071】<第1の実施の形態による効果>このよう
に本実施の形態によれば、軟磁性層の中に磁性を有し且
つ軟磁性層よりも電気抵抗が大きい軟磁性層間層28を
設けるようにしたので、電子eの通路が狭くなり、積層
体20の抵抗変化率を大きくすることができ、小さな信
号磁界であっても検出することができる。また、第2軟
磁性層23、第1上層22bおよび第1下層22aの磁
化Mfの向きを一体的に変化させることができ、保磁力
Hcを小さく抑えることができる。よって、出力変動が
小さく高い繰り返し精度を得ることができる。以上のこ
とから、例えば20Gbit/inch2 を越える高密
度磁気記録への対応が可能となる。また、熱安定性も高
く、製造工程中に熱処理工程が含まれていても特性の劣
化が少なく、大きな抵抗変化率を得ることができる。
【0072】特に、本実施の形態では第1軟磁性層22
の中に軟磁性層間層28を設けるようにしたので、保磁
力Hcをより小さくすることができる。
【0073】また、軟磁性層の厚さTn に対する非磁性
層24と軟磁性層間層28との間の距離D1 の比D1
n を0.3以上1未満となるようにすれば、また、非
磁性層24と軟磁性層間層28との間の距離D1 を1n
m以上8nm未満とするようにすれば、電子の移動範囲
を狭くし過ぎることなく効果的に制限することができ、
より大きな抵抗変化率を得ることができる。
【0074】更に、軟磁性層間層28が酸化物,窒化物
および酸化窒化物のうちの少なくとも1種を含むように
すれば、磁気的に安定させることができ、出力変動を少
なくすることができる。よって、安定した特性を得るこ
とができる。
【0075】加えて、軟磁性層間層28の厚さを0.5
nm以上1.0nm以下とするようにすれば、電子の移
動経路を効果的に制限することができ、より大きな抵抗
変化率を得ることができると共に、保磁力Hcをより小
さくすることができる。
【0076】更にまた、軟磁性層の一部を酸化、窒化、
または酸化および窒化することにより軟磁性層間層28
を形成するようにすれば、良好な軟磁性層間層28を容
易に得ることができる。すなわち、本実施の形態に係る
MR素子および薄膜磁気ヘッドを容易に製造することが
できる。
【0077】[第1の実施の形態の変形例]また、図1
5および図16を参照して、第1の実施の形態に関する
変形例について説明する。
【0078】図15は、変形例における積層体20の構
成を表すものである。第1の実施の形態では、積層体2
0の軟磁性層間層28を第1軟磁性層22の中に設ける
場合について説明したが、この変形例のように、第1軟
磁性層22と第2軟磁性層23との間に軟磁性層間層2
8を設けるようにしてもよい。この場合、軟磁性層間層
28は、例えば、第1軟磁性層22を構成する材料およ
び第2軟磁性層23を構成する材料よりも電気抵抗が大
きい材料で構成されることにより、第1軟磁性層22お
よび第2軟磁性層23よりも大きな電気抵抗を有するよ
うに構成されている。この変形例における軟磁性層の厚
さTn は、第1軟磁性層22の厚さTn1と、第2軟磁性
層23の厚さTn2とを加算した値であり、非磁性層24
と軟磁性層間層28との間の距離D1 は、第2軟磁性層
23の厚さTn2と同じである。
【0079】また、この軟磁性層間層28は、例えば、
第1の実施の形態と同様に、第1軟磁性層22と構成元
素の一部が共通していてもよいが、第2の軟磁性層23
と構成元素の一部が共通していてもよい。すなわち、N
i,Co,Fe,Ta,Cr,Rh,MoおよびNbか
らなる群のうちの少なくともNiと、OおよびNからな
る群のうちの少なくとも1種とを含むように構成されて
もよいが、CoおよびFeからなる群のうちの少なくと
もCoと、OおよびNからなる群のうちの少なくとも1
種とを含むように構成されていてもよい。第2軟磁性層
23の一部を例えば酸化、窒化あるいは酸化および窒化
するようにしても良好な軟磁性層間層28を容易に得る
ことができるからである。
【0080】なお、この変形例によれば、第1の実施の
形態に比べて保磁力は若干大きくなるものの、抵抗変化
率をより大きくすることができる。
【0081】図16は、他の変形例における積層体20
の構成を表すものである。この変形例のように、第2軟
磁性層23の中に軟磁性層間層28を設けるようにして
もよい。すなわち、第2軟磁性層23を積層方向におい
て第2下層23aと第2上層23bとに分割し、これら
第2下層23aと第2上層23bとの間に軟磁性層間層
28を設けるようにしてもよい。この場合、軟磁性層間
層28は、例えば、第2軟磁性層23を構成する材料よ
りも電気抵抗が大きい材料で構成されることにより、第
2軟磁性層23よりも大きな電気抵抗を有するように構
成されている。この変形例における軟磁性層の厚さTn
は、第1軟磁性層22の厚さTn1と、第2下層23aの
厚さTn2a と、第2上層23bの厚さTn2b とを加算し
た値であり、非磁性層24と軟磁性層間層28との間の
距離D1 は、第2上層23bの厚さTn2b と同じであ
る。また、この軟磁性層間層28は、例えば、第2軟磁
性層23と構成元素の一部が共通していることが好まし
く、すなわち、CoおよびFeからなる群のうちの少な
くともCoと、OおよびNからなる群のうちの少なくと
も1種とを含むように構成されることが好ましい。第2
軟磁性層23の一部を例えば酸化、窒化あるいは酸化お
よび窒化することにより良好な軟磁性層間層28を容易
に得ることができるからである。
【0082】なお、この変形例によれば、第1の実施の
形態および先の変形例に比べて保磁力は大きくなるもの
の、抵抗変化率を更に大きくすることができる。
【0083】[第2の実施の形態]更に、本発明の第2
の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施
の形態は、積層体50の構成が異なることを除き、第1
の実施の形態と同一の構成を有している。よって、ここ
では、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細
な説明を省略する。
【0084】図17は、本実施の形態における積層体5
0の構成を表すものである。この積層体50は、第1の
実施の形態における軟磁性層間層28に代えて、強磁性
層55の中に強磁性層間層59を備えると共に、第1軟
磁性層22が分割されていないことを除き、第1の実施
の形態における積層体20と同一の構成を有している。
強磁性層55は、積層方向において強磁性下層55aと
強磁性上層55bとに分割されており、この強磁性下層
55aと強磁性上層55bとの間に強磁性層間層59が
設けられている。なお、強磁性層55は強磁性層間層5
9によって分割されているが、強磁性層間層59は後述
するように磁性を有しているので、強磁性下層55aお
よび強磁性上層55bのそれぞれの磁化Mpの向きは反
強磁性層26により第1の実施の形態と同一方向にそれ
ぞれ固定されている。なお、強磁性層間層59の磁化の
向きも、反強磁性層26により強磁性層55の磁化Mp
の向きと同一方向に固定されている。
【0085】強磁性層間層59は、第1の実施の形態に
おける軟磁性層間層28と同様に、検出電流が積層体5
0を流れる際に、電子eの少なくとも一部を反射して電
子eの移動する経路を制限することにより、積層体50
の抵抗変化率を大きくするためのものである。この強磁
性層間層59は、磁性を有し且つ強磁性層55よりも大
きな電気抵抗を有するように構成されており、例えば、
第1の実施の形態における軟磁性層間層28と同様に、
強磁性層55を構成する材料よりも電気抵抗が大きな材
料により構成されている。例えば、この強磁性層間層5
9は、酸化物,窒化物および酸化窒化物のうちの少なく
とも1種を含むことが好ましく、また、強磁性層55と
構成元素の一部が共通していることが好ましい。具体的
には、CoおよびFeからなる群のうちの少なくともC
oと、OおよびNからなる群のうちの少なくとも1種と
を含むことが好ましい。強磁性層55の一部を例えば酸
化、窒化あるいは酸化窒化することにより、良好な強磁
性層間層59を容易に得ることができるからである。
【0086】強磁性層間層59の厚さTt2は、例えば、
第1の実施の形態における軟磁性層間層28と同様に、
0.5nm以上1.0nm以下であることが好ましい。
厚すぎると強磁性層55と反強磁性層26との間の交換
結合磁界について十分な値を得ることができず、薄すぎ
ると電子の移動経路を十分に制限することができず、大
きな抵抗変化率を得ることができないからである。強磁
性層間層59の位置、例えば強磁性層間層59と非磁性
層24との間の距離D2 は、強磁性層55の厚さをTk
とすると、0.2Tk ≦D2 ≦0.8Tk の範囲内であ
ることが好ましい。なお、本実施の形態における強磁性
層55の厚さTk は、強磁性下層55aの厚さTkaと、
強磁性上層55bの厚さTkbとを加算した値であり、強
磁性層間層59と非磁性層24との間の距離D2 は、強
磁性下層55aの厚さTkaと同じである。また、強磁性
層間層59と非磁性層24との間の距離D2 は、具体的
な数値で表すと、0.6nm以上3.6nm以下の範囲
内であることが好ましい。これらの範囲内において電子
eの移動範囲を狭くし過ぎることなく効果的に制限する
ことができ、十分な大きさの交換結合磁界Hexを得る
と同時に、大きな抵抗変化率を得ることができるからで
ある。
【0087】この積層体50は、第1の実施の形態と同
様にして製造することができる。その際、例えば、第1
の実施の形態における軟磁性層間層28と同様にして強
磁性層間層59を成膜する。すなわち、強磁性下層55
aを成膜したのち、図示しない真空チャンバ内に酸素ガ
スおよび窒素ガスのうちの少なくとも一方を導入して、
酸素および窒素のうちの少なくとも一方を含む雰囲気中
に強磁性下層55aの表面をさらし、強磁性下層55a
の表面を酸化あるいは窒化あるいは酸化および窒化する
ことにより強磁性層間層59を成膜する。
【0088】また、本実施の形態では、第1の実施の形
態と同様にして、磁気記録媒体300に記録された情報
を読み出す。但し、ここでは、強磁性層55の中に強磁
性層55よりも大きな電気抵抗を有する強磁性層間層5
9が設けられているので、検出電流が積層体50を流れ
る際に、強磁性層55から強磁性層間層59に移動しよ
うとする電子eの少なくとも一部は、強磁性層間層59
の表面で反射される。これにより、電子eの通路が狭め
られ、第1の実施の形態と同様に、積層体50の抵抗変
化率が大きくなる。
【0089】このように本実施の形態によれば、強磁性
層間層59と非磁性層24との間の距離D2 と強磁性層
55の厚さをTk との比D2 /Tk が0.2以上0.8
以下の位置に強磁性層間層59を設けるようにしたの
で、または、強磁性層間層59と非磁性層24との間の
距離D2 が0.6nm以上3.6nm以下の位置に強磁
性層間層59を設けるようにしたので、積層体50の抵
抗変化率を大きくすることができると共に、反強磁性層
26と強磁性層55との間の交換結合磁界について十分
な大きさを得ることができる。また、熱安定性も高く、
製造工程中に熱処理工程が含まれていても大きな抵抗変
化率を得ることができる。
【0090】また、強磁性層間層59が酸化物,窒化物
および酸化窒化物のうちの少なくとも1種を含むように
すれば、第1の実施の形態と同様に、出力変動を少なく
することができ、安定した特性を得ることができる。
【0091】更に、強磁性層間層59の厚さを0.5n
m以上1.0nm以下とするようにすれば、第1の実施
の形態と同様に、より大きな抵抗変化率を得ることがで
きると共に、反強磁性層26と強磁性層55との間の交
換結合磁界について十分な大きさを得ることができる。
【0092】加えて、強磁性層55の一部を酸化、窒
化、あるいは酸化および窒化することにより強磁性層間
層59を形成するようにすれば、第1の実施の形態と同
様に、良好な強磁性層間層59を容易に得ることができ
る。
【0093】[第3の実施の形態]加えて、本発明の第
3の実施の形態について図面を参照して説明する。本実
施の形態は、積層体60の構成が異なることを除き、第
1の実施の形態と同一の構成を有している。よって、こ
こでは、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳
細な説明を省略する。
【0094】図18は、本実施の形態における積層体6
0の構成を表すものである。この積層体60は、強磁性
層65の中に強磁性層間層69を更に備えていることを
除き、第1の実施の形態における積層体20と同一の構
成を有している。なお、これら強磁性層65および強磁
性層間層69は、第2の実施の形態における強磁性層5
5および強磁性層間層59と同一の構成をそれぞれ有す
るものである。すなわち、本実施の形態では、検出電流
が積層体60を流れる際に、電子eの経路が軟磁性層間
層28と強磁性層間層69とによりそれぞれ狭められる
ことにより、積層体60の抵抗変化率が大きくなるよう
になっている。
【0095】このように本実施の形態によれば、軟磁性
層の中に軟磁性層間層28を設けると共に、強磁性層6
5の中に強磁性層間層69を設けるようにしたので、第
1の実施の形態および第2の実施の形態よりも、更に大
きな抵抗変化率を得ることができる。
【0096】
【実施例】また、本発明の具体的な実施例について詳細
に説明する。
【0097】[実施例1〜10]実施例1〜10とし
て、絶縁性基板の上に、図7に示したように、下地層2
1,第1下層22a,軟磁性層間層28,第1上層22
b,第2軟磁性層23,非磁性層24,強磁性層25,
反強磁性層26および保護層27を順次積層した積層体
20をそれぞれ作製した。まず、絶縁性基板の上に、ス
パッタリング法により、Taを用いて厚さ5nmの下地
層21をそれぞれ成膜し、その上に、NiFeを用いて
実施例により厚さを変化させて第1下層22aをそれぞ
れ成膜した。なお、その際、後続の酸化処理により酸化
される分を予め加味して第1下層22aを成膜し、後続
の酸化処理後に第1下層22aの厚さTn1a が表1に示
した値となるようにした。
【0098】
【表1】
【0099】次いで、第1下層22aの表面を酸化し、
厚さTt1が0.6nmの軟磁性層間層28をそれぞれ形
成した。続いて、軟磁性層間層28の上に、スパッタリ
ング法により、NiFeを用いて表1に示したように厚
さTn1b を変化させて第1上層22bをそれぞれ成膜し
た。そののち、第1上層22bの上に、スパッタリング
法により、CoFeを用いて厚さTn2が1nmの第2軟
磁性層23をそれぞれ成膜し、その上に、Cuを用いて
厚さ2.2nmの非磁性層24をそれぞれ成膜し、その
上に、CoFeを用いて厚さ2nmの強磁性層25をそ
れぞれ成膜し、その上に、表1に示したように材料を変
化させて厚さ13nmの反強磁性層26をそれぞれ成膜
し、その上に、Taを用いて厚さ5nmの保護層27を
それぞれ成膜した。なお、実施例1〜8においては、非
熱処理系反強磁性材料を用いて反強磁性層26を形成す
るようにしたので、磁場を印加しながら反強磁性層26
をそれぞれ成膜した。また、実施例9,10において
は、熱処理系反強磁性材料を用いて反強磁性層26を形
成するようにしたので、成膜ののち熱処理により反強磁
性処理をそれぞれ行った。
【0100】作製した積層体20における軟磁性層の厚
さTn 、軟磁性層間層28と非磁性層24との間の距離
1 、および軟磁性層の厚さTn に対する軟磁性層間層
28と非磁性層24との間の距離D1 の比D1 /T
n は、それぞれ表1に示した通りである。ちなみに、実
施例1〜4,7〜10は、第1軟磁性層22の厚さTn1
を5nmとし、その中で軟磁性層間層28の位置を変え
たものである。実施例5,6は、第1軟磁性層22の厚
さTn1を3nmと薄くし、その中で軟磁性層間層28の
位置を変えたものである。
【0101】このようにして作製した積層体20につい
て250℃における熱処理をそれぞれ行った。そのの
ち、積層体20に電流を流しつつ磁界を与えてその特性
をそれぞれ調べた。それらの結果を表2にそれぞれ示
す。また、その磁化の相対性から軟磁性層間層28の厚
さTt1を算出したところ、約0.6nmであることがそ
れぞれ確認された。更に、透過型電子顕微鏡(TEM;
Transmission Electron Microscope)により軟磁性層間
層28の厚さTt1を観察したところ、同様に約0.6n
mであることがそれぞれ確認された。
【0102】
【表2】
【0103】本実施例に対する比較例1として、軟磁性
層間層を形成せず、第1軟磁性層の厚さTn1を5nmと
したことを除き、実施例1〜4と同一の条件で積層体を
作製した。また、比較例2として、下地層と第1軟磁性
層との間に軟磁性層間層を形成し、第1軟磁性層の厚さ
n1を5nmとしたことを除き、実施例1〜4と同一の
条件で積層体を作製した。これらの比較例についても、
本実施例と同様にしてその特性をそれぞれ調べた。それ
らの結果も表2にそれぞれ合わせて示す。
【0104】表2から分かるように、本実施例によれば
積層体20の抵抗変化率はいずれも8%以上であり、比
較例1の6.9%および比較例2の7.0%よりも大き
な値を得ることができた。また、第1軟磁性層22およ
び第2軟磁性層23の保磁力Hcはいずれも0.2(O
e)〜0.8(Oe)であり、スピンバルブ型のMR素
子において許容限界とされる3(Oe)よりも十分に小
さく抑えることができ、従来例である比較例1と同程度
の値を得ることができた。更に、交換結合磁界Hexは
いずれも530(Oe)以上であり、一般にスピンバル
ブ型のMR素子で最低限必要とされる200(Oe)よ
りも十分に大きな値が得られた。すなわち、第1軟磁性
層22の中に軟磁性層間層28を設けるようにすれば、
保磁力Hcを小さく抑えつつ抵抗変化率を大きくできる
ことが分かった。
【0105】また、軟磁性層の厚さTn に対する軟磁性
層間層28と非磁性層24との間の距離D1 の比D1
n が0.5〜0.8の範囲内において最も抵抗変化率
が大きくなり、保磁力Hcも小さくなる傾向が見られ
た。更に、D1 /Tn があまり小さくなると抵抗変化率
が若干小さくなり、保磁力Hcも若干大きくなる傾向も
見られた。すなわち、D1 /Tn が0.3以上1未満の
位置に軟磁性層間層28を設けるようにすれば、保磁力
Hcをより小さく抑えつつ抵抗変化率をより大きくでき
ることが分かった。
【0106】[実施例11〜14]実施例11〜14と
して、軟磁性層間層28の厚さTt1を表1に示したよう
に変化させたことを除き、実施例10と同一の条件で積
層体20をそれぞれ作製した。これらの積層体20につ
いても、実施例10と同様にしてその特性をそれぞれ調
べた。それらの結果を表2にそれぞれ示す。
【0107】表2から分かるように、軟磁性層間層28
の厚さTt1を0.6nmとした実施例10において最も
大きな抵抗変化率が得られ、厚さTt1が薄くなっても厚
くなっても抵抗変化率が小さくなる傾向が見られた。ま
た、軟磁性層間層28の厚さTt1が厚くなると保磁力H
cが大きくなる傾向が見られた。すなわち、軟磁性層間
層28の厚さTt1を0.5nm以上1nm以下とすれ
ば、保磁力Hcを小さく抑えつつ抵抗変化率をより大き
くできることが分かった。
【0108】[実施例15〜24]実施例15〜24と
して、軟磁性層間層28を第1軟磁性層22と第2軟磁
性層23との間に形成すると共に、第1軟磁性層22の
厚さTn1、第2軟磁性層23の厚さTn2および反強磁性
層26の材料を表3に示したようにそれぞれ変化させた
ことを除き、実施例1〜10と同一の条件で積層体20
をそれぞれ作製した。作製した積層体20における軟磁
性層の厚さTn 、軟磁性層間層28と非磁性層24との
間の距離D1 、および軟磁性層の厚さTn に対する軟磁
性層間層28と非磁性層24との間の距離D1 の比D1
/Tn は、それぞれ表3に示した通りである。
【0109】
【表3】
【0110】ちなみに、実施例15〜18,21〜24
は、軟磁性層の厚さTn を6nmとし、第1軟磁性層2
2の厚さTn1および第2軟磁性層23の厚さTn2を変え
て軟磁性層間層28の位置を変えたものである。実施例
19,20は、軟磁性層の厚さTn を5nmと薄くし、
第1軟磁性層22の厚さTn1および第2軟磁性層23の
厚さTn2を変えて軟磁性層間層28の位置を変えたもの
である。これらの積層体20についても、実施例1〜1
0と同様にしてその特性をそれぞれ調べた。それらの結
果を表4にそれぞれ示す。
【0111】
【表4】
【0112】本実施例に対する比較例3として、軟磁性
層間層を形成せず、第1軟磁性層の厚さTn1および第2
軟磁性層の厚さTn2をそれぞれ3nmとしたことを除
き、実施例15〜18と同一の条件で積層体を作製し
た。この比較例についても、本実施例と同様にしてその
特性を調べた。その結果も表4に合わせて示す。
【0113】表4から分かるように、本実施例によれば
積層体20の抵抗変化率はいずれも8.4%以上であ
り、比較例3の6.5%よりも大きな値を得ることがで
きた。また、第1軟磁性層22および第2軟磁性層23
の保磁力Hcはいずれもスピンバルブ型のMR素子にお
いて許容限界とされる3(Oe)よりも小さく抑えるこ
とができた。更に、交換結合磁界Hexはいずれも51
0(Oe)以上であり、一般にスピンバルブ型のMR素
子で最低限必要とされる200(Oe)よりも十分に大
きな値が得られた。すなわち、第1軟磁性層22と第2
軟磁性層23との間に軟磁性層間層28を設けるように
すれば、保磁力Hcを小さく抑えつつ抵抗変化率を大き
くできることが分かった。
【0114】また、本実施例と実施例1〜10とを比べ
ると、本実施例の方が抵抗変化率を大きくできる傾向が
見られた。但し、保磁力Hcは実施例1〜10に比べて
大きくなってしまう傾向が見られた。すなわち、第1軟
磁性層22と第2軟磁性層23との間に軟磁性層間層2
8を設けるようにすれば、保磁力Hcは若干大きくなる
ものの抵抗変化率をより大きくすることができ、第1軟
磁性層22の間に軟磁性層間層28を設けるようにすれ
ば、保磁力Hcをより小さく抑えつつ抵抗変化率を大き
くできることが分かった。
【0115】[実施例25〜28]実施例25〜28と
して、軟磁性層間層28の厚さTt1を表3に示したよう
に変化させたことを除き、実施例24と同一の条件で積
層体20をそれぞれ作製した。これらの積層体20につ
いても、実施例24と同様にしてその特性をそれぞれ調
べた。それらの結果を表4にそれぞれ示す。
【0116】表4から分かるように、軟磁性層間層28
の厚さTt1を0.5nmとした実施例26において最も
大きな抵抗変化率が得られ、厚さTt1が薄くなっても厚
くなっても抵抗変化率が小さくなる傾向が見られた。ま
た、軟磁性層間層28の厚さTt1が厚くなると保磁力H
cが大きくなる傾向が見られた。すなわち、軟磁性層間
層28の厚さTt1を0.5nm以上1nm以下とすれ
ば、保磁力Hcを小さく抑えつつ抵抗変化率をより大き
くできることが分かった。
【0117】[実施例29〜31]実施例29として、
第1下層22aの厚さTn1a を2nm、第1上層22b
の厚さTn1b を1nmおよび第2軟磁性層23の厚さT
n2を2nmとしたことを除き、実施例1〜10と同一の
条件で積層体20を作製した。また、実施例30とし
て、軟磁性層間層28を第1軟磁性層22と第2軟磁性
層23との間に形成すると共に、第1軟磁性層22の厚
さTn1を2nm、第2軟磁性層23の厚さTn2を3nm
としたことを除き、実施例1〜10と同一の条件で積層
体20を作製した。更に、実施例31として、軟磁性層
間層28を第2軟磁性層23の中に形成すると共に、第
1軟磁性層22の厚さTn1を2nm、第2下層23aの
厚さTn2a を1nm、第2上層23bの厚さTn2b を2
nmとしたことを除き、実施例1〜10と同一の条件で
積層体20を作製した。
【0118】すなわち、実施例29〜31は、軟磁性層
間層28の位置を第1軟磁性層22の中、第1軟磁性層
22と第2軟磁性層23との間、あるいは第2軟磁性層
23の中と変えたものである。作製した積層体20にお
ける軟磁性層の厚さTn 、軟磁性層間層28と非磁性層
24との間の距離D1 、および軟磁性層の厚さTn に対
する軟磁性層間層28と非磁性層24との間の距離D1
の比D1 /Tn は、それぞれ表5に示した通りである。
これらの積層体20についても、実施例1〜10と同様
にしてその特性をそれぞれ調べた。それらの結果を表6
にそれぞれ示す。
【0119】
【表5】
【0120】
【表6】
【0121】本実施例に対する比較例4として、軟磁性
層間層を形成せず、第1軟磁性層の厚さTn1を3nm、
第2軟磁性層の厚さTn2を2nmとしたことを除き、実
施例29〜31と同一の条件で積層体を作製した。この
比較例についても、本実施例と同様にしてその特性を調
べた。その結果も表6に合わせて示す。
【0122】表6から分かるように、本実施例によれば
積層体20の抵抗変化率はいずれも比較例4よりも大き
かった。また、実施例29よりも実施例30の方がより
大きな抵抗変化率が得られ、実施例30よりも実施例3
1の方がより大きな抵抗変化率が得られた。但し、保磁
力Hcは実施例31よりも実施例30の方がより小さく
抑えることができ、実施例30よりも実施例29の方が
より小さく抑えることができた。ちなみに、実施例31
の保磁力Hcは8.4(Oe)と大きく、実施例30の
保磁力Hcは2.2(Oe)と3(Oe)よりは小さい
もののより好ましい値である1(Oe)よりは大きかっ
た。すなわち、第1軟磁性層22の間に軟磁性層間層2
8を設けるようにすれば、保磁力Hcをより小さく抑え
つつ抵抗変化率を大きくできることが分かった。
【0123】[実施例32〜41]実施例32〜41と
して、絶縁性基板の上に、図17に示したように、下地
層21,第1軟磁性層22,第2軟磁性層23,非磁性
層24,強磁性下層55a,強磁性層間層59,強磁性
上層55b,反強磁性層26および保護層27を順次積
層した積層体50をそれぞれ作製した。まず、絶縁性基
板の上に、スパッタリング法により、Taを用いて厚さ
5nmの下地層21をそれぞれ成膜し、その上に、Ni
Feを用いて厚さ3nmの第1軟磁性層22をそれぞれ
成膜し、その上に、CoFeを用いて厚さ2nmの第2
軟磁性層23をそれぞれ成膜し、その上に、Cuを用い
て厚さ2.2nmの非磁性層24をそれぞれ成膜し、そ
の上に、CoFeを用いて実施例により厚さを変化させ
て強磁性下層55aをそれぞれ成膜した。その際、後続
の酸化処理により酸化される分を予め加味して成膜し、
後続の酸化処理後に強磁性下層55aの厚さTkaが表7
に示した値となるようにした。
【0124】
【表7】
【0125】次いで、強磁性下層55aの表面を酸化
し、厚さTt2が0.6nmの強磁性層間層59をそれぞ
れ成膜した。続いて、強磁性層間層59の上に、スパッ
タリング法により、CoFeを用いて表7に示したよう
に厚さTkbを変化させて強磁性上層55bをそれぞれ成
膜し、その上に、表7に示したように材料を変化させて
厚さ13nmの反強磁性層26をそれぞれ成膜し、その
上に、Taを用いて厚さ5nmの保護層27をそれぞれ
成膜した。なお、反強磁性層26を非熱処理系反強磁性
材料を用いて形成する場合には、磁場を印加しながら成
膜し、熱処理系反強磁性材料を用いて形成する場合に
は、成膜ののち熱処理により反強磁性処理をそれぞれ行
った。
【0126】作製した積層体50における強磁性層55
の厚さTk 、強磁性層間層59と非磁性層24との間の
距離D2 、および強磁性層55の厚さTk に対する強磁
性層間層59と非磁性層24との間の距離D2 の比D2
/Tk は、それぞれ表7に示した通りである。積層体5
0を作製したのち、250℃における熱処理をそれぞれ
行い、積層体50に電流を流しつつ磁界を与えてその特
性をそれぞれ調べた。それらの結果を表8にそれぞれ示
す。
【0127】
【表8】
【0128】本実施例に対する比較例5として、強磁性
層間層を形成せず、強磁性層の厚さTk を3nmとした
ことを除き、実施例32〜40と同一の条件で積層体を
作製した。また、比較例6として、強磁性下層の厚さT
kaを0.5nmとし、強磁性上層の厚さTkbを2.5n
mとしたことを除き、実施例32〜41と同一の条件で
積層体を作製した。これらの比較例についても、本実施
例と同様にしてその特性をそれぞれ調べた。それらの結
果も表8にそれぞれ合わせて示す。
【0129】表8から分かるように、本実施例によれば
積層体50の抵抗変化率はいずれも9.2%以上であ
り、強磁性層間層を設けない比較例5の7.4%よりも
大きな値を得ることができた。また、交換結合磁界He
xは実施例35を除き270(Oe)以上であり、一般
にスピンバルブ型のMR素子で最低限必要とされる20
0(Oe)よりも十分に大きな値が得られた。更に、第
1軟磁性層52および第2軟磁性層23の保磁力Hcは
通常のスピンバルブ型のMR素子において許容限界とさ
れる3(Oe)よりも十分に小さく抑えることができ
た。
【0130】これに対して、強磁性層間層を非磁性層に
近づけて設けた比較例6では、強磁性層間層を設けない
比較例5に比べて、抵抗変化率も交換結合磁界Hexも
小さい値しか得られなかった。また、強磁性層間層を反
強磁性層に近づけて設けた実施例35では、抵抗変化率
については比較例5に比べて大きな値が得られたが、交
換結合磁界Hexが100(Oe)と非常に小さく、ス
ピンバルブ型のMR素子として十分な値は得られなかっ
た。すなわち、強磁性層55の厚さTk に対する強磁性
層間層59と非磁性層24との間の距離D2 の比D2
k が0.2以上0.8以下の位置に強磁性層間層59
を設けるようにすれば、抵抗変化率を大きくできると共
に、交換結合磁界Hexについても十分な大きさを得る
ことができ好ましいことが分かった。
【0131】[実施例42〜45]実施例42〜45と
して、強磁性層間層59の厚さTt2を表7に示したよう
に変化させたことを除き、実施例41と同一の条件で積
層体50をそれぞれ作製した。これらの積層体50につ
いても、実施例41と同様にしてその特性をそれぞれ調
べた。それらの結果を表8にそれぞれ示す。
【0132】表8から分かるように、強磁性層間層59
の厚さTt2を0.6nmとした実施例41において最も
大きな抵抗変化率が得られ、厚さTt2が薄くなっても厚
くなっても抵抗変化率が小さくなる傾向が見られた。ま
た、軟磁性層間層59の厚さTt2が厚くなると交換結合
磁界Hexが小さくなる傾向が見られた。すなわち、強
磁性層間層59の厚さTt2を0.5nm以上1nm以下
とすれば、抵抗変化率を大きくすることができると共
に、交換結合磁界Hexについても十分な値を得られる
ことが分かった。
【0133】[実施例46〜54]実施例46,49,
52として、絶縁性基板の上に、図18に示したよう
に、下地層21,第1下層22a,軟磁性層間層28,
第1上層22b,第2軟磁性層23,非磁性層24,強
磁性下層65a,強磁性層間層69,強磁性上層65
b,反強磁性層26および保護層27を順次積層した積
層体60をそれぞれ作製した。まず、絶縁性基板の上
に、スパッタリング法により、Taを用いて厚さ5nm
の下地層21をそれぞれ成膜し、その上に、NiFeを
用いて後続の酸化処理後の厚さTn1a が2nmとなるよ
うに第1下層22aをそれぞれ成膜した。
【0134】次いで、第1下層22aの表面を酸化し、
厚さTt1が0.6nmの軟磁性層間層28をそれぞれ形
成した。続いて、軟磁性層間層28の上に、スパッタリ
ング法により、NiFeを用いて厚さTn1b が3nmの
第1上層22bをそれぞれ成膜し、その上に、CoFe
を用いて厚さTn2が1nmの第2軟磁性層23をそれぞ
れ成膜し、その上に、Cuを用いて厚さ2.2nmの非
磁性層24をそれぞれ成膜し、その上に、CoFeを用
いて後続の酸化処理後の厚さTkaが2nmとなるように
強磁性下層65aをぞれぞれ成膜した。
【0135】そののち、強磁性下層65aの表面を酸化
し、厚さTt2が0.6nmの強磁性層間層69をそれぞ
れ形成した。強磁性層間層69を形成したのち、その上
に、スパッタリング法により、CoFeを用いて厚さT
kbが1nmの強磁性上層65bをそれぞれ成膜し、その
上に、表9に示したように材料を変化させて厚さ13n
mの反強磁性層26をそれぞれ成膜し、その上に、Ta
を用いて厚さ5nmの保護層27をそれぞれ成膜した。
なお、反強磁性層26を非熱処理系反強磁性材料を用い
て形成する場合には、磁場を印加しながら成膜し、熱処
理系反強磁性材料を用いて形成する場合には、成膜のの
ち熱処理により反強磁性処理をそれぞれ行った。
【0136】
【表9】
【0137】積層体60を作製したのち、250℃にお
ける5時間の熱処理をそれぞれ行い、積層体60に電流
を流しつつ磁界を与えてその特性をそれぞれ調べた。そ
れらの結果を表9にそれぞれ示す。
【0138】また、実施例47,50,53として、強
磁性層間層69を形成しないことを除き、実施例46,
49,52と同一の条件で図7に示した積層体20をそ
れぞれ作製し、同様にしてその特性をそれぞれ調べた。
更に、実施例48,51,54として、軟磁性層間層2
8を形成しないことを除き、実施例46,49,52と
同一の条件で図17に示した積層体50をそれぞれ作製
し、同様にしてその特性をそれぞれ調べた。それらの結
果も表9にそれぞれ示す。
【0139】本実施例に対する比較例7として、軟磁性
層間層および強磁性層間層を形成しないことを除き、実
施例44〜54と同一の条件で積層体を作製した。この
比較例についても、本実施例と同様にしてその特性を調
べた。その結果も表9に合わせて示す。
【0140】表9から分かるように、本実施例によれば
積層体20,50,60の抵抗変化率はいずれも比較例
7よりも大きく、保磁力Hcおよび交換結合磁界Hex
についても十分な値が得られた。また、軟磁性層間層2
8および強磁性層間層69の両方を形成した実施例4
6,49,52については、それらの一方のみを形成し
た場合に比べてより大きな抵抗変化率が得られた。すな
わち、軟磁性層間層28および強磁性層間層69を共に
設けるようにすれば、より大きな抵抗変化率を得ること
ができ、保磁力Hcおよび交換結合磁界Hexについて
もそれぞれ十分な値を得られることが分かった。
【0141】また、実施例52,53,54の積層体2
0,50,60については、作製後の250℃における
5時間の熱処理の後、更に250℃の熱処理を5時間,
10時間,20時間,50時間とそれぞれ変化させて行
い、抵抗変化率の劣化をそれぞれ調べた。それらの結果
を表10にそれぞれ示す。また、比較例7についても同
様にして熱安定性を調べた。その結果も表10に合わせ
て示す。
【0142】
【表10】
【0143】表10から分かるように、本実施例によれ
ば50時間加熱しても抵抗変化率の劣化率は92%以上
であり、従来例である比較例7と同等またはそれ以上の
値が得られた。すなわち、軟磁性層間層28および強磁
性層間層59の少なくとも一方を設けるようにすれば、
熱安定性も高く、製造工程中に熱処理工程が含まれてい
ても、大きな抵抗変化率を得られることが分かった。
【0144】なお、上記実施例では、軟磁性層間層28
および強磁性層間層59,69が酸化物を含むようにそ
れぞれ構成した場合について説明したが、窒化物あるい
は酸化窒化物を含むようにそれぞれ構成しても同様の結
果を得ることができる。
【0145】また、上記実施例では、下地層21、第1
軟磁性層22,52、第1下層22a、第1上層22
b、第2軟磁性層23、非磁性層24、強磁性層25,
55,65、強磁性下層55a,65a、強磁性上層5
5b,65b、反強磁性層26および保護層27の材料
および厚さについて具体的な例を挙げて説明したが、上
記実施の形態において説明した材料および厚さについて
も、上記実施例と同様の結果を得ることができる。
【0146】更に、上記実施例では、軟磁性層の厚さT
n に対する非磁性層24と軟磁性層間層28との間の距
離D1 との比D1 /Tn が0.3以上1未満の場合、ま
たは、強磁性層55の厚さTk に対する非磁性層24と
強磁性層間層59との間の距離D2 との比D2 /Tk
0.2以上0.8以下の場合に優れた特性が得られるこ
とを具体的に説明したが、非磁性層24と軟磁性層間層
28との間の距離が1nm以上8nm未満の場合、また
は、非磁性層24と強磁性層間層59との間の距離が
0.6nm以上3.6nm以下の場合にも同様の結果を
得ることができる。
【0147】以上、いくつかの実施の形態および実施例
を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の
形態および実施例に限定されるものではなく、種々の変
形が可能である。例えば、上記実施の形態および実施例
では、第1軟磁性層22,52、第2軟磁性層23、非
磁性層24、強磁性層25,55,65および反強磁性
層26を下から順に積層した場合について説明したが、
逆に反強磁性層の方から順に積層するようにしてもよ
い。すなわち、本発明は、一対の対向する面を有する非
磁性層と、この非磁性層の一方の面側に形成された軟磁
性層と、非磁性層の他方の面側に形成された強磁性層
と、この強磁性層の非磁性層とは反対の側に形成された
反強磁性層とを有する場合において広く適用することが
できる。
【0148】また、上記実施の形態および実施例では、
軟磁性層が第1軟磁性層と第2軟磁性層との2層構造を
有する場合について説明したが、軟磁性層は単層構造と
されていてもよく、また3層以上の積層構造であっても
良い。また、上記の実施の形態では、磁区制御膜とし
て、強磁性膜と反強磁性膜とを積層して用いているが、
これらの代わりにハ─ドマグネットを用いても良い。
【0149】更に、上記実施の形態では、本発明の磁気
変換素子を複合型薄膜磁気ヘッドに用いる場合について
説明したが、再生専用の薄膜磁気ヘッドに用いることも
可能である。また、記録ヘッド部と再生ヘッド部の積層
順序を逆にしても良い。
【0150】加えて、本発明の磁気変換素子の構成は、
トンネル接合型磁気抵抗効果膜(TMR膜)に適用して
も良い。
【0151】更にまた、本発明の磁気変換素子は、上記
実施の形態で説明した薄膜磁気ヘッドのほかに、例え
ば、磁気信号を検知するセンサ(加速度センサなど)
や、磁気信号を記憶するメモリ等に適用することも可能
である。
【0152】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし請
求項17のいずれか1に記載の磁気変換素子または請求
項27記載の薄膜磁気ヘッドによれば、軟磁性層の中に
磁性を有し且つ軟磁性層よりも電気抵抗が大きい軟磁性
層間層を設けるようにしたので、電子の通路を狭くする
ことができる。よって、抵抗変化率を大きくすることが
でき、小さな信号磁界であっても検出することができ
る。また、軟磁性層の磁化の向きを一体的に変化させる
ことができ、軟磁性層の保磁力を小さく抑えることがで
きる。よって、出力変動が小さく高い繰り返し精度を得
ることができる。以上のことから、例えば20Gbit
/inch2 を越える高密度磁気記録への対応も可能と
なるという効果を奏する。また、熱安定性も高く、製造
工程中に熱処理工程が含まれていても特性の劣化が少な
く、大きな抵抗変化率を得ることができるという効果も
奏する。
【0153】特に、請求項2ないし請求項17のいずれ
か1に記載のあるいは請求項3ないし請求項17のいず
れか1に記載の磁気変換素子、または請求項27記載の
薄膜磁気ヘッドによれば、軟磁性層の厚さをTn とし、
非磁性層と軟磁性層間層との間の距離をD1 とすると、
0.3Tn ≦D1 <Tn の関係が成立するようにしたの
で、また、非磁性層と軟磁性層間層との間の距離を1n
m以上8nm未満とするようにしたので、電子の移動範
囲を狭くし過ぎることなく効果的に制限することがで
き、より大きな抵抗変化率を得ることができるという効
果を奏する。
【0154】また、請求項5ないし請求項17のいずれ
か1に記載の磁気変換素子または請求項27記載の薄膜
磁気ヘッドによれば、軟磁性層が第1軟磁性層と第2軟
磁性層とを有する場合において、軟磁性層間層を第1軟
磁性層の中に設けるようにしたので、保磁力をより小さ
くすることができるという効果を奏する。
【0155】更に、請求項6ないし請求項17のいずれ
か1に記載の磁気変換素子または請求項27記載の薄膜
磁気ヘッドによれば、軟磁性層間層が酸化物,窒化物お
よび酸化窒化物のうちの少なくとも1種を含むようにし
たので、また、請求項15ないし請求項17のいずれか
1に記載のあるいは請求項21ないし請求項26のいず
れか1に記載の磁気変換素子または請求項27記載の薄
膜磁気ヘッドによれば、強磁性層間層が酸化物,窒化物
および酸化窒化物のうちの少なくとも1種を含むように
したので、磁気的に安定させることができ、出力変動を
少なくすることができる。よって、安定した特性を得る
ことができるという効果を奏する。
【0156】加えて、請求項11ないし請求項17のい
ずれか1に記載の磁気変換素子または請求項27記載の
薄膜磁気ヘッドによれば、軟磁性層間層の厚さを0.5
nm以上1.0nm以下とするようにしたので、また、
請求項17記載あるいは請求項26記載の磁気変換素子
または請求項27記載の薄膜磁気ヘッドによれば、強磁
性層間層の厚さを0.5nm以上1.0nm以下とする
ようにしたので、電子の移動経路を効果的に制限するこ
とができ、より大きな抵抗変化率を得ることができると
いう効果を奏する。
【0157】更にまた、請求項12ないし請求項17の
いずれか1に記載の磁気変換素子または請求項27記載
の薄膜磁気ヘッドによれば、更に、強磁性層の中に磁性
を有し且つ強磁性層よりも電気抵抗が大きい強磁性層間
層を設けるようにしたので、抵抗変化率をより大きくす
ることができるという効果を奏する。
【0158】加えてまた、請求項18ないし請求項26
のいずれか1に記載の磁気変換素子または請求項27記
載の薄膜磁気ヘッドによれば、強磁性層間層の厚さをT
k とし、非磁性層と強磁性層間層との間の距離をD2
すると、0.2Tk ≦D2 ≦0.8Tk の関係が成立す
るようにしたので、また、非磁性層と強磁性層間層との
間の距離を0.6nm以上3.6nm以下とするように
したので、抵抗変化率を大きくすることができると共
に、反強磁性層と強磁性層との間の交換結合磁界を十分
に大きくすることができるという効果を奏する。また、
熱安定性も高く、製造工程中に熱処理工程が含まれてい
ても特性の劣化が少なく、大きな抵抗変化率を得ること
ができるという効果も奏する。
【0159】更にまた、請求項28ないし請求項32の
いずれか1に記載の磁気変換素子の製造方法または請求
項33記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、本発
明の磁気変換素子または本発明の薄膜磁気ヘッドを容易
に製造することができる。特に、請求項29あるいは請
求項32に記載の磁気変換素子の製造方法または請求項
33記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、軟磁性
層の一部を酸化、窒化、または酸化および窒化すること
により軟磁性層間層を形成するようにしたので、また、
強磁性層の一部を酸化、窒化、または酸化および窒化す
ることにより強磁性層間層を形成するようにしたので、
良好な軟磁性層間層あるいは強磁性層間層を容易に得る
ことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るMR素子を含
む薄膜磁気ヘッドを備えたアクチュエータアームの構成
を表す斜視図である。
【図2】図1に示したアクチュエータアームにおけるス
ライダの構成を表す斜視図である。
【図3】第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成
を表す分解斜視図である。
【図4】図3に示した薄膜磁気ヘッドのIV矢視方向か
ら見た構造を表す平面図である。
【図5】図3に示した薄膜磁気ヘッドの図4におけるV
−V線に沿った矢視方向の構造を表す断面図である。
【図6】図3に示した薄膜磁気ヘッドの図4におけるV
I−VI線に沿った矢視方向の構造、すなわち図5にお
けるVI−VI線に沿った矢視方向の構造を表す断面図
である。
【図7】図6に示したMR素子における積層体の構成を
表す斜視図である。
【図8】図7に示した積層体を用いたMR素子における
外部磁界と電気抵抗の関係を表す特性図である。
【図9】図3に示した薄膜磁気ヘッドの製造方法におけ
る一工程を説明するための断面図である。
【図10】図9に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図11】図10に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図12】図11に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図13】図12に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図14】図13に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図15】第1の実施の形態に係るMR素子における積
層体の変形例を表す斜視図である。
【図16】第1の実施の形態に係るMR素子における積
層体の他の変形例を表す斜視図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態に係るMR素子に
おける積層体の構成を表す斜視図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態に係るMR素子に
おける積層体の構成を表す斜視図である。
【図19】従来のMR素子における積層体の構成を表す
斜視図である。
【符号の説明】
11…絶縁層、12…下部シールド層、13…下部シー
ルドギャップ層、14…上部シールドギャップ層、15
…上部シールド層、20,50,60…積層体、21,
91…下地層、22,52…第1軟磁性層、22a…第
1下層、22b…第1上層、23…第2軟磁性層、2
4,94…非磁性層、25,55,65,95…強磁性
層、26,96…反強磁性層、27,97…保護層、2
8…軟磁性層間層、30a,30b…磁区制御膜、31
a,31b…磁区制御用強磁性膜、32a,32b…磁
区制御用反強磁性膜、33a,33b…リード層、41
…記録ギャップ層、42,44,46…フォトレジスト
層、43,45…薄膜コイル、47…上部磁極、48…
オーバーコート層、55a,65a…強磁性下層、55
b,65b…強磁性上層、59,69…強磁性層間層、
92…軟磁性層、100…薄膜磁気ヘッド、101…再
生ヘッド部、102…記録ヘッド部、110…MR素子
(磁気変換素子)、200…アクチュエータアーム、2
10…スライダ、211…基体、211a…エアベアリ
ング面、220…支軸、230…腕部、300…記録媒
体、401…フォトレジスト膜、402…堆積物。
フロントページの続き (72)発明者 佐野 正志 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 5D034 BA03 DA07

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の対向する面を有する非磁性層と、 前記非磁性層の一方の面側に形成された軟磁性層と、 前記非磁性層の他方の面側に形成された強磁性層と、 前記強磁性層の前記非磁性層とは反対の側に形成された
    反強磁性層とを含んで構成され、 前記軟磁性層の中に設けられると共に、磁性を有し且つ
    前記軟磁性層よりも電気抵抗が大きい軟磁性層間層を備
    えたことを特徴とする磁気変換素子。
  2. 【請求項2】 前記軟磁性層の厚さをTn とし、前記非
    磁性層と前記軟磁性層間層との間の距離をD1 とする
    と、 0.3Tn ≦D1 <Tn の関係が成立していることを特徴とする請求項1記載の
    磁気変換素子。
  3. 【請求項3】 前記非磁性層と前記軟磁性層間層との間
    の距離は、1nm以上8nm未満であることを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載の磁気変換素子。
  4. 【請求項4】 前記軟磁性層は、 ニッケル(Ni),コバルト(Co),鉄(Fe),タ
    ンタル(Ta),クロム(Cr),ロジウム(Rh),
    モリブデン(Mo)およびニオブ(Nb)からなる群の
    うちの少なくともニッケルを含む第1軟磁性層と、 ニッケル,コバルトおよび鉄からなる群のうちの少なく
    ともコバルトを含む第2軟磁性層とを有することを特徴
    とする請求項1ないし請求項3のいずれか1に記載の磁
    気変換素子。
  5. 【請求項5】 前記軟磁性層間層は、前記第1軟磁性層
    の中に設けられたことを特徴とする請求項4記載の磁気
    変換素子。
  6. 【請求項6】 前記軟磁性層間層は、酸化物,窒化物お
    よび酸化窒化物のうちの少なくとも1種を含むことを特
    徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1に記載の
    磁気変換素子。
  7. 【請求項7】 前記軟磁性層間層は、ニッケル,コバル
    ト,鉄,タンタル,クロム,ロジウム,モリブデンおよ
    びニオブからなる群のうちの少なくともニッケルと、酸
    素(O)および窒素(N)からなる群のうちの少なくと
    も1種とを含む、または、ニッケル,コバルトおよび鉄
    からなる群のうちの少なくともコバルトと、酸素および
    窒素からなる群のうちの少なくとも1種とを含むことを
    特徴とする請求項6記載の磁気変換素子。
  8. 【請求項8】 前記強磁性層は、コバルトおよび鉄から
    なる群のうちの少なくともコバルトを含むことを特徴と
    する請求項1ないし請求項7のいずれか1に記載の磁気
    変換素子。
  9. 【請求項9】 前記反強磁性層は、白金(Pt),ルテ
    ニウム(Ru),ロジウム,パラジウム(Pd),ニッ
    ケル,金(Au),銀(Ag),銅(Cu),イリジウ
    ム(Ir),クロムおよび鉄からなる群のうちの少なく
    とも1種と、マンガン(Mn)とを含むことを特徴とす
    る請求項1ないし請求項8のいずれか1に記載の磁気変
    換素子。
  10. 【請求項10】 前記非磁性層は、銅,金および銀から
    なる群のうち少なくとも1種を含むことを特徴とする請
    求項1ないし請求項9のいずれか1に記載の磁気変換素
    子。
  11. 【請求項11】 前記軟磁性層間層の厚さは、0.5n
    m以上1.0nm以下であることを特徴とする請求項1
    ないし請求項10のいずれか1記載の磁気変換素子。
  12. 【請求項12】 更に、 前記強磁性層の中に設けられると共に、磁性を有し且つ
    前記強磁性層よりも電気抵抗が大きい強磁性層間層を備
    えたことを特徴とする請求項1ないし請求項11のいず
    れか1に記載の磁気変換素子。
  13. 【請求項13】 前記強磁性層の層厚をTk とし、前記
    非磁性層と前記強磁性層間層との間の距離をD2 とする
    と、 0.2Tk ≦D2 ≦0.8Tk の関係が成立していることを特徴とする請求項12記載
    の磁気変換素子。
  14. 【請求項14】 前記非磁性層と前記強磁性層間層との
    間の距離は、0.6nm以上3.6nm以下であること
    を特徴とする請求項12または請求項13に記載の磁気
    変換素子。
  15. 【請求項15】 前記強磁性層間層は、酸化物,窒化物
    および酸化窒化物のうちの少なくとも1種を含むことを
    特徴とする請求項12ないし請求項14のいずれか1に
    記載の磁気変換素子。
  16. 【請求項16】 前記強磁性層間層は、ニッケル,コバ
    ルトおよび鉄からなる群のうちの少なくともコバルト
    と、酸素および窒素からなる群のうちの少なくとも1種
    とを含むことを特徴とする請求項15記載の磁気変換素
    子。
  17. 【請求項17】 前記強磁性層間層の厚さは、0.5n
    m以上1.0nm以下であることを特徴とする請求項1
    2ないし請求項16のいずれか1記載の磁気変換素子。
  18. 【請求項18】 一対の対向する面を有する非磁性層
    と、 前記非磁性層の一方の面側に形成された軟磁性層と、 前記非磁性層の他方の面側に形成された強磁性層と、 前記強磁性層の前記非磁性層とは反対の側に形成された
    反強磁性層とを含んで構成され、 前記強磁性層の中に設けられると共に、磁性を有し且つ
    この強磁性層よりも電気抵抗が大きい強磁性層間層を備
    え、 前記強磁性層の厚さをTk とし、前記非磁性層と前記強
    磁性層間層との間の距離をD2 とすると、 0.2Tk ≦D2 ≦0.8Tk の関係が成立していることを特徴とする磁気変換素子。
  19. 【請求項19】 一対の対向する面を有する非磁性層
    と、 前記非磁性層の一方の面側に形成された軟磁性層と、 前記非磁性層の他方の面側に形成された強磁性層と、 前記強磁性層の前記非磁性層とは反対の側に形成された
    反強磁性層とを含んで構成され、 前記強磁性層の中に設けられると共に、磁性を有し且つ
    この強磁性層よりも電気抵抗が大きい強磁性層間層を備
    え、 前記非磁性層と前記強磁性層間層との間の距離は、0.
    6nm以上3.6nm以下であることを特徴とする磁気
    変換素子。
  20. 【請求項20】 前記強磁性層は、コバルトおよび鉄か
    らなる群のうち少なくともコバルトを含むことを特徴と
    する請求項18または請求項19に記載の磁気変換素
    子。
  21. 【請求項21】 前記強磁性層間層は、酸化物,窒化物
    および酸化窒化物のうちの少なくとも1種を含むことを
    特徴とする請求項18ないし請求項20のいずれか1に
    記載の磁気変換素子。
  22. 【請求項22】 前記強磁性層間層は、ニッケル,コバ
    ルトおよび鉄からなる群のうちの少なくともコバルト
    と、酸素および窒素からなる群のうちの少なくとも1種
    とを含むことを特徴とする請求項21記載の磁気変換素
    子。
  23. 【請求項23】 前記軟磁性層は、 ニッケル(Ni),コバルト(Co),鉄(Fe),タ
    ンタル(Ta),クロム(Cr),ロジウム(Rh),
    モリブデン(Mo)およびニオブ(Nb)からなる群の
    うちの少なくともニッケルを含む第1軟磁性層と、 ニッケル、コバルトおよび鉄からなる群のうちの少なく
    ともコバルトを含む第2軟磁性層とを有することを特徴
    とする請求項18ないし請求項22のいずれか1に記載
    の磁気変換素子。
  24. 【請求項24】 前記反強磁性層は、白金(Pt),ル
    テニウム(Ru),ロジウム,パラジウム(Pd),ニ
    ッケル,金(Au),銀(Ag),銅(Cu),イリジ
    ウム(Ir),クロムおよび鉄からなる群のうちの少な
    くとも1種と、マンガン(Mn)とを含むことを特徴と
    する請求項18ないし請求項23のいずれか1に記載の
    磁気変換素子。
  25. 【請求項25】 前記非磁性層は、銅,金および銀から
    なる群のうち少なくとも1種を含むことを特徴とする請
    求項18ないし請求項24のいずれか1に記載の磁気変
    換素子。
  26. 【請求項26】 前記強磁性層間層の厚さは、0.5n
    m以上1nm以下であることを特徴とする請求項18な
    いし請求項25のいずれか1に記載の磁気変換素子。
  27. 【請求項27】 請求項1ないし請求項26のいずれか
    1に記載の磁気変換素子を有することを特徴とする薄膜
    磁気ヘッド。
  28. 【請求項28】 一対の対向する面を有する非磁性層
    と、前記非磁性層の一方の面側に形成された軟磁性層
    と、前記非磁性層の他方の面側に形成された強磁性層
    と、前記強磁性層の前記非磁性層とは反対の側に形成さ
    れた反強磁性層とを含む磁気変換素子の製造方法であっ
    て、 前記軟磁性層の中に、この軟磁性層よりも電気抵抗が大
    きく且つ磁性を有する軟磁性層間層を形成する工程を含
    むことを特徴とする磁気変換素子の製造方法。
  29. 【請求項29】 前記軟磁性層の一部を酸化、窒化、ま
    たは酸化および窒化することにより前記軟磁性層間層を
    形成することを特徴とする請求項28記載の磁気変換素
    子の製造方法。
  30. 【請求項30】 一対の対向する面を有する非磁性層
    と、前記非磁性層の一方の面側に形成された軟磁性層
    と、前記非磁性層の他方の面側に形成された強磁性層
    と、前記強磁性層の前記非磁性層とは反対の側に形成さ
    れた反強磁性層とを含む磁気変換素子の製造方法であっ
    て、 前記強磁性層の中に、この強磁性層よりも電気抵抗が大
    きく且つ磁性を有する強磁性層間層を形成する工程を含
    むと共に、 前記強磁性層の厚さをTk とし、前記非磁性層と前記強
    磁性層間層との間の距離をD2 とすると、0.2Tk
    2 ≦0.8Tk の関係が成立する位置に前記強磁性層
    間層を形成することを特徴とする磁気変換素子の製造方
    法。
  31. 【請求項31】 一対の対向する面を有する非磁性層
    と、前記非磁性層の一方の面側に形成された軟磁性層
    と、前記非磁性層の他方の面側に形成された強磁性層
    と、前記強磁性層の前記非磁性層とは反対の側に形成さ
    れた反強磁性層とを含む磁気変換素子の製造方法であっ
    て、 前記強磁性層の中に、この強磁性層よりも電気抵抗が大
    きく且つ磁性を有する強磁性層間層を形成する工程を含
    むと共に、 前記非磁性層と前記強磁性層間層との間の距離が0.6
    nm以上3.6nm以下となる位置に前記強磁性層間層
    を形成することを特徴とする磁気変換素子の製造方法。
  32. 【請求項32】 前記強磁性層の一部を酸化、窒化、ま
    たは酸化および窒化することにより前記強磁性層間層を
    形成することを特徴とする請求項30または請求項31
    に記載の磁気変換素子の製造方法。
  33. 【請求項33】 請求項28ないし請求項32のいずれ
    か1に記載の磁気変換素子の製造方法を用いることを特
    徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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