JP2001056313A - 固体電解質ガスセンサ及びその製造方法 - Google Patents

固体電解質ガスセンサ及びその製造方法

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JP2001056313A
JP2001056313A JP11231677A JP23167799A JP2001056313A JP 2001056313 A JP2001056313 A JP 2001056313A JP 11231677 A JP11231677 A JP 11231677A JP 23167799 A JP23167799 A JP 23167799A JP 2001056313 A JP2001056313 A JP 2001056313A
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gas sensor
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thin film
electrolyte thin
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JP11231677A
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Dube Andreas
アンドレアス・デュベ
Hitoshi Yokoi
等 横井
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Niterra Co Ltd
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱応力によって固体電解質薄膜にクラックが発
生することが防止された固体電解質ガスセンサ及びその
製造方法の提供。 【解決手段】上基板4に形成された空洞4a側壁と矩形
状の熱断性膜3角部の間には、熱断性膜3の平面方向に
沿って弾性変形可能に腕5がそれぞれ接続される。熱断
性膜3上には複数の固体電解質薄膜2がパターン形成さ
れる。同じ固体電解質薄膜2上に形成された各電極さら
にその固体電解質薄膜2を含んで、一個の固体電解質ガ
スセンサ素子が構成される。この固体電解質ガスセンサ
素子が、熱断性膜3上に複数個形成されている。熱断性
膜3の周縁部にはヒータ線19が形成されている。セン
サ使用時、ヒータ線19に通電されて熱断性膜3に熱応
力が加わるが、腕5が熱断性膜3の平面方向に沿って弾
性変形することにより、熱断性膜3がその全体形状を維
持したまま平面方向に変位し、熱断性膜3の反りが防止
され、結局、固体電解質薄膜2におけるクラックの発生
が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解質ガスセ
ンサ及びその製造方法に関し、特に、高温で作動しない
し高温雰囲気に曝された状態で用いられる固体電解質薄
膜型ガスセンサに関し、中でも種々のガス成分の濃度、
特に、酸素を含有する成分のガス濃度を測定可能な固体
電解質ガスセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】固体電解質ガスセンサをその測定原理に
即して分類すると、混成電位型ガスセンサ、濃淡電池型
ガスセンサ、限界電流型ガスセンサ、及びインピーダン
ス型ガスセンサ等が知られている。また、固体電解質ガ
スセンサを用いて、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、塩
素、水素、SOx、NOx及び炭化水素等のガス濃度を
測定できることが知られている。
【0003】ところで、固体電解質ガスセンサを用いて
ガス濃度測定を行う場合、固体電解質膜のイオン伝導率
及び電気伝導率を高めるために、ガスセンサを加熱して
いる。例えば、固体電解質として安定化ジルコニア、電
極として白金を用いた固体電解質ガスセンサの場合に
は、その検知部が300℃以上になるよう加熱してい
る。従って、固体電解質ガスセンサを用いて常温のガス
を測定する場合には、ヒータを用いる必要がある。
【0004】近年、固体電解質ガスセンサの消費電力を
低減させるため、基板上に固体電解質薄膜及びマイクロ
ヒータを形成した固体電解質ガスセンサが提案されてい
る。
【0005】例えば、特許2553980号公報には、
基板に形成された孔と、前記孔を全面的に覆うように前
記基板上に形成され該基板に強固に支持された電気絶縁
体薄膜と、前記電気絶縁体薄膜の一面上に形成された固
体電解質薄膜と、前記電気絶縁体薄膜の上記孔内に面す
る他面上に形成された薄膜ヒータと、を有する薄膜型の
固体電解質酸素センサが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、固体電解質
薄膜には、加熱及び冷却によって生じる熱応力によって
クラックが発生しやすいという問題がある。
【0007】また、固体電解質薄膜を支持し且つヒータ
が形成された熱断性膜には、このヒータを用いた加熱に
よる反りが生じやすく、その結果として、固体電解質薄
膜にクラックが発生しやすいという問題がある。
【0008】特に、上記した特許2553980号公報
の固体電解質酸素センサのように、固体電解質薄膜を支
持する電気絶縁体薄膜が基板に強固に支持されている場
合、熱応力によりこの電気絶縁体薄膜がその厚み方向に
反って、前記固体電解質薄膜にクラックが発生するおそ
れがある。
【0009】本発明の目的は、熱応力によって固体電解
質薄膜にクラックが発生することが防止された固体電解
質ガスセンサ及びその製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の視点に係
る固体電解質ガスセンサは、固体電解質薄膜を支持する
支持膜が、前記支持膜の平面方向に沿って弾性的に変形
可能な腕によって、基板に対して接続されている。
【0011】上述したように、固体電解質ガスセンサに
おいては、特に、被測定ガスの温度が常温である場合、
固体電解質薄膜のイオン伝導率及び電気伝導率を高める
ために、固体電解質薄膜を加熱する必要がある。しか
し、この加熱によって生じる熱応力によって、従来の固
体電解質ガスセンサにおいては、固体電解質薄膜を支持
する支持膜が変形ないし反り、比較的脆く、通常、支持
膜と熱膨張係数が異なる固体電解質薄膜にクラックが発
生するおそれがある。
【0012】これに対して、本発明の第1の視点に係る
固体電解質ガスセンサによれば、センサ使用時、ヒータ
素子への通電によって、支持膜に熱応力が加わった場
合、腕の方が支持膜の平面方向に沿って弾性変形するこ
とにより、支持膜及びその上の固体電解質薄膜は一体的
に支持膜の平面方向に沿って変位するが、それらの変
形、特に反りが防止される。すなわち、この固体電解質
ガスセンサによれば、ヒータ素子のオン/オフにより発
生する熱応力が緩和されて支持膜の反りが防止される。
これによって、固体電解質薄膜にクラック等の機械的損
傷が生じることが防止されセンサの長期安定性及び寿命
が向上される。
【0013】また、本発明の第1の視点に係る固体電解
質ガスセンサにおいては、ヒータ素子を備えた支持膜
が、腕によって、基板から離間された状態であるため、
支持膜近傍の断熱性が高くされている。これによって、
ヒータ素子通電時の熱損失が小さくなるため、消費電力
の低減が可能である。
【0014】本発明の第2の視点に係る固体電解質ガス
センサは、支持膜上に、複数の固体電解質薄膜が互いに
独立ないし分割されて形成され、これらの固体電解質薄
膜のいずれか一を含んで複数個のガスセンサ素子が形成
される。このガスセンサにおいては、個々の固体電解質
薄膜の面積は小さくなるため、熱応力によって固体電解
質薄膜にクラックが発生することが防止される。この結
果、センサの長期安定性及び寿命が向上される。さら
に、この固体電解質ガスセンサによれば、センサ立ち上
げ時間が短縮され、又固体電解質薄膜の温度調整を小電
力ですばやく行うことができ、消費電力も低減される。
【0015】本発明のその他の視点及び特徴は、各請求
項に記載のとおりであり、その引用をもってその重複記
載を省略する。よって、各請求項の各特徴は、ここに記
載されているものとみなされる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を説明する。
【0017】本発明の好ましい実施の形態においては、
腕が支持膜の平面方向に沿って曲線的に湾曲された部
分、及び/又は直線的に折曲された部分を一又は複数備
える。そして、腕の湾曲部ないし折曲部の一側に基板、
その他側に支持膜が接続される。
【0018】本発明の好ましい実施の形態においては、
支持膜が矩形状に形成される。そして、支持膜の角部に
腕がそれぞれ接続される。この形態によれば、支持膜が
安定して基板に対して支持されると共に、腕が種々の平
面方向へ変形することができる。
【0019】本発明の好ましい実施の形態においては、
腕が、支持膜の平面方向における中心線上に接続されて
いない。ここで、支持膜の平面方向における中心線と
は、支持膜の平面上においてその中心点を通る任意の線
をいう。この中心線を避けるようにして腕が接続される
ことにより、支持膜の変位が容易となる。
【0020】本発明の好ましい実施の形態においては、
支持膜上に、円形、半円形、楕円形等の無角形な平面形
状の固体電解質薄膜が、互いに独立ないし離間して複数
形成される。さらに、好ましくは、固体電解質薄膜の直
径を10〜100μmの範囲とする。これによって、所
定の電極を形成可能な平面面積が確保されると共に、引
張り応力による固体電解質薄膜の損傷が防止される。
【0021】本発明の好ましい実施の形態においては、
ヒータ素子(ヒータ線)が支持膜上及び/又は支持膜内
の周縁部に形成される。
【0022】本発明の好ましい実施の形態においては、
固体電解質ガスセンサがヒータ素子ないしヒータ抵抗膜
を2つ以上含み、温度勾配が形成される。
【0023】本発明の好ましい実施の形態においては、
支持膜上に互いに独立して形成された複数の固体電解質
薄膜のいずれか一を含んで構成された固体電解質ガスセ
ンサ素子(単素子)が複数個形成される。
【0024】本発明の好ましい実施の形態に係る固体電
解質ガスセンサ又は固体電解質ガスセンサ素子(単素
子)は、混成電位型、濃淡電池型、限界電流型及びイン
ピーダンス型の一種以上から選択される型式のガスセン
サ素子である。場合によっては、異なる型式の固体電解
質ガスセンサ素子(単素子)を、同一の支持膜上に混在
して形成することができる。
【0025】基板の材料として好ましくは、例えば、単
結晶性シリコンを用いる。
【0026】支持膜(ダイヤフラム)の材料として好ま
しくは、電気絶縁体又は電気伝導体上に形成した電気絶
縁膜を用いる。例えば、シリコン上に形成したアルミナ
絶縁膜を用いる。
【0027】固体電解質薄膜の材料は、測定対象とする
ガス成分及び雰囲気温度ないしセンサの作動温度に応じ
て最適な材料を選択することが好ましい。例えば、
2、CO及びHC等のガス濃度を測定する場合には安
定化ジルコニア等、CO2、NOx、SOx等のガス濃
度を測定する場合にはNASICON等を用いることが
できる。また、必要に応じて固体電解質薄膜上に補助相
を設ける。
【0028】例えば、安定化ジルコニアとして、Y23
ないしCaOを固溶させたZrO2が代表的なものであ
るが、それ以外のアルカリ土類金属元素ないし希土類金
属元素の酸化物とZrO2との固溶体を使用してもよ
い。また、ベースとなるZrO2にはHfO2が含有され
ていてもよい。また、部分安定化ZrO2、安定化Zr
2、部分安定化HfO2、安定化HfO2、ドープした
CeO2、ドープしたThO 2、ないしこれらが混合した
固体電解質を用いることができる。ドープ剤及び安定化
剤として、例えばCaO,MgO,Y23又はSm
23、Gd23等の希土類酸化物の一種以上を用いる。
好ましくは、イットリウム安定化ジルコニア(YSZ)
を用いる。他の安定化剤或いは他の固体電解質も用いる
ことができる。
【0029】本発明の好ましい実施の形態において、固
体電解質薄膜が酸化セリウムを含む場合には、Cr(I
I)若しくはFe(II)の塩、又は過酸化水素を含有す
る酸性の還元剤を用いて、固体電解質薄膜をエッチング
してパターン形成する。
【0030】本発明の好ましい実施の形態において、固
体電解質薄膜がジルコニアを含む場合には、ふっ酸を含
有する酸性液体を用いて、固体電解質薄膜をエッチング
してパターン形成する。
【0031】本発明の好ましい実施の形態においては、
固体電解質ガスセンサが、使用時の熱応力によって、機
械的損傷を被らないよう、所定の温度で熱処理する工程
を行う。これによって、無応力温度(図6中のT3
照)の最適化を図ることができる。
【0032】電極の材料は、測定対象とするガス成分及
び雰囲気温度ないしセンサの作動温度に応じて最適な材
料を選択する。
【0033】例えば、COやHCのような可燃性ガス成
分が測定対象である場合の、電極の構成例を説明する。
すなわち、固体電解質薄膜上に活性電極と不活性電極を
形成し、活性電極を可燃性ガスに対する活性が高いPt
又はAg電極とし、不活性電極をPt又はAgに、可燃
性ガスと酸素との反応を抑制する成分としてAu、C
u、Mn、Fe、Ni、Co、Znの一種以上を添加し
た電極又はAu電極とする。他の触媒不活性な材料とし
て、SnO2、In23、WO3、Bi23等の酸化物の
一種以上を用いることができる。なお、不活性電極の本
体部を触媒不活性な材料で形成し、その表面に触媒活性
な材料によりコーティングを施してもよい。
【0034】
【実施例】以上説明した本発明の好ましい実施の形態を
さらに明確化するために、以下図面を参照して、本発明
の一実施例を説明する。なお、下記の各実施例において
は、同様の機能を発揮する部材には、基本的に同じ参照
符号を付するものとする。
【0035】[実施例1]図1(A)及び図1(B)
は、本発明の実施例1に係る固体電解質ガスセンサの説
明図であってそれぞれ上段が平面図、下段が断面図であ
り、(A)は加熱前の状態、(B)は加熱後の状態を示
している。
【0036】図1(A)を参照して、実施例1の固体電
解質ガスセンサの構造を以下に説明する。この固体電解
質ガスセンサにおいては、シリコン基板4に空洞4aが
形成されている。空洞4aは、シリコン基板4を厚み方
向に部分的に貫通して形成されている。空洞4aを囲む
複数の側壁の端部にはそれぞれ腕5の基端が支持されて
いる。平面方向に沿って、腕5の幅は、後述の熱断性膜
(支持膜)3の一辺の幅に比べて十分に細く、又腕5の
先端部は鍵状に折曲している。腕5の先端には矩形状の
熱断性膜3の角部ないし対角部がそれぞれ接続されてい
る。但し、腕5は熱断性膜3の中心線上には接続されて
いない。かくして、熱断性膜3は、複数の腕5により平
面方向に沿って変位可能に支持されている。熱断性膜3
上には固体電解質薄膜2が形成されている。また、熱断
性膜3内、或いは熱断性膜3と固体電解質薄膜2の間に
は不図示のヒータが形成されている。このヒータによっ
て、固体電解質薄膜2が所定の作動温度に加熱される。
この固体電解質薄膜2を含んで、熱断性膜3上に各種の
センサ素子を形成することができる。
【0037】次に、この固体電解質ガスセンサが加熱さ
れた際の状態を説明する。図1(B)を参照して、上述
のヒータ(不図示)に通電がなされると、熱断性膜3に
おいて発生した熱により、主として腕5がそれぞれ平面
方向に沿って変形する。これによって、熱断性膜3の変
形が抑制され、熱断性膜3は全体として平面方向に沿っ
て回転する。ゆえに、熱断性膜3上に形成された固体電
解質薄膜2は全体として平面方向に沿って一体的に変位
するが、厚み方向に沿った変形が抑制される。この結
果、熱応力によって固体電解質薄膜にクラックが生じる
ことが高度に防止される。
【0038】なお、腕5が折曲していることにより、腕
が直線状に形成されている場合に比べて、腕5の変形な
いし変位の許容幅が拡大され、上記クラックの発生がさ
らに防止される。
【0039】[比較例1]ここで、比較例1に係る、す
なわち、熱断性膜が腕によって支持されていない固体電
解質ガスセンサを説明する。図2(A)及び図2(B)
は、比較例1に係る固体電解質ガスセンサの説明図であ
ってそれぞれ上段が平面図、下段が断面図であり、図2
(A)は加熱前の状態、図2(B)は加熱後の状態をそ
れぞれ示している。
【0040】図2(A)を参照して、比較例1の固体電
解質ガスセンサの構造を以下に説明する。すなわち、シ
リコン基板104に空洞104aが形成されている。空
洞104aを囲む複数の側壁には熱断性膜103が支持
されている。詳細には、熱断性膜103はその辺の全長
に亘ってシリコン基板104に支持されている。熱断性
膜103上には固体電解質薄膜102が形成されてい
る。また、熱断性膜103上ないし該膜内、或いは熱断
性膜103と固体電解質薄膜102の間には不図示のヒ
ータが形成されている。このヒータによって、固体電解
質薄膜102が所定の作動温度に加熱される。
【0041】次に、この固体電解質ガスセンサが加熱さ
れた際の状態を説明する。図2(B)を参照して、上述
のヒータ(不図示)に通電がなされると、熱断性膜10
3において発生した熱により、熱断性膜103は平面方
向に沿って全体として変位不能なため、厚み方向に沿っ
て反り上がる。これによって、固体電解質薄膜102に
は引張り応力が加わる。この引張り応力が固体電解質薄
膜102の比較的手低い破壊応力を超えると、固体電解
質薄膜102には多数のクラックが発生する。
【0042】[比較例2]ここで、比較例2に係る、す
なわち、熱断性膜が腕によって支持されているが、腕が
直線状に形成され、かつ腕が熱断性膜の中心線上に接続
されている固体電解質ガスセンサを説明する。図3は、
比較例2に係る固体電解質ガスセンサの説明図であって
上段が平面図、下段が断面図である。
【0043】図3を参照して、比較例2の固体電解質ガ
スセンサの構造を以下に説明する。すなわち、シリコン
基板204に空洞204aが形成されている。空洞20
4aは、シリコン基板204を厚み方向に部分的に貫通
して形成されている。空洞204aを囲む複数の側壁の
中央部にはそれぞれ腕205の基端が支持されている。
腕205は直線状に延在して、その先端には熱断性膜2
03の各辺の中央部がそれぞれ接続されている。よっ
て、熱断性膜203の平面方向において、各腕205は
熱断性膜203の互いに直交する中心線上に位置してい
る。熱断性膜203上には固体電解質薄膜202が形成
されている。また、熱断性膜203上ないし該膜内、或
いは熱断性膜203と固体電解質薄膜202の間には不
図示のヒータが形成されている。このヒータによって、
固体電解質薄膜202が所定の作動温度に加熱される。
【0044】この固体電解質ガスセンサが備えるヒータ
に通電がなされ、固体電解質薄膜202が加熱された際
には、生じた熱応力によって、腕205にはその延在方
向に沿って座屈応力が加わる。腕205はこの座屈応力
に対して変形しにくい。よって、加熱時、上述の図2
(B)に示したように、熱断性膜203が反りやすく、
固体電解質薄膜202にクラックが生じるおそれがあ
る。
【0045】[実施例2]図4(A)及び図4(B)
は、本発明の実施例2に係る固体電解質ガスセンサの説
明図であって、(A)は加熱又は冷却前の状態、(B)
は加熱又は冷却後の状態をそれぞれ示す部分平面図であ
る。なお、図4(A)に図示した部分以外の形状は、図
1(A)を参照して説明した前記実施例1の固体電解質
ガスセンサの形状と同様であるから、説明の重複を避け
るため、前記実施例1の記載を参照することができるも
のとする。
【0046】図4(A)を参照して、この固体電解質ガ
スセンサにおいては、熱断性膜3上に、多数の固体電解
質薄膜2がパターン形成されている。固体電解質薄膜2
は、互いに分割され、互いに独立して形成されている。
図4(B)を参照して、このように固体電解質薄膜2が
互いに分割されて小面積で形成されていることにより、
加熱又は冷却によって、熱応力が発生した際にも、各固
体電解質薄膜2の変形が小さくなり、各固体電解質薄膜
2にクラックが入ることが一層防止される。
【0047】[実施例3]次に、本発明の実施例3に係
る固体電解質ガスセンサを説明する。図5(A)及び図
5(B)は本発明の実施例3に係る固体電解質ガスセン
サの説明図であって、図5(A)は平面図、図5(B)
は断面図である。
【0048】図5(A)及び図5(B)を参照して、こ
の固体電解質ガスセンサは、上下基板21,22を有
し、上基板(シリコン基板)21には空洞21aが形成
されている。空洞21aは、上基板21を厚み方向に部
分的に貫通して形成されている。空洞21aを囲む複数
の側壁の端部にはそれぞれ腕5の基端が支持されてい
る。平面方向に沿って、腕5の幅は、後述の熱断性膜
(支持膜)3の一辺の幅に比べて十分に細く、又腕5の
先端部は鍵状に折曲している。腕5の先端には矩形状の
熱断性膜3の角部がそれぞれ接続されている。但し、腕
5は熱断性膜3の中心線上には接続されていない。かく
して、熱断性膜3は、複数の腕5により平面方向に沿っ
て一体的に変位可能に支持されている。熱断性膜3上に
は複数の円形な固体電解質薄膜2がパターン形成されて
いる。本明細書では、これを「固体電解質素子の格子状
パターン」18と称する。
【0049】腕5上にはそれぞれ、検知電極リード8と
対電極リード17、参照電極リード9と作用電極リード
16、及びヒータリード20のいずれかが形成されてい
る。検知電極リード8には、各固体電解質薄膜2上に形
成された検知電極が直接的又は間接的に電気的にそれぞ
れ接続されている。参照電極リード9には、各固体電解
質薄膜2上に形成された参照電極が直接的又は間接的に
電気的にそれぞれ接続されている。作用電極リード16
には、各固体電解質薄膜2上に形成された作用電極が直
接的又は間接的に電気的にそれぞれ接続されている。対
電極リード17には、各固体電解質薄膜2上に形成され
た対電極が直接的又は間接的に電気的にそれぞれ接続さ
れている。これら、同じ固体電解質薄膜2上に形成され
た検知電極、参照電極、作用電極及び対電極、さらにそ
の固体電解質薄膜2を含んで、一個の固体電解質ガスセ
ンサ素子が構成され、この固体電解質ガスセンサ素子
が、熱断性膜3上に複数個形成されているる。また、ヒ
ータリード20には、熱断性膜3上、その周縁部に形成
されたヒータ線(ヒータ素子、ヒータ電極)19が電気
的に接続されている。
【0050】かくして、複数の固体電解質ガスセンサ素
子が直列及び並列に多数個電気的に接続され、この結
果、固体電解質ガスセンサの検出出力のレベルが向上さ
れる。
【0051】[熱応力−温度特性その1]ここで、前記
実施例1及び3に係る固体電解質ガスセンサの固体電解
質薄膜、前記比較例1及び2に係る固体電解質ガスセン
サの固体電解質薄膜、及びバルク基板上に形成された固
体電解質薄膜の、熱応力−温度特性を説明する。図6
は、上記各薄膜の熱応力−温度特性を示すグラフであ
る。T1は常温、T2はセンサの作動温度、T3は無応力
温度及び熱処理温度である。
【0052】図6を参照すると、実施例1及び3の固体
電解質ガスセンサによれば、T1−α以上の広い温度範
囲において、固体電解質薄膜には、その限界引張り応力
を超えない熱応力が加わることが分かる。一方、比較例
1及び2の固体電解質ガスセンサによれば、T1+β以
上の温度範囲において、固体電解質薄膜には、その限界
引張り応力を超える熱応力、すなわち引張り応力が加わ
ることが分かる。また、バルク基板に形成された固体電
解質薄膜に対しては、T1+γ以上(但し、γ>β)の
温度範囲において、固体電解質薄膜には、その限界引張
り応力を超える熱応力、すなわち引張り応力が加わるこ
とが分かる。なお、一般的に、固体電解質の圧縮強度は
その引張り強度に比べてかなり高い。
【0053】[熱応力−温度特性その2]ここで、前記
実施例2に係る固体電解質ガスセンサにおいて、互いに
分割して形成された固体電解質薄膜の直径による熱応力
−温度特性の相違を説明する。図7は、実施例2に係る
固体電解質ガスセンサにおいて、固体電解質薄膜の直径
による熱応力−温度特性の相違を示すグラフである。T
1は常温、T2はセンサの作動温度、T3は無応力温度及
び熱処理温度である。
【0054】図7を参照すると、固体電解質薄膜の直径
が小さくなるほど、それに加わる引張り応力が小さくな
ることが分かる。
【0055】次に、本発明の実施例4〜7として、前記
実施例1の熱断性膜(支持膜)上に、種々の固体電解質
ガスセンサ素子を多数個形成した例を説明する。
【0056】[実施例4:二端子を備えた混成電位型ガ
スセンサ]図8(A)及び図8(B)は本発明の実施例
4に係る固体電解質ガスセンサの説明図であって、図8
(A)は平面図、図8(B)は図8(A)のB−B’線
断面図である。
【0057】図8(A)及び図8(B)を参照すると、
この固体電解質ガスセンサにおいて、熱断性膜3上に多
数の円形な固体電解質薄膜2が格子状にパターン形成さ
れている。各々の固体電解質薄膜2上には、半円形の検
知電極6及び参照電極7が互いに対向して形成されてい
る。熱断性膜3の縁部上には検知電極リード8及び参照
電極リード9が形成されている。検知電極リード8に
は、第1行の検知電極6が互いに並列に接続されてい
る。参照電極リード9には、最終行の参照電極7が互い
に並列に接続されている。同列上で隣接する固体電解質
薄膜2上に形成された検知電極6と参照電極7はリード
を介して互いに直列に接続されている。結局、熱断性膜
3上に、固体電解質薄膜2、検知電極6及び参照電極7
を含んで構成される固体電解質ガスセンサ素子が多数個
形成されている。このように、固体電解質ガスセンサ素
子を直列及び並列に多数個電気的に接続することによ
り、検出出力のレベルが向上される。
【0058】この固体電解質ガスセンサを用いて炭化水
素類ガスを検知する場合には、参照電極7の電気化学的
酸化反応触媒能力を検知電極6のそれより低くして、両
者の混成電位の差を測定する。例えば、参照電極7をA
u電極とし、検知電極6をPt電極又はAg電極とす
る。
【0059】[実施例5:二端子を備えた濃淡電池型ガ
スセンサ]本発明の実施例5に係る固体電解質ガスセン
サは、前記実施例4のセンサと、参照電極7が参照電極
シール膜10で覆われている点で異なり、その他の部分
の構成は同様である。よって、本実施例5のセンサが前
記実施例4のセンサと同様の構成を有する部分について
は、前記実施例4の説明を参照するものとする。
【0060】図9(A)及び図9(B)は本発明の実施
例5に係る固体電解質ガスセンサの説明図であって、図
9(A)は平面図、図9(B)は図9(A)のB−B’
線断面図である。
【0061】図9(A)及び図9(B)を参照すると、
この固体電解質ガスセンサにおいては、各々の固体電解
質ガスセンサ素子において、支持膜3には、参照電極7
を含み固体電解質薄膜2の約半分を覆う参照電極シール
膜10が形成されている。これによって、参照電極7上
ないし近傍の酸素濃度、すなわち酸素活量が安定化さ
れ、参照電極7の電位も安定化される。
【0062】この固体電解質ガスセンサを用いて、ネル
ンスト法則に基づき酸素ガス濃度を検知する場合、例え
ば、参照電極7をPdと酸化パラジウムの混合電極と
し、検知電極6をPt電極又はAg電極とする。
【0063】[実施例6:四端子を備えた限界電流型ガ
スセンサ]図10(A)〜図10(C)は本発明の実施
例6に係る固体電解質ガスセンサの説明図であって、図
10(A)は平面図、図10(B)は図10(A)のB
−B’線断面図、図10(C)は図10(A)のC−
C’線断面図である。
【0064】図10(A)〜図10(C)を参照する
と、この固体電解質ガスセンサにおいて、熱断性膜3上
に多数の円形な固体電解質薄膜2が格子状にパターン形
成されている。各々の固体電解質薄膜2上には、行方向
(B−B’方向)に沿って検知電極6及び参照電極7が
互いに対向して形成され、一方、列方向(C−C’方
向)に沿って酸素ポンプ作用電極14及び酸素ポンプ対
電極15が互いに対向して形成されている。固体電解質
薄膜2上、検知電極6及び酸素ポンプ作用電極12を覆
うように検知室シール膜11が形成されている。検知室
シール膜11によって、検知室12が画成され、この検
知室12内に測定雰囲気から離隔された状態で検知電極
6及び酸素ポンプ作用電極14が設けられている。検知
室11の凸部には導入口13が形成され、導入口13を
通じて検知室12内に被測定ガスが拡散ないし流入され
る。参照電極7は、支持膜3及び固体電解質薄膜2上に
形成された参照電極シール膜10によって覆われてい
る。
【0065】熱断性膜3の縁部上には、検知電極リード
8、参照電極リード9、酸素ポンプ作用電極リード1
6、酸素ポンプ対電極リード17が形成されている。検
知電極リード8には、第1行の検知電極6が互いに並列
に接続されている。参照電極リード9には、最終行の参
照電極7が互いに並列に接続されている。同列上で隣接
する固体電解質薄膜2上に形成された検知電極6と参照
電極7はリードを介して互いに直列に接続されている。
酸素ポンプ作用電極リード16には、第1列の酸素ポン
プ作用電極14が互いに並列に接続されている。酸素ポ
ンプ対電極リード17には、最終列の酸素ポンプ対電極
15が互いに並列に接続されている。同行上で隣接する
固体電解質薄膜2上に形成された酸素ポンプ作用電極1
4と酸素ポンプ対電極15はリードを介して互いに直列
に接続されている。結局、熱断性膜3上に、固体電解質
薄膜2、検知電極6及び参照電極7(第1の一対の電
極)、酸素ポンプ作用電極14及び酸素ポンプ対電極1
5(第2の一対の電極)を含んで構成される固体電解質
ガスセンサ素子が多数個形成されている。このように、
固体電解質ガスセンサ素子を直列及び並列に多数個電気
的に接続することにより、検出出力のレベルが向上され
る。
【0066】この固体電解質ガスセンサを用いて酸素ガ
ス濃度を検知する場合、検知電極6と参照電極7間に
は、検知室に拡散してくるガス中の酸素濃度ないし分圧
に応じた酸素濃度電池電圧が発生する。参照電極7は、
参照電極シール膜10によって、シールされているため
近傍の雰囲気は安定ないし可及的に一定とされている。
そこで、この酸素濃淡電池電圧が一定になるよう、酸素
ポンプ作用電極14と酸素ポンプ対電極15間に印加さ
れる電圧(十分な電圧)を可変制御して、固体電解質薄
膜2を通じて測定室12内に酸素を汲み入れ或いは測定
室12外に酸素を汲み出すことにより、酸素ポンプ作用
電極14と酸素ポンプ対電極15間に限界電流、すなわ
ち酸素ガス濃度に比例した電流が流れるようにする。
【0067】一方、この固体電解質ガスセンサを用いて
含酸素ガス、例えば、NOx、CO 2、H2O(湿度)の
ガス濃度を測定することができる。この場合には、酸素
ポンプ作用電極14と酸素ポンプ対電極15間に所定範
囲の電圧を印加して、測定室12内の酸素ガス濃度が一
定となるよう、固体電解質薄膜2を通じて測定室12外
へ酸素を汲み出し或いは測定室12内へ酸素を汲み入れ
る。参照電極7は、参照電極シール膜10によって、シ
ールされているため近傍の雰囲気は安定ないし可及的に
一定とされている。検知電極6と参照電極7間には、検
知室に拡散してくるガス中の酸素濃度ないし分圧に応じ
た酸素濃度電池電圧が発生し、この酸素濃淡電池電圧が
一定になるよう、酸素ポンプ作用電極14と酸素ポンプ
対電極15間に印加される電圧を可変制御する。このと
き、酸素ポンプ作用電極14と酸素ポンプ対電極15間
に流れる限界電流から含酸素ガスの濃度を求めることが
できる。
【0068】[実施例7:六端子素子を含有する限界電
流型ガスセンサ]図11は本発明の実施例7に係る固体
電解質ガスセンサの説明するための平面図である。図1
2(A)は図11の部分平面図、図12(B)は図12
(A)のB−B’線断面図、図12(C)は図12
(A)のC−C’線断面図、図12(D)は図12
(A)のD−D’線断面図である。
【0069】図11及び図12(A)〜図12(D)を
参照すると、この固体電解質ガスセンサにおいて、熱断
性膜3上に多数の円形な固体電解質薄膜2が千鳥状にパ
ターン形成されている。各々の固体電解質薄膜2上に
は、B−B’方向に沿って参照電極7及び第1酸素ポン
プ対電極29が形成され、C−C’方向に沿って第1酸
素ポンプ作用電極25及び第2酸素ポンプ作用電極26
が形成され、D−D’方向に沿って第2酸素ポンプ対電
極30及び検知電極6が形成されている。
【0070】そして、固体電解質薄膜2上には、首折れ
フラスコ状の検知室が画成されるよう検知室シール膜1
1が形成されている。検知室の一端には、被測定ガスの
導入口13が形成されている。導入口13は、扁平で細
長い流路を通じて第1検知室23に連通している。第1
検知室23は、別の扁平で細長い流路を通じて第2検知
室24に連通している。固体電解質薄膜2上、第1検知
室23内には第1酸素ポンプ作用電極25が形成され、
第2検知室24内の入口側には第2酸素ポンプ作用電極
26が形成され、検知室24内の奥には検知電極6がそ
れぞれ形成されている。
【0071】一方、固体電解質薄膜2上、第1検知室2
3及び第2検知室24を含む検知室外において、この検
知室を挟んで一側には参照電極7及び第1酸素ポンプ対
電極29、同他側には第2酸素ポンプ対電極30が形成
されている。参照電極7は、固体電解質薄膜2及び熱断
性膜3上に形成された参照電極シール膜10によって覆
われている。
【0072】熱断性膜3の縁部上には、検知電極リード
8、参照電極リード9、第1及び第2酸素ポンプ作用電
極リード27,28、第1及び第2酸素ポンプ対電極リ
ード31,32が形成されている。第1列及び第14列
の素子はダミー素子33である。検知電極リード8に
は、第3列及び第12列の検知電極6がそれぞれ互いに
並列に接続されている。参照電極リード9には、第2列
及び第13列の参照電極7がそれぞれ互いに並列に接続
されている。第1ポンプ作用電極リード27には、第6
行及び第5行第2列の第1酸素ポンプ作用電極25が互
いに並列に接続されている。第2酸素ポンプ作用電極リ
ード28には、第1行の第2酸素ポンプ作用電極26が
互いに並列に接続されている。第1酸素ポンプ対電極リ
ード31には、第1行の第1酸素ポンプ対電極29が互
いに並列に接続されている。第2酸素ポンプ対電極リー
ド32には、第6行の第2酸素ポンプ対電極30が互い
に並列に接続されている。なお、検知電極リード8、参
照電極リード9、第1及び第2酸素ポンプ作用電極リー
ド27,28並びに第1及び第2酸素ポンプ対電極リー
ド31,32は、互いの立体交差点において、絶縁体素
子34により絶縁されている。
【0073】同列上で隣接する固体電解質薄膜2上に形
成された検知電極6と参照電極7は、リードを介して互
いに直列に接続されている。行方向に隣接する固体電解
質薄膜2上に形成された第1酸素ポンプ作用電極25と
第1酸素ポンプ対電極29は、リード及びダミー素子3
3上の電極らを介して互いに直列に接続されている。行
方向に隣接する固体電解質薄膜2上に形成された第2酸
素ポンプ作用電極26と第2酸素ポンプ対電極30はリ
ードを介して互いに直列に接続されている。
【0074】検知電極6、参照電極7及び固体電解質薄
膜2は、酸素濃淡電池を構成している。参照電極7は、
参照電極シール膜10によって、シールされているため
近傍の雰囲気は安定ないし可及的に一定とされている。
検知電極6と参照電極7間には、第2検知室24に拡散
してくるガス中の酸素濃度ないし分圧に応じた酸素濃淡
電池電圧が発生する。第1酸素ポンプ作用電極25と第
1酸素ポンプ対電極29間には、第2酸素ポンプ作用電
極26上の酸素濃度が可及的に一定となるよう、上記酸
素濃淡電池電圧に従って、第1の所定の電圧が印加され
る。これによって、第1酸素ポンプ作用電極25ないし
第1酸素ポンプ対電極29上でO2が解離され、解離さ
れた酸素イオンが固体電解質薄膜2を伝導することによ
り、第1酸素ポンプ作用電極25と第1酸素ポンプ対電
極29間に第1酸素ポンプ電流が流れ、結局、第1検知
室23から酸素が汲み出され又は汲み入れられる。ま
た、第2酸素ポンプ作用電極26と第2酸素ポンプ対電
極30間には、第2の所定の電圧が印加される。これに
よって、第2酸素ポンプ作用電極26上で、被測定ガス
成分が反応し、被測定ガス濃度ないし分圧に基本的に比
例した酸素ポンプ電流が流れる。少なくともこの第2酸
素ポンプ電流に基づき、被測定ガスの濃度ないし分圧を
求めることができる。
【0075】また、熱断性膜3上に、固体電解質薄膜
2、検知電極6及び参照電極7(第4の一対の電極)、
第1酸素ポンプ作用電極25と第1酸素ポンプ対電極2
9(第3の一対の電極)、及び第2酸素ポンプ作用電極
26と第2酸素ポンプ対電極30(第5の一対の電極)
を含んで構成される、固体電解質ガスセンサ素子が多数
個形成されている。このように、固体電解質ガスセンサ
素子を直列及び並列に多数個電気的に接続することによ
り、検出出力のレベルが向上される。
【0076】この固体電解質ガスセンサを用いて、NO
xやCO2等の含酸素成分のガス濃度を測定する場合
の、各固体電解質ガスセンサ素子の動作を説明する。
【0077】被測定ガスが導入口13より第1検知室2
3に導入される。導入されたガスは、狭い流路を通って
第1検知室23、さらに、狭い流路を通って第2検知室
24に拡散していく。検知電極6及び参照電極7間に生
じる酸素濃淡電池電圧、すなわち、第2検知室24内に
拡散されたガス中の酸素濃度ないし分圧に従って、この
ガス中の酸素濃度が一定となるよう、第1酸素ポンプ作
用電極25と第1酸素ポンプ対電極29間に印加される
電圧(十分な電圧)が可変制御され、第1検知室23よ
り酸素が汲み出され又は汲み入れられる。これによっ
て、第2酸素ポンプ作用電極26上の酸素濃度は可及的
に一定とされる。そして、第2酸素ポンプ作用電極26
上で含酸素成分が還元ないし解離され、解離された生じ
た酸素イオンが固体電解質薄膜2を伝導する。これによ
って、第2酸素ポンプ作用電極26と第2酸素ポンプ対
電極30間に、基本的に含酸素成分のガス濃度ないし分
圧に応じた第2酸素ポンプ電流が流れる。少なくとも、
この第2酸素ポンプ電流に基づいて、含酸素成分のガス
濃度ないし分圧を求めることができる。
【0078】[実施例5のガスセンサの製造例]次に、
前記実施例5に係る固体電解質ガスセンサの製造例を説
明する。なお、下記の製造例においては、各固体電解質
ガスセンサ素子同士の構造は同様であるから、一個の固
体電解質ガスセンサ素子に着目してその製造工程を順に
説明する。
【0079】図13(A)〜図13(E)及び図14
(F)〜図14(J)は、前記実施例5に係る固体電解
質ガスセンサの製造例を説明するための工程図である。
【0080】図13(A)を参照して、まず、シリコン
基板50表面に約400nmの厚さのアルミナ絶縁膜5
1を形成する。
【0081】図13(B)を参照して、シリコン基板5
0の裏面を熱酸化し、約600nmの厚さのSiO2
52を形成する。続いて、フォトエッチング工程によ
り、SiO2膜52の一部を除去し,パターニングを行
う。
【0082】図13(C)を参照して、アルミナ絶縁膜
51表面に、高周波スパッタリング法によって約500
nmの厚さの固体電解質薄膜53を形成する。固体電解
質としては、例えばジルコニア(ZrO2)に酸化カル
シウム(CaO)、酸化イットリウム(Y23)、酸化
イッテルビウム(Yb23)等を数%〜十数%の割合で
添加した安定化ジルコニアを用いる。
【0083】図13(D)を参照して、次に、公知のフ
ォトエッチング工程により、固体電解質薄膜53の一部
を除去する。例えば、固体電解質薄膜53上にフォトレ
ジスト54を塗布し、固体電解質薄膜53のパターニン
グを描いたフォトマスクを使用してこのフォトレジスト
54を硬化させる。
【0084】図13(E)を参照して、次に、フッ酸、
フッ化アンモニウムの約1:9混合液を用いて、固体電
解質薄膜53のレジストされていない部分を除去する。
【0085】図13(E)及び図14(F)を参照し
て、その後、流水洗浄後、フォトレジスト54を除去す
る。
【0086】図14(G)を参照して、固体電解質薄膜
53及びアルミナ絶縁膜51の表面に、検知電極6(図
9参照)となるPt電極膜55をスパッタリング法によ
って約200nmの厚さに形成する。Pt電極膜55を
パターニングするためには、例えば、リフトオフ法を用
いる。その後、同様に、参照電極(図9の参照電極7参
照)となるPd電極膜56をパターン形成する。センサ
の組立後、酸素イオンポンプによってPd電極膜56を
部分的に酸化し、パラジウムと酸化パラジウムが混合さ
れた参照電極を得る。なお、各電極リードは、各電極の
形成工程において同時に形成してもよい。
【0087】図14(H)を参照して、Pt電極膜5
5、Pd電極膜56及びそれらの間に露出する固体電解
質薄膜53表面に、高周波スパッタリング法によって、
約400nmの厚さのアルミナ絶縁膜57を形成する。
このアルミナ絶縁膜57が参照電極シール膜10(図9
参照)となる。なお、参照電極シール膜10としては、
上記アルミナ(Al23)以外に、窒化珪素(Si
34)、酸化珪素(SiO2)の膜を用いることができ
る。
【0088】図14(I)を参照して、続いて、フォト
エッチング工程によりレジストパターンを形成し、アル
ミナ絶縁膜57のパターニングを行い、Pd電極膜56
のみがアルミナ絶縁膜57に覆われるようにする。この
パターニングには、例えば、反応性イオン・エッチング
法(RIE)を用いる。
【0089】図14(J)を参照して、例えば、水酸化
カリウム(KOH)溶液を用いて基板を下方からエッチ
ングして、空洞を形成する(図5(A)の空洞4a参
照)。このとき、図13(A)に示した工程で形成され
たアルミナ絶縁膜51及び図13(B)に示した工程で
形成されたSiO2膜52をエッチングマスクとして用
いる。かくして、図9に示した固体電解質ガスセンサが
得られる。なお、ヒータ素子は、アルミナ絶縁膜51の
周縁部において、アルミナ絶縁膜51表面又は内に形成
することができる(図5(A)及び図5(B)に示した
ヒータ線19参照)。また、図1(A)に示した複数の
腕5は、アルミナ絶縁膜51をエッチングしてパターン
形成することができる。
【0090】[実施例5及び実施例6に係る固体電解質
ガスセンサにおける空洞の製造例]次に、前記実施例5
又は前記実施例6に係る固体電解質ガスセンサにおい
て、特に空洞の製造工程を説明する。
【0091】図15(A)〜図15(D)は、前記実施
例5又は前記実施例6に係る固体電解質ガスセンサの製
造例を説明するための工程図である。
【0092】図15(A)に示す工程図は、図14
(F)に示した工程図と同じものである。
【0093】図15(B)を参照して、図15(A)に
示した固体電解質薄膜53の表面に、スパッタリング法
によって、Ag膜60を約500nmの厚さに形成し、
続いて、例えば、リフトオフ法を用いて、Ag膜60を
パターニングする。
【0094】図15(C)を参照して、続いて、シール
膜として、高周波スパッタリング法を用いて約400n
mの厚さのアルミナ膜61を形成する。シール膜の材質
としては、例えばアルミナ(Al23)、窒化珪素(S
34)、酸化珪素(SiO 2)等を用いる。続いて、
フォトエッチングにより所定のレジストパターンを形成
し、そして、例えば、RIE法によるエッチングを行っ
てアルミナ膜61のパターニングを行う。
【0095】図15(D)を参照して、図15(C)に
示したAg膜60をエッチングにより除去し、検知室を
形成する。ここで、Ag膜60のエッチング剤として、
例えば、硝酸液を用いる。
【0096】
【発明の効果】本発明によれば、熱応力によって固体電
解質薄膜にクラックが発生することが防止された固体電
解質ガスセンサ及びその製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)及び(B)は、本発明の実施例1に係る
固体電解質ガスセンサの説明図であってそれぞれ上段が
平面図、下段が断面図であり、(A)は加熱前の状態、
(B)は加熱後の状態を示している。
【図2】(A)及び(B)は、比較例1に係る固体電解
質ガスセンサの説明図であってそれぞれ上段が平面図、
下段が断面図であり、(A)は加熱前の状態、(B)は
加熱後の状態をそれぞれ示している。
【図3】比較例2に係る固体電解質ガスセンサの説明図
であって上段が平面図、下段が断面図である。
【図4】(A)及び(B)は、本発明の実施例2に係る
固体電解質ガスセンサの説明図であって、(A)は加熱
又は冷却前の状態、(B)は加熱又は冷却後の状態をそ
れぞれ示す部分平面図である。
【図5】(A)及び(B)は、本発明の実施例3に係る
固体電解質ガスセンサの説明図であって、(A)は平面
図、(B)は断面図である。
【図6】実施例1及び比較例1等に係る固体電解質ガス
センサが備える固体電解質薄膜の熱応力−温度特性を示
すグラフである。
【図7】実施例2に係る固体電解質ガスセンサにおい
て、固体電解質薄膜の直径による熱応力−温度特性の相
違を示すグラフである。
【図8】(A)及び(B)は、本発明の実施例4に係る
固体電解質ガスセンサの説明図であって、(A)は平面
図、(B)は(A)のB−B’線断面図である。
【図9】(A)及び(B)は、本発明の実施例5に係る
固体電解質ガスセンサの説明図であって、(A)は平面
図、(B)は(A)のB−B’線断面図である。
【図10】(A)及び(B)は、本発明の実施例6に係
る固体電解質ガスセンサの説明図であって、(A)は平
面図、(B)は(A)のB−B’線断面図である。
【図11】本発明の実施例7に係る固体電解質ガスセン
サの説明するための平面図である。
【図12】(A)は図11(A)の部分平面図、(B)
は(A)のB−B’線断面図、(C)は(A)のC−
C’線断面図、(D)は(A)のD−D’線断面図であ
る。
【図13】(A)〜(E)は、本発明の実施例4に係る
固体電解質ガスセンサの製造例を説明するための工程図
である。
【図14】(F)〜(J)は、図13(E)に引き続く
工程図である。
【図15】(A)〜(D)は、本発明の実施例4及び実
施例5に係る固体電解質ガスセンサが備える空洞の製造
例を説明するための工程図である。
【符号の説明】
2 固体電解質薄膜 3 熱断性膜 4 シリコン基板、上基板 5 マイクロヒータの支持腕 6 検知電極 7 参照電極 8 検知電極リード 9 参照電極リード 10 参照電極シール膜 11 検知室シール膜 12 検知室 13 検知室口 14 酸素ポンプ作用電極 15 酸素ポンプ対電極 16 酸素ポンプ作用電極リード 17 酸素ポンプ対電極リード 18 固体電解質素子の格子状パターン 19 ヒータ線 20 ヒータリード 21 上基板 21a 空洞 22 下基板 23 第一検知室 24 第二検知室 25 第一ポンプ作用電極 26 第二ポンプ作用電極 27 第一ポンプ作用電極リード 28 第二ポンプ作用電極リード 29 第一ポンプ対電極 30 第二ポンプ対電極 31 第一ポンプ対電極リード 32 第二ポンプ対電極リード 33 ダミー素子 34 絶縁体素子 41 センサ単素子
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年8月31日(2000.8.3
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】図5(A)及び図5(B)を参照して、こ
の固体電解質ガスセンサは、上下基板,22を有し、
上基板(シリコン基板)には空洞aが形成されてい
る。空洞aは、上基板を厚み方向に部分的に貫通し
て形成されている。空洞aを囲む複数の側壁の端部に
はそれぞれ腕5の基端が支持されている。平面方向に沿
って、腕5の幅は、後述の熱断性膜(支持膜)3の一辺
の幅に比べて十分に細く、又腕5の先端部は鍵状に折曲
している。腕5の先端には矩形状の熱断性膜3の角部が
それぞれ接続されている。但し、腕5は熱断性膜3の中
心線上には接続されていない。かくして、熱断性膜3
は、複数の腕5により平面方向に沿って一体的に変位可
能に支持されている。熱断性膜3上には複数の円形な固
体電解質薄膜2がパターン形成されている。本明細書で
は、これを「固体電解質素子の格子状パターン」18と
称する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】符号の説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【符号の説明】 2 固体電解質薄膜 3 熱断性膜 4 シリコン基板、上基板4a 空洞 5 マイクロヒータの支持腕 6 検知電極 7 参照電極 8 検知電極リード 9 参照電極リード 10 参照電極シール膜 11 検知室シール膜 12 検知室 13 検知室口 14 酸素ポンプ作用電極 15 酸素ポンプ対電極 16 酸素ポンプ作用電極リード 17 酸素ポンプ対電極リード 18 固体電解質素子の格子状パターン 19 ヒータ線 20 ヒータリード 22 下基板 23 第一検知室 24 第二検知室 25 第一ポンプ作用電極 26 第二ポンプ作用電極 27 第一ポンプ作用電極リード 28 第二ポンプ作用電極リード 29 第一ポンプ対電極 30 第二ポンプ対電極 31 第一ポンプ対電極リード 32 第二ポンプ対電極リード 33 ダミー素子 34 絶縁体素子 41 センサ単素子

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、 支持膜と、 前記支持膜上に形成された固体電解質薄膜と、 前記基板と前記支持膜の間に連結され、前記支持膜の平
    面方向に沿って弾性的に変形可能な腕と、 前記支持膜上ないし該膜内に形成されたヒータ素子と、 前記固体電解質薄膜を含んで形成されたガスセンサ素子
    と、 を有することを特徴とする固体電解質ガスセンサ。
  2. 【請求項2】前記腕が前記支持膜の平面方向に沿って湾
    曲ないし折曲されたことを特徴とする請求項1記載の固
    体電解質ガスセンサ。
  3. 【請求項3】前記ヒータ素子によって前記固体電解質薄
    膜が加熱されることにより前記腕が変形し前記支持膜が
    該支持膜の形状が基本的に維持された状態で該支持膜の
    平面方向に沿って変位することを特徴とする請求項1又
    は2記載の固体電解質ガスセンサ。
  4. 【請求項4】前記腕が前記支持膜の対角部に接続された
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一記載の固体
    電解質ガスセンサ。
  5. 【請求項5】前記支持膜が多角形状とされ、 前記腕が前記支持膜の角部に接続されたことを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれか一記載の固体電解質ガスセン
    サ。
  6. 【請求項6】前記腕が、前記支持膜の中心線上に接続さ
    れていないことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一
    記載の固体電解質ガスセンサ。
  7. 【請求項7】前記支持膜上に、複数の前記固体電解質薄
    膜が互いに独立して形成されたことを特徴とする請求項
    1〜6のいずれか一記載の固体電解質ガスセンサ。
  8. 【請求項8】前記互いに独立して形成された複数の固体
    電解質薄膜のいずれか一を含んで構成されたガスセンサ
    素子を複数個有することを特徴とする請求項7記載の固
    体電解質ガスセンサ。
  9. 【請求項9】前記固体電解質薄膜の平面形状が、無角形
    であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一記載
    の固体電解質ガスセンサ。
  10. 【請求項10】前記固体電解質薄膜の平面形状が直径1
    0〜100μmの円形であることを特徴とする請求項9
    記載の固体電解質ガスセンサ。
  11. 【請求項11】前記支持膜に温度勾配が生じるように、
    前記ヒータ素子を2箇所以上に設けたことを特徴とする
    請求項1〜10のいずれか一記載の固体電解質ガスセン
    サ。
  12. 【請求項12】前記固体電解質ガスセンサ素子が、混成
    電位型、濃淡電池型、限界電流型及びインピーダンス型
    の一種以上から選択される型式のガスセンサ素子である
    ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一記載の固
    体電解質ガスセンサ。
  13. 【請求項13】前記固体電解質薄膜上に形成された、炭
    化水素を酸化させる触媒能力が互いに異なる複数の電極
    を有し、 前記複数の電極間に生じる混成電位の差に基づき炭化水
    素のガス濃度が検出されること、 を特徴とする請求項1〜12のいずれか一記載の固体電
    解質ガスセンサ。
  14. 【請求項14】前記固体電解質薄膜上に形成された、酸
    素を解離させる触媒能力が互いに異なる複数の電極を有
    し、 前記複数の電極間に生じる酸素濃淡電池電圧に基づき酸
    素のガス濃度が検出されること、 を特徴とする請求項1〜12のいずれか一記載の固体電
    解質ガスセンサ。
  15. 【請求項15】前記固体電解質薄膜上に形成され、被測
    定雰囲気と拡散抵抗をもって連通する検知室と、 前記固体電解質薄膜上、前記検知室内と外にそれぞれ形
    成された第1の一対の電極と、 前記固体電解質薄膜上、前記検知室内と外にそれぞれ形
    成された第2の一対の電極と、 を有し、 前記第1の一対の電極間に生じる酸素濃淡電池電圧が一
    定となるよう、前記第2の一対の電極間に流れる酸素イ
    オンポンプ電流ないし該電極間に印加する電圧を制御
    し、該第2の一対の電極間に流れる限界電流に基づき測
    定対象ガス成分の濃度が検出されること、 を特徴とする請求項1〜12のいずれか一記載の固体電
    解質ガスセンサ。
  16. 【請求項16】前記固体電解質薄膜上に形成され、被測
    定雰囲気と拡散抵抗をもって連通する検知室と、 前記固体電解質薄膜上、前記検知室内と外にそれぞれ形
    成された第3の一対の電極と、 前記固体電解質薄膜上、前記検知室内と外にそれぞれ形
    成された第4の一対の電極と、 前記固体電解質薄膜上、前記検知室内と外にそれぞれ形
    成された第5の一対の電極と、 を有し、 前記第4の一対の電極間に生じる酸素濃淡電池電圧に従
    い、前記第3の一対の電極間に流れる酸素イオンポンプ
    電流ないし該電極間に印加する電圧を制御して、前記検
    知室内の酸素濃度を制御すること、 前記検知室内の酸素濃度が制御された条件下で、第5の
    一対の電極間に測定対象であるガス成分に係る限界電流
    が流れるよう電圧が印加されること、 前記限界電流に基づき測定対象ガス成分の濃度が検出さ
    れること、 を特徴とする請求項1〜12のいずれか一記載の固体電
    解質ガスセンサ。
  17. 【請求項17】基板と、 前記基板に接続された支持膜と、 前記支持膜上に形成され、互いに独立した複数の固体電
    解質薄膜と、 前記支持膜上ないし該膜内に形成されたヒータ素子と、 前記互いに独立して形成された複数の固体電解質薄膜の
    いずれか一を含んで構成された複数個のガスセンサ素子
    と、 を有することを特徴とする固体電解質ガスセンサ。
  18. 【請求項18】基板上に支持膜を形成する工程、 前記支持膜上に固体電解質薄膜を形成する工程、 前記支持膜上にヒータを形成する工程、 前記固体電解質薄膜上に電極を形成する工程、 前記支持膜上に、少なくとも前記固体電解質薄膜及び前
    記電極から構成される固体電解質ガスセンサ素子を形成
    した後、該支持膜が該支持膜の平面方向に沿って変形可
    能な腕によって支持されるよう、該腕の形状に対応する
    マスクパターンを用いて、前記基板の該支持膜の下方部
    分及び該支持膜をエッチングする工程、 を含むことを特徴とする固体電解質ガスセンサの製造方
    法。
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