JP3778062B2 - Coセンサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス燃焼機器からのガス洩れや、室内燃焼機器の不完全燃焼により発生する一酸化炭素を検知するCOセンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のCOセンサは種々の方式、形状のものがあるが、その一例として図9に示すような固体電解質を用いたものがある。図9において1はアルミナなどのセラミック板より成る絶縁体で裏面にヒータ2が設定されている。3は絶縁板1上に併設された固体電解質で、上面に一対の白金電極4a、4bが形成されている。片方の白金電極4aに対応する位置に酸化触媒5を設置している。6はリード線であり、電極4a、4bおよびヒータ2に導電性のペーストで接合されている。
【0003】
一般にCOセンサは一酸化炭素、メタン、プロパン、水素、臭気などに感応し、ガス洩れ警報機や、CO警報機、臭いセンサなどの用途に用いられている。図9に示す固体電解質型センサは次のような原理でガスの検知を行う。なお、以下の説明では検知ガスを一酸化炭素(以下COと記す)とした場合について説明する。図9において電源(図示せず)からヒータ2に電力を供給し固体電解質3を所定温度(400℃〜500℃)に加熱すると、電極4と固体電解質3と空気の界面で電子の授受が行われ、酸素イオンが発生する。ここで、COが存在すると、酸化触媒5の乗った電極4aではCOは酸化触媒5によって酸化され、電極4aまでCOは到達しない。もう一方の電極4bではCOは電極4b表面でCO2に酸化される。その結果両電極間の電極反応に差が生じ、酸素イオンの平衡が崩れ、両電極間に電位差が発生する。電位差はリード線6によって検出回路(図示せず)へ導かれCO濃度を検出することができる。しかし、白金電極は、酸化活性が強いために、COだけでなく、水素、アルコールなどにも酸化活性を示すため、これらの可燃性ガスにも感応していた。
【0004】
COの選択性を向上させるために、特開平8−247991号公報、特開平10−239272号公報に示される構成のガス検知素子が考案されている。特開平8−247991号公報に示すガス検知素子は図9の構成において、大気中に存在する可燃性ガスのうちで水素ガスと特に反応しやすい一対の白金電極に変えて、COガスに酸化反応を起こさせ易く、しかも高い電子伝導性および酸素イオン伝導性を有するペロブスカイト型複合酸化物の一対の電極を設け、一方の電極を酸化触媒で覆う構成にしている。また、特開平10−239272号公報に示すガス検知素子は、COに対する感度が大きく異なる金属酸化物で電極を構成することにより、酸化触媒無しでCO選択性の優れたガス検知素子を形成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年家庭用機器でも省電力化の動きが顕著となり、待機電力の削減のため、燃焼機器に組み込むためのCOセンサに対しても小型、省電力化の要求が強くなってきている。さらにガス警報機などは、大幅な省電力化により電池駆動を目的とした開発に拍車がかかっている。しかし、特開平8−247991号公報に示すガス検知素子では、COの選択性には優れるものの、ガス検知素子の動作温度が400〜500℃と高温であり、所定の動作温度に固体電解質を加熱するのに多くの電力を要していた。また、特開平10−239272号公報に示すガス検知素子は、COの選択性に優れ、かつ触媒が不要で構成が非常に簡単ではあるが動作温度が600℃と高く、これも所定の動作温度に固体電解質を加熱するのに多くの電力を要するため省電力化の要求には対応できていなかった。
【0006】
本発明は前記従来の課題を解決するもので、CO選択性に優れ長期間安定して使用できるとともに、消費電力を大幅に低減するCOセンサを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために本発明のCOセンサは、酸素イオン伝導性固体電解質基板と、前記固体電解質基板の表面に形成されたペロブスカイト型複合酸化物よりなる第1電極と、前記第1電極とは別組成のペロブスカイト型複合酸化物よりなる第2電極とから構成したものである。
【0008】
大気中に存在する可燃性ガスのうちで水素ガスと反応しやすい白金電極に変えて、電極材料をCOガスに酸化反応を起こさせ易く、かつ高い電子伝導性および酸素イオン伝導性を有するペロブスカイト型複合酸化物とし、かつCOに対する感度が異なる別組成のペロブスカイト型複合酸化物で電極を構成することにより、酸化触媒無しでCO選択性の優れたガス検知素子を形成するとともに、COセンサの動作温度を大幅に低下させ、省電力化を図ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、酸素イオン伝導性固体電解質基板と、前記固体電解質基板の表面に形成されたペロブスカイト型複合酸化物よりなる第1電極と、前記第1電極とは別組成のペロブスカイト型複合酸化物よりなる第2電極を有する構成としているので、COガスに酸化反応を起こさせ易く、かつ高い電子伝導性および酸素イオン伝導性を有するとともに、COに対する感度が異なる別組成のペロブスカイト型複合酸化物で電極を構成することにより、感度の差を利用して、酸化触媒無しでCO選択性の優れたCOセンサを形成するとともに、COセンサの動作温度を大幅に低下させ、省電力化を図ることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は酸素イオン伝導性固体電解質基板と、前記固体電解質基板の一方の面に形成されたペロブスカイト型複合酸化物よりなる第1電極と、前記固体電解質基板の他方の面に形成された前記第1電極とは別組成のペロブスカイト型複合酸化物よりなる第2電極を有する構成としているのでペロブスカイト型複合酸化物のCOに対する感度の差を利用して、酸化触媒無しでCO選択性の優れたガス検知素子を形成するとともに、COセンサの動作温度を大幅に低下させ、省電力化を図ることができる。また、固体電解質の両面に電極を設けることにより電極面積を大きくとり固体電解質板の厚み方向で酸素イオンの授受を行うため、インピダンスが低く安定した出力が得られる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、酸素イオン伝導性の固体電解質基板と、前記固体電解質基板の一方の面に形成されたペロブスカイト型複合酸化物よりなる第1電極と、前記第1電極と同一面に形成され前記第1電極とは別組成のペロブスカイト型複合酸化物よりなる第2電極を有する構成としているので、ペロブスカイト型複合酸化物のCOに対する感度の差を利用して、酸化触媒無しでCO選択性の優れたガス検知素子を形成するとともに、COセンサの動作温度を大幅に低下させ、省電力化を図ることができる。さらに固体電解質の一方の面だけで電極を構成するのでCOセンサの加工を簡単に行うことができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、酸素イオン伝導性固体電解質基板と、前記固体電解質基板の一方の面に形成されたペロブスカイト型複合酸化物よりなる第1電極と、前記第1電極と同一面に形成され前記第1電極とは別組成のペロブスカイト型複合酸化物よりなる第2電極と、前記固体電解質板の他方の面に絶縁材を介して形成されたヒータを有する構成としているので、請求項1の構成で得られる効果に加え、固体電解質の一方の面だけで電極を構成するので構成が簡単であるとともに、もう一方の面全体にヒータを形成することが可能となり、固体電解質を均一に加熱するので、安定した出力を得ることができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、耐熱低熱伝導性の基板と、前記基板上に形成されたヒータと、前記ヒータを覆うように設けられた絶縁膜と、前記絶縁膜上に設けられた酸素イオン伝導性の固体電解質膜と、前記固体電解質膜上に形成されたペロブスカイト型複合酸化物よりなる第1電極と、前記第1電極と同一面に形成され前記第1電極とは別組成のペロブスカイト型複合酸化物よりなる第2電極を有する構成としているので、COガスに酸化反応を起こさせ易く、かつ高い電子伝導性および酸素イオン伝導性を有するとともに、COに対する感度が異なる別組成のペロブスカイト型複合酸化物で電極を構成することにより、感度の差を利用して、酸化触媒無しでCO選択性の優れたガス検知素子を形成するとともに、COセンサの動作温度を大幅に低下させ、省電力化を図ることができる。さらに、耐熱低熱伝導性の基板上に、ヒータ、絶縁膜、固体電解質、電極を薄膜で形成することにより、固体電解質、電極を瞬間的に所定の動作温度まで加熱することができるので、パルス的な駆動でセンサを動作させることが可能になり、消費電力を大幅に削減して、電池電源での動作を可能にする。
【0014】
請求項6に記載の発明は第1電極と第2電極上に貴金属薄膜層を有した構成としているので、貴金属薄膜層が触媒的な作用をし、空気中に微量の可燃性ガスが存在したときにこれを酸化分解するので、可燃性ガスの影響を抑えるとともに、貴金属薄膜層が導電体となり、第1電極と第2電極間で生じた起電力を確実に出力として検出することができる。
【0015】
請求項7に記載の発明は、酸素イオン伝導性固体電解質板と、前記固体電解質板の一方の面に形成されたペロブスカイト型複合酸化物よりなる第1電極と、前記第1電極と同一面に形成され前記第1電極とは別組成ペロブスカイト型複合酸化物よりなる第2電極と、前記第1電極および第2電極上に設定された多数の微細な孔を有する多孔質板と、前記固体電解質板のもう一方の面に絶縁材を介して形成されたヒータとを有する構成としているので、請求項5の構成で得られる効果に加え、電極上に設定した多孔質板によってシリコーン、イオウ酸化物などの進入による電極の被毒を防止し、長期間安定して使用できる。
【0016】
請求項8に記載の発明は、多数の微細な孔を有する多孔質板と、前記多孔質板の一方の面に形成されたペロブスカイト型複合酸化物よりなる第1電極と、前記第1電極と同一面に形成され前記第1電極とは別組成ペロブスカイト型複合酸化物よりなる第2電極と、前記第1電極および第2電極を覆うように形成された固体電解質膜と、前記固体電解質膜を覆うように形成された絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成されたヒータを有する構成としているので、多孔質板以外は放熱ロスの原因となる基板等を有していないので、固体電解質、電極を瞬間的に所定の動作温度まで加熱することができるので、パルス的な駆動でセンサを動作させることが可能になり、消費電力を大幅に削減して、電池電源での動作を可能にする。
【0017】
請求項9に記載の発明は、第1電極と多孔質板、および第2電極と多孔質板の間にそれぞれ貴金属膜層を有した構成としているので、貴金属薄膜層が触媒的な作用をし、空気中に微量の可燃性ガスが存在したときにこれを酸化分解するので、可燃性ガスの影響を抑えるとともに、貴金属薄膜層が導電体となり、第1電極と第2電極間で生じた起電力を確実に出力として検出することができる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0019】
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1におけるCOセンサの断面図を示すものである。図1(a)において、11は酸素イオン伝導性の固体電解質基板である。酸素イオン伝導性固体電解質は、CaO、MgO、Y2O3、La2O3またはSc2O3で安定化されたZrO2、CaO、Gd2O3またはLa2O3とCeO2との混合物、などが利用可能であるが本実施例では8%Y2O3安定化ZrO2を使用した。12は固体電解質基板11の一方の面に形成されたペロブスカイト型複合酸化物よりなる第1電極、13は固体電解質基板11の他方の面に形成された第2電極で、第1電極12とは別組成のペロブスカイト型複合酸化物よりなる。
【0020】
ペロブスカイト型複合酸化物はABO3の結晶構造を持つもので、AはLa、Ce、Pr、Ndなどの希土類元素、BはV、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuなどの遷移金属元素である。14は起電力出力を取り出すための電極リードである。COセンサを所定の温度まで加熱するためのヒータは図示していないが、COセンサの外周を包み込むように形成するか、第1電極12もしくは第2電極13の少なくとも一方の表面にガス透過性の多孔質体を設け、この多孔質体の他方の面にヒータを構成してもよい。
【0021】
この構成では固体電解質の両面に電極を設けることにより電極面積を大きくとり固体電解質板の厚み方向で酸素イオンの授受を行うため、インピダンスが低く安定した出力が得られる。図1(b)は実施例1の別の構成を示したものである。固体電解質基板11の一方の面に形成されたペロブスカイト型複合酸化物よりなる第1電極12、第2電極13を設けている。ヒータはCOセンサの外周を包み込むように形成してもよいが、図1(b)の場合は固体電解質基板11のもう一方の面を利用してヒータを構成することができる。すなわち、固体電解質基板11のもう一方の面に絶縁材15を接合し、絶縁材15上に所定の温度になるように抵抗値を設定したヒータ16をパターニングしている。17は電源(図示せず)ヒータ16に電力を供給するためのヒータリードである。絶縁材15としては絶縁特性に優れ、かつヒータの熱伝導性の良い材料であれば良く、ここではアルミナを用いた。ペロブスカイト型複合酸化物の電極特性を調べるために図1(b)の構成のCOセンサを用い、第1電極に基準電極としてAuを用い、第2電極13のペロブスカイト型複合酸化物を種々変更してCOおよびH2に対する出力を測定した。
【0022】
図2(a)はLaMnO3、図2(b)はLaCoO3について動作温度250℃での出力を示したものである。いずれに場合もCOに対しては出力が得られ、H2に対してはほとんど出力がえられなかったことから、これらのペロブスカイト型複合酸化物がCOに対し優れた選択性を有することがわかる。また、同じ動作温度でも電極の種類によって出力挙動が異なることから、これらを組み合わせることによってCOに対して大きな出力を得ることができる。図3は第1電極12をLaMnO3、第2電極13をLaCoO3とし、CO濃度500ppmに対して動作温度を変化させたときの出力を測定した結果を示す。250℃付近で最大値0.025Vを示した。図4は図3と同じ電極構成で動作温度250℃でCO濃度に対する出力変化を測定した結果である。CO濃度変化に対して良好な出力特性を有しており、CO検出センサとして有用であることが明らかとなった。
【0023】
従来例で示したように、一対の白金電極を用いた場合は動作温度は400〜500℃であり、また、同種のペロブスカイト型複合酸化物で一対の電極を構成した場合も400から500℃であるのに対し、本実施例では250℃でCOの検出が可能となった。これはCOの酸化活性の異なるペロブスカイト型複合酸化物を電極に用いることで、両極間に酸素イオン濃度差を生じさせ、ペロブスカイト型複合酸化物の電子伝導性および酸素イオン導電性によって低温で高出力が得られるためである。したがって、動作温度の大幅な低下が可能となり、消費電力を大幅に削減することができる。さらに本実施例の構成では触媒が不要となりセンサ構成も簡素化される。
【0024】
(実施例2)
図5は本発明の実施例2の要部断面図である。基本的な構成は実施例1と同じであるので異なる点のみ説明する。18は耐熱低熱伝導性基板でここでは石英ガラスを用いている。耐熱低熱伝導性基板18上にはヒータ16がスパッタ法や電子線蒸着法により所定のパターンが形成されている。19は絶縁膜で、電機絶縁性、熱伝導性の良好なアルミナをスパッタ法や電子線蒸着法により成膜している。20は絶縁膜19上に形成された固体電解質膜で8%Y2O3安定化ZrO2をスパッタ法や電子線蒸着法により成膜している。12は固体電解質膜19上に形成されたペロブスカイト型複合酸化物よりなる第1電極、13は第1電極とは別組成のペロブスカイト型複合酸化物よりなる第2電極であり、スクリーン印刷法、スパッタ法、電子線蒸着法などにより成膜している。
【0025】
以上の構成において、耐熱低熱伝導性基板18である石英ガラスは熱伝導係数が非常に小さいので、ヒータ16によって与えられた熱はほとんど絶縁膜19固体電解質膜20、第1および第2電極12、13の加熱に使われ、瞬時に高温に達することができる。また、動作温度は250℃程度であるので、瞬間的に昇温されても熱膨張率の差によってクラックが発生することは無いので、パルス的な運転が可能になり、消費電力を大幅に低減することができる。また、図5の実施例では、第1、第2電極12、13上にPt、Pd、Rhなどの貴金属の薄膜層21を有する構成としている。貴金属の薄膜層21が触媒的な作用をし、空気中に微量の可燃性ガスが存在したときにこれを酸化分解するので、可燃性ガスの影響を抑えることができる。また、水蒸気の影響も低減できる。乾燥空気に対し加湿空気ではCOに対する出力が30から50%増加するが、薄膜層21を設けることにより5から20の増加に抑制された。また、貴金属の薄膜層が導電体となり、第1電極と第2電極間で生じた起電力を集電して、確実に出力として検出することができる。
【0026】
(実施例3)
図6は本発明の実施例3の要部断面図である。図6において11は酸素イオン伝導性の固体電解質基板で、この固体電解質基板11の一方の面にペロブスカイト型複合酸化物よりなる第1電極12およびこの第1電極とは別組成ペロブスカイト型複合酸化物よりなる第2電極13が形成されている。第1電極12、第2電極13上には多数の微細な貫通孔を有する多孔質板22設定され、ガラスなどの接合材23によって固体電解質板11と密着接合されている。また、固体電解質基板11のもう一方の面には絶縁材15を介してヒータ16が形成されている構成としている。多孔質板22はゾルゲル法などにより、内部孔径を数Åから数100Åに制御しており、シリコーンやイオウ酸化物などの進入による電極の被毒を防止し、長期間安定して使用できる。
【0027】
図7は実施例3の別の構成を示す要部断面図である。図7では図6で示した構成の多孔質板22以外を薄膜で形成する構成としている。すなわち、多数の微細な貫通孔を有する多孔質板22の一方の面に、スパッタ法、電子線蒸着法によりロブスカイト型複合酸化物よりなる第1電極12と、第1電極とは別組成のペロブスカイト型複合酸化物よりなる第2電極13を形成し、この第1電極12および第2電極13を覆うように固体電解質膜20を形成している、さらに、この固体電解質膜20を覆うように絶縁膜19を形成し、この絶縁膜19にヒータ16がパターニングされている。さらにヒータ16はその露出面を保護層24で被覆し、シリコーンやイオウ酸化物などの被毒ガスによるヒータ16の劣化を防止している。上記構成において、電極を異なった組成のペロブスカイト型複合酸化物によって形成することにより、動作温度を低下させて、大幅な消費電力の低下を図るのに加え、多孔質板22以外は放熱ロスの原因となる基板等を有していないので、固体電解質、電極を瞬間的に所定の動作温度まで加熱することができる。
【0028】
したがって、パルス的な駆動でセンサを動作させることが可能になり、消費電力を大幅に削減して、電池電源での動作を可能にする。
【0029】
図8は実施例3のさらに別の構成を示す要部断面図である。基本構成は図7と同じであるので異なる点のみ説明する。第1電極12と多孔質板22、および第2電極13と多孔質板22の間にそれぞれ貴金属膜層を有した構成としている。すなわち、まず多孔質板22一方の面に第1電極12および第2電極13と同一形状に、スパッタ法、電子線蒸着法などにより、貴金属の薄膜層21を形成し、その後順次、第1電極12、第2電極13、固体電解質膜20、絶縁膜19、ヒータ16を形成する。この構成により、図7の構成で得られる効果に加え、貴金属の薄膜層21が触媒的な作用をし、空気中に微量の可燃性ガスが存在したときにこれを酸化分解するので、可燃性ガスの影響を抑えることができる。
【0030】
また、水分の影響も低減できる。さらに、貴金属の薄膜層21が導電体となり、第1電極12と第2電極13間で生じた起電力を集電して、確実に出力として検出することができる。
【0031】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、電極を異なった組成のペロブスカイト型複合酸化物で構成することにより、COに対する感度が異なる別組成のペロブスカイト型複合酸化物で電極を構成することにより、感度の差を利用して、酸化触媒無しでCO選択性の優れたCOセンサを形成するとともに、COセンサの動作温度を大幅に低下させ、省電力化を図ることができる。また、熱伝導性の低い基板上にCOセンサを薄膜で構成することにより、COセンサの熱容量を大幅に低下して、瞬間的に所定の温度までの昇温が可能になるので、COセンサをパルス的に駆動して消費電力を大幅に低減し電池電源での運転を可能にする。また、電極表面に貴金属の薄膜層を設けることにより、空気中の微量な可燃生ガスや水分の影響を低減することができる。さらに、気孔径を数Åから数100Åに制御した多孔質板を付加することによりシリコーンやイオウ酸化物などの被毒ガスの進入を防止するのでCOセンサを長期間安定に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)本発明の実施例1におけるCOセンサの要部断面図
(b)同本発明の実施例1におけるCOセンサの別構成の要部断面図
【図2】 (a)本発明の実施例1におけるCOセンサの電極特性図
(b)同本発明の実施例1におけるCOセンサの別の電極特性図
【図3】 本発明の実施例1におけるCOセンサの出力特性図
【図4】 本発明の実施例1におけるCOセンサの別の出力特性図
【図5】 本発明の実施例2におけるCOセンサの要部断面図
【図6】 同本発明の実施例3におけるCOセンサの要部断面図
【図7】 同本発明の実施例3におけるCOセンサの別構成の要部断面図
【図8】 同本発明の実施例3におけるCOセンサの別構成の要部断面図
【図9】 従来例のCOセンサの要部断面図
【符号の説明】
11 固体電解質基板
12 第1電極
13 第2電極
15 絶縁材
16 ヒータ
18 耐熱低熱伝導性基板
19 絶縁膜
20 固体電解質膜
21 薄膜層
22 多孔質板

Claims (9)

  1. 酸素イオン伝導性固体電解質基板と、前記固体電解質基板の表面に形成されたペロブスカイト型複合酸化物よりなる第1電極と、前記第1電極とは別組成のペロブスカイト型複合酸化物よりなる第2電極を有するCOセンサ
  2. 酸素イオン伝導性固体電解質基板と、前記固体電解質基板の一方の面に形成されたペロブスカイト型複合酸化物よりなる第1電極と、前記固体電解質基板の他方の面に形成された前記第1電極とは別組成のペロブスカイト型複合酸化物よりなる第2電極を有するCOセンサ
  3. 酸素イオン伝導性固体電解質基板と、前記固体電解質基板の一方の面に形成されたペロブスカイト型複合酸化物よりなる第1電極と、前記第1電極と同一面に形成され前記第1電極とは別組成のペロブスカイト型複合酸化物よりなる第2電極を有するCOセンサ
  4. 酸素イオン伝導性固体電解質基板と、前記固体電解質基板の一方の面に形成されたペロブスカイト型複合酸化物よりなる第1電極と、前記第1電極と同一面に形成され前記第1電極とは別組成のペロブスカイト型複合酸化物よりなる第2電極と、前記固体電解質板の他方の面に絶縁材を介して形成されたヒータを有するCOセンサ
  5. 耐熱低熱伝導性の基板と、前記基板上に形成されたヒータと、前記ヒータを覆うように設けられた絶縁膜と、前記絶縁膜上に設けられた酸素イオン伝導性の固体電解質膜と、前記固体電解質膜上に形成されたペロブスカイト型複合酸化物よりなる第1電極と、前記第1電極と同一面に形成され前記第1電極とは別組成のペロブスカイト型複合酸化物よりなる第2電極を有するCOセンサ
  6. 第1電極と第2電極上に貴金属薄膜層を有した請求項1から5のいずれかに記載のCOセンサ
  7. 酸素イオン伝導性固体電解質板と、前記固体電解質板の一方の面に形成されたペロブスカイト型複合酸化物よりなる第1電極と、前記第1電極と同一面に形成され前記第1電極とは別組成ペロブスカイト型複合酸化物よりなる第2電極と、前記第1電極および第2電極上に設定された多数の微細な孔を有する多孔質板と、前記固体電解質板のもう一方の面に絶縁材を介して形成されたヒータとを有するCOセンサ
  8. 多数の微細な孔を有する多孔質板と、前記多孔質板の一方の面に形成さ
    れたペロブスカイト型複合酸化物よりなる第1電極と、前記第1電極と同一面に形成され前記第1電極とは別組成ペロブスカイト型複合酸化物よりなる第2電極と、前記第1電極および第2電極を覆うように形成された固体電解質膜と、前記固体電解質膜を覆うように形成された絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成されたヒータを有するCOセンサ
  9. 第1電極と多孔質板、および第2電極と多孔質板の間にそれぞれ貴金属膜層を有した請求項7または請求項8記載のCOセンサ
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