JPH1123518A - 一酸化炭素ガス検知素子 - Google Patents

一酸化炭素ガス検知素子

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JPH1123518A
JPH1123518A JP9173874A JP17387497A JPH1123518A JP H1123518 A JPH1123518 A JP H1123518A JP 9173874 A JP9173874 A JP 9173874A JP 17387497 A JP17387497 A JP 17387497A JP H1123518 A JPH1123518 A JP H1123518A
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JP
Japan
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gas
carbon monoxide
electrodes
monoxide gas
composite oxide
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JP9173874A
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Akifumi Tanda
亮史 反田
Takashi Kono
隆志 河野
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Tokyo Gas Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一酸化炭素ガスに対する優れた選択性を有す
る高感度の一酸化炭素ガス検知素子を提供すること。 【解決手段】 本発明の一酸化炭素ガス検知素子は、酸
素イオン伝導性固体電解質から成る基板(1)の同一ま
たは互いに異なる表面に、置換型ペロブスカイト型複合
酸化物(A′1-x A″x B′1-y B″yz )を含む一
対の電極(2、3)を形成し、該一対の電極の一方を酸
化触媒(4)で覆った構成である。 【効果】 一酸化炭素ガスに酸化反応を起こさせやす
く、かつ高い電子伝導性および高い酸素イオン伝導性を
有する置換型ペロブスカイト型複合酸化物によって電極
が形成されており、しかも電極の酸素イオン伝導性及び
活性を向上させたので、一酸化炭素ガスの選択性は勿論
のこと、低濃度域でのCOガス検出感度に著しく優れ、
その上、COガス検出性能の寿命を著しく伸ばすことが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一酸化炭素ガス
(以下、単にCO乃至COガスと称す)に選択的に感応
する一酸化炭素ガス検知素子に関する。
【0002】
【従来の技術】ガス器具などの燃焼器が不完全燃焼を起
こした場合に発生する人体等に有毒なCOガスを検知す
る方法として、COセンサによる直接検知法が従来から
検討されている。例えば、特公昭58−4985号公報
に示されているように、酸素イオン伝導性固体電解質上
に一対の白金(Pt)電極を形成し、それらの電極の一
方はその表面を酸化触媒で覆い、他方はその表面を露出
させている。(ここでは、この検知素子を第1従来例と
する。)このような素子を、ヒータによって300〜4
00℃の作動温度に保持し、可燃性ガスを含む空気中に
置くと、両電極間の電位差に相当する起電力であるセン
サ出力を発生する。
【0003】また、このようなCOセンサに優れたCO
ガス選択性を持たせるために、特開昭58−99747
号公報及び同59−37456号公報には、固体電解質
と酸化能力の異なる2種の触媒で覆われた一対のPt電
極とからなる検知素子が提案されている。(これを第2
従来例とする。)従来提案されているこれらの検知素子
を、室内または燃焼機器等に取り付けることで、毒性の
高いCOガスを検知するという使い方が考えられる。
【0004】一方、本発明の発明者は、ペロブスカイト
型複合酸化物(ABO3 :ただし、AはLa,Ce,P
r,Nd等の希土類元素、またBはV,Cr,Mn,F
e,Co,Ni,Cu等の遷移金属元素)を電極材料と
したCOガスに対して高い選択性を持つCOガスセンサ
を既に開発している(特開平8−247991号公報参
照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】第1従来例として特公
昭58−4985号公報に開示されている検知素子は、
COガスに対する選択性が劣り、すなわち、水素ガスや
メタンガス等の他の可燃性ガスにも感応してしまい、誤
った検知を行う危険性を有している。
【0006】一方、第2従来例として特開昭58−99
747号公報及び同59−37456号公報に開示の検
知素子は、COガスに対する選択性を高めるために、酸
化能力の異なる2種の触媒を要し、その結果、構造的に
複雑になる。また、電極上に被着された両触媒の材質が
異なるため、両触媒の経時変化が異なり、そのため素子
特性の経時変化が大きいという不具合がある。また、特
殊な触媒を使用しているために、素子の作動温度を30
0℃程度の比較的低温にしなければならない。その結
果、イットリア安定ジルコニア(以下、単にYSZと称
す)内における酸素イオン伝導性が低下するため、応答
時間(立ち上がり)が遅いばかりか、検知特性(感度)
の劣化が早い。何故ならば、触媒に反応して触媒表面に
吸着した炭酸ガス(CO2 )や水分(H2 O)が低温の
ために触媒表面から放出され難くなるからである。
【0007】特開平8−247991号公報)に開示さ
れているペロブスカイト型複合酸化物を電極とするCO
ガスセンサは上記第2の従来例のように構造が複雑にな
ることはなく、また、上記第1の従来例に比較した場
合、COガスに対するセンサ能力における初期特性の面
では確かに改良されているが、低濃度域における応答性
や耐久性の面で問題がある。この点を図5に関連して説
明する。
【0008】図6は、ABO3 で表わされる従来のCO
ガス検知素子としてLaMnO3 を電極に用いたCOセ
ンサによる初期の応答性(図6の(a)参照)と、1週
間経過後の応答性(図6の(b)参照)とを示すグラフ
である。両グラフとも、横軸に時間(分)を取り、縦軸
にセンサ出力としての電圧(mV)を取っている。これ
らのグラフから明らかなように、図6の(a)に示され
る初期の場合、空気では出力はでず、比較的低濃度と言
える500ppmのCOガスを導入した直後に素早く反
応してセンサ出力が急激に立ち上がっている。更に、C
Oガスをパージした後の空気には再び出力は出ていな
い。一方、図6の(b)に示される1週間経過後の場合
には、空気中でも出力が出るようになっていて、500
ppmのCOガスを導入してもその反応は鈍く、センサ
出力の立ち上がりは緩やかである。更に、COガスをパ
ージした後の空気に対してもCOガス導入前と同じよう
に出力が出ている。
【0009】このように、COガス検知素子として単な
るペロブスカイト型複合酸化物を電極に用いただけで
は、検知素子は経時劣化を起こす傾向にあり、また、低
濃度域における応答性の面でやや劣ることが分かる。
【0010】更に、この種のCOガスセンサにおいて
は、応答性や再現性を維持するためにセンサ素子を周期
的に高温に過熱する、所謂、ヒートアップによるクリー
ニングを行う必要がある。例えば、特開平7−3571
5号公報によれば、150秒間隔のサイクルにおいて6
0秒間のヒートアップを含めている。言い換えれば、作
動サイクルの4割をセンサ素子のクリーニングのための
ヒートアップに当てていることになる。つまり、作動サ
イクルにおいて、センサとしての機能が発揮されないヒ
ートアップに当てられる4割が無駄な時間として費やさ
れている。
【0011】そこで、本発明は従来技術ならびに最近の
技術における上記問題点を解決するために為されたもの
で、その目的とするところは、より優れたCOガス選択
性を有すると共に、低濃度域においても高感度で感応す
ることができ、更に耐久性および経済性を著しく向上さ
せた簡易構造型のCOガス検知素子を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の基本的態様によれば、酸素イオン伝導性固
体電解質から成る基板の表面上に、置換型ペロブスカイ
ト型複合酸化物(A′1-x A″x B′1-y B″yz
ただし、A′は希土類元素であり、A″はアルカリ土類
金属元素であり、B′およびB″は共に遷移金属元素で
ある。)を含む一対の電極を形成し、該一対の電極の一
方を酸化触媒で覆ったことを特徴とするCOガス検知素
子が提供される。
【0013】本発明の別の態様によれば、上記基本的態
様における一対の電極が前記基板の同一面に形成された
ことを特徴とするCOガス検知素子が提供される。
【0014】本発明の更に別の態様によれば、上記基本
的態様における一対の電極が前記基板の異なる面にそれ
ぞれ形成されたことを特徴とするCOガス検知素子が提
供される。
【0015】上記基本的態様における酸素イオン伝導性
固体電解質は、CaO,MgOまたはM23 (Mは
Y、La等の希土類元素)で安定化されたZrO2 、C
aOまたはM23 (MはGd、La等の希土類元素)
とCeO2 との混合物、ThO2 及びM23 (Mは
Y、La等の希土類元素)の混合物、Y23 ,Gd2
3 ,Nb25 ,WO3 ,SrO,BaOまたはLa
23 とBi23 との混合物からなるグループの中か
ら選ばれる1つである。
【0016】また、上記基本的態様における置換型ペロ
ブスカイト型複合酸化物(A′1-xA″x B′1-y B″y
z )が、ペロブスカイト型複合酸化物(ABO3
のAとしてLa,Ce,Pr,Nd等の希土類元素が用
いられ、BとしてV,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,
Cu等の遷移金属元素が用いられ、前記Aの一部A″が
Ca,Sr,Ba等のアルカリ土類金属元素により置換
され、また前記Bの一部B″が別の遷移金属元素により
置換された複合酸化物であって、アルカリ土類金属元素
による置換量xは50mol%未満であり、一方、前記
別の遷移金属による置換量yが60mol%以下であ
る。なお、置換に用いられる遷移金属元素としてはCo
であることが好ましい。
【0017】更に、上記基本的態様における酸化触媒
は、Mg,Ca,V,Cr,Mn,Fe,Co,Niま
たはCuの酸化物,Ru,Rh,Pt,Pdから成るグ
ループの中から選ばれる単独あるいは2以上の組み合わ
せからなる触媒物質と、Al23 ,SiO2 ,TiO2
,MgO,SnO2 ,ZrO2 ,La23 ,CeO2
からなるグループの中から選ばれる単独あるいは2以
上の組み合わせから成る触媒用担体とで構成されてい
る。
【0018】
【作用】大気中に存在する可燃性ガスのうちで、水素ガ
スと反応し易い白金製の一対の電極に代えて、COガス
に酸化反応を起こさせ易く、しかも高い電子伝導性およ
び高い酸素イオン伝導性を有する置換型ペロブスカイト
型複合酸化物製の一対の電極を用いた一酸化炭素ガス検
知素子である。特に、本発明では、置換型ペロブスカイ
ト型複合酸化物としてA′1-x A″x B′1-y B″y
z (ただし、A′は希土類元素であり、A″はアルカリ
土類金属元素であり、B′およびB″は共に遷移金属元
素である。)で表わされるように、遷移金属元素の一部
をも置換させることによって、電極の酸素イオン伝導性
及び活性を向上させている。これによって、低濃度域で
のCO感度が改善されると共に、COガス検出能力の寿
命を著しく伸ばした耐久性に優れたCOガス検知素子が
提供され得る。なお、本発明の代表的なCOガス検知素
子としては、遷移金属元素にMnを用い、その一部の置
換元素にCoを用いている。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付の図面に示し
た1つの実施の形態に関連して説明する。
【0020】図1に、本発明によって製造されたCOガ
ス検知素子を用いたCOガスセンサ10が上面図(図1
の(a))及び断面図(図1の(b))で示される。
【0021】このCOガスセンサは、酸素イオン伝導性
固体電解質であるイットリア(Y23 )安定化ジルコ
ニア(ZrO2 )からなる基板1の上面に置換型ペロブ
スカイト型複合酸化物(A′1-x A″x B′1-y B″y
z 、ただしA′は希土類元素であり、A″はアルカリ
土類金属元素であり、B′およびB″は共に遷移金属元
素である。)から成る一対の電極2及び3が所定間隔を
置いて形成され、更に、一方の電極2を覆うように白金
(Pt)と酸化アルミニウム(Al23 )とからなる
可燃性ガス酸化触媒層4が形成されている。基板1の裏
面には、作動用のヒータとクリーニング用のヒートアッ
プヒータとを兼ねるヒータ7が取り付けられている。ま
た、一対の電極2及び3からはセンサ出力取り出し用の
共に白金(Pt)製のリード部5a及び6a及びリード
線5b及び6bがそれぞれ引き出されており、図4に図
示の測定装置に接続されている。
【0022】
【実施例】次に、上記実施の形態のCOガス検知素子
を、その製造工程を交えて、もう少し詳しく説明する。
【0023】8mol%のY23 で安定化したZrO
2 (以下、単にYSZと称する)から成る酸素イオン伝
導体としての基板1の同一面上に、まずセンサ出力取り
出し用のリード部5a及び6aをPtペーストを印刷す
ることによって形成し、1350℃で焼成した。次に、
一対のPt印刷リード部5a及び6aからセンサ出力取
り出し用のPtリード線5b及び6bをPtペーストで
固定して取り出し、1450℃で焼成した。続いて、置
換型ペロブスカイト型複合酸化物(A′1-x A″x B′
1-y B″yz : ただし、本発明の実施例としてA′に
はLaを、A″にはSrを、B′にはMnを、そして
B″にはCoを用いた。)をペースト状にしたものを基
板1上に印刷することによって、一対の電極2及び3を
形成し、1100℃で焼成した。このとき、各電極のサ
イズを2mm角、両電極間の間隔は0.5mmとした。
【0024】その後、可燃性ガスを酸化するための触媒
層4として、白金(Pt)が1.5重量%の割合で担持
されたアルミナ粉末を有機溶媒、バインダー、界面活性
剤と共に混合したペーストが調製され、このペーストを
一方の電極2を覆うように約50μmの厚さで印刷し、
900℃の温度で焼成した。
【0025】以上から良く理解され得るように、本発明
のCOガス検知素子は極めてシンプルな構造を有してい
る。
【0026】図2は、本発明の実施例で得られたCOガ
ス検知素子のサンプルを用いたCOガス検知の測定結果
を示すグラフである。図2では、測定温度(検知素子の
作動温度)が400℃の場合の測定結果をを示してい
る。なお、測定結果は、Co置換量(0〜60mol
%)に対する、200ppmのCO及びH2 に関するセ
ンサ出力(起電力:mV)で示されている。
【0027】ここで、Co置換量を60mol%以下と
した理由は、Coの置換量が60mol%を越えると、
電極とYSZ基板との間の熱膨張係数の相違が広がり、
加熱した際、両者の密着性が損なわれるためにセンサと
しての機能を果たすことができなくなるからである。図
2に示されたグラフから明らかなように、実施例のCO
ガス検知素子を用いたことにより、COとH2 とに対す
るそれぞれのセンサ出力の比(CO/H2 )は、測定温
度400℃の場合、Co置換量60mol%で20.5
と最大値を示し、COガスを著しく選択的に検知するこ
とができた。更に、Co置換量40〜60mol%にお
いてH2 に対するセンサ出力がほぼ0を記録した。
【0028】以上の結果から、本発明の実施例はCOガ
スに対して著しく優れた選択性を示すことが分かった。
【0029】更に、本発明においては前記のとおり、置
換型ペロブスカイト型複合酸化物を“A′1-x A″x
B′1-y B″yz ”とし、A′のみならず、B′をも
置換することにより、電極の酸素イオン伝導性及び活性
が向上することから、CO検出素子の感度に関する耐久
性に改善が見られた。これを、図3のグラフを参照しな
がら説明する。
【0030】図3は、La0.7 Sr0.3 Mn0.4 Co
0.63-δ(Co置換量が60mol%)を電極とした
COガスセンサによって、空気およびCOガス(図3
(a))並びに空気およびH2 ガス(図3(b))を2
8日間にわたってそれぞれ検出測定した結果を示すグラ
フである。図中、空気の測定結果はプロット(□)で示
され、COガスおよびH2 ガスに測定結果に関しては、
それぞれ500ppmの場合がプロット(■)で示され
ている。なお、互い隣接するプロット間において、セン
サは無通電放置された。
【0031】図3(a)から明らかなとおり、COガス
検出によるセンサ出力に幾分か変化が見られるものの、
全体としてはヒートアップによるクリーニングを何ら行
うことなく28日間が経過してもCOガスに対する良好
な感度と検出信頼度を維持していることが分かる。
【0032】また、図3(b)からは、H2 ガスに対す
るセンサ出力が、28日間経過後も10mV以下で、ガ
ス選択性の面でも経時劣化が起きていないことが分か
る。
【0033】図4は、本発明のCOガス検知素子を用い
たCOセンサによる初期の応答性(図4の(a)参照)
と、3週間経過後の応答性(図4の(b)参照)とを示
すグラフである。両グラフとも、横軸に時間(分)を取
り、縦軸にセンサ出力としての電圧(mV)を取ってい
る。これらのグラフから明らかなように、図4の(a)
に示される初期の場合、空気では出力は殆ど出ず、比較
的低濃度と言える500ppmのCOガスを導入した直
後に素早く反応してセンサ出力が急激に立ち上がり、5
0mV近くを記録している。更に、COガスをパージし
た後の空気に対しては再び出力は殆ど出ていない。ま
た、図4の(b)に示される3週間経過後の場合におい
ても、空気に対する出力は初期の場合より低くゼロに近
い。500ppmのCOガスを導入した際には、その反
応は初期の場合とほぼ同様に素早く反応して急激に立ち
上がり、更に、COガスをパージした後の空気に対する
出力は再び殆ど出ていない。
【0034】このように、本発明のCOガス検知素子を
用いたCOセンサは、応答性に関する初期特性が優れて
いるばかりか、時間の経過による応答性の劣化(経時変
化)が全く見られない。
【0035】図5は、図2に示す結果を得たCOガス及
び他の可燃性ガスの検知に用いられた測定装置のブロッ
ク図であり、被検ガスが導入されるガス室11の室内の
適所に本発明のCOガス検知素子を有するCOガスセン
サ10が置かれている。このCOガスセンサ10の電極
2及び3からそれぞれ引き出されたリード線5b及び6
bにはセンサ出力測定器としての電圧計12が接続され
ている。また、ヒータ7のための電源13が用意されて
いる。
【0036】更に、ガス室12からのガス排気管路の途
中には、ガス室12に導入される被検ガス中のCOガス
濃度を検知するための赤外線吸収式ポータブルガステス
タ等のCOガスメータ14が、またO2 ガス濃度を検知
するためのガスクロマトグラフィ等のO2 ガスメータ1
5が共に接続されている。ガス排気管路の終端は有毒ガ
ス処理装置(図示せず)に接続されている。
【0037】電圧計13及びCOガスメータ14並びに
2 ガスメータ15における測定値は、電源13に接続
されたパーソナルコンピュータ等の処理装置16に入力
される。
【0038】一方、ガス室12内に導入されるガス(C
O+N2 、H2 +N2 、O2 、N2)は、それぞれのガ
スボンベ17a〜17dから被検ガス混合器20に供給
され、そこで混合された後、そこから炉室12内へ導か
れる。
【0039】また、ガスボンベ17a〜17dからの各
ガスは、処理装置16によって流量が制御されるマスフ
ローコントローラ18a〜18dをそれぞれ介して被検
ガス混合器19に供給されるようになっている。
【0040】なお、前述の実施例では、基板1の同一面
に一対の電極2及び3が形成されたが、一対の電極が基
板1の異なる面にそれぞれ形成され一酸化炭素ガス検知
素子においても同等の効果を発揮する。
【0041】更に、上記実施例では、検知素子の酸素イ
オン伝導性固体電解質としてY23 で安定化したZr
2 を、電極にLa1-x Srx Mn1-y Coy3-δ
を、そして酸化触媒としてAl23 を担体とするPt
をそれぞれ用いたが、本発明は次に列記するような物質
を使用しても実施例と同等のCOガス検知素子を製造す
ることができる。 1.酸素イオン伝導性固体電解質として、(1)Ca
O,MgOまたはM23 (MはY、La等の希土類元
素)で安定化されたZrO2 、(2)CaOまたはM2
3 (MはGd、La等の希土類元素)とCeO2 との
混合物、(3)ThO2 とM23 (MはY、La等の
希土類元素)との混合物、(4)Y23 ,Gd2
3 ,Nb25 ,WO3 ,SrO,BaOまたはLa2
3 とBi23 との混合物。 2.電極として、置換型ペロブスカイト型複合酸化物
(A′1-x A″x B′1-y B″Oz )であって、A′と
して希土類元素であるCe,Pr,Nd、A″としてア
ルカリ土類金属元素であるCa,Ba、そしてB′及び
B″として遷移金属元素であるV,Cr,Fe,Mn,
Co,Cu,Ni等の中から選ばれる互いに異なる2つ
で構成される複合酸化物。 3.酸化触媒として、Mg,Ca,V,Cr,Mn,F
e,Co,NiまたはCuの酸化物,Ru,Rh,P
t,Pdから成るグループの中から選ばれる単独あるい
は2以上の組み合わせからなる触媒物質と、Al2
3 ,SiO2 ,TiO2 ,MgO,SnO2 ,ZrO
2 ,La23 ,CeO2 からなるグループの中から選
ばれる単独あるいは2以上の組み合わせからなる触媒用
担体とで構成されるもの。
【0042】以上の説明は単に本発明の好適な実施例の
例証であり、本発明の範囲はこれに限定されることはな
い。
【0043】
【発明の効果】本発明の一酸化炭素ガス検知素子によれ
ば、COガスに酸化反応を起こさせ易く、かつ高い電子
伝導性および高い酸素イオン伝導性を有する置換型ペロ
ブスカイト型複合酸化物(A′1-x A″x B′1-y B″
z : ただし、A′は希土類元素であり、A″はアル
カリ土類金属元素であり、B′およびB″は共に遷移金
属元素である。)によって電極が形成されており、希土
類元素A′のみならず、遷移金属元素B′の一部をも置
換させることによって電極の酸素イオン伝導性及び活性
を向上させたので、COガスの選択性は勿論のこと、従
来のCOガス検知素子に比べて低濃度域でのCOガス検
出感度が著しく優れ、COガス検出性能の寿命を著しく
伸ばした耐久性に優れたCOガス検知素子を提供するこ
とができる。
【0044】また、ヒートアップによるクリーニングを
行わずともCOガスの検出性能を良好に維持できるの
で、使用性に優れている。
【0045】更に、電極及び触媒にはそれぞれ少なくと
も1種の材料を用いれば、その性能を十分に発揮するこ
とができ、構造の簡易化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の一実施例を用いたCOガスセン
サを示す概略上面図、(b)はそのB−B断面図であ
る。
【図2】本発明の実施例のCOガス選択性として、Co
置換量に対応するCOガス検知結果(センサ出力)をH
2 ガス検知結果と比較して示すグラフである。
【図3】本発明の実施例における無通電放置の場合の応
答性及び選択性に関する経時変化特性を示すグラフであ
り、(a)はCOガスに対する経時変化を、また(b)
はH2 ガスに対する経時変化をそれぞれ示している。
【図4】本発明のCOガス検知素子のCOガス応答性を
示すグラフであり、(a)は初期の応答性(初期特性)
を示し、(b)は3週間経過後の応答性(経時特性)を
示している。
【図5】本発明におけるガス検知に用いた測定装置のブ
ロック図である。
【図6】従来のCOガス検知素子のCOガス応答性を示
すグラフであり、(a)は初期の応答性(初期特性)を
示し、(b)は1週間後の応答性(経時特性)を示して
いる。
【符号の説明】
1 YSZ基板 2 電極 3 電極 4 触媒層 5a,5b リード部 6a,6b リード部 7 ヒータ 10 COガスセンサ 11 ガス室 12 電圧計 13 電源 14 COガスメータ 15 O2 ガスメータ 16 処理装置 17a〜17d ガスボンベ 18a〜18d マスフローコントローラ 19 被検ガス混合器

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素イオン伝導性固体電解質からなる基
    板の表面上に、置換型ペロブスカイト型複合酸化物
    (A′1-x A″x B′1-y B″yz :ただし、A′は
    希土類元素であり、A″はアルカリ土類金属元素であ
    り、B′およびB″は共に遷移金属元素である。)を含
    む一対の電極を形成し、該一対の電極の一方を酸化触媒
    で覆ったことを特徴とする一酸化炭素ガス検知素子。
  2. 【請求項2】 前記一対の電極が前記基板の同一面に形
    成されたことを特徴とする請求項1に記載の一酸化炭素
    ガス検知素子。
  3. 【請求項3】 前記一対の電極が前記基板の異なる面に
    それぞれ形成されたことを特徴とする請求項1に記載の
    一酸化炭素ガス検知素子。
  4. 【請求項4】 前記酸素イオン伝導性固体電解質が、C
    aO,MgOまたはM23 (MはY、La等の希土類
    元素)で安定化されたZrO2 、CaOまたはM23
    (MはGd、La等の希土類元素)とCeO2 との混合
    物、Y23,Gd23 ,Nb25 ,WO3 ,Sr
    O,BaOまたはLa23 とBi23 との混合物か
    らなるグループの中から選ばれる1つであることを特徴
    とする請求項1から3までのいずれか一項に記載の一酸
    化炭素ガス検知素子。
  5. 【請求項5】 前記置換型ペロブスカイト型複合酸化物
    (A′1-x A″x B′1-y B″yz )が、ペロブスカ
    イト型複合酸化物(ABO3 )のAとしてLa,Ce,
    Pr,Nd等の希土類元素が用いられ、BとしてV,C
    r,Mn,Fe,Co,Ni,Cu等の遷移金属元素が
    用いられ、前記Aの一部A″がCa,Sr,Ba等のア
    ルカリ土類金属元素により置換され、また前記Bの一部
    B″が別の遷移金属元素により置換された複合酸化物で
    あることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一
    項に記載の一酸化炭素ガス検知素子。
  6. 【請求項6】 前記アルカリ土類金属元素による置換量
    xが50mol%未満であり、一方、前記別の遷移金属
    元素による置換量yが60mol%以下であることを特
    徴とする請求項5に記載の一酸化炭素ガス検知素子。
  7. 【請求項7】 前記置換に用いられる遷移金属元素がC
    oであることを特徴とする請求項5および6のいずれか
    一項に記載の一酸化炭素ガス検知素子。
  8. 【請求項8】 前記酸化触媒が、Mg,Ca,V,C
    r,Mn,Fe,Co,NiまたはCuの酸化物,R
    u,Rh,Pt,Pdからなるグループの中から選ばれ
    る単独あるいは2以上の組み合わせからなる触媒物質
    と、Al23 ,SiO2 ,TiO2 ,MgO,SnO
    2 ,ZrO2 ,La23 ,CeO2 からなるグループ
    の中から選ばれる単独あるいは2以上の組み合わせから
    なる触媒用担体とで構成されていることを特徴とする請
    求項1から3までのいずれか一項に記載の一酸化炭素ガ
    ス検知素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113945616A (zh) * 2021-11-30 2022-01-18 吉林大学 Ni-MOF/MWCNT为敏感电极的混成电位型室温NO传感器、制备方法及其应用

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