JP2014041164A - ガス検知素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガス感応部11および加熱手段を設けた被支持基板部10が、複数の架橋部20によって支持基板部30に支持してあるガス検知素子Xであって、1つの架橋部20では、被支持基板部10に対する架橋部20の延出方向と、支持基板部30に対する架橋部20の延出方向とを、異なる方向に設定してある。
【選択図】図2
Description
微細加工が可能なMEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を利用すれば、微小な部材を加工でき、小型化されて消費電力の低いガス検知素子を製造することができる。この小型化したガス検知素子をパルス駆動して間欠的にガス検知することで、平均消費電力をさらに低下させることができる。MEMS技術を利用することでガス検知素子を大量生産できるため、ガス検知素子のコストダウンを実現できる。
MEMS技術によって作製された被支持基板部を有するガス検知素子としては、サスペンド型(吊橋型)やクローズド型等が公知である。
例えばサスペンド型のガス検知素子としては特許文献1に示されるものがある。このタイプの素子は、ガス感応部および加熱手段を設けた被支持基板部が複数の架橋部によって支持基板部に支持してあり、熱絶縁に優れる。
例えば、架橋部を経由してヒータ電力が加熱手段に供給され、ガス感応部が加熱・冷却されると、被支持基板部および架橋部が膨張・収縮する。このような膨張・収縮に基づく熱応力は、加熱手段の近傍である架橋部と被支持基板部の境界部付近に集中し易い。特にガス感応部が厚膜である場合に著しい。これは以下の理由による。
本構成では、一つの架橋部の全体が直線形状とはならないように構成してある。こうすることで、被支持基板部と支持基板部との間を直線状の架橋部で連結した場合に比べて、架橋部を長く形成することができる。
この結果、被支持基板部で生じた加熱手段の熱が支持基板部に伝達し難くなる。このように、熱伝導度を低下させることで、被支持基板部に設けたガス感応部からの熱拡散を低減することができる。
このことは、さらに、ガス検知素子をパルス駆動する際にガス検知素子に加える入熱量を少なくでき、結果としてガス検知素子全体に加えるエネルギーの量が低下する。入熱量が低下することで、架橋部等の熱膨張の程度も少なくなり、例えば、架橋部と被支持基板部との境界付近に生じる膨張・収縮が低減化されて熱劣化や破損が生じるのを抑制することができる。
このように、本構成のガス検知素子は、被支持基板部を複数の架橋部によって支持基板部に支持したサスペンド型のガス検知素子であるため熱絶縁性に優れると共に、消費電力を少なくするためにパルス駆動をした場合であっても熱劣化し難く、熱衝撃に対して優れた耐久性を有する。
このような屈曲部を有する形状であれば、例えば、架橋部および被支持基板部の接続部と、架橋部および支持基板部の接続部との間を、カーブした曲線状の架橋部で連結した場合と比較してより長い経路を設定することができる。この結果、熱伝導度が低下して、ガス検知素子の耐熱性能をさらに向上させることができる。
また、一般にガス検知素子は矩形状の平面形状を持つものが多い。本構成のごとく直線部位の集合で架橋部を構成することで、ガス検知素子の形状設計が容易となる。
本構成では、架橋部は、矩形状に形成した被支持基板部の角部から延出するため、当該ペーストは架橋部に移行し難くなる。これにより、所定のガス感度特性を有するガス検知素子を製造できるため、ガス検知素子の製造収率が向上する。
この結果、被支持基板部の熱が架橋部に伝達し難くなることでガス感応部の加熱効率が高まり、ガス感応部に与える入熱量が小さくなるから、ガス検知素子の電力消費量を低減することができる。
一方、一旦、架橋部に伝わった熱は、支持基板部の側ほど幅広となった架橋部によって速やかに支持基板部の側に拡散する。よって、架橋部の冷却効果が高まり、耐熱性能に優れたガス検知素子を得ることができる。
本実施形態では、曲り部として架橋部20に少なくとも一つの屈曲部21を形成する。「屈曲」とは、例えば、直線状の部位が互いに角度を持ちながら接続されているような、明確に角が現れた部位を有するものを意味する。
このような屈曲部21を有する形状であれば、架橋部20および被支持基板部10の接続部と、架橋部20および支持基板部30の接続部との間を、曲線状の架橋部20で連結した場合と比較してより長い経路を設定することができる。この結果、熱伝導度が低下して、ガス検知素子Xの耐熱性能をさらに向上させることができる。
屈曲部21の形状は、通常は図2〜5に示したように二次元的なものである。この場合、平面的なスペースをとらず、製作も容易となる。
しかし、屈曲部21の形状は三次元的なものでもよい。例えば、架橋部20の少なくとも一部を、被支持基板部10が配設してある平面と異なる平面上に配設してもよい。このとき、例えば被支持基板部10と支持基板部30とが高低差を持つように架橋部20を立体的に配設すれば、熱絶縁性を更に向上させることができる。
このとき、被支持基板部10で生じた加熱手段14の熱が支持基板部30に伝達し難くなる。このように、熱伝導度を低下させることで、被支持基板部10に設けたガス感応部11からの熱拡散を低減することができる。
この結果、ガス検知素子Xをパルス駆動する際にガス検知素子Xに加える入熱量が少なくなり、結果としてガス検知素子X全体に加えるエネルギーの量が低下する。入熱量が低下することで、架橋部20等の熱膨張の程度も少なくなる。このとき、架橋部20と被支持基板部10との境界付近に生じる膨張・収縮が低減化されて熱劣化や破損が生じるのを抑制することができる。
このとき、架橋部20は、矩形状に形成した被支持基板部10における角部から延出する。当該角部は、ガス感応部11の作製時に焼結体ペーストが薄く塗布される部位である。そのため、ガス感応部11の作製時に焼結体ペーストが架橋部20に付着するのを防止し易くなる。
積層体Aは、MEMS技術を利用して以下のようにして形成した。
シリコン基板上にSiO2層とSiNx層等からなるダイアフラム(膜厚1〜2μm)を形成した後、その上にPt層を形成し、加熱手段14のパターンをドライエッチング加工した。その後、絶縁層13をSiO2層により形成した。当該絶縁層13の上に、一対の検出電極12を加熱手段14と同様の手法で形成した。
尚、ダイアフラムは、上述した膜の他にSiO2単層膜、Ta2O5単層膜等を適用することが可能である。
金属酸化物半導体として酸化スズを使用した。マイクロディスペンサーを用いて酸化スズペーストを上述した検出電極12の上に塗布し、乾燥後、600℃で1時間焼成した。さらに、酸化スズ焼結体にPd触媒を電着法によって付着させ、乾燥後、600℃で30分焼成することによりガス感応部11を形成した。
当該膜厚が50μm以上であると、ガス感応部11を一定温度に維持するための消費電力が大きくなる。また、通常、ガス感応部11を保持する被支持基板部10および架橋部20の厚さは1〜2μmで形成してあるため、被支持基板部10および架橋部20の熱衝撃に対する耐久性が悪化する。さらに、膜厚が厚くなると製造が困難になる。
一方、当該膜厚が10μm以下であると、ガス感度の長期安定性が悪化する。
比較例として、架橋部に屈曲部を設けない従来型(X型)のガス検知素子を3つ用いた(X型(a)、X型(b)、X型(c))。X型のガス検知素子は、架橋部を四本備える。3つのガス検知素子において、それぞれの架橋部の幅は同一(20μm)となるように形成した。一方、架橋分の長さは、それぞれ15、20、40μmとなるように異ならせて形成してある。
(1)上述した実施形態では、架橋部20の幅は変化しない。即ち、支持基板部30近傍の幅と被支持基板部10近傍の幅とは同じであるように構成した。しかし、これに限られるものではなく、架橋部が有する幅のうち、支持基板部30近傍の幅を被支持基板部10近傍の幅に対して広く設定してもよい(図7)。
本構成によれば、被支持基板部10の熱が架橋部20に伝達し難くなると共に、一旦、架橋部に伝わった熱は、支持基板部30の側ほど幅広に構成した架橋部を介して支持基板部10に拡散し易くなる。
この結果、被支持基板部10の熱が架橋部20に伝達し難くなることでガス感応部11の加熱効率が高まり、ガス感応部11に与える入熱量が小さくなるから、ガス検知素子Xの電力消費量を低減することができる。
一方、一旦、架橋部に伝わった熱は、支持基板部30の側ほど幅広となった架橋部20によって速やかに支持基板部30の側に拡散する。よって、架橋部20の冷却効果が高まり、耐熱性能に優れたガス検知素子Xを得ることができる。
この場合、被支持基板部10に対する架橋部20の延出方向と、支持基板部30に対する架橋部20の延出方向とが同じになるように構成できる。例えば、架橋部20の途中で「く」字型或いは「コ」字型に屈曲するように構成することができる。「く」字型に構成した場合において曲り部は3箇所、「コ」字型に構成した場合において曲り部は4箇所設けることとなる。
本構成においても、架橋部20のうち曲がった部位から被支持基板部10までの部位を、被支持基板部10に固定した腕と考えると、被支持基板部10に回転を生じさせるのは、主に架橋部20のうち残りの長さの部分に生じた熱膨張分である。この熱膨張分は、架橋部に生じた熱膨張の一部である。よって、腕が出た状態の被支持基板部10の回転に寄与する熱膨張量は少なくなる。つまり、被支持基板部10の中心からより遠い作用点に対して、より少ない回転駆動力が作用することとなり、被支持基板部10の回転角度が小さくなる。このように、被支持基板部10に対する架橋部20の延出方向と、支持基板部30に対する架橋部20の延出方向とが同じであっても、架橋部20に、少なくとも一箇所の屈曲部を設けることで、架橋部20に生じる熱膨張が、架橋部20と被支持基板部10との接続部に及ぼす影響を少なくすることができ、ガス検知素子Xの耐熱性能を向上させることとなる。
10 被支持基板部
11 ガス感応部
14 加熱手段
20 架橋部
21 屈曲部
30 支持基板部
微細加工が可能なMEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を利用すれば、微小な部材を加工でき、小型化されて消費電力の低いガス検知素子を製造することができる。この小型化したガス検知素子をパルス駆動して間欠的にガス検知することで、平均消費電力をさらに低下させることができる。MEMS技術を利用することでガス検知素子を大量生産できるため、ガス検知素子のコストダウンを実現できる。
MEMS技術によって作製された被支持基板部を有するガス検知素子としては、サスペンド型やクローズド型等が公知である。
例えばサスペンド型のガス検知素子としては特許文献1に示されるものがある。このタイプの素子は、ガス感応部および加熱手段を設けた被支持基板部が複数の架橋部によって支持基板部に支持してあり、熱絶縁に優れる。
例えば、架橋部を経由してヒータ電力が加熱手段に供給され、ガス感応部が加熱・冷却されると、被支持基板部および架橋部が膨張・収縮する。このような膨張・収縮に基づく熱応力は、加熱手段の近傍である架橋部と被支持基板部の境界部付近に集中し易い。特にガス感応部が厚膜である場合に著しい。これは以下の理由による。
本構成では、一つの架橋部の全体が直線形状とはならないように構成してある。こうすることで、被支持基板部と支持基板部との間を直線状の架橋部で連結した場合に比べて、架橋部を長く形成することができる。
この結果、被支持基板部で生じた加熱手段の熱が支持基板部に伝達し難くなる。このように、熱伝導度を低下させることで、被支持基板部に設けたガス感応部からの熱拡散を低減することができる。
このことは、さらに、ガス検知素子をパルス駆動する際にガス検知素子に加える入熱量を少なくでき、結果としてガス検知素子全体に加えるエネルギーの量が低下する。入熱量が低下することで、架橋部等の熱膨張の程度も少なくなり、例えば、架橋部と被支持基板部との境界付近に生じる膨張・収縮が低減化されて熱劣化や破損が生じるのを抑制することができる。
このように、本構成のガス検知素子は、被支持基板部を複数の架橋部によって支持基板部に支持したサスペンド型のガス検知素子であるため熱絶縁性に優れると共に、消費電力を少なくするためにパルス駆動をした場合であっても熱劣化し難く、熱衝撃に対して優れた耐久性を有する。
また、本構成によれば、微細加工が可能なMEMS技術を適用するため、極めて小さなガス検知素子の製造が可能となる。これにより、平均消費電力の少ないガス検知素子を得ることができる。
本構成では、架橋部は、矩形状に形成した被支持基板部の角部から延出するため、当該ペーストは架橋部に移行し難くなる。これにより、所定のガス感度特性を有するガス検知素子を製造できるため、ガス検知素子の製造収率が向上する。
この結果、被支持基板部の熱が架橋部に伝達し難くなることでガス感応部の加熱効率が高まり、ガス感応部に与える入熱量が小さくなるから、ガス検知素子の電力消費量を低減することができる。
一方、一旦、架橋部に伝わった熱は、支持基板部の側ほど幅広となった架橋部によって速やかに支持基板部の側に拡散する。よって、架橋部の冷却効果が高まり、耐熱性能に優れたガス検知素子を得ることができる。
本実施形態では、曲り部として架橋部20に少なくとも一つの屈曲部21を形成する。「屈曲」とは、例えば、直線状の部位が互いに角度を持ちながら接続されているような、明確に角が現れた部位を有するものを意味する。
このような屈曲部21を有する形状であれば、架橋部20および被支持基板部10の接続部と、架橋部20および支持基板部30の接続部との間を、曲線状の架橋部20で連結した場合と比較してより長い経路を設定することができる。この結果、熱伝導度が低下して、ガス検知素子Xの耐熱性能をさらに向上させることができる。
屈曲部21の形状は、通常は図2〜5に示したように二次元的なものである。この場合、平面的なスペースをとらず、製作も容易となる。
しかし、屈曲部21の形状は三次元的なものでもよい。例えば、架橋部20の少なくとも一部を、被支持基板部10が配設してある平面と異なる平面上に配設してもよい。このとき、例えば被支持基板部10と支持基板部30とが高低差を持つように架橋部20を立体的に配設すれば、熱絶縁性を更に向上させることができる。
このとき、被支持基板部10で生じた加熱手段14の熱が支持基板部30に伝達し難くなる。このように、熱伝導度を低下させることで、被支持基板部10に設けたガス感応部11からの熱拡散を低減することができる。
この結果、ガス検知素子Xをパルス駆動する際にガス検知素子Xに加える入熱量が少なくなり、結果としてガス検知素子X全体に加えるエネルギーの量が低下する。入熱量が低下することで、架橋部20等の熱膨張の程度も少なくなる。このとき、架橋部20と被支持基板部10との境界付近に生じる膨張・収縮が低減化されて熱劣化や破損が生じるのを抑制することができる。
架橋部20において、被支持基板部10から曲り部21までの長さは、支持基板部30から曲り部21までの長さより短く設定するとよい。
このとき、架橋部20は、矩形状に形成した被支持基板部10における角部から延出する。当該角部は、ガス感応部11の作製時に焼結体ペーストが薄く塗布される部位である。そのため、ガス感応部11の作製時に焼結体ペーストが架橋部20に付着するのを防止し易くなる。
さらに、図3では、支持基板部30から延出する架橋部20の延出方向は、被支持基板部10および支持基板部30の対角線の方向と異なるように構成してある。
積層体Aは、MEMS技術を利用して以下のようにして形成した。
シリコン基板上にSiO2層とSiNx層等からなるダイアフラム(膜厚1〜2μm)を形成した後、その上にPt層を形成し、加熱手段14のパターンをドライエッチング加工した。その後、絶縁層13をSiO2層により形成した。当該絶縁層13の上に、一対の検出電極12を加熱手段14と同様の手法で形成した。
尚、ダイアフラムは、上述した膜の他にSiO2単層膜、Ta2O5単層膜等を適用する
ことが可能である。
金属酸化物半導体として酸化スズを使用した。マイクロディスペンサーを用いて酸化スズペーストを上述した検出電極12の上に塗布し、乾燥後、600℃で1時間焼成した。さらに、酸化スズ焼結体にPd触媒を電着法によって付着させ、乾燥後、600℃で30分焼成することによりガス感応部11を形成した。
当該膜厚が50μm以上であると、ガス感応部11を一定温度に維持するための消費電力が大きくなる。また、通常、ガス感応部11を保持する被支持基板部10および架橋部20の厚さは1〜2μmで形成してあるため、被支持基板部10および架橋部20の熱衝撃に対する耐久性が悪化する。さらに、膜厚が厚くなると製造が困難になる。
一方、当該膜厚が10μm以下であると、ガス感度の長期安定性が悪化する。
比較例として、架橋部に屈曲部を設けない従来型(X型)のガス検知素子を3つ用いた(X型(a)、X型(b)、X型(c))。X型のガス検知素子は、架橋部を四本備える。3つのガス検知素子において、それぞれの架橋部の幅は同一(20μm)となるように形成した。一方、架橋分の長さは、それぞれ15、20、40μmとなるように異ならせて形成してある。
(1)上述した実施形態では、被支持基板部10および支持基板部30は上面視で矩形状であり、被支持基板部10の対角線の方向と支持基板部30の対角線の方向が異なるように構成したが、このような態様に限定されるものではなく、被支持基板部10の対角線の方向と支持基板部30の対角線の方向が一致するように構成してもよい。
本構成によれば、被支持基板部10の熱が架橋部20に伝達し難くなると共に、一旦、架橋部に伝わった熱は、支持基板部30の側ほど幅広に構成した架橋部を介して支持基板部10に拡散し易くなる。
この結果、被支持基板部10の熱が架橋部20に伝達し難くなることでガス感応部11の加熱効率が高まり、ガス感応部11に与える入熱量が小さくなるから、ガス検知素子Xの電力消費量を低減することができる。
一方、一旦、架橋部に伝わった熱は、支持基板部30の側ほど幅広となった架橋部20によって速やかに支持基板部30の側に拡散する。よって、架橋部20の冷却効果が高まり、耐熱性能に優れたガス検知素子Xを得ることができる。
また、架橋部は、その幅が支持基板部30の側ほど漸増する部位を有するように構成してもよい。
この場合、被支持基板部10に対する架橋部20の延出方向と、支持基板部30に対する架橋部20の延出方向とが同じになるように構成できる。例えば、架橋部20の途中で「く」字型或いは「コ」字型に屈曲するように構成することができる。「く」字型に構成した場合において曲り部は3箇所、「コ」字型に構成した場合において曲り部は4箇所設けることとなる。
本構成においても、架橋部20のうち曲がった部位から被支持基板部10までの部位を、被支持基板部10に固定した腕と考えると、被支持基板部10に回転を生じさせるのは、主に架橋部20のうち残りの長さの部分に生じた熱膨張分である。この熱膨張分は、架橋部に生じた熱膨張の一部である。よって、腕が出た状態の被支持基板部10の回転に寄与する熱膨張量は少なくなる。つまり、被支持基板部10の中心からより遠い作用点に対して、より少ない回転駆動力が作用することとなり、被支持基板部10の回転角度が小さくなる。このように、被支持基板部10に対する架橋部20の延出方向と、支持基板部30に対する架橋部20の延出方向とが同じであっても、架橋部20に、少なくとも一箇所の屈曲部を設けることで、架橋部20に生じる熱膨張が、架橋部20と被支持基板部10との接続部に及ぼす影響を少なくすることができ、ガス検知素子Xの耐熱性能を向上させることとなる。
この場合、架橋部20において、支持基板部30から第一曲り部までの延出方向と、被支持基板部10から第二曲り部までの延出方向とが一致するように構成できる。
また、架橋部20において、第一曲り部から第二曲り部までの長さは、支持基板部30から第一曲り部までの長さ、および、被支持基板部10から第二曲り部までの長さよりも長くなるように構成できる。
10 被支持基板部
11 ガス感応部
14 加熱手段
20 架橋部
21 屈曲部
30 支持基板部
Claims (7)
- ガス感応部および加熱手段を設けた被支持基板部が、複数の架橋部によって支持基板部に支持してあるガス検知素子であって、
前記架橋部に少なくとも一つの曲り部を形成してあるガス検知素子。 - 前記被支持基板部に対する前記架橋部の延出方向と、前記支持基板部に対する前記架橋部の延出方向とを、異なる方向に設定してある請求項1に記載のガス検知素子。
- 前記曲り部を屈曲した屈曲部で形成してある請求項1又は2に記載のガス検知素子。
- 前記被支持基板部が上面視で矩形状であり、前記架橋部のうち前記被支持基板部からの延出方向を、前記被支持基板部の対角線の方向に一致させてある請求項1〜3の何れか一項に記載のガス検知素子。
- 前記架橋部が有する幅のうち、前記支持基板部近傍の幅を前記被支持基板部近傍の幅に対して広く設定してある請求項1〜4の何れか一項に記載のガス検知素子。
- 前記加熱手段・前記被支持基板部・前記架橋部をMEMS技術により形成してある請求項1〜5の何れか一項に記載のガス検知素子。
- 前記架橋部の少なくとも一部を、前記被支持基板部が配設してある平面と異なる平面上に配設してある請求項1〜6の何れか一項に記載のガス検知素子。
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