JP2000230859A - 微小装置とその製造方法 - Google Patents

微小装置とその製造方法

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JP2000230859A
JP2000230859A JP11032314A JP3231499A JP2000230859A JP 2000230859 A JP2000230859 A JP 2000230859A JP 11032314 A JP11032314 A JP 11032314A JP 3231499 A JP3231499 A JP 3231499A JP 2000230859 A JP2000230859 A JP 2000230859A
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microdevice
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gas
electrode
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Yasukazu Iwasaki
靖和 岩崎
Shinichi Morita
信一 森田
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Nissan Motor Co Ltd
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】焦電型赤外線センサやガスセンサのように熱分
離されたダイアフラム構造を有する微小装置において、
ダイアフラム構造の温度を容易かつ短時間にリセットで
きる微小装置を提供する。 【解決手段】支持基板30から空隙31を介して熱分離
構造のダイアフラム33が形成され、このダイアフラム
上に焦電材料36を有する微小装置において、ダイアフ
ラムを支持基板に接触させ、熱的に短絡する駆動手段を
設けた構成。例えばダイアフラムに設けた電極35と、
該電極と支持基板との間に印加する電圧を制御する手段
39とを備え、上記電圧を制御することによってダイア
フラムを支持基板に接触または離反させる。それにより
ダイアフラム構造の熱を急速に放熱させ、温度を容易か
つ短時間にリセットできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱分離されたダイ
アフラム構造の温度をリセットできる微小装置に関し、
例えば焦電型赤外線センサや、ヒータを有するガスセン
サ等に適用できる技術である。
【0002】
【従来の技術】従来の微小装置としては、例えば半導体
基板上に構成した焦電型赤外線センサやガスセンサがあ
る。なお、ここで微小装置とはチップ本体の大きさで1
辺が数十μm〜1mm程度、厚さが1mm程度以下の装
置を意味する。
【0003】まず、図6は従来の焦電型赤外線センサの
一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)
のA−A’断面図を示す。従来、焦電型赤外線センサ
は、感度を向上させるため、赤外線検知部を熱分離され
たダイアフラム上に形成している。すなわち、図6にお
いては、ダイアフラム構造に用いる窒化物または酸化物
が表面に形成されているSi基板1にエッチング孔2を
形成し、そこからエッチング液を導入して異方性エッチ
ングを行ない、空洞10を形成することにより、Si基
板1から微小間隔(例えば1μm程度)を隔てて、窒化
物または酸化物からなるダイアフラム基部8と梁部3、
3’が形成されている。ダイアフラム基部8の上に下部
電極6が形成され、さらにその上に焦電材料7が形成さ
れ、更にその上に上部電極9が形成され、これらのダイ
アフラム基部8、下部電極6、焦電材料7および上部電
極9でダイアフラム部4を構成している。なお、上記の
下部電極6、焦電材料7、上部電極9は殆ど同一の位置
に形成されているので、平面図では重複して示されてい
る。また、一方の梁部3の上には配線5が形成され、そ
れが下部電極6に接続されている。他方の梁部3'には
配線5'が形成され、それが上部電極9に接続されてい
る。これらの部分が焦電型赤外線センサの検知部とな
る。
【0004】図7は焦電型赤外線センサの動作を説明す
るための信号波形図である。以下、動作原理を説明す
る。図6(b)において、上部電極9の垂線方向から赤
外線が入射する場合を考える。焦電型赤外線センサは自
発分極が面の垂線方向に向いているとき、赤外線の入射
による温度変化により、自発分極が変化する。この結
果、上部電極9と下部電極6とに挟まれた焦電材料7の
電気容量が変化し、それによって上部電極9と下部電極
6とに接続された外部負荷の電圧が変化する。しかし、
この現象は時間が経過すると元の状態に戻るため、継続
して変化を検出するためには、図7に示すように、入射
赤外線をON/OFFして、焦電材料7の状態を間歇的
に復帰させる必要がある。上記のようにすれば電気容量
の変化を電圧変化として出力することが出来る。その場
合の出力は図7に示すように微分波形となる。上記のよ
うに、入射赤外線をON/OFFする機構としては、通
常、光チョッパーが用いられる。
【0005】次に、ガスセンサとしては、ガスを吸着す
ると電気抵抗が変化するガス検出材料を用い、かつガス
を吸着した後はガス検出材料を300℃程度に加熱して
吸着ガスを蒸発させる機構を備えたものがある。図8は
上記のごときガスセンサの一例を示す図であり、(a)
は平面図、(b)は(a)のB−B’断面図を示す。図
8において、ダイアフラム構造に用いる窒化物または酸
化物が表面に形成されているSi基板1にエッチング孔
2を形成し、そこからエッチング液を導入して異方性エ
ッチングを行ない、空洞10を形成することにより、S
i基板1から微小間隔(例えば1μm程度)を隔てて、
窒化物または酸化物からなるダイアフラム基部8と梁部
3、3’が形成されている。ダイアフラム基部8の上に
はヒータ用抵抗体21とガス検出材料22が形成され、
上記ダイアフラム基部8、ヒータ用抵抗体21およびガ
ス検出材料22でダイアフラム部4を構成している。ガ
ス検出材料22は電極20を介して外部に接続される。
また、ヒータ用抵抗体21の端部と電極20は梁部3、
3’上に形成されている。なお、図8では図示を省略し
ているが、温度を計測するセンサがダイアフラム基部8
の上に設けられることもある。
【0006】上記のごときガスセンサにおいては、図8
(b)の上部にガスを吸着すると、ガス検出材料22の
電気抵抗が変化する。この変化によってガスの濃度を測
定することができる。しかし、そのままにしておくと、
次の計測をするとき、吸着したガスにより、ガス濃度が
実際と異なることがある。そのため、ヒータ用抵抗体2
1に通電することにより、ガス検出材料を300℃前後
の高い温度で加熱し、吸着ガスを除去するように構成さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
焦電型赤外線センサは、微分信号を検出するため、出力
電圧を大きくとるためには、光チョッパーなどのような
機械的に光または赤外線をチョッピングする機構が別途
必要であった。この機械的機構は、長期のシステム信頼
性の確保が困難である。また、マイクロマシン技術を利
用する光チョッピングの場合には、静電容量により、可
動部を動かすことができるが、チョッピング機構によ
り、開口率が50%より小さくなってしまう。この結
果、外部に余分な機械的回転機構を必要とすることから
くる長期信頼性、開口率の低下によるセンサの出力信号
の減少などの問題が生じる。
【0008】また、ガスセンサは、ガス濃度を測定後、
吸着したガスを高温加熱で蒸発させることが必要であ
り、次のガス濃度測定までには、ガス感応部を測定可能
な温度に戻す必要がある。特に300℃前後の高い温度
に加熱すると、測定状態に戻すために時間がかかるの
で、次の測定まで時間がかかり、短時間に測定を繰り返
すことが困難である、という問題がある。
【0009】本発明は上記のごとき従来技術の問題を解
決するためになされたものであり、焦電型赤外線センサ
やガスセンサのように熱分離されたダイアフラム構造を
有する微小装置において、ダイアフラム構造の温度を容
易かつ短時間にリセットできる微小装置を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明においては特許請求の範囲に記載するように
構成している。すなわち、請求項1においては、支持基
板から空隙を介して熱分離構造のダイアフラムが形成さ
れ、このダイアフラム上に物性が変化する材料を有する
微小装置において、上記ダイアフラムを上記支持基板に
接触させ、熱的に短絡する駆動手段を設けるように構成
している。上記のように本発明においては、ダイアフラ
ムを支持基板に接触させて急速に放熱させることによ
り、焦電型赤外線センサでは、容易かつ速やかに光チョ
ッピングと同等の作用を行なうことができ、ガスセンサ
では、吸着ガスを蒸発させた後の、次の測定までの時間
を著しく短縮させることができる。
【0011】また、請求項2に記載のように、例えば、
上記駆動手段は、ダイアフラムに設けた電極と、該電極
と支持基板との間に印加する電圧を制御する手段と、を
備え、上記電圧を制御することにより、静電力によって
上記ダイアフラムを上記支持基板に接触または離反させ
るものである。
【0012】また、請求項3に記載のように、支持基板
のダイアフラムと対向する面に凸部を設けることによ
り、ダイアフラムの上下ストロークを小さくでき、か
つ、接触のために電極に印加する電圧を小さくできる。
さらに、材質を適宜選定する(例えば金属、Si窒化
物、Si酸化膜等)ことによって、接触後に離す場合に
問題になる密着性を小さくできる。特に金属膜の時に
は、熱伝導度が大きいので、速く放熱することもでき
る。
【0013】また、請求項4に記載のように、上記凸部
に溝を設けることにより、接触後に、ダイアフラムを凸
部から引き離すのが容易になる。
【0014】また、請求項5に記載のように、上記凸部
の材料としては、ダイアフラムの材料と密着し難い材料
を用いるのが望ましい。そのような材料としては、例え
ば、金属、Si窒化物、Si酸化膜等がある。
【0015】また、請求項6はダイアフラム上の設けら
れた物性が変化する材料が焦電材料である場合、例えば
焦電赤外線センサの構成を示し、請求項7は上記の材料
がガスを検出する材料である場合、例えばガスセンサの
構成を示す。焦電材料としては、例えばチタン酸鉛やチ
タン酸ジルコン酸鉛(PGT)等があり、ガスを検出す
る材料としては、例えばジルコニア(ZrO2)や酸化
スズ(SnO2)等がある。
【0016】また、請求項8はダイアフラム上にダイア
フラムを加熱するヒータ用抵抗体が形成されている場
合、例えばガスセンサの構成を示す。
【0017】また、請求項9は、請求項3に記載の凸部
を有する微小装置を製造する方法であって、まず、ダイ
アフラムに対向する位置の支持基板の面上に凸部を形成
し、その上に犠牲層を形成し、さらにその上にダイアフ
ラムを形成する工程を有するものである。
【0018】また、請求項10は、請求項4に記載の凸
部に溝を有する微小装置を製造する方法であって、ダイ
アフラムに対向する位置の支持基板の面上に凸部を形成
し、該凸部に溝を形成し、その上に犠牲層を形成し、さ
らにその上にダイアフラムを形成する工程を有するもの
である。
【0019】また、請求項11は、請求項9または請求
項10に記載の微小装置の製造方法であって、犠牲層を
形成する際に、まず第1の犠牲層を形成し、その第1の
犠牲層に溝を形成し、さらにその上に第2の犠牲層を形
成するものである。このように第1の犠牲層に溝を形成
し、2層に犠牲層を形成することにより、後の工程で犠
牲層エッチングを行なう際に、上記溝の部分に小さいト
ンネル状の空洞が形成され、その部分をエッチング液が
容易に浸透するので、犠牲層エッチングの速度を速くす
ることができる。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、ダイアフラムを支持基
板に接触させることによって急速に放熱させる構成とし
たことにより、焦電型赤外線センサに適用した場合に
は、センサ自身に光チョッピングと同等の機能を持たせ
ることができ、従来のような別個の光チョッパーが不要
になる。そのため従来の光チョッパーによる種々の問題
を解決することが出来る。また、放熱時間を従来よりも
大幅に短縮できるので、チョッピング周波数を自由に設
定できる。さらに、従来の静電型チョッパーのように開
口率が小さくなることもない、という効果が得られる。
ガスセンサに適用した場合には、吸着ガスを蒸発させた
後の、次の測定までの時間を著しく短縮することができ
るので、高速でガス濃度計測が出来る、という効果が得
られる。なお、本発明を適用する微小装置においては、
一般にダイアフラムの大きさが1辺数百μm程度である
のに対し、その厚さは数μmと非常に小さいので、ダイ
アフラムが支持基板に接触した際の放熱時定数は非常に
小さくなる。例えば従来の数msec〜数十msecに
対して、それよりも2桁程度小さな値になる。したがっ
て温度のリセットを従来よりも大幅に短い時間で行なう
ことが出来る。
【0021】また、請求項3においては、ダイアフラム
の上下ストロークを小さくでき、かつ、接触のために電
極に印加する電圧を小さくできる。さらに、凸部の材質
を適宜選定する(例えば金属、Si窒化物、Si酸化膜
等)ことによって、接触後に離す場合に問題になる密着
性を小さくできる。特に金属膜の時には、熱伝導度が大
きいので、速く放熱することもできる。
【0022】また、請求項4においては、凸部に溝を設
けることにより、接触後に、ダイアフラムを凸部から引
き離すのが容易になる。
【0023】また、請求項11においては、第1の犠牲
層に溝を形成し、2層に犠牲層を形成することにより、
後の工程で犠牲層エッチングを行なう際に、上記溝の部
分に小さいトンネル状の空洞が形成され、その部分をエ
ッチング液が容易に浸透するので、犠牲層エッチングの
速度を速くすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施の形
態を示す断面図であり、焦電型赤外線センサに本発明を
適用した場合を示す。図1において、Si支持基板30
の上に空隙31を介して梁部32、32’とダイアフラ
ム基部33が形成されている。ダイアフラム基部33の
上には下部電極35が形成され、その上に焦電材料36
が形成され、さらにその上に上部電極38が形成されて
いる。上記のダイアフラム基部33、下部電極35、焦
電材料36および上部電極38でダイアフラム部37が
構成されている。また、一方の梁部32には配線34が
形成され、下部電極35に接続されている。他方の梁部
32には電極34’が形成され、上部電極38に接続さ
れている。また、電圧制御回路39は一方の端子がSi
支持基板30に接続され、他方の端子が配線34を介し
て下部電極35に接続されている。この電圧制御回路3
9はSi支持基板30と下部電極35との間に所定電圧
を印加、遮断するスイッチングの機能を備えた回路であ
る。なお、Si支持基板30はガラス基板のような絶縁
性基板を用いてもよい。ただし、絶縁性基板の場合には
取り出し電極が必要となる。またSi基板であれば制御
系の回路を同じ基板上に形成することが出来るという利
点がある。また、平面図は前記図6(b)と同様であ
る。なお、ダイアフラム基部33の大きさは、例えば1
00×100μm程度、厚さは数μm程度、空隙31の
間隔は数μm程度である。
【0025】以下、作用を説明する。電圧制御回路39
によってSi支持基板30と下部電極35の間に電圧を
印加すると、Si支持基板30と下部電極35の間に静
電力が働き、ダイアフラム部37が吸引されてSi支持
基板30に機械的に接触する。逆に、印加した電圧を解
除すればダイアフラム部37は元の状態に復帰する。こ
のように熱分離されたダイアフラム部37をSi支持基
板30に接触させることにより、焦電材料36の熱を急
速に放熱することが出来る。
【0026】例えば、前記図7の信号波形の場合には、
測定信号が極大値に達する時間後に印加電圧をゼロにし
て、ダイアフラム部37をSi支持基板30から離す。
なお、印加電圧をゼロにしても密着したダイアフラム部
37がSi支持基板30から離れない場合には、逆方向
の電圧を印加する。このようなダイアフラム部37の温
度のオン/オフ動作により、自発分極の変化を伴い電気
容量が変化する。この変化による前記図7の出力電圧波
形のような信号を検出することが出来る。
【0027】上記の動作において、ダイアフラム部37
とSi支持基板30との接触、離れの周期は焦電材料の
信号が最大になる周期にすればよい。従来の構造では梁
部32、32’を介して熱が伝導することによって放熱
が行なわれるので、上記の周期は梁部の熱抵抗に依存し
ており、寸法にもよるが、その熱時定数は一般的に数m
sec〜数十msecオーダーの値である。しかし、本
実施の形態においては、ダイアフラム部37の面積の大
きさ(1辺が100μm程度)に比較してダイアフラム
部37の厚さがきわめて薄い(1μm前後)ため、ダイ
アフラム部37とSi支持基板30が熱的に接触した時
の熱時定数は非常に小さく、接触と同時に熱がSi支持
基板30に伝導する。そのためセンサのサイズにもよる
が、その速さは梁部を伝導するよりも2桁以上速くな
る。
【0028】次に、図2は本発明の第2の実施の形態を
示す断面図であり、ガスセンサに本発明を適用した場合
を示す。図2において、ダイアフラム基部33の上に平
面状の電極42が形成され、その上に絶縁膜を介してガ
ス感応材料40とヒータ抵抗体41が形成されており、
さらに温度センサ43が形成されている。これらのダイ
アフラム基部33、電極42、ガス感応材料40、ヒー
タ抵抗体41および温度センサ43でダイアフラム部3
7を構成している。また、電圧制御回路39は一方の端
子がSi支持基板30に接続され、他方の端子が配線3
4を介して電極35に接続されている。
【0029】ガスセンサの場合には、ガス濃度検出後、
吸着ガスを蒸発させるため、測定後にヒータ抵抗体41
に通電して発熱させることにより、ガス感応材料40の
温度を300℃前後に加熱する。このことにより、吸着
ガスが蒸発し、次の計測が可能となる。従来は、上記の
ように300℃前後に加熱した熱抵抗の高いダイアフラ
ム部37上のガス感応材料40を冷却するのに、自然冷
却に頼っていた。そのため、ガス感応材料40の温度が
低下して次の計測が可能になるまでにはかなりの時間を
要していた。
【0030】本実施の形態においては、ヒータ抵抗体4
1の電源を切断するとともに、電圧制御回路39からS
i支持基板30と電極42の間に電圧を印加することに
より、ダイアフラム部37をSi支持基板30に機械的
に接触させる。逆に、印加した電圧を解除すればダイア
フラム部37は元の状態に復帰する。このように熱分離
されたダイアフラム部37をSi支持基板30に接触さ
せることにより、加熱されたガス感応材料40の熱を急
速に放熱することが出来る。この場合には、焦電赤外線
センサとは異なり、ダイアフラム部37に形成されてい
る絶対温度計測ができる温度センサ43で温度を計測
し、ダイアフラム部37の温度が適正温度になったとき
に電圧制御回路39からの電圧を遮断し、ダイアフラム
部37をSi支持基板30から離すようにすればよい。
なお、印加電圧をゼロにしても密着したダイアフラム部
37がSi支持基板30から離れない場合には、逆方向
の電圧を印加する。
【0031】次に、図3は本発明の第3の実施の形態を
示す断面図である。図1の断面図との違いについて説明
する。図3においては、ダイアフラム部37の下で、S
i支持基板30の上に薄い凸部50が形成されている。
この凸部50の材質としては金属、Si窒化物またはS
i酸化膜等を用いることが出来る。このような凸部50
を形成することによって、熱的接触を行なうダイアフラ
ム部37の上下ストロークを小さくできる。また、接触
のために電極に印加する電圧を小さくできる。さらに、
材質を金属、Si窒化物またはSi酸化膜にすることに
よって、接触後に離す場合に問題になる密着性を小さく
できる。特に金属膜の時には、熱伝導度が大きいので、
速く熱を奪うこともできる。また、ガスセンサについて
は前記図2において図3と同様の凸部50を設ければよ
い。
【0032】次に、図4は本発明の第4の実施の形態を
示す断面図である。図3の断面図との違いについて説明
する。図4においては、薄い凸部50に溝51が形成さ
れている。この溝はストライプ状または格子状でもよ
い。このように構成することによって、接触後、温度が
Si支持基板30と同等になった後に、ダイアフラム部
37を凸部50からの引き離しが容易になる。また、ガ
スセンサについては前記図2において図4と同様の凸部
50と溝51を設ければよい。
【0033】次に、図5は、本発明の微小装置の製造工
程を示す断面図である。以下、例として図1の構造につ
いて、その製造工程を説明する。 (a)Si支持基板30に厚さ2μm前後のPSGの酸
化膜をCVD法などで形成する。PSGの酸化膜は犠牲
エッチング層であるため、ポリイミドなどでもよい。こ
こで、Si支持基板30に回路部が形成されていてもよ
い。このPSG酸化膜に格子状の溝を1μm前後の深さ
でエッチングにより形成し、その上に同じPSG酸化膜
をCVD法で形成し、一部を残してエッチング除去す
る。こうしてダイアフラム基部33と梁部34となる部
分の下に犠牲層酸化膜60が形成される。なお、犠牲層
酸化膜60を上記のように2層に形成すると前記の溝に
小さいトンネル状の空洞が形成され、その部分をエッチ
ング液が容易に浸透するので、後の工程における犠牲層
エッチングの速度を速くすることができる。なお、単に
厚さ2μm前後の単層の犠牲層酸化膜としてもよい。
【0034】(b)次に、全体にダイアフラム層61を
形成する。ここでは、一例として、Si窒化物をLPC
VDで形成する。 (c)このダイアフラム層61上に配線34と下部電極
35(例えば白金電極)を形成し、必要部位を残し、他
はエッチング除去する。 (d)次に、下部電極35上に焦電材料36(例えばチ
タン酸鉛やチタン酸ジルコン酸鉛)を形成し、パターン
化する。 (e)さらにこの上に配線34’と上部電極38(例え
ば白金電極)を形成する。 (f)次に層間絶縁膜62、例えば犠牲層酸化膜エッチ
ング液からの保護膜に用いられるプラズマSi窒化膜な
どで全体を覆う。 (g)次に、エッチング孔2および赤外線受光部の上の
層間絶縁膜62を除去し、さらに、エッチング孔下部の
ダイアフラムを除去して犠牲層酸化膜60まで達する孔
を形成する。 (h)最後に上記孔からエッチング液を注入して犠牲層
酸化膜60をエッチング除去し、犠牲層酸化膜60のあ
った部分に空隙31を設けることにより、ダイアフラム
基部33がSi支持基板30から微小間隔を隔てて独立
した焦電型赤外線センサとなる。
【0035】なお、Si支持基板30とダイアフラム基
部33を機械的に接触させ、その後元に戻すとき、Si
支持基板30とダイアフラム基部33との密着性を弱く
し、ステイックして接触を外せない状態になることがな
いようにする必要がある。このため、前記図3の実施の
形態に示したように、Si支持基板上に凸部を設けるこ
とを行なう。図5の製造方法において上記の凸部を形成
する場合には、(a)の工程の前に、まず、Si支持基
板30上にダイアフラムとの密着性の弱いSi窒化膜や
金属からなる凸部を形成する工程を設け、その後に
(a)の工程で犠牲層酸化膜60を設ける。
【0036】また、焦電材料が焦電性を出すためには、
この材料が下部電極上に軸配向する必要がある。このた
めには、(c)の工程の前に、ダイアフラム層61(L
PCVDで形成したSi窒化物)上にMgOなどの、軸
配向させやすい下地を形成し、その後に(c)の工程
で、下部電極35例えばPt膜などを形成する。この上
では焦電材料が比較的容易に軸配向する。
【0037】また、図2のようなガスセンサの場合に
は、上記(d)、(e)の工程の代わりに、ガス感応材
料(例えばZrO2やSnO2)とヒータ抵抗体と温度セ
ンサを形成する工程を設ければよい。なお、ガスセンサ
における電極42は上記(c)の下部電極を形成する工
程で形成出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の断面図。
【図2】本発明の第2の実施の形態の断面図。
【図3】本発明の第3の実施の形態の断面図。
【図4】本発明の第4の実施の形態の断面図。
【図5】本発明の第1の実施の形態の製造工程を示す断
面図。
【図6】従来技術の焦電型赤外線センサの平面図および
断面図。
【図7】焦電型赤外線センサの動作を説明するための信
号波形図。
【図8】従来技術のガスセンサの平面図および断面図。
【符号の説明】
1…Si基板 2…エッチ
ング孔 3、3’…梁部 4…ダイア
フラム部 5、5’…配線 6…下部電
極 7…焦電材料 8…ダイア
フラム基部 9…上部電極 10…空洞 20…配線 21…ヒータ
用抵抗体 22…ガス検出材料 30…Si支
持基板 31…空隙 32、32’
…梁部 33…ダイアフラム基部 34、34’
…配線 35…下部電極 36…焦電材
料 37…ダイアフラム部 38…上部電
極 39…電圧制御手段 40…ガス感
応材料 41…ヒータ抵抗体 42…電極 43…温度センサ 50…凸部 51…溝 60…犠牲層
酸化膜 61…ダイアフラム層 62…層間絶
縁膜

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持基板から空隙を介して熱分離構造のダ
    イアフラムが形成され、このダイアフラム上に物性が変
    化する材料を有する微小装置において、 上記ダイアフラムを上記支持基板に接触させ、熱的に短
    絡する駆動手段を設けたことを特徴とする微小装置。
  2. 【請求項2】上記駆動手段は、上記ダイアフラムに設け
    た電極と、該電極と上記支持基板との間に印加する電圧
    を制御する手段と、を備え、上記電圧を制御することに
    よって上記ダイアフラムを上記支持基板に接触または離
    反させることを特徴とする請求項1に記載の微小装置。
  3. 【請求項3】上記支持基板の上記ダイアフラムと対向す
    る面に凸部を設けたことを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載の微小装置。
  4. 【請求項4】上記支持基板に形成された凸部に溝を有す
    ることを特徴とする請求項3に記載の微小装置。
  5. 【請求項5】上記支持基板に形成された凸部がダイアフ
    ラムの材料と密着し難い材料からなることを特徴とする
    請求項3または請求項4に記載の微小装置。
  6. 【請求項6】上記物性が変化する材料が焦電材料である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載
    の微小装置。
  7. 【請求項7】上記物性が変化する材料がガスを検出する
    材料であることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何
    れかに記載の微小装置。
  8. 【請求項8】上記ダイアフラム上にダイアフラムを加熱
    するヒータ用抵抗体が形成されていることを特徴とする
    請求項7に記載の微小装置。
  9. 【請求項9】請求項3に記載の微小装置を製造する方法
    であって、ダイアフラムに対向する位置の支持基板の面
    上に凸部を形成し、その上に犠牲層を形成し、さらにそ
    の上にダイアフラムを形成する工程を有することを特徴
    とする微小装置の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項4に記載の微小装置を製造する方
    法であって、ダイアフラムに対向する位置の支持基板の
    面上に凸部を形成し、該凸部に溝を形成し、その上に犠
    牲層を形成し、さらにその上にダイアフラムを形成する
    工程を有することを特徴とする微小装置の製造方法。
  11. 【請求項11】上記犠牲層は、第1の犠牲層を形成し、
    該第1の犠牲層に溝を形成し、さらにその上に第2の犠
    牲層を形成することによって形成したことを特徴とする
    請求項9または請求項10に記載の微小装置の製造方
    法。
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