JPH11148913A - 電気化学的素子の製造方法及び電気化学的素子 - Google Patents

電気化学的素子の製造方法及び電気化学的素子

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JPH11148913A
JPH11148913A JP9315180A JP31518097A JPH11148913A JP H11148913 A JPH11148913 A JP H11148913A JP 9315180 A JP9315180 A JP 9315180A JP 31518097 A JP31518097 A JP 31518097A JP H11148913 A JPH11148913 A JP H11148913A
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oxygen concentration
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伸秀 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】測定ガス成分(例えばNOx)を検出する検出
電極での合金化を抑制させて、NOxセンサの測定精度
を向上させる。 【解決手段】セラミックグリーンシート上に電極を形成
する工程と、セラミックグリーンシートを積層一体化
し、焼成して基体を作製する工程とを有するNOxセン
サの製造方法において、前記基体の焼成過程におけるバ
インダー除去後の焼成雰囲気中の酸素濃度を0.5%以
下に制御する。具体的には、炉中の温度が室温から約1
000℃にわたる区間1では大気雰囲気で焼成を行い、
1000℃から最高温度を経て自然放冷にわたる区間2
では窒素雰囲気(炉中雰囲気の酸素濃度を約400pp
mに制御)で焼成を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気化学的素子の
製造方法及び電気化学的素子に関し、例えば、車両の排
出ガスや大気中に含まれるNO、NO2 、SO2 、CO
2 、H2 O等の酸化物や、H2 、CO、炭化水素(Cn
Hm)等の可燃性ガスを測定するガスセンサに用いて好
適な電気化学的素子の製造方法及び電気化学的素子に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、燃焼ガス等の被測定ガス中の
NOxを測定する方法として、RhのNOx還元性を利
用し、ジルコニア等の酸素イオン導伝性の固体電解質上
にPt電極及びRh電極を形成したセンサを用い、これ
ら両電極間の起電力を測定するようにした手法が知られ
ている。
【0003】しかしながら、そのようなセンサは、被測
定ガスである燃焼ガス中に含まれる酸素濃度の変化によ
って起電力が大きく変化するばかりでなく、NOxの濃
度変化に対して起電力変化が小さく、そのためにノイズ
の影響を受けやすいという問題がある。
【0004】また、NOxの還元性を引き出すために
は、CO等の還元ガスが必須になることから、一般に、
大量のNOxが発生する燃料過少の燃焼条件下では、C
Oの発生量がNOxの発生量を下回ってしまい、そのよ
うな燃焼条件下に形成される燃焼ガスでは、正確な測定
ができないという欠点があった。
【0005】前記の問題点を解決するために、被測定ガ
スの存在空間に連通した第1の内部空所と該第1の内部
空所に連通した第2の内部空所にNOx分解能力の異な
るポンプ電極を配したNOxセンサと、第1の内部空所
内に配された第1のポンプセルでO2 濃度を調整し、第
2の内部空所内に配された分解ポンプセルでNOを分解
し、分解ポンプに流れるポンプ電流からNOx濃度を測
定する方法が、例えば特開平8−271476号公報に
明らかにされている。
【0006】更に、特開平9−113484号公報に
は、酸素濃度が急変した場合でも第2の内部空所内の酸
素濃度が一定に制御されるように、第2の内部空所内に
補助ポンプ電極を配したセンサ素子が明らかにされてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
なNOxセンサでは、理論的には、素子温度が約600
℃においてNOxの分解が始まるわけだが、従来のガス
センサにおいては、素子温度が約700℃でNOxの分
解が始まり、Rh電極等のNOx分解電極の低温作動性
が悪いという問題がある。
【0008】これは、NOxセンサを作製する過程、特
に基体の焼成過程において、Rh電極の一部がPtやA
uと合金化することで、Rh本来の触媒活性が低下し、
これによって、NOxセンサの低温作動性が悪くなって
いるものと考えられる。
【0009】そこで、SEM(走査顕微鏡)でセンサ素
子の断面を観察したところ、Rh電極上に、RhとPt
やAuの合金化が認められた。
【0010】ここで、前記合金化のメカニズムについて
説明すると、まず、Rh電極と対で設けられるPt電極
の主たる材料であるPtは、大気中1000℃以上の領
域で一部酸化し、PtO2 になる。一般に、PtO
2 は、金属Ptと比べて蒸気圧が高く揮発しやすい性質
を有する。
【0011】揮発したPtO2 は、Pt電極と共に基体
内に設けられたRh電極まで拡散し、Rhと合金を形成
する。特に、Pt電極の触媒活性を抑制するために、A
uあるいはIrや種々の遷移金属を添加すると、Ptの
揮発は加速される。そのため、前記RhとPt及びAu
等の合金化が促進されることになる。前記Ptの揮発の
加速は、PtにAu等を添加することによって、Ptの
酸化が加速されるためと考えられる。
【0012】また、前記合金化に伴ってRh電極の周り
には酸素が非常に多く存在することになる。NOxセン
サの測定精度を上げるには、測定上のオフセット成分を
できるだけなくす必要があるため、一旦、NOxセンサ
の起動時において、Rh電極の周りに存在する酸素を取
り去ることが必要となり、NOxセンサにおいて実際に
測定が開始されるまでに長い時間待たなければならない
という問題がある。
【0013】本発明はこのような課題を考慮してなされ
たものであり、例えば測定ガス成分(例えばNOx)を
検出する検出電極での合金化を抑制することができ、電
気化学的素子の測定精度を向上させることができる電気
化学的素子の製造方法及び電気化学的素子を提供するこ
とを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、固体電解質の
基体に設けられた1つの内部空所内、あるいは互いに連
通する複数の内部空所内に、材料あるいは組成の異なる
電極が配設された限界電流式の電気化学的素子の製造方
法において、セラミックグリーンシート上に電極を形成
する工程と、セラミックグリーンシートを積層一体化
し、焼成して基体を作製する工程とを有し、前記基体の
焼成過程におけるバインダー除去後の焼成雰囲気中の酸
素濃度を0.5%以下に制御することを特徴とする。
【0015】ここで、酸化によって揮発する材料で形成
された電極(例えばPt電極)をポンプ電極と記し、測
定ガス成分を分解し、該分解によって発生した酸素の量
を検出する電極(例えばRh電極)を検出電極と記す。
【0016】前記方法により、ポンプ電極での酸化が起
こりにくくなり、それに伴って、検出電極への酸化物の
拡散がほとんどなくなり、検出電極での合金化が抑制さ
れることになる。
【0017】ところで、基体中のバインダーが残った状
態で、焼成雰囲気中の酸素濃度を低く抑えると、前記バ
インダーがカーボンとして残ることになる。このカーボ
ンは、電気化学的素子を例えばNOxセンサとして使用
した場合に、素子温度の上昇に伴ってカーボン燃焼が発
生し、測定出力の誤差を招くという問題がある。
【0018】しかし、この発明では、焼成雰囲気中の酸
素濃度の制御をバインダー除去後に行うようにしている
ため、上述のようなバインダー残りに伴う出力誤差を引
き起こすことがなく、電気化学的素子を例えばNOxセ
ンサとして使用した場合の測定精度を確実に向上させる
ことができる。
【0019】そして、前記方法において、前記焼成雰囲
気中の酸素濃度を500ppm以下に制御することが好
ましい。ガスセンサではポンプ電極での触媒活性を抑制
するために、ポンプ電極にAuあるいはIrや種々の遷
移金属を添加するようにしているが、この場合、ポンプ
電極を構成する主成分の揮発が加速されることになる。
しかし、焼成雰囲気中の酸素濃度を500ppm以下に
制御することで、前記主成分の揮発の加速が抑制され、
検出電極での合金化を効果的に抑制することができる。
【0020】また、前記方法において、前記焼成を大気
雰囲気から開始し、所定温度から酸素濃度の制御を開始
するようにしてもよい。この場合、前記酸素濃度の制御
開始温度を400℃以上とすることが好ましい。
【0021】また、前記方法において、前記焼成過程に
おける最高温度の所定時間維持が済んだ降温過程におい
て酸素濃度の制御状態から再度大気雰囲気に戻すように
してもよい。この場合、前記再度の大気雰囲気の導入開
始温度を1000℃以下とすることが好ましい。
【0022】また、前記方法において、前記焼成雰囲気
中における酸素濃度制御下の雰囲気にH2 OあるいはC
2 を添加するようにしてもよい。
【0023】次に、本発明に係る電気化学的素子は、固
体電解質の基体に設けられた1つの内部空所、あるいは
互いに連通する複数の内部空所と、前記内部空所内に配
設された材料あるいは組成の異なる2つ以上の電極とを
有し、少なくとも前記基体は、セラミックグリーンシー
トを積層一体化したものを、所定温度領域における酸素
濃度が0.5%以下に制御された雰囲気による焼成によ
って構成する。
【0024】これにより、ポンプ電極での酸化が起こり
にくくなり、それに伴って、検出電極への酸化物の拡散
がほとんどなくなり、検出電極での合金化が抑制される
ことになる。
【0025】そのため、電気化学的素子を例えばNOx
センサとして使用した場合の測定精度を確実に向上させ
ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電気化学的素
子の製造方法を例えばNOxセンサを作製する場合に適
用した実施の形態例(以下、単に実施の形態に係る製造
方法と記す)と、本発明に係る電気化学的素子を例えば
NOxセンサに適用した実施の形態例(以下、単に実施
の形態に係るNOxセンサと記す)を図1〜図9を参照
しながら説明する。
【0027】まず、本実施の形態に係るNOxセンサ1
0は、図1に示すように、ZrO2等の酸素イオン導伝
性固体電解質を用いたセラミックスよりなる例えば6枚
の固体電解質層12a〜12fが積層されて構成され、
下から1層目及び2層目が第1及び第2の基板層12a
及び12bとされ、下から3層目及び5層目が第1及び
第2のスペーサ層12c及び12eとされ、下から4層
目及び6層目が第1及び第2の固体電解質層12d及び
12fとされている。
【0028】具体的には、第2の基板層12b上に第1
のスペーサ層12cが積層され、更に、この第1のスペ
ーサ層12c上に第1の固体電解質層12d、第2のス
ペーサ層12e及び第2の固体電解質層12fが順次積
層されている。
【0029】第2の基板層12bと第1の固体電解質層
12dとの間には、酸化物測定の基準となる基準ガス、
例えば大気が導入される空間(基準ガス導入空間14)
が、第1の固体電解質層12dの下面、第2の基板層1
2bの上面及び第1のスペーサ層12cの側面によって
区画、形成されている。
【0030】また、第1及び第2の固体電解質層12d
及び12f間に第2のスペーサ層12eが挟設されると
共に、第1及び第2の拡散律速部16及び18が挟設さ
れている。
【0031】そして、第2の固体電解質層12fの下
面、第1及び第2の拡散律速部16及び18の側面並び
に第1の固体電解質層12dの上面によって、被測定ガ
ス中の酸素分圧を調整するための第1室20が区画、形
成され、第2の固体電解質層12fの下面、第2の拡散
律速部18の側面、第2のスペーサ層12eの側面並び
に第1の固体電解質層12dの上面によって、被測定ガ
ス中の酸素分圧を微調整し、更に被測定ガス中の酸化
物、例えば窒素酸化物(NOx)を測定するための第2
室22が区画、形成される。
【0032】外部空間と前記第1室20は、第1の拡散
律速部16を介して連通され、第1室20と第2室22
は、前記第2の拡散律速部18を介して連通されてい
る。
【0033】ここで、前記第1及び第2の拡散律速部1
6及び18は、第1室20及び第2室22にそれぞれ導
入される被測定ガスに対して所定の拡散抵抗を付与する
ものであり、例えば、被測定ガスを導入することができ
る多孔質材料又は所定の断面積を有した小孔からなる通
路として形成することができる。
【0034】特に、第2の拡散律速部18内には、Zr
2 等からなる多孔質体が充填、配置されて、前記第2
の拡散律速部18の拡散抵抗が前記第1の拡散律速部1
6における拡散抵抗よりも大きくされている。第2の拡
散律速部18の拡散抵抗は第1の拡散律速部16のそれ
よりも大きい方が好ましいが、小さくても問題はない。
【0035】そして、前記第2の拡散律速部18を通じ
て、第1室20内の雰囲気が所定の拡散抵抗の下に第2
室22内に導入される。
【0036】また、前記第2の固体電解質層12fの下
面のうち、前記第1室20を形づくる下面全面に、平面
ほぼ矩形状の多孔質サーメット電極(例えばAu1%を
含むPt・ZrO2 のサーメット電極)からなる内側ポ
ンプ電極24が形成され、前記第2の固体電解質層12
fの上面のうち、前記内側ポンプ電極24に対応する部
分に、外側ポンプ電極26が形成されており、これら内
側ポンプ電極24、外側ポンプ電極26並びにこれら両
電極24及び26間に挟まれた第2の固体電解質層12
fにて電気化学的なポンプセル、即ち、主ポンプセル2
8が構成されている。
【0037】そして、前記主ポンプセル28における内
側ポンプ電極24と外側ポンプ電極26間に、外部の可
変電源30を通じて所望の制御電圧(ポンプ電圧)Vp
1を印加して、外側ポンプ電極26と内側ポンプ電極2
4間に正方向あるいは負方向にポンプ電流Ip1を流す
ことにより、前記第1室20内における雰囲気中の酸素
を外部の外部空間に汲み出し、あるいは外部空間の酸素
を第1室20内に汲み入れることができるようになって
いる。
【0038】また、前記第1の固体電解質層12dの下
面のうち、基準ガス導入空間14に露呈する部分に基準
電極32が形成されており、前記内側ポンプ電極24及
び基準電極32並びに第2の固体電解質層12f、第2
のスペーサ層12e及び第1の固体電解質層12dによ
って、電気化学的なセンサセル、即ち、制御用酸素分圧
検出セル34が構成されている。
【0039】この制御用酸素分圧検出セル34は、第1
室20内の雰囲気と基準ガス導入空間14内の基準ガス
(大気)との間の酸素濃度差に基づいて、内側ポンプ電
極24と基準電極32との間に発生する起電力を通じ
て、前記第1室20内の雰囲気の酸素分圧が検出できる
ようになっている。
【0040】検出された酸素分圧値は可変電源30をフ
ィードバック制御するために使用され、具体的には、第
1室20内の雰囲気の酸素分圧が、次の第2室22にお
いて酸素分圧の制御を行い得るために十分な低い所定の
値となるように、主ポンプ用のフィードバック制御系3
6を通じて主ポンプセル28のポンプ動作が制御され
る。
【0041】このフィードバック制御系36は、内側ポ
ンプ電極24の電位と基準電極32の電位の差(検出電
圧V1)が所定の電圧レベルとなるように、外側ポンプ
電極26と内側ポンプ電極24間のポンプ電圧Vp1を
フィードバック制御する回路構成を有する。この場合、
内側ポンプ電極24は接地とされる。
【0042】従って、主ポンプセル28は、第1室20
内に導入された被測定ガスのうち、酸素を前記ポンプ電
圧Vp1のレベルに応じた量ほど汲み出す、あるいは汲
み入れる。そして、前記一連の動作が繰り返されること
によって、第1室20における酸素濃度は、所定レベル
にフィードバック制御されることになる。この状態で、
外側ポンプ電極26と内側ポンプ電極24間に流れるポ
ンプ電流Ip1は、被測定ガス中の酸素濃度と第1室2
0の制御酸素濃度の差を示しており、被測定ガス中の酸
素濃度の測定に用いることができる。
【0043】なお、前記内側ポンプ電極24及び外側ポ
ンプ電極26を構成する多孔質サーメット電極は、Pt
等の金属とZrO2 等のセラミックスとから構成される
ことになるが、被測定ガスに接触する第1室20内に配
置される内側ポンプ電極24は、測定ガス中のNO成分
に対する還元能力を弱めた、あるいは還元能力のない材
料を用いる必要があり、例えばLa3 CuO4 等のペロ
ブスカイト構造を有する化合物、あるいはAu等の触媒
活性の低い金属とセラミックスのサーメット、あるいは
Au等の触媒活性の低い金属とPt族金属とセラミック
スのサーメットで構成されることが好ましい。更に、電
極材料にAuとPt族金属の合金を用いる場合は、Au
添加量を金属成分全体の0.03〜35vol%にする
ことが好ましい。
【0044】また、この実施の形態に係るNOxセンサ
10においては、前記第1の固体電解質層12dの上面
のうち、前記第2室22を形づくる上面であって、かつ
第2の拡散律速部18から離間した部分に、平面ほぼ矩
形状の多孔質サーメット電極からなる検出電極40が形
成され、この検出電極40を被覆するように、第3の拡
散律速部42を構成するアルミナ膜が形成されている。
そして、該検出電極40、前記基準電極32及び第1の
固体電解質層12dによって、電気化学的なポンプセ
ル、即ち、測定用ポンプセル44が構成される。
【0045】前記検出電極40は、被測定ガス成分たる
NOxを還元し得る金属であるRhとセラミックスとし
てのジルコニアからなる多孔質サーメットにて構成さ
れ、これによって、第2室22内の雰囲気中に存在する
NOxを還元するNOx還元触媒として機能するほか、
前記基準電極32との間に、直流電源46を通じて一定
電圧Vp2が印加されることによって、第2室22内の
雰囲気中の酸素を基準ガス導入空間14に汲み出せるよ
うになっている。この測定用ポンプセル44のポンプ動
作によって流れるポンプ電流Ip2は、電流計48によ
って検出されるようになっている。
【0046】前記定電圧(直流)電源46は、第3の拡
散律速部42により制限されたNOxの流入下におい
て、測定用ポンプセル44で分解時に生成した酸素のポ
ンピングに対して限界電流を与える大きさの電圧を印加
できるようになっている。
【0047】一方、前記第2の固体電解質層12fの下
面のうち、前記第2室22を形づくる下面全面には、平
面ほぼ矩形状の多孔質サーメット電極(例えばAu1%
を含むPt・ZrO2 のサーメット電極)からなる補助
ポンプ電極50が形成されており、該補助ポンプ電極5
0、前記第2の固体電解質層12f、第2のスペーサ層
12e、第1の固体電解質層12d及び基準電極32に
て補助的な電気化学的ポンプセル、即ち、補助ポンプセ
ル52が構成されている。
【0048】前記補助ポンプ電極50は、前記主ポンプ
セル28における内側ポンプ電極24と同様に、被測定
ガス中のNO成分に対する還元能力を弱めた、あるいは
還元能力のない材料を用いている。この場合、例えばL
3 CuO4 等のペロブスカイト構造を有する化合物、
あるいはAu等の触媒活性の低い金属とセラミックスの
サーメット、あるいはAu等の触媒活性の低い金属とP
t族金属とセラミックスのサーメットで構成されること
が好ましい。更に、電極材料にAuとPt族金属の合金
を用いる場合は、Au添加量を金属成分全体の0.03
〜35vol%にすることが好ましい。
【0049】そして、前記補助ポンプセル52における
補助ポンプ電極50と基準電極32間に、外部の直流電
源54を通じて所望の一定電圧Vp3を印加することに
より、第2室22内の雰囲気中の酸素を基準ガス導入空
間14に汲み出せるようになっている。
【0050】これによって、第2室22内の雰囲気の酸
素分圧が、実質的に被測定ガス成分(NOx)が還元又
は分解され得ない状況下で、かつ目的成分量の測定に実
質的に影響がない低い酸素分圧値とされる。この場合、
第1室20における主ポンプセル28の働きにより、こ
の第2室22内に導入される酸素の量の変化は、被測定
ガスの変化よりも大幅に縮小されるため、第2室22に
おける酸素分圧は精度よく一定に制御される。
【0051】従って、前記構成を有する本実施の形態に
係るNOxセンサ10では、前記第2室22内において
酸素分圧が制御された被測定ガスは、検出電極40に導
かれることとなる。
【0052】また、この実施の形態に係るNOxセンサ
10では、図1に示すように、第1及び第2の基板層1
2a及び12bにて上下から挟まれた形態において、外
部からの給電によって発熱するヒータ60が埋設されて
いる。このヒータ60は、酸素イオンの導伝性を高める
ために設けられるもので、該ヒータ60の上下面には、
第1及び第2の基板層12a及び12bとの電気的絶縁
を得るために、アルミナ等の絶縁層62が形成されてい
る。
【0053】前記ヒータ60は、第1室20から第2室
22の全体にわたって配設されており、これによって、
第1室20及び第2室22がそれぞれ所定の温度に加熱
され、併せて主ポンプセル28、制御用酸素分圧検出セ
ル34及び測定用ポンプセル44も所定の温度に加熱、
保持されるようになっている。
【0054】次に、本実施の形態に係るNOxセンサ1
0の動作について説明する。まず、NOxセンサ10の
先端部側が外部空間に配置され、これによって、被測定
ガスは、第1の拡散律速部16を通じて所定の拡散抵抗
の下に、第1室20内に導入される。この第1室20内
に導入された被測定ガスは、主ポンプセル28を構成す
る外側ポンプ電極26及び内側ポンプ電極24間に所定
のポンプ電圧Vp1が印加されることによって引き起こ
される酸素のポンピング作用を受け、その酸素分圧が所
定の値、例えば10-7atmとなるように制御される。
この制御は、フィードバック制御系36を通じて行われ
る。
【0055】なお、第1の拡散律速部16は、主ポンプ
セル28にポンプ電圧Vp1を印加した際に、被測定ガ
ス中の酸素が測定空間(第1室20)に拡散流入する量
を絞り込んで、主ポンプセル28に流れる電流を抑制す
る働きをしている。
【0056】また、第1室20内においては、外部の被
測定ガスによる加熱、更にはヒータ60による加熱環境
下においても、内側ポンプ電極24にて雰囲気中のNO
xが還元されない酸素分圧下の状態、例えばNO→1/
2N2 +1/2O2 の反応が起こらない酸素分圧下の状
況が形成されている。これは、第1室20内において、
被測定ガス(雰囲気)中のNOxが還元されると、後段
の第2室22内でのNOxの正確な測定ができなくなる
からであり、この意味において、第1室20内におい
て、NOxの還元に関与する成分(ここでは、内側ポン
プ電極24の金属成分)にてNOxが還元され得ない状
況を形成する必要がある。具体的には、前述したよう
に、内側ポンプ電極24にNOx還元性の低い材料、例
えばAuとPtの合金を用いることで達成される。
【0057】そして、前記第1室20内のガスは、第2
の拡散律速部18を通じて所定の拡散抵抗の下に、第2
室22内に導入される。この第2室22内に導入された
ガスは、補助ポンプセル52を構成する補助ポンプ電極
50及び基準電極32間に電圧Vp3が印加されること
によって引き起こされる酸素のポンピング作用を受け、
その酸素分圧が一定の低い酸素分圧値となるように微調
整される。
【0058】前記第2の拡散律速部18は、前記第1の
拡散律速部16と同様に、補助ポンプセル52に電圧V
p3を印加した際に、被測定ガス中の酸素が測定空間
(第2室22内)に拡散流入する量を絞り込んで、補助
ポンプセル52に流れるポンプ電流Ip3を抑制する働
きをしている。
【0059】そして、上述のようにして第2室22内に
おいて酸素分圧が制御された被測定ガスは、第3の拡散
律速部42を通じて所定の拡散抵抗の下に、検出電極4
0に導かれることとなる。
【0060】ところで、前記主ポンプセル28を動作さ
せて第1室20内の雰囲気の酸素分圧をNOx測定に実
質的に影響がない低い酸素分圧値に制御しようとしたと
き、換言すれば、制御用酸素分圧検出セル34にて検出
される電圧V1が一定となるように、フィードバック制
御系36を通じて可変電源30のポンプ電圧Vp1を調
整したとき、被測定ガス中の酸素濃度が大きく、例えば
0〜20%に変化すると、通常、第2室22内の雰囲気
及び検出電極40付近の雰囲気の各酸素分圧は、僅かに
変化するようになる。これは、被測定ガス中の酸素濃度
が高くなると、第1室20の幅方向及び厚み方向に酸素
濃度分布が生じ、この酸素濃度分布が被測定ガス中の酸
素濃度により変化するためであると考えられる。
【0061】しかし、この実施の形態に係るNOxセン
サ10においては、第2室22に対して、その内部の雰
囲気の酸素分圧を常に一定に低い酸素分圧値となるよう
に、補助ポンプセル52を設けるようにしているため、
第1室20から第2室22内に導入される雰囲気の酸素
分圧が被測定ガスの酸素濃度に応じて変化しても、前記
補助ポンプセル52のポンプ動作によって、第2室22
内の雰囲気の酸素分圧を常に一定の低い値とすることが
でき、その結果、NOxの測定に実質的に影響がない低
い酸素分圧値に制御することができる。
【0062】そして、検出電極40に導入された被測定
ガスのNOxは、該検出電極40の周りにおいて還元又
は分解されて、例えばNO→1/2N2 +1/2O2
反応が引き起こされる。このとき、測定用ポンプセル4
4を構成する検出電極40と基準電極32との間には、
酸素が第2室22から基準ガス導入空間14側に汲み出
される方向に、所定の電圧Vp2、例えば430mV
(700℃)が印加される。
【0063】従って、測定用ポンプセル44に流れるポ
ンプ電流Ip2は、第2室22に導かれる雰囲気中の酸
素濃度、即ち、第2室22内の酸素濃度と検出電極40
にてNOxが還元又は分解されて発生した酸素濃度との
和に比例した値となる。
【0064】この場合、第2室22内の雰囲気中の酸素
濃度は、補助ポンプセル52にて一定に制御されている
ことから、前記測定用ポンプセル44に流れるポンプ電
流Ip2は、NOxの濃度に比例することになる。ま
た、このNOxの濃度は、第3の拡散律速部42にて制
限されるNOxの拡散量に対応していることから、被測
定ガスの酸素濃度が大きく変化したとしても、測定用ポ
ンプセル44から電流計48を通じて正確にNOx濃度
を測定することが可能となる。
【0065】このことから、測定用ポンプセル44にお
けるポンプ電流値Ip2は、ほとんどがNOxが還元又
は分解された量を表し、そのため、被測定ガス中の酸素
濃度に依存するようなこともない。
【0066】次に、前記実施の形態に係るNOxセンサ
10の変形例(10a)について図2を参照しながら説
明する。なお、図1と対応するものについては同符号を
記す。
【0067】この変形例に係るNOxセンサ10aは、
図2に示すように、前記実施の形態に係るNOxセンサ
10(図1参照)とほぼ同様の構成を有するが、測定用
ポンプセル44に代えて、測定用酸素分圧検出セル70
が設けられている点で異なる。
【0068】この測定用酸素分圧検出セル70は、第1
の固体電解質層12dの上面のうち、前記第2室22を
形づくる上面に形成された検出電極72と、前記第1の
固体電解質層12dの下面に形成された基準電極32
と、これら両電極72及び32間に挟まれた第1の固体
電解質層12dによって構成されている。
【0069】この場合、前記測定用酸素分圧検出セル7
0における検出電極72と基準電極32との間に、検出
電極72の周りの雰囲気と基準電極32の周りの雰囲気
との間の酸素濃度差に応じた起電力(酸素濃淡電池起電
力)V2が発生することとなる。
【0070】従って、前記検出電極72及び基準電極3
2間に発生する起電力(電圧V2)を電圧計74にて測
定することにより、検出電極72の周りの雰囲気の酸素
分圧、換言すれば、被測定ガス成分(NOx)の還元又
は分解によって発生する酸素によって規定される酸素分
圧が電圧値として検出される。
【0071】ここで、図3の特性図を参照しながらこの
変形例に係るNOxセンサ10aの検出原理を説明す
る。
【0072】まず、外部空間のNO濃度が0ppmのと
き、フィードバック制御系36を通じて第1室20内の
雰囲気中の酸素濃度を主ポンプセル28におけるポンプ
電圧Vp1が300mVに相当する値(10-7atm)
に制御すると、第2室22内の雰囲気中の酸素濃度も1
-7atmとなる。更に、補助ポンプセル52を構成す
る補助ポンプ電極50と基準電極32間に、酸素が第2
室22から基準ガス導入空間14側に汲み出される方向
に、所定電圧Vp3、例えば460mV(700℃)を
印加すると、第2室22内の酸素濃度は10-11 atm
となり、前記測定用酸素分圧検出セル70における検出
電極72と基準電極32の間に発生する起電力(電圧V
2)は約460mVとなる。
【0073】外部空間のNO濃度が徐々に増加すると、
前記検出電極72も上述した測定用ポンプセル44(図
1参照)における検出電極40と同様に、NOx還元触
媒として機能することから、前記検出電極72では、N
Oの還元又は分解反応が引き起こされ、検出電極72の
周りの雰囲気中の酸素濃度が上がり、これによって、検
出電極72と基準電極32間に発生する起電力が徐々に
低下することとなる。
【0074】図3の特性図では、NO濃度が例えば30
0ppm、500ppm、1000ppmというように
増加するにつれて、電圧計74にて検出される起電力V
2が、300mV、250mV、220mVというよう
に徐々に低下している。
【0075】そして、この起電力V2の低下の度合い
が、NO濃度を表すことになる。つまり、前記検出電極
72と基準電極32と第1の固体電解質層12dとから
構成される測定用酸素分圧検出セル70から出力される
起電力V2が、被測定ガス中のNO濃度を表すことにな
る。
【0076】次に、前記実施の形態に係るNOxセンサ
10(変形例10aを含む)を作製するための製造方
法、即ち、本実施の形態に係る製造方法について図4〜
図9を参照しながら説明する。
【0077】この実施の形態に係る製造方法は、図4に
示すように、まず、安定化剤のY23 を4mol%添
加したZrO2 粉末をテープ状に成形してセラミックグ
リーンシートを得る(ステップS1)。得られたセラミ
ックグリーンシート上に、電極、リード線、絶縁層など
のパターンを例えばスクリーン印刷により形成する(ス
テップS2)。パターン印刷を終了したセラミックグリ
ーンシートを積層一体化する(ステップS3)。次に、
積層体を切断して、各センサ素子の形に切り分ける(ス
テップS4)。その後、各センサ素子を焼成する(ステ
ップS5)。そして、各センサ素子をNOxセンサ10
(10a)として組み立てる(ステップS6)。
【0078】なお、検出電極40又は72は、Rh/Z
rO2 =60/40vol%で調合し、この場合、Zr
2 は仮焼成を施し、固体電解質基板のZrO2 よりも
焼結性を落としてある。
【0079】そして、この実施の形態に係る製造方法に
おいては、ステップS5に示す焼成工程を例えば図5に
示すようなシーケンスで行う。即ち、炉中の温度が室温
からほぼ600℃となる時点までは、33℃/時間の昇
温速度で焼成し、ほぼ600℃の時点から最高温度であ
る1365℃となる時点までは、100℃/時間の昇温
速度で焼成する。次に、前記最高温度を3時間ほど維持
し、その後、自然放冷で炉中の温度を降温させる。セラ
ミックグリーンシート等に含まれるバインダー等は、約
600℃〜800℃の間で除去され、約900℃〜10
00℃においては前記バインダーは完全に除去される。
【0080】更に、前記焼成工程では、炉中の温度が室
温から約1000℃にわたる区間1では大気雰囲気で焼
成を行い、1000℃から最高温度を経て自然放冷にわ
たる区間2では窒素雰囲気で焼成を行う。
【0081】即ち、セラミックグリーンシート等に含ま
れるバインダーが完全に除去された後に炉中の雰囲気を
窒素雰囲気に置換して焼成を行う。本実施の形態では、
区間2における炉中雰囲気の酸素濃度を400ppmに
制御して焼成を行った。このときの窒素の注入条件は、
炉中の温度がほぼ1000℃となる炉中雰囲気の置換時
においては、注入速度10(リットル/分)で約10分
ほど窒素を注入し、それ以降は、注入速度1(リットル
/分)で窒素を注入した。
【0082】ここで、焼成過程での検出電極40又は7
2に対する影響について1つの実験例を参照しながら説
明する。
【0083】この実験例は、まず、図6に示すようなサ
ンプル100を作製した。なお、後述するセラミックグ
リーンシートの集積体200と焼成後のサンプル100
を示す図面として図6を兼用する。この場合、上層のセ
ラミックグリーンシート202が上層の基体102に対
応し、下層のセラミックグリーンシート204が下層の
基体104に対応し、中層のセラミックグリーンシート
206が連結部106に対応する。
【0084】そして、前記サンプル100の作製方法
は、本実施の形態に係る製造方法とほぼ同様に、安定化
剤のY2 3 を4mol%添加したZrO2 粉末をテー
プ状に成形して3種類のセラミックグリーンシートを得
る。
【0085】そのうち、上層となるセラミックグリーン
シート202の一主面にAu1%を含むPt・ZrO2
のサーメット電極膜108を形成し、下層となるセラミ
ックグリーンシート204の一主面にRh・ZrO2
サーメット電極膜110を形成する。この場合、湿式に
よる成分分析がしやすいように、Rh・ZrO2 のサー
メット電極膜110の形成面積は、NOxセンサ10
(10a)での形成面積の50倍とした。
【0086】その後、中層のセラミックグリーンシート
206を連結部として上層のセラミックグリーンシート
202と下層のセラミックグリーンシート204を互い
に電極形成面を対向させて積層一体化することにより、
図6に示すような集積体200を作製した。集積体20
0は複数個作製した。
【0087】そして、これら集積体200を以下に示す
焼成条件(炉中雰囲気)で焼成して図6に示すサンプル
100を作製した。サンプル100は、5つの焼成条件
に対応して5種類作製した。
【0088】焼成条件1 焼成開始から焼成終了にわたり大気雰囲気 焼成条件2 室温から約1000℃までを大気雰囲気 約1000℃から焼成終了にわたり酸素濃度を1%に制
御 焼成条件3 室温から約1000℃までを大気雰囲気 約1000℃から焼成終了にわたり酸素濃度を0.25
%に制御 焼成条件4 室温から約1000℃までを大気雰囲気 約1000℃から焼成終了にわたり酸素濃度を100p
pmに制御 焼成条件5 室温から約1000℃までを大気雰囲気 約1000℃から焼成終了にわたり酸素濃度を5ppm
に制御 前記5つの条件で作製された5種類のサンプル100に
ついてそれぞれ連結部106のところで分離(ダイヤモ
ンドカッターで切断)し、下層の基体104のみを取り
出す。その後、下層の基体104上のRh・ZrO2
サーメット電極膜110に形成された合金を酸で溶かし
てPt成分とAu成分を溶出させ、プラズマ分光分析法
を用いてPt成分とAu成分の析出量を分析した。その
結果を図7に示す。この図7では縦軸及び横軸をともに
対数目盛りでプロットしてある。
【0089】この実験結果(図7)から、焼成条件1に
おいては、Ptが5mgほど、Auが0.03mgほど
析出し、Ptの酸化による揮発が加速されていることが
わかる。また、焼成条件2では、Auの析出はみられな
かったが、Ptが0.3mgほど析出している。このこ
とから、酸素濃度を制御することによって、RhとPt
やAu等の合金化が抑制できることが推測できる。この
ことは、次の焼成条件3以降の焼成で証明される。
【0090】即ち、焼成条件3〜5においては、Pt及
びAuの析出はなんら見られず、炉中雰囲気の酸素濃度
を制御することによって、Rh・ZrO2 のサーメット
電極膜110での合金化が抑制されることになる。
【0091】実用レベルのNOxセンサ10(10a)
を得るための酸素濃度の制御の境界線は、酸素濃度0.
3%のラインであり、このとき、0.05mgのPtが
析出されるが、NOxセンサ10(10a)として適用
した場合での測定精度においてなんら問題はない。酸素
濃度を0.25%に制御した段階で、前記のような合金
化は見られなくなるが、好ましくは、酸素濃度を500
ppm以下に制御することが望ましい。
【0092】ここで、実施例と比較例に関し、素子温度
の変化に対するNOの検出感度を見た実験結果について
図8を参照しながら説明する。
【0093】実施例は、実施の形態に係るNOxセンサ
10とほぼ同じ構成を有し、かつ、焼成過程において酸
素濃度を約400ppmに制御して作製したNOxセン
サであり、比較例は、実施の形態に係るNOxセンサ1
0とほぼ同じ構成を有し、かつ、焼成過程において酸素
濃度を制御せずにすべて大気雰囲気中で行って作製した
NOxセンサである。
【0094】図8に示す特性図は、NOを1000pp
m含んだ窒素ガスを1リットル/分で注入した被測定ガ
スを実施例及び比較例に係るNOxセンサで測定したと
きの各限流特性をプロットして得たものであり、比較例
に係るNOxセンサの特性を●で示し、実施例に係るN
Oxセンサの特性を■で示す。この図8から、実施例及
び比較例とも、ある温度範囲ではほぼ一定の感度を有し
ているが、ある温度を基点に該温度よりも素子温度が低
くなると感度が悪くなるという特性を有する。
【0095】そして、動作限界温度を示す特性上のニー
点(knee点)は、比較例が約695℃であり、実施
例が約645℃であって、実施例の動作限界温度が、比
較例よりも50℃ほど低くなり、低温作動性が良好にな
っていることがわかる。
【0096】検出出力の値で見ると、素子温度が約64
5℃での出力は、実施例が約5μA、比較例が約2μA
であって、比較例は実施例よりも1/2以上も検出出力
が低下していることがわかる。
【0097】この原因は、図9に示すように、比較例に
係るNOxセンサ150においては、内側ポンプ電極2
4及び補助ポンプ電極50で揮発したPtO2 が検出電
極40にまで拡散してRhと合金を形成することにな
り、しかも、添加されたAuによってPtの揮発が加速
され、結果的に、低温における検出電極40での触媒活
性が低下していることに基づく。なお、図9では、検出
電極40の合金化に関連する構成部分のみを図示してあ
る。
【0098】一方、実施例に係るNOxセンサにおいて
は、焼成工程にて酸素濃度を400ppmに制御するよ
うにしているため、内側ポンプ電極24や補助ポンプ電
極50での酸化が起こりにくくなり、これにより、検出
電極40への酸化物の拡散がほとんどなくなり、検出電
極40での合金化が抑制されることになる。
【0099】このように、本実施の形態に係るNOxセ
ンサ10(変形例10aを含む)においては、検出電極
40及び72での合金形成がほとんどないため、低温作
動性が良好になり、しかも、測定精度を確実に向上させ
ることができる。
【0100】また、本実施の形態に係る製造方法におい
ては、図4におけるステップS5の焼成過程、特に、炉
中の温度が室温から約1000℃にわたる区間1におい
て大気雰囲気で焼成を行い、1000℃から最高温度を
経て自然放冷にわたる区間2において炉中の酸素濃度を
制御して焼成を行うようにしたので、内側ポンプ電極2
4や補助ポンプ電極50での酸化が起こりにくくなり、
それに伴って、検出電極40及び72への酸化物の拡散
がほとんどなくなり、検出電極40及び72での合金化
が抑制されることになる。
【0101】ところで、基体中のバインダーが残った状
態で、焼成雰囲気中の酸素濃度を低く抑えると、前記バ
インダーがカーボンとして残ることになる。このカーボ
ンは、NOxセンサとして使用した場合に、素子温度の
上昇に伴ってカーボン燃焼が発生し、検出出力の誤差を
招くという問題がある。
【0102】しかし、この実施の形態に係る製造方法で
は、セラミックグリーンシート等に含まれるバインダー
が完全に除去された後に炉中の雰囲気を窒素雰囲気に置
換して焼成を行うようにしているため、上述のようなバ
インダー残りに伴う出力誤差を引き起こすことがなく、
NOxセンサ10(10a)の測定精度を確実に向上さ
せることができる。
【0103】また、内側ポンプ電極24や補助ポンプ電
極50での触媒活性を抑制するために、内側ポンプ電極
24や補助ポンプ電極50にAuあるいはIrや種々の
遷移金属を添加するようにしているが、この場合、内側
ポンプ電極24や補助ポンプ電極50の主成分であるP
tの揮発が加速されることになる。しかし、焼成雰囲気
中の酸素濃度を500ppm以下に制御することで、前
記主成分の揮発の加速が抑制され、検出電極40及び7
2での合金化を効果的に抑制することができる。
【0104】この実施の形態では、約1000℃で炉中
の雰囲気を大気雰囲気から窒素雰囲気に置換したが、こ
の雰囲気の置換時点の温度は、セラミックグリーンシー
ト等のバインダーが除去される400℃以上であれば何
℃でもかまわない。
【0105】また、この実施の形態では、約1000℃
から最高温度を経て自然放冷にわたる区間2を窒素雰囲
気としたが、最高温度の所定時間維持が済んだ降温過程
において、再度大気雰囲気に戻すようにしてもよい。こ
の場合、前記再度の大気雰囲気の導入開始温度を100
0℃以下とすることが好ましい。
【0106】また、この実施の形態では、炉中雰囲気の
酸素濃度の制御を、窒素ガスと大気の混合比を変えて行
ったが、H2 OやCO2 と窒素ガスの混合によって酸素
濃度を調整してもよい。
【0107】本発明の効果を達成させる制御因子として
は、切り換えた雰囲気の酸素濃度、焼成過程の最高温
度、雰囲気の切換開始温度、雰囲気の切換終了温度、切
り換えた雰囲気への第3成分(H2 やCO)の添加が挙
げられ、使用する固体電解質材料や電極材料によって適
宜前記制御因子を調整することができる。
【0108】なお、この発明に係る電気化学的素子の製
造方法及び電気化学的素子は、上述の実施の形態に限ら
ず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を
採り得ることはもちろんである。
【0109】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る電気
化学的素子の製造方法及び電気化学的素子によれば、例
えば測定ガス成分(例えばNOx)を検出する検出電極
での合金化を抑制することができ、電気化学的素子の測
定精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るNOxセンサを示す構成図
である。
【図2】本実施の形態に係るNOxセンサの変形例を示
す構成図である。
【図3】変形例に係るNOxセンサの出力特性を示す特
性図である。
【図4】本実施の形態に係る製造方法を示す工程ブロッ
ク図である。
【図5】焼成工程での処理過程を示すシーケンス図であ
る。
【図6】実験に用いたサンプル及び積層体を示す断面図
である。
【図7】Rh・ZrO2 のサーメット電極膜へのAu/
Pt析出量の酸素濃度依存性を示す特性図である。
【図8】素子温度の変化に伴うNO濃度=1000pp
mの感度の変化を示す特性図である。
【図9】比較例に係るNOxセンサにおいて、検出電極
での合金形成のメカニズムを説明するための図である。
【符号の説明】
10、10a…NOxセンサ 12a〜12
f…固体電解質層 20…第1室 22…第2室 24…内側ポンプ電極 40…検出電
極 50…補助ポンプ電極

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体電解質の基体に設けられた1つの内部
    空所内、あるいは互いに連通する複数の内部空所内に、
    材料あるいは組成の異なる電極が配設された限界電流式
    の電気化学的素子の製造方法において、 セラミックグリーンシート上に電極を形成する工程と、 セラミックグリーンシートを積層一体化し、焼成して基
    体を作製する工程とを有し、 前記基体の焼成過程におけるバインダー除去後の焼成雰
    囲気中の酸素濃度を0.5%以下に制御することを特徴
    とする電気化学的素子の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の電気化学的素子の製造方法
    において、 前記焼成雰囲気中の酸素濃度を500ppm以下に制御
    することを特徴とする電気化学的素子の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の電気化学的素子の製
    造方法において、 前記焼成を大気雰囲気から開始し、所定温度から酸素濃
    度の制御を開始することを特徴とする電気化学的素子の
    製造方法。
  4. 【請求項4】請求項3記載の電気化学的素子の製造方法
    において、 前記酸素濃度の制御開始温度が400℃以上であること
    を特徴とする電気化学的素子の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気
    化学的素子の製造方法において、 前記焼成過程における最高温度の所定時間維持が済んだ
    降温過程において酸素濃度の制御状態から再度大気雰囲
    気に戻すことを特徴とする電気化学的素子の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項5記載の電気化学的素子の製造方法
    において、 前記再度の大気雰囲気の導入開始温度が、1000℃以
    下であることを特徴とする電気化学的素子の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気
    化学的素子の製造方法において、 前記焼成雰囲気中における酸素濃度制御下の雰囲気にH
    2 OあるいはCO2 を添加したことを特徴とする電気化
    学的素子の製造方法。
  8. 【請求項8】固体電解質の基体に設けられた1つの内部
    空所、あるいは互いに連通する複数の内部空所と、 前記内部空所内に配設された材料あるいは組成の異なる
    2つ以上の電極とを有し、 少なくとも前記基体は、セラミックグリーンシートを積
    層一体化したものを、所定温度領域における酸素濃度が
    0.5%以下に制御された雰囲気による焼成によって構
    成されていることを特徴とする電気化学的素子。
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