JP2000314718A - 可燃ガス成分濃度の測定装置及び測定方法 - Google Patents

可燃ガス成分濃度の測定装置及び測定方法

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JP2000314718A
JP2000314718A JP11124352A JP12435299A JP2000314718A JP 2000314718 A JP2000314718 A JP 2000314718A JP 11124352 A JP11124352 A JP 11124352A JP 12435299 A JP12435299 A JP 12435299A JP 2000314718 A JP2000314718 A JP 2000314718A
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oxygen
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gas
oxygen concentration
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JP11124352A
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English (en)
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Shoji Kitanoya
昇治 北野谷
Takaharu Inoue
隆治 井上
Takafumi Oshima
崇文 大島
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Niterra Co Ltd
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被測定ガス中の酸素濃度に影響されず、可燃ガ
ス成分濃度を正確に測定可能な装置及び方法の提供 【解決手段】予め、酸素濃度を変えて第1の酸素ポンプ
電流Ip1を測定し、酸素濃度とIp1の関係を求め
る。酸素濃度を変えて、HCガス濃度をゼロとしたとき
の第2酸素ポンプ電流Ip2を測定し、所定酸素濃度に
おけるIp2オフセットを求める。酸素濃度を変えて、
既知のHCガス濃度を有する被測定ガスを投入してIp
2を測定し、既知可燃ガス成分濃度及びIp2測定値を
用いて、所定の酸素濃度におけるIp2ゲインを求め
る。測定時、Ip1,Ip2の測定値、Ip1に基づき
選択されたIp2オフセット及びゲインから可燃ガス成
分濃度を求める。酸素汲み出しに起因した、可燃ガス濃
度割合の変化及び第2の処理室内の残留酸素量の変化
が、可燃ガス成分濃度測定に与える影響が打ち消され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は可燃ガス成分濃度の
測定装置及び測定方法に関し、特に内燃機関の排気ガス
に含まれる可燃ガス成分の濃度を求めるための測定装置
及び測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、排ガス規制の強化に伴い、エンジ
ン等の排ガス中の可燃ガス成分を直接測定し、この測定
に基づいてエンジンの制御や触媒のコントロールを行う
研究が行われている。特にZrO2等の酸素イオン伝導
体中に形成された2室構造と、これら2室にそれぞれ面
する第1,第2の酸素ポンプセルと、を有するガスセン
サについて近年広く研究が行われている。
【0003】このガスセンサを用いた可燃ガス成分の濃
度測定においては、第1の酸素ポンプセルによって一の
室内の酸素濃度を一定制御し、酸素濃度が一定制御され
た気体が他の室に流入し、第2の酸素ポンプセルによっ
て他の室内に残った残留酸素を汲み出す。この際、第2
の酸素ポンプセルに設けられた一対の電極間に電流(第
2の酸素ポンプ電流)が流れる。この際、他の室内にお
いて、酸素は該室内の可燃ガス成分と反応してこれを燃
焼させる。よって、他の室内の可燃ガス成分濃度に応じ
て第2の酸素ポンプ電流が変化するから、この変化に基
づき被測定ガス中の可燃ガス成分濃度を求めることがで
きる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者等は、可燃ガス成分を測定する際、被測定ガス中の酸
素濃度により、オフセット及びゲインが変化し、可燃ガ
ス成分の測定に誤差を生じさせ、この結果、正確な可燃
ガス成分濃度を求めることが困難であることを見出し
た。
【0005】そこで、本発明は、可燃ガス成分濃度を正
確に測定することができる装置及び方法を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】最初に、本発明の可燃ガ
ス成分濃度測定装置に適用されるガスセンサにおいて、
可燃ガス成分濃度検知電流(第2の酸素ポンプ電流)の
オフセット、すなわち可燃ガス成分濃度がゼロの場合に
流れる同電流量が、被測定ガス中の酸素濃度によって変
化する理由を説明する。なお、以下の説明においては、
酸素濃度検知手段(素子)が備える酸素濃度検知電極が
第1の処理室に面して形成されているものとする。
【0007】酸素濃度を制御する基となる酸素濃度検知
手段は、その酸素濃度検知電極全体上における平均酸素
濃度を検出して出力する。第1の酸素ポンプ手段は、こ
の出力が一定となるよう、すなわち第1の処理室内の酸
素濃度が一定となるよう第1の処理室から酸素を汲み出
す。ここで、酸素濃度検知電極の面積は有限である。ま
た、特に被測定ガス中の酸素濃度が高い場合は、第1の
酸素ポンプ手段による酸素の汲み出しによって第1の処
理室内に酸素濃度勾配が生じると考えられる。
【0008】よって、被測定ガス中の酸素濃度が高く多
量の酸素汲み出しによって第1の処理室内に気体の流れ
方向に沿って急な酸素濃度勾配が生じている場合と、こ
の酸素勾配が緩やかな場合とで、被測定ガス中の酸素濃
度が異なるにもかかわらず酸素濃度検知出力が互いに同
じになり、この結果、第2の処理室内の酸素濃度(すな
わち、第2の酸素ポンプ電流のオフセット)が異なって
しまう場合があるものと考えられる。詳細には、酸素濃
度検知出力が同じであるにも関わらず、第2の処理室内
の酸素濃度が、被測定ガス中の酸素濃度に応じて、制御
目標値に対し正方向あるいは負方向にずれが生じる現象
が起こるものと考えられる。ずれの方向についてはポン
プ電極の材質、面積その他の要因により異なる。
【0009】続いて、ガスセンサのゲインが被測定ガス
中の酸素濃度によって変化する理由を説明する。ここ
で、ガスセンサのゲインを、可燃ガス成分濃度の変化量
=ゲイン×ガスセンサ出力の変化量と定義すると、この
ゲインが被測定ガス中の酸素濃度によって変化する理由
は、先に第1の処理室にて酸素の汲み出しを行った分第
2の処理室内での可燃ガス成分(HCなど)の割合が増
加することで説明できる。また、酸素の汲み出しを行っ
た分、第1の処理室に流入するガス量が増加し、可燃ガ
ス量も増加するとも考えられる。
【0010】図8(A)及び図8(B)は、ガスセンサ
のゲイン[濃度/出力]が被測定ガス中の酸素濃度によっ
て変化する理由を説明するための図であり、図8(A)
は同酸素濃度がゼロの場合、図8(B)は同酸素濃度が
ゼロでない場合の現象を説明するための図である。
【0011】図8(A)を参照すると、被測定ガス中の
酸素濃度がゼロの場合、第1の酸素ポンプ手段による酸
素の汲み出しは行われないから(但し、ここでは酸素の
汲み入れは行われないものとする)、第1の処理室にお
けるガス組成と第2の処理室におけるガス組成に変化は
ない。
【0012】一方、図8(B)を参照すると、被測定ガ
ス中の酸素濃度がゼロでない場合、第1の酸素ポンプ手
段による酸素の汲み出しが行われるから、第2の処理室
においてはO2減少分だけガス組成が変化し、可燃ガス
成分を含む他のガス成分の濃度割合が増加する。したが
って、ガスセンサのゲインが被測定ガス中の酸素濃度に
応じて変化することとなる。
【0013】本発明者は、このような問題を次のような
手段により解決できることを見出した。すなわち、本発
明による第1の手段は、第2の酸素ポンプ電流と、被測
定ガス中の酸素濃度と、予め求められている該酸素濃度
と該第2の酸素ポンプ電流の関係と、に基づき、被測定
ガス中の酸素濃度の影響を考慮して可燃ガス成分濃度を
求める。
【0014】本発明による第2の手段は、さらに、第2
の処理室に面し、酸素イオン伝導体上に第2の処理室内
と外にそれぞれ面して形成された第3の内側電極、第3
の外側電極を備え、第3の内側電極と第3の外側電極間
に一定の電流を流し所定量の測定用酸素イオンを酸素イ
オン伝導体を介して第2の処理室内に汲み入れる第3の
酸素ポンプ手段を有している。
【0015】本発明による第3の手段は次の工程を含
む: (1)予め被測定ガス中の酸素濃度を変えて第1の酸素
ポンプ電流を測定し、被測定ガス中の酸素濃度と第1の
酸素ポンプ電流の関係を求めておく; (2)予め被測定ガス中の酸素濃度を変えて、実質的に
可燃ガス成分濃度をゼロとしたときの第2の酸素ポンプ
電流を測定し、所定の酸素濃度における第2の酸素ポン
プ電流のオフセットを求めておく; (3)予め被測定ガス中の酸素濃度を変えて、既知の可
燃ガス成分濃度を有する被測定ガスを投入して第2の酸
素ポンプ電流を測定し、既知の可燃ガス成分濃度及び測
定した第2の酸素ポンプ電流を用いて、所定の酸素濃度
における第2の酸素ポンプ電流のゲイン(ガスセンサの
ゲイン)を求めておく。 (4) 測定時、測定された第1の酸素ポンプ電流、測
定された前記第2の酸素ポンプ電流、該測定された第1
の酸素ポンプ電流に基づき選択された前記第2の酸素ポ
ンプ電流のオフセット及び前記ゲインから可燃ガス成分
濃度を求める。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を説明する。本発明の可燃ガス成分濃度測定方法は、
その好ましい実施形態において、第1の酸素ポンプ電流
Ip1(或いは酸素濃度検知手段が出力する酸素濃淡電
池起電力)より被測定ガスの酸素濃度を求め、求められ
た酸素濃度に応じて選択されたないし補正された第2の
酸素ポンプ電流Ip2のオフセット(Ip2offset)及び
ゲイン(Ip2Gain)を選択し、測定した第2の酸素ポン
プ電流Ip2より下式に従って可燃ガス成分を求める。
【0017】可燃ガス成分濃度=ゲイン×(オフセット
−第2の酸素ポンプ電流の測定値)
【0018】好ましくは、オフセットを次のように求め
る。予め、被測定ガス中の可燃ガス成分濃度をゼロと
し、かつ被測定ガス中の酸素濃度を変えて、第2の酸素
ポンプ電流Ip2を測定する。そして、各酸素濃度にお
いて流れた第2の酸素ポンプ電流Ip2の値を、各酸素
濃度における第2の酸素ポンプ電流Ip2のオフセット
とする。このオフセットと酸素濃度の関係を細かく測定
し、マイクロコンピュータに接続又は内蔵されたメモリ
などに両者の関係をいわゆる「マップ」として記憶させ
ておく。或いは、予め何点かの測定値より両者の関係を
表す近似式(例えば下式のような2次多項式)を求めて
おき、酸素濃度と該近似式の係数の関係をメモリ(第1
の記憶手段)に記憶させておけばメモリ容量を減らすこ
とが出来る。
【0019】 Ip2offset[μA]=BIp2+a×(O2)2+b×O2 但し、「BIp2」は酸素濃度0%時の第2の酸素ポンプ
電流Ip2切片(オフセット)、「a」及び「b」は予
め測定されたデータに基づく近似計算により求められて
いる係数、「O2」は変数。
【0020】そこで、好ましくは、被測定ガス中の酸素
濃度を次のように求める。予め被測定ガス中の酸素濃度
と第1の酸素ポンプ電流Ip1との関係を細かく測定
し、マイクロコンピュータに接続又は内蔵されたメモリ
などに両者の関係をいわゆる「マップ」として記憶させ
ておく。或いは、予め何点かの測定値より両者の直線的
な関係を表す下記の式を求めておき、この下式の係数を
メモリに記憶させておく。そして、実際の測定時におい
ては、第1の酸素ポンプ電流Ip1の測定値とメモリに
記憶されている係数より、被測定ガス中の酸素濃度を求
めることができる。この下式を用いることにより、測定
時間及びメモリの記憶容量を減らすことができる。
【0021】O2[%]=(Ip1−BO2)/GO2 但し、「BO2」は酸素濃度が0%時の第1の酸素ポン
プ電流Ip1の切片(Ip1のオフセット)、「G
2」は傾き、「Ip1」は測定値である。
【0022】さらに、マイクロコンピュータに記憶した
「酸素濃度-Ip2オフセットマップ」あるいは2次多項式
を用いて、上記求められた被測定ガス中の酸素濃度より
第2の酸素ポンプ電流Ip2のオフセット(Ip2offs
et)を求めることができる。
【0023】この様に、実際の測定時においては、第1
の酸素ポンプ電流Ip1の測定値に応じて、メモリに記
憶されている第2の酸素ポンプ電流Ip2のオフセット
が選択される。或いは、第1の酸素ポンプ電流Ip1の
測定値に応じて、メモリに記憶されている上記近似式の
係数が選択され、この近似式を用いた演算が実行されて
第2の酸素ポンプ電流Ip2のオフセットが選択され
る。
【0024】一方、好ましくは、ゲインを次のように求
める。予め、種々の酸素濃度において、可燃ガス成分濃
度を変えて第2の酸素ポンプ電流Ip2を測定する。得
られた複数のデータから、各酸素濃度において、可燃ガ
ス成分濃度の変化量と第2の酸素ポンプ電流Ip2の変
化量との関係を表す近似式を求める。この近似式におけ
る第2の酸素ポンプ電流Ip2の変化量の係数をゲイン
として、被測定ガス中の酸素濃度に応じて選択する。
【0025】好ましくは、ゲインと酸素濃度の関係を細
かく測定しマイクロコンピュータに接続又は内蔵された
メモリ(第2の記憶手段)などにマップとして記憶させ
ておき、実際の測定時にはこのマップを用いてゲインを
定めることができる。或いは、何点かの測定値より両者
の直線関係を定め、下式より各酸素濃度におけるゲイン
を求めることができ、この結果、測定時間及びメモリの
記憶容量を減らすことができる。
【0026】Gain=Gain0+GainC×O2 但し、「Gain0」は酸素濃度0%時のGain切片、「Gain
C」は傾き、「O2」は変数。
【0027】或いは、何点かの測定値に基づき、ゲイン
と酸素濃度の関係を下記の2次多項式、或いはさらに高
次の多項式より求めることができる。
【0028】Gain=Gain0+a×(O2)2+b×O2 但し、「a」及び「b」は予め測定されたデータに基づ
く近似計算により求められている係数、「O2」は変
数。
【0029】本発明による可燃ガス成分濃度測定装置
は、その好ましい実施の形態において、被測定ガス中の
酸素濃度に応じて、第2の酸素ポンプ電流に基づいて得
られる可燃ガス成分濃度を補正する手段を有する。好ま
しくは、この補正手段が、被測定ガス中の酸素濃度に応
じて、第2の酸素ポンプ電流のオフセット及び/又はゲ
インを補正する。これらの補正は、被測定ガス中の酸素
濃度と第2の酸素ポンプ電流のオフセットとの関係を表
すマップ並びに近似式、及び/又は、被測定ガス中の酸
素濃度と第2の酸素ポンプ電流のゲインとの関係を表す
マップ並びに近似式を用いて、行うことができる。この
補正手段は、ガスセンサに接続されたマイクロコンピュ
ータにおいて実行されるプログラミング上で実現するこ
とができる。オフセット選択手段、ゲイン選択手段も同
様である。
【0030】本発明による可燃ガス成分濃度測定装置
は、その好ましい実施の形態において、第2の処理室内
へ導入された気体に含有される可燃ガス成分とO2との
反応を促進させる手段を有する。好ましくは、第2の内
側電極にPtなどの触媒成分を含有させ、この手段を兼
用させる。或いは、第2の処理室内に面して、HCガ
ス、COガスなどの可燃性ガス成分とO2との反応、す
なわち燃焼を促進させる酸化触媒部を設ける。また、ガ
スセンサの各電極は、所定の触媒能ないし酸素ポンピン
グ能力を向上させるために多孔質電極とすることが好ま
しい。
【0031】本発明による可燃ガス成分濃度測定装置
は、その好ましい実施の形態において、第2の気体流通
部の第1の処理室側開口上及び同上近傍に第1の内側電
極が形成されていない(同上近傍まで延在していな
い)。これによって、酸素が第2の処理室から第2の気
体流通部を通じて逆流して、第1の内側電極を介して汲
み出される現象が防止される。
【0032】本発明による可燃ガス成分濃度測定装置に
適用されるガスセンサは、好ましくは、主として複数の
酸素イオン伝導体(固体電解質)の層からなり、酸素イ
オン伝導体により周囲から区画された第1の処理室及び
第2の処理室を有する。酸素イオン伝導性を有する固体
電解質層材料としては、Y23ないしCaOを固溶させ
たZrO2が代表的なものであるが、それ以外のアルカ
リ土類金属元素ないし希土類金属元素の酸化物とZrO
2との固溶体を使用してもよい。また、ベースとなるZ
rO2にはHfO2が含有されていてもよい。また、部分
安定化、安定化、ないしこれらが混合したZrO2、C
eO2、HfO2、ThO2を用いることができる。安定
化剤として、例えばCaO,MgO,又は希土類酸化物
(例えばY 23、La23、Gd23等)の一種以上を
用いる。好ましくは、イットリウム部分安定化ジルコニ
ア焼結体(YSZ)を用いる。他の安定化剤或いは他の
固体電解質も用いることができる。
【0033】本発明による可燃ガス成分濃度測定装置に
適用されるガスセンサにおいて、好ましくは、第1及び
第2の気体流通部をセラミック等の多孔体、微細な貫通
孔又は細かいスリット(すきま状にする)から構成す
る。これら気体流通部を、好ましくはアルミナ多孔質体
から構成する。
【0034】
【実施例】以上説明した本発明の実施の形態をさらに明
確化するために、以下図面を参照して、本発明の一実施
例を説明する。
【0035】図1は、本発明の実施例1に係る可燃ガス
成分濃度測定装置に適用されるガスセンサの構造を説明
するための図であり、短手方向端部の断面図である。図
1を参照すると、このガスセンサは、第1層1,…第6
層6が積層されて形成されている。第1層1、第3層
3、第4層4及び第6層6は酸素イオン伝導体から形成
され、第2層は、その一部が多孔質アルミナ(第1の拡
散孔7)から形成され、他の部分は酸素イオン伝導体ま
たは緻密質アルミナから形成され、第5層5は酸素イオ
ン伝導体又は緻密質アルミナから形成されている。第1
層1と第3層3の間には、両側端部がガス拡散抵抗を有
する多孔質アルミナから形成された第1の拡散孔7(第
1の気体流通部)に囲まれた第1の処理室8が画成され
ている。第1の処理室8は、第1の拡散孔7を通じて被
測定雰囲気と連通している。第4層4と第6層6の間に
は、第2の処理室10が画成されている。また、第1の
処理室8と第2の処理室10をガス拡散抵抗をもって連
通するため、多孔質アルミナから形成された第2の拡散
孔9(第2の気体流通部)が第3層3と第4層4を貫通
するよう埋設されている。なお、第1の拡散孔7の第1
の処理室8側の開口と第2の拡散孔9の第1の処理室8
側の開口とは、気体の流れ方向に関して十分に離間した
位置に形成されている。
【0036】さらに、酸素イオン伝導体層である第1層
1の外面上には第1の外側電極11が形成され、一方、
同内面上には第1の処理室8に面して第1の内側電極1
2が形成されている。第1層1、及び第1の外側,内側
電極11,12は第1の酸素ポンプセル(第1の酸素ポ
ンプ手段)18を構成している。ここで、図2に示すよ
うに、第1の内側電極12の長さは第1の外側電極の長
さ11より短く形成され、第2の気体流通部9の第1の
処理室8側開口上及び同上近傍に、第1の内側電極12
が形成されていない。
【0037】酸素イオン伝導体層である第3層3の第1
の処理室8に面する面上には酸素濃度検知電極13が形
成され、一方、反対面上には第3層3と第4層4間に挟
まれて酸素濃度基準電極14が形成されている。第3層
3と、酸素濃度検知電極13及び酸素濃度基準電極14
は酸素濃度検知セル(酸素濃度検知手段)19を構成し
ている。
【0038】酸素イオン伝導体層である第4層4の第2
の処理室10に面する面上には第2の内側電極15が形
成されている。第4層4、酸素濃度基準電極14及び第
2の内側電極15は第2の酸素ポンプセル(第2の酸素
ポンプ手段)20を構成している。
【0039】酸素イオン伝導体層である第6層6の内面
上には第2の処理室10に面して第3の内側電極16が
形成され、一方、同外面上には第3の外側電極17が形
成されている。第6層6、及び第3の内側,外側電極1
6,17は第3の酸素ポンプセル(第3の酸素ポンプ手
段)21を構成している。
【0040】このガスセンサは、公知のグリーンシート
の積層焼成によるガスセンサの製造技術に基づき、次の
ように作製することができる。すなわち、ZrO2グリ
ーンシート単体、多孔質な電極を形成するためのPtな
どの電極成分を含むペースト、拡散孔を形成するための
アルミナペースト、層間を絶縁するため或いは処理室を
画成するための緻密層を形成するためのアルミナペース
ト、並びに処理室を画成するためのカーボンペーストな
どがそれぞれ所定位置にスクリーン印刷法を用いて塗布
されたZrO2グリーンシート、及び第2の拡散孔を形
成するための多孔質セラミックス体が埋め込まれたZr
2グリーンシートを積層し、乾燥し、焼成する。
【0041】図2は、本発明の実施例1に係る可燃ガス
成分濃度測定装置を説明するための図であり、図1に示
したガスセンサ(本図においてはその長手方向断面を示
す)を用いた可燃ガス成分濃度測定装置の説明図であ
る。
【0042】図2を参照すると、この測定装置において
は、第1の内側電極12と酸素濃度検知電極13とがリ
ード部を介して接点30において電気的に接続され、さ
らにグランド31に接地されている。差動増幅器33の
非反転入力端子(+)には基準電圧源34から基準電圧V
sが入力され、反転入力端子(−)には酸素濃度基準電極
14がリード部を介して電気的に接続され、結局、この
反転入力端子(−)には酸素濃度検知電極13と酸素濃度
基準電極14間の電位差(酸素濃淡電池起電力)が入力
される。この反転入力端子(−)と酸素濃度基準電極14
間に設けられた一の節点35には抵抗32の一端が電気
的に接続され、抵抗32の他端はプラス側の電源に接続
されている。これによって、酸素濃度基準電極14と酸
素濃度検知電極13間に自己基準極生成電流Icpが流
れ、酸素濃度検知電極13上で解離された酸素イオンが
酸素イオン伝導体層を通じて酸素濃度基準電極14側に
伝導する。この酸素イオンの伝導によって汲み出された
2により、酸素濃度基準電極14内部、上ないし近傍
に所定レベルの安定した基準酸素濃度雰囲気が形成され
ている。
【0043】差動増幅器33の出力端子は、リード部を
介して第1の外側電極11に電気的に接続されている。
差動増幅器20は、酸素濃度検知電極13と酸素濃度基
準電極14間の電位差が基準電圧源34の基準電圧Vs
に等しくなるように、第1の外側電極11、第1の内側
電極12間に電圧を可変に印加する。これによって、第
1の外側電極11、第1の内側電極12上ではO2が解
離され、生じた酸素イオンが酸素イオン伝導体層中を伝
導して、他方の電極上で再びO2となる。この結果、差
動増幅器33の出力端子と第1の外側電極11間には、
第1の処理室3内の酸素濃度、すなわち被測定ガス中の
酸素濃度に応じて第1の酸素ポンプ電流Ip1が正方向
又は逆方向に流れる。この第1の酸素ポンプ電流Ip1
に基づき被測定ガス中の酸素濃度を求めることができ
る。
【0044】上記一の節点35と酸素濃度基準電極14
間に設けられた他の節点36と、第3の外側電極17
と、の間には、定電圧源37,38が互いに直列に電気
的に接続されている。
【0045】定電圧源37のプラス極側は、リード部を
介して、他の節点36に電気的に接続され、このプラス
極とこの節点36の間には電流計40が直列に電気的に
接続されている。また、第2の内側電極15と第3の内
側電極16とがリード部を介して節点41において電気
的に接続され、この節点41がさらにリード部を介し
て、定電圧源37のマイナス極側と定電圧源38のプラ
ス極側の間に設けられた節点42に電気的に接続されて
いる。これによって、酸素濃度基準電極14が第2の外
側電極のように機能する。すなわち、酸素濃度基準電極
14と第2の内側電極15間に定電圧が印加され、第2
の処理室10に面する第2の内側電極15上で可燃ガス
成分が酸化(燃焼)されてO2が消費されると共に、残
余のO2が解離され生じた酸素イオンが酸素イオン伝導
体層中(図1の第4層4中)を伝導し、酸素濃度検知電
極14上で再びO2となる。この結果、電流計40には
可燃ガス成分濃度に応じた第2の酸素ポンプ電流Ip2
が流れる。また、上記酸素イオンの伝導によって汲み出
されたO2によっても、酸素濃度基準電極14内部、上
ないし近傍に所定レベルの安定した基準酸素濃度雰囲気
が形成される。
【0046】一方、定電圧源38のマイナス極側は、リ
ード部を介して、第3の外側電極17に電気的に接続さ
れ、このマイナス極と第3の外側電極17の間には可変
抵抗39が直列に電気的に接続されている。可変抵抗3
9には、第3の酸素ポンプ電流Ip3が第3の外側電極
17から定電圧源38のマイナス極側に向かって流れ
る。これによって、第3の内側,外側電極16,17間
に定電圧が印加され、第3の外側電極17上でO2が解
離され、生じた酸素イオンが酸素イオン伝導体層中(図
1の第6層6中)を伝導して、第3の内側電極16上で
再びO2となる。この結果、第2の処理室10に一定量
のO2が導入され、第2の酸素ポンプ電流Ip2のオフ
セットが底上げされる。オフセットの底上げの度合い
は、可変抵抗39の抵抗値を調整することによって任意
に設定することができる。このようにオフセットの値を
底上げすることによって、測定濃度範囲を大きくするこ
とができる。
【0047】そして、以上説明した可燃ガス成分濃度測
定装置には、下記のような可燃ガス成分濃度を求める手
段(不図示)が内蔵又は接続されている。この可燃ガス
成分濃度を求める手段は、第1,第2の酸素ポンプ電流
Ip1,Ip2が入力される入力部、酸素濃度とIp1
との関係並びにIp2のオフセットとの関係並びにIp
2のゲインとの関係を表すマップ又は近似式の係数並び
に定数が記憶されている記憶部、入力部及び記憶部に接
続され、Ip1測定値,Ip2測定値及びIp1測定値
に応じて記憶部から選択ないし記憶部のデータを用いて
算出されたオフセット並びにゲインから可燃ガス成分濃
度を算出する演算部と、算出された可燃ガス成分濃度を
出力する出力部を含んで構成される。演算部はいわば被
測定ガス中の酸素濃度によって補正された可燃ガス成分
濃度を算出するための補正手段を含んでいる。
【0048】次に、以上説明した可燃ガス成分濃度測定
装置の基本的な測定原理を説明する。図3は、図2に示
した可燃ガス成分濃度測定装置の基本的な測定原理を説
明するためのフローチャートである。
【0049】図1〜図3を参照すると、被測定ガス(例
えば排気ガス)が、第1の拡散孔7を通って第1の処理
室8に流入する(ステップ101)。第1の酸素ポンプ
セル18により、第1の処理室8内のO2を水蒸気の分
解反応が実質的に起こらない範囲内で汲み出す(ステッ
プ102)。このステップ102においては、酸素濃度
検知電極13が出力する信号にしたがって、汲み出し量
が制御される。次に、第1の処理室8から、第2の拡散
孔9を通って、第2の処理室10へ、濃度制御されたO
2ガス及び可燃ガス(炭化水素等)などが流入する(ス
テップ103)。第2の処理室10内において、第2の
内側電極15が有する触媒機能とそれに印加されている
電圧とにより、可燃ガスと残留しているO2とが反応し
て燃焼し、O2が消費され、第2の酸素ポンプ電流Ip
2は可燃ガスがない場合と比べて減少する(ステップ1
04)。このときの第2の酸素ポンプ電流Ip2の減少
量と被測定ガス中の可燃ガス成分濃度との間には直線関
係があるから、可燃ガス成分濃度を求めることができる
(ステップ105)。
【0050】次に、以上説明した可燃ガス成分濃度測定
装置を用いた可燃ガス成分濃度の測定方法を説明する。
図4は、本発明の一実施例に係る可燃ガス成分濃度の測
定方法を説明するためのフローチャートである。以下の
説明においては、可燃ガス成分としてHCガスの濃度を
測定する。
【0051】図4を参照すると、まず、第1,第2の酸
素ポンプ電流Ip1,Ip2を測定する(ステップ20
1,202)。第1の酸素ポンプ電流Ip1の測定値よ
り被測定ガス中の酸素濃度を求める(ステップ21
1)。求められた酸素濃度に対応する第2の酸素ポンプ
電流Ip2のオフセット(offset)を、予めこの酸素濃
度に対応する係数が求められている近似式を用いて算出
する、或いはマップから選択する(ステップ203)。
求められた酸素濃度に対応する第2の酸素ポンプ電流I
p2のゲイン(Gain)を、予めこの酸素濃度に対応する
係数が求められている近似式を用いて算出する、或いは
マップから選択する(ステップ204)。前記ステップ
203で求められた第2の酸素ポンプ電流Ip2のオフ
セットと、第2の酸素ポンプ電流Ip2の測定値の差か
ら、第2の酸素ポンプ電流の変化量ΔIp2を求める
(ステップ205)。前記ステップ205で求められた
ΔIp2と、前記ステップ204で求められた第2の酸
素ポンプ電流Ip2のゲイン(Gain)の積より、被測定
ガス中のHCガス濃度が求められ(ステップ206)、
出力される(ステップ207)。
【0052】一方、前記ステップ211で求められたO
2濃度を出力することもできる(ステップ212)。ま
た、前記ステップ201で求められた第1の酸素ポンプ
電流Ip1より空燃比(A/F,λ)を算出し(ステッ
プ221)、出力することもできる(ステップ22
2)。
【0053】[測定1:Ip1と被測定ガス中の酸素濃
度との関係]図2に示したような可燃ガス成分濃度測定
装置を用いて、図4に示した測定方法にしたがって可燃
ガス成分濃度を算出した。まず、予め、ガス組成が既知
のモデルガスに図1及び図2に示したようなガスセンサ
を曝して、第1の酸素ポンプ電流Ip1を測定した。第
1の処理室(図2の8)内の酸素濃度がおおよそ10 -8
atmとなるように、基準電源(図2の34)の基準電圧
を設定した。
【0054】また、第1の外側電極11をPt多孔質電
極、第1の内側電極12をPt−Au多孔質二層電極
(Pt内側、Au外側)、酸素濃度検知電極13をPt
−1wt%Au多孔質電極、酸素濃度基準電極14をP
t多孔質電極、第2の内側電極15をPt−1wt%A
u多孔質電極、第3の内側電極16をPt−1wt%A
u多孔質電極、第3の外側電極17をPt多孔質電極、
各電極の厚さを約20μm、第1及び第2の気体流通部
7,9の材質を多孔質アルミナとした。
【0055】また、ガス投入装置として、窒素バランス
でトータル流量:15L/min、ガス温度:300℃
のモデルガスを供給するモデルガス装置を用いた。そし
て、投入ガスにおいては、H2O=10%、CO2=10
%、N2バランスをベースガスとし、可燃ガス成分とし
てメタンガスを用いた。但し、この測定1においては、
メタンガスの添加量をゼロとし、投入する酸素濃度を変
えて、第1の酸素ポンプ電流Ip1の値を測定した。
【0056】表1及び図5に、投入した酸素濃度と第1
の酸素ポンプ電流Ip1の測定値との関係を示す。さら
に、上述の酸素濃度と第1の酸素ポンプ電流Ip1との
関係を表した式「O2[%]=(Ip1−BO2)/G
2」に、表1に示したデータを代入して、各係数を算
出したところ、酸素濃度計算式「O2[%]=(Ip1−0.0
63)/0.2258」が得られた。また、この式と前記データと
の相関係数R2(=0.9994)がきわめて高いから、第1
の酸素ポンプ電流Ip1の値は被測定ガス中の酸素濃度
にほぼ直線比例していること、さらに、第1の酸素ポン
プ電流Ip1より被測定ガス中の酸素濃度を正確に求め
ることができることが分かる。
【0057】
【表1】
【0058】[測定2:Ip2のオフセットと被測定ガ
ス中の酸素濃度との関係]次に、メタンガスの添加量を
ゼロとし、投入する酸素濃度を変えて、第2の酸素ポン
プ電流Ip2の値を測定した。酸素濃度検知電極(図2
の14)と第2の内側電極(図2の15)の間には35
0mVの電圧を印加した。なお、第2の酸素ポンプ電流
Ip2のオフセット(オフセット電流)の底上げのた
め、15μAの第3の酸素ポンプ電流Ip3が流れるよ
うに可変抵抗(図2の39)を調整した。
【0059】表2及び図6に、メタンガスの添加量をゼ
ロとした場合の、投入した酸素濃度と、第2の酸素ポン
プ電流Ip2の測定値すなわち第2の酸素ポンプ電流I
p2のオフセットと、の関係を示す。
【0060】さらに、上述の第2の酸素ポンプ電流Ip
2のオフセットと酸素濃度との関係を表した近似式「I
p2offset[μA]=BIp2+a×(O2)2+b×O2」に、
表2に示したデータを代入して、各係数を求めたとこ
ろ、BIp2=14.973、a=-0.0078、b=-0.0363となっ
た。これらを上記近似式に代入すると、該近似式は「I
p2offset[μA]=14.973−0.0078×(O2)2-0.0363
(O2)」となる。また、この近似式と前記データとの相
関係数R2(=0.9989)がきわめて高いから、酸素濃度
の2次多項式である上記近似式を用いて、各酸素濃度に
おける第2の酸素ポンプ電流Ip2のオフセットを正確
に求めることができることが分かる。
【0061】
【表2】
【0062】[測定3:Ip2のゲインと被測定ガス中
の酸素濃度との関係]次に、メタンガスの添加量を0,
200ppmとし、各酸素濃度(O2=1,7,10,15
%)において、第2の酸素ポンプ電流Ip2の変化量を
測定した。そして、メタンガス濃度の変化量(200ppm−
0ppm)と、第2の酸素ポンプ電流Ip2変化量より、
各酸素濃度(O2=1,7,10,15%)における第
2の酸素ポンプ電流Ip2のゲイン[ppm/μA]を求め
た。表3及び図7に、各酸素濃度におけるゲインの値を
示す。
【0063】さらに、上述の第2の酸素ポンプ電流Ip
2のゲインと酸素濃度との関係を表した一次の近似式
「Gain=Gain0+GainC×O2」、及び二次多項式「Gain
=Gain 0+a×(O2)2+b×O2」に、表3に示したデー
タをそれぞれ代入して、各係数を求めたところ、前者に
おいてはGain0=69.413、GainC=-0.5935、後者におい
てはGain0=70.354、a=0.0256、b=-0.9988と求めら
れた。図7に前者の近似式を表す直線、後者の近似式を
表す曲線をそれぞれ示す。また、前記データと後者の近
似式との相関係数R2の方がきわめて高かった(前者の
2=0.9616、後者のR2=0.9994)。よって、特に、酸
素濃度の2次多項式である上記近似式を用いて、各酸素
濃度における第2の酸素ポンプ電流Ip2のゲインをよ
り正確に求めることができることが分かる。
【0064】
【表3】
【0065】[可燃ガス成分濃度の算出]以上より、被
測定ガス中の酸素濃度と第2の酸素ポンプ電流Ip2の
ゲインとの関係が正確に求められた。よって、ΔIp2
(第2の酸素ポンプ電流Ip2測定値と、被測定ガス中
の酸素濃度に対応する第2の酸素ポンプ電流Ip2のオ
フセットの差)と、被測定ガス中の酸素濃度に対応する
第2の酸素ポンプ電流Ip2のゲイン(Gain)の積よ
り、任意の酸素濃度において被測定ガス中の可燃ガス成
分濃度(HCガス濃度)が正確に計算できる。表4にこ
の計算に用いるデータを示す。表4中、Ip1,Ip2
は本「測定3」における測定値、O2計算値は前記「測
定1」で決定された酸素濃度計算式を用いて計算した
値、Ip2のoffset計算値は前記「測定2」で決定され
た二次多項式を用いて計算した値、ΔIp2はこのoffs
et計算値とIp2測定値の差、Ip2のGain計算値は本
「測定3」で決定されたニ次多項式を用いて計算した値
である。そして、表5に、各酸素濃度(O2=1,7,
10,15%)において投入したメタンガス濃度(真
値)と、表4に示すデータを用いて計算したメタンガス
濃度計算値を示す。表5を参照すると、両者の誤差はき
わめて小さいことが分かる。
【0066】
【表4】
【0067】
【表5】
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、可燃ガス成分濃度を正
確に測定することができる測定装置及び測定方法が提供
される。特に、本発明によれば、酸素濃度が可燃ガス成
分濃度測定に与える影響が補正されるため、酸素リッチ
な雰囲気においても正確に可燃ガス成分濃度を測定する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る可燃ガス成分濃度測定
装置に適用されるガスセンサの説明図である。
【図2】本発明の実施例1に係る可燃ガス成分濃度測定
装置を説明するための図であり、図1に示したガスセン
サ(本図においてはその長手方向断面を示す)を用いた
可燃ガス成分濃度測定装置の説明図である。
【図3】図2に示した可燃ガス成分濃度測定装置の基本
的な測定原理を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の一実施例に係る可燃ガス成分濃度測定
方法を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の一実施例に係る可燃ガス成分濃度測定
装置を用いた測定結果(酸素濃度とIp1の関係)を示
すグラフである。
【図6】本発明の一実施例に係る可燃ガス成分濃度測定
装置を用いた測定結果(酸素濃度とIp2offsetの関
係)を示すグラフである。
【図7】本発明の一実施例に係る可燃ガス成分濃度測定
装置を用いた測定結果(酸素濃度とIp2Gain[ppm/μ
A]の関係)を示すグラフである。
【図8】(A)及び(B)は、ガスセンサのゲイン[濃
度/出力]が被測定ガス中の酸素濃度によって変化する理
由を説明するための図であり、(A)は同酸素濃度がゼ
ロの場合、(B)は同酸素濃度がゼロでない場合の現象
を説明するための図である。
【符号の説明】
1 第1層 2 第2層 3 第3層 4 第4層 5 第5層 6 第6層 7 第1の拡散孔(第1の気体流通部) 8 第1の処理室 9 第2の拡散孔(第2の気体流通部) 10 第2の処理室 11 第1の外側電極 12 第1の内側電極 13 酸素濃度検知電極 14 酸素濃度基準電極 15 第2の内側電極 16 第3の内側電極 17 第3の外側電極 18 第1の酸素ポンプセル(第1の酸素ポンプ手段) 19 酸素濃度検知セル(酸素濃度検知手段) 20 第2の酸素ポンプセル(第2の酸素ポンプ手段) 21 第3の酸素ポンプセル(第3の酸素ポンプ手段) 30 節点 31 グランド 32 抵抗 33 差動増幅器 34 基準電圧源 35 節点 36 節点 37 定電圧源 38 定電圧源 39 可変抵抗 40 電流計 41 節点 42 節点 Ip1 第1の酸素ポンプ電流 Ip2 第2の酸素ポンプ電流 Ip3 第3の酸素ポンプ電流 Icp 自己基準極生成電流

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の気体流通部と、 前記第1の気体流通部を介して被測定ガスが導入される
    第1の処理室と、 第2の気体流通部と、 前記第1の処理室内の気体が前記第2の気体流通部を介
    して導入され、該気体中に含まれる可燃ガス成分と酸素
    が反応する第2の処理室と、 前記第1の処理室から前記第2の処理室へ導入される気
    体中の酸素濃度を検知する酸素濃度検知手段と、 酸素イオン伝導体上に前記第1の処理室内と外にそれぞ
    れ面して形成された第1の内側電極、第1の外側電極を
    備え、前記酸素濃度検知手段の酸素濃度検知出力に基づ
    き、該第1の内側電極と該第1の外側電極間に電圧が印
    加されて酸素を解離し、生じた酸素イオンを該酸素イオ
    ン伝導体を介して前記第1の処理室内から汲み出し又は
    汲み入れることにより、該第1の処理室から前記第2の
    処理室内へ導入される気体中の酸素濃度を制御する第1
    の酸素ポンプ手段と、 酸素イオン伝導体上に前記第2の処理室内と外にそれぞ
    れ面して形成された第2の内側電極、第2の外側電極を
    備え、該第2の内側電極と該第2の外側電極間に一定の
    電圧が印加されて、該第2の処理室内で可燃ガスとの反
    応に消費されなかった酸素が解離され、生じた酸素イオ
    ンを該酸素イオン伝導体を介して該第2の処理室内から
    汲み出す第2の酸素ポンプ手段と、 を有し、 前記第2の酸素ポンプ手段に流れる基本的に可燃ガス成
    分濃度に応じた電流(以下これを「第2の酸素ポンプ電
    流」という)と、被測定ガス中の酸素濃度と、予め求め
    られている該酸素濃度と該第2の酸素ポンプ電流の関係
    と、に基づき、被測定ガス中の酸素濃度の影響を考慮し
    て可燃ガス成分濃度を求めること、 を特徴とする可燃ガス成分濃度測定装置。
  2. 【請求項2】被測定ガス中の酸素濃度は、前記第1の酸
    素ポンプ手段に流れる電流(以下これを「第1の酸素ポ
    ンプ電流」という)に基づいて得られることを特徴とす
    る請求項1記載の可燃ガス成分濃度測定装置。
  3. 【請求項3】予め酸素濃度を変えて、可燃ガス成分濃度
    を実質的にゼロとしたときの前記第2の酸素ポンプ電流
    (以下これを「第2の酸素ポンプ電流のオフセット」と
    いう)を測定すること、 前記測定結果に基づき得られた、酸素濃度と、前記第2
    の酸素ポンプ電流のオフセットと、の関係を記憶してい
    る第1の記憶手段と、 前記第1の記憶手段を用いることにより、被測定ガス中
    の酸素濃度に応じて前記第2の酸素ポンプ電流のオフセ
    ットを選択するオフセット選択手段と、 を有することを特徴とする請求項1又は2記載の可燃ガ
    ス成分濃度測定装置。
  4. 【請求項4】予め酸素濃度を変えて、既知の可燃ガス成
    分濃度を有する被測定ガスを投入して前記第2の酸素ポ
    ンプ電流を測定し、所定酸素濃度における、前記第2の
    酸素ポンプ電流の変化量に対する可燃ガス成分濃度の変
    化量の割合(以下これを「ゲイン」という)を求めてお
    き、 前記測定結果に基づき得られた、酸素濃度と、前記ゲイ
    ンの関係を記憶している第2の記憶手段と、 前記第2の記憶手段を用いることにより、被測定ガス中
    の酸素濃度に応じて前記ゲインを選択するゲイン選択手
    段と、 を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一記
    載の可燃ガス成分濃度測定装置。
  5. 【請求項5】予め酸素濃度を変えて、可燃ガス成分の濃
    度を実質的にゼロ及び所定濃度としたときの前記第2の
    酸素ポンプ電流をそれぞれ測定すること、 前記測定結果に基づき、所定酸素濃度における可燃ガス
    成分濃度を実質的にゼロとしたときの前記第2の酸素ポ
    ンプ電流(以下これを「第2の酸素ポンプ電流のオフセ
    ット」という)、及び所定酸素濃度における、前記第2
    の酸素ポンプ電流の変化量に対する可燃ガス成分濃度の
    変化量の割合(以下これを「ゲイン」という)、又は、
    該所定酸素濃度と該オフセットの関係式の係数並びに定
    数及び該所定酸素濃度と該ゲインの関係式の係数並びに
    定数を求めておくこと、 測定時、検出された被測定ガス中の酸素濃度に応じて前
    記オフセット及び前記ゲインの値又は前記関係式の係数
    並びに定数をそれぞれ選択ないし算出し、該オフセッ
    ト、該ゲイン及び検出された前記第2の酸素ポンプ電流
    に基づき、可燃ガス成分濃度を求めること、 を特徴とする請求項1又は2記載の可燃ガス成分濃度測
    定装置。
  6. 【請求項6】予め酸素濃度を変えて、実質的に可燃ガス
    成分濃度をゼロとしたときの前記第2の酸素ポンプ電流
    (以下これを「第2の酸素ポンプ電流のオフセット」と
    いう)を測定すること、 前記測定結果に基づく近似計算により、酸素濃度と前記
    オフセット(Ip2offset)の関係を表す下式の係数並
    びに定数を求めておくこと、 Ip2offset=BIp2+a×(O2)2+b×O2 但し、「BIp2」は酸素濃度がゼロであるときの前記オ
    フセット、「a」及び「b」は係数、「O2」は測定時
    に検出される被測定ガス中の酸素濃度、 を特徴とする請求項1又は2記載の可燃ガス成分濃度測
    定装置。
  7. 【請求項7】予め酸素濃度を変えて、可燃ガス成分の濃
    度を実質的にゼロ及び所定濃度としたときの前記第2の
    酸素ポンプ電流をそれぞれ測定すること、 前記測定結果に基づく近似計算により、所定酸素濃度に
    おける前記ゲイン(Gain)の関係を表す下式の係数並び
    に定数を求めておくこと、 Gain=Gain0+GainC×O2 但し、「Gain0」は酸素濃度がゼロであるときのGain切
    片、「GainC」は傾き、「O2」は測定時に検出される
    被測定ガス中の酸素濃度、 を特徴とする請求項1又は2記載の可燃ガス成分濃度測
    定装置。
  8. 【請求項8】予め酸素濃度を変えて、可燃ガス成分の濃
    度を実質的にゼロ及び所定濃度としたときの前記第2の
    酸素ポンプ電流をそれぞれ測定すること、 前記測定結果に基づく近似計算により、所定酸素濃度に
    おける前記ゲイン(Gain)の関係を表す下式の係数並び
    に定数を求めておくこと、 Gain=Gain0+a×(O2)2+b×O2 但し、「Gain0」は酸素濃度をゼロとしたときのGain切
    片、「a」及び「b」は係数、「O2」は測定時に検出
    される被測定ガス中の酸素濃度、 を特徴とする請求項1又は2記載の可燃ガス成分濃度測
    定装置。
  9. 【請求項9】第1の気体流通部と、 前記第1の気体流通部を介して被測定ガスが導入される
    第1の処理室と、 第2の気体流通部と、 前記第1の処理室内の気体が前記第2の気体流通部を介
    して導入され、該気体中に含まれる可燃ガス成分と酸素
    が反応する第2の処理室と、 前記第1の処理室から前記第2の処理室へ導入される気
    体中の酸素濃度を検知する酸素濃度検知手段と、 酸素イオン伝導体上に前記第1の処理室内と外にそれぞ
    れ面して形成された第1の内側電極、第1の外側電極を
    備え、前記酸素濃度検知手段の酸素濃度検知出力に基づ
    き、該第1の内側電極と該第1の外側電極間に電圧が印
    加されて酸素を解離し、生じた酸素イオンを該酸素イオ
    ン伝導体を介して前記第1の処理室内から汲み出し又は
    汲み入れることにより、該第1の処理室から前記第2の
    処理室内へ導入される気体中の酸素濃度を制御する第1
    の酸素ポンプ手段と、 酸素イオン伝導体上に前記第2の処理室内と外にそれぞ
    れ面して形成された第2の内側電極、第2の外側電極を
    備え、該第2の内側電極と該第2の外側電極間に一定の
    電圧が印加されて、該第2の処理室内で可燃ガスとの反
    応に消費されなかった酸素が解離され、生じた酸素イオ
    ンを該酸素イオン伝導体を介して該第2の処理室内から
    汲み出す第2の酸素ポンプ手段と、 前記第2の処理室に面し、酸素イオン伝導体上に前記第
    2の処理室内と外にそれぞれ面して形成された第3の内
    側電極、第3の外側電極を備え、該第3の内側電極と該
    第3の外側電極間に一定の電流を流し所定量の測定用酸
    素イオンを該酸素イオン伝導体を介して該第2の処理室
    内に汲み入れる第3の酸素ポンプ手段と、 を有し、 前記第2の酸素ポンプ手段に流れる基本的に可燃ガス成
    分濃度に応じた電流(以下これを「第2の酸素ポンプ電
    流」という)と、被測定ガス中の酸素濃度と、予め求め
    られている該酸素濃度と該第2の酸素ポンプ電流の関係
    と、に基づき、被測定ガス中の酸素濃度の影響を考慮し
    て可燃ガス成分濃度を求めること、 を特徴とする可燃ガス成分濃度測定装置。
  10. 【請求項10】酸素濃度が制御された気体が生成される
    よう、ガスセンサに導入された気体中のO2が解離さ
    れ、生じた酸素イオンが酸素イオン伝導体中を移動する
    ことにより第1の酸素ポンプ電流が流れること、 前記生成された酸素濃度が制御された気体中で、可燃ガ
    ス成分とO2とを反応させること、 前記反応に消費されなかったO2が解離され、生じた酸
    素イオンが酸素イオン伝導体中を移動することにより第
    2の酸素ポンプ電流が流れること、 を特徴とするガスセンサを用いて、 予め求められている、酸素濃度と前記第1の酸素ポンプ
    電流との関係、 予め求められている、酸素濃度と、実質的に可燃ガス成
    分濃度をゼロとしたときの前記第2の酸素ポンプ電流
    (以下これを「第2の酸素ポンプ電流のオフセット」と
    いう)との関係、及び、 予め求められている、酸素濃度と、前記第2の酸素ポン
    プ電流の変化量に対する可燃ガス成分濃度の変化量の割
    合(以下これを「ゲイン」という)との関係、に基づ
    き、 測定時、測定された前記第1の酸素ポンプ電流、測定さ
    れた前記第2の酸素ポンプ電流、該測定された第1の酸
    素ポンプ電流に基づき選択された前記第2の酸素ポンプ
    電流のオフセット及び前記ゲインから可燃ガス成分濃度
    を求めること、 を特徴とする可燃ガス成分濃度測定方法。
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