JP2001055106A - 自動車用エアーバッグ装置 - Google Patents

自動車用エアーバッグ装置

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JP2001055106A
JP2001055106A JP11227972A JP22797299A JP2001055106A JP 2001055106 A JP2001055106 A JP 2001055106A JP 11227972 A JP11227972 A JP 11227972A JP 22797299 A JP22797299 A JP 22797299A JP 2001055106 A JP2001055106 A JP 2001055106A
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thickness
airbag
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Mitsuo Yasuda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車用エアーバッグ装置に関し、特
に、エアーバッグ膨張展開用の内装カバーに形成する破
断開放部の構造の改良に関するものである。 【解決手段】 エアーバッグケース20の開口部201
と相対向する内装カバー102位置に脆弱化部分を形成
した破断開放部30を有する自動車用エアーバッグ装置
において、前記破断開放部30は、前記エアーバッグケ
ース20の開口部201と相対する裏面に、前記開口部
201に対応する破断溝34を連続形成すると共に、該
破断溝34は肉厚を所定の間隔で肉厚部32と薄肉部3
3とで形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車などの車両
の衝突時に助手席,運転席の乗員を正面,側面衝突から
保護して、安全性を確保するための自動車用エアーバッ
グ装置に関し、特に、エアーバッグ膨張展開用の内装カ
バーに形成する破断開放部の構造の改良に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】自動車などの車両に適用される助手席
用,運転席用及び左右側柱用のエアーバッグ装置は、基
本的に、エアーバッグと、このエアーバッグを折り畳ん
だ状態で収容するエアーバッグケースと、エアーバッグ
を膨張展開するインフレータを備え、車両内装カバーに
よって被覆配設される構成になっている。そして、自動
車の内装カバーは、一般的にポリプロピレン等の合成樹
脂材により一体成形されたパネルコアーの表面を覆うポ
リプロピレン等の合成樹脂製のパネル状の内装カバーに
よって構成されている。
【0003】図1の(a)は、助手席用エアーバッグ装
置の単板状のインストルメントパネルカバー1(以下、
内装カバーという)にエアーバッグ膨張展開用の破断開
放部2を形成した場合の従来の部分拡大説明図で、
(b)は図1(a)のA−A線に沿う概略断面図であ
る。前記内装カバー1には、図示しないレーザ発生手段
からパルス状に発生するレーザを内装カバー1の裏面側
からその裏面に固着した補強用板材5の外形縁部に沿っ
て相対移動しながら照射することにより、内装カバー1
を貫通する貫通孔3を破線状または点線状の破断線4に
形成することで、エアーバッグケースの開口部の大きさ
に対応するエアーバッグ膨張展開用の破断開放部2が形
成される。そして、前記エアーバッグ膨張展開時に破断
開放部2の内装カバー1がエアーバッグにより前記内装
カバー1より切り離されるが、前記内装カバー1の前記
破断開放部2の裏面に一体に固着され、その一端が前記
内装カバー1に連結された補強用板材5のヒンジ部を介
して、エアーバッグ膨張展開時に破断開放部2の内装カ
バー1が飛散しないようにして乗員の車両衝突時の衝撃
を緩和し、かつ破断開放部2の内装カバー1による打撲
等の原因による危険を未然に防止するようにしたものが
提案されている。
【0004】上記のように構成された自動車用エアーバ
ッグ装置において、車両が衝突した際には、その衝突時
の衝撃力をセンサで検出し、このセンサで検出した衝撃
力が予め定めた値以上になった否かをCPU等からなる
制御装置で判定し、設定値以上と判定された時に制御装
置から出力される信号によりインフレータを動作させて
所定のガスを発生させ、このガスをエアーバッグに供給
することにより、エアーバッグを急速に膨張展開させ
る。すなわち、エアーバッグが膨張展開することによ
り、その圧力でパネルカバー1の破断開放部2が内側か
ら押圧されると、破断開放部2が破断線4に沿い破断さ
れて内装カバー1から分離さるとともに、この分離され
た破断開放部2は補強用板材5のヒンジ部を支点に内装
カバー1の外方へ開かれる。これと同時に、エアーバッ
グは開かれた破断開放部2から内装カバー1の外方へ膨
張展開され、この膨張展開されたエアーバッグの緩衝作
用で、助手席,運転席及び左右側柱側の乗員の胸部,頭
部或いは腕部・脚部を支えることにより、乗員を車両衝
突時の衝撃力から保護するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自動車の内
装カバー1は、前述の図1(a),(b)に示すような
一般的にポリプロピレン等の合成樹脂材により一体成形
されたパネルコアーの表面を覆うポリプロピレン等の合
成樹脂製の単板状構成のものが使用されているが、この
ような内装カバー1におけるエアーバッグ膨張展開用の
破断開放部2は内装カバー1の裏面側から形成した破断
線状の貫通孔3が前記内装カバー1の表面側に貫通して
開口しているため小孔といえども表面側から見た場合
に、意匠性が悪くなると共に、前記破断開放部2の輪郭
に沿った破断線4の連続部分は、表面側から裏面側の押
圧力に対し、脆弱になっており、特にエアーバッグ装置
が内装カバー1裏面側に配設されている状態で、前記内
装カバー1の表面側に誤って手をついて前記破断開放部
2に押圧負荷を掛けた場合に、簡単に破断開放部2が破
壊されてしまう恐れがある。
【0006】また、内装カバー1の裏面側から表面側に
向けて直角に突き抜ける貫通孔3が形成されているた
め、エアーバッグ膨張展開時においては、破断線4に沿
った破断開放部2の周囲破断部がぎざぎざになり、開口
断面にシャープなエッジができて安全性に問題点があ
る。また、車内温度が高温になると、破断開放部用のレ
ーザ加工による貫通孔の近辺に不規則な凹凸状のヒケが
発生し、外観を損ない意匠効果をさらに低下させる原因
となっている。
【0007】本発明は、上記のような従来の課題を解決
するためになされたもので、本発明の目的は、内装カバ
ーの破断開放部を、前記エアーバッグケースの開口部と
相対する位置に、前記内装カバーの前記開口部に沿っ
て、破断溝を連続形成すると共に、該破断溝の肉厚を所
定の間隔で肉厚部と薄肉部とで形成することで、内装カ
バー表面側からの押圧力に対しては破損しにくく、また
裏面側からは破損しやすくすると共に、前記破断開放部
の破断面をシャープなエッヂができにくくすることで、
安全性の高い破断開放部を備えた自動車用エアーバッグ
装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明の請求項1に記載の発明は、車両内装カバーに
よって被覆されたフロント部、ハンドル中央部及び側柱
部の少なくとも1個所に配設された、インフレータから
のガスにより膨張展開されるエアーバッグを折り畳んだ
状態で収容すると共に前記内装カバーの裏面と対向する
個所に開口部を有するエアーバッグケースを備え、前記
エアーバッグケースの開口部と相対向する前記カバー位
置に脆弱部分を形成した破断開放部を有する自動車用エ
アーバッグ装置において、前記破断開放部は、前記エア
ーバッグケースの開口部と相対する裏面に、前記開口部
に対応する破断溝を連続形成すると共に、該破断溝は肉
厚を所定の間隔で肉厚部と薄肉部とで形成されることを
特徴とする。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
された自動車用エアーバッグ装置において、前記破断開
放部に形成される破断溝は、前記内装カバー材質の全体
厚さの肉厚量の1/3〜2/3の肉厚量を削除した肉厚
部を連続して形成するとともに、該肉厚部の肉厚量をさ
らに一定量削除することで肉厚部と薄肉部との間隔を
0.7/10 〜1/10の間隔となるように離間させて
連続形成されたものであることを特徴とする。
【0010】請求項3の発明は、請求項1または2に記
載の自動車用エアーバッグ装置において、前記内装カバ
ーの材質の全体厚さ2.5mm 〜5mmに対し、前記薄肉部
の肉厚量を0.1mm〜0.6mmとしたことを特徴とする。
【0011】請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれ
か1つに記載の自動車用エアーバッグ装置において、前
記破断溝は、前記内装カバーの裏面側よりレーザ発生手
段から発生するパルス状のレーザを前記破断開放部の輪
郭に沿い相対移動させながら照射して前記内装カバーの
裏面に肉厚部と薄肉部とを所定間隔で形成することによ
り構成されることを特徴とする。
【0012】請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれ
か1つに記載の自動車用エアーバッグ装置において、前
記破断溝は、前記内装カバー成形時に金型の一体成形に
より前記内装カバーの裏面に肉厚部と薄肉部とを所定間
隔で型形成したことを特徴とする。
【0013】請求項6の発明は、請求項1〜請求項5の
いずれか1つに記載の自動車用エアーバッグ装置におい
て、 前記内装カバーの裏面側に形成された前記破断溝
は、肉厚部と薄肉部とが形成された空間部に、破断性が
大きな発泡樹脂を装填されていることを特徴とする。
【0014】請求項7の発明は、請求項1〜請求項6の
いずれか1つに記載の自動車用エアーバッグ装置におい
て、前記破断溝は、前記内装カバーの裏面側より表面側
に向けて拡角に傾斜して形成されたものであることを特
徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。図2は本発明にかかる自
動車用エアーバッグ装置の助手席用エアーバッグ装置が
装着されるインストルメントパネルの分解斜視図、図3
は本発明の実施の形態における助手席用エアーバッグ装
置の縦断側面図、図4は本発明の実施の形態における助
手席用エアーバッグ装置の破断開放部補強用板材および
支持部材を拡大して示す斜視図、図5は図2のB−B線
に沿う一部の拡大断面図、図6はレーザ発生手段から発
生するパルス状のレーザをインストルメントパネルカバ
ーに照射して破断開放部用の破断溝を形成した過程を示
す説明用の拡大断面図、図7は図2のC−C線に沿う一
部の拡大断面図である。
【0016】図2及び図3において、インストルメント
パネル10は、インストルメントパネルコアー101
と、このインストルメントパネルコアー101の表面を
覆うインストルメントパネルカバー102(以下、内装
パネルという)を備え、これらはポリプロピレン等の合
成樹脂材により一体成形された樹脂成形品から構成され
ている。内装カバー102はタッピングねじ等の適宜の
手段によりインストルメントパネルコアー101に固定
される。
【0017】前記内装カバー102の右側部分の助手席
と対向する箇所には、図2及び図3に示すように、金属
製のエアーバッグケース20が収容される収容部13が
隔壁部材14により形成されている。この隔壁部材14
は、エアーバッグケース20等の内装カバー102への
組み付けを容易にするために複数のタッピングねじ14
aにより内装カバー102に着脱可能に固定される構成
になっている。また、前記収容部13と相対向する内装
カバー102の箇所には、エアーバッグ27の膨張展開
時に開放される破断開放部30が形成されている。この
破断開放部30は、エアーバッグケース20の開口部2
01とほぼ同一面積で長方形状をなしている。
【0018】前記エアーバッグケース20を収容部13
内に装着する手法としては、図3に示すように、エアー
バッグケース20の開口部201側の上端部を、一端が
タッピングねじ14aにより隔壁部材14に固定され、
かつ他端が前記内装カバー102の裏面に固定される補
強用板材31の連接支持部材312の水平折曲部にボル
ト・ナット23により固定した連結部材24を介してね
じ25により固定し、さらに、エアーバッグケース20
の開口部201側の下端部を、該下端部に溶接した連結
部材26を介してボルト・ナット23Aにより隔壁部材
14に固定することで行われる。
【0019】また、エアーバッグケース20内には、エ
アーバッグ27が折り畳んだ状態で収納されており、こ
のエアーバッグ27には、隔壁部材14の外側に配設さ
れる図示省略のインフレータ(ガス発生器)にガス吹き
込みパイプ29を通して接続されている。そして、エア
ーバッグケース20の開口部201は化学繊維製の薄布
からなるエアーバッグ保護カバー28により閉塞されて
いる。このエアーバッグ保護カバー28は、エアーバッ
グ27の不使用時におけるエアーバッグケース20から
の不用意なはみ出しを防止するためのものであり、イン
フレータからのガス供給によるエアーバッグ27の膨張
展開時には容易に破れる性質のものである。
【0020】前記破断開放部30の内壁面には、図4に
示す金属製の補強用板材31が固着されている。この補
強用板材31は、図3に示すように、破断開放部30の
内壁面と一致する形状に湾曲されているとともに、破断
開放部30の面積より僅か小さい略長方形に形成されて
いる。そして、この補強用板材31の短尺方向の上端に
はヒンジ部311が長尺方向に延在して形成され、この
ヒンジ部311には、補強用板材31の裏面側へ折り曲
げることにより形成される連接支持部312が設けられ
ている。この連接支持部312の折曲部312aおよび
312bがボルト・ナット23,14aによって前記連
結部材24および前記隔壁部材14に固定されている。
また、補強用板材31には、その短尺方向に延在する補
強用の凹部313が補強用板材31の長尺方向に間隔を
おいて複数形成されている。さらに、補強用板材31に
は短尺方向に長い複数の結合孔314が互いに近接して
縦・横に並べて形成され、この複数の結合孔314を1
ブロックとし、このブロックを補強用板材31の全域に
わたり所定の間隔で縦・横に配列して設けられている。
【0021】前記破断開放部30の内壁面には、図3に
示すように、前記各ブロックの各結合孔314と同一の
配列にした数の凸条301が各ブロックの配列に対応し
て形成されており、この凸条301を結合孔314に係
合し、その突出端を加熱溶融してかしめることにより、
補強用板材31を破断開放部30の内壁面に一体に固定
できる構成になっている。
【0022】次に、前記収容部13と相対向する内装カ
バー102に破断開放部30を形成する場合について、
図5ないし図7を参照して説明する。エアーバッグ27
の膨張展開時に破断する破断開放部30を内装カバー1
02に形成するに際しては、図示省略した周知のレーザ
発生手段から、所定の周波数、例えば7kHzのパルス
状のレーザ12A(出力=3〜5kW)を一定の周期で
間欠的に発生し、かつ前記開口部201に対応する内装
カバー102表面102a側にレーザ12Aを感知する
センサ12Bを配設した構成とし、このレーザ12Aに
よって、前記内装カバー102の裏面側102bから、
その裏面に固着した補強用板材31の外形縁部に沿って
所定の速度で相対移動しながら照射し、肉厚部32の間
隔L1と薄肉部33の間隔L2を所定の間隔で繰り返し
て、連続した破断溝34を形成する。
【0023】前記肉厚部32の肉厚量T1と、薄肉部3
3の肉厚量T2、および幅方向の所定の間隔L1,L2
は、前記内装カバー102の肉厚量Tを2.5mm 〜5mm
とした場合、破断溝35の肉厚部の肉厚量T1が、好ま
しくは前記肉厚量Tの1/3〜2/3の肉厚量とし、好
ましくは0.83mm〜1.66mm、の範囲とし、前記肉厚
部の肉厚量T1をさらに除去した薄肉部の肉厚量T2
は、好ましくは0.1mm〜0.6mmとし、さらに、幅方向
に対するそれぞれの間隔は、肉厚部間隔L1が0.7mm
〜2.0mm、薄肉部の間隔L2が10mm〜20mmとし
て、このパターンを繰り返して連続形成されるように、
相対移動速度とレーザ発生手段からのレーザ発生パター
ンに応じて形成されることで、破断開放部30は、表面
側には破断し易く、裏面側には、破断しにくい構成とな
る。また、前記レーザ12Aによる照射は、例えば、図
6に示すように、一定の薄肉部間隔L2(10mm)を深
く、肉厚部の小間隔L1(0.7mm)を浅くなるように破
断溝34を連続して形成した後、これを繰り返し形成す
るパターンとする。
【0024】このようなパターンの破断溝34を内装カ
バー102に補強用板材31の外形縁部の全周囲に沿っ
て形成することにより、破断溝34で囲まれた領域がエ
アーバッグ27の膨張展開時に破断溝34に沿い破断さ
れて開口する破断開放部30となる。
【0025】ところで、内装カバー102に破断開放部
30分離用の薄肉部33をレーザ加工により形成した場
合、破断溝34に肉厚除去空間部35が形成されるが、
この空間部35に、図9に示すように、破断性の大きな
硬質ウレタンまたは発泡ウレタンのような発泡樹脂36
を装填して硬化させ、破断溝34を補強するようにする
ことも可能である。また、前記実施形態では、破断溝3
4をレーザー加工で行うようにしたが、これに限定され
ることなく内装パネル成形時に金型によって、前記肉圧
厚部及び薄肉部の形状を備えた破断溝34を一体成形で
形成することも勿論可能である。
【0026】以上のように構成された前記実施形態によ
れば、自動車などの車両が衝突した際には、その衝突時
の衝撃力をセンサで検出し、このセンサで検出した衝撃
力が予め定めた値以上になった否かをCPU等からなる
制御装置で判定し、設定値以上と判定された時に制御装
置から出力される信号によりインフレータを動作させて
所定のガスを発生させ、このガスをエアーバッグ27に
供給することにより、エアーバッグ27を急速に膨張展
開させる。
【0027】そして、エアーバッグ27が膨張展開する
ことにより、その圧力で内装カバー102の破断開放部
30が内側から押圧されると、破断開放部30が外方に
拡がる方向に破断溝34に沿って容易に破断されて内装
カバー102から分離されるとともに、この分離された
破断開放部30は補強用板材31のヒンジ部311を支
点にして内装カバー102の外方へ開かれる。これと同
時に、エアーバッグ27は開かれた破断開放部30から
内装カバー102の外方へ膨張展開され、この膨張展開
されたエアーバッグ27の緩衝作用で助手席の乗員の胸
部や頭部を支えることにより、乗員を車両衝突時の衝撃
力から保護して、その安全性を確保することができる。
【0028】また、図8に示すように、破断開放部30
の破断溝35を、前記内装カバー102の裏面側102
bから表側面102aに向けて外方に拡がる所定の傾斜
角度(10〜80度)で形成した場合には、破断面が鈍
角となり、シャープなエッジが形成されることなく、安
全性が向上すると共に、エアーバッグ装置の不使用時
に、誤って破断開放部30を裏面側に押し付けるような
負荷が掛かった場合にも、簡単に破断開放部30の脆弱
部分である破断溝34が破損することがない。
【0029】この図8において、内装カバー102に、
上記実施の形態で述べた場合と同様な方式で、レーザ発
生手段から発生するレーザを内装カバー102の裏面側
から、その裏面に固着した補強用板材51の外形縁部に
沿って所定の速度及び所定の照射角度(θ)、すなわ
ち、前記内装カバー102の裏面側に形成される破断溝
34の溝始端部102cの中心と前記内装カバー102
の表面側の接線とを結ぶ法線αに対し10〜80度(好
ましくは30〜60度)外方に拡がる方向に所定の傾斜
角度で相対移動しながら照射することにより、内装カバ
ー102の裏面部に、図6に示すようなパターンにより
破断溝34を形成し、エアーバッグの膨張展開時に破断
されて開口する破断開放部30用の破断溝34を形成す
る。
【0030】また、図9に示すように、内装カバー10
2の破断溝35の肉厚除去空間部35に、破断性の大き
な硬質ウレタンまたは発泡ウレタンのような発泡樹脂3
6を装填して硬化させることで、破断溝34を補強する
と共に、車内が高温になっても内装カバー102の破断
開放部30にヒケが生じたり、破断溝34に沿って、変
形したりすることがなく、内装カバーの意匠性を向上で
きる。
【0031】上述した実施の形態では、内装カバー10
2を単板状のものを用いた内装カバーについて説明した
が、これに限定されることなく単板表面にこれを覆うよ
うに表皮層,クッション層を配設した積層状の内装カバ
ーであっても同様の効果が期待できる。
【0032】本発明の実施形態ではエアーバッグ装置を
助手席に設けたものについて説明したが、これに限定さ
れることなく、ハンドル中央部,車両の左右側柱部に配
設したエアーバッグ装置についても適用できることは勿
論であり、同様の効果が期待できる。
【0033】さらにまた、本発明によれば、特に内装カ
バーが単板状のものであっても、破断溝に沿った部分の
内装カバーの表面に、印刷により凹凸模様を施すように
してもよく、破断開放部用のレーザ加工による破断溝の
近辺に現れる不規則な凹凸状のヒケ発生部分を極力目立
たせないようにすることができ、意匠効果を向上させる
ことができる。
【0034】
【発明の効果】上記のように本発明の自動車用エアーバ
ッグ装置によれば、エアーバッグケースの開口部と相対
向する前記カバーの裏面位置に脆弱部分を形成した破断
開放部を有する自動車用エアーバッグ装置において、前
記破断開放部は、前記エアーバッグケースの開口部と相
対する裏面に、前記開口部に対応する破断溝を連続形成
すると共に、該破断溝は肉厚を所定の間隔で肉厚部と薄
肉部とで形成された構成とすることで、前記破断開放部
の輪郭に沿った破断溝の連続部分は、表面側から全く隠
れ、意匠効果に優れると共に、前記内装カバーの破断開
放部に誤って手をついて裏面側に押圧負荷を掛けた場合
にも、簡単に破断開放部が破壊されてしまう恐れがな
い。
【0035】また、エアーバッグ膨張展開時において
は、破断開放部の周囲破断面がぎざぎざになったり、開
口断面にシャープなエッジができることがなく安全性が
向上できる。さらにまた、破断溝に形成される空間部
に、発泡樹脂37を装填して硬化させ、破断溝35を補
強した場合には、脆弱化部分を形成した破断開放部は、
空洞を消去するから、車内が高温になっても内装カバー
の表面にヒケが生じたりするのを防止でき、インストル
メントパネル等の内装カバーの意匠性を向上できるとい
う効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、従来の助手席用エアーバッグ装置の
単板状のインストルメントパネルカバー(内装カバー)
にエアーバッグ膨張展開用の破断開放部を形成した場合
の部分拡大説明図、(b)は図1(a)のA−A線に沿
う概略断面図。
【図2】本発明にかかる自動車用エアーバッグ装置にお
ける助手席用エアーバッグ装置に適用したインストルメ
ントパネルの分解斜視図。
【図3】本発明の実施の形態における助手席用エアーバ
ッグ装置の縦断側面図。
【図4】本発明の実施の形態における助手席用エアーバ
ッグ装置の破断開放部補強用板材および支持部材を拡大
して示す斜視図。
【図5】図2のB−B線に沿う一部の拡大断面図。
【図6】本発明の実施の形態におけるレーザ発生手段か
ら発生するパルス状のレーザを内装カバーに照射して破
断開放部用の破断溝を形成した過程を示す説明用の拡大
断面図。
【図7】図2のC−C線に沿う一部の拡大断面図。
【図8】本発明の実施の形態における内装カバーの破断
溝の変形例を示す図7相当図。
【図9】本発明の実施の形態における内装カバーの破断
溝の変形例を示す図5相当図。
【符号の説明】
10 インストルメントパネル 101 インストルメントパネルコアー 102 内装カバー(インストルメントパネルカバ
ー) 20 エアーバッグケース 201 開口部 27 エアーバッグ 30 破断開放部 31 補強用板材 32 肉厚部 33 薄肉部 34 破断溝 35 空間部 36 発泡樹脂

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両内装カバーによって被覆されたフロ
    ント部、ハンドル中央部及び側柱部の少なくとも1個所
    に配設された、インフレータからのガスにより膨張展開
    されるエアーバッグを折り畳んだ状態で収容すると共に
    前記内装カバーの裏面と対向する個所に開口部を有する
    エアーバッグケースを備え、前記エアーバッグケースの
    開口部と相対向する前記カバーの裏面位置に脆弱部分を
    形成した破断開放部を有する自動車用エアーバッグ装置
    において、前記破断開放部は、前記エアーバッグケース
    の開口部と相対する裏面に、前記開口部に対応する破断
    溝を連続形成すると共に、該破断溝は肉厚を所定の間隔
    で肉厚部と薄肉部とで形成されることを特徴とする自動
    車用エアーバッグ装置。
  2. 【請求項2】 前記破断開放部に形成される破断溝は、
    前記内装カバー材質の全体厚さの肉厚量の1/3〜2/
    3の肉厚量を削除した肉厚部を連続して形成すると共
    に、該肉厚部の肉厚量をさらに一定量削除することで肉
    厚部と薄肉部との長手方向の間隔を0.7/10 〜1/
    10の間隔となるように離間させて連続形成されたもの
    であることを特徴とする請求項1記載の自動車用エアー
    バッグ装置。
  3. 【請求項3】 前記内装カバーの材質の全体厚さ2.5mm
    〜5mmに対し、前記薄肉部の肉厚量を0.1mm 〜0.6
    mmとし、且つ、肉厚部の肉厚量を0.83mm〜1.66mm
    としたことを特徴とする請求項1項または請求項2に
    記載の自動車用エアーバッグ装置。
  4. 【請求項4】前記破断溝は、前記内装カバーの裏面側よ
    りレーザ発生手段から発生するパルス状のレーザを前記
    破断開放部の輪郭に沿い相対移動させながら照射して前
    記内装カバーの裏面に肉厚部と薄肉部とを所定間隔で形
    成することにより構成されることを特徴とする請求項1
    〜請求項3のいずれかに記載の自動車用エアーバッグ装
    置。
  5. 【請求項5】 前記破断溝は、前記内装カバー成形時に
    金型の一体成形により前記内装カバーの裏面に肉厚部と
    薄肉部とを所定間隔で型形成したことを特徴とする請求
    項1〜請求項3のいずれかに記載の自動車用エアーバッ
    グ装置。
  6. 【請求項6】 前記内装カバーの裏面側に形成された前
    記破断溝は、肉厚部と薄肉部とが形成された肉厚除去空
    間部に、破断性が大きな発泡樹脂を装填したことを特徴
    とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の自動車用
    エアーバッグ装置。
  7. 【請求項7】 前記破断溝は、前記内装カバーの裏面側
    より表面側に向けて拡角に傾斜して形成されたものであ
    ることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記
    載の自動車用エアーバッグ装置。
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CN100457513C (zh) * 2006-03-03 2009-02-04 丰田合成株式会社 气囊盖

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