JP2001043825A - イオン注入装置およびイオン注入方法 - Google Patents

イオン注入装置およびイオン注入方法

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JP2001043825A JP2000158584A JP2000158584A JP2001043825A JP 2001043825 A JP2001043825 A JP 2001043825A JP 2000158584 A JP2000158584 A JP 2000158584A JP 2000158584 A JP2000158584 A JP 2000158584A JP 2001043825 A JP2001043825 A JP 2001043825A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高エネルギービームを発生するとともに、低
エネルギーで良好なビーム電流で作動し得る少なくとも
1つの高周波加速器ステージを用いるイオン注入装置を
提供する。 【解決手段】 イオン注入装置は、2つの三間隙高周波
加速器ステージを用いて質量選択後注入エネルギーをブ
ーストする。加速器ステージの電極はスリット状のアパ
ーチャを有し、加速器がドリフトモードの時に高ビーム
電流を収容する。加速器のパラメータを特に選択するこ
とにより、加速器ステージの入口範囲が印加高周波電圧
の略位相角に渡っていても、加速器は各々エネルギー拡
散が比較的小さい加速イオンを発生する。結果としての
加速器は柔軟であり、良好なビーム力学で広範な出力エ
ネルギー変化を可能とする。第1三間隙ステージからイ
オン束が生じ、イオン速度を調節することによって正確
な飛行時間を有し加速用第2ステージに到達する一方、
二ステージの電界の高周波位相は一定値に固定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はイオン注入装置およ
びイオン注入方法に関する。
【0002】
【従来の技術】イオン注入装置は長年にわたって半導体
ウェーハ処理に使用されてきた。一般に所要種のイオン
ビームが生成され、ウェーハその他の半導体基板に送出
されて、イオンはウェーハの表面下に注入されることに
なる。通常注入技術を用いてウェーハ中に所要ドーパン
トのイオンを注入することによって、導電状態の変化し
た半導体ウェーハ内領域が生成される。このために用い
られる代表的なイオン種はホウ素、燐、ヒ素、アンチモ
ンである。しかし例えば酸素等他のイオン種も他の目的
で用いられる。
【0003】注入イオンがウェーハ表面に浸透する深さ
はイオンビーム中のイオンのエネルギーに大きく左右さ
れる。半導体産業は例えば部品サイズの小さい微細構造
には極めて浅い注入を求める一方、例えば埋設層には比
較的深い注入を求めている。また半導体処理産業の全般
的要請として、処理時間の可能な限りの短縮があるが、
これは半導体ウェーハに単位面積、単位時間毎に注入す
るイオン量の可能な限りの増大を意味する。これが意味
するのは、イオン注入が、単位時間毎にウェーハ表面に
到達するビーム中の所要イオン数の基準である、高ビー
ム電流で実施されることである。
【0004】(一重荷電イオンの場合)約200keV
までのビームエネルギーは静電加速装置を用いて極めて
容易に得ることができるが、該装置においてイオン源は
注入されるウェーハに対して一定電圧に保たれ、該一定
電圧は注入時ビーム中のイオンのエネルギーを規定す
る。
【0005】すでに周知のように高周波線形加速器は高
ビームエネルギーの達成に有用である。
【0006】線形加速器構造は所定注入エネルギーで加
速器に注入される所定質量/電荷比の荷電粒子を加速す
る。高周波線形加速器の固有の特質は、加速器を通過す
る粒子あるいは粒子束が必ず連続加速間隙に印加される
電圧の正弦波形の正確な領域で該間隙に到達するという
ことである。基本的に各粒子(あるいは粒子束)は加速
空洞を横断するので、所定時間に間隙の電界によって決
まる所定エネルギー量(速度増)を受取る。加速器が特
定の質量/電荷比および注入エネルギーの粒子にセット
アップされている場合、第1間隙によって加速された粒
子は次の加速間隙に、まさに該間隙の電界が更なる加速
を行うのに最適であるように到達する。エネルギーは同
一だが第1間隙を横断する質量対電荷比が高い粒子は低
速で第1間隙から移動し、従って次の間隙に印加される
高周波波形で晩期に該間隙に到達する傾向がある。同様
に、第1間隙を横断する軽量粒子は第2間隙に早期に到
達する。この過剰な加速間隙の累積効果によって、加速
器がセットアップされている質量対電荷比と異なる質量
対電荷比の粒子は、以後の加速間隙に粒子が適切に加速
されない時間に到達する。
【0007】線形加速器技術において周知のように、イ
オン種の異なる高エネルギービームを発生させるため、
加速器のセットアップは選択イオンの質量対電荷比を整
合させる変更を必要とする。注入に有用なイオンの中で
一重荷電ホウ素(B+)は約11の質量/電荷比を有し、
一重荷電燐(P+)は約31の質量/電荷比を有する。
一重荷電ヒ素は約75の質量対電荷比を、一重荷電アン
チモンは約122の質量対電荷比を有する。
【0008】イオン注入における高周波線形加速器の使
用は少なくとも1976年以来提案されており、「単一
ステージ加速器のアップグレード」(ベッジ他、461
〜468ページ)、小型加速器の科学的工業的応用に関
する第4回会議議事録(1979年10月27〜29
日、ノーステキサス州立大学)、および「ハイデルベル
クMPタンデム加速器における重量イオンの加速後」
(1976年5月ハイデルベルク、マックス・プランク
研究所核物理学J.P.ヴュルム編集)がある。米国特
許第4667111号は2meV以上の極限ビームエネ
ルギーを供給する高周波線形加速器を組み込んだイオン
注入装置を開示している。高周波線形加速器は一連のい
わゆる二間隙加速空洞から形成される。加速器をセット
アップするには、加速器の連続空洞内に高周波電界の周
波数を同一に保った状態で、ある二間隙空洞の波形の位
相を先の二間隙空洞に対し調節し、その波形の正確な点
を到来する選択種イオンに与えるようにする。結果とし
ての二間隙手段は達成性能に対し極めて長大となる傾向
がある。上記公報は連続した10以上の二間隙空洞の使
用を意図しているとともに比較的低いビーム電流に制限
される。低ビーム電流は高エネルギーでは申し分ない
が、装置を比較的低いエネルギーで作動する時は処理速
度向上のため高ビーム電流が望ましい。
【0009】特開平9−237700は1つ以上の三間
隙高周波加速器空洞を形成した高周波加速器を用いるイ
オン注入装置を開示している。 これに関連して線形加
速器技術では、例えば上記米国特許で用いられている二
間隙加速器空洞は一定の、通常接地電位の入口、出口電
極と、高周波が印加される単一中間電極とを有し、これ
によって高周波電極の対向する側に一対の加速間隙を形
成する。周知のように三間隙空洞は一定の、通常接地電
位の入口、出口電極と、3つの間隙を画成する一対の中
間電極とを有する。中間電極は逆極性の高周波によって
励起される。従って励起高周波電圧の振幅がVである場
合、空洞の最初と最後の間隙の最大加速電位はVであ
り、2つの中間電極間の最大加速電位は2Vである。
【0010】上記特開平9−237700によれば、三
間隙高周波加速器空洞への注入エネルギーは比較的高い
と思われる。上記公報は通常の分析マグネットの下流で
はなく三間隙空洞の上流に何らかの形のビーム加速器を
意図しており、該加速器はイオン源から放出されたイオ
ンから注入に必要な特定種のイオンを分離する。米国特
許第5801488号は上記特開平9−237700と
同一譲受人に譲渡されているが、三間隙線形加速器ステ
ージの上流に具備された高周波磁気的4重極加速器を開
示している。
【0011】同一装置の特徴を開示する特開平7−57
897、特開平7−57898や論文「高エネルギーイ
オン注入装置用高周波・三間隙高周波加速器を用いるビ
ーム線の開発」(藤沢他、1998年6月24日京都I
ITにて発表)もあげることができる。
【0012】全般的に上記日本国引例の開示する注入手
段は極めて大型で製造コストが高いと思われる。さら
に、比較的低いエネルギーで作動する時、ビーム電流は
極めて小さい。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高エ
ネルギービームを発生するとともに低エネルギーで良好
なビーム電流で作動し得る少なくとも1つの高周波加速
器ステージを用いるイオン注入装置を提供することであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】従って一態様によれば、
本発明はイオン注入装置において、第1エネルギーにあ
る注入イオンのビームを発生するイオンビーム発生器
と、励起時に前記ビームのイオンを第2エネルギーに加
速するよう設けられた高周波線形加速器アセンブリと、
を備え、前記アセンブリは前記ビームのイオンのエネル
ギーを変化させる一連の間隙を画成する複数の電極を備
え、前記電極はイオンが通過する複数のアパーチャを有
し、加速器アセンブリの間隙を画成する電極のアパーチ
ャはそれぞれビーム方向と交差する第1直交方向の第1
寸法とビーム方向と交差する第2直交方向の第2寸法と
を有し、第1間隙を画成する少なくとも第1電極のアパ
ーチャの第1寸法は前記第1電極アパーチャの第2寸法
より小さい、イオン注入装置を提供する。この第1電極
のアパーチャはスリット状であってよい。このような電
極アパーチャ形状では、小さい第1寸法はアパーチャへ
の電界浸透を制限するのに効果的である。これは電極ア
パーチャの電位を確保するのに重要であり、ビームの中
心軸位置においても電極の電位とほとんど同一である。
さもないと過剰な電界浸透によって、低い高周波電圧を
必要とする電極をビーム方向に長くしなければならなく
なる場合がある。また、電界浸透の減少は加速器の間隙
のいわゆる「走行時間係数」を大きくすることによって
効率を向上し得る。一方大きい第2寸法は、第2寸法よ
りはるかに小さい前記第2直交方向幅を有するビーム中
の電極アパーチャを通過するイオンに関し、前記第2直
交方向の電界の合焦作用を低減し得る。
【0015】ビーム方向でアセンブリの第1電極から離
隔した第2電極も、第1寸法が第2寸法より小さいアパ
ーチャを有してよい。アセンブリの少なくとも第1空洞
の全電極がこのように形成されるのが好ましい。
【0016】この構成は特にビーム合焦用の磁気的4重
極と組み合わせると、加速ビームイオンを励起する時ば
かりでなくドリフトモードで作動する時も、加速器アセ
ンブリを貫通すビーム電流を高めることができる。こう
した状況において「ドリフトモード」は、高周波電圧が
高周波加速器アセンブリの電極のいずれにも印加されな
い状態でイオン注入装置を作動することを示し、イオン
は「第1エネルギー」あるいは注入エネルギーで、ある
いは減速装置が具備されている場合それより低いエネル
ギーでも高周波加速器に注入される。
【0017】線形加速器アセンブリの全長を最小限とす
るために、該アセンブリは少なくとも1つの三間隙線形
加速器ステージから形成されるのが好ましい。3つの間
隙空洞から形成される線形加速器は、2つの間隙空洞か
ら形成される同等加速器によって得られると同じエネル
ギー増分を行うため全体的に短縮可能である。
【0018】また本発明は、イオン注入装置において、
所定の質量/電荷比を有すると共に注入エネルギーEで
ある注入イオンビームを発生するイオンビーム発生器
と、前記イオンビームが前記注入エネルギーで送出され
る対象とされ、励起時に前記ビームのイオンを第2エネ
ルギーに加速するよう設けられ、一定電位に保持された
入口電極と一定電位に保持された出口電極とを備える三
間隙線形加速器ステージと、前記入口、出口電極電極間
に直列配置された第1、第2高周波電極と、逆極性で所
定周波数fの高周波電圧を前記第1、第2電極にそれぞ
れ印加する高周波発生器とを備え、前記入口電極および
第1高周波電極は第1加速間隙を画成し、前記第1、第
2高周波電極は第1間隙の中心点から第1の所定間隔d
の中心点を有する第2加速間隙を画成し、前記第2高
周波電極および出口電極は第2間隙の中心点から第2の
所定間隔dの中心点を有する第3加速間隙を画成する
とともに、前記間隙のいずれかで絶縁破壊が生ずる高周
波エネルギーの最大振幅以下の振幅において、前記ビー
ムの注入イオンが第1間隙の高周波電界が最大減速電界
から最大加速電界に上昇する時第1間隙を横断し、次い
で第2間隙の電界が最大加速電界時に第2間隙を横断
し、第3間隙の電界が最大加速電界から最大減速電界に
下降する時第3間隙を横断するよう注入エネルギーEと
周波数fと間隙間隔d、dとが選択されるよう構成
されたイオン注入装置を提供する。
【0019】線形加速器作動の標準的な方法によれば、
加速器の長手方向に通過するイオン束が、最大加速を発
生する各加速間隙の高周波電界のピーク時あるいは直前
に該間隙に到達するよう、加速器を駆動・構成する必要
がある。ピーク直前に到達させることによって、時間的
に相違して到達する束中のイオンによってなされる電界
強度の変化は束中の晩期に到達するイオンの加速を大き
くし、束中の早期に到達するイオンの加速を小さくする
傾向がある。従ってイオンが加速器を通過する時、束に
なる傾向が維持される。
【0020】しかしすでに周知のように、三間隙加速器
ステージの作動には際立った利点があり、第1間隙の最
大加速電界点以前の第1間隙に到達するイオンは最大加
速電界で第2間隙に到達し、最大加速電界点以後の第3
間隙を横断することになる。このように加速器ステージ
をセットアップすることで加速器に注入されるビームか
らのイオンの受入れが最大となる。第1間隙を横断する
イオンに生じたエネルギー拡散は、イオンが第3間隙を
横断する時再びなくなる傾向がある。この結果、加速器
ステージは、該加速ステージを離れるイオンのエネルギ
ーの所望パーセンテージ拡散を得るために、大きな高周
波位相角拡散にわたって第1間隙を横断するイオンを受
入れることができる。第1間隙で生じるエネルギー拡散
が第3間隙に到達する時間によってイオンの位相拡散を
低減させるのに効果的である場合、第3間隙はエネルギ
ー拡散をそれほど効果的になくさなくともよい。しかし
このようなイオンはまた第2間隙を横断する時位相拡散
が小さいので、第2間隙で生ずるエネルギー拡散は低減
される。全体的な効果は加速器ステージを離れるイオン
の全体的パーセンテージエネルギー拡散の低減とほぼ同
等である。
【0021】また重要なのは、このような装置は加速ス
テージを様々な高周波電圧振幅で使用可能とすることで
ある。高周波振幅を最大値から減少させることは、加速
ステージを通過するビームイオンに付与されるエネルギ
ー増分を減少させる効果がある。重要なのは、加速器ス
テージを上記のように作動するよう構成することによっ
て、加速器ステージを通過し目標エネルギーに加速され
る注入イオンの比率が、広範囲の印加高周波電圧にわた
って維持されることである。これは加速器ステージを、
注入イオンビームにエネルギー増分範囲を与える一方、
加速されたビーム中のビーム電流を良好に維持するよう
作動可能とする。
【0022】これはイオン注入にとって特に重要であっ
て、ここではイオンを適切に規定されたエネルギーでタ
ーゲット基板に送出するのが極めて重要なのである。高
周波線形加速器ステージによって加速されたイオンの過
度のエネルギー拡散は、所要目標エネルギーを有するビ
ーム中のイオンが少なくなる結果となり、これによって
ターゲット基板での所要エネルギーの有効ビーム電流が
減少する。
【0023】また本発明は、ターゲット基板へのイオン
注入方法において、第1エネルギーのイオンのビームを
発生するステップと、ビーム方向に沿ってタンデムの少
なくとも第1、第2のブースタステージを有する高周波
加速器アセンブリを用いてビーム中のイオンのエネルギ
ーを第2エネルギーに変化させるステップとを備え、各
ブースタステージは入口、出口電極と、一連の間隙を画
成し前記ビームのイオンのエネルギーを変化させる少な
くとも1つの中間高周波電極とを備え、第1ブースタス
テージの出口電極および第2ブースタステージの入口電
極は両者間に、ビームイオンが高周波電界を受けないブ
ースタステージ間のドリフト距離を画成し、前記ドリフ
ト距離での第1ブースタステージから第2ブースタステ
ージまでのイオン束の速度、従って飛行時間が調節され
る一方、各ステージの電界位相を一定値にそれぞれ固定
するよう構成されたターゲット基板へのイオン注入方法
を提供する。これは線形加速器の第2ステージでイオン
束の到着時間を制御する極めて簡単かつ便利な方法を提
供する。このため高周波加速を用いて、質量対電荷比の
範囲以上のイオン種を高エネルギーイオン注入に有用な
エネルギーまで加速するが、両ブースタステージの位相
を別々に変化させるという複雑化には拠っていない。
【0024】これを達成する一方法は、第1ブースタス
テージの高周波電界の振幅を調節することであり、これ
によって第1ブースタを出る束のエネルギー、すなわち
速度を調節する。
【0025】特に線形加速器のセットアップはドリフト
距離でのイオン速度を変化させることによって第1質量
/電荷比のイオンビームの加速から第2質量/電荷比の
イオンビームの加速へ変化させる一方、第1、第2ブー
スタステージの高周波電界の位相をそれぞれ一定値に固
定状態としてよい。このように、加速器のセットアップ
は容易に変更して質量電荷比の異なるイオンを加速する
ことができる。
【0026】ドリフト距離は入口、出口電極間の第1ブ
ースタステージの長さ以上であるのが好ましい。その場
合第1ブースタステージを出たイオン束の比較的少ない
速度(エネルギー)変化は、第2ブースタステージでの
イオン束の到着時間に実質的な効果を与え得る。
【0027】別の態様によれば、本発明はイオン注入装
置であって、第1エネルギーにある注入イオンのビーム
を発生するイオンビーム発生器と、励起時に前記ビーム
のイオンを第2エネルギーに加速するよう設けられた高
周波線形加速器アセンブリであって、前記アセンブリ
は、ビーム方向に沿ってタンデムの少なくとも第1、第
2の共振空洞を有し、前記空洞は入口、出口電極と、一
連の間隙を画成し前記ビームのイオンのエネルギーを変
化させる複数の電極と、第1周波数の高周波エネルギー
の第1電源を前記第1空洞に供給する高周波電源とを備
え、前記第1空洞は第1周波数で共振しこれにより第1
空洞内の電極間隙間に対応第1高周波加速電界を生成
し、前記第1電界は位相および振幅を有し、前記高周波
電源は前記第1周波数と同一あるいはその高調波である
第2周波数の高周波エネルギーの第2電源を前記第2空
洞に供給し、前記第2空洞は第2周波数で共振しこれに
より第2空洞内の電極間隙間に対応第2高周波加速電界
を生成し、前記第2電界は位相および振幅を有する、励
起時に前記ビームのイオンを第2エネルギーに加速する
よう設けられた高周波線形加速器アセンブリと、第1空
洞内の第1電界の振幅を調節することによって、第1空
洞から第2空洞までのイオン束の飛行時間を調節する一
方、前記第1、第2電界の位相を一定値に固定状態とす
るコントローラとを備える、イオン注入装置を提供す
る。
【0028】次に本発明の好ましい実施例を説明する。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の各態様は、バッチウェー
ハを同時処理する注入装置と単一ウェーハを一つずつ処
理する単一ウェーハ注入装置の両方を含む、異なる多く
の種類のイオン注入装置において使用可能である。図1
は高周波線形加速器アセンブリ10を組み込んだ単一ウ
ェーハ注入装置を示している。図1の簡略化した装置に
おいて、注入装置は所定エネルギーEのイオンビームを
分析マグネット12に送出するイオン源11を備える。
所要速度×質量/電荷(m/e)比のイオンのみが分析
マグネット12の出口の質量選択スリット13を通過
し、なおエネルギーEのビーム14として高周波加速器
アセンブリ10に入る。高周波加速器アセンブリ10を
出たビームは次にビームスキャン装置15に入るが、該
装置はイオンビームをビーム方向と交差する方向16に
往復スキャンするよう設けられている。スキャン装置1
5は静電的なものでも電磁的なものでもよい。電磁スキ
ャン装置は特に高速流ビームの応用において好ましい。
好適な電磁スキャン装置は米国特許第5393984号
に開示されている。スキャンされたビームは次にプロセ
スチャンバ17に入るが、該チャンバ内には半導体基板
18がホルダ19に保持されている。ホルダ19は全体
として20で示される機械的スキャン機構に装着される
が、該機構は、図1において紙面に垂直な方向とスキャ
ンビーム面の幅方向にウェーハを往復運動させるよう作
動可能である。ビームスキャンとウェーハホルダ19の
機械的スキャンの組合せによって、ビームは注入処理中
にウェーハのあらゆる部分をスキャンし得る。処理済み
ウェーハはホルダ19から取り外されてプロセスチャン
バ17から移動され、処理用の新しいウェーハがプロセ
スチャンバ17に導入され、ロードロック21を介し且
つ簡略化のため本図に図示しないロボット操作機構を用
いて1回に1つずつホルダ19に装着される。
【0030】単一ウェーハ注入装置の詳細は米国特許第
5003183号および同第5229615号から、ま
た国際特許出願第WO99/13488号からのプロセ
スチャンバの好ましい形態から決定し得る。注入装置の
イオン源、質量選択マグネット、スキャン・処理機構の
具体的詳細は本発明の態様にさほど重要ではなく、本発
明の態様は、もっぱら上記従来例で開示されたような注
入装置でイオンエネルギーを増大するのに使用可能な高
周波加速器アセンブリの装置に関係する。
【0031】本発明はバッチ注入装置にも適用可能であ
るが、該注入装置は通常もっぱら機械的スキャンに拠っ
てバッチ半導体ウェーハを同時処理する。ウェーハは通
常回転ホイールの周辺部の周りに装着され、該ホイール
は回転してイオンビーム線を横切ってウェーハを1つず
つ移動する。その間ホイールの回転軸は左右に往復運動
して直交方向のスキャンを完了する。
【0032】初めに参照した米国特許第4667111
号はこのようなバッチ型注入装置について記載してい
る。また標準的なバッチ型注入装置の詳細については米
国特許第5389793号を参照するとよい。
【0033】もう一度図1を参照すると、高周波加速器
アセンブリ10は三間隙加速器ステージとして示されて
おり、逆極性の高周波電圧が電源22から2つの中心電
極にそれぞれ印加される。加速器アセンブリの構造・構
成の詳細は以下の説明から明らかになる。
【0034】またバンチャー23は、通常、加速器アセ
ンブリ10の前方に組み込まれ、注入エネルギーのイオ
ン束を加速器に向けて形成・送出して、加速器アセンブ
リによって加速可能な束になっていないビームからのイ
オンの比率を増大させる。このようなバンチャーは公知
であり、ビームイオン中に制御されたエネルギー拡散を
生じ、イオンは加速器アセンブリに入ると物理的に束ね
られることになる。公知のバンチャーは、束ねられたイ
オンの平均エネルギーの全体的増加を招くことなく、束
になっていないビームイオンの最大比率を束にするため
に捕捉するよう構成されている。図1においてバンチャ
ー23は高周波電源24から通電される中心電極を有す
る二間隙装置として示されている。バンチャーの目的お
よび作用は「線形加速器の理論」(A.D.ヴラゾフ
著、第2.5章、1968年イングリッシュトランスレ
ーション刊)に記載されている。
【0035】また高周波加速器アセンブリ10に続い
て、通常ビーム方向に沿って、全体として図1において
25で示されるエネルギーフィルタが設けられる。イオ
ン注入装置において高周波加速器の次にエネルギーフィ
ルタを用いることは周知である。例えば「高周波加速を
用いた高エネルギーイオン注入装置の製作」(グラヴィ
シュ他著、物理学研究における核計測と方法、B21
(1987年)264−269)参照。エネルギーフィル
タは半導体基板に注入される、加速器からのイオンのエ
ネルギー範囲を制限するのに用いられる。
【0036】エネルギーフィルタは静電屈折器あるいは
分析マグネット等の公知の形態をとってもよい。
【0037】図2は、図1のイオン注入装置に高周波加
速器アセンブリ10として組み込み可能な高周波加速器
アセンブリの好ましい実施例を示す。図2において、分
析マグネットからのイオンビームは矢印30の方向の左
側から入り、略軸31の線に沿って加速器を通過する。
【0038】加速器はタンデムの2つの三間隙高周波ブ
ースタ空洞から形成され、全体として32、33で示し
てある。図2は全体として加速器アセンブリの正面図で
あるが、アセンブリの真空チャンバの外壁の一部は破断
されていて、空洞32、33によって示される両加速ス
テージの電極の位置が分かる。
【0039】従って、空洞(あるいはステージ)32は
入口電極35と出口電極36とを有する。入口、出口電
極35、36は各々アセンブリの真空チャンバの壁部に
取付けられ、従って同一の一定電位、通常は接地電位に
保たれる。電極35、36間には第1、第2高周波電極
37、38がある。電極37、38は真空チャンバの壁部
から電気的に絶縁されて取付けられ、両者間の4つの電
極35〜38がビーム方向30に沿って3つの連続間隙
を画成するのが見られる。以下で明らかになるように電
極35〜38は各々軸31上にビームが通過し得るアパ
ーチャを画成する。後述するようにビームは電極間の間
隙を移動するので、ビーム中のイオンは電極37、38
に印加される高周波電圧によって発生される間隙中の高
周波電界によって加速される。
【0040】第2加速器ステージ33は入口、出口電極
40、41と中間高周波電極42、43とを有する類似
構成を有し、両者間にビーム方向30に沿って3つの加
速間隙を画成する。加速器ステージ32の電極37、3
8は各々導体45、46に接続され、該導体はそれぞれ
イオンビームを取り囲むチャンバから共振タンクチャン
バ47に至る。タンクチャンバ47の内部では導体4
5、46がコイルとして形成され接地される。電極3
7、38と、タンクチャンバ47の各コイルと、電極3
7、38を取り囲む真空チャンバの接地金属部品と、同
じく接地されるタンクチャンバ47自体との結合物は共
振タンク回路を形成し、加速器の所望作動周波数、一般
的には10〜50MHzの範囲で共振するよう構成され
ている。本実施例において作動周波数は約20MHzで
ある。
【0041】本実施例においては、共振タンクチャンバ
47の内部は電極37、38を収容する真空チャンバの
内部に開口しているので、タンクチャンバ47の内部も
真空である。
【0042】第2加速器ステージ33の電極42、43
も同じく導体によって同様の共振タンクチャンバ48内
のコイルに接続される。 タンクチャンバ48、電極4
2、43によって形成されたタンク回路も同じく第1共
振空洞32と同様の共振周波数を有して設けられる。
【0043】運転中、高周波電源が関連タンクチャンバ
47、48を有する空洞32、33によって形成される
共振回路に供給されるので、高周波電極37、38、4
2、43は逆極性、共振周波数で通電される。以下で詳
述するように、軸31に沿ったイオンビームからのイオ
ン束は両共振空洞内の電極間の空隙を移動する際加速さ
れ、エネルギーを増加して加速器アセンブリから出てく
る。
【0044】図2も、50、51、52、53でビーム
軸31に沿った磁気的4重極の位置を示す。磁気的4重
極は公知のようにイオンビームの膨張を制御し、ビーム
を所要焦点あるいはウェストに戻すのに用いられる。磁
気的4重極51〜53はビームが高周波加速器を通過す
る時ビームの膨張を制御するのに用いられる。
【0045】図2の高周波加速器アセンブリは、図3
A、3Bの60で示された一体金属ブロックを用いて構
成される。図3Aは図2の上部に対応する上から見た一
体ブロック60を示し、図3Bは図2の正面図に対応す
る側面からの対応図である。ブロック60は基本的に軸
31に対応する長手方向に沿って5つの区間61、6
2、63、64、65に分割される。区間62、64は
基本的に、図3BのC−C線およびF−F線に沿った断
面図である図3E、3Fに示すように、正方形の横断面
を有する。それぞれの場合、区間62、64の前面6
6、67は組立てられた構造において開口し、これらの
面は図2において68、69で部分的に見られる検査ハ
ッチによって閉止される。区間62の下部面はアセンブ
リの関連共振タンクチャンバ47から区間62の内部に
伸長する導体45、46を収容する開口部70を有す
る。区間62の上面は区間62に組立てられる高周波電
極の絶縁取付構造を収容する小開口部71を有する。区
間62の背面はアセンブリ内部を排気する吸出ポートに
接続可能な別の開口部72を有する。
【0046】区間64は、上面が関連タンクチャンバ4
8に連通する開口部73を有するとともに、電極絶縁体
が下面のアパーチャ74内に取付けられる以外、基本的
に同一構成である。
【0047】ブロック60の区間61、63、65は、
図3BのD−D線に沿った断面である図3Gに示すよう
な横断面形を有する。該形状は、図3Gの矢印Eの方向
から見たブロック60の区間65の図である図3Hにも
示してある。
【0048】図3Gにおいて、表面80は区間65に近
接する正方形断面区間64の端壁を備える。従って、区
間62、64は各々軸31に垂直な面で閉止され、区間
62、64と隣接区間61、63、65間の中央円形ア
パーチャのみを残すことになる。これらの円形アパーチ
ャは図3E、3Fでは81、図3Gでは82で示してあ
る。
【0049】各区間61、63、65において、ブロッ
ク60は隣接する正方形断面区間62、64の角部の中
間の軸31に平行な径方向面に伸長するウェブ83、8
4、85、86を有する。ウェブ83、84、85、8
6の内側縁端部は、各対の隣接ウェブが各対の隣接ウェ
ブ間でアパーチャ88を囲繞する封止面87を形成する
よう形作られる。これらのアパーチャ88はブロック6
0に装着された磁気的4重極50、51、52、53の
磁極を収納するのに用いられる。ブロック60に対する
これら磁気的4重極の構成は以下で詳述する。
【0050】区間61は区間65と略同一であり、ブロ
ック周りの4箇所にアパーチャ80に対応する単一アパ
ーチャを具備する。しかし区間63は基本的に区間6
1、65の長さの2倍であり、隣接ウェブ間のブロック
周りの4箇所にそれぞれ、軸31に沿って離隔したアパ
ーチャ88に対応する一対のアパーチャを具備する。
【0051】図4A〜4Dは第1高周波加速器空洞32
の高周波電極37、38の構成を示す。電極37、38
は各々取付ブロック92から伸長する絶縁柱90、91
にそれぞれ装着される。図4AのA−A線に沿った横断
面図である図4Bから分かるように、絶縁柱91は止め
ねじ93によって取付ブロック92に整列・固定される
が、該止めねじは精密ボールをボールと同一直径の円筒
状孔部内を摺動させ、絶縁柱91の小円錐形凹部に押圧
する。電極38は同様の止めねじ94および関連精密ボ
ールによって絶縁柱91の他端部に整列・固定される。
絶縁柱91は通常アルミナから作られる。絶縁柱91の
外側端部95は小鐘状ハウジング96内で封止され、絶
縁柱の端部95と鐘状ハウジング96の内部間に空洞9
7を残す。冷却流体を接合部98,99を介して空洞9
7に送出可能である。これは絶縁柱91の内側端部95
にヒートシンクを具備し、電極38を十分冷却するよう
になっている。
【0052】電極自体は取付柱91の端部を収容するヨ
ーク100を備える。アパーチャ101はヨーク100
を貫通して形成される。図4C、4Dに示すアパーチャ
・プレート102が把持板103によって固定されヨー
ク100の各面を覆っている。アパーチャ・プレート1
02はアパーチャ・オープニング104を有し、該アパ
ーチャ・オープニングはアパーチャ・プレートが電極3
8の対向する面の所定位置にある時電極のヨーク100
のアパーチャ101と整列し、電極のアパーチャ・オー
プニングを画成するのに有効である。把持板103は固
定ねじ105によってヨーク100に固定される。
【0053】アパーチャ・プレート102はグラファイ
トあるいはアルミから形成されてよく、電極のアパーチ
ャを通過するイオンビームによって過度の侵食あるいは
腐食が生じた際、交換可能であるよう構成されている。
【0054】ヨーク100は絶縁柱91を収容するヨー
クの端部に対向する端部内に形成された短孔部106を
含む。この孔部はタンクチャンバ47に伸長して電極3
8に通電する導体46(図2)を収容するために具備さ
れる。孔部106の内部は圧縮可能な円筒状要素を収容
する形状をなし、これによって孔部106収容時、電極
のヨーク100と導体46間で所要高周波での良好なオ
ーム接触が可能となる。
【0055】図4Aから分かるように、電極37は上記
電極38と同一の基本構成を有する。しかし電極37の
長さはビーム方向で電極38より短い。周知のように、
電極の長さは粒子速度が増加するにつれて線形加速器に
沿って増加し、経路長を増大して粒子速度増加に適応す
る傾向がある。
【0056】図4の各電極はブロック60のアパーチャ
71(図3F)を貫通して取付けられ、関連タンクチャ
ンバ47からの導体45,46を電極の孔部106に収
容した状態で図2に示した位置を占める。
【0057】タンクチャンバ47内のコイルの形状およ
び取付に係る以下の説明から明らかになるように、導体
45、46はそれ自体、図2中110で示したタンクチ
ャンバ47の底端部の個所からのみ取付けられる。導体
45、46は電極37、38の孔部106に摺動嵌合す
るよう設けられ、導体45、46の熱膨張が孔部106
の摺動接続で適応可能であって、もっぱら加速器アセン
ブリのブロック60に固定された取付ブロック92から
の絶縁柱90,91によって所定位置に保持されている
電極37,38の位置に応力を加えたり、いずれにせよ
変更したりしないようになっている。
【0058】オーム高周波接触を良好にするために孔部
106に装着された導電スリーブは圧縮可能なルーバ円
筒形条片であり、「マルチラム(Multi-Lam)」という商
品名で知られている。
【0059】図5A、5Bは第2共振空洞33の電極ア
センブリを示す。該アセンブリは図4A、4Bと比較す
ると反対側から図示してあるので、ビームは電極42、
43を図5A中右から左に通過するよう示されている。
また図5Aの電極アセンブリも図2の装置に対して逆に
(上下反対に)示してある。
【0060】その他の点では、図5A、5Bの電極アセ
ンブリは、図4A、4B、4C、4Dに示した電極3
7、38と略同一構成である。電極42、43の支持柱
111と112間の間隔は電極、特に下流の高周波電極
43の付加的な長さに対応するため若干大きくなってい
る。
【0061】図5Aの電極アセンブリは、図3Eのアパ
ーチャ74を介してブロック60内に取付けられ、関連
タンクチャンバ48のコイルからの導体は図4A、4B
の電極アセンブリと同様に電極42、43の孔部113
に収容される。
【0062】第1加速器ステージ32の入口電極35は
図6A、6B、6Cに示してある。電極はねじ116に
よって固定された取付フランジ115によってブロック
60を径方向に伸長するブロックの壁部に取付けられ
る。電極35のアパーチャはライナ117によって画成
されるが、該ライナはねじ119によってフランジに固
定される把持板118を取外すことによって交換可能で
ある。ライナ117はグラファイトあるいはアルミから
作られてもよく、電極を貫通するアパーチャ120を画
成する。
【0063】第1ステージ32の出口アパーチャ36お
よび第2ステージ33の入口、出口アパーチャ40、4
1は同様に構成される。
【0064】図4、5、6にそれぞれ明示するように、
加速器アセンブリの2つのステージ32,33に用いら
れる電極のアパーチャは円形ではない。特に第1ステー
ジ32の入口電極のアパーチャの大寸法(major dimensi
on)は、電極を通るビーム経路と交差する小寸法(minor
dimension)の4倍以上である。高周波電極のアパーチャ
の大寸法はアパーチャの小寸法の約3倍である。
【0065】いずれの場合も、全電極のアパーチャの大
寸法は図2の図面において紙面に垂直に整列される。こ
のように電極は以下でさらに述べるように、分析マグネ
ット12からの所要質量のイオンビームに最適に対応可
能である。一方、アパーチャの小寸法を抑えてできる限
り小さくすることによって、それぞれの電極によって取
り囲まれる領域への電界浸透が低減される。この結果、
加速器アセンブリの全長が最小限に保たれ、加速器の走
行時間係数を最大とすることができる。さらに、高周波
加速器の運転中も、高周波加速器の非励起時での注入装
置の低エネルギー・ドリフトモード運転中も、電極のア
パーチャの全開口面積は比較的大きく維持され、実質的
ビーム電流に適応する。
【0066】図7Aはタンクチャンバ47の横断面図で
あり、図7Bは一方側からの図7Aのタンクチャンバの
対応横断面図である。
【0067】タンクチャンバ47は中央円筒状部130
と対向する2つの半球状閉止部131、132とを備え
る。半球状閉止部131、132は真空シール133、
134によって円筒状部130の両端部に封止される。
これらの真空シールは円筒状部130の両端部の周方向
に伸長し、半球状閉止部131、132がタンク47の
内部の検査・点検に際し取外し可能となっている。
【0068】タンク47の内部では導体45、46がそ
れぞれコイル135、136を形成し、該コイルは基本
的にタンクチャンバ47の円筒状部130の軸と一致す
る軸137と同軸となるよう整列される。コイル13
5、136の対向する端部は、138、139でそれぞ
れの取付点140、141まで下方に伸長する。
【0069】導体45、46およびコイル135、13
6は中空銅パイプから形成される。コイル135、13
6の重量は基本的に接続点140、141からの長さ1
38、139によって支持される。導体45、46の上
端部はタンクチャンバ47の円筒状部130のアパーチ
ャに、また加速器アセンブリのブロック60の対応アパ
ーチャ70に伸長する。前述のように、導体45、46
の端部は電極37、38の孔部106に収容され、これ
らの電極と摺動嵌合を形成する。従ってコイル135、
136の製造許容誤差の変動は、これらの電極の取付台
に応力を加えたり電極の位置的精度に影響したりするこ
となく、関連電極37、38との接続部において吸収可
能である。さらに、135、136の熱膨張は、コイル
を変形させることなく電極との摺動接続部において吸収
可能である。
【0070】第2加速器ステージ33のタンクチャンバ
48は、図7A、7Bに示したタンクチャンバ47と略
同様に構成される。
【0071】前述のように、タンクチャンバのコイル1
35、136は各々取付点140で接地され、他端部が
それぞれの電極37、38に接続される。電極、コイル
と、真空チャンバ及びタンクチャンバの関連導電面間の
キャパシタンスと、コイルのインダクタンスとの組合せ
が、共振タンク回路を提供する。共振タンク回路は加速
器アセンブリの所要高周波の共振周波数を有するととも
に、高振幅高周波電圧が最小のオーム電力損失で電極3
7、38に発生可能であるような極めて高い品質因子を
有するよう構成される。コイル135、136は同一方
向に巻回されるとともに誘導結合されているので、両電
極37、38の高周波電圧は逆極性でタンク回路の最低
共振周波数である。
【0072】高周波エネルギーは結合ループ150(図
7B)によってタンク回路に結合される。この結合ルー
プは図8A、8Bに詳細に示してある。該結合ループは
一端が152で接地され、他端が真空フィードスルー1
53に接続された単一ループの導体151を備える。真
空フィードスルー153によって、真空チャンバの外部
からループ150の端部までの電気的接続が可能とな
る。
【0073】ループは全体としてディスク154に取付
けられ、一方該ディスクは取付板155内に回動するよ
う取付けられる(図8B参照)。角度範囲にわたってデ
ィスク154の回転位置を調節することによって、タン
クチャンバ47およびコイル135、136に対するル
ープ151の角位置の調節を行うことができる。ループ
151の角位置を調節して、タンク回路の高周波エネル
ギーの結合およびインピーダンス整合を十分なものとし
てもよい。
【0074】角度表示装置136が取付板155の外面
に具備されるので、ループ151の角位置を今後の参考
として記録可能である。
【0075】一般に電極37、38に所要高周波電位を
供給するためコイル135、136に生成される高周波
電流のレベルは、コイル135、136および導体4
5,46の残部の実質的加熱を十分引き起こし得る。従
って導体は水冷される。
【0076】図9は、コイル136の固定端139を装
着して示した支持点140の一部を示す。導体46は前
述のように中空銅パイプから作られる。噴射管160
は、導体46を支持点140から導体46の閉止端16
1の間近まで伸長させる。噴射管160は、外側パイプ
163内に内側パイプ162を有する二重壁管から形成
される。内側、外側パイプ162、163間の空間は両
端で封止され、その後コネクタ164に接続された真空
源によって排気される。
【0077】コネクタ165で内管162に導入された
冷却水は、噴射管163を通って、導体の閉止端161
に近接した内管162の末端部166から導体46の内
部に流入する。次に冷却水は噴射管の外部の導体に沿っ
て流下し、コネクタ167を経て導体から排出される。
【0078】噴射管160を二重壁管として形成し、噴
射管の外部163を排気することによって、内部供給管
162は、導体46に流下する戻りの熱吸収した水から
実質的に熱絶縁される。この結果、導体46の遠端の供
給管の末端部166に達する冷却水は戻り水によって実
質的に加熱されない。
【0079】この構成は導体46をその全長にわたっ
て、特に導体46に接続された電極に隣接する末端部
で、良好な冷却を保証するものである。電極自体は比較
的高温になる場合があるので、導体46用冷却装置は、
電極に接続された導体の端部が過大温度に加熱されない
よう確保する。
【0080】同様の噴射管装置がコイル135に具備さ
れる。
【0081】もう一度図7Bを参照すると、ピックアッ
プループ170がタンク チャンバ47の壁部に装着・
具備され、タンクチャンバ47の電界がモニタされ(後
述の)高周波駆動回路のフィードバック制御に使用でき
るようになっている 。このピックアップコイルは図1
0A、10Bの詳細に示してある。該コイルは取付板1
72上の単一ループの導体171を備える。取付板はタ
ンクチャンバ47の壁部のアパーチャ内に封止され、ル
ープ導体171がタンクチャンバに伸長するようになっ
ている。
【0082】ループ171の一端は抵抗173を介して
チャンバ壁に接続され、他端は高周波フィードスルー1
74に接続されて、ループは高周波ケーブルに接続して
フィードバック信号を後述の制御装置に供給可能となっ
ている。
【0083】もう一度図7Bを参照すると、同調コンデ
ンサ180もタンクチャンバ47の壁部に取付けられ
る。図11A、11Bは詳細にこの同調コンデンサを示
す。コンデンサは、回転軸182の端部に横に装着され
たキャパシタンス板181を備える。回転軸182は取
付フランジ183に回動するよう取付けられ、これによ
ってコンデンサはタンクチャンバ47の壁部のアパーチ
ャに伸長して取付け可能である。ステッパモータ184
は取付フランジ183の外部に取付けられ、歯車装置1
86、187を介して回転軸182の外端部185を駆
動するよう結合される。軸182は回転真空シールを貫
通し、タンクチャンバ47への大気侵入なしにステッパ
モータ184によって回転可能である。
【0084】ステッパモータ184による軸182の回
転はコンデンサ板181の近傍をタンクチャンバ47内
のコイル135、136に合わせ、これによって共振タ
ンク回路の共振周波数を調節する。実際には、同調コン
デンサ180は後述の制御装置によってサーボ制御さ
れ、タンク回路の共振周波数を結合ループ150を介し
てタンク回路を励起する高周波信号の周波数に維持す
る。タンク回路の共振周波数を正確に所要周波数に保持
して効率を最大にすることが重要である。
【0085】図2の磁気的4重極50、51、52、5
3の一つを、ビーム軸に沿った4重極の断面図である図
12に詳細に示してある。図12を一体取付ブロック6
0の一部の図3Gに示した断面図と比較すると、取付ブ
ロックのウェブ83、84、85、86は図12に明示
されている。磁気的4重極は4つの磁極190、19
1、192、193から形成されるが、これらの磁極は
アパーチャ82によって画成された一体ブロック60の
開口領域に貫通して設けられる(図3E、3F)。 各
磁極190〜192は、一体ブロック60のウェブ83
〜86間の取付面87によって画成されたアパーチャ8
8の一つにそれぞれ取付けられる。
【0086】図12に明示したように、各磁極はそれぞ
れの支持面87に封止されるとともにボルト195によ
って所定位置に固定されたフランジ194を有する。従
って、磁極190〜193はフランジ194と封止面8
7間に真空シールを形成するアパーチャ188を効果的
に閉止する。この結果、磁極190〜193は加速器ア
センブリの真空チャンバ内に効果的に配置され、極面は
ビーム軸に必要なだけ近接配置されて磁界強度を最大と
するとともに漂遊磁界を最小とすることができる。
【0087】磁気コア196は各磁極190〜193の
外面に固定され、各コア196はそれぞれの巻線197
によって巻回される。これらの巻線は水冷管状導電要素
である場合がある。
【0088】次に各対の磁極は分流ヨーク198、19
9によって互いに接続される。この実施例においては、
一方の分流ヨーク198が磁極190、193のコア1
96を接続し、他方の分流ヨーク199が磁極191、
192のコアを接続する。図12に示すように加速器ア
センブリを形成する一体ブロックの対向する側面にのみ
分流ヨーク198、199を具備することによって、分
流ヨークは200で輪郭を示した隣接加速空洞のタンク
チャンバに干渉することがない。これによってよりコン
パクトな構成が可能となる。
【0089】重要な点は、上記磁気的4重極構造によっ
て磁極自体を加速器アセンブリの真空チャンバ内に効果
的に配置することができる一方、各磁極の磁界巻線は引
き続き大気中の真空チャンバの外側にあることである。
これは発生磁界の効率を最大化し、巻線冷却を容易にす
るとともに保守時の接近し易さを向上するのに極めて望
ましい。極片自体は一体ブロック60によって形成され
た真空チャンバのアパーチャの閉止材として有効に用い
られる。
【0090】ここで図13を参照すると、これは高周波
加速器アセンブリの概略図である。図示したアセンブリ
はそれぞれタンデムに設けられ、注入イオンのビーム2
52のエネルギーを変化させる第1、第2高周波加速器
空洞あるいはステージ250、251を備える。ビーム
252はエネルギーE(keV)で第1高周波加速器空
洞250に注入される。
【0091】各空洞250、251は、接地された入
口、出口電極253、254および255、256と一
対の中間高周波電極257、258および259、26
0とをそれぞれ有する三間隙空洞である。第1空洞 2
50の電極は入口電極253と第1高周波電極257間
に第1間隙261を、2つの高周波電極257、258
間に第2間隙262を、第2高周波電極258と出口電
極254間に第3間隙263を画成する。空洞251は
同様の間隙264、265、266を有する。
【0092】第1空洞250の高周波電極257、25
8は、コイル268、269に接続され、第2空洞25
1の高周波電極259、260は、コイル270、27
1に接続される。電極およびコイルを組み込んだ各空洞
250、251は、高周波加速器の所望作動周波数であ
る所定値fあるいはその前後の共振周波数を有するよう
構成された共振タンクを具備する。空洞250、251
の共振は調節可能同調コンデンサ272、273によっ
て所望作動周波数fに整合するよう微整調可能である。
高周波エネルギーは結合ループ274、275を介して
それぞれの空洞250、251に結合される。それぞれ
の空洞内のピックアップループ276、277は回線2
78、279に出力して、空洞の高周波電圧の振幅およ
び位相を表すフィードバック信号を供給する。
【0093】一対の磁気的4重極レンズ280、281
は、空洞250、251間に順に配置される。
【0094】高周波増幅器282は、高周波発生器28
4からの回線283の高周波駆動信号を増幅し、増幅さ
れた高周波信号を供給して第1高周波空洞250内の結
合ループ274を励起する。同様に、第2高周波増幅器
285は、第2高周波発生器287からの回線286の
高周波駆動信号を増幅し、増幅された高周波信号を第2
高周波空洞251の結合ループ275に供給する。
【0095】高周波発生器284、287は各々フィー
ドバック制御装置を含む。フィードバック制御装置は、
回線278あるいは279のフィードバック信号を振幅
要求信号および位相が固定される一定基準位相値と比較
するのに有効である。高周波発生器・フィードバック制
御装置284の振幅要求値・一定位相値信号は、回線2
91、293にそれぞれ供給され、高周波発生器・フィ
ードバック制御287の振幅要求・一定位相値信号は、
回線292、294にそれぞれ供給される。
【0096】各空洞の高周波電界の位相がドリフトしな
いことは、全高周波線形加速器の重要な特徴である。位
相ドリフトは、規定・プリセットされた加速を受けてい
ない加速器を通過する荷電粒子の束をもたらす場合があ
る。
【0097】本発明の実施例の一特徴は、高周波発生器
284、287におけるフィードバック制御によって空
洞内で実測された高周波電界の位相が、一定基準位相値
に近く維持されることである。
【0098】このため、回線293、294の一定位相
値信号は一定位相プリセットユニット295から出力さ
れるが、該ユニットは自動的あるいはオペレータの介入
によっては調節不可能な一定信号を発生する。好ましい
実施例においては、それぞれのステージの一定位相値信
号間の相違は0あるいは180°である。
【0099】高周波発生器284、287は各々通常周
波数合成装置であり、発生器284、287および一定
位相プリセットユニット295は、マスタクロック29
6からのクロックパルスによってすべて同期される。
【0100】共振タンク回路250、251が具備さ
れ、所要高周波電位が空洞内の高周波電極に最小のオー
ム損失で印加されるようになっている。従って、タンク
回路の共振が正確に高周波駆動の一定周波数であること
が極めて重要である。タンク回路共振が駆動周波数fか
ら偏移すると、高周波駆動の振幅を空洞の電極に印加さ
れる高周波電圧と同じだけ増加しなければならない。ま
たフィードバック制御がない状態で空洞共振が周波数f
からドリフトすると、電極の高周波電圧の位相が変化す
る。小さい空洞共振の偏移の場合、それぞれの高周波発
生器のフィードバック制御によって回線283の高周波
駆動の振幅および位相を変化させて補償を行い、回線2
91の要求値で回線278のフィードバック信号によっ
て表された振幅、および回線293の一定値信号によっ
て要求されたフィードバック信号定数の位相を維持する
ことができる。同様に高周波発生器・フィードバック制
御装置287は空洞251の正確な振幅および一定位相
を維持するよう作動する。
【0101】しかし、やはり空洞共振を駆動周波数fに
とどめるようにするのが望ましい。このため、発生器2
84、287のフィードバック制御も制御信号を回線2
97、298にそれぞれ与えることによって空洞の可変
キャパシタンス272、273を調節する。実際には、
発生器284のフィードバック制御は空洞250の可変
コンデンサ272を調節して、回線278のフィードバ
ック位相と回線293の一定位相信号間の増幅エラー信
号をできる限り小さくできる。
【0102】上で述べるとともに図11A、11Bに示
したように、可変コンデンサ272は機械的装置である
ので、可変コンデンサ272の応答時間は比較的遅い。
従って高周波駆動信号の電子的フィードバック制御が必
要とされ、空洞の機械的振動によって起こる場合のある
フィードバック信号の急速な変化に対応して、空洞内の
正確な振幅および一定位相を維持する。一方キャパシタ
ンス272は調節されて、例えば熱膨張による遅い空洞
共振の変化を補償する。
【0103】注入処理は全体としてマイクロプロセッサ
を用いた注入コントローラ290によって制御される。
注入コントローラは注入装置の多くの作動パラメータを
制御可能であるが、本発明を例示するため、コントロー
ラ290は、高周波発生器・フィードバック制御ユニッ
ト284、287の回線291、291の振幅要求信号
のみを発生するよう示してある。注入コントローラ29
0は、特に質量/電荷比 (m/e)の異なるイオンを注
入する注入装置をセットアップするオペレータ要件を含
む、様々なオペレータ入力制御に応じて、要求振幅値を
変化させることができる。この制御は図13に入力回線
299によって示してある。
【0104】図13において、第1空洞250の出口電
極254と第2空洞251の入口電極255間には矢印
300で示した飛行経路距離がある。前述のように複合
空洞線形加速器の構成において公知の要件によれば、第
1空洞によって加速されるイオン束は第2空洞の第1間
隙に到達するが、その時第1間隙の高周波電圧が適切な
値にあってイオン束に所要加速を与えるようにしてい
る。また上述のように、別様の線形加速器のセットアッ
プが質量対電荷比の異なるイオン使用時には必要である
が、同一エネルギーであれ第1空洞から放出されるイオ
ンの速度は質量対電荷比によって別様に決定されるから
である。この結果、距離300に沿った飛行時間はイオ
ンの質量対電荷比によって決定される。
【0105】本発明の一実施例においては、異なるイオ
ンの質量対電荷比の相違によるこの飛行時間変動は、両
空洞250、251間の距離および両空洞250、25
1の高周波電圧の位相を両方とも一定に保つとともに、
第1空洞から第2空洞へのイオンの速度を変化させるこ
とにより、所望イオンの質量対電荷比用の加速器をセッ
トアップすることによって補償される。図示した例で
は、回線291の振幅要求信号を変化させることによっ
て達成され、従って第1空洞250内の高周波電界振幅
が調節されることになる。例えば質量対電荷比の低いイ
オンでは、空洞250内の高周波電界振幅の若干の減少
は空洞を離れるイオン束の速度を若干減少させる場合が
あり、これによって距離300の飛行時間を増加し、そ
の結果これらのイオン束が空洞251の間隙の高周波電
圧波形の適正領域に到達することになる。距離300の
実質的長さのため、第1空洞からのイオンの速度(ある
いはエネルギー)の小変動のみでこれらのイオンの第2
空洞までの適正飛行時間を十分保証し得るものである。
【0106】実際、距離300は、第1空洞250の入
口、出口電極間の全長以上とするのが望ましいことが分
かっている。好ましい実施例においては、長さ300は
第1空洞の長さの約3倍である。このような装置によれ
ば、良好な飛行時間の調節範囲は第1ブースタの高周波
電圧の振幅を最大印加電圧のせいぜい約15%までに調
節することによって、一重、二重荷電ホウ素および一
重、二重、三重荷電の燐を含むイオン種に好適に与えら
れることが分かった。これが意味するように、質量/電
荷比の異なるイオン用の2つの空洞をセットアップする
プロセスは、第1空洞によって付与されるエネルギー増
分の約15%までの犠牲を伴うにすぎない。
【0107】重要なのは、例示した加速器装置の2つの
ブースタ空洞に供給される高周波は2つの制御入力のみ
を用いて十分制御され、2つの空洞の所要高周波振幅を
セットアップして質量/電荷比の異なるイオン用加速器
アセンブリを調整するとともに所望の最終イオンエネル
ギーを供給することができることである。これはブース
タのセットアップを著しく単純化し、m/e値の異なる
イオンを所要出力エネルギーで送出可能である。
【0108】もう一度図13を参照すると、第1空洞の
入口電極から第2空洞の出口電極までの高周波加速器ア
センブリの全長はLである。加速器アセンブリを貫通す
るイオンビームの軸を含む少なくとも1つの平面に、ア
センブリの空洞を形成する電極は、距離D以上の最大横
方向寸法を有するアパーチャを有する。この最大横方向
寸法は、図4、5、6に関連して上で述べたように、ス
リット状電極アパーチャの主要寸法である。
【0109】L/Dを約25未満にすることによって、
良好な組合せの性能パラメータが得られる。 上述のよ
うに両加速器空洞間の実質的ドリフト距離300を維持
する必要があるにもかかわらず、加速器の全長Lはそれ
でもなおかなり短く、構造内に設置する際の加速手段の
設置面積を減少させる。一方、加速器を貫通するアパー
チャの横方向寸法Dは少なくとも一軸平面においては比
較的大きく、加速器の受容性を向上させてエネルギーF
かそれ以下での注入時に、特に加速器アセンブリ非作動
のドリフトモード中、大きいビーム電流が可能となる。
好ましい構成は約18のL/D値を有する。
【0110】要するに、注入装置は、第1エネルギーに
ある注入イオンのビームを発生するイオンビーム発生器
と、励起時に、前記ビームのイオンを第2エネルギーに
加速するよう設けられた高周波線形加速器アセンブリと
を備えることが可能であり、前記アセンブリは、前記ビ
ームのイオンのエネルギーを変化させる一連の間隙を画
成する複数の電極を備え、前記電極はイオンが通過する
アパーチャを有し、前記アセンブリの全電極は長さL内
に収容され、電極のアパーチャはビームに交差するD以
上の最大寸法をそれぞれ有し、L/Dは25未満である
よう構成される。これが特に有効であるのは、加速器ア
センブリがビーム方向に沿ってタンデムの第1、第2高
周波ブースタステージを備える時であるが、前記ブース
タステージは各々入口、出口電極と、前記ビームのイオ
ンエネルギーを変化させる一連の間隙を画成する少なく
とも1つの中間高周波電極と、前記第1、第2ブースタ
ステージ間に配置された隣接する一対の磁気的4重極と
を備える。
【0111】加速器アセンブリにおいて用いられるスリ
ット状電極は図14、15から想像可能であるが、これ
らの図は加速器の各要素を通過するイオンビームの輪郭
を示している。図14、15の上部はビーム軸と交差す
るX方向のビーム輪郭を示し、図の下部はビーム軸と交
差する直交Y方向のビーム輪郭を示す。Y方向は電極の
スリットアパーチャの長手寸法の方向である。従って、
図14、15において、第1加速器空洞の電極310お
よび第2加速器空洞の電極311は、X方向のビームの
軸312に比較的近接して(図面の上部)、Y方向の軸
から比較的離隔して(図面の底部)示してある。各図に
おいて、ビーム方向は左から右である。
【0112】図14、15作成に用いられたシミュレー
ションにおいて、加速器に注入されるビームはX、Y両
方向に同一寸法である。第1磁気的4重極はビームをX
方向に合焦させ、ビームをY方向に脱焦させる傾向があ
る。 その後、ビームはX方向にはビーム軸から略6m
mに制限される一方、Y方向には軸312から15mm
以上伸長する。
【0113】加速器の両空洞間の2つの磁気的4重極3
14、315の作用を説明する。第1磁気的4重極31
4はビームをX方向の焦点に戻し、 第2磁気的4重極
315はビームをY方向に再合焦させる。
【0114】図14に示したシミュレーションは、20
0keVの二重荷電燐の注入ビーム、約850keVの加
速後の最終ビームエネルギーを想定している。加速器ア
センブリによって放出されたビームは、第1空洞に印加
される高周波励起電圧の位相の±50°以上で第1加速
空洞に到達するイオンを有すると想定される。注入位相
の異なるイオンに対する加速器アセンブリの作用は、図
面中で別の輪郭線によって示してある。
【0115】図15は、ドリフトモード、すなわち加速
器アセンブリの電極に非通電時に加速器アセンブリを通
過するビームの輪郭を示しており、ビームの加速は生じ
ない。この注入ビームは再びP++で200keVであ
る。ビーム輪郭がX方向よりもX方向にさらに伸長して
いるのが再確認できる。 スリット状電極を具備するこ
とによって、加速モード時に電極空洞に電界が過度に浸
透せずに加速、ドリフトの両モードにおいて高比率のビ
ームを加速器アセンブリに貫通収容することができる。
【0116】重要なのは、図14、15におけるX方
向、すなわち電極のスリットアパーチャの狭寸法部は、
図1に示したように、高周波加速器アセンブリの上流に
ある分析マグネット12の分散面と整列していなければ
ならないということである。マグネット12は所望m/
eのイオンをX方向の略焦点に導くよう機能する。通常
質量選択スリットはこの焦点に位置し、所要イオンのみ
が注入用のビーム中に存続可能となる。本例において
は、質量分析マグネットの焦点は高周波加速器の第1三
間隙ブースタステージ内にある。
【0117】またマグネット12は、ビームを第1ブー
スタステージの入口電極の前方の第1磁気的4重極31
3(図14、15)の近傍のY方向のウェストに導くの
に有効である。次にこの磁気的4重極313は励起さ
れ、Y方向のビーム中の有効ウェストを第1ブースタス
テージの直後の第2磁気的4重極314のビームに沿っ
た位置に移動する。この作用を生ずるよう第1磁気的4
重極313が励磁され、X方向に合焦、Y方向に脱焦を
行う。イオン源11から分析マグネット12に入るイオ
ンビームは、通常マグネットの分散面に狭い横方向寸法
を有するリボン状である。従って、マグネット12を離
れる所要m/eのイオンビームは、イオン種およびイオン
源のセットアップあるいは「調整」によって決定される
寸法に係るX方向では比較的ぴったり合った焦点に導か
れるが、Y方向では広いウェストに導かれる。
【0118】もう一度図14を参照すると、第1磁気的
4重極313のY脱焦、X合焦作用は、第1ブースタス
テージの第1、第2電極に近接したビームのX焦点位置
に比較的小さい移動(図14において左方)を生ずる。
このように、ビームはX方向に圧縮されて電極のスリッ
トアパーチャの狭寸法部を通過する。ビームイオンが第
1ブースタステージを通過する時、X方向のビーム縁端
に近いイオンは電極の開孔縁端部に近い電界の曲率によ
って合焦作用を受ける。高周波電界の位相に対して時間
的に相違してブースタを通過するイオンは量の相違によ
って合焦/脱焦されるが、これは図14においてX方向
のビーム輪郭を数本の線に分離することで示してある。
この第1ブースタステージの穏当な作用は第2ブースタ
ステージにおいては強烈となり、以後加速器を貫通する
ビームを制御する難度が増す。
【0119】一方Y方向においては、ビームはY方向の
電界が比較的平面的である電極アパーチャの縁端部から
十分離隔した第1ブースタステージを通過するので、電
界合焦は最小限である。結果としてY方向のビーム制御
の向上が見られる。
【0120】上述のように、第1磁気的4重極はビーム
中のYウェストを第2磁気的4重極314の位置に移動
する。この第2磁気的4重極はビームを次の第3磁気的
4重極315でX方向の焦点に戻すのに必要である。ビ
ームは第2磁気的4重極314にYウェストを有するの
でY脱焦作用が減少し、従ってビームは過度のX脱焦な
しに第3磁気的4重極315によってYウェストに戻さ
れる。従って、第4磁気的4重極は第2ブースタステー
ジの出口電極の後に具備され多少のX再合焦を行うこと
が可能であるが、一般にエネルギーフィルタ25のイオ
ン光学特性と整合することが必要である。
【0121】上記から分かるように、第1ブースタステ
ージの電極のアパーチャは(分析マグネットを通過する
イオンの速度変化がないと仮定した場合)注入装置の質
量選択スリットとして機能する。ビーム中のm/eの異な
るイオンは電極に衝突することなくブースタに侵入・通
過することがないからである。バッフル板を第1ブース
タステージの入口電極のすぐ前方に配置し、ビームから
の非選択イオンの大部分を吸収して入口電極の損傷ある
いは過熱を防止するようにしてよい。
【0122】また、加速器電極はY方向寸法が比較的大
きいので、磁気的4重極は1つだけ加速器の第1ブース
タステージの上流に必要である。
【0123】好ましい実施例においては、図2〜12に
示した高周波加速器アセンブリは以下の寸法を有する。 第1空洞の入口電極から第2空洞の出口電極 までの加速器アセンブリの全長(L): 587mm 第1空洞の入口電極のアパーチャ横方向寸法: 46×10mm 第1空洞の第1高周波電極のアパーチャ横方向寸法: 34×10mm 第1空洞の第2高周波電極のアパーチャ横方向寸法: 34×12mm 第1空洞の出口電極と第2空洞の入口、 出口両電極のアパーチャ横方向寸法: 46×12mm 第2空洞の第1、第2高周波電極のアパーチャ横方向寸法: 34×12mm アセンブリの全電極アパーチャの最小スリット長(D): 34mm 第1空洞の入口電極と第1高周波電極間の間隙: 14mm 第1空洞の第1高周波電極のビーム軸に沿った長さ: 16mm 第1空洞の第1、第2電極間の間隙: 32mm 第1空洞の第2高周波電極のビーム軸に沿った長さ: 26mm 第1空洞の第2高周波電極と出口電極間の間隙: 16mm 第1空洞の出口電極と第2空洞の入口電極間のドリフト距離: 349mm 第2空洞の入口電極と第1高周波電極間の間隙: 16mm 第2空洞の第1高周波電極のビーム軸に沿った長さ: 30mm 第2空洞の第1、第2高周波電極間の間隙: 32mm 第2空洞の第2高周波電極のビーム軸に沿った長さ: 40mm 第2空洞の第2高周波電極と出口電極間の間隙: 16mm
【0124】加速空洞の高周波励起電圧の所定周波数は
20MHzに近い数値に設定される。アセンブリの各高
周波電極に印加される場合のある高周波電圧の最大振幅
は約75kVである。最大注入エネルギーEは注入イオ
ンの荷電状態毎に約100kVである。
【0125】加速器アセンブリは、主としてB++(m/
e=5.5)、 B+(m/e=11)、P++(m/e=1
5.5)、P+++(m/e=10.3)イオンの処理・加
速用である。加速器アセンブリの構造パラメータはイオ
ンの場合ほぼ最適であるようになっている。しかし高周
波イオン注入の応用例では、少なくとも第1ブースタス
テージからの有効エネルギーゲインが約40までのm/
e範囲のイオンについて得ることができる。
【0126】イオン注入装置で利用可能な最大静電予備
加速電圧、すなわち高周波加速器アセンブリの第1空洞
のイオン源と入口電極間の電圧が約100kVである場
合、P++イオンの最大注入エネルギーは200keVで
ある。しかし最適性能を得るには、少なくとも高周波加
速器の第1空洞あるいはステージから、質量/電荷比の
異なるイオンをアセンブリに約同一速度で注入すること
が重要である。同一速度では粒子のエネルギーはその質
量に比例するので、これが意味するように、B +の注入
エネルギーはP++の注入エネルギーの半分の約11/1
5.5であるはずである。P++の最大注入エネルギーは
最大利用可能静電予備加速電圧によって設定されるの
で、これが意味するように、予備加速電圧はP++走行に
比較してB +走行時約11/15.5だけ低減されるは
ずである。
【0127】図16A、16Bは、印加高周波電圧のエ
ネルギーおよび位相が第1加速器ステージを通過するB
+粒子に対して変化する仕方を示すグラフである。図1
6A、16Bにおいて、X軸は第1加速器ステージの電
極を貫通してB+イオンがZ方向、すなわちビーム方向
に沿って移動する距離を示す。電極の位置は図面中点線
で略示してある。
【0128】図16AのY軸は加速器を通過する時のイ
オンエネルギーを示す。図16BのY軸はイオンがZ方
向に移動する時イオンが受ける高周波電圧の位相を示
す。図16A、16B中の何本かの線は、高周波信号印
加中、時間的に相違して加速器ステージの第1間隙に入
るイオンのエネルギー変化を示す。
【0129】全体として図面に用いられているきまりに
よれば、180°位相は入口電極と第1高周波電極間の
第1間隙の前方加速高周波電圧のピーク時間を示す。従
って、2つの高周波電極間の第2間隙での最大加速は3
60/0°位相で生じ、第3間隙での最大加速は180
°位相でもう一度生ずる。図16A、16B中イオンは
左から右に移動している。
【0130】まず図16Bを検討すると、これは位相角
が約90°から約150°までの高周波波形の各点で加
速器ステージの第1間隙に入るイオンを示す。位相角9
0°で間隙に入る図16Bに示した第1イオンは位相角
約135°で、図16B中最も下の線で示した間隙の中
心を横断する。位相角約160°で間隙に入る最遅発の
イオンはちょうど180°の位相角で間隙の中心を横断
する。前述のように、加速器ステージの第1間隙におけ
る最大加速は180°の位相角で生ずる。従って、位相
角180°前後で間隙の中心を横断するイオンは間隙横
断時に最大のエネルギー増加を受けるはずである。小位
相角で間隙の中心を横断するイオンはエネルギー増加が
少ないはずである。このエネルギー増加の変化は図16
Aに見ることができる。第1間隙に入り180°前後の
位相で間隙の中心を横断する最遅発のイオンは、図16
A中上方の線で示した最大のエネルギー増分を受ける。
位相的に早期に間隙に到達するイオンは、図16Aの下
方の線で示したように受けるエネルギーが少ない。第1
間隙のエネルギー増分は図16A中400で示してあ
る。
【0131】図面に示した第1間隙を移動したイオンは
次に位相角345°〜約30°で第2間隙の中心点を横
断する。360/0°は中心間隙を横断するイオンに最
大加速を付与する。中心間隙を横断するイオンのエネル
ギー増分は図16Aに401で示してある。
【0132】その後イオンは第3間隙を移動し位相角約
170°〜200°で第3間隙の中心を横断する。第3
間隙での最大加速位相は180°である。第3間隙によ
って与えられるエネルギー増分は図16Aに402で示
してある。
【0133】図16Bに示したイオンは、大部分180
°以下の位相角範囲で第1間隙の中心線を横断する。こ
れは電界が間隙で最大減速から最大加速に上昇した時の
間隙横断に相当する。この結果、低位相角で間隙に入る
早発イオンは、高位相角で到達する遅発イオンより間隙
での加速が小さくなる。これは図16Aに見られよう
に、幾分とも第1間隙から発したイオンのエネルギー分
散を引き起こす。イオンは360/0°の両側にどちら
かと言えば均一に分布した位相で中心間隙を横断する。
これは小さい付加的エネルギー分散を引き起こすにすぎ
ない。 その後イオンは大部分180°より幾分大きい
位相で、すなわち電界が最大加速から最大減速に降下し
た時、第3間隙の中心線を横断する。第1中間間隙で生
じたエネルギー分散は図16B中互いに接近してゆく複
数線で示したイオンの位相拡散を若干低減したとは言え
るものの、(最低位相角で)最初に第1間隙イオンに入
るイオンは第3間隙を横断する時もなお最初である。こ
の結果、第1間隙でエネルギー増分が最小である早発イ
オンは第3間隙でエネルギー増分が最大となり、第1間
隙でエネルギー増分が最大である遅発イオンは第3間隙
でエネルギー増分が最小となる。従って、このように加
速器アセンブリを構成・セットアップすることによっ
て、第3間隙は第1間隙で生じたエネルギー分散を少な
くとも部分的に相殺することになる。位相拡散の減少が
ない場合、第1、第3間隙のエネルギー分散作用は互い
に大きく相殺され、全体的なエネルギー分散は中心間隙
によって引き起されることになる。
【0134】イオン注入装置においては最終ビームのパ
ーセンテージエネルギー分散は重要である。従って、最
終的に注入されるイオンは一定パーセンテージの目標エ
ネルギー、例えば±5%以内にあるエネルギーを有する
べきである。図16A、16Bの例においては加速器ス
テージを離れたイオンの最終エネルギーは約300ke
V±15keVである。これは約60°の位相範囲を有
する加速器ステージに注入されるイオンから達成され
る。従って、適正なエネルギー分散性能が、未束注入ビ
ーム中のイオンのほぼ17%を捕捉する入力位相範囲に
わたって得られることが分かる。この性能レベルは 、
イオンが電界の(上記のような)上昇時に第1間隙を横
断するとともに電界降下時に第3間隙を横断するよう構
成された三間隙高周波空洞によって得ることができる。
【0135】イオンが単一間隙(最大加速角の−30°
から+30°までの位相角で間隙の中心を横断してい
る)によって生ずるエネルギー分散は理論的には±6.
7%である。従って16A、16Bに示した加速器ステ
ージのセットアップの性能は、広い位相角にわたって入
力されたイオンのエネルギー分散を制限する点から見て
実質的に優れている。また重要なのは、加速器ステージ
のセットアップによって、最小のエネルギー拡散で加速
ステージを離れたイオン束がばらばらになることなく次
の加速ステージに送出され、さらなる加速が可能である
ことである。この優位性は従来のバンチャーを加速器の
前に置いて用いても維持され、入力位相範囲により多く
のビームイオンを含むようになる。
【0136】図16A、16Bの例においては、加速器
は70kVの最大に近い印加高周波電圧、B+イオンの
場合64keVの注入エネルギー、上述したような第1
空洞の加速器ステージの寸法で作動される。印加高周波
電圧の周波数は約20MHzである。注入エネルギーを
増大させることによって高周波電圧の周波数を高くする
一方、上記のように加速器ステージの間隙を横断するイ
オンの位相を引き続き維持することができる。同様に加
速器ステージの間隙間の距離を増大させることは、同一
周波数の高周波電圧の注入エネルギーの増大を要するこ
とになる。
【0137】図17A、17Bは、高周波電圧がかなり
低い値、25kVに設定されている時、第1加速ステー
ジを貫通するイオンのエネルギー増分と位相を示す。B
+イオンの注入エネルギーはそれでもなお64kVであ
る。60°の位相拡散を有するイオンは加速器ステージ
の第1間隙に入り、180°以下の位相角で第1間隙の
中心を横断する。イオンは360/0°前後の位相角で
中心間隙を横断し、180°以上の位相角で第3間隙を
横断する。この結果第1間隙で生ずるエネルギー拡散は
第2間隙によって低減される。しかし高周波電圧低下の
ため、イオンの位相拡散は加速器ステージを通過する際
低減される。それでもイオンは、第1間隙で生ずるエネ
ルギー分散と逆方向に最大エネルギー分散を付与する2
70°前後の位相で第3間隙の中心を横断する。また、
イオンは最大加速位相360/0°より若干前の中心間
隙を横断するが、これも第1間隙のエネルギー分散を相
殺する傾向がある。その結果加速器ステージからのビー
ムのエネルギー分散は図17Aに示すように、100k
eV以上の出力エネルギーで約±5keVであって、なお
±5%未満である。
【0138】図18A、18B、19A、19B、20
A、20Bはそれぞれ180keV(90keV静電加速
電圧)の注入エネルギー、70kV、45kV、20k
Vの高周波電圧を有するP++イオン加速に係る類似のエ
ネルギー増分・位相図を示す。B+の場合より若干高い
静電予備加速電圧(90keV)が用いられ、P++イオ
ンの注入速度は64keVのB+の場合と同等である。P
++イオン、70kVの高周波電圧用の加速器ステージの
性能は図16A、16Bに示したB+イオンの場合と同
様である。P++イオン、45kVの高周波電圧の場合、
イオンは270°より若干小さい位相で第3間隙の中心
点を横断するので、第3間隙は図19Aに示したように
さらに少量のエネルギー増分を行うことになる。 P++
イオン、20kVの高周波電圧の場合、イオンは270
°以上の位相で第3間隙を横断するので、第3間隙は図
20Aに示したように減速を生ずる。図18、19、2
0において、加速ステージを離れたイオンのエネルギー
拡散は受入れイオンが60°の位相範囲であっても±5
%未満であることが分かる。
【0139】図21A、21Bに戻ると、これらの図は
同一寸法を有する加速器ステージを貫通するB++イオン
のエネルギー増分・位相を示す。この場合、 B++イオ
ンの注入エネルギーは64keV(32kVの静電予備
加速電圧)であり、 高周波電圧は70kVに設定され
る。図面は、第1間隙に入り180°以下の位相角で第
1間隙の中心を横断するイオンを示し、遅発イオンは早
発イオンより加速されている。つまり、早発イオンは9
0°より若干小さい位相角で間隙の中心点を横断し、図
21Aのエネルギー増分線図中に下部の線で示したよう
に間隙での減速を意味する。
【0140】ホウ素イオンは二重荷電のため、高周波電
圧によって生ずる加速は一重荷電ホウ素イオンの2倍で
あり、第1間隙によって引起されるエネルギー分散は図
21Aにも見られるように実質的に大きい。イオンの注
入エネルギーが低いとすれば、このエネルギー分散によ
る位相拡散はかなり大きく、実際、位相拡散は反転し、
早期に第1間隙を横断するイオンは、比較的晩期に第2
間隙の中心を横断することになる。それでもイオンは3
60/0°前後で中間間隙の中心を横断し、この間隙か
ら最大のエネルギーブーストを受け、その後大部分は1
80°以下の位相角で第3間隙の中心線を横断する。従
って、イオンは電界が最大減速から最大加速に上昇する
時第3間隙を横断する。しかし第1間隙で生ずる位相拡
散の反転のため、早期に第1間隙を横断したイオンは比
較的晩期に第3間隙を横断し、付加的なエネルギーを受
取る。従ってB++イオンの場合、180°以前に第3間
隙を横断することは、第1間隙で生ずるエネルギー分散
をなくすのに有効である。
【0141】図21Aから分かるように、加速器ステー
ジからのイオンのエネルギー分散は再び約±5%とな
る。加速器ステージに注入されるイオンの位相拡散は1
10°以上である。これはB++イオンの未束注入ビーム
量の点から見て際立った効率であるが、これらのイオン
はアセンブリによってわずか±5%のエネルギー分散で
目標エネルギーに加速可能なのである。本発明において
これが達成されるのは、最大高周波電圧振幅Vに比較し
て注入エネルギーEが比較的低いからである。実際、重
要要因は注入イオンの荷電状態毎の注入エネルギー(E
/e)である。このような比較的低い注入エネルギーで
は、印加高周波電圧はイオンの位相拡散を反転させるの
に有効であって、第1間隙の遅発イオンは第3間隙では
早発イオンになる。従って、第3間隙の高周波電圧が最
大加速に上昇した時イオンが第3間隙を横断するように
することによって、第1間隙のエネルギー分散をほとん
ど完全になくすことができる。
【0142】より一般的にはEが2V.e以下の場合改
善がなされる。従って、イオンが中心間隙を横断する
際、イオン位相拡散の幾分かの低減が生じ、中心間隙で
生ずるエネルギー分散量が減少する。 要するに、イオ
ン注入装置は、注入エネルギーEである注入イオンビー
ムを発生するイオンビーム発生器と、前記イオンビーム
が前記注入エネルギーで送出される対象とされ、励起時
前記ビームのイオンを第2エネルギーに加速するよう設
けられ、一定電位に保持された入口電極と一定電位に保
持された出口電極とを備える三間隙線形加速器ステージ
と、前記入口、出口電極間に直列配置された第1、第2
高周波電極と、逆極性で接地に対し最大振幅Vの高周波
電圧を前記第1、第2電極にそれぞれ印加する高周波発
生器と、を備え、前記イオンビーム発生器は、E<2
V.e(eは前記イオンの荷電状態である)となるよう
に、前記注入エネルギーEを制御するよう設けられる。
EはV.e未満、さらには1/2V.e未満であってもよ
い。
【0143】上記の高周波加速器ステージの構成は、イ
オンに幾分かの加速を与えるためにも使用可能である。
加速器ステージを通過するイオンのエネルギー増分と位
相は図22A、22Bに示してある。イオンは最大可能
エネルギー、ここでは90keVで加速器に注入される
必要がある。それでも、イオンの質量/電荷比が高いの
で(m/e=31)、加速器に入るイオンの速度は同一
静電予備加速電圧からのの半分である。この結果、イオ
ンは約90°の位相で第2間隙の中心を横断し、イオン
は中心間隙から最小の総加速だが第1間隙で生ずるエネ
ルギー分散を打ち消す最大量のエネルギー分散を受け
る。結果としてのエネルギー分散によって、第1間隙で
早発、遅発であったイオンは比較的低エネルギーで第2
間隙を離れ、範囲の中間で第1間隙に入るイオンは高エ
ネルギーで第2間隙を離れるようになる。従って第3間
隙は、第3間隙に晩期に到達するイオンに対して早発イ
オンのエネルギーを低減させるのに有効であり、第3間
隙を離れるイオンのエネルギー拡散をさらに低減すると
いう総合的効果がある。図22Aから分かるように、結
果としてのエネルギー拡散は、再び、約110°の注入
イオンの位相拡散から約±5%である。イオンの場合、
加速器で得られるエネルギー増分は約60keVであ
る。
【0144】従って、付与されるエネルギー増分が理論
的最大値(4V.e)よりはるかに小さいという点で
は、高周波加速器ステージが比較的非効率的に作動して
いるとは言えるが、三間隙加速器ステージが決してイオ
ンに対し最適化されていないにもかかわらず、有効なエ
ネルギー増分が得られることが分かる。
【0145】要約すると、イオンに対し最適化され(か
つイオンに対しほぼ最適化される)よう、三間隙加速器
ステージを周到に構成することによって、比較的高比率
の注入イオンが小パ−センテ−ジの目標エネルギー内で
加速可能である装置が提供される。また重要なのは、加
速器ステージの出力エネルギーは、印加高周波振幅を調
節することで容易に変えられる一方、所望出力エネルギ
ーかそれに近い注入イオンの送出比率の点から見た効率
を維持し得ることである。この柔軟度のレベルはイオン
注入装置において極めて望ましく、上で詳述した個々の
特徴から生ずるものである。
【0146】装置の柔軟度は図23に示してある。これ
は、上記2つの三間隙加速空洞を有する高周波加速器ア
センブリによって送出されるビームイオンに係る、X軸
方向のエネルギー対Y軸方向のビーム電流の任意単位の
グラフである。グラフgはドリフトモードの高周波加速
器による70keVの注入エネルギーの送出ビームを示
す。グラフa〜eは第2ブースタステージが非作動で、第
1ブースタステージに印加される高周波電圧振幅の増分
設定が5つある送出ビームを示す。ビーム電流およびビ
ームのエネルギー拡散は共に出力エネルギー増大に対し
て著しく一定である。これらは極めて望ましい特徴であ
り、第1ブースタステージは、良好なビーム電流で十分
制御されたイオン束を中間エネルギーの範囲で第2ブー
スタステージに送出可能となる。グラフfはそれぞれ高
周波振幅で励起された第1、第2ブースタステージによ
る高エネルギーの送出ビームを示す。
【0147】図13に関連して上で述べたように、2つ
の三間隙加速器ステージを備える加速器アセンブリは、
両加速器ステージ間の一定ドリフト長を用いることによ
って、また第1加速器ステージに印加される高周波電圧
の振幅を調節することによって、質量/電荷比の異なる
イオンを使った運転をセットアップ可能である一方、両
加速器ステージの位相はそれぞれ一定値に固定される。
300keVのエネルギーで両加速器ステージ間のドリ
フト距離300(図13)に沿って移動するイオンの場
合、第1ステージの出口電極から第2ステージの入口電
極までの飛行時間は約212ナノ秒である。一方、印加
高周波電圧(略20MHz)の周期は約50ナノ秒であ
る。これが示すのは、第2加速器空洞の第1間隙に到達
するイオンは、正確な到着時間から決して25ナノ秒を
越えることがないということである。これが意味するよ
うに、最終的構成によっては、イオンの場合、ドリフト
長300のイオンの飛行時間を最大25ナノ秒まで増大
しなければならない場合があり、これは478mmのド
リフト長の場合、300keVから約241keVへの第
1加速器ステージからの出力エネルギー減(30%)を
意味する。
【0148】より重要であるが、第2加速器空洞の高周
波電圧の位相が第1空洞の電圧とまったく同一の一定位
相値に固定された状態では、イオンの飛行時間は12ナ
ノ秒だけ低減され第2空洞には正確に到達するはずであ
り、第1加速器ステージを離れるイオンの約12%のエ
ネルギー増分を意味する。400keVのイオンの場
合、ドリフト長300に沿った飛行時間は184ナノ秒
であり、正確に到達するために約16%のイオンのエネ
ルギー低減が必要であることを意味する。600keV
の第1加速器ステージを離れるの飛行時間は252ナノ
秒であり、これらのイオンが(、については高周波電圧
4サイクルではなく5サイクル後に)正確に到達するた
めのエネルギー増大はちょうど2%であることをを意味
する。200keVで第1加速器ステージを離れるの場
合、ドリフト長300の飛行時間は436ナノ秒であ
り、(高周波電圧9サイクル後に)正確に到達するため
にちょうど14%のエネルギー低減が必要であることを
意味する。
【0149】実際には、イオン注入装置の構成上、ドリ
フト長300、高周波電圧の周波数f等の様々な加速器
アセンブリのパラメータを選択し、選択イオン種に最適
性能を準備するとともに、異なるイオン種を処理するの
に必要な速度調節をできる限り少なくするようにしても
よい。
【0150】前述のように、上記高周波加速器アセンブ
リは、通常第1三間隙加速ステージあるいは空洞の上流
に位置するバンチャー構造を内蔵している。バンチャー
は束になっていないビームイオンの30%まで (あるい
はそれ以上)を捕捉し、捕捉イオン中に制御されたエネ
ルギー拡散を生じさせ、該捕捉イオンが第1加速ステー
ジ侵入時に物理的に束になるよう構成される。捕捉ビー
ムイオンの比率をできる限り大きくするため、バンチャ
ーは束イオンに対し全体的なエネルギー増分を行わな
い。好適なバンチャーは位相が一定基準位相に固定され
ている二間隙構造である。第1加速器ステージにm/e
の異なる束を正確に到達させるのは、質量選択マグネッ
トからのビームイオンの注入エネルギーの微調節によっ
て行われ、これによってバンチャーから第1加速ステー
ジに束状で到達するイオンの速度および飛行時間が制御
される。高周波振幅は所要エネルギー拡散を与えるよう
設定され、イオンは制御された注入エネルギーで第1加
速器ステージ到着時に束にされることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具現可能なイオン注入装置の概略平面
図である。
【図2】図1のイオン注入装置において使用可能な高周
波線形加速器アセンブリの正面図である。
【図3】Aは、図2の加速器アセンブリの中心部を形成
する一体ブロックの平面図である。Bは、図2の加速器
アセンブリの中心部を形成する一体ブロックの側面図で
ある。Cは、図3Aのブロックの端面図である。Dは、
図3Bのブロックの端面図である。Eは、図3A及び3
BのブロックのC−C線に沿った横断面図である。F
は、図3A及び3BのブロックのF−F線に沿った横断
面図である。Gは、図3A及び3BのブロックのD−D
線に沿った横断面図である。Hは、図3Gに示した矢印
Eの方向からの図3A及び3Bのブロックの端部の図で
ある。
【図4】Aは、図2の高周波加速器アセンブリの第1ス
テージの高周波電極の一側面からの図である。Bは、一
電極の図4AのA−A線に沿った横断面図である。C
は、図4Aの電極の内の1つのアパーチャを形成するア
パーチャ・プレートの内の1つを示す。Dは、図4Cの
アパーチャ・プレートのB−B線に沿った横断面図であ
る。
【図5】Aは、図2の高周波加速器アセンブリの第2ス
テージの高周波電極の側面図である。Bは、図5AのG
−G線に沿った電極の内の一電極の横断面図である。
【図6】Aは、図2の加速器アセンブリの第1ステージ
の入口電極の正面図である。Bは、図2の加速器アセン
ブリの第1ステージの入口電極の側面図である。Cは、
図6Aの入口電極のH−H線に沿った横断面図である。
【図7】Aは、図2の加速器アセンブリの一つのステー
ジに対する二つのコイルアセンブリ・共振チャンバの側
面図である。Bは、図2の加速器アセンブリの一つのス
テージに対する二つのコイルアセンブリ・共振チャンバ
の端面図である。
【図8】Aは、高周波エネルギーを図7の共振チャンバ
に結合するカップラアセンブリの外観図である。Bは、
高周波エネルギーを図7の共振チャンバに結合するカッ
プラアセンブリの断面図である。
【図9】図7の二つのコイルアセンブリの水冷に用いら
れる噴射管アセンブリの概略図である。
【図10】Aは、図7の共振チャンバにおいて用いられ
るピックアップループアセンブリの内部図である。B
は、図7の共振チャンバにおいて用いられるピックアッ
プループアセンブリの横断面図である。
【図11】Aは、図7の共振チャンバの共振周波数の調
整に用いられる調節可能調整コンデンサの側面図であ
る。Bは、図7の共振チャンバの共振周波数の調整に用
いられる調節可能調整コンデンサの横断面図である。
【図12】図2の加速器アセンブリにおいてイオンビー
ムの合焦に用いられる磁気的4重極のビーム方向に沿っ
た横断面図である。
【図13】本発明の様々な特徴を具現・例示する高周波
加速器アセンブリの概略図である。
【図14】加速器の励起時、図2に示した高周波加速器
アセンブリを通過するイオンビームの異なる時間での輪
郭のグラフである。
【図15】図14と同様であるが、ドリフトモードの加
速器によるイオンビーム輪郭のグラフである。
【図16】Aは、印加高周波電界が最大振幅である時、
印加電界波形の時間的に相違する範囲にわたって三間隙
高周波加速器ステージの第1間隙に入るB+イオンに関
する、加速ステージの長手方向の位置に対するイオンの
エネルギーのグラフである。Bは、高周波電界波形位相
対印加高周波電界が最大振幅である時、三間隙高周波加
速器ステージによって加速されるB+イオンの加速ステ
ージの長手方向位置のグラフである。
【図17】Aは、図16Aに対応するが、印加高周波電
圧の振幅が低い値であり、イオンに付与するエネルギー
ブーストが小さい時のグラフである。Bは、図16Bに
対応するが、印加高周波電圧の振幅が低い値であり、イ
オンに付与するエネルギーブーストが小さい時のグラフ
である。
【図18】Aは、図15Aに対応するが、一印加高周波
電圧振幅のP++イオンに関するグラフである。Bは、図
15Bに対応するが、一印加高周波電圧振幅のP++イオ
ンに関するグラフである。
【図19】Aも、図15Aに対応するが、別の印加高周
波電圧振幅のP++イオンに関するグラフである。Bも、
図15Bに対応するが、別の印加高周波電圧振幅のP++
イオンに関するグラフである。
【図20】Aも、図15Aに対応するが、他の印加高周
波電圧振幅のP++イオンに関するグラフである。Bも、
図15Bに対応するが、他の印加高周波電圧振幅のP++
イオンに関するグラフである。
【図21】Aも、図15Aに対応するが、B++イオンに
関するグラフである。Bも、図15Bに対応するが、B
++イオンに関するグラフである。
【図22】Aも、図15Aに対応するが、P+イオンに
関するグラフである。Bも、図15Bに対応するが、P
+イオンに関するグラフである。
【図23】異なる高周波振幅での図13に示した二つの
ステージ三間隙ブースタに関する出力エネルギーに対す
るビーム電流のグラフである。
【符号の説明】 10・・・高周波線形加速器アセンブリ 11・・・イオン源 12・・・分析マグネット 13・・・質量選択スリット 14・・・ビーム 15・・・ビームスキャン装置 17・・・プロセスチャンバ 18・・・半導体基板 19・・・ウェーハホルダ 20・・・機械的スキャン機構 21・・・ロードロック 22、24・・・高周波電源 23・・・バンチャー 25・・・エネルギーフィルタ 32、33・・・第1、第2加速器ステージ(三間隙高周
波ブースタ空洞) 35、36・・・入口、出口電極 37、38・・・第1、第2高周波電極 47、48・・・共振タンクチャンバ 50、51、52、53・・・磁気的4重極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヒルトン エフ. グラヴィッシュ アメリカ合衆国, ネヴァダ州, インク ライン ヴィレッジ, タイナー ウェイ 803, ピー. オー. ボックス 4348 (72)発明者 ジョン スチュアート ゴードン アメリカ合衆国, カリフォルニア州, クパティノ, パークウッド ドライヴ 10180 ナンバー8

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン注入装置であって、 第1エネルギーにある注入イオンのビームを発生するイ
    オンビーム発生器と、 励起時に前記ビームのイオンを第2エネルギーに加速す
    るよう設けられた高周波線形加速器アセンブリと、を備
    え、 前記アセンブリは前記ビームのイオンエネルギーを変化
    させる一連の間隙を画成する複数の電極を備え、 前記電極はイオンが通過する複数のアパーチャを有し、
    加速器アセンブリの間隙を画成する電極のアパーチャ
    は、それぞれビーム方向と交差する第1直交方向の第1
    寸法とビーム方向と交差する第2直交方向の第2寸法と
    を有し、第1間隙を画成する少なくとも第1電極のアパ
    ーチャの第1寸法は、前記第1電極アパーチャの第2寸
    法より小さい、イオン注入装置。
  2. 【請求項2】 加速器アセンブリの第1間隙を画成する
    第2電極のアパーチャの第1寸法は、前記第2電極アパ
    ーチャの第2寸法より小さい、請求項1記載のイオン注
    入装置。
  3. 【請求項3】 加速器アセンブリの少なくとも第1、第
    2の間隙を画成する各電極のアパーチャの第1寸法は、
    各電極のアパーチャの第2寸法より小さい、請求項1記
    載のイオン注入装置。
  4. 【請求項4】 少なくとも連続した一組の前記電極は、
    各々前記第2アパーチャの寸法未満の前記第1アパーチ
    ャの寸法を有し、ビーム方向に前記連続した一組の電極
    に沿って第1寸法にそれぞれ少なくとも1つの増分があ
    る、請求項1記載のイオン注入装置。
  5. 【請求項5】 前記イオンビーム発生器は、前記第1直
    交方向に整列された分散面を有する質量分析マグネット
    を含む、請求項1記載のイオン注入装置。
  6. 【請求項6】 前記質量分析マグネットは、前記ビーム
    に注入する所望イオンを前記第1直交方向の、第1電極
    に対して(イオン源に向かって)上流側ではないビーム
    沿いの位置の略焦点に導くよう設けられた、請求項5記
    載のイオン注入装置。
  7. 【請求項7】 前記加速器アセンブリは、ビーム方向に
    沿ってタンデムの少なくとも第1、第2の高周波ブース
    タステージを備え、各ブースタステージは、入口、出口
    電極と前記間隙を画成する電極を共に構成する少なくと
    も1つの中間周波数電極とを備え、第1ブースタステー
    ジの入口電極は前記第1電極であり、イオン注入装置
    は、前記第1ブースタステージの上流の第1磁気的4重
    極と、第1磁気的4重極を励磁してビームイオンを前記
    第1直交方向に合焦させかつ前記イオンを前記第2直交
    方向に脱焦させるよう接続された第1電源と、前記第1
    ブースタステージの下流の第2磁気的4重極と、第2磁
    気的4重極を励磁してビームイオンを前記第1直交方向
    に合焦させ、前記イオンを前記第2直交方向に脱焦させ
    るよう接続された第2電源と、をさらに含む、請求項6
    記載のイオン注入装置。
  8. 【請求項8】 前記第2磁気的4重極と第2ブースタス
    テージ間の第3磁気的4重極と、第3磁気的4重極を励
    磁してビームイオンを前記第2直交方向に合焦させ且つ
    前記イオンを前記第1直交方向に脱焦させるよう接続さ
    れた第3電源とを含む、請求項7記載のイオン注入装
    置。
  9. 【請求項9】 イオン注入装置であって、 所定の質量/電荷比を有すると共に注入エネルギーEで
    ある注入イオンビームを発生するイオンビーム発生器
    と、 前記イオンビームが前記注入エネルギーで送出される対
    象とされ、励起時に前記ビームのイオンを第2エネルギ
    ーに加速するよう設けられ、一定電位に保持された入口
    電極と一定電位に保持された出口電極とを備える三間隙
    線形加速器ステージと、 前記入口、出口電極電極間に直列配置された第1、第2
    高周波電極と、 逆極性で所定周波数fの高周波電圧を前記第1、第2電
    極にそれぞれ印加する高周波発生器とを備え、 前記入口電極および第1高周波電極は第1加速間隙を画
    成し、前記第1、第2高周波電極は、第1間隙の中心点
    から第1の所定間隔dの中心点を有する第2加速間隙
    を画成し、前記第2高周波電極および出口電極は、第2
    間隙の中心点から第2の所定間隔dの中心点を有する
    第3加速間隙を画成するとともに、前記間隙のいずれか
    で絶縁破壊が生ずる高周波エネルギーの最大振幅以下の
    振幅において、前記ビームの注入イオンが、第1間隙の
    高周波電界が最大減速電界から最大加速電界に上昇する
    時に第1間隙を横断し、次いで第2間隙の電界が最大加
    速電界時に第2間隙を横断し、第3間隙の電界が最大加
    速電界から最大減速電界に下降する時に第3間隙を横断
    するよう、注入エネルギーEと周波数fと間隙間隔
    、dとが選択される、イオン注入装置。
  10. 【請求項10】 イオン注入装置であって、 第1エネルギーにある注入イオンのビームを発生するイ
    オンビーム発生器と、 励起時に前記ビームのイオンを第2エネルギーに加速す
    るよう設けられた高周波線形加速器アセンブリと、を備
    え、 前記アセンブリは、 ハウジングと、 ハウジング内に取付けられた複数の電極であって、前記
    電極は、前記ビームのイオンのエネルギーを変化させる
    一連の間隙を画成するとともにイオンが通過する複数の
    アパーチャを有する、ハウジング内に取付けられた複数
    の電極と、 前記電極の少なくとも1つに電気的に接続され、前記少
    なくとも1つの電極を高周波電位に励起する少なくとも
    1つの誘導コイルと、 前記コイルのまわりの導電筐体と、を備え、前記コイル
    と、少なくとも1つの電極と、ハウジングと、導電筐体
    とは共に所定の共振周波数を有する高周波タンク回路を
    構成し、前記コイルは、少なくとも第1、第2の接続ア
    ームを有する自立剛性導電体を備え、前記線形加速器ア
    センブリは、前記導電筐体への電気的接続のために前記
    第1アームを収納するよう設けられ筐体内の所望位置で
    コイルを支持する前記筐体のコイル取付具と、前記ハウ
    ジング内の前記少なくとも1つの電極を配置する絶縁取
    付台とを含み、前記第2接続アームは、前記筐体からハ
    ウジングに伸長し前記少なくとも1つの電極と高周波接
    続をなし、前記少なくとも1つの電極は、前記第2接続
    アームとの摺動取付接続を与える接続取付具を有し、こ
    れにより前記コイルの熱膨張・収縮は前記取付具の第2
    アームの摺動によって吸収される、イオン注入装置。
  11. 【請求項11】 前記絶縁取付台および接続取付具は、
    ビーム方向と交差する方向で前記少なくとも1つの電極
    の対向する側にある、請求項10記載のイオン注入装
    置。
  12. 【請求項12】 前記絶縁取付台は、前記ハウジングか
    ら伸長する取付ロッドを備え、前記取付ロッドおよび前
    記コイルの第2接続アームは、前記少なくとも1つの電
    極の対向する側で略同軸である、請求項11のイオン注
    入装置。
  13. 【請求項13】 イオン注入装置であって、 第1エネルギーにある注入イオンのビームを発生するイ
    オンビーム発生器と、 励起時に前記ビームのイオンを第2エネルギーに加速す
    るよう設けられた高周波線形加速器アセンブリと、を備
    え、 前記アセンブリは、 ハウジングと、 ハウジング内に取付けられた複数の電極であって、前記
    電極は、前記ビームのイオンのエネルギーを変化させる
    一連の間隙を画成するとともにイオンが通過する複数の
    アパーチャを有する、ハウジング内に取付けられた複数
    の電極と、 前記電極の少なくとも1つに電気的に接続され、前記少
    なくとも1つの電極を高周波電位に励起する少なくとも
    1つの誘導コイルと、 前記コイルのまわりの導電筐体と、を備え、 前記コイルと、少なくとも1つの電極と、ハウジング
    と、導電筐体とは共に所定の共振周波数を有する高周波
    タンク回路を構成し、前記コイルは、開放端と閉止端を
    有する管状導電体から成り、前記線形加速器アセンブリ
    は、前記開放端を収納し前記導電筐体の外側から開放端
    に接近可能とする前記筐体のコイル取付具と、前記管状
    導電体中を前記開放端から前記閉止端の近傍位置まで伸
    長する二重壁冷却管とを含み、前記冷却管は、前記近傍
    位置で前記管状導電体の内部に開口する内側パイプ部
    と、前記近傍位置で閉止する外側パイプ部とを備え、前
    記内側パイプ部および外側パイプ部は両者間に前記冷却
    管の長手方向の空間と、前記外側パイプ部に接続され内
    側、外側パイプ部間の空間を排気する真空源と、前記内
    側パイプ部および前記管状導電体の開放端の一方に接続
    され冷却流体流を管状導電体に沿って供給する冷却流体
    源とを具備する、イオン注入装置。
  14. 【請求項14】 イオン注入装置であって、 第1エネルギーにある注入イオンのビームを発生するイ
    オンビーム発生器と、 励起時に前記ビームのイオンを第2エネルギーに加速す
    るよう設けられた高周波線形加速器アセンブリと、を備
    え、 前記アセンブリは、 前記ビームのイオンのエネルギーを変化させる一連の間
    隙を画成するとともに、イオンが通過する複数のアパー
    チャを有する、複数の電極と、 ビームに沿って前記電極の少なくとも1つに近接配置さ
    れた少なくとも1つの磁気的4重極と、を備え、 前記アセンブリは、該アセンブリ用真空ハウジングを具
    備する一体ブロックをさらに含み、前記一体ブロック
    は、前記ビームを通過させる貫通チャネルと、前記電極
    を装着して前記貫通チャネルの長手方向に前記複数の間
    隙を画成する複数の電極装着ポイントと、前記磁気的4
    重極を装着する少なくとも1つの磁気的4重極装着ポイ
    ントとを有する、イオン注入装置。
  15. 【請求項15】 前記ブロックの磁気的4重極装着ポイ
    ントは、前記貫通チャネルと同軸の前記ブロックの略管
    状部と、前記管状部の周囲に均一に離隔した4つのアパ
    ーチャと、前記各アパーチャの周囲に具備された封止フ
    ランジと、を備え、前記磁気的4重極は、前記各封止フ
    ランジに取付けられアパーチャを通って前記管状部に伸
    長する磁極を有し、前記封止フランジは磁極とブロック
    間の真空シールを具備する、請求項14記載のイオン注
    入装置。
  16. 【請求項16】 前記磁気的4重極は、各磁極用の磁極
    巻線を有し、前記磁極巻線は、前記封止フランジの外側
    に配置されて、真空ハウジングの排気時に大気中にあ
    る、請求項15記載のイオン注入装置。
  17. 【請求項17】 ターゲット基板へのイオン注入方法で
    あって、 第1エネルギーのイオンのビームを発生するステップ
    と、 ビーム方向に沿ってタンデムの少なくとも第1、第2の
    ブースタステージを有する高周波加速器アセンブリを用
    いて、ビーム中のイオンのエネルギーを第2エネルギー
    に変化させるステップと、を備え、 各ブースタステージは、入口、出口電極と、一連の間隙
    を画成し、前記ビームのイオンのエネルギーを変化させ
    る少なくとも1つの中間高周波電極とを備え、 第1ブースタステージの出口電極および第2ブースタス
    テージの入口電極は、両者間に、ビームイオンが高周波
    電界を受けないブースタステージ間のドリフト距離を画
    成し、前記ドリフト距離での第1ブースタステージから
    のイオン束の速度が調節されて、第2ブースタステージ
    までのイオン束の飛行時間を調節する、ターゲット基板
    へのイオン注入方法。
  18. 【請求項18】 前記速度は、第1ブースタステージの
    高周波電界の振幅を調節することによって、調節され
    る、請求項17記載のイオン注入方法。
  19. 【請求項19】 前記線形加速器アセンブリでは、第1
    質量/電荷比のビームイオンを加速するセットアップか
    ら第2質量/電荷比のビームイオンを加速するセットア
    ップへの変更は第2質量/電荷比のイオンのドリフト距
    離での速度を調節することによって行われる一方、前記
    第1、第2ブースタステージの高周波電界の位相を一定
    値に固定状態とする、請求項17記載のイオン注入方
    法。
  20. 【請求項20】 イオン注入装置であって、 第1エネルギーにある注入イオンのビームを発生するイ
    オンビーム発生器と、励起時に前記ビームのイオンを第
    2エネルギーに加速するよう設けられた高周波線形加速
    器アセンブリであって、前記アセンブリは、ビーム方向
    に沿ってタンデムの少なくとも第1、第2の高周波ブー
    スタステージを有し、各ブースタステージは入口、出口
    電極と、一連の間隙を画成し前記ビームのイオンのエネ
    ルギーを変化させる少なくとも1つの中間高周波電極と
    を備え、第1ブースタステージの出口電極および第2ブ
    ースタステージの入口電極は、両者間に、ビームイオン
    が高周波電界を受けないブースタステージ間のドリフト
    距離を画成する、励起時に前記ビームのイオンを第2エ
    ネルギーに加速するよう設けられた高周波線形加速器ア
    センブリと、 前記ドリフト距離での第1ブースタステージからのイオ
    ン束の速度を調節して、第2ブースタステージまでのイ
    オン束の飛行時間を調節するよう設けられたコントロー
    ラと、を備える、イオン注入装置。
  21. 【請求項21】 前記ドリフト距離は、入口電極と出口
    電極間の第1ブースタステージの長さより大きい、請求
    項20記載のイオン注入装置。
  22. 【請求項22】 前記ドリフト距離は、前記長さの約2
    倍である、請求項21記載のイオン注入装置。
  23. 【請求項23】 前記コントローラは、第1ブースタス
    テージの高周波電界の振幅を調節することによって、前
    記イオン束の速度を調節するよう設けられた、請求項2
    0記載のイオン注入装置。
  24. 【請求項24】 イオン注入装置であって、 第1エネルギーにある注入イオンのビームを発生するイ
    オンビーム発生器と、 励起時に前記ビームのイオンを第2エネルギーに加速す
    るよう設けられた高周波線形加速器アセンブリであっ
    て、前記アセンブリは、ビーム方向に沿ってタンデムの
    少なくとも第1、第2の共振空洞を有し、前記空洞は入
    口、出口電極と、一連の間隙を画成し前記ビームのイオ
    ンのエネルギーを変化させる複数の電極と、第1周波数
    の高周波エネルギーの第1電源を前記第1空洞に供給す
    る高周波電源とを備え、前記第1空洞は、第1周波数で
    共振しこれにより第1空洞内の電極間隙間に対応第1高
    周波加速電界を生成し、前記第1電界は位相および振幅
    を有し、前記高周波電源は前記第1周波数と同一か或い
    は調波である第2周波数の高周波エネルギーの第2電源
    を前記第2空洞に供給し、前記第2空洞は第2周波数で
    共振しこれにより第2空洞内の電極間隙間に対応第2高
    周波加速電界を生成し、前記第2電界は位相および振幅
    を有する、励起時に前記ビームのイオンを第2エネルギ
    ーに加速するよう設けられた高周波線形加速器アセンブ
    リと、 第1空洞内の第1電界の振幅を調節することによって、
    第1空洞から第2空洞までのイオン束の飛行時間を調節
    する一方、前記第1、第2電界の位相を一定値に固定状
    態とするコントローラとを備える、イオン注入装置。
  25. 【請求項25】 イオン注入装置であって、 第1エネルギーにある注入イオンのビームを発生するイ
    オンビーム発生器と、 励起時に前記ビームのイオンを第2エネルギーに加速す
    るよう設けられた高周波線形加速器アセンブリと、を備
    え、 前記アセンブリは、ビーム方向に沿ってタンデムの第
    1、第2の高周波ブースタステージを有し、各ブースタ
    ステージは入口、出口電極と、一連の間隙を画成し前記
    ビームのイオンのエネルギーを変化させる少なくとも1
    つの中間高周波電極と、前記第1、第2ブースタステー
    ジ間に配置された隣接する一対の磁気的4重極とを備
    え、前記電極はイオンが通過する複数のアパーチャを有
    し、前記第1、第2の高周波ブースタステージの全電極
    は長さLであり、電極のアパーチャはD以上のビームと
    交差する最大寸法をそれぞれ有し、L/Dは25未満で
    ある、イオン注入装置。
  26. 【請求項26】 選択された質量/電荷比(m/e)の
    イオンを注入エネルギーEから第2エネルギーに加速す
    る三間隙高周波加速器ステージの作動方法において、励
    起可能な加速器ステージに絶縁破壊を生ぜずに最大振幅
    Aの高周波電圧を供給することと、周波数fの高周波電
    圧を印加して加速器ステージに対応高周波電圧加速電界
    を生成することと、注入エネルギーEと周波数fと加速
    器ステージの第1、第2間隙間および第3、第4間隙の
    中心間の間隔d、dとを選択することを備え、高周
    波電圧振幅がA以下の状態で、第1間隙の高周波電界が
    最大減速電界から最大加速電界に上昇する時第1間隙を
    横断し、次に第2間隙の最大加速電界の間第2間隙を横
    断し、第3間隙の電界が最大減速電界から最大加速電界
    に降下した時第3間隙を横断する、三間隙高周波加速器
    ステージの作動方法。
  27. 【請求項27】 前記高周波電圧の振幅はA未満の値に
    調節されて第2エネルギーを減少させる、請求項26記
    載の方法。
  28. 【請求項28】 選択された質量/電荷比(m/e)お
    よび基板注入の所望エネルギーを有するイオンビーム発
    生装置であって、該装置は、 第1エネルギーのイオンビームを供給するイオン源と、 前記第1エネルギーのイオンビームを入力し、特に前記
    イオンのモーメントに応じてビーム方向と交差する消散
    面で前記イオンビームを消散させる分析マグネットと、 前記ビームからの選択モーメントを有するイオンが第1
    エネルギーで前記第1空洞に注入されるよう、前記消散
    面に隣接配置された入口電極を有する第1三間隙線形加
    速器空洞と、 前記第1空洞からイオンを入力する第2三間隙線形加速
    器空洞と、 前記第1、 第2空洞を通過するイオンの拡散を制御す
    る前記空洞間の一対の磁気的4重極と、を備える、イオ
    ンビーム発生装置。
  29. 【請求項29】 前記第1、第2空洞にそれぞれ高周波
    電力を通電する第1、第2の制御可能な電源と、 少なくとも前記第1高周波電源が前記第1空洞に通電す
    るよう制御されて、選択イオンのエネルギーを前記第1
    エネルギー以上の第2エネルギーに増加する第1制御モ
    ードと、前記第1、第2高周波電源の両方が第1、第2
    空洞に前記高周波電力を供給しないよう制御されて、選
    択イオンが前記第1エネルギーで前記空洞を通過する第
    2制御モードとを有する、イオンエネルギーコントロー
    ラと、を含む、請求項28記載のイオンビーム発生装
    置。
  30. 【請求項30】 それぞれ制御可能な励磁電流が前記磁
    気的4重極に供給され、前記コントローラは、前記各第
    1、第2モードで作動して前記給電を制御し、前記選択
    イオンの電流をそれぞれのモードの第2空洞から増大さ
    せる、請求項29記載のイオンビーム発生装置。
  31. 【請求項31】 イオン注入装置であって、 第1エネルギーにある注入イオンのビームを発生するイ
    オンビーム発生器と、 励起時に前記ビームのイオンを第2エネルギーに加速す
    るよう設けられた高周波線形加速器アセンブリとを備
    え、 前記アセンブリは、 ハウジングと、 ハウジング内に取付けられた複数の電極であって、前記
    電極は、前記ビームのイオンのエネルギーを変化させる
    一連の間隙を画成するとともにイオンが通過する複数の
    アパーチャを有する、ハウジング内に取付けられた複数
    の電極と、 前記電極の少なくとも1つに電気的に接続され、前記少
    なくとも1つの電極を高周波電位に励起する少なくとも
    1つの誘導コイルと、 前記コイルのまわりの導電筐体と、を備え、 前記コイルと、少なくとも1つの電極と、ハウジング
    と、導電筐体とは共に所定の共振周波数を有する高周波
    タンク回路と、前記筐体内に取付けられた結合ループ
    と、前記結合ループに高周波電力を供給可能にして前記
    電力を共振タンク回路に結合するフィードスルーとを構
    成し、前記結合ループは前記筐体内での回転調節用に取
    付けられて、タンク回路への高周波電力の結合効率を変
    化させるよう構成された、イオン注入装置。
  32. 【請求項32】 前記筐体は、壁部と、軸を有するとと
    もに前記軸を中心として回転調節用に壁部に配置される
    円形取付板とを有し、前記結合ループは一体回転調節用
    に前記取付板に装着され、前記フィードスルーは前記ル
    ープから取付板に伸長する、請求項31記載のイオン注
    入装置。
  33. 【請求項33】 前記壁部は筐体に対して外側に伸長す
    る円形封止面を有し、前記円形取付板は封止面を封止す
    る、請求項32記載のイオン注入装置。
  34. 【請求項34】 前記円形取付板および筐体壁部の隣接
    面の一方の上に調節スケールを、他方の上にマーカを有
    し、前記スケールおよびマーカは前記筐体の外部から見
    えて結合ループの所望角度位置を示す、請求項32記載
    のイオン注入装置。
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