JP6275575B2 - イオン注入装置及びイオン注入装置の制御方法 - Google Patents

イオン注入装置及びイオン注入装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、イオン注入装置に関する。
半導体製造工程では、導電性を変化させる目的、半導体ウエハの結晶構造を変化させる目的などのため、半導体ウエハにイオンを注入する工程(以下、「イオン注入工程」と称する場合がある)が標準的に実施されている。イオン注入工程で使用される装置は、イオン注入装置と呼ばれ、イオン源によってイオンを生成し、生成したイオンを加速してイオンビームを形成する機能と、そのイオンビームを真空処理室まで輸送し、処理室内のウエハにイオンビームを照射する機能を有する。
イオン注入装置は、例えば、イオン源、引出電極、質量分析磁石装置、ビーム走査装置、ビーム平行化装置、角度エネルギーフィルタ装置、ウエハ処理室等が、ビームラインに沿って配置されており、半導体用基板であるウエハにイオンを注入するように構成されている。ビームラインを構成するこれらの装置は、電圧を印加した電極間に生じる電界や、磁石装置が発生する磁界を用いてイオンビームを制御する。例えば、ビームラインを構成する装置の電極間へ印加される電圧を制御するために、高出力専用電源と低出力専用電源とが組み合わせて用いられる(特許文献1参照)。
特開平10−112277号公報
ビームラインを構成する装置の電極に印加される電圧が変化すると、ビームラインにより輸送されるイオンビームの軌道やウェハへの入射角度が変化しうる。イオンビームの軌道やウェハへの入射角度が変化すると、イオンビームとウェハとの相互作用の態様が変化し、イオン注入の処理結果に影響を与えるかもしれない。
本発明のある態様の例示的な目的のひとつは、電極装置に印加される電圧の精度を高める技術を提供することにある。
本発明のある態様のイオン注入装置は、高電圧電源と、高電圧電源の出力電圧を制御する指令信号を生成する制御装置と、出力電圧が印加される電極装置と、電極装置に印加される実電圧を計測するための測定装置と、を備える。制御装置は、高電圧電源に目標電圧を出力させるための第1指令信号を生成する第1生成部と、測定装置により計測される実電圧が目標電圧または目標電圧に近い電圧となるように第1指令信号を補完する第2指令信号を生成する第2生成部と、高電圧電源に、第1指令信号および第2指令信号を合成して得られる合成指令信号を出力する指令部と、を含む。
本発明の別の態様は、イオン注入装置の制御方法である。この方法は、高電圧電源と、高電圧電源の出力電圧を制御する指令信号を生成する制御装置と、出力電圧が印加される電極装置と、電極装置に印加される実電圧を計測するための測定装置と、を備えるイオン注入装置の制御方法であって、この方法は、高電圧電源に目標電圧を出力させるための第1指令信号を生成することと、測定装置により計測される実電圧が目標電圧または目標電圧に近い電圧となるように第1指令信号を補完する第2指令信号を生成することと、高電圧電源に、第1指令信号および第2指令信号を合成して得られる合成指令信号を出力することと、を含む。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、電極装置に印加される電圧の精度を高めることができる。
本発明のある実施の形態に係るイオン注入装置を概略的に示す上面図である。 図1に示すビーム輸送ラインユニットの一部の概略構成を示す平面図である。 図1に示す最終エネルギーフィルターの概略構成を示す側面図である。 制御装置の機能構成を示すブロック図である。 指令電圧と出力電圧の関係を模式的に示すグラフである。 測定装置が有する分圧器の構成を模式的に示す図である。 単位指令電圧とステップ電圧の関係を模式的に示すグラフである。 目標電圧と実電圧にずれが生じている様子を示すグラフである。 目標電圧と実電圧のずれを補正する様子を示すグラフである。 目標電圧と実電圧のずれを補正する様子を示すグラフである。 出力電圧補正モードで実電圧を補正する様子を示すグラフである。 出力電圧安定化モードで実電圧を補正する様子を示すグラフである。 制御装置による電圧制御の動作を示すフローチャートである。 本発明のある実施の形態に係るイオン注入装置の概略構成を示す平面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、以下に述べる構成は例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
図1は、本発明のある実施の形態に係るイオン注入装置100を概略的に示す上面図である。図1には、イオン注入装置100のビームライン部の構成要素のレイアウトが示されている。イオン注入装置100のビームライン部は、イオン源10と、被処理物のための処理室と、を備えており、イオン源10から被処理物(例えば基板またはウェハ40)に向けてイオンビームBを輸送するよう構成されている。
本書においては説明の便宜上、ビームライン部における基準軌道に沿う方向をz方向とし、z方向に直交する方向をx方向と表す。また、z方向及びx方向に直交する方向をy方向と表す。本実施の形態ではx方向は水平方向であり、y方向は鉛直方向である。
イオン注入装置100は、いわゆる高エネルギーイオン注入装置に適する。高エネルギーイオン注入装置は、高周波線形加速方式のイオン加速器と高エネルギーイオン輸送用ビームラインを有するイオン注入装置である。高エネルギーイオン注入装置は、イオン源10で発生したイオンを高エネルギーに加速し、そうして得られたイオンビームBをビームラインに沿って被処理物まで輸送し、被処理物にイオンを注入する。
図1に示すように、イオン注入装置100は、イオンを生成して質量分離するイオンビーム生成ユニット12と、イオンビームを加速して高エネルギーイオンビームにする高エネルギー多段直線加速ユニット14と、高エネルギーイオンビームの軌道をU字状に曲げるビーム偏向ユニット16と、高エネルギーイオンビームをウェハ40まで輸送するビーム輸送ラインユニット18と、輸送された高エネルギーイオンビームを均一に半導体ウェハに注入する基板処理供給ユニット20とを備える。
イオンビーム生成ユニット12は、イオン源10と、引出電極11と、質量分析装置22と、を有する。イオンビーム生成ユニット12では、イオン源10から引出電極11を通してビームが引き出されると同時に加速され、引出加速されたビームは質量分析装置22により質量分析される。質量分析装置22は、質量分析磁石22a、質量分析スリット22bを有している。質量分析スリット22bは、質量分析磁石22aの直後に配置する場合もあるが、実施例では、その次の構成である高エネルギー多段直線加速ユニット14の入り口部内に配置している。
質量分析装置22による質量分析の結果、注入に必要なイオン種だけが選別され、選別されたイオン種のイオンビームは、次の高エネルギー多段直線加速ユニット14に導かれる。高エネルギー多段直線加速ユニット14は、高エネルギーイオン注入用の基本的な複数段の高周波共振器を備える第1線形加速器15aを備える。高エネルギー多段直線加速ユニット14は、超高エネルギーイオン注入用の追加の複数段の高周波共振器を備える第2線形加速器15bを備えてもよい。高エネルギー多段直線加速ユニット14により加速されたイオンビームは、ビーム偏向ユニット16により方向が変化させられる。
イオンビームを高加速する高周波(交流方式)の高エネルギー多段直線加速ユニット14を出た高エネルギーイオンビームは、ある範囲のエネルギー分布を持っている。このため、後段の高エネルギーのイオンビームをビーム走査およびビーム平行化させてメカニカルに走査移動中のウェハに照射するためには、事前に高い精度のエネルギー分析と、中心軌道補正、及びビーム収束発散の調整を実施しておくことが必要となる。
ビーム偏向ユニット16は、高エネルギーイオンビームのエネルギー分析、中心軌道補正、エネルギー分散の制御を行う。ビーム偏向ユニット16は、少なくとも2つの高精度偏向電磁石と少なくとも1つのエネルギー幅制限スリットとエネルギー分析スリット、及び、少なくとも一つの横収束機器とを備える。複数の偏向電磁石は、高エネルギーイオンビームのエネルギー分析とイオン注入角度の精密な補正、及び、エネルギー分散の抑制とを行うよう構成されている。
ビーム偏向ユニット16は、エネルギー分析電磁石24と、エネルギー分散を抑制する横収束四重極レンズ26と、エネルギー分析スリット28と、ステアリング(軌道補正)を提供するステアリング電磁石30とを有する。エネルギー分析電磁石24は、ビーム偏向ユニット16の複数の偏向電磁石のうち最上流側の1つである。ステアリング電磁石30は、ビーム偏向ユニット16の複数の偏向電磁石のうち最下流側の1つである。なお、エネルギー分析電磁石24は、エネルギーフィルター電磁石(EFM)と呼ばれることもある。高エネルギーイオンビームは、ビーム偏向ユニット16によって方向転換され、ウェハ40の方向へ向かう。
ビーム偏向ユニット16の各偏向電磁石を通過中のイオンには、遠心力とローレンツ力が働いており、それらが釣り合って、円弧状の軌跡が描かれる。この釣合いを式で表すとmv=qBrとなる。mはイオンの質量、vは速度、qはイオン価数、Bは偏向電磁石の磁束密度、rは軌跡の曲率半径である。この軌跡の曲率半径rが、偏向電磁石の磁極中心の曲率半径と一致したイオンのみが、偏向電磁石を通過できる。言い換えると、イオンの価数が同じ場合、一定の磁場Bがかかっている偏向電磁石を通過できるのは、特定の運動量mvを持ったイオンのみである。EFMは、エネルギー分析電磁石と呼ばれているが、実際は、イオンの運動量を分析する装置である。BMや、イオン生成ユニットの質量分析電磁石も、全て運動量フィルターである。
また、ビーム偏向ユニット16は、複数の磁石を用いることで、イオンビームを180°偏向させることができる。これにより、ビームラインがU字状の高エネルギーイオン注入装置を簡易な構成で実現できる。
上述のように、ビーム偏向ユニット16は、イオン源で発生したイオンを加速してウェハまで輸送して打ち込むイオン注入装置において、高エネルギー多段直線加速ユニット14とビーム輸送ラインユニット18との間において、イオンビームの180°の偏向を複数の電磁石で行っている。エネルギー分析電磁石24およびステアリング電磁石30は、それぞれ偏向角度が90度となるように構成されており、その結果、合計の偏向角度が180度となるように構成されている。なお、一つの磁石で行う偏向量は90°に限られず、以下の組合せでもよい。
(1)偏向量が90°の磁石が1つ+偏向量が45°の磁石が2つ
(2)偏向量が60°の磁石が3つ
(3)偏向量が45°の磁石が4つ
(4)偏向量が30°の磁石が6つ
(5)偏向量が60°の磁石が1つ+偏向量が120°の磁石が1つ
(6)偏向量が30°の磁石が1つ+偏向量が150°の磁石が1つ
エネルギー分析電磁石24には高い磁場精度が必要であるので、精密な磁場測定を行う高精度な磁場測定器86が、取り付けられている。磁場測定器86は、MRP(磁気共鳴プローブ)とも呼ばれるNMR(核磁気共鳴)プローブとホールプローブとを適宜組み合わせたもので、MRPはホールプローブの校正に、ホールプローブは磁場一定のフィードバック制御にそれぞれ使用される。また、エネルギー分析電磁石24は、磁場の不均一性が0.01%未満になるように、厳しい精度で製作されている。ステアリング電磁石30にも同様に、磁場測定器86が設けられている。なおステアリング電磁石30の磁場測定器86には、ホールプローブのみ取り付けられていてもよい。さらに、エネルギー分析電磁石24及びステアリング電磁石30の各々には、電流設定精度と電流安定度とが1×10−4以内の電源とその制御機器が接続されている。
ビーム輸送ラインユニット18は、ビーム偏向ユニット16から出たイオンビームBを輸送するものであり、収束/発散レンズ群から構成されるビーム整形器32と、ビーム走査器34と、ビーム平行化器36と、静電式の最終エネルギーフィルター38(最終エネルギー分離スリットを含む)とを有する。ビーム輸送ラインユニット18の長さは、イオンビーム生成ユニット12と高エネルギー多段直線加速ユニット14との長さに合わせて設計されている。ビーム輸送ラインユニット18は、高エネルギー多段直線加速ユニット14とビーム偏向ユニット16により連結されて、全体でU字状のレイアウトを形成する。
図2は、ビーム輸送ラインユニット18の一部の概略構成を示す平面図である。ビーム偏向ユニット16(図1参照)によって必要なイオン種のみが分離され、必要なエネルギー値のイオンのみとなったビームは、ビーム整形器32により所望の断面形状に整形される。図示されるように、ビーム整形器32は、Q(四重極)レンズ等(電場式若しくは磁場式)の収束/発散レンズ群により構成される。整形された断面形状を持つビームは、ビーム走査器34により図2の紙面に平行な方向に走査される。例えば、横収束(縦発散)レンズQF/横発散(縦収束)レンズQD/横収束(縦発散)レンズQFからなるトリプレットQレンズ群として構成される。ビーム整形器32は、必要に応じて、横収束レンズQF、横発散レンズQDをそれぞれ単独で、あるいは複数組み合わせて構成することができる。
ビーム走査器34は、周期的に変化する偏向角度で走査原点Sにてイオンビームをx方向に偏向することによりイオンビームを走査するよう構成されている。走査原点Sは、ビーム走査器34への入射ビーム軌道の延長線L1(37b)とビーム走査器34からの出射ビーム軌道37a、37cの延長線との交点である。
ビーム走査器34は、周期変動する電場により、イオンビームの進行方向と直交する水平方向にイオンビームを周期的に往復走査させる偏向走査装置である。図2に示されるように、ビーム走査器34は、ビーム進行方向に関して、イオンビームの通過域を挟むようにして対向配置された一対(2枚)の走査電極34a、34b(二極式偏向走査電極)を備え、0.5Hz〜4000Hzの範囲の一定の周波数で正負に変動する三角波に近似する走査電圧が、2枚の走査電極34a、34bにそれぞれ逆符号で印加される。この走査電圧は、2枚の走査電極34a、34bのギャップ内において、そこを通過するビームを偏向させる変動する電場を生成する。そして、走査電圧の周期的な変動により、ギャップを通過するビームが水平方向に走査される。
ビーム走査器34の下流側には、イオンビームの通過域に開口を有するサプレッション電極74が2つのグランド電極78a、78bの間に配置されている。上流側には、走査電極の前方にグランド電極76aを配置しているが、必要に応じて下流側と同じ構成のサプレッション電極を配置することができる。サプレッション電極は、正電極への電子の侵入を抑制する。
スキャンハウジング内において、ビーム走査器34の下流側には、ビーム走査空間部34cが長い区間において設けられ、ビーム走査角度が狭い場合でも十分な走査幅を得られるように構成されている。ビーム走査空間部34cの下流にあるスキャンハウジングの後方には、偏向されたイオンビームを、ビーム走査偏向前のイオンビームの方向になるように調整する、つまり、ビームラインL1に平行となるように曲げ戻すビーム平行化器36が設けられている。
ビーム平行化器36で発生する収差(ビーム平行化器の中心部と左右端部の焦点距離の差)は、ビーム走査器34の偏向角の2乗に比例するので、ビーム走査空間部34cを長くして偏向角を小さくすることは、ビーム平行化器36の収差を抑えることに大きく寄与する。収差が大きいと、半導体ウェハにイオンビームを注入する際に、ウェハの中心部と左右端部とでビームサイズとビーム発散角が異なるため、製品の品質にバラツキが生じることがある。
また、このビーム走査空間部34cの長さを調整することによって、ビーム輸送ラインユニットの長さを、高エネルギー多段直線加速ユニット14の長さに合わせることができる。
ビーム平行化器36は、ビーム走査器34から入射するイオンビームを平行化するよう構成されており、x方向(水平方向)に沿って広がるビーム通過領域をビーム平行化器36の下流に形成する。ビーム平行化器36は、例えば、静電式のビーム平行化器である。
ビーム平行化器36には、電場式の平行化レンズ84が配置されている。図2に示すように、平行化レンズ84は、略双曲線形状の複数の加速電極対と減速電極対で構成されている。各電極対は、放電が起きない程度の広さの加速・減速ギャップを介して向き合っており、加速減速ギャップには、イオンビームの加減速を引き起こす軸方向の成分と、基準軸からの距離に比例して強くなって、イオンビームに横方向の収束作用を及ぼす横成分とを併せ持つ電界が形成される。
加速ギャップを挟む電極対のうち下流側の電極と、減速ギャップの上流側の電極、及び、減速ギャップの下流側の電極と次の加速ギャップの上流側の電極とは、同一電位になるように、それぞれ一体の構造体を形成している。
平行化レンズ84を上流側から見たときの最初の電極である入射電極84aと最後の電極である出射電極84gとは、接地電位に保たれている。これによって、平行化レンズ84の通過前後で、ビームのエネルギーは変化しない。
平行化レンズ84の中間の電極構造体において、加速ギャップの出口側電極と減速ギャップの入口側電極を構成する第1電極組体84b、84d、84fには、可変式定電圧を印加するための平行化レンズ用負電源91aが接続される。また、減速ギャップの出口側電極と加速ギャップの入口側電極を構成する第2電極組体84c、84eには、可変式定電圧を印加するための平行化レンズ用正電源91bが接続されている。これによって、イオンビームは加速・減速を繰り返しながら、ビームラインの基準軌道と平行な方向に段階的に向いていく。そして、最終的に偏向走査前のイオンビーム進行方向(ビームライン軌道方向)に平行な軌道に乗る。
図2に示されるように、ビーム平行化器36は、基準軌道(例えば、図2に示すビームラインL1)上に焦点Fを有する。ビーム平行化器36に入射する複数のビーム軌道37a、37b、37cはそれぞれ基準軌道に対し異なる角度を有する。ビーム平行化器36は、複数のビーム軌道37a、37b、37cのそれぞれを入射角度に応じて異なる偏向角度で偏向し、それにより複数のビーム軌道37a、37b、37cが基準軌道と平行化されるように、設計されている。ビーム平行化器36は、所与のイオン注入条件(例えば目標ビームエネルギーを含む)に応じて予め定められた電気的入力(例えば電圧)を受けて作動する。
複数のビーム軌道37a、37b、37cは、基準軌道を含む一平面上にあり、この平面において焦点Fからビーム平行化器36へとそれぞれ異なる入射角度に方向付けられている。本実施の形態においては複数のビーム軌道37a、37b、37cはビーム走査器34による走査の結果であるから、この平面は、ビーム走査器34の走査面(xz面)に相当する。これらビーム軌道のいずれか(図2においてはビーム軌道37b)が基準軌道に一致していてもよい。図2に示す実施の形態においては基準軌道はビーム平行化器36において偏向されずにビーム平行化器36を直進する。
本実施の形態に係るイオン注入装置100は、ビーム平行化器36の焦点Fがビーム走査器34の走査原点Sに一致するよう構成されている。よって、走査原点Sにおいてビーム走査器34により走査されたビームは、電場平行化レンズ等を含むビーム平行化器36により収束され、走査前のイオンビーム進行方向(ビームライン軌道方向)に平行な偏向角0度の軸(基準軸)に対して平行になる。このとき、走査領域は、基準軸に関して左右対称になる。
このようにして、ビーム輸送ラインユニット18は、高エネルギーのイオンビームのビーム走査およびビーム平行化を行う。平行化されたイオンビームは、最終エネルギーフィルター38を通じて基板処理供給ユニット20に供給される。平行化されたイオンビームは、メカニカルに走査移動中のウェハ40に高精度に照射され、ウェハ40にイオンが注入される。
図3は、図1に示す最終エネルギーフィルター38の概略構成を示す側面図である。ビーム平行化器36から出たイオンビームは、角度エネルギーフィルタ(AEF;Angular Energy Filter)である最終エネルギーフィルター38に送られる。最終エネルギーフィルター38では、ウェハに注入する直前のイオンビームのエネルギーに関する最終的な分析が行われ、必要なエネルギー値のイオン種のみが選択されるとともに、中性化した価数のない中性粒子やイオン価数の異なるイオンの除去が行われる。最終エネルギーフィルター38は、ビームライン軌道方向の上下方向に対向する少なくとも一対の平面若しくは曲面からなる板状の偏向電極であるAEF電極94により構成される。AEF電極94は、ビームライン軌道方向の上下方向において最終エネルギーフィルター38自身の偏向作用により下方に曲がっていくイオンビーム軌道に合わせて屈曲している。
図3に示すように、電界偏向用電極は、少なくとも一対のAEF電極94から構成され、イオンビームを上下方向より挟み込むように配置されている。少なくとも一対のAEF電極94のうち、上側のAEF電極94aには正電圧を印加するためのAEF電極用正電源92aが接続され、下側のAEF電極94bには負電圧を印加するためのAEF電極用負電源92bが接続されている。電界による偏向時には、少なくとも一対のAEF電極94間で発生する電界の作用によって、イオンビームを下方に約10〜20度の角度θで偏向させ、目的エネルギーのイオンビームのみが選択されることとなる。また、最終エネルギーフィルター38においては選択された価数のイオンビームのみが設定した軌道角度θで下方に偏向される。このようにして選択されたイオン種により構成されるイオンビームが正確な角度で一様に被照射物であるウェハ40に照射される。
実際に高エネルギービームを偏向する場合、上下方向に対向する少なくとも一対の板状のAEF電極94は、図3に示すように、イオンビーム軌道に合わせて屈曲させるときに、偏向角と曲率半径に合わせて、前後にn分割(nは2以上の整数)し、それぞれの上部電極および下部電極が各々同電位に保たれた板状の電極とした方が、製作精度や経済性の点で優れている。例えば、AEF電極94は、図示されるように3分割される。なお、前後にn分割された板状の偏向電極は、上部電極および下部電極を各々同電位に保つ構成のほか、n分割の上下に対をなす板状電極として、それぞれ別の電位設定とすることも可能である。
このような構造を取ることによって、電場式のエネルギーフィルターを高エネルギーのスキャンビーム輸送ラインに搭載することが可能になっている。電場によって、ビームスキャン面と直交する方向にビームを偏向するため、ビームスキャン方向の注入イオン密度分布(均一性)に影響を与えず、エネルギー分析を行うことができるようになっている。
さらに、最終エネルギーフィルター38の搭載によって、本ビームラインには、高エネルギー多段直線加速ユニット14の高周波線形加速装置、ビーム偏向ユニット16のエネルギー分析電磁石24およびステアリング電磁石30と合わせて、3種類のビームフィルターが搭載されることになる。前述のように、高エネルギー多段直線加速ユニット14は速度(v)フィルターであり、ビーム偏向ユニット16は運動量(mv)フィルターであり、最終エネルギーフィルター38はその名の通りエネルギー(mv/2)フィルターである。このように、方式の異なる三重のフィルターをかけることにより、従来と比べてエネルギー純度が高いだけでなく、パーティクルやメタルコンタミネーションも少ない非常に純粋なイオンビームをウェハに供給できるようになっている。
なお、機能的には、エネルギー分析電磁石24は高分解能で、高エネルギー多段直線加速ユニット14をすり抜けたエネルギーコンタミネーションの除去やエネルギー幅の制限を行ってもよい。また、最終エネルギーフィルター38は比較的低分解能で、エネルギー分析電磁石24によるエネルギー分析後のビーム輸送ラインユニットで、主にレジストアウトガスによって価数が変化したイオンを除去する役割を担ってもよい。
最終エネルギーフィルター38は、AEF電極94の上流側に設けられるグランド電極96と、下流側に設けられるサプレッション電極装置98を備える。サプレッション電極装置98は、二枚のグランド電極の間に1枚のサプレッション電極が設けられる構成を有し、正電圧が印加される上側AEF電極94aへの電子の侵入を抑制する。
図1に示されるように、ビーム輸送ラインユニット18の下流側の終端には、基板処理供給ユニット20が設けられており、注入処理室の中に、イオンビームBのビーム電流、位置、注入角度、収束発散角、上下左右方向のイオン分布等を計測するビームモニタ102、イオンビームBによるウェハ40の帯電を防止する帯電防止装置、ウェハ40を搬入搬出し適正な位置・角度に設置するウェハ搬送機構、イオン注入中ウェハ40を保持するESC(Electro Static Chuck)、注入中ビーム電流の変動に応じた速度でウェハ40をビーム走査方向と直角方向に動かすウェハスキャン機構が収納されている。基板処理供給ユニット20は、ウェハ40のメカニカルスキャンを提供するよう構成されている。
ビームモニタ102は、被処理物へのイオンビームBのx方向注入角度を測定するよう構成されている。ビームモニタ102は、例えば0.1°以下の測定誤差でビーム角度を測定する高精度の角度モニタである。また、ビームモニタ102は、被処理物へのイオンビームBのx方向注入位置を測定するよう構成されている。よって、ビームモニタ102はイオンビームの位置モニタでもある。ビームモニタ102は、被処理物の位置またはその近傍の測定位置でイオンビームBを事前に測定し、注入処理中は測定位置から待避し測定を停止するか又は測定位置の近傍でビームをモニタする。
ビームモニタ102は、既知の位置を有するスリットと、スリットの下流に配置されたビーム検出器と、を備えてもよい。ビーム検出器は例えば、一次元または二次元に配列されたビーム検出素子を有する。ビーム検出器により検出されたビーム受光点とスリットとの相対位置からイオンビームBの進行方向を取得することができる。ビームモニタ102は、基準軌道に垂直な面内で(例えばビーム走査方向に)移動可能であってもよく、当該面内の任意の位置でビーム角度を測定してもよい。
なお、ビームモニタ102は、ビーム平行化器36と被処理物との間に配置され、被処理物の上流でイオンビームBを測定してもよい。あるいは、ビームモニタ102は、被処理物の背後に配置され、被処理物の下流でイオンビームBを測定してもよい。
また、イオン注入装置100は、イオン注入装置100の全体又はその一部(例えばビームライン部の全体又はその一部)を制御するための制御装置104を備える。制御装置104は、ビームモニタ102の測定結果に基づいてステアリング電磁石30における偏向磁場を補正したり、ビーム走査器34における走査電圧を制御したりするよう構成されている。
また、制御装置104は、ビーム輸送ラインユニット18に設けられる電極装置に可変式定電圧を印加するための高電圧電源の動作を制御する。ここで、ビーム輸送ラインユニット18に設けられる電極装置は、ビーム平行化器36における平行化レンズ84や、最終エネルギーフィルター38におけるAEF電極94などである。また、これらの電極装置に定電圧を印加する高電圧電源は、ビーム平行化器36における平行化レンズ用電源91a、91bや、最終エネルギーフィルター38におけるAEF電極用電源92a、92bなどである。本実施例では、これらの電極装置に印加される電圧を精度良く制御することにより、ウェハ40に入射するイオンビームの平行度や入射角度の精度を高め、イオン注入処理の品質を高める。
図4は、制御装置104の機能構成を示すブロック図である。制御装置104は、電極装置80に定電圧HVを印加するための高電圧電源90と、電極装置80に印加される実電圧HVを計測するための測定装置120に接続されている。制御装置104は、測定装置120により計測される実電圧HVが目標電圧または目標電圧に近い電圧となるように、高電圧電源90の出力電圧を制御する指令信号を送信する。
本明細書のブロック図において示される各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組み合わせによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者に理解されるところである。
電極装置80は、高電圧電源90からの出力電圧HVが印加される電極体を備える装置であり、例えば、上述した平行化レンズ84を含む平行化レンズ電極装置や、上述したAEF電極94を含む角度エネルギーフィルタ電極装置などである。電極装置80は、上述したイオン源10からイオンを引き出すための引出電極11であってもよく、イオン注入装置100に設けられる静電式の電極構造を有する装置であれば、いかなる装置であってもよい。電極装置80は、例えば、ビーム走査器34に設けられるサプレッション電極74や、最終エネルギーフィルター38に設けられるサプレッション電極装置98であってもよい。
高電圧電源90は、制御装置104から指令される指令信号の電圧値V(以下、指令電圧Vともいう)に応じた出力電圧HVを出力する可変式定電圧電源である。高電圧電源90は、制御装置104からの指令信号を受信するための制御端子と、所望の高電圧を出力する高電圧出力端子とを有する。高電圧電源90の制御端子は、制御装置104に接続され、高電圧電源90の高電圧出力端子は、電極装置80の電極体に接続される。
図5は、指令電圧Vと出力電圧HVの関係を模式的に示すグラフである。高電圧電源90は、グラフに示される関係にしたがい、制御装置104から指令される指令電圧Vに対応する値の高電圧HVを出力する。図5では、例示として、指令電圧Vおよび出力電圧HVが比例関係(HV=αV、αは比例係数)にあり、高電圧電源90の出力可能な最大電圧が60kVである場合を示している。また、10Vの指令電圧Vに対して60kVの出力電圧HVが得られる場合を示しており、比例係数α=6000となる。例えば、指令電圧V=5Vにすれば、出力電圧HV=30kVが得られる。なお、高電圧電源90における出力電圧HVと指令電圧Vの関係は、必ずしも比例する必要はなく、任意の関数fによりHV=f(V)と表される関係を有してもよい。
図4に戻り、測定装置120について述べる。測定装置120は、電極装置80に印加される実電圧HVを測定するための計測器である。測定装置120は、高電圧である実電圧HVを測定するための分圧器を有し、分圧された測定電圧Vを制御装置104に出力する。
図6は、測定装置120が有する分圧器125の構成を模式的に示す図である。分圧器125は、第1抵抗121a−cと、第2抵抗122a−cと、第3抵抗123と、第4抵抗124と、測定端子126と、分圧端子127と、基準端子128とを有する。
測定端子126と分圧端子127の間には、複数の抵抗体として、一以上の第1抵抗121a−cおよび一以上の第2抵抗122a−cが直列接続される。第1抵抗121a−cは、抵抗の温度係数が正(+)である正温度係数抵抗器で構成され、第2抵抗122a−cは、抵抗の温度係数が負(−)である負温度係数抵抗器で構成される。正温度係数抵抗器と負温度係数抵抗器を組み合わせることによって、測定端子126と分圧端子127の間の合計の抵抗値である第1抵抗値R1が温度によって変化してしまう影響を低減できる。なお、抵抗値変化の影響を小さくするには、正温度係数である第1抵抗121a−cと負温度係数である第2抵抗122a−cのそれぞれの数が同数であることが望ましい。より好ましくは、正温度係数である第1抵抗121a−cによる抵抗の合計値と、負温度係数である第2抵抗122a−cによる抵抗の合計値が等しいことが望ましい。
分圧端子127と基準端子128の間には、複数の抵抗体として、一以上の第3抵抗123と一以上の第4抵抗124が直列接続される。第3抵抗123は、正温度係数抵抗器で構成され、第4抵抗124は、負温度係数抵抗器で構成される。上述した第1抵抗値R1と同様に、正温度係数抵抗器と負温度係数抵抗器を組み合わせることによって、分圧端子127と基準端子128の間の合計の抵抗値である第2抵抗値R2が温度により変化する影響を低減できる。また、抵抗値変化の影響を小さくするには、正温度係数である第3抵抗123と負温度係数である第4抵抗124のそれぞれの数が同数であることが望ましく、第3抵抗123による抵抗の合計値と、第4抵抗124による抵抗の合計値が等しいことがより好ましい。
測定端子126は、電極装置80の電極体に接続され、電極装置80にかかる実電圧HVが印加される。基準端子128は、基準電圧が印加される端子であり、例えば、グランド電位が印加されるグランド端子である。分圧端子127は、分圧された測定電圧Vが取り出し可能な端子であり、制御装置104に接続される。測定電圧Vの電圧値は、分圧器125の第1抵抗値R1および第2抵抗値R2により定められ、V=HV×R2/(R1+R2)と表される。例えば、500MΩの抵抗値を有する第1抵抗および第2抵抗を三つずつ用いるとともに、150kΩの抵抗値を有する第3抵抗および第4抵抗を一つずつ用いる場合、R1=3000MΩ、R2=300kΩとなり、分圧比は約1:10000となる。したがって、分圧端子127に出力される測定電圧Vと分圧比を用いることにより、電極装置80に印加される実電圧HVを得ることができる。また、分圧比を決める複数の抵抗体として、正温度係数抵抗器と負温度係数抵抗器を組み合わせることにより、抵抗体の温度による分圧比の変化を低減し、実電圧HVの値を精度良く導出することができる。
分圧器125は、複数の抵抗体を格納するための筐体130と、冷却機構132を有する。冷却機構132は、筐体130の内部に設けられる抵抗体を冷却するためのものであり、例えば、通気口133と、冷却ファン134により構成される。冷却機構132は、冷却ファン134を駆動させて通気口133から空気を取り込み、筐体130の内部に空気の流れ(例えば、W方向)を作ることにより、抵抗体を空冷する。これにより、高電圧が印加されることによる抵抗体の温度上昇を抑制し、分圧比の温度変化を低減させ、精度の高い実電圧HVの値が得られるようにする。なお、冷却機構132は、空冷式に限られず、水冷式のものを用いてもよい。また、抵抗体にヒートシンクやペルチェ素子などを取り付けて冷却効率を高めることとしてもよい。
なお、図4では、例示的に電極装置80を一つだけ示しているが、電極装置80は複数設けられてもよく、複数の電極装置80のそれぞれに異なる直流高電圧を印加するために、高電圧電源90が複数設けられていてもよい。また、それぞれの電極装置80に印加される実電圧を測定可能となるように、測定装置120も複数設けられていてもよい。例えば、平行化レンズ用負電源91a、平行化レンズ用正電源91b、AEF電極用正電源92a、AEF電極用負電源92bのそれぞれに対応する4台の高電圧電源90が設けられてもよい。なお、高電圧電源90は、複数の高電圧出力端子を有し、それぞれが独立した高電圧を出力可能となるように構成されていてもよい。この場合、1台の高電圧電源90が複数の電極装置のそれぞれに所望の高電圧を供給する役割を有してもよい。また、測定装置120は、分圧器を有しない構成であってもよく、実電圧HVを測定するとともに、実電圧HVを表す測定値を制御装置104に出力可能な他の構成を有してもよい。
つづいて、制御装置104の機能構成について述べる。制御装置104は、管理部106と、第1生成部110と、第2生成部112と、指令部114を含む。第1生成部110は、管理部106からの第1指令値Sに基づき第1指令信号を生成し、第2生成部112は、管理部106からの第2指令値Sに基づき第2指令信号を生成する。指令部114は、第1指令信号と第2指令信号を合成して得られる合成指令信号を生成し、生成した合成指令信号を高電圧電源90に送信する。
第1生成部110および第2生成部112のそれぞれは、管理部106から受信するデジタルの指令値S、Sをアナログの指令電圧V、Vを有する指令信号に変換するD/A(Digital to Analog)コンバータを含む。第1生成部110に含まれる第1D/Aコンバータは、第1指令値Sに基づいて第1指令電圧Vの第1指令信号を生成し、第2生成部112に含まれる第2D/Aコンバータは、第2指令値Sに基づいて第2指令電圧Vの第2指令信号を生成する。
第1D/Aコンバータおよび第2D/Aコンバータは、それぞれ出力可能な電圧範囲が異なり、第2D/Aコンバータよりも第1D/Aコンバータの方が出力可能な電圧範囲が広くなるように設定される。例えば、第1D/Aコンバータは、第1指令電圧Vが0V〜10Vの範囲内となる第1指令信号を出力し、第2D/Aコンバータは、第2指令電圧Vが−0.05V〜0.05Vの範囲内となる第2指令信号を出力する。したがって、第1指令電圧Vの変更により調整可能な出力電圧HVの変化幅は0〜60kVとなり、第2指令電圧Vの変更により調整可能な出力電圧HVの変化幅は−300V〜+300Vとなる。つまり、第1指令電圧Vの変更により調整可能な範囲よりも、第2指令電圧Vの変更により調整可能な範囲が小さく設定される。
第1D/Aコンバータおよび第2D/Aコンバータは、高電圧電源90に送信する指令電圧を微調整可能となるように、分解能が高いことが望ましい。本実施例では、第1D/Aコンバータおよび第2D/Aコンバータとして、16ビットのD/Aコンバータを用いる。16ビットのD/Aコンバータを用いると、指令値を2バイトの情報量で扱えるため、制御装置104において扱いやすい。16ビットの場合、第1D/Aコンバータにおいて、第1指令値の単位量(1ビット)変化に対応する第1指令電圧Vの変化(以下、第1単位指令電圧ΔVともいう)は、ΔV=10V/216=1.53×10−4Vである。一方、第2D/Aコンバータの入力において、第2指令値の単位量変化に対応する第2指令電圧Vの変化(以下、第2単位指令電圧ΔVともいう)は、ΔV=0.1V/216=1.53×10−6Vである。なお、D/Aコンバータの分解能は16ビットに限られず、16ビットよりも高い分解能のものを用いてもよいし、低い分解能のものを用いてもよい。
指令部114は、第1生成部110が生成する第1指令信号と第2生成部112が生成する第2指令信号とを合成して合成指令信号を生成する。指令部114は、第1D/Aコンバータの出力に接続される第1入力端子と、第2D/Aコンバータの出力に接続される第2入力端子と、出力端子とを有する加算器を含む。加算器は、第1指令信号の第1指令電圧Vと第2指令信号の第2指令電圧Vを加算して、合成指令電圧V=V+Vである合成指令信号を生成する。指令部114は、加算器により得られる合成指令信号を高電圧電源90に出力する。
図7は、単位指令電圧とステップ電圧の関係を模式的に示すグラフであり、図5に示す領域Aの拡大図である。図7では、合成指令電圧Vと出力電圧HVの対応関係を示しており、第1単位指令電圧ΔVに対応する出力電圧HVの変化量である第1ステップ電圧ΔHVと、第2単位指令電圧ΔVに対応する出力電圧の変化量である第2ステップ電圧ΔHVを模式的に示している。例えば、10Vの指令電圧Vに対して60kVの出力電圧HVが得られる高電圧電源90の場合、ΔV=1.53×10−4Vに対応する第1ステップ電圧ΔHVは約9.2Vとなり、ΔV=1.53×10−6Vに対応する第2ステップ電圧ΔHVは、約0.09Vとなる。
このようにして、本実施例では、第1指令信号の変化に対応する第1ステップ電圧ΔHVよりも、第2指令信号の変化に対応する第2ステップ電圧ΔHVを小さくしており、その比率は、ΔHV/ΔHV=1/100である。ステップ電圧の大きさに差を設けることで、第1指令信号により出力電圧を大まかに制御するとともに、第2指令信号により出力電圧を微調整することができる。なお、ステップ電圧の比率は1/100に限られず、例えば、ΔHV/ΔHV=1/10〜1/1000程度となるように制御装置104を構成してもよい。
管理部106は、電極装置80に印加すべき目標電圧HVを設定し、高電圧電源90に目標電圧HVを出力させるための第1指令値Sを第1生成部110に送信する。第1指令値Sは、例えば、16ビットのD/Aコンバータに対応して16ビットの指令値を含む。管理部106は、ビームモニタ102により計測される値や、受付部(不図示)を介してユーザから受け付ける入力値に基づいて目標電圧HVを設定する。
管理部106は、測定装置120から測定電圧Vを取得して電極装置80に印加されている実電圧HVを算出する。管理部106は、実電圧HVの計測精度を高めるために、所定の計測期間にわたって計測される測定電圧Vを用いて平均値を算出したり、測定電圧Vに対して統計処理を施したりすることにより、算出される実電圧HVの精度を高めてもよい。また、管理部106は、測定電圧Vをデジタル値に変換するA/D(Analog to Digital)コンバータを含み、A/Dコンバータにより得られるデジタル値を用いて実電圧HVの値を算出してもよい。
管理部106は、実電圧HVと目標電圧HVを比較して目標補正電圧ΔHV=HV−HVを求める。管理部106は、実電圧HVが目標電圧HVまたは目標電圧HVに近い電圧となるように、目標補正電圧ΔHVを補完するための第2指令値Sを指令部114に送信する。目標補正電圧ΔHVの算出は、所定の更新期間ごとになされ、その更新期間の経過ごとに目標補正電圧ΔHVを補完するための第2指令値Sが指令部114に送信される。第2指令値Sは、第1指令値Sと同様に、例えば、16ビットのD/Aコンバータに対応して16ビットの指令値を含む。
つづいて、第2指令信号を用いた補完処理の必要性について述べる。図4に示す電源制御システムを用いる場合、目標電圧HVに対応した指令電圧Vの指令信号を制御装置104から高電圧電源90に送信すれば、目標電圧HVがそのまま電極装置80に印加されるはずである。例えば、目標電圧HV=30kVであれば、指令電圧V=5Vにすればよく、第1指令電圧V=5V、第2指令電圧V=0Vとすればよいかもしれない。しかしながら、図5に示される指令電圧Vと出力電圧HVの関係は、特定の条件下で成立するものであり、高電圧電源90の置かれる環境によっては、図5に示す関係にしたがった電圧が電極装置80に印加されないかもしれない。例えば、高電圧電源90の出力が温度依存性を有する場合、通電により高電圧電源90の温度が上昇すると、電極装置80に印加される実電圧HVが変化しうる。また、高電圧電源90の高電圧出力端子には電極装置80や測定装置120が接続されるため、制御システム全体としてのインピーダンスが影響し、高電圧電源90の出力電圧HVと電極装置80に実際に印加される実電圧HVとが一致しないかもしれない。そうすると、電極装置80がイオンビームに対して与える静電的な作用量が変化し、イオンビームの品質が低下するかもしれない。そこで、本実施例では、このような指令信号の変更に起因しない印加電圧のずれを補完するために第2指令信号を用いる。
図8は、目標電圧HVと実電圧HVR1にずれが生じている様子を示すグラフである。本図は、図5に示す比例係数αを用いてHV=αVの関係を満たす第1指令電圧Vが高電圧電源90に送信されているにもかかわらず、測定装置120により測定される実電圧HVR1が目標電圧HVと異なっている状態を示している。仮に、ある条件下における実電圧HVと指令電圧Vの関係性がHV=βVと表わせたとすると、ここで定義する比例係数βは、出力電圧HVとの比例係数αと異なるかもしれない。そのため、目標電圧HVを出力させるための第1指令電圧Vを送信したとしても、電極装置80に印加される実電圧HVR1が目標電圧HVと異なり、差分電圧ΔHVが生じるかもしれない。
図9は、目標電圧HVと実電圧HVR1のずれを補正する様子を示すグラフであり、目標補正電圧ΔHVを補完するための補正指令電圧ΔVC1を示している。補正指令電圧ΔVC1は、出力電圧HVを目標補正電圧ΔHVだけ変化させるのに必要な電圧値に相当し、ΔHV=αΔVC1の関係を満たす。本実施例では、補正指令電圧ΔVC1と同じ第2指令電圧VB1を有する第2指令信号を用いることで、目標補正電圧ΔHVのずれを補正する。その一方で、第1指令電圧Vは、目標電圧HVに対応する値のままとする。したがって、本補正により、高電圧電源90に送信される合成指令電圧VC1は、VC1=V−VB1(=V−ΔVC1)となる。このように、第2指令信号により補完された合成指令信号を送信することで、電極装置80に印加される実電圧HVを目標電圧HVに近づけることができる。
図10は、目標電圧HVと実電圧HVR2のずれを補正する様子を示すグラフであり、図9に示す合成指令電圧VC1を用いることにより生じた第2の目標補正電圧ΔHVを補正する様子を示す。例えば、ある条件下において、実電圧HVと指令電圧Vとの関係がHV=βVであるとすると、図9に示す状態において比例係数αによるΔHV=αΔVC1の関係を用いて補正をしても、第2の差分電圧ΔHVが残ってしまうおそれがある。そこで、第2の差分電圧ΔHVのずれを補正するために、ΔHV=αΔVC2の関係を用いてさらなる補正を行う。なお、第2指令電圧VB1には、すでに第1の目標補正電圧ΔHVを補正するための第1の補正電圧ΔVC1が含まれているため、本補正がなされた後の第2指令電圧VB2を、VB2=ΔVC1−ΔVC2とする。その一方で、第1指令電圧Vは、目標電圧HVに対応する値のままとする。したがって、高電圧電源90に送信される合成指令電圧VC2は、VC2=V−VB2(=V−(ΔVC1−ΔVC2)となる。このようにして第2指令電圧VB2を更新することにより、電極装置80に印加される実電圧HVを目標電圧HVにより近づけることができる。
管理部106は、実電圧HVを目標電圧HVに近づけて一致させるために、第2生成部112に送信する第2指令値Sの値を定期的に更新する。更新のタイミングは、例えば、20秒間隔である。管理部106は、更新期間である20秒間において、200ミリ秒ごとに測定電圧Vを取得し、計100回取得した測定電圧Vに基づいて、その更新期間での基準となる実電圧HVを算出して目標補正電圧ΔHVを求める。管理部106は、さらに、目標補正電圧ΔHVを補完するための補正指令電圧ΔVを算出し、前回更新時の第2指令電圧VB1の値に補正指令電圧ΔVを加味した新たな第2指令電圧VB2を求める。そして、新たな第2指令電圧VB2の値を表すこととなる第2指令値Sを生成し、第2生成部112に送信する。
なお管理部106は、1回の更新において変動させる出力電圧の変動幅に上限を設けてもよい。管理部106は、実電圧HVが目標電圧HVに近づくまで、第2指令信号の更新による出力電圧の電圧変動が第1閾値電圧以内となるように第2指令信号の更新を制限する「出力電圧補正モード」を提供してもよい。ここで、第1閾値電圧は、1回の更新における電圧変動の上限値を示し、例えば、第1閾値電圧として200Vが設定される。「出力電圧補正モード」では、目標補正電圧ΔHVが200Vを超える場合であっても、1回の更新における電圧変動幅を200V以内とする。いいかえれば、出力電圧の電圧変動幅が第1閾値電圧VT1以内となるように、更新タイミングにおける第2指令電圧Vの変化量を制限する。第1閾値電圧VT1=200V、比例係数α=6000とすると、第2指令電圧Vの変化量は、VT1/α=3.3×10−2Vが上限となる。
図11は、出力電圧補正モードで実電圧HVを補完する様子を示すグラフであり、それぞれの更新タイミングt1〜t5における電圧変動幅が第1閾値電圧VT1以内となるように制限される条件下で、実電圧HVを目標電圧HVに近づけていく様子を示している。仮に、1回の更新タイミングにおける電圧変動幅を制限しないこととすると、更新のたびに目標補正電圧ΔHVを超えて出力電圧が変動する可能性がある。そうすると、更新ごとに目標電圧HVを上回る電圧と目標電圧HVを下回る電圧とが交互に出力され、実電圧HVが不安定になるおそれがある。一方、図11に示すように、1回の更新による電圧変動幅を制限することにより、実電圧HVを目標電圧HVに徐々に近づけていくことができるため、実電圧HVを安定的に目標電圧HVに近づけることができる。
管理部106は、実電圧HVRが目標電圧HVTに近づいた場合、第2指令信号の更新による出力電圧の電圧変動をさらに制限する「出力電圧安定化モード」を提供してもよい。「出力電圧安定化モード」では、目標補正電圧ΔHVが第1閾値電圧VT1よりも小さい第2閾値電圧VT2以内となった場合、それ以降の更新タイミングにおいて、第2指令信号の更新による出力電圧の電圧変動が第2閾値電圧VT2以内となるようにする。いいかえれば、出力電圧の電圧変動幅が第2閾値電圧VT2以内となるように、更新タイミングにおける第2指令電圧Vの変化量を制限する。例えば、第2閾値電圧VT2=2V、比例係数α=6000とすると、第2指令電圧Vの変化量は、VT2/α=3.3×10−4Vが上限となる。
図11では、更新タイミングt5において実電圧HVと目標電圧HVの差である目標補正電圧ΔHVが第2閾値電圧VT2以内となっている様子を示している。そこで、管理部106は、更新タイミングt5以降において、1回の更新タイミングごとの電圧変動幅を第2閾値電圧VT2以内に制限することとする。
図12は、出力電圧安定化モードで実電圧HVを補完する様子を示すグラフであり、図11に示す更新タイミングt5以降の実電圧HVの推移を示している。目標電圧HVとの差が第2閾値電圧VT2以内となった場合、管理部106は、出力電圧安定化モードに移行する。実電圧HVが目標電圧HVの近くに安定化された状態にて一時的な電圧変動が発生する場合に、それに合わせて実電圧HVを大きく変化させてしまうと、かえって実電圧HVが安定しなくなるおそれがある。そこで、出力電圧安定化モードでは、図12の更新タイミングt8、t9に示されるように、目標補正電圧ΔHVが第2閾値電圧VT2を超える場合であっても、1回の更新による電圧変動幅を第2閾値電圧VT2以内とする。これにより、イオン注入装置を稼働させている期間にわたって、実電圧HVが目標電圧HVに一致する値または近い値になるように安定化させることができる。これにより、イオン注入処理の品質を高めることができる。
図13は、制御装置104による電圧制御の動作を示すフローチャートである。制御装置104は、電圧制御の動作態様を出力電圧補正モードに設定し(S12)、目標電圧HVに対応する第1指令電圧Vの第1指令信号を高電圧電源90に指令し(S14)、測定装置120を介して電極装置80に印加される実電圧HVを測定する(S16)。動作態様が出力電圧補正モードであり(S18のY)、目標補正電圧ΔHVが第2閾値電圧VT2以上である場合(S20のY)、電圧変動の上限が第1閾値電圧VT1となるように第2指令信号を生成する(S22)。一方、目標補正電圧ΔHVが第2閾値電圧VT2未満である場合(S20のN)、電圧制御の動作態様を出力電圧安定化モードに設定し(S24)、電圧変動の上限が第2閾値電圧VT2となるように第2指令信号を生成する(S26)。
その後、第1指令信号と第2指令信号を合成した合成指令信号を生成し、生成した合成指令信号を高電圧電源90に指令する(S28)。目標電圧が変更されていれば(S30のY)、本フローを終了する。目標電圧が変更されていなければ(S30のN)、S16〜S28の処理を繰り返す。なお、S16〜S28の処理が繰り返される前に、S26において出力電圧安定化モードに設定されていれば(S18のN)、S20〜S24の処理をスキップし、電圧変動の上限が第2閾値電圧VT2となるように第2指令信号を生成し(S26)、その第2指令信号が合成された合成指令信号を高電圧電源90に指令する(S28)。
本実施の形態に係るイオン注入装置100によれば、測定装置120を用いて電極装置80に印加される実電圧HVを計測し、計測した実電圧HVに基づいて出力電圧を補正するため、目標電圧HVまたは目標電圧HVにより近い値の実電圧HVを実現できる。例えば、高電圧電源90に内蔵されるリードバック出力を基準とする場合、高電圧電源90が発する熱の影響により温度ドリフトを引き起こし、実電圧HVとリードバック出力の間にずれが生じるおそれがある。そうすると、誤った基準電圧に基づいたフィードバック制御がなされてしまい、実電圧HVが目標電圧HVからずれ、所望の品質を有するイオンビームが出力されなくなるおそれがある。本実施の形態によれば、正負の温度係数を有する抵抗を組み合わせた測定装置120を用いて電極装置80に印加される実電圧HVを計測するため、温度変化による計測誤差の発生を抑制することができる。これにより、電極装置80に印加される実電圧HVを精度良く目標電圧HVに一致させ、または、近づけることができる。
また、本実施の形態によれば、第1指令信号と第2指令信号が合成された指令信号が高電圧電源90へ送信される。設定可能な電圧範囲が広い第1指令信号と、単位量あたりの設定電圧が細かい第2指令信号とを組み合わせることにより、広い電圧範囲にわたって高い精度で出力電圧を設定できる。特に、イオン注入装置100が備える平行化レンズ電極装置や角度エネルギーフィルタ電極装置には、ウェハに照射すべきイオンビームのイオン種、価数、エネルギー、電流量などの様々な条件に応じて異なる電圧が印加されうる。その印加電圧の設定範囲は、数百V程度の低電圧から数十kV程度の高電圧まで広範にわたり、また、一定のビーム品質を維持するためには、印加電圧の精度を1%以下の精度で決める必要がある。本実施の形態によれば、±2V程度の精度で印加電圧を安定化させることができるため、数百V程度の低電圧を印加する場合であっても印加電圧の精度を0.5%程度に高めることができ、また、同じ電源を用いて数十kVの高電圧を印加することもできる。
また、本実施の形態によれば、第1指令信号を目標電圧に対応する値に固定し、第2指令信号のみを用いて出力電圧の補完をするため、双方の指令信号を制御する場合と比べて制御態様を簡素化することができる。
なお、変形例においては、第1指令信号および第2指令信号の双方の電圧値を変化させて、出力電圧を制御することとしてもよい。例えば、第2指令信号により補正可能な電圧範囲を超えた補正が必要な場合には、第1指令信号により大まかな電圧補正を行うとともに、第2指令信号により目標電圧に近づけるための微補正を行ってもよい。また、目標電圧HVの値が第1指令信号に対応する第1ステップ電圧ΔHV刻みでは実現できない中間的な電圧値であるような場合に、目標電圧HVを出力させるための指令信号として、第1指令信号と第2指令信号とを組み合わせた信号を用いてもよい。
上述の実施の形態では高エネルギーイオン注入装置に適するイオン注入装置100を例に挙げて説明したが、本発明は、ビーム偏向器、ビーム走査器、及びビーム平行化器を有する他のイオン注入装置にも適用することができる。ある実施の形態においては、例えば、図14に示されるように、高エネルギー多段直線加速ユニット14を有しないイオン注入装置200において、イオン注入装置200が備える電極装置への印加電圧の制御に適用してもよい。
図14は、本発明のある実施の形態に係るイオン注入装置200の概略構成を示す平面図である。イオン注入装置200は、図示されるように複数のビームライン構成要素を備える。イオン注入装置200のビームライン上流部分は、上流側から順に、イオン源201、質量分析装置202、ビームダンプ203、リゾルビングアパチャー204、及び、電流抑制機構205を備える。イオン源201と質量分析装置202との間には、イオン源201からイオンを引き出すための引出電極(図示せず)が設けられている。電流抑制機構205は、一例としてCVA(Continuously Variable Aperture)を備える。CVAは、駆動機構により開口サイズを調整できるアパチャーである。
イオン注入装置200のビームライン下流部分は、上流側から順に、第1XY収束レンズ206、第2XY収束レンズ208、ビーム走査器209、Y収束レンズ210、ビーム平行化器211、AD(Accel/Decel)コラム212、及びエネルギーフィルター213を備える。ビームライン下流部分の最下流部にウェハ214が配置されている。イオン源201からビーム平行化器211までのビームライン構成要素は、ターミナル216に収容されている。なお、例えば第1XY収束レンズ206と第2XY収束レンズ208の間に、イオンビームの経路に対して出し入れ可能なビーム電流計測器(図示せず)が設けられていてもよい。
第1XY収束レンズ206、第2XY収束レンズ208、及び、Y収束レンズ210は、縦横方向のビーム形状(XY面内のビーム断面)を調整するためのビーム整形器を構成する。このように、ビーム整形器は、質量分析装置202とビーム平行化器211との間でビームラインに沿って配設されている複数のレンズを備える。ビーム整形器は、これらのレンズの収束/発散効果によって、広範囲のエネルギー・ビーム電流の条件で下流まで適切にイオンビームを輸送することができる。
第1XY収束レンズ206は例えばQレンズであり、第2XY収束レンズ208は例えばXY方向アインツェルレンズであり、Y収束レンズ210は例えばY方向アインツェルレンズまたはQレンズである。第1XY収束レンズ206、第2XY収束レンズ208、及びY収束レンズ210は、それぞれ単一のレンズであってもよいし、レンズ群であってもよい。このようにして、ビーム整形装置は、ビームポテンシャルが大きくビームの自己発散が問題となる低エネルギー/高ビーム電流の条件から、ビームポテンシャルが小さくビームの断面形状制御が問題となる高エネルギー/低ビーム電流の条件まで、イオンビームを適切に制御できるように設計されている。
エネルギーフィルター213は例えば、偏向電極、偏向電磁石、またはその両方を備えるAEF(Angular Energy Filter)である。
イオン源201で生成されたイオンは、引出電場(図示せず)によって加速される。加速されたイオンは、質量分析装置202で偏向される。こうして、所定のエネルギーと質量電荷比を持つイオンのみがリゾルビングアパチャー204を通過する。続いて、イオンは、電流抑制機構(CVA)205、第1XY収束レンズ206、及び第2XY収束レンズ208を経由して、ビーム走査器209へと導かれる。
ビーム走査器209は、周期的な電場または磁場(またはその両方)を印加することでイオンビームを横方向(縦方向または斜め方向でもよい)に往復走査する。ビーム走査器209によって、イオンビームはウェハ214上で横方向に均一な注入ができるように調整される。ビーム走査器209で走査されたイオンビーム215は、電場または磁場(またはその両方)の印加を利用するビーム平行化器211で進行方向を揃えられる。その後、イオンビーム215は、電場を印加することによりADコラム212で所定のエネルギーまで加速または減速される。ADコラム212を出たイオンビーム215は最終的な注入エネルギーに達している(低エネルギーモードでは、注入エネルギーよりも高いエネルギーに調整し、エネルギーフィルター内で減速させながら偏向させることも行われる。)。ADコラム212の下流のエネルギーフィルター213は、偏向電極または偏向電磁石による電場または磁場(またはその両方)の印加によりイオンビーム215をウェハ214の方へと偏向する。それにより、目的とするエネルギー以外のエネルギーを持つコンタミ成分が排除される。こうして浄化されたイオンビーム215がウェハ214に注入される。
このようにして、イオン注入装置200のビームライン上流部分は、イオン源201及び質量分析装置202を備え、イオン注入装置200のビームライン下流部分は、ビーム走査器209の上流に配設されイオンビームの収束または発散を調整するビーム整形器と、ビーム走査器209と、ビーム平行化器211と、を備える。ビーム整形器は、第1XY収束レンズ206であってもよい。
ウェハ214の近傍には、ビームモニタ217が設けられている。ビームモニタ217は、ビーム平行化器211の下流に配設され、イオンビームBのビーム電流、位置、注入角度、収束発散角、上下左右方向のイオン分布等を計測する。ビームモニタ217は、図1を参照して説明したビームモニタ102と同様に構成されている。
また、イオン注入装置200は、イオン注入装置200の全体又はその一部(例えばビームライン部の全体又はその一部)を制御するための制御装置218を備える。制御装置218は、ビームモニタ217の測定結果に基づいてビーム整形器や、ビーム走査器を制御するよう構成されている。また、制御装置218は、イオン源201の引出電極や、ビーム平行化器211およびエネルギーフィルター213を構成する電極装置に所望の目標電圧が印加されるよう、電極装置に直流高電圧を出力するための高電圧電源の動作を制御するように構成されている。制御装置218は、電極装置に接続される測定装置により計測される実電圧を用いて、高電圧電源の動作を制御するための指令信号を生成し送信する。
制御装置218は、高電圧電源に目標電圧を出力させるための第1指令信号を生成する第1生成部と、測定装置により計測される実電圧が目標電圧または目標電圧に近い電圧となるように第1指令信号を補完する第2指令信号を生成する第2生成部と、高電圧電源に、第1指令信号および第2指令信号を合成して得られる合成指令信号を出力する指令部と、を含む。第1指令信号と、第1指令信号を補完する第2指令信号を組み合わせることにより、電極装置に印加される実電圧を目標電圧に精度良く合わせることができる。
以上、本発明を上述の各実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述の各実施の形態に限定されるものではなく、各実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて各実施の形態における組合せや処理の順番を適宜組み替えることや各種の設計変更等の変形を実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれ得る。
上述した制御装置、電極装置および測定装置に係る構成は、比較的エネルギーの低いイオンビームを出力するための低エネルギーイオン注入装置に適用してもよい。ここで、エネルギーの低いイオンビームとは、0.2keV〜50keV程度のエネルギーを有するイオンビームのことである。このようなイオンビームを出力するには、イオン源からイオンを引き出すための引出電極の印加電圧を精度良く設定する必要がある。上述した実施の形態に係る制御装置、電極装置および測定装置を用いることにより、引出電圧を精度良く設定することができ、品質の高い低エネルギーイオンビームを生成することができる。
10 イオン源、 11 引出電極、 34 ビーム走査器、 80 電極装置、 90 高電圧電源、 100 イオン注入装置、 104 制御装置、 106 管理部、 110 第1生成部、 112 第2生成部、 114 指令部、 120 測定装置、 125 分圧器、 126 測定端子、 127 分圧端子、 128 基準端子、 132 冷却機構、 200 イオン注入装置、 HV 出力電圧、 HV 目標電圧、 HV 実電圧、 ΔHV 目標補正電圧、 S 第1指令値、 S 第2指令値、 VT1 第1閾値電圧、 VT2 第2閾値電圧。

Claims (19)

  1. 高電圧電源と、前記高電圧電源の出力電圧を制御する指令信号を生成する制御装置と、前記出力電圧が印加される電極装置と、前記電極装置に印加される実電圧を計測する測定装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記高電圧電源に目標電圧を出力させるための第1指令信号を生成する第1生成部と、
    前記測定装置により計測される実電圧が前記目標電圧または前記目標電圧に近い電圧となるように前記第1指令信号を補完する第2指令信号を生成する第2生成部と、
    前記高電圧電源に、前記第1指令信号および前記第2指令信号を合成して得られる合成指令信号を出力する指令部と、を含むことを特徴とするイオン注入装置。
  2. 前記第1生成部および前記第2生成部のそれぞれは、デジタルの指令値をアナログの指令信号に変換するD/A(Digital to Analog)コンバータを含み、
    前記指令部は、前記高電圧電源に、前記目標電圧の値を表す第1指令値をD/A変換して得られる第1指令信号と、前記実電圧を前記目標電圧または前記目標電圧に近い電圧に補完するための電圧の値を表す第2指令値をD/A変換して得られる第2指令信号とを合成した前記合成指令信号を出力することを特徴とする請求項1に記載のイオン注入装置。
  3. 前記第1指令値の単位量変化に対応する前記出力電圧の変化値である第1ステップ電圧よりも、前記第2指令値の単位量変化に対応する前記出力電圧の変化値である第2ステップ電圧が小さいことを特徴とする請求項2に記載のイオン注入装置。
  4. 前記第2ステップ電圧は、前記第1ステップ電圧の1/10〜1/1000となるように構成されることを特徴とする請求項3に記載のイオン注入装置。
  5. 前記第2生成部は、前記第1生成部が生成可能な前記第1ステップ電圧きざみの電圧値についての中間値を実現するために前記第2指令信号を生成することを特徴とする請求項3または4に記載のイオン注入装置。
  6. 前記第1指令値の変更により調整可能な前記出力電圧の変化幅よりも、前記第2指令値の変更により調整可能な前記出力電圧の変化幅が小さいことを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載のイオン注入装置。
  7. 前記第2生成部は、前記指令信号の変化に起因しない前記出力電圧の電圧変動を補正するために前記第2指令信号を生成することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のイオン注入装置。
  8. 前記第2生成部は、前記高電圧電源の温度変化に起因する前記電圧変動を補正するために前記第2指令信号を生成することを特徴とする請求項7に記載のイオン注入装置。
  9. 前記制御装置は、所定の更新期間内に計測される前記実電圧と前記目標電圧の差である目標補正電圧に基づいて、前記更新期間の経過ごとに前記第2指令信号の出力値を前記第2生成部に更新させる管理部をさらに含み、
    前記管理部は、前記第2指令信号の更新による前記出力電圧の電圧変動が第1閾値電圧以内となるように前記第2指令信号の更新を制限する出力電圧補正モードを提供することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のイオン注入装置。
  10. 前記管理部は、前記目標補正電圧が前記第1閾値電圧よりも小さい第2閾値電圧以内となった場合、それ以降の更新期間において、前記第2指令信号の更新による前記出力電圧の電圧変動が前記第2閾値電圧以内となるように前記第2指令信号の更新を制限する出力電圧安定化モードを提供することを特徴とする請求項9に記載のイオン注入装置。
  11. 前記測定装置は、前記電極装置に印加される実電圧を分圧して計測するための分圧器を含み、
    前記分圧器は、抵抗の温度係数が正である正温度係数抵抗器と、抵抗の温度係数が負である負温度係数抵抗器とが組み合わされていることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のイオン注入装置。
  12. 前記分圧器は、前記高電圧電源の出力に接続される測定端子と、基準電圧に接続される基準端子と、前記測定端子と前記基準端子の間に設けられる分圧端子と、を有し、
    前記測定端子と前記分圧端子の間には、一つ以上の正温度係数抵抗器と一つ以上の負温度係数抵抗器が直列に接続され、
    前記分圧端子と前記基準端子の間には、一つ以上の正温度係数抵抗器と一つ以上の負温度係数抵抗器が直列に接続され、
    前記分圧端子の電圧を計測することにより前記実電圧を導出することを特徴とする請求項11に記載のイオン注入装置。
  13. 前記測定端子と前記分圧端子の間には、正温度係数抵抗器および負温度係数抵抗器がそれぞれ同数設けられることを特徴とする請求項12に記載のイオン注入装置。
  14. 前記分圧端子と前記基準端子の間には、正温度係数抵抗器および負温度係数抵抗器がそれぞれ同数設けられることを特徴とする請求項12または13に記載のイオン注入装置。
  15. 前記分圧器は、前記正温度係数抵抗器および前記負温度係数抵抗器を冷却するための冷却機構をさらに有することを特徴とする請求項11から14のいずれか一項に記載のイオン注入装置。
  16. イオン注入のためのイオンビームを所定の走査方向に往復走査させるビーム走査器と、
    前記ビーム走査器により往復走査されるイオンビームを平行化する平行化レンズ電極装置と、をさらに備え、
    前記高電圧電源は、前記平行化レンズ電極装置に直流高電圧を出力することを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載のイオン注入装置。
  17. イオン注入のためのイオンビームの進行方向を変化させる角度エネルギーフィルタ電極装置をさらに備え、
    前記高電圧電源は、前記角度エネルギーフィルタ電極装置に直流高電圧を出力することを特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載のイオン注入装置。
  18. イオン注入のためのイオンビームを生成するイオン源と、前記イオン源からイオンを引き出すための引出電極と、をさらに備え、
    前記高電圧電源は、前記引出電極に直流高電圧を出力することを特徴とする請求項1から17のいずれか一項に記載のイオン注入装置。
  19. 高電圧電源と、前記高電圧電源の出力電圧を制御する指令信号を生成する制御装置と、前記出力電圧が印加される電極装置と、前記電極装置に印加される実電圧を計測する測定装置と、を備えるイオン注入装置の制御方法であって、
    前記高電圧電源に目標電圧を出力させるための第1指令信号を生成することと、
    前記測定装置により計測される実電圧が前記目標電圧または前記目標電圧に近い電圧となるように前記第1指令信号を補完する第2指令信号を生成することと、
    前記高電圧電源に、前記第1指令信号および前記第2指令信号を合成して得られる合成指令信号を出力することと、を含むことを特徴とするイオン注入装置の制御方法。
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