JP2015164142A - イオンビーム照射装置 - Google Patents

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サミ・ケイ ハフト
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徹朗 山元
哲也 井合
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哲也 井合
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Abstract

【課題】補正装置5でのビーム電流分布調整を容易にし、基板処理に係るイオンビーム量の低下を防ぐ。【解決手段】断面リボン状のイオンビームIBの長さ方向におけるビーム電流分布調整用の補正装置5を有するイオンビーム照射装置IMで、イオンビームIBの輸送経路で補正装置5の上流側に、イオンビームIBの長さ方向(Y方向)でイオンビームIBを収束する収束レンズ4を備えている。【選択図】 図1

Description

本発明は、断面リボン状のイオンビームの長さ方向におけるビーム電流分布を調整する補正装置を備えたイオンビーム照射装置に関する。
断面リボン状(略長方形状)のイオンビームの長さ方向におけるビーム電流分布を調整する補正装置を備えたイオンビーム照射装置の一例として、特許文献1〜3に記載のイオン注入装置が知られている。
特許文献1では同文献の図3〜図5、図7、図8に描かれる多段電極を備えた補正装置が使用されている。この補正装置は、断面リボン状のイオンビームの短辺方向で当該イオンビームを挟むようにして配置された一対の電極が、断面リボン状のイオンビームの長さ方向に沿って多段に設けられたものであり、各電極対への印加電圧を個別に設定することで、電極対間を通過するイオンビームの進行方向を制御して、イオンビームのビーム電流分布の調整が行われる。
特許文献1と同様の補正装置は特許文献2の図7、図10にも開示されている。また、特許文献2の図11〜13には、多段に設けられた電極対の代わりに磁極対を用いることで、磁場を用いてイオンビームのビーム電流分布の調整を行う補正装置も開示されている。
さらに、特許文献3の図2A〜C、図5〜図7B、図8Aにも他の特許文献と同様の補正装置が開示されている。
特開2008−47459 特開2005−327713 特開2014−183042
特許文献1〜3からわかるように、イオンビーム照射装置の装置構成、取り扱うイオンビームには様々な種類がある。例えば、イオンビームの輸送距離が長くなる、イオンビームのエネルギーが低くなる等すると、空間電荷効果によって輸送中のイオンビームは大きく発散する。空間電荷効果によって発散したイオンビームは、イオンビームの長さ方向において、イオンビームの中央から端部に向かうにつれて発散の程度は大きくなる。
補正装置に入射するイオンビームが空間電荷効果によって大きく発散した場合、複数の電極対を用いた補正装置であれば、補正装置の端部に配置された電極対への印加電圧が大きくなる。
また同様に、複数の磁極対を用いた補正装置であれば、両端部に配置された磁極対に巻回されたコイルへの通電電流が大きくなる。
本来、補正装置はイオンビーム の長さ方向でのビーム電流分布を所定分布(例えば、均一な分布)にするために使用されている。イオンビームが発散し、イオンビームの長さ方向の中央と端部での角度差が大きくなると、この分を考慮してビーム電流分布の調整を行うことが必要とされるので、ビーム電流分布の調整が複雑となる。
さらに、イオンビームの長さ方向の寸法が補正装置で調整可能な領域を超えてしまうと、この領域を超えたところでのイオンビームに対するビーム電流分布の調整が不可能となる。
ビーム電流分布が未調整のイオンビーム領域が補正装置の下流側に配置された基板(シリコーンウエハやガラス基板等)に照射されると、基板の処理不良が生じる恐れが高いので、基板処理にはビーム電流分布が未調整のイオンビーム領域の使用は避けることが望まれる。
この理由から、イオンビームの長さ方向の寸法が補正装置の調整可能領域を超えると、基板処理に適切に使用できるイオンビーム量が減少し、ひいては基板処理に係るイオンビーム照射装置の処理能力が低下してしまう。
本発明では、上述した問題点を一挙に解決することのできるイオンビーム照射装置を提供する。
本発明に係るイオンビーム照射装置は、断面リボン状のイオンビームの長さ方向におけるビーム電流分布調整用の補正装置を有するイオンビーム照射装置で、前記イオンビームの輸送経路で前記補正装置の上流側に、前記イオンビームの長さ方向で前記イオンビームを収束する収束レンズを備えている。
上記構成であれば、補正装置に入射するイオンビームの発散をその上流側に配置された収束レンズで収束させることができるので、補正装置でのビーム電流分布調整を容易にし、基板処理に係るイオンビーム量の低下を防ぐことが可能となる。
収束レンズの具体的な構成としては、前記収束レンズは前記イオンビームの輸送経路に沿ってギャップを隔てて配置された一組の電極からなり、前記電極の一方が他方に向けて突出している構成が挙げられる。
このような収束レンズであれば、構成が簡素で用いられる電源の数も少なくて済む。
収束レンズでイオンビームの発散を効果的に抑制する場合、前記イオンビームの長さ方向で、前記収束レンズの端部領域に形成される前記ギャップが前記収束レンズの中央領域に形成される前記ギャップに比べて狭くなるように構成されていることが望ましい。
上記構成の収束レンズであれば、発散の大きいイオンビーム両端部が通過する領域に発生する電界を発散の小さいイオンビーム中央が通過する領域に発生する電界に比べて強くすることできるので、イオンビームの発散を効果的に抑制することが可能となる。
一方、収束レンズの構成として、次に示す構成を用いても良い。前記イオンビームの長さ方向で、前記電極の一方が複数に分割されていて、前記収束レンズの端部領域に形成される前記ギャップで発生する電界が前記収束レンズの中央領域に形成される前記ギャップで発生する電界に比べて強くなるように構成されても良い。
上記構成であれば、収束レンズを通過するイオンビームの端部と中央部に対する電界強度を個別に変更することが出来る。また、このような構成を用いて、発散の大きいイオンビーム両端部が通過する領域に発生する電界を発散の小さいイオンビーム中央が通過する領域に発生する電界に比べて強くするようにしているので、収束レンズでのイオンビームの発散を効果的に抑制することが可能となる。
また、イオンビーム照射装置は次に示す構成でも良い。前記イオンビームの輸送経路で前記収束レンズの上流側に、電場によって前記イオンビームの進行方向を所定方向へ偏向させて、前記イオンビームから中性粒子の除去を行う静電偏向器を備えている。
上記構成であれば、収束レンズの上流側に静電偏向器を配置しているので、静電偏向器で分離された中性粒子の基板への混入が容易に防止できる。
静電偏向器を備えたイオンビーム照射装置で、レンズ要素を追加せずにイオンビームの発散を抑制するには、前記イオンビームの輸送経路で前記静電偏向器と前記収束レンズが隣接配置されているとともに、前記イオンビームを収束させるための電界が前記静電偏向器と前記収束レンズとの間に発生されるように構成すれば良い。
上記構成であれば、静電偏向器と収束レンズ間のギャップに発生した電界を用いて、イオンビームの発散を抑制することが可能となる。
補正装置に入射するイオンビームの発散をその上流側に配置された収束レンズで収束させることができるので、補正装置でのビーム電流分布調整を容易にし、基板処理に係るイオンビーム量の低下を防ぐことが可能となる。
本発明に係るイオンビーム照射装置の一構成例を示す平面図である。 図1記載の収束レンズ近傍の様子を表す斜視図である。 図2記載の収束レンズによるビーム収束作用の説明図である。 収束レンズの別の構成例を示す平面図である。 収束レンズの他の構成例を示す平面図である。 収束レンズのさらに他の構成例を示す平面図である。 本発明に係るイオンビーム照射装置の別の構成例を示す平面図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1には、本発明に係るイオンビーム照射装置の一構成例が描かれている。このイオンビーム照射装置IMは、特許文献1〜3の装置と同じくイオン注入装置である。図示される各軸(X軸、Y軸、Z軸)の方向は、それぞれ後述する断面リボン状(略長方形状)のイオンビームの短辺方向、長辺方向、進行方向であり、X方向およびZ方向はイオン源1から処理室6まで輸送されるイオンビームの経路に応じて適宜変更される。これらの座標軸については後述する各図においても同様である。なお、図1に記載の座標軸は処理室6に入射するイオンビームについてのものである。
イオン源1ではBFやPH等のイオン化ガスから電子衝撃によってプラズマが生成される。このプラズマから引出電極系と呼ばれる複数枚の電極を通して、図示されないイオンビームの引き出しが行われる。
イオン源1から引出されたイオンビームは分析マグネット2、分析スリット3を通過し、質量の違いによってイオンビームから所望するイオン種以外の不要なイオン成分が分析される。質量分析されたイオンビームは、収束レンズ4、補正装置5を通過して、Y方向におけるビーム電流分布の調整が行われた後、処理室6に配置された基板Sに照射される。
基板Sは、処理室6内で図示されない走査機構によって、処理室6内に入射するイオンビームと交差するようにX方向に沿って1回または複数回走査され、基板Sへのイオンビームの照射処理が行われる。
基板Sにイオンビームが照射されていないとき、処理室6に入射するイオンビームは処理室6内に配置されたビーム電流計測器7に照射される。
ビーム電流計測器7は、図示されるY方向に沿って多段に複数のファラデーカップが配列された、多点ファラデーで構成されている。ここでの測定結果はビーム電流分布として補正装置5へフィードバックされ、この測定値をもとに補正装置5での調整が行われる。
図2は、図1に記載の収束レンズ4近傍の様子を表す斜視図である。イオンビームIBはZ方向に垂直な面(XY平面)で切断したときの断面が略長方形状のリボンビームである。例えば、補正装置5は特許文献1〜3に記載の複数の電極対あるいは磁極対を備えた装置であり、ここに入射するイオンビームIBのY方向でのビーム電流分布を所定分布(例えば、均一な分布)に調整する機能を有している。
本発明のイオンビーム照射装置IMは、補正装置5の上流側に収束レンズ4を備えている。例えば、この収束レンズ4は、図2に描かれているように2つの電極41、42で構成されたもので、電極間に電界を発生させることで、Y方向に沿ってイオンビームIBを内側に向けて収束させる機能を有している。
なお、この明細書で言う上流側、下流側なる用語はイオンビームの輸送経路における位置関係を表すために用いられている。補正装置5の上流側とは、補正装置5から視てイオンビームの輸送経路においてイオン源1側のことを指す。
具体的に収束レンズ4の構成を述べると、収束レンズ4はイオンビームIBの輸送経路に沿ってギャップを隔てて配置された一組の電極41、42からなり、第一の電極41が第二の電極42に向けて突出している。
なお、図示される第一の電極41と第二の電極42は、X方向でイオンビームIBを挟んで2つに分離された一対の電極で構成されているが、イオンビームIBが通過可能な空間が確保されていれば、2つに分離された電極を一体物として構成しても良い。
また、図2に図示されているように個別電源V1、V2を用いて、第一の電極41、第二の電極42への印加電圧を個別に設定できるように構成しておいても良い。一方、いずれかの電極の電位を接地電位に固定しておく場合には、接地されていない方の電極にのみ電源を接続しておけば良い。
図3にはYZ平面でイオンビームIBが図2記載の収束レンズ4によって収束される様子が描かれている。この図に基づいて、収束レンズ4でのイオンビームIBの発散抑制作用について説明する。
輸送されるイオンビームIBのエネルギーが低い、イオン源1から補正装置5までの輸送距離が十分に長い等の理由で、補正装置5に入射するイオンビームIBは空間電荷効果の影響を受けて発散する。このようなイオンビームIBに対して、図示されるように補正装置5の上流側に収束レンズ4を配置しておくことで、発散成分が抑制されたイオンビームIBを補正装置5に入射させることが可能となる。
例えば、イオンビームIBは正の電荷を有するイオンビームである。また、各電極41、42には−数kV〜+数kVの電圧が印加され、第一の電極41よりも第二の電極42の電位が高くなるように構成されている。
このような構成のもと、イオンビームIBが第一の電極41と第二の電極42との間に形成されたギャップGを通過すると、図示される実線のようにイオンビームIBの発散が抑制される。
なお、図示される実線は、断面リボン状のイオンビームで特定の場所(イオンビーム中央、両端、中央と両端の間)を通過するイオンビームの軌道を代表的に描いたもので、各軌道間にもイオンビームは存在している。ここで説明したイオンビームの軌道については、後述する図4〜6についても同様である。
本来、補正装置5はイオンビームIBのY方向でのビーム電流分布を所定分布(例えば、均一な分布)にするために使用されている。イオンビームIBが発散し、Y方向でイオンビームの中央と端部との角度差が大きくなると、この角度差を考慮してビーム電流分布の調整を行うことが必要とされるので、ビーム電流分布の調整が複雑になる。
しかしながら、図3に描かれているように補正装置5の上流側に収束レンズ4を配置して、補正装置5に入射するイオンビームIBの発散を抑制することで、補正装置5で行われるビーム電流分布の調整への影響を少なくすることができる。これにより、補正装置5でのビーム電流分布の調整が容易となる。
また、図3で収束レンズ4が設けられていない場合、イオンビームIBは破線で描かれているように発散し続ける。この時、Y方向のイオンビームIBの寸法が補正装置5で調整可能領域な領域を超えてしまうと、この領域を超えたイオンビームのビーム電流分布の調整は不可能となる。
ビーム電流分布が未調整のイオンビーム領域が補正装置5の下流側に配置された基板(シリコーンウエハやガラス基板等)に照射されると、基板の処理不良が生じる恐れが高いので、基板処理にはビーム電流分布が未調整のイオンビーム領域の使用は避けることが望ましい。
本発明では補正装置5の上流側に収束レンズ4を配置しているので、補正装置5に入射するイオンビームIBの全域を補正装置5に入射させることも可能となる。その結果、イオンビームIBの利用効率が向上され、ひいてはイオンビーム照射装置の処理能力を向上させることも可能となる。
図4には、本発明に係る収束レンズ4の別の構成例が描かれている。図3の構成例では、収束レンズ4を構成する第一の電極41が第二の電極42の上流側に配置されていたが、図4に示す構成例のように各電極の配置を逆にしても良い。つまり、第二の電極42が第一の電極41の上流側に配置されていても良い。
図4の構成例でも第一の電極41は第二の電極42に向けて突出していて、例えば、イオンビームIBは正の電荷を有するイオンビームだと仮定すると、各電極41、42には−数kV〜+数kVの電圧が印加され、電位の関係が第一の電極41よりも第二の電極42の方が大きくなるように構成されている。このような構成でも、図3の構成例と同等の効果を奏することが可能である。
また、収束レンズ4の構成については、図5に示す構成例を用いても良い。図5の構成例は図4の構成例と同じく第二の電極42が第一の電極41の上流側に配置されている。図5の構成例と図4の構成例との違いは、第一の電極41と第二の電極42の間に形成されるギャップGの寸法にある。
図3〜図5に描かれているように、Y方向でのイオンビームIBの発散角度は中央から端部に向かうにつれて大きくなる傾向にある。Y方向におけるイオンビームIBの発散の度合いを同程度にするには、収束レンズ4を通過するイオンビームIBの両端部は中央に比べて大きな発散抑制効果を得ることが必要となる。
これを効果的に実現すべく、図5の構成例では第一の電極41と第二の電極42との間に形成されるギャップGがY方向でイオンビームIBの両端部が通過する領域ほど狭く、イオンビームの中央部が通過する領域ほど広くなるように形成されている。つまり、各電極の対向面の曲率を異ならせることで、ギャップGがY方向でイオンビームIBの中央から端部に向かうのにつれて減少するように構成されている。
図5に示す構成例を用いることで、収束レンズ4を通過するイオンビームIBの両端部ほど強い電界が作用して、イオンビームIBの発散が大きく抑制される。このような構成を用いることで、イオンビームIBの発散抑制を効果的に行うことが可能となる。なお、収束レンズ4を構成する各電極への印加電圧の例は、図4の構成例と同じものが使用される。
一方、イオンビームIBの発散抑制を効果的に行うために、図6に示す構成例を用いても良い。図6の構成例では、収束レンズ4を構成する第二の電極42がY方向に沿って3つに分割されている。
図6の構成例も、図4や図5の構成例と同じく、第二の電極42の電位が第一の電極41の電位よりも高くなるように各電極の電位設定がなされている。3分割された上電極42a、中央電極42b、下電極42cの電位をそれぞれVa、Vb、Vaとし、第1の電極41の電位をVcとするならば、Va>Vb>Vcの関係を満たすように各電極には所定電圧が印加されている。このようにして各電極の電位設定を行うことで、イオンビームIBの両端を中央に比べて大きく偏向させることが可能となる。
図6では、Y方向でイオンビームIBの両端部を同程度偏向させるために、上電極42aと下電極42cの電位が同電位(Va)になるように設定されていたが、本発明はこのような構成に限らない。例えば、上電極42aを通過するイオンビームIBと下電極42cを通過するイオンビームIBの発散の程度を比べて、下電極42cを通過するイオンビームの方がより発散する場合には、下電極42cの電位を上電極42aの電位に比べて高くしておく。このような構成を用いることで、下電極42cを通過するイオンビームを、上電極42aを通過するイオンビームに比べて大きく偏向させることが可能となる。
また、電極の分割数は3分割以上であれば良く、4分割や5分割といったように電極分割数を増加させて、収束レンズ4を通過するイオンビームIBの発散抑制を細かく行えるようにしても良い。
さらに、分割される電極は第一の電極41であっても良く、図3の構成例のように第一の電極41を第二の電極42の上流側に配置しても良い。そのうえ、図5の構成例で説明した、第一の電極41と第二の電極42の間に形成されるギャップGがイオンビームIBの中央から端部に向かうにつれて狭くなる構成を、図6の構成例と組み合わせて使用しても良い。
図7には本発明に係るイオンビーム照射装置IMの別の構成例が描かれている。図1の構成例との違いは、静電偏向器Eを備えている点にある。この静電偏向器Eはここに入射するイオンビームを加速あるいは減速し、所定方向へ偏向させる機能を有するもので、例えば、特許文献3に開示されているように、イオンビームの輸送経路に沿って配置された複数の静電レンズで構成されている。
このような静電偏向器Eを本発明のイオンビーム照射装置IMに設ける場合には、図7に描かれているように収束レンズ4の上流側に配置されることが望ましい。このような構成であれば、静電偏向器Eで分離された中性粒子の基板Sへの混入が容易に防止できる。
この理由は、中性粒子の分離が行われる静電偏向器Eが基板Sから十分に遠い位置に配置されているからである。なお、図7の構成例で述べた静電偏向器Eは、ビーム偏向機能に加えて加減速機能を備えたものであったが、加減速機能を備えることは必須ではない。
また、図7の構成例において、隣接配置される静電偏向器Eと収束レンズ4との基準電位を異ならせることで、部材間に生じる電界の作用で両部材間を通過するイオンビームを収束させても良い。このような構成を用いれば、レンズ要素の追加なしにイオンビームを収束させることが可能となる。
収束レンズ4を構成する各電極41、42への印加電圧は、予め行われた実験結果に基づいて、常に特定の値が使用される構成でもいいが、特定条件下で印加電圧の値が変更されるように構成しておいても良い。
空間電荷効果によるイオンビームの発散はイオンビームのエネルギーに関連している。例えば、イオンビームのエネルギーに応じて、収束レンズ4を構成する各電極に印加される設定電圧の組を複数設けておき、イオンビーム照射装置の運転開始時に設定されるイオンビームのエネルギーのデータに基づいて、適切な設定電圧の選択が行われるように構成しても良い。また、イオンビームのエネルギーが所定値よりも低い場合には収束レンズ4を機能させ、それ以外の場合には収束レンズ4を機能させないように構成しておいても良い。
図1や図7の構成例に示されているように、処理室6内にビーム電流計測器7を配置しておき、ここでの計測結果に基づいて、収束レンズ4を構成する電極に所定電圧が印加されるように構成しても良い。
また、図1や図7の構成例に代えて、ビーム電流計測器7での測定を基板位置で行うようにしても良い。この場合、例えば、ビーム電流計測器7を図示されない駆動機構に連結し、基板Sにイオンビームが照射される位置でY方向に沿って移動可能となるように構成しておく。
さらに、ビーム電流計測器7とは別にY方向の各場所でのビーム角度計測ができるエミッタンス測定器を設けておき、エミッタンス測定器で得た測定結果を用いて、収束レンズ4を構成する各電極での設定電圧を決定するようにしても良い。この場合、エミッタンス測定器は、上述したビーム電流計測器7と同様に駆動機構を用いてY方向に移動可能な構成にすることが考えられる。さらに、ビーム電流計測器7とエミッタンス測定器で得られたそれぞれの測定結果を考慮して、収束レンズ4を構成する各電極への印加電圧を決定するようにしても良い。
上述した収束レンズ4を構成する各電極への設定電圧の選択、収束レンズ4のオン・オフの切り替え、収束レンズ4への測定値のフィードバックについては、自動化できるように図示されない制御装置を設けておき、これを利用するようにしても良い。また、装置のオペレーターが測定結果やイオンビーム照射装置の運転条件を確認し、手動にて印加電圧の選択や収束レンズのオン・オフに係る切り替えができるように構成しておいても良い。
その他、これまでに述べた実施形態では、第一の電極41と第二の電極42から構成される収束レンズ4を用いるものであったが、補正装置5をイオンビームの輸送経路に沿って2つ並べて配置し、上流側に配置された補正装置5を収束レンズ4として使用するようにしても良い。
ただし、複数の電極対や磁極対を備える補正装置5には多数の電源が必要となることから、装置構成が複雑であり、装置価格も高価になる。これらの点から、収束レンズとしては図2乃至図6に記載の構成を用いる方が望ましい。
また、イオンビーム照射装置の例としてイオン注入装置の構成をもとに説明したが、イオン注入装置に限らず、イオンビーム配向装置やイオンビームミリング装置等、イオンビームを用いて基板処理を行う他の装置に本発明を適用しても良い。
さらに、上記実施形態で述べた収束レンズと補正装置とを一つの組として、これをイオンビームの輸送経路に沿って複数設けるようにしても良い。
また、図5に記載の実施形態において、ギャップGは収束レンズの中央から端部に向かうにつれて徐々に狭くなる構成のものであったが、本発明の構成はこれに限れない。
例えば、収束レンズの中央近傍を通過するイオンビームがほとんど発散しない場合には、収束レンズ中央近傍の領域に係るギャップGを一定にしておき、この領域よりも端部側へ向かうにつれて、ギャップが徐々に狭くなるように構成しておいても良い。つまり、Y方向において収束レンズ4の端部領域に形成されたギャップが収束レンズの中央領域に形成されたギャップよりも小さいものであれば良い。
前述した以外に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
IM イオンビーム照射装置
IB イオンビーム
E 静電偏向器
4 収束レンズ
41 第一の電極
42 第二の電極
5 補正装置

Claims (6)

  1. 断面リボン状のイオンビームの長さ方向におけるビーム電流分布調整用の補正装置を有するイオンビーム照射装置で、
    前記イオンビームの輸送経路で前記補正装置の上流側に、前記イオンビームの長さ方向で前記イオンビームを収束する収束レンズを備えたイオンビーム照射装置。
  2. 前記収束レンズは前記イオンビームの輸送経路に沿ってギャップを隔てて配置された一組の電極からなり、前記電極の一方が他方に向けて突出している請求項1記載のイオンビーム照射装置。
  3. 前記イオンビームの長さ方向で、前記収束レンズの端部領域に形成される前記ギャップが前記収束レンズの中央領域に形成される前記ギャップに比べて狭くなるように構成されている請求項2記載のイオンビーム照射装置。
  4. 前記イオンビームの長さ方向で、前記電極の一方が複数に分割されていて、前記収束レンズの端部領域に形成される前記ギャップで発生する電界が前記収束レンズの中央領域に形成される前記ギャップで発生する電界に比べて強くなるように構成されている請求項2または3記載のイオンビーム照射装置。
  5. 前記イオンビームの輸送経路で前記収束レンズの上流側に、電場によって前記イオンビームの進行方向を所定方向へ偏向させて、前記イオンビームから中性粒子の除去を行う静電偏向器を備えた請求項1乃至4のいずれか1項に記載のイオンビーム照射装置。
  6. 前記イオンビームの輸送経路で前記静電偏向器と前記収束レンズが隣接配置されているとともに、前記イオンビームを収束させるための電界が前記静電偏向器と前記収束レンズとの間に発生される請求項5記載のイオンビーム照射装置。
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